回折素子を用いた映像表示装置
【課題】レンズ特性を向上させる映像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る映像表示装置は、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの映像を2次元映像または3次元映像と認識されるように2次元モードまたは3次元モードで動作するように形成される回折素子と、を含み、前記回折素子は、互いに対向する第1基板及び第2基板、前記第1基板上に形成される第1電極層、前記第2基板上に形成される第2電極層、及び前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層を含み、前記回折素子が3次元モードで動作する場合、前記第2電極層には共通電圧が印加され、前記共通電圧に対して前記第1電極層に印加される電圧の極性は区間ごとに反転する。
【解決手段】本発明に係る映像表示装置は、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの映像を2次元映像または3次元映像と認識されるように2次元モードまたは3次元モードで動作するように形成される回折素子と、を含み、前記回折素子は、互いに対向する第1基板及び第2基板、前記第1基板上に形成される第1電極層、前記第2基板上に形成される第2電極層、及び前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層を含み、前記回折素子が3次元モードで動作する場合、前記第2電極層には共通電圧が印加され、前記共通電圧に対して前記第1電極層に印加される電圧の極性は区間ごとに反転する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回折素子を用いた映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置技術の発展によって3次元(3D)の立体映像表示装置が関心を引き、様々な3次元映像表示方法が研究されている。
【0003】
立体映像表示を実現する際に、最も一般に用いられる方法の1つは左右両眼視差(binocular display)を用いる方法である。左右両眼視差を用いる方法は、左眼に到達する映像と右眼に到達する映像とを同じ表示装置で表示し、この2つの映像をそれぞれ観察者の左眼と右眼に入れるようにするものである。つまり、両眼にそれぞれ他の角度で観察された映像が入力されるようにすることによって、観察者が立体感を感じられるようにする。
【0004】
この時、映像を観察者の左眼と右眼にそれぞれ入れる方法としては、バリア(barrier)を用いる方法と、円筒形レンズ(cylindrical lens)の一種であるレンチキュラーレンズ(lenticular lens)を用いる方法などがある。
【0005】
バリアを用いる立体映像表示装置は、バリアにスリットを形成して、このスリットを通じて表示装置からの映像を左眼映像と右眼映像に分けて観察者の左眼と右眼にそれぞれ入るようにする。
【0006】
レンズを用いる立体映像表示装置は、左眼映像と右眼映像をそれぞれ表示し、立体映像表示装置からの映像をレンズを用いて光経路を変更することによって左眼映像と右眼映像に分ける。
【0007】
一方、2次元映像表示方法から立体映像表示方法に切換する過程で、2次元/3次元兼用映像表示装置が開発されており、これのためにスイッチングが可能なレンズが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第2009−0004006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、レンズ特性を向上させる映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る映像表示装置は、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの映像を2次元映像または3次元映像と認識されるように、2次元モードまたは3次元モードで動作するように形成される回折素子と、を含み、前記回折素子は、互いに対向する第1基板及び第2基板、前記第1基板上に形成される第1電極層、前記第2基板上に形成される第2電極層、及び前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層を含み、前記回折素子が3次元モードで動作する場合、前記第2電極層には共通電圧が印加され、前記共通電圧に対して前記第1電極層に印加される電圧の極性は区間ごとに反転することを特徴とする。
【0011】
前記回折素子が3次元モードで動作する場合、前記回折素子は複数の単位レンズを含んでもよい。
【0012】
前記複数の単位レンズはそれぞれフレネルゾーンプレートとして動作してもよい。
【0013】
前記単位レンズは、中心を基準として外側に順に位置する複数の区間を含んでもよい。
【0014】
前記第1電極層は、複数の第1電極を含む第1電極アレイ、複数の第2電極を含む第2電極アレイ、及び前記第1電極アレイと前記第2電極アレイとの間を絶縁する絶縁層を含んでもよい。
【0015】
前記複数の区間は、それぞれ少なくとも1つの前記第1電極と、少なくとも1つの前記第2電極とを含んでもよい。
【0016】
前記複数の区間それぞれにおける位相遅延が外側から中心側に段階的に変化するように前記第1電極層に電圧を印加してもよい。
【0017】
前記複数の区間において、同一のサブ区間に該当する前記第1電極または前記第2電極の電圧は、同一の位相遅延を起こすように印加してもよい。
【0018】
前記複数の区間それぞれで少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に印加される電圧は、外側から中心側に段階的に変化してもよい。
【0019】
前記複数の区間それぞれで少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極の幅は、単位レンズの外側から中心側に向かうほど広くなってもよい。
【0020】
前記複数の区間それぞれにおいて、少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に印加される電圧と前記共通電圧との差は、外側から中心側に順に減少してもよい。
【0021】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、前記各区間で最も外側に位置する電極に印加される第1電圧と、最も中心に位置する電極に印加される第2電圧との差dVmax、及び前記第2電圧と前記共通電圧との差であるオフセット電圧Voffsetによって設定してもよい。
【0022】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、dV=dVmax+2Voffsetであってもよい。
【0023】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、区間境界部の透過率が所定値以下となるように設定してもよい。
【0024】
区間境界に隣接した2つの電極の間の間隔及びセルギャップは、区間境界部の透過率が所定値以下となるように設定してもよい。
【0025】
前記複数の区間は、それぞれ2つの前記第1電極と、2つの前記第2電極とを含んでもよい。
【0026】
前記複数の区間は、それぞれ2つの前記第1電極と、1つの前記第2電極とを含むか、または1つの前記第1電極と2つの前記第2電極とを含んでもよい。
【0027】
互いに隣接する前記第1電極及び前記第2電極の端部は互いにオーバーラップしなくてもよい。
【0028】
前記回折素子が2次元モードで動作する場合、前記回折素子は前記表示パネルで表示された映像をそのまま透過させてもよい。
【0029】
前記液晶層の液晶分子を配向するための配向膜をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、レンズ特性を向上させる映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る映像表示装置の概略的な構造及び2次元映像を形成する方法を示す図面である。
【図2】本発明の実施形態に係る映像表示装置の概略的な構造及び3次元映像を形成する方法を示す図面である。
【図3】本発明の実施形態に係る映像表示装置の回折素子の一例を示す断面図である。
【図4】位相変調タイプのフレネルゾーンプレートの位置による位相遅延変化を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態に係る回折素子における単位レンズの一部を示す断面図である。
【図6】図5の回折素子で位置によって形成されるべきの位相遅延を示す図面である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る映像表示装置における回折素子の第1電極層に印加される電圧の一例を示す図面である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る映像表示装置における回折素子の第1電極層に印加される電圧の一例を示す図面である。
【図9】図8に示した回折素子の第1電極層に電圧が印加される場合の回折素子に形成される電界を示す図面である。
【図10】図9の回折素子で位置による位相遅延及び透過率を示す図面である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る映像表示装置における回折素子に形成される電界を示す図面である。
【図12】図11の場合に回折素子で位置による位相遅延及び透過率を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0033】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0034】
図1は、本発明の実施形態に係る映像表示装置の概略的な構造及び2次元映像を形成する方法を示す図面である。図2は、本発明の実施形態に係る映像表示装置の概略的な構造及び3次元映像を形成する方法を示す図面である。
【0035】
図1及び図2を参照すれば、映像表示装置は、映像を表示する表示パネル300、及び表示パネル300の映像が表示される面の前に位置する回折素子400を含む。表示パネル300及び回折素子400は2次元モードまたは3次元モードで動作することができる。
【0036】
表示パネル300は、プラズマ表示装置(plasma display panel、PDP)、液晶表示装置(liquid crystal display)、有機発光表示装置(organic light emitting display)などのような様々なフラット表示装置としてもよい。表示パネル300は行列状に配列され、画像を表示する複数の画素PXを含む。表示パネル300は、2次元モードでは1つの平面映像を表示するが、3次元モードでは右眼用映像、左眼用映像などの複数の視野に該当する映像を空間または時間分割方式で交互に表示する。例えば、3次元モードで表示パネル300は右眼用映像と左眼用映像を一列の画素ごとに交互に表示する。
【0037】
回折素子400は、2次元モードでは表示パネル300で表示された映像がそのまま透過するようにし、3次元モードでは表示パネル300の映像の視野を分割する。つまり、3次元モードで動作する回折素子400は、表示パネル300に表示された左眼用映像と右眼用映像とを含む多視点映像を光の回折及び屈折現象を用いて各視点映像別に該当する視野に像が結像する。
【0038】
図1は、表示パネル300及び回折素子400が2次元モードで動作する場合であって、左眼と右眼に同一の映像が到達して2次元映像が認識されることを示し、図2は、表示パネル300及び回折素子400が3次元モードで動作する場合であって、回折素子400が表示パネル300の映像を左眼及び右眼のような各視野に分割して屈折させることによって、3次元映像が認識されることを示す。
【0039】
図3は、本発明の実施形態に係る映像表示装置の回折素子の一例を示す断面図である。
【0040】
図3を参照すれば、回折素子400は、ガラス、プラスチックなどの絶縁物質を含み、互いに対向する第1基板110及び第2基板210、第1基板110と第2基板210との間に配置される液晶層3を含む。第1基板110及び第2基板210の外側面には偏光子(polarizer)(図示せず)を設けてもよい。
【0041】
第1基板110の上には第1電極層190及び配向膜11が順に形成され、第2基板210の上には第2電極層290及び配向膜21が順に形成される。
【0042】
第1電極層190及び第2電極層290は複数の電極を含み、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)などの透明な導電物質で形成される。第1電極層190及び第2電極層290は印加される電圧によって液晶層3に電場を形成して、液晶層3の液晶分子の配列を制御する。
【0043】
配向膜11、21は液晶層3の液晶分子の初期配向を決定し、液晶分子の配列方向を予め決定して、液晶層3に形成された電場によって速かに配列できるようにする。
【0044】
液晶層3は、水平配向モード、垂直配向モード、TN(twisted nematic)モードなど多様なモードで配向する。
【0045】
回折素子400は、第1電極層190及び第2電極層290に印加される電圧によって2次元モードまたは3次元モードで動作する。例えば、第1電極層190及び第2電極層290に電圧が印加されない時に、回折素子400は2次元モードで動作し、第1電極層190及び第2電極層290に電圧が印加される時に、回折素子400は3次元モードで動作する。このために、液晶分子31の初期配向方向及び偏光子の透過軸方向を適切に調節する。
【0046】
以下、3次元モードで動作する回折素子400について説明する。
【0047】
3次元モードで動作する回折素子400は複数の単位レンズを含む。複数の単位レンズは、回折素子400の一側方向に一定の周期で反復配列する。回折素子400内の単位レンズの位置は固定し、時間によって変化することも可能である。
【0048】
1つの単位レンズはフレネルゾーンプレート(Fresnel zone plate)として実現してもよい。フレネルゾーンプレートは、一般に、フレネルゾーン(Fresnel zone)のように放射状に配列され、中心から外側に向かって次第に間隔が狭くなる複数の同心円を利用して、光の屈折の代わりに光の回折現象を利用してレンズの役割を果たすようにする装置をいう。
【0049】
図4は、位相変調タイプのフレネルゾーンプレートの位置による位相遅延変化を示すグラフである。ここで、フレネルゾーンプレートの各区間(zone)はグラフで反復される波形がそれぞれ属する領域となる。
【0050】
図4を参照すれば、各区間で位相遅延が階段型に変化する。中心に位置する区間では位相遅延が2段階にわたって変化し、中心を除いた区間では位相遅延が4段階にわたって変化している。ただし、これは各区間で位相遅延が変化する段階の個数を制限することではない。
【0051】
図4に示すように、各区間での位相遅延(Phase delay)が階段型に変化するフレネルゾーンプレートをマルチレベル位相変調型(multi−level phase modulation)ゾーンプレートという。回折素子は、各区間を通過する光の回折と消滅、補強干渉によって光を焦点位置に集めるように屈折させる。このように回折素子の単位レンズごとにフレネルゾーンプレートによって、位相遅延分布を形成してレンズ効果を発生させることが可能である。
【0052】
図5は、本発明の実施形態に係る回折素子における単位レンズの一部を示す断面図である。以下図3の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0053】
図5を参照すれば、回折素子は、互いに対向する第1基板110及び第2基板210、第1基板110と第2基板210との間に配置される液晶層3を含む。第1基板110の上には第1電極層190及び配向膜11が順に形成され、第2基板210の上には第2電極層290及び配向膜21が順に形成される。
【0054】
第1電極層190は、複数の第1電極193を含む第1電極アレイ191、第1電極アレイ191の上に形成される絶縁層180、及び絶縁層180の上に形成され、複数の第2電極197を含む第2電極アレイ195を含む。
【0055】
第1電極193及び第2電極197は、横方向を基準として互いに交互に位置し、互いにオーバーラップしなくてもよい。図5では、隣接する第1電極193及び第2電極197の端部はオーバーラップしないように示しているが、第1電極193及び第2電極197の端部の一部は若干オーバーラップしてもよい。
【0056】
第1電極193及び第2電極197の横方向の幅、第1電極193の間の間隔及び第2電極197の間の間隔は、単位レンズの中心側から外側に向かって次第に狭くなり、各区間内の中心側から外側に向かって次第に狭くなる。(n−1)番目区間((n−1)−th zone)、n番目区間(n−th zone)、及び(n+1)番目区間((n+1)−th zone)のように、単位レンズの各区間には2つの第1電極193及び第2電極197が位置し、各区間でそれぞれの電極193、197が位置する領域は1つのサブ区間(subzone)sZ1、sZ2、sZ3、sZ4を形成する。1つの区間で外側に位置するサブ区間から中心側に位置するサブ区間まで順にsZ1、sZ2、sZ3及びsZ4で表わす。図5では1つの区間が四つのサブ区間sZ1、sZ2、sZ3、sZ4を含むことを示しているが、この数は限定されない。図5に示したこととは異なって、1つの区間に含まれている第1電極193及び第2電極197の横方向の幅は一定であり、外側区間に向かうほど各区間に含まれている電極193、197の数を減らしてもよい。
【0057】
全ての区間において、第1電極193及び第2電極197の横方向の幅は液晶層3のセルギャップより大きいか同一であってもよい。しかし、工程限界と液晶屈折率の限界によってセルギャップを低くするには限界がある。
【0058】
絶縁層180は無機絶縁物または有機絶縁物などで形成してもよく、第1電極アレイ191と第2電極アレイ195との間を電気的に絶縁する。
【0059】
第2電極層290は第2基板210の全面の上に形成され、共通電圧Vcomなどの定められた電圧の印加を受ける。第2電極層290はITO、IZOなどの透明導電物質で形成してもよい。
【0060】
配向膜11、21は、第1電極193及び第2電極197の幅方向に対して垂直である長さ方向(図5の面に対して垂直方向)、またはこれと一定の角度を成す方向にラビング(rubbing)される。配向膜11と配向膜21のラビング方向は互いに反対であってもよい。
【0061】
液晶層3の液晶分子31は第1基板110、第2基板210の面に対して水平方向に初期配向されるが、液晶層3の配向モードはこれに限定されず、垂直配向なども可能である。
【0062】
図6は、図5の回折素子で位置によって形成されるべき位相遅延を示す図面である。ここで、回折素子は単位レンズごとに位相変調型のフレネルゾーンプレートとして実現される。
【0063】
図6を参照すれば、単位レンズの(n−1)番目区間、n番目区間、及び(n+1)番目区間はそれぞれ位相遅延が4段階にわたって変化する。複数の区間それぞれにおいて、位相遅延は外側から中心側に段階的に増加する。複数の区間で同一のサブ区間は同一の位相遅延を起こす。区間境界で位置に対する位相遅延の傾きは垂直である。
【0064】
回折素子で位置によって形成されるべき位相遅延は、回折素子に印加される電圧を調節することによって実現される。しかし、区間境界で位置に対する位相遅延の傾きを垂直に実現するのは難しい。つまり、区間境界部では位相遅延を制御するのが難しい。位相遅延制御を容易にするために、液晶層のセルギャップを低くしなければならないが、工程限界と液晶屈折率限界によってセルギャップを低くするには限界がある。
【0065】
図7は、本発明の第1実施形態に係る映像表示装置における回折素子の第1電極層に印加される電圧の例を示した図面であり、図8は、本発明の第2実施形態に係る映像表示装置における回折素子の第1電極層に印加される電圧の一例を示す図面であり、図9は、図8に示した回折素子の第1電極層に電圧が印加される場合の回折素子に形成される電界を示す図面であり、図10は、図9の回折素子で位置による位相遅延及び透過率を示す図面である。図5の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0066】
図7及び図8を参照すれば、回折素子において、単位レンズのn番目区間には共通電圧Vcomを基準として極性が正(+)である電圧が印加され、単位レンズの(n−1)番目区間には共通電圧Vcomを基準として極性が負(−)である電圧が印加される。回折素子の第2電極層290(図5参照)には共通電圧Vcomが印加される。
【0067】
このように、共通電圧Vcomに対する第1電極層190に印加される電圧の極性(以下、「共通電圧に対する第1電極層に印加される電圧の極性」を略して「第1電極層に印加される電圧の極性」という)は区間ごとに反転する。これを電圧の極性の空間反転という。
【0068】
このような電圧の極性の空間反転は一定の時間を周期として正(+)であった電圧は負(−)の電圧に、負(−)であった電圧は正(+)の電圧に変化し、時間反転を兼ねることができる。
【0069】
各区間の第1電極層190は、外側から中心側に共通電圧Vcomとの差が次第に小さくなる階段型の電圧の印加を受ける。以下、外側から中心側にn番目区間及び(n−1)番目区間のサブ区間sZ1、sZ2、sZ3、sZ4に印加される電圧を順にV1、...、V8という。
【0070】
n番目区間の電圧の極性が正(+)であり、(n−1)番目区間の電圧の極性が負(−)である場合、電圧V1−V8は共通電圧Vcomに対して次の数式1を満たす。
【0071】
(数1)
P(V1−Vcom)=P(V5−Vcom)
P(V2−Vcom)=P(V6−Vcom)
P(V3−Vcom)=P(V7−Vcom)
P(V4−Vcom)=P(V8−Vcom)
ここで、P(V)は、各電極と共通電極との間に印加される電圧差Vによる当該電極の上部液晶方向子の再配列が発生する時、液晶層に垂直に入射した特定の単一波長光が経るようになる位相遅延を意味する。
【0072】
各区間において、最も中心の側に位置した電極に印加される中心側電圧V4、V8と共通電圧Vcomとの差をオフセット電圧Voffsetという(Voffset=V4−Vcom又はVcom−V8)。図7ではオフセット電圧Voffsetが0であるが、図8に示すようにオフセット電圧Voffsetは調節でき、1つの単位レンズ内でも区間の位置によってオフセット電圧Voffsetは異なってもよい。
【0073】
区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧V4、V5の電圧差(dV=V4−V5)は、各区間で最も外側に位置する電極に印加される外側電圧V1、V5と、最も中心の側に位置する電極に印加される中心側電圧V4、V8との差(dVmax=V1−V4又はV8−V5)、及びオフセット電圧Voffsetによって設定でき、1つの単位レンズ内でも区間の位置によって電圧差dVが異なってもよい。
【0074】
区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧V4、V5の電圧差(dV=V4−V5)は、次の数式を満たす。
【0075】
(数2)
dV=dVmax+2Voffset
【0076】
図7においては、オフセット電圧Voffsetが0であるので、dV=dVmaxになる。
【0077】
図9を参照すれば、第1電極層190と第2電極層290との間に電界が形成され、区間の境界で隣接した2つの電極の間に電界が形成される。
【0078】
単位レンズのn番目区間には共通電圧Vcomを基準として極性が正(+)の電圧が印加され、(n−1)目区間には共通電圧Vcomを基準として極性が負(−)である電圧が印加されるので、n番目区間での電界の方向と、(n−1)番目区間での電界の方向とは、反対である。
【0079】
各区間で第1電極層190と第2電極層290との間に形成される電界の強さは、外側から中心側に向かうほど減少する。外側から中心側に向かうほど第1電極層190に印加される電圧と共通電圧Vcomとの差が減少するためである。
【0080】
n番目区間の最も中心側に位置する第1電極193は、n番目区間の隣接する第2電極197の間に第1電界E1、第2電極層290の間に第2電界E2、(n−1)番目区間の隣接する第2電極197の間に第3電界E3がともに形成される。この時、n番目区間の最も中心側に位置する第1電極193と、(n−1)番目区間の隣接する第2電極197との間の電圧差が最も大きいので、第3電界E3の強さが他の電界E1、E2の強さより大きい。
【0081】
図10を参照すれば、図6に示すように、n番目区間及び(n−1)番目区間では各区間で位相遅延が4段階にわたって変化する。したがって、回折素子はフレネルゾーンプレートによる位相遅延分布を形成して、レンズ効果を発生することができる。
【0082】
図6では区間境界における位相遅延の傾きが垂直であるが、図10では区間境界部ZGにおける位相遅延の傾きが垂直でない。区間境界部ZGでは位相遅延を制御するのが難しいため、区間境界部ZGではレンズの役割を果たすために形成すべき位相遅延が実現されない。しかし、図8に示すように区間ごとに第1電極層190に印加される電圧の極性を反転させることによって、互いに隣接する区間の境界に電界E3が形成され、液晶層3の液晶分子は電界E3に対して垂直方向に配向され、区間境界部ZGで透過率を減少させる。
【0083】
第1電極層190でそれぞれの区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、区間境界部ZGの透過率が所定値以下となるように設定してもよい。
【0084】
透過率(tansmittance)減少は振幅グレーティング(amplitude grating)として作用ができるが、振幅グレーティング効果より位相制御欠陥によるレンズ特性の低下がさらに大きいので、区間境界部ZGの透過率を低くするほど回折効率を増加させる。
【0085】
図11は、本発明の第2実施形態に係る映像表示装置で回折素子に形成される電界を示す図面であり、図12は、図11の場合に回折素子における位置による位相遅延及び透過率を示す図面である。前述の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0086】
図11の単位レンズは、図9に示した回折レンズとほぼ同じであるが、第1電極層190の構造が異なる。図9では各区間における第1電極層190は4個の電極で形成されるが、図11では各区間における第1電極層190は3個の電極で形成される。
【0087】
第1電極層190は、複数の第1電極194を含む第1電極アレイ191、第1電極アレイ191の上に形成される絶縁層180、及び絶縁層180の上に形成され、複数の第2電極198を含む第2電極アレイ195を含む。
【0088】
第1電極層190に印加される電圧の極性は区間ごとに反転する。各区間の第1電極層190は外側から中心側に共通電圧Vcomとの差が順に小さくなる階段型の電圧の印加を受ける。区間ごとに同一のサブ区間に該当する電極には、該当液晶層による位相遅延が同一となるように電圧が印加される。
【0089】
隣接する第1電極194及び第2電極198の端部はオーバーラップしなくてもよい。区間境界に隣接した2つの電極間の間隔dは図9の場合に比べて増加する。また、第1電極194間の間隔または第2電極198間の間隔である電極間隔Dも図9の場合に比べて増加する。
【0090】
区間境界に隣接した2つの電極間の間隔d、電極間隔D、及びセルギャップは、区間境界部の透過率が所定値以下となって、回折素子のレンズの役割に必要な位相遅延分布が形成されるように設定してもよい。
【0091】
図11に示すように、区間に含まれる電極の個数を減らすことによって、区間境界に隣接した2つの電極間の間隔d、電極間隔Dを広げ、微細電極及びオーバーレイ(overlay)による工程問題を緩和することが可能となる。
【0092】
図12を参照すれば、区間ごとに外側から中心側に位相遅延が増加する。したがって、回折素子はフレネルゾーンプレートによる位相遅延分布を形成して、レンズ効果を発生することができる。
【0093】
図12も図10と同様に、区間境界部ZGで位相遅延の傾きが垂直でない。区間境界部ZGでは位相遅延を制御するのが難しいため、区間境界部ZGではレンズの役割を果たすために形成されるべき位相遅延が実現されない。しかし、図11に示したように、区間ごとに第1電極層190に印加される電圧の極性を反転させることによって、互いに隣接する区間の境界に電界が形成され、液晶層3の液晶分子は電界に対して垂直方向に配向され、区間境界部ZGで透過率を減少させる。
【0094】
このように、区間ごとに電圧の極性を反転させることによって、区間境界部の透過率を低くし、レンズ特性を向上させることができる映像表示装置の提供が可能である。
【0095】
各区間において、最も中心の側に位置した電極に印加される中心側電圧と共通電圧との差であるオフセット電圧Voffsetを通じて、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVを制御する。区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差(dV)を制御することによって、液晶の方向子(director)の水平回転程度を制御することができる。回折素子の透過率は、液晶の方向子の水平回転程度に影響を受けるので、区間境界部の透過率を調整することができる。これによって、回折素子の液晶レンズ特性を向上させることが可能となる。
【0096】
区間ごとに電圧の極性を反転させない場合、位相遅延分布と区間境界部の透過率はセルギャップ及び回折素子に印加される電圧によって同時に決定される。しかし、本発明の実施形態によれば、位相遅延分布と区間境界部の透過率を独立的に制御することができる。したがって、セルギャップ選択に対する自由度が上昇する。つまり、セルギャップを限界以上に下げなくても良い。
【0097】
また、電極の横方向の幅及びピッチ(pitch)の自由度が上昇する。したがって、微細パターニング及びオーバレイエラー条件が緩和される。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0099】
3…液晶層、11、21…配向膜、110、210…基板、180…絶縁層、190、290…第1電極層、第2電極層、191、195…第1、第2電極アレイ、193、194…第1電極、197、198…第2電極、300…表示パネル、400…回折素子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回折素子を用いた映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置技術の発展によって3次元(3D)の立体映像表示装置が関心を引き、様々な3次元映像表示方法が研究されている。
【0003】
立体映像表示を実現する際に、最も一般に用いられる方法の1つは左右両眼視差(binocular display)を用いる方法である。左右両眼視差を用いる方法は、左眼に到達する映像と右眼に到達する映像とを同じ表示装置で表示し、この2つの映像をそれぞれ観察者の左眼と右眼に入れるようにするものである。つまり、両眼にそれぞれ他の角度で観察された映像が入力されるようにすることによって、観察者が立体感を感じられるようにする。
【0004】
この時、映像を観察者の左眼と右眼にそれぞれ入れる方法としては、バリア(barrier)を用いる方法と、円筒形レンズ(cylindrical lens)の一種であるレンチキュラーレンズ(lenticular lens)を用いる方法などがある。
【0005】
バリアを用いる立体映像表示装置は、バリアにスリットを形成して、このスリットを通じて表示装置からの映像を左眼映像と右眼映像に分けて観察者の左眼と右眼にそれぞれ入るようにする。
【0006】
レンズを用いる立体映像表示装置は、左眼映像と右眼映像をそれぞれ表示し、立体映像表示装置からの映像をレンズを用いて光経路を変更することによって左眼映像と右眼映像に分ける。
【0007】
一方、2次元映像表示方法から立体映像表示方法に切換する過程で、2次元/3次元兼用映像表示装置が開発されており、これのためにスイッチングが可能なレンズが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第2009−0004006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、レンズ特性を向上させる映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る映像表示装置は、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの映像を2次元映像または3次元映像と認識されるように、2次元モードまたは3次元モードで動作するように形成される回折素子と、を含み、前記回折素子は、互いに対向する第1基板及び第2基板、前記第1基板上に形成される第1電極層、前記第2基板上に形成される第2電極層、及び前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層を含み、前記回折素子が3次元モードで動作する場合、前記第2電極層には共通電圧が印加され、前記共通電圧に対して前記第1電極層に印加される電圧の極性は区間ごとに反転することを特徴とする。
【0011】
前記回折素子が3次元モードで動作する場合、前記回折素子は複数の単位レンズを含んでもよい。
【0012】
前記複数の単位レンズはそれぞれフレネルゾーンプレートとして動作してもよい。
【0013】
前記単位レンズは、中心を基準として外側に順に位置する複数の区間を含んでもよい。
【0014】
前記第1電極層は、複数の第1電極を含む第1電極アレイ、複数の第2電極を含む第2電極アレイ、及び前記第1電極アレイと前記第2電極アレイとの間を絶縁する絶縁層を含んでもよい。
【0015】
前記複数の区間は、それぞれ少なくとも1つの前記第1電極と、少なくとも1つの前記第2電極とを含んでもよい。
【0016】
前記複数の区間それぞれにおける位相遅延が外側から中心側に段階的に変化するように前記第1電極層に電圧を印加してもよい。
【0017】
前記複数の区間において、同一のサブ区間に該当する前記第1電極または前記第2電極の電圧は、同一の位相遅延を起こすように印加してもよい。
【0018】
前記複数の区間それぞれで少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に印加される電圧は、外側から中心側に段階的に変化してもよい。
【0019】
前記複数の区間それぞれで少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極の幅は、単位レンズの外側から中心側に向かうほど広くなってもよい。
【0020】
前記複数の区間それぞれにおいて、少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に印加される電圧と前記共通電圧との差は、外側から中心側に順に減少してもよい。
【0021】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、前記各区間で最も外側に位置する電極に印加される第1電圧と、最も中心に位置する電極に印加される第2電圧との差dVmax、及び前記第2電圧と前記共通電圧との差であるオフセット電圧Voffsetによって設定してもよい。
【0022】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、dV=dVmax+2Voffsetであってもよい。
【0023】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、区間境界部の透過率が所定値以下となるように設定してもよい。
【0024】
区間境界に隣接した2つの電極の間の間隔及びセルギャップは、区間境界部の透過率が所定値以下となるように設定してもよい。
【0025】
前記複数の区間は、それぞれ2つの前記第1電極と、2つの前記第2電極とを含んでもよい。
【0026】
前記複数の区間は、それぞれ2つの前記第1電極と、1つの前記第2電極とを含むか、または1つの前記第1電極と2つの前記第2電極とを含んでもよい。
【0027】
互いに隣接する前記第1電極及び前記第2電極の端部は互いにオーバーラップしなくてもよい。
【0028】
前記回折素子が2次元モードで動作する場合、前記回折素子は前記表示パネルで表示された映像をそのまま透過させてもよい。
【0029】
前記液晶層の液晶分子を配向するための配向膜をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、レンズ特性を向上させる映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る映像表示装置の概略的な構造及び2次元映像を形成する方法を示す図面である。
【図2】本発明の実施形態に係る映像表示装置の概略的な構造及び3次元映像を形成する方法を示す図面である。
【図3】本発明の実施形態に係る映像表示装置の回折素子の一例を示す断面図である。
【図4】位相変調タイプのフレネルゾーンプレートの位置による位相遅延変化を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態に係る回折素子における単位レンズの一部を示す断面図である。
【図6】図5の回折素子で位置によって形成されるべきの位相遅延を示す図面である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る映像表示装置における回折素子の第1電極層に印加される電圧の一例を示す図面である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る映像表示装置における回折素子の第1電極層に印加される電圧の一例を示す図面である。
【図9】図8に示した回折素子の第1電極層に電圧が印加される場合の回折素子に形成される電界を示す図面である。
【図10】図9の回折素子で位置による位相遅延及び透過率を示す図面である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る映像表示装置における回折素子に形成される電界を示す図面である。
【図12】図11の場合に回折素子で位置による位相遅延及び透過率を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0033】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0034】
図1は、本発明の実施形態に係る映像表示装置の概略的な構造及び2次元映像を形成する方法を示す図面である。図2は、本発明の実施形態に係る映像表示装置の概略的な構造及び3次元映像を形成する方法を示す図面である。
【0035】
図1及び図2を参照すれば、映像表示装置は、映像を表示する表示パネル300、及び表示パネル300の映像が表示される面の前に位置する回折素子400を含む。表示パネル300及び回折素子400は2次元モードまたは3次元モードで動作することができる。
【0036】
表示パネル300は、プラズマ表示装置(plasma display panel、PDP)、液晶表示装置(liquid crystal display)、有機発光表示装置(organic light emitting display)などのような様々なフラット表示装置としてもよい。表示パネル300は行列状に配列され、画像を表示する複数の画素PXを含む。表示パネル300は、2次元モードでは1つの平面映像を表示するが、3次元モードでは右眼用映像、左眼用映像などの複数の視野に該当する映像を空間または時間分割方式で交互に表示する。例えば、3次元モードで表示パネル300は右眼用映像と左眼用映像を一列の画素ごとに交互に表示する。
【0037】
回折素子400は、2次元モードでは表示パネル300で表示された映像がそのまま透過するようにし、3次元モードでは表示パネル300の映像の視野を分割する。つまり、3次元モードで動作する回折素子400は、表示パネル300に表示された左眼用映像と右眼用映像とを含む多視点映像を光の回折及び屈折現象を用いて各視点映像別に該当する視野に像が結像する。
【0038】
図1は、表示パネル300及び回折素子400が2次元モードで動作する場合であって、左眼と右眼に同一の映像が到達して2次元映像が認識されることを示し、図2は、表示パネル300及び回折素子400が3次元モードで動作する場合であって、回折素子400が表示パネル300の映像を左眼及び右眼のような各視野に分割して屈折させることによって、3次元映像が認識されることを示す。
【0039】
図3は、本発明の実施形態に係る映像表示装置の回折素子の一例を示す断面図である。
【0040】
図3を参照すれば、回折素子400は、ガラス、プラスチックなどの絶縁物質を含み、互いに対向する第1基板110及び第2基板210、第1基板110と第2基板210との間に配置される液晶層3を含む。第1基板110及び第2基板210の外側面には偏光子(polarizer)(図示せず)を設けてもよい。
【0041】
第1基板110の上には第1電極層190及び配向膜11が順に形成され、第2基板210の上には第2電極層290及び配向膜21が順に形成される。
【0042】
第1電極層190及び第2電極層290は複数の電極を含み、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)などの透明な導電物質で形成される。第1電極層190及び第2電極層290は印加される電圧によって液晶層3に電場を形成して、液晶層3の液晶分子の配列を制御する。
【0043】
配向膜11、21は液晶層3の液晶分子の初期配向を決定し、液晶分子の配列方向を予め決定して、液晶層3に形成された電場によって速かに配列できるようにする。
【0044】
液晶層3は、水平配向モード、垂直配向モード、TN(twisted nematic)モードなど多様なモードで配向する。
【0045】
回折素子400は、第1電極層190及び第2電極層290に印加される電圧によって2次元モードまたは3次元モードで動作する。例えば、第1電極層190及び第2電極層290に電圧が印加されない時に、回折素子400は2次元モードで動作し、第1電極層190及び第2電極層290に電圧が印加される時に、回折素子400は3次元モードで動作する。このために、液晶分子31の初期配向方向及び偏光子の透過軸方向を適切に調節する。
【0046】
以下、3次元モードで動作する回折素子400について説明する。
【0047】
3次元モードで動作する回折素子400は複数の単位レンズを含む。複数の単位レンズは、回折素子400の一側方向に一定の周期で反復配列する。回折素子400内の単位レンズの位置は固定し、時間によって変化することも可能である。
【0048】
1つの単位レンズはフレネルゾーンプレート(Fresnel zone plate)として実現してもよい。フレネルゾーンプレートは、一般に、フレネルゾーン(Fresnel zone)のように放射状に配列され、中心から外側に向かって次第に間隔が狭くなる複数の同心円を利用して、光の屈折の代わりに光の回折現象を利用してレンズの役割を果たすようにする装置をいう。
【0049】
図4は、位相変調タイプのフレネルゾーンプレートの位置による位相遅延変化を示すグラフである。ここで、フレネルゾーンプレートの各区間(zone)はグラフで反復される波形がそれぞれ属する領域となる。
【0050】
図4を参照すれば、各区間で位相遅延が階段型に変化する。中心に位置する区間では位相遅延が2段階にわたって変化し、中心を除いた区間では位相遅延が4段階にわたって変化している。ただし、これは各区間で位相遅延が変化する段階の個数を制限することではない。
【0051】
図4に示すように、各区間での位相遅延(Phase delay)が階段型に変化するフレネルゾーンプレートをマルチレベル位相変調型(multi−level phase modulation)ゾーンプレートという。回折素子は、各区間を通過する光の回折と消滅、補強干渉によって光を焦点位置に集めるように屈折させる。このように回折素子の単位レンズごとにフレネルゾーンプレートによって、位相遅延分布を形成してレンズ効果を発生させることが可能である。
【0052】
図5は、本発明の実施形態に係る回折素子における単位レンズの一部を示す断面図である。以下図3の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0053】
図5を参照すれば、回折素子は、互いに対向する第1基板110及び第2基板210、第1基板110と第2基板210との間に配置される液晶層3を含む。第1基板110の上には第1電極層190及び配向膜11が順に形成され、第2基板210の上には第2電極層290及び配向膜21が順に形成される。
【0054】
第1電極層190は、複数の第1電極193を含む第1電極アレイ191、第1電極アレイ191の上に形成される絶縁層180、及び絶縁層180の上に形成され、複数の第2電極197を含む第2電極アレイ195を含む。
【0055】
第1電極193及び第2電極197は、横方向を基準として互いに交互に位置し、互いにオーバーラップしなくてもよい。図5では、隣接する第1電極193及び第2電極197の端部はオーバーラップしないように示しているが、第1電極193及び第2電極197の端部の一部は若干オーバーラップしてもよい。
【0056】
第1電極193及び第2電極197の横方向の幅、第1電極193の間の間隔及び第2電極197の間の間隔は、単位レンズの中心側から外側に向かって次第に狭くなり、各区間内の中心側から外側に向かって次第に狭くなる。(n−1)番目区間((n−1)−th zone)、n番目区間(n−th zone)、及び(n+1)番目区間((n+1)−th zone)のように、単位レンズの各区間には2つの第1電極193及び第2電極197が位置し、各区間でそれぞれの電極193、197が位置する領域は1つのサブ区間(subzone)sZ1、sZ2、sZ3、sZ4を形成する。1つの区間で外側に位置するサブ区間から中心側に位置するサブ区間まで順にsZ1、sZ2、sZ3及びsZ4で表わす。図5では1つの区間が四つのサブ区間sZ1、sZ2、sZ3、sZ4を含むことを示しているが、この数は限定されない。図5に示したこととは異なって、1つの区間に含まれている第1電極193及び第2電極197の横方向の幅は一定であり、外側区間に向かうほど各区間に含まれている電極193、197の数を減らしてもよい。
【0057】
全ての区間において、第1電極193及び第2電極197の横方向の幅は液晶層3のセルギャップより大きいか同一であってもよい。しかし、工程限界と液晶屈折率の限界によってセルギャップを低くするには限界がある。
【0058】
絶縁層180は無機絶縁物または有機絶縁物などで形成してもよく、第1電極アレイ191と第2電極アレイ195との間を電気的に絶縁する。
【0059】
第2電極層290は第2基板210の全面の上に形成され、共通電圧Vcomなどの定められた電圧の印加を受ける。第2電極層290はITO、IZOなどの透明導電物質で形成してもよい。
【0060】
配向膜11、21は、第1電極193及び第2電極197の幅方向に対して垂直である長さ方向(図5の面に対して垂直方向)、またはこれと一定の角度を成す方向にラビング(rubbing)される。配向膜11と配向膜21のラビング方向は互いに反対であってもよい。
【0061】
液晶層3の液晶分子31は第1基板110、第2基板210の面に対して水平方向に初期配向されるが、液晶層3の配向モードはこれに限定されず、垂直配向なども可能である。
【0062】
図6は、図5の回折素子で位置によって形成されるべき位相遅延を示す図面である。ここで、回折素子は単位レンズごとに位相変調型のフレネルゾーンプレートとして実現される。
【0063】
図6を参照すれば、単位レンズの(n−1)番目区間、n番目区間、及び(n+1)番目区間はそれぞれ位相遅延が4段階にわたって変化する。複数の区間それぞれにおいて、位相遅延は外側から中心側に段階的に増加する。複数の区間で同一のサブ区間は同一の位相遅延を起こす。区間境界で位置に対する位相遅延の傾きは垂直である。
【0064】
回折素子で位置によって形成されるべき位相遅延は、回折素子に印加される電圧を調節することによって実現される。しかし、区間境界で位置に対する位相遅延の傾きを垂直に実現するのは難しい。つまり、区間境界部では位相遅延を制御するのが難しい。位相遅延制御を容易にするために、液晶層のセルギャップを低くしなければならないが、工程限界と液晶屈折率限界によってセルギャップを低くするには限界がある。
【0065】
図7は、本発明の第1実施形態に係る映像表示装置における回折素子の第1電極層に印加される電圧の例を示した図面であり、図8は、本発明の第2実施形態に係る映像表示装置における回折素子の第1電極層に印加される電圧の一例を示す図面であり、図9は、図8に示した回折素子の第1電極層に電圧が印加される場合の回折素子に形成される電界を示す図面であり、図10は、図9の回折素子で位置による位相遅延及び透過率を示す図面である。図5の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0066】
図7及び図8を参照すれば、回折素子において、単位レンズのn番目区間には共通電圧Vcomを基準として極性が正(+)である電圧が印加され、単位レンズの(n−1)番目区間には共通電圧Vcomを基準として極性が負(−)である電圧が印加される。回折素子の第2電極層290(図5参照)には共通電圧Vcomが印加される。
【0067】
このように、共通電圧Vcomに対する第1電極層190に印加される電圧の極性(以下、「共通電圧に対する第1電極層に印加される電圧の極性」を略して「第1電極層に印加される電圧の極性」という)は区間ごとに反転する。これを電圧の極性の空間反転という。
【0068】
このような電圧の極性の空間反転は一定の時間を周期として正(+)であった電圧は負(−)の電圧に、負(−)であった電圧は正(+)の電圧に変化し、時間反転を兼ねることができる。
【0069】
各区間の第1電極層190は、外側から中心側に共通電圧Vcomとの差が次第に小さくなる階段型の電圧の印加を受ける。以下、外側から中心側にn番目区間及び(n−1)番目区間のサブ区間sZ1、sZ2、sZ3、sZ4に印加される電圧を順にV1、...、V8という。
【0070】
n番目区間の電圧の極性が正(+)であり、(n−1)番目区間の電圧の極性が負(−)である場合、電圧V1−V8は共通電圧Vcomに対して次の数式1を満たす。
【0071】
(数1)
P(V1−Vcom)=P(V5−Vcom)
P(V2−Vcom)=P(V6−Vcom)
P(V3−Vcom)=P(V7−Vcom)
P(V4−Vcom)=P(V8−Vcom)
ここで、P(V)は、各電極と共通電極との間に印加される電圧差Vによる当該電極の上部液晶方向子の再配列が発生する時、液晶層に垂直に入射した特定の単一波長光が経るようになる位相遅延を意味する。
【0072】
各区間において、最も中心の側に位置した電極に印加される中心側電圧V4、V8と共通電圧Vcomとの差をオフセット電圧Voffsetという(Voffset=V4−Vcom又はVcom−V8)。図7ではオフセット電圧Voffsetが0であるが、図8に示すようにオフセット電圧Voffsetは調節でき、1つの単位レンズ内でも区間の位置によってオフセット電圧Voffsetは異なってもよい。
【0073】
区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧V4、V5の電圧差(dV=V4−V5)は、各区間で最も外側に位置する電極に印加される外側電圧V1、V5と、最も中心の側に位置する電極に印加される中心側電圧V4、V8との差(dVmax=V1−V4又はV8−V5)、及びオフセット電圧Voffsetによって設定でき、1つの単位レンズ内でも区間の位置によって電圧差dVが異なってもよい。
【0074】
区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧V4、V5の電圧差(dV=V4−V5)は、次の数式を満たす。
【0075】
(数2)
dV=dVmax+2Voffset
【0076】
図7においては、オフセット電圧Voffsetが0であるので、dV=dVmaxになる。
【0077】
図9を参照すれば、第1電極層190と第2電極層290との間に電界が形成され、区間の境界で隣接した2つの電極の間に電界が形成される。
【0078】
単位レンズのn番目区間には共通電圧Vcomを基準として極性が正(+)の電圧が印加され、(n−1)目区間には共通電圧Vcomを基準として極性が負(−)である電圧が印加されるので、n番目区間での電界の方向と、(n−1)番目区間での電界の方向とは、反対である。
【0079】
各区間で第1電極層190と第2電極層290との間に形成される電界の強さは、外側から中心側に向かうほど減少する。外側から中心側に向かうほど第1電極層190に印加される電圧と共通電圧Vcomとの差が減少するためである。
【0080】
n番目区間の最も中心側に位置する第1電極193は、n番目区間の隣接する第2電極197の間に第1電界E1、第2電極層290の間に第2電界E2、(n−1)番目区間の隣接する第2電極197の間に第3電界E3がともに形成される。この時、n番目区間の最も中心側に位置する第1電極193と、(n−1)番目区間の隣接する第2電極197との間の電圧差が最も大きいので、第3電界E3の強さが他の電界E1、E2の強さより大きい。
【0081】
図10を参照すれば、図6に示すように、n番目区間及び(n−1)番目区間では各区間で位相遅延が4段階にわたって変化する。したがって、回折素子はフレネルゾーンプレートによる位相遅延分布を形成して、レンズ効果を発生することができる。
【0082】
図6では区間境界における位相遅延の傾きが垂直であるが、図10では区間境界部ZGにおける位相遅延の傾きが垂直でない。区間境界部ZGでは位相遅延を制御するのが難しいため、区間境界部ZGではレンズの役割を果たすために形成すべき位相遅延が実現されない。しかし、図8に示すように区間ごとに第1電極層190に印加される電圧の極性を反転させることによって、互いに隣接する区間の境界に電界E3が形成され、液晶層3の液晶分子は電界E3に対して垂直方向に配向され、区間境界部ZGで透過率を減少させる。
【0083】
第1電極層190でそれぞれの区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、区間境界部ZGの透過率が所定値以下となるように設定してもよい。
【0084】
透過率(tansmittance)減少は振幅グレーティング(amplitude grating)として作用ができるが、振幅グレーティング効果より位相制御欠陥によるレンズ特性の低下がさらに大きいので、区間境界部ZGの透過率を低くするほど回折効率を増加させる。
【0085】
図11は、本発明の第2実施形態に係る映像表示装置で回折素子に形成される電界を示す図面であり、図12は、図11の場合に回折素子における位置による位相遅延及び透過率を示す図面である。前述の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0086】
図11の単位レンズは、図9に示した回折レンズとほぼ同じであるが、第1電極層190の構造が異なる。図9では各区間における第1電極層190は4個の電極で形成されるが、図11では各区間における第1電極層190は3個の電極で形成される。
【0087】
第1電極層190は、複数の第1電極194を含む第1電極アレイ191、第1電極アレイ191の上に形成される絶縁層180、及び絶縁層180の上に形成され、複数の第2電極198を含む第2電極アレイ195を含む。
【0088】
第1電極層190に印加される電圧の極性は区間ごとに反転する。各区間の第1電極層190は外側から中心側に共通電圧Vcomとの差が順に小さくなる階段型の電圧の印加を受ける。区間ごとに同一のサブ区間に該当する電極には、該当液晶層による位相遅延が同一となるように電圧が印加される。
【0089】
隣接する第1電極194及び第2電極198の端部はオーバーラップしなくてもよい。区間境界に隣接した2つの電極間の間隔dは図9の場合に比べて増加する。また、第1電極194間の間隔または第2電極198間の間隔である電極間隔Dも図9の場合に比べて増加する。
【0090】
区間境界に隣接した2つの電極間の間隔d、電極間隔D、及びセルギャップは、区間境界部の透過率が所定値以下となって、回折素子のレンズの役割に必要な位相遅延分布が形成されるように設定してもよい。
【0091】
図11に示すように、区間に含まれる電極の個数を減らすことによって、区間境界に隣接した2つの電極間の間隔d、電極間隔Dを広げ、微細電極及びオーバーレイ(overlay)による工程問題を緩和することが可能となる。
【0092】
図12を参照すれば、区間ごとに外側から中心側に位相遅延が増加する。したがって、回折素子はフレネルゾーンプレートによる位相遅延分布を形成して、レンズ効果を発生することができる。
【0093】
図12も図10と同様に、区間境界部ZGで位相遅延の傾きが垂直でない。区間境界部ZGでは位相遅延を制御するのが難しいため、区間境界部ZGではレンズの役割を果たすために形成されるべき位相遅延が実現されない。しかし、図11に示したように、区間ごとに第1電極層190に印加される電圧の極性を反転させることによって、互いに隣接する区間の境界に電界が形成され、液晶層3の液晶分子は電界に対して垂直方向に配向され、区間境界部ZGで透過率を減少させる。
【0094】
このように、区間ごとに電圧の極性を反転させることによって、区間境界部の透過率を低くし、レンズ特性を向上させることができる映像表示装置の提供が可能である。
【0095】
各区間において、最も中心の側に位置した電極に印加される中心側電圧と共通電圧との差であるオフセット電圧Voffsetを通じて、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVを制御する。区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差(dV)を制御することによって、液晶の方向子(director)の水平回転程度を制御することができる。回折素子の透過率は、液晶の方向子の水平回転程度に影響を受けるので、区間境界部の透過率を調整することができる。これによって、回折素子の液晶レンズ特性を向上させることが可能となる。
【0096】
区間ごとに電圧の極性を反転させない場合、位相遅延分布と区間境界部の透過率はセルギャップ及び回折素子に印加される電圧によって同時に決定される。しかし、本発明の実施形態によれば、位相遅延分布と区間境界部の透過率を独立的に制御することができる。したがって、セルギャップ選択に対する自由度が上昇する。つまり、セルギャップを限界以上に下げなくても良い。
【0097】
また、電極の横方向の幅及びピッチ(pitch)の自由度が上昇する。したがって、微細パターニング及びオーバレイエラー条件が緩和される。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0099】
3…液晶層、11、21…配向膜、110、210…基板、180…絶縁層、190、290…第1電極層、第2電極層、191、195…第1、第2電極アレイ、193、194…第1電極、197、198…第2電極、300…表示パネル、400…回折素子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの映像を2次元映像または3次元映像と認識されるように、2次元モードまたは3次元モードで動作するように形成される回折素子と、を含み、
前記回折素子は、
互いに対向する第1基板及び第2基板、
前記第1基板上に形成される第1電極層、
前記第2基板上に形成される第2電極層、及び
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層を含み、
前記回折素子が3次元モードで動作する場合、
前記第2電極層には共通電圧が印加され、
前記共通電圧に対して前記第1電極層に印加される電圧の極性は区間ごとに反転することを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記回折素子が3次元モードで動作する場合、前記回折素子は複数の単位レンズを含むことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記複数の単位レンズはそれぞれフレネルゾーンプレートとして動作することを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記複数の単位レンズは、中心を基準として外側に順に位置する複数の区間を含むことを特徴とする請求項3に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記第1電極層は、
複数の第1電極を含む第1電極アレイ、
複数の第2電極を含む第2電極アレイ、及び、
前記第1電極アレイと前記第2電極アレイとの間を絶縁する絶縁層を含むことを特徴とする請求項4に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記複数の区間は、それぞれ少なくとも1つの前記第1電極と、少なくとも1つの前記第2電極とを含むことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記複数の区間それぞれにおける位相遅延が外側から中心側に段階的に変化するように前記第1電極層に電圧が印加されることを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記複数の区間において、同一のサブ区間に該当する前記第1電極または前記第2電極の電圧は、同一の位相遅延を起こすように印加されることを特徴とする請求項7に記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記複数の区間それぞれで少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に印加される電圧は、外側から中心側に段階的に変化することを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項10】
前記複数の区間それぞれで少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極の幅は、外側から中心側に向かうほど広くなることを特徴とする請求項9に記載の映像表示装置。
【請求項11】
前記複数の区間それぞれにおいて、少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に印加される電圧と前記共通電圧との差は、外側から中心側に順に減少することを特徴とする請求項9に記載の映像表示装置。
【請求項12】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、
前記各区間で、最も外側に位置する電極に印加される第1電圧と、最も中心に位置する電極に印加される第2電圧との差dVmax、及び前記第2電圧と前記共通電圧との差であるオフセット電圧Voffsetによって設定されることを特徴とする請求項11に記載の映像表示装置。
【請求項13】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、dV=dVmax+2Voffsetであることを特徴とする請求項12に記載の映像表示装置。
【請求項14】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、区間境界部の透過率が所定値以下となるように設定されることを特徴とする請求項11に記載の映像表示装置。
【請求項15】
区間境界に隣接した2つの電極の間の間隔及びセルギャップは、区間境界部の透過率が所定値以下となるように設定されることを特徴とする請求項11に記載の映像表示装置。
【請求項16】
前記複数の区間は、それぞれ2つの前記第1電極と、2つの前記第2電極とを含むことを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項17】
前記複数の区間は、それぞれ2つの前記第1電極と、1つの前記第2電極とを含むか、または1つの前記第1電極と2つの前記第2電極とを含むことを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項18】
互いに隣接する前記第1電極及び前記第2電極の端部は互いにオーバーラップしないことを特徴とする請求項17に記載の映像表示装置。
【請求項19】
前記回折素子が2次元モードで動作する場合、
前記回折素子は前記表示パネルで表示された映像をそのまま透過させることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項20】
前記液晶層の液晶分子を配向するための配向膜をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の映像表示装置。
【請求項1】
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの映像を2次元映像または3次元映像と認識されるように、2次元モードまたは3次元モードで動作するように形成される回折素子と、を含み、
前記回折素子は、
互いに対向する第1基板及び第2基板、
前記第1基板上に形成される第1電極層、
前記第2基板上に形成される第2電極層、及び
前記第1基板と前記第2基板との間に配置される液晶層を含み、
前記回折素子が3次元モードで動作する場合、
前記第2電極層には共通電圧が印加され、
前記共通電圧に対して前記第1電極層に印加される電圧の極性は区間ごとに反転することを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記回折素子が3次元モードで動作する場合、前記回折素子は複数の単位レンズを含むことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記複数の単位レンズはそれぞれフレネルゾーンプレートとして動作することを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記複数の単位レンズは、中心を基準として外側に順に位置する複数の区間を含むことを特徴とする請求項3に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記第1電極層は、
複数の第1電極を含む第1電極アレイ、
複数の第2電極を含む第2電極アレイ、及び、
前記第1電極アレイと前記第2電極アレイとの間を絶縁する絶縁層を含むことを特徴とする請求項4に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記複数の区間は、それぞれ少なくとも1つの前記第1電極と、少なくとも1つの前記第2電極とを含むことを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記複数の区間それぞれにおける位相遅延が外側から中心側に段階的に変化するように前記第1電極層に電圧が印加されることを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記複数の区間において、同一のサブ区間に該当する前記第1電極または前記第2電極の電圧は、同一の位相遅延を起こすように印加されることを特徴とする請求項7に記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記複数の区間それぞれで少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に印加される電圧は、外側から中心側に段階的に変化することを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項10】
前記複数の区間それぞれで少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極の幅は、外側から中心側に向かうほど広くなることを特徴とする請求項9に記載の映像表示装置。
【請求項11】
前記複数の区間それぞれにおいて、少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に印加される電圧と前記共通電圧との差は、外側から中心側に順に減少することを特徴とする請求項9に記載の映像表示装置。
【請求項12】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、
前記各区間で、最も外側に位置する電極に印加される第1電圧と、最も中心に位置する電極に印加される第2電圧との差dVmax、及び前記第2電圧と前記共通電圧との差であるオフセット電圧Voffsetによって設定されることを特徴とする請求項11に記載の映像表示装置。
【請求項13】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、dV=dVmax+2Voffsetであることを特徴とする請求項12に記載の映像表示装置。
【請求項14】
前記第1電極層において、区間境界に隣接した2つの電極に印加される電圧の電圧差dVは、区間境界部の透過率が所定値以下となるように設定されることを特徴とする請求項11に記載の映像表示装置。
【請求項15】
区間境界に隣接した2つの電極の間の間隔及びセルギャップは、区間境界部の透過率が所定値以下となるように設定されることを特徴とする請求項11に記載の映像表示装置。
【請求項16】
前記複数の区間は、それぞれ2つの前記第1電極と、2つの前記第2電極とを含むことを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項17】
前記複数の区間は、それぞれ2つの前記第1電極と、1つの前記第2電極とを含むか、または1つの前記第1電極と2つの前記第2電極とを含むことを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項18】
互いに隣接する前記第1電極及び前記第2電極の端部は互いにオーバーラップしないことを特徴とする請求項17に記載の映像表示装置。
【請求項19】
前記回折素子が2次元モードで動作する場合、
前記回折素子は前記表示パネルで表示された映像をそのまま透過させることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項20】
前記液晶層の液晶分子を配向するための配向膜をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−141575(P2012−141575A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204768(P2011−204768)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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