説明

回折面上の欠陥を検出するための高感度光学検査システムおよび方法

【課題】表面パターンを含む回折面上の欠陥を検出するための改良された高感度光学検査システムの提供
【解決手段】本発明のシステムは、回折面上の所定の領域を照射して、欠陥または表面パタンに応答して散乱強度分布を生成する第1および第2の照射手段と、回折面のまわりの複数の位置において散乱強度分布の強度レベルを検出する手段と、検出された最小強度レベルを確定する手段と、検出された最小強度レベルが閾値強度レベル未満である場合に回折面の照射領域上に欠陥が存在しないことを示し、検出された最小強度レベルが閾値強度レベルを超える場合に回折面の照射領域上に欠陥が存在することを示す、検出された最小強度レベルに応答する手段と、回折面を移動させ回折面上に走査パターンを生成し表面全体を検査する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の分野)
本発明は、改良された高感度光学検査システムおよびパターン特性を伴う回折面のフローを検出する方法に関し、さらに詳細には、上記面のパターンによる散乱光とキズによる散乱光との間で区別するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
粒子、ホール、バンプ、ピットまたは指紋等の、回折特性を有する面上(現代の半導体フォトリソグラフィで従来的に用いられるフォトリソグラフィのマスク上)のキズの検出は、または、本明細書広範にて「プレート」として属性的に呼ばれるパターン化された面上の任意の他の欠陥の検出は、高いレベルの品質管理を維持するには重要である。
【0003】
即時的に適用するものとして(as instant applicaiton)同一の譲受人に譲渡される米国特許第5,625,193号に開示されている上述の機能を達成するシステムは、全体的に参考されて本明細書に援用される。米国特許第5,625,193号に開示されるシステムは、プレートの全表面にわたって走査される紫外線レーザー光を提供するレーザーを含む。プレート表面の各点での照射に応答して検出器のアレイによって感知される角度強度分布は、プレート表面のキズの位置およびサイズを決定するために用いられる。
【0004】
従来技術の限界および欠点を克服して、プレート表面上のパターンによる散乱光、プレート表面上のキズによる散乱光およびシステムノイズとを区別する高感度光学検査システムが必要とされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(本発明の要旨)
キズにからの散乱光と回折面で規定される面パターンからの散乱光とを区別するように改良された高感度光学検査システムを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明は、面パターンを含む回折面上のキズを検出する改良された高感度光学検査システムを説明する。システムは、第1のビームを提供する少なくとも1つの光源を含む。第1のビームは、回折面の第1の領域を照射し、第1の散乱強度分布を生成する。光源は、回折面の第2の領域を照射し、第2の散乱強度分布を生成する第2のビームをさらに提供する。複数の検出器は、第1およびだい2の散乱強度分布を検出するように回折面周辺に位置され得る。検出器は、検出回路に接続され得る。検出器は、第1及び第2の散乱強度分布に関する情報を検出回路に提供する。検出回路は、キズが回折面に存在するか否かを決定するために、第1及び第2の散乱強度分布に関する情報を処理する。
【0007】
システムは、対象ホルダーを確実に保持するように調整された移動可能な実装テーブルを含む。対象ホルダーは、対象を運搬し、その対象の回折面が検査される。対象ホルダーおよび検査中には対象を有する実装テーブルは、回折面上の走査パターンを生成するように、第1および第2のビームに対して移動され得る。
【0008】
光源は、光ビームを受け、再度方向付ける第1のミラーを含む。光ビームは、光エミッ
タ(optical light emitter)によって提供され得る。光ビームは、回折面の第1の領域を照射する第1のビームを提供するように、第1のミラーによって再度方向付けられ得る。同様に、光源は、光エミッタによって提供された光ビームを受け、再度方向付ける第2のミラーをさらに含み、これにより、第2の光ビームを提供し得る。第2の光ビームは、回折面の第2の領域を照射する。第1および第2のミラーはそれぞれ、非光軸放物線状ミラー(off−axis parabolic mirror)を含み得る。光源はまた、光エミッタによって提供される光ビームを受けるように配向される回転可能ミラー(pivotable mirror)を含み得る。
【0009】
回転可能ミラーは、光ビームを第1のミラーに再度方向付ける第1の位置を提供し得、回転可能ミラーは、第2のミラーに光ビームを再度方向付ける第2の位置を提供し得る。
【0010】
光エミッタは、紫外線レーザーを含み得る。紫外線レーザーは、回折面上に楕円状のビームスポットを投射し得る。さらに、紫外線レーザーは、上記面の法線方向からほぼ60度の角度で回折面上に衝突するように垂直に制御され得る。ビーム幅は、サンプルのレボルーション間(between revolutions of the sample)の領域の検査を確実にするように、ビームトレースピッチ(beam trace pitch)と少なくとも同じ大きさであり得る。ビームトレースピッチは、ほぼ3ミクロン以下である。
【0011】
複数の検出器は、回折面の近くの第1の位置に位置され得る第1の検出器を含み得、これにより上記第1の位置での散乱強度分布の強度レベルを検出し得る。第2の検出器は、回折面の近くの第2の位置に位置され得、これにより上記第2の位置での散乱強度分布の強度レベルを検出し得る。第3の検出器は、回折面の近くの第3の位置に位置され得、これにより上記第3の位置での散乱強度分布の強度レベルを検出し得る。さらに、第1、第2および第3の検出器は、面パターンからの第1および第2の散乱強度分布が閾値強度レベル未満であると期待される回折面周辺に位置され得る。
【0012】
第1のビームは、角度セクタ(ほぼ342.5度〜22.5°、67.5°〜112.5°、157.5°〜202.5°および247.5°〜292.5°の範囲である)の第1のグループを含む回折面上で規定される第1の領域を照射するように制御され得る。第2のビームは、角度セクタ(ほぼ22.5度〜67.5°、112.5°〜157.5°、202.5°〜247.5°および292.5°〜342.5°の範囲である)の第2のグループを含む回折面上で規定される第1の領域を照射するように制御され得る。
【0013】
検出回路は、検出器に接続されるアナログ信号処理回路を含む。アナログ信号処理回路は、デジタル信号処理回路にさらに接続される。デジタル信号処理回路は、コンピュータ制御およびデータ格納装置にさらに接続される。アナログ信号処理回路は、第1および第2の散乱強度分布に関する情報を検出器から受け、デジタル信号処理回路にその情報を提供する。デジタル信号処理回路は、検出器によって検出される第1および第2の散乱強度分布に関して、最小の検出強度レベルを決定する。デジタル信号処理回路は、キズが回折面上にあるか否かを決定し、次いで、キズのサイズを決定するように、最小の検出強度レベルを処理し得る。
【0014】
実装テーブル上に規定されるエンコーダは、回折面上の照射された領域の位置に関する情報を提供する。この情報が検出回路に提供され得、これにより検出回路が回折面上の検出されたキズの相対位置をさらに決定できる。回折面上で検出されたキズに関する位置およびその他の情報は、コンピュータ制御およびデータ格納装置において、さらに、処理され得るか、および/または、格納され得る。
【0015】
光学検査システムは、キズおよびその位置を表示するディスプレイを含み得る。
【0016】
実装テーブルは、回転可能に実装されたプレートホルダーおよびスライド可能な並進移動ステージを含み得る。実装テーブルは、検査中には回折面を含みむ対象を運搬する対象ホルダーを回転させ、並進移動させ得、これにより回折面上で規定された走査パターンを確立し得る。走査パターンは、回折面上での第1および第2のビームの複数のレボルーションを有する螺旋トレースを含み得る。プレートホルダーは、プレートホルダーの回転を制御する回転制御回路に接続され得る。並進移動ステージは、並進移動ステージの線形運動を制御する並進移動制御回路に接続され得る。
【0017】
回折面上のキズを検出するために面パターンを含む回折面を検査する光学検査システムを用いる方法は、回折面の第1の領域を第1のビームで照射し、これにより第1の散乱強度分布を生成する工程と、回折面の第2の領域を第2のビームで照射し、これにより第2の散乱強度分布を生成する工程と、第1および第2のビームによって生成される第1および第2の散乱強度分布の強度レベルを検出する工程であって、強度レベルは、回折面周辺の複数の位置において検出される、工程と、検出された最小強度レベルを確立する工程と、キズが存在するか否かを決定するために、検出された最小強度レベルを処理する工程と、回折面上の走査パターンを生成するために回折面を移動させる工程であって、走査パターンが回折面全体を覆う、工程と、を包含する。
【0018】
検出された最小強度レベルを処理する工程は、検出された最小強度レベルが所定の閾値レベル未満である場合に、回折面の照射された領域上のキズが存在しないことを示す工程と、検出された最小強度レベルが所定の閾値レベルを超える場合に、回折面の照射された領域上のキズが存在することを示す工程と、を包含する。
【0019】
第1のビームで回折面の第1の領域を照射する工程は、回折面上で規定された所定の角度セクタの第1のグループを照射する工程を包含する。第2のビームで回折面の第2の領域を照射する工程は、回折面上で規定された所定の角度セクタの第2のグループを照射する工程を包含する。
【0020】
第1のビームで回折面上で規定された所定の角度セクタの第1のグループを照射する工程は、楕円状のビームスポットを回折面上に投射する工程を包含する。さらに、第1のビームで回折面上で規定された所定の角度セクタの第1のグループを照射する工程は、回折面の法線方向からほぼ60°の角度で回折面に紫外線ビームを方向付ける工程を包含し得る。
【0021】
同様に、第2のビームで回折面上で規定された所定の角度セクタの第2のグループを照射する工程は、楕円状のビームスポットを回折面上に投射する工程を包含する。さらに、第2のビームで回折面上で規定された所定の角度セクタの第2のグループを照射する工程は、回折面の法線方向からほぼ60°の角度で回折面に紫外線ビームを方向付ける工程を包含し得る。
【0022】
第1および第2のビームによって生成された第1および第2の散乱強度分布の強度レベルを検出することは、第1の位置に近似する回折面における第1および第2の散乱強度分布の強度レベルを検出すること、第2の位置に近似する回折面における第1および第2の散乱強度分布の強度レベルを検出すること、および第3の位置に近似する回折面における第1および第2の散乱強度分布の強度レベルを検出することを含む。
【0023】
第1および第2の散乱強度分布の強度レベルを検出することは、第1および第2の散乱強度分布の強度レベルがしきい値強度レベル未満になることを予想する回折面の周りの位
置における第1および第2の散乱強度分布の強度レベルを検出することをさらに含む。
【0024】
回折面上のスキャンパターンを生成するために回折面を移動することは、回折面を含む対象ホルダーおよび対象物を回転および平行移動し、回折面上の第1および第2のビームの複数の回転数で螺旋状トレースを確立する。回折面を有する対象ホルダーおよび対象物を回転および平行移動することは、近似の回転数で上記螺旋状トレースの各回転数を重ね合わせ、回折面の全検査を保証する。
【0025】
回折面を有する対象ホルダーおよび対象物を回転および平行移動することは、およそ3μm未満離れて回転の間隔を空けることをさらに含み得る。
【0026】
回折面を有する対象ホルダーおよび対象物を移動し、スキャンパターンを生成することは、回折面上の照射された領域の位置を判定することを含む。回折面上の照射された領域の判定位置に基づいて、回折面上の欠陥位置が判定され得る。その後、欠陥判定の位置および大きさは、格納され、および/またはディスプレイ上に表示され得る。
【0027】
光学検査システムを用いる方法は、欠陥の大きさを判定することをさらに含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(発明の詳細な説明)
本発明の前述の目的および他の目的、本発明の様々な特徴および本発明自体は、添付の図面と共に読まれると、次の説明からより完全に理解され得る。
【0029】
本発明は、回折面上の欠陥を検出する、向上した高感度光学検査システムおよび方法を提供する。本システムおよび方法は、表面上のパターンによって散乱した光と欠陥により散乱した光とを区別する。
【0030】
米国特許第5,625,193号に記載されるシステムにおいて、プレートの放射状の配向は、プレートの表面に規定される欠陥またはパターンから散乱または回折した光に対する検出器による感度が減衰する。半導体デバイスの素子の大きさの減少と共に、例えば、検査に基づいて、プレート上のより小さい欠陥を検出することは、より重要性が増している。プレートの第1の端面の配向が、検査に基づいて表面を調査するために使用されるレーザー光ビームに対して非直角(例えば、45°)であるとき、回折光ビームは、本システムに含まれる第1の検出器によって最大強度で十分に検出され得る。プレートがゆっくり回転されて、検査に基づいて表面一面にレーザービームをスキャンすると、第1の検出器によって検出された回折光ビームは減衰し、第2の検出器によって検出された回折光ビームは増大する。
【0031】
プレートが、プレートの第2の端面に対して対角位置に回転し続けると、回折光ビームの最大強度は、第2の検出器によって十分に検出される。従って、各プレートの90°回転の後、回折光ビームの最大強度は、第1の検出器または第2の検出器のどちらかによって十分に検出される。しかし、プレートの端面が入射レーザービームに対して直角であるとき、第1および第2の検出器は共に、検査に基づいて表面からの減衰した強度の回折光ビームを検出し得る。
【0032】
第1および第2の検出器の両方によって検出される回折光の減衰した強度は、パターンの散乱に対するシステムの感度の全体的な減衰に寄与する。結果として、テストに基づく表面上の実際の欠陥は、テストに基づいて、表面上のパターンからの回折光またはシステムによるノイズからの回折光かを実際に区別され得る。従って、第1および第2の検出器の両方によって検出された減衰した強度の回折光ビームは、検査に基づいて、表面に存在
する微小の欠陥に対してシステムのより高い感度をもたらす。
【0033】
本発明の一実施形態において、図1を参照すると、向上した高感度の光学検査システム10は、例えば、プレート12の表面のように、欠陥および回折面上に規定された規則的なパターンとを検出し、区別するように示している。プレート12は、複数のクロムパターンの表面の1つの上に有するガラスまたは石英の形状を成すフォトリソグラフィのマスクであり得る。一実施形態において、プレート12は、幅約4〜9インチ、厚さ約0.09〜0.35インチの長さ約4〜9インチの範囲の寸法を有し得る。
【0034】
プレート12は、対象ホルダー12aに位置し得る。対象ホルダー12aおよびプレート12は、回転プレートホルダー14上に取り付けられ、例えば、対象ホルダー12aの各コーナーにおける基準ピッチ面およびタブのように、外すことができる取り付け機構16によってプレート12上に固定され得る。プレートホルダー14は、スピンドル(この図では見えない)によって矢印15の方向に回転され、矢印21aによって示される方向に平行移動する平行移動ステージ18に取り付けられる。検査点21は、紫外光ビーム24を生成する定常紫外レーザー26によって共に提供される第1のレーザービーム34aまたは第2のレーザービーム34bのどちらかによって照射される。定常紫外レーザー26は、一実施形態において、351nmおよび364nmである少なくとも2つの波長でビーム24を提供し得る。レーザービーム24は、ビーム24を拡大ビーム30に拡大するエキスパンダ28を通過させる。拡大したビーム30は、第1の軸外の放物面ミラー31aの反射する面上に、拡大したビーム30を方向転換するミラー48に影響を与え得る。放物面ミラー31aは、プレート12の表面上に第1のビーム34aを提供し、第1のビーム34aの焦点を小さい点に合わせる。第1の軸外の放物面ミラー31aは、矢印33aの方向に平行移動する集光アクチュエータ32aに取り付けられる。第1の軸外の放物面ミラー31aは、軸規定されたプレート12の表面の法線からおよそ60°の角度で検査点22における第1のビーム34aを集光するために位置される。ミラー48は、拡大したビーム30を可能にするピボットを制御して、第2のビーム34bを提供し、第2のビーム34bの焦点をプレート12の表面上の小さい点に合わせる第2の軸外の放物面ミラー31bの反射表面上に当たり得る。第2の軸外の放物面ミラー31bは、矢印33bの方向に平行移動する第2の集光アクチュエータ32bに取り付けられる。第2の軸外放物面ミラー31bは、軸規定されたプレート12の表面の法線からおよそ60°の角度で検査点22における第2のビーム34bを集光するように位置される。
【0035】
システム10の操作中、プレートホルダー14は回転され、平行移動ステージ18はプレート12を平行移動する。従って、検査に基づく点22におけるビーム34aまたは34bのどちらかは、プレート12の表面上の複数の回転を有する螺旋状の経路を効果的にトレースする。実施形態において、プレートホルダー14は、垂直位置のプレートを固定するように垂直に方向を合わされ、空気中の粒子によるプレート12の汚染量を最小化し得る。第1のビーム34aおよび第2のビーム34bは、ビーム34aおよび34bが共にプレート12の表面上にある回折面をスキャンするように制御され得る。2つのレーザービームのみを使用してこの構成でプレートをスキャンするが、複数のレーザービームがプレートをスキャンするために使用され得るように、このことは本発明の必要な限定ではない。
【0036】
ある実施形態において、第1のビーム34aは、移動ステージ18の方向21aに対するプレート12の回転角度が第1のグループの所定の角度セクタ(angular sector)内である場合、プレート12の表面上にある回折面をスキャンするように制御される。第2のビーム34bは、移動ステージ18に対するプレートの回転位置が第2のグループの所定の角度セクタ内である場合、プレート12の表面上にある回折面をスキャンするように制御される。第1のビーム34aおよび第2のビーム34bは、それぞれ、
プレート12の周囲に円周方向に配置されて、散乱強度分布(scattered intensity distribution)を生成するために、第1のビーム34aまたは第2のビーム34bのいずれかがプレート12上にあるパターンに入射し得る。さらに、第1のビーム34aまたは第2のビーム34bは、プレート12上に規定される第1および第2のグループの角度セクタの回転位置に基づいて、プレート12に選択的に加えられ得る。例えば、第1のビーム34aは、第1のグループの所定の角度セクタが第1のビームの近傍までくると、プレート12上に規定される第1のグループの所定の角度セクタに加えられ得る。同様に、第2のビーム34aは、第2のグループの所定の角度セクタが第2のビームの近傍までくると、プレート12上に規定される第2のグループの所定の角度セクタに加えられ得る。従って、第1のビーム34aおよび第2のビーム34bの円周方向の位置、ならびに、プレート12上に規定される第1および第2のグループの所定の角度セクタの角度の位置に基づいて、ビーム34aまたはビーム34bのいずれかがプレート12に選択的に加えられ得る。さらに、どのビームが低検出光パターン散乱(lower detected light pattern scattering)を生成するかに基づいて、ビーム34aまたはビーム34bのいずれかがプレート12に選択的に加えられ得る。従って、いずれのビームも低検出光パターン散乱を生成する場合に、ビーム34aまたはビーム34bのいずれかをプレート12に選択的に加えることによって、光パターン散乱に対する感度が全体的に減少されたスキャンパターンがプレート12上にまとめて生成され得る。
【0037】
ある実施形態において、第1のビーム34aは、プレート12に対して約0°(または、約3時の方向)に円周方向に配置され、第2のビーム34aは、プレート12に対して約225°(または、約7時と8時との間の方向)に円周方向に配置される。
【0038】
ある実施形態において、第1のグループの所定の角度セクタは、約342.5°〜22.5°、67.5°〜112.5°、157.5°〜202.5°、および247.5°〜292.5°の範囲に及んでいると規定される。第2のグループの所定の角度セクタは、約22.5°〜67.5°、112.5°〜157.5°、202.5°〜247.5°、および292.5°〜342.5°の範囲に及んでいると規定される。
【0039】
欠陥または正規の表面のパターンによってプレート12の表面上の検査点22から散乱する多数の光線35、36、および37は、検出器38、40、および42によって受け取られる。正規の表面のパターンに入射する光が散乱されて、表面上のパターンの周囲にかなり規則正しく分布された多数の非常に低い強度レベルによって分離される多数の実質的な強度レベルを生成する。しかし、表面の欠陥に入射する光は、欠陥の周囲に、かなり均一で強度の高い光の散乱を生成する。従って、システム10は、以下により詳細に示すように、パターンからの低レベルの散乱光が予想される領域に検出器38、40、および42を置いて、検出器38、40、および42からの最小検出強度レベルを判断することによって、欠陥と表面のパターンとを容易に区別することができる。検出器38、40、および/または42のうちの少なくとも1つによって、所定の閾値より低い、非常に低いレベルが検出される場合、欠陥は存在しない。検出器38、40、および/または42によって閾値より上のレベルが検出される場合、表面欠陥は存在する。この構成において検出器を3つしか用いていないが、これは本発明の必然的な制限ではなく、少なくともいくつかの検出器がパターン散乱分布の予期される低散乱方向に近接して配置される限り、3つ以上の任意の数の検出器が用いられ得る。
【0040】
特定の一実施形態において、プレート12の表面上の検査点22が第1のグループの所定の角度セクタによって規定される角度の範囲に沿って回転するように制御される場合、第1のビーム34aは、検査点22をスキャンするように制御される。同時に、検出器38および40は、プレート12の回折面上に規定されるパターンまたは欠陥のいずれかか
らの光の散乱を受け取る。検出点22を任意の第1の所定の角度セクタ内に配置させて、第1のビーム34aを利用してプレート12の回折面の一部分を検出することによって、パターンによって生成され、かつ、検出器38および40によって受け取られる回折光の強度が減少する。検査点22を任意の第1の所定の角度セクタ内で移動させて、第1のビーム34aと検出点22との間で規定される半径方向の角度(radial angle)を出来る限り直交するように維持するため、検出器38および40によって受け取られる回折光の強度は減少する。この様に、回折面上のパターンから回折される光散乱強度が、欠陥からより正確に区別され得るため、システム10の強度は増加する。
【0041】
同様に、第2のビーム34bを利用して、第2の所定の角度セクタによって規定されるプレート12の回折面の他の部分を検査することによって、検出器40および42によって受け取られる回折光の強度は減少する。検査点22を任意の第2の所定の角度セクタ内で移動させて、第2のビーム34bと検出点22との間で規定される半径方向の角度を出来る限り直行するように維持するため、検出器40および42によって受け取られる回折光の強度は減少される。
【0042】
第1のビーム34aが回折面の一部分をスキャンすることによって収集されるデータ、および、第2のビーム34bが回折面の他の部分をスキャンすることによって収集されるデータを足して、プレートの回折面全体に関する感度テストの結果が改善され得る。
【0043】
システム10は、さらに、自動焦点式センサヘッド46を含む。この自動焦点式センサヘッドは、プレート12の位置を感知して、それに従って、第1のビーム34aおよび第2のビーム34bのそれぞれの焦点が検査点22で適切に合うように第1および第2のオフ軸放射焦点(off−axis parabolic focusing)アクチュエータ32aおよび32bを配置するために用いられる。
【0044】
第1のビーム34aおよび第2のビーム34bのそれぞれは、同じ特徴および特性を有するように一致される。図2は、第1のビーム34aおよび第2のビーム34bの特徴および特性を示す。図2において、第1のビーム34aおよび第2のビーム34bは、断面54aおよび54bによってそれぞれ示されるように、約2×5ミクロンの楕円形の断面を有する。第1のビーム34aおよび第2のビーム34bがプレート12の表面上で集まると、検査点22において楕円形のビームスポット56が形成される。プレート12の表面上に射影されたビームスポット56の大きさは、約2×10ミクロンである。従来の検査システムは、15〜50ミクロンの大きさのスポットを生成するビームを利用する。大きなビームスポットによって、解像度および感度が減少する。従って、第1のビーム34aおよび第2のビーム34bの両方に、より小さなビームスポット(例えば、スポット56)を生成する紫外線レーザを用いることによって、システム10の感度および解像度は著しく増加する。さらに、より短い波長を有する紫外線レーザを用いることによって、感度はさらに増加する。
【0045】
第1のビーム34aおよび第2のビーム34bによってプレート12の表面全体を検査するために、プレート12は、第1のビーム34aおよび第2のビーム34bの螺旋パス58(図3に示す)がプレート12の表面上で追跡されるように、矢印15(図1)の方向に回転され、矢印21a(図1)の方向に移動される。螺旋パス58の近傍の回転の適切なオーバーラップを保証するために、螺旋の追跡ピッチ(各ビームの回転の中心からその近傍の回転の中心までの距離)は、約3ミクロンに設定される。これは、図4に示され、図4において、螺旋追跡58の3つの連続する回転(N−1、N、N+1)の強度の特徴は、回転60、62、および64としてそれぞれ示される。回転60、62、および64は、Y軸上に追跡の強度のプロットを示し、X軸上に半径を示す。2×10マイクロメータのビームによる3マイクロメータのピッチ(連続する回転の中心を3マイクロメータ
の間隔をおいて配置する)を選択することによって、第1のビーム34aおよび第2のビーム34bの強度レベル80%において示されるように、適切なオーバーラップが得られる。第1のビーム34aおよび第2のビーム34bのガウスの特徴から分かるように、80%の強度において、第1のビーム34aおよび第2のビーム34bの幅は、約3.33ミクロンである。従って、3ミクロンのピッチを選択することによって、適切なオーバーラップが保証され、螺旋追跡58の連続する回転間で検査されずに残される表面12の部分はない。
【0046】
図5〜7の散乱光強度分布は、正規の表面のパターンから散乱される光が、明確に規定され、かつ、ノイズレベル以下の領域によって分離される実質的な規模のピークを有する強度分布を生成する。対照的に、欠陥から散乱される光は、低間隔のない、実質的に均一で高い強度のレベルを生成する。
【0047】
図5Aは、検査点22において正規の表面のパターンに入射する第1のレーザービーム34aおよび第2のレーザービーム34bからの散乱光分布70を示す。表面の光散乱の分布は、照明ビーム34aおよび34bに関して、角度φの範囲にわたって均一でない。むしろ、表面の光散乱の分布は、多数の異なる強度レベルを有し、いくつかは、かなり高い強度であり、他は、より低い強度である。対照的に、図6Aに示すように、プレート12の表面上の検査点22における欠陥に入射する第1のビーム34aおよび第2のビーム34bは、角度φにわたって、より均一な散乱光分布を生成する。角度φにわたって欠陥および表面のパターンから散乱される光は、同様に、角度αの範囲にわたって、検査点22の周囲に分配される。従って、散乱光分布70および72は、実際には、3次元の半球の散乱光分布である。分布70は、多数のピークおよび低いレベルを有する分布であり、分布72は、おおよそ、均一で半球の分布である。
【0048】
角度αの範囲にわたって、検査点22において、正規の表面のパターンおよび欠点の両方から散乱される光の分布の強度レベルは、図5Bおよび6Bにそれぞれ示される。図5Bにおいて、パターンからの散乱光分布70の強度応答74は、角度αにわたって、多数のピーク76、78、および80、ならびに、多数の低いレベル82、84、86、および88を含むように示される。対照的に、角度αの範囲にわたって、検査点22において、欠陥からの散乱光分布72の強度応答90は、より均一である。強度レベルは、光が検出される角度の範囲にわたってほぼ等しい。
【0049】
パターン強度応答74および傷強度応答90がスーパーインポーズされ、検出器38(D1)、40(D2)および42(D3)によって検出された強度レベルが図7に示されている。図7は、本発明による高感度光学検査システム10が、どのように傷と表面パターンとを区別しているかを表す。角度α1に位置する検出器38(D1)は、プレート12の表面上に傷があることに起因して、光散乱分布72が生成される場合、光強度レベルF1を受け取る。角度α3の検出器42(D3)は、光強度F3を検出する。本発明によるシステムは、以下に記載するように、最小の検出された強度レベルを判定し(この場合は、F1である)、そのレベルを閾値レベル92と比較する。検出器38(D1)、40(D2)、および42(D3)から検出された最小の検出された強度レベルが、閾値レベル92を超える場合、検査した点に傷が存在する。検出された強度レベルから、おおよその粒子サイズが判定され得る。強度が大きくなるほど傷のサイズが大きい。他方、通常の表面パターンが、散乱光分布70の原因である場合、角度α1の検出器38(D1)は、強度レベルP1を検出し、角度α2の検出器40(D2)は、レベルP2を検出し、角度α3の検出器42(D3)は、レベルP3を検出する。強度レベルP3は、最小の検出された強度レベルであると判定され、このレベルは閾値92より低いので、システムは、検査した点で通常の表面パターンが検出され、傷がなかったということを示す。
【0050】
通常の表面パターンは、図5Bに示すようなレベル82、84、86および88のような低い強度レベルを有する、非常に類似した散乱光分布を生成する。このようなレベルは、通常、表面上の検査される点の周りの既知の位置に存在する。従って、検出器38、40、および42(および任意のさらなる検出器)を、パターンからの低い散乱光分布が予想される、検査される表面の周りの位置に位置付けることが望ましい。閾値レベルは、変数であるが、常に、表面パターンの結果として検出器のうちの1つから検出されることが予想される最小レベルよりわずかに高く設定する必要がある。従って、このレベルは、検出され得る傷の最小サイズを限定する。存在し得る最も低い閾値92より低いか、または、パターン応答74の最小の検出される強度レベルより低い強度応答90を有する傷は、傷として検出されない。
【0051】
図8を参照すると、図1に関して以前に説明された光学検査システム10と、検出回路105とを含む光学検査ステーション100が、説明されている。検出回路105は、検出器38、40、および42に結合されたアナログ信号処理回路127を含む。検出回路は、アナログ信号処理回路に結合されたデジタル信号処理回路129と、デジタル信号処理回路129に結合されたコンピュータ制御およびデータ格納機器137とをさらに含む。
【0052】
アナログ信号処理回路127は、複数のアンプ124、125、および126を含む。各アンプ124、125、または126は、検出器38、40、または42のうちの少なくとも1つに結合され得る。さらに、各アンプ124、125、または126は、感度回路132に結合されており、各アンプ124、125、または126の感度が調節されることが可能になる。
【0053】
デジタル信号処理回路は、複数の信号コンパレータ128、130、および131を含み、各コンパレータ128、130、または131は、アンプ124、125、または126のうちの少なくとも1つに結合され得る。デジタル信号処理回路129は、信号コンパレータ128、130、および131に結合され得る最小化回路134をさらに含む。最小化回路134は、極座標粒子検出器120にさらに結合され得る。
【0054】
コンピュータ制御およびデータ格納機器137は、デジタル信号処理回路129において規定される、極座標粒子検出器120と通信するカルテシアン変換プログラム136を含む。カルテシアン変換プログラム136は、傷マッピングプログラム140とさらに通信する。傷マッピングプログラム140は、合格および/または不合格プログラム142とさらに通信する。
【0055】
光学検査ステーション100は、紫外線レーザ103を駆動する、紫外線レーザ電源および制御部102を有するレーザ源26をさらに含む。ビーム形成光学104を通る紫外線レーザ103は、ミラー106および48に提供されるレーザービーム30を生成し、レーザービーム30は、第1のオフ軸放物面ミラー31aまたは第2のオフ軸放物面ミラー31bのいずれかに再方向付けされる。第1または第2のオフ軸放物面ミラー31aまたは31bは、それぞれ、プレート12の表面上に焦点が合わせられ得る第1のまたは第2の収束ビーム34aまたは34bを形成する。プレート12は、プレートホルダ14内に取り付けられ、プレートホルダ14自体が、回転スピンドル108上に取り付けられ、回転スピンドル108によって、反時計回りに回転する。プレート12を保護するペリクル110が含まれる。
【0056】
ペリクル110、プレート12、プレートホルダ14および回転スピンドル108は、全て、矢印21aの方向にレール上を並進させる並進ステージ18に取り付けられる。回
転スピンドルは、矢印21bの方向にも移動されて、プレート12の高さを調節し得る。並進エンコーダ112は、プレート12の上の検査される点22の放射線上の正確な位置を、検査の開始点から追跡する。回転モータ114は、回転スピンドル108を駆動し、回転エンコーダ116は、プレート12の正確な回転(角度)位置、すなわち、プレート12の表面上の検査される点22を追跡する。並進および回転信号は、それぞれ、ライン117および118の上に、極座標粒子検出器120まで提供される。また、極座標傷検出器120への入力は、プレート12の表面上でパターンが検出されるか、または何も検出されない場合、検出された傷のサイズを示す信号、または0レベル信号である。傷検出器120は、表面12上に位置する傷の極座標および傷のサイズの出力を提供する。
【0057】
検出された傷の位置およびサイズは、まず、プレート12の表面上の検査される点22の紫外線照射から、検出器38、40、および42によって受け取られた散乱光分布のレベルを検出することによって、判定される。検出器38、40、および42は、ライン121、122、および123の上で検出された光の強度に対応する電気信号を、それぞれ、アナログ信号処理回路127内のアンプ124、125、および126に提供する。増幅された信号は、デジタル信号処理回路129内の信号コンパレータ128、130、および131に提供される。コンパレータ128、130、および131は、Linear
Technology製のLT1016回路であり得、それぞれ、デジタルワードを最小化器134に出力する。0に等しいコンパレータ出力信号は、いずれの検出器38、40、および42も、閾値レベルより上の強度レベルを検出していないことを示す。閾値レベルを超える信号は、信号のサイズ、すなわち、検出された傷のサイズに対応する異なるデジタルワードを生成する。この実施例においては、5つの異なる傷のサイズ(A〜E)のみが示されているが、より多数のサイズが用いられてもよい。感度セットアップ回路132は、レベルA〜Eの調節を可能にし、そのことによって、オペレータが異なる用途について感度レベルを変更することができる。コンパレータ128、130、および131から検出された信号に対応するデジタルワードは、検出器38、40、および42によって検出された最小の強度レベルを出力する最小化器134に提供される。最小化器134のデジタル出力が0に等しい場合、これは、プレート12上で傷が検出されていないことを示す。非0出力は、傷が存在することを示し、それぞれ、並進および回転エンコーダ112および116から検出された傷の位置の極座標Rおよびθを同時に受け取るデータが極座標粒子検出器120に提供される。傷のサイズおよび極座標は、極座標Rおよびθをカルテシアン座標XおよびYに変換し、傷のサイズ信号を受け取るコンピュータ制御およびデータ格納機器137内のカルテシアン変換プログラム136に提供される。ウィンドウセットアッププログラム138は、オペレータが、プレート12のサイズおよび検査される品質領域を入力することを可能にして、そのことによって、適切なカルテシアン座標XおよびYが判定され得る(例えば、ペリクルフレーム内の領域のみ)。
【0058】
カルテシアン座標および傷のサイズは、検出された各傷の位置およびサイズを格納する傷マッピングプログラム140に提供される。プレート12の完全な表面12が検査され、プレート12の表面上の各傷の位置およびサイズが傷マッピングプログラム140に格納された後、合格/不合格プログラム142は、オペレータパラメータリスト144によって提供されたある特定の基準に基づいて、検査中の特定のプレートを合格にするか、不合格にするかを判定する。例えば、検出された傷の合計数が、所定の数を超える場合、または、ある特定のサイズの傷の所定の数が越えられる場合、プレートは不合格になる。また、傷マッピングプログラム140は、位置および傷のサイズ情報をディスプレイ146に提供する。ディスプレイ146の詳細な図を、図9に示す。ディスプレイ146は、プレート12上の傷の位置の描写をユーザに提供する。複数の傷148を有するプレート12のマップが表示されている。また、プレート12上の傷の合計カウント、およびそれぞれの異なる傷のサイズのカウントが、ディスプレイ部分150に示されている。
【0059】
また、ステーション100は、ペリクル110から鏡面反射された光を検出し、信号を反射率信号処理回路152に提供する反射率計検出器49が含まれる。反射率信号処理回路152は、制御信号を紫外線レーザ電源および制御部102に提供する。反射率信号処理回路152からの信号は、レーザ源26から出力したレーザビーム30の強度を増大させて、検出器38、40、および42によって受け取られる入力ビームおよび分散光信号を減衰させるペリクル110の表面から反射された光について補償するために、紫外線電力および紫外線レーザ103への制御信号を増大させる。あるいは、検出器38、40、および42への感度レベルは、それに応じて、増大される。
【0060】
本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態を記載したが、当業者であれば、各種の変更、改変および改良に容易に想到する。このような変更、改変、および改良は、本発明の範囲および精神に含まれるように意図される。従って、上記の記載は、例示に過ぎず、限定するように意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明の実施形態による向上した光学検査システムの三次元の図である。
【図2】図2は、図1のシステムに示される検査に基づくプレートの表面上に投影された第1および第2のレーザービームの拡大した三次元の図である。
【図3】図3は、図1のシステムにおけるプレート面上をトレースしたレーザビームの螺旋状経路を示す検査に基づくプレートの概略の平面図である。
【図4】図4は、プレート上の紫外レーザービームの三つの隣接した連続トレースに対する強度分布対半径のプロットである。
【図5A】図5Aは、表面パターン上に当たる紫外レーザービームの結果として、散乱強度分布の概略図を示す。
【図5B】図5Bは、検査に基づく点の周りの角度の範囲に亘る図5Aの散乱強度分布の強度のプロットをである。
【図6A】図6Aは、粒子に当たる紫外レーザービームの結果として散乱強度分布の概略図である。
【図6B】図6Bは、検査に基づく点の周りの角度の範囲に亘る図6Aの散乱分布の強度のプロットである。
【図7】図7は、図5Bおよび6Bに示される角度強度分布を含んで上書きされたプロットである。
【図8】図8は、本発明による光学検査システムの概略ブロック図である。
【図9】図9は、図8に示されるディスプレイ上に作成される検出した欠陥の位置を示すイメージの詳細な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面パターンを含む回折面上の欠陥を検出する光学検査システムであって、
該光学検査システムは、
第1のビームと第2のビームとを提供する少なくとも1つの光源であって、該第1のビームは、該回折面の第1の領域を照射し、第1の散乱強度分布を生成し、該第2のビームは、該第1の領域とは異なる該回折面の第2の領域を照射し、第2の散乱強度分布を生成する、少なくとも1つの光源と、
該回折面のまわりに位置する複数の検出器であって、該第1および第2の散乱強度分布を検出する複数の検出器と、
該複数の検出器に結合された検出回路であって、該回折面上に欠陥が存在するか否かを決定する検出回路と、
該回折面を確実に保持する移動可能な実装テーブルと
を備え、
該第1および第2のビームに対する該回折面の相対的移動は、該回折面上に走査パターンを生成し、
該第1のビームは、該回折面上の第1のグループの角度セクタのうちの少なくとも1つを照射するように制御され、
該第2のビームは、該回折面上の第2のグループの角度セクタのうちの少なくとも1つを照射するように制御される、光学検査システム。
【請求項2】
前記光源は、光放射体と第1のミラーとを含み、該第1のミラーは、該光放射体によって提供される光ビームを受け取り、向きを変えることにより、前記第1のビームを提供する、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項3】
前記光源は、前記光放射体によって提供される前記光ビームを受け取り、向きを変えることにより、前記第2のビームを提供する第2のミラーをさらに含む、請求項2に記載の光学検査システム。
【請求項4】
前記第1および第2のミラーの各々は、軸外の放物面ミラーを含む、請求項3に記載の光学検査システム。
【請求項5】
前記光源は、前記光ビームを受け取る回動可能ミラーであって、前記第1のミラーに該光ビームの向きを変えるために第1の位置に回動され、前記第2のミラーに該光ビームの向きを変えるために第2の位置に回動される回動可能ミラーをさらに含む、請求項3に記載の光学検査システム。
【請求項6】
前記検出回路は、最小検出強度レベルを決定する回路を含む、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項7】
前記検出回路は、前記最小検出強度レベルを処理することにより、前記回折面上に欠陥が存在するか否かを決定する回路をさらに含む、請求項6に記載の光学検査システム。
【請求項8】
前記検出回路は、欠陥のサイズを決定する回路をさらに含む、請求項7に記載の光学検査システム。
【請求項9】
前記移動可能な実装テーブルは、前記回折面上の前記照射された領域の位置を決定するエンコーダを含む、請求項8に記載の光学検査システム。
【請求項10】
前記検出回路は、前記回折面上の前記照射された領域の位置に基づいて、該回折面上の前記欠陥の位置を決定する回路と、該欠陥の位置を格納する回路とをさらに含む、請求項9に記載の光学検査システム。
【請求項11】
前記システムは、前記欠陥とその位置とを表示するディスプレイをさらに含む、請求項10に記載の光学検査システム。
【請求項12】
前記検出回路は、
前記検出器に結合されたアナログ信号処理回路と、
該アナログ信号処理回路に結合されたデジタル信号処理回路と、
該デジタル信号処理回路に結合されたコンピュータ制御およびデータ格納ユニットと
を含む、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項13】
前記アナログ信号処理回路は、複数の増幅器を含み、各増幅器は、少なくとも1つの検出器に結合されている、請求項12に記載の光学検査システム。
【請求項14】
各増幅器は、各増幅器の感度が調整されることを可能にする感度回路に結合されている、請求項13に記載の光学検査システム。
【請求項15】
前記デジタル信号処理回路は、複数の信号比較器を含み、各信号比較器は、少なくとも1つの増幅器に結合されている、請求項13に記載の光学検査システム。
【請求項16】
前記デジタル信号処理回路は、前記複数の信号比較器に結合された最小化器回路をさらに含み、該最小化器回路は、極座標粒子検出器にさらに結合されている、請求項15に記載の光学検査システム。
【請求項17】
前記コンピュータ制御およびデータ格納ユニットは、前記極座標粒子検出器と通信可能な直交変換プログラムを含み、該直交変換プログラムは、欠陥マッピングプログラムとさらに通信可能である、請求項16に記載の光学検査システム。
【請求項18】
前記実装テーブルは、回転可能に実装されたプレートホルダとスライド可能な平行移動ステージとを含み、該実装テーブルは、前記回折面を回転および平行移動することにより、前記走査パターンを確立し、該走査パターンは、該回折面上に前記第1のビームおよび第2のビームの複数の回転を有する螺旋状トレースを含む、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項19】
前記第1のビームは、第1のグループの角度セクタを含む前記回折面上で規定された前記第1の領域を照射するように制御され、該第1のグループの角度セクタは、342.5°〜22.5°、67.5°〜112.5°、157.5°〜202.5°および247.5°〜292.5°を含む、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項20】
前記第2のビームは、第2のグループの角度セクタを含む前記回折面上に規定された前記第2の領域を照射するように制御され、該第2のグループの角度セクタは、22.5°〜67.5°、112.5°〜157.5°、202.5°〜247.5°および292.5°〜342.5°を含む、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項21】
前記光放射体は、紫外線レーザを含む、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項22】
前記紫外線レーザは、前記回折面上に楕円形のビームスポットを投射する、請求項21に記載の光学検査システム。
【請求項23】
前記紫外線レーザビームは、前記回折面に対して垂直な方向から約60°の角度で該面上に照射する、請求項22に記載の光学検査システム。
【請求項24】
前記ビームの幅は、該トレースの回転間の領域の検査を確実にするために、該ビームのトレースピッチと少なくとも同じ大きさである、請求項23に記載の光学検査システム。
【請求項25】
前記ビームのトレースピッチは、約3マイクロメートルよりも小さい、請求項24に記載の光学検査システム。
【請求項26】
前記複数の検出器は、
前記回折面に近接する第1の位置に位置する第1の検出器であって、該第1の位置において前記散乱強度分布の強度レベルを検出する第1の検出器と、
該回折面に近接する第2の位置に位置する第2の検出器であって、該第2の位置において該散乱強度分布の強度レベルを検出する第2の検出器と、
前記回折面に近接する第3の位置に位置する第3の検出器であって、該第3の位置において該散乱強度分布の強度レベルを検出する第3の検出器と
を含む、請求項1に記載の光学検査システム。
【請求項27】
表面パターンを含む回折面を検査することにより、該回折面上の欠陥を検出するために、光学検査システムを用いる方法であって、
該方法は、
(i)該回折面の第1の領域を第1のビームで照射することにより、第1の散乱強度分布を生成するステップと、
(ii)該第1の領域とは異なる該回折面の第2の領域を第2のビームで照射することにより、第2の散乱強度分布を生成するステップと、
(iii)該第1のビームによって生成された該第1の散乱強度分布の強度レベルと該第2のビームによって生成された該第2の散乱強度分布の強度レベルとを検出するステップであって、該強度レベルは、該回折面のまわりの複数の位置で検出される、ステップと、
(iv)該第1および第2の散乱強度分布の該検出された強度レベルを処理することにより、欠陥が存在するか否かを決定するステップと、
(v)該回折面上に走査パターンを生成しながら、該回折面を移動するステップであって、該走査パターンは該回折面全体を覆う、ステップと
を包含し、
該第1のビームは、該第1の領域を含む該回折面上の第1のグループの角度セクタのうちの少なくとも1つを照射するように制御され、
該第2のビームは、該第2の領域を含む該回折面上の第2のグループの角度セクタのうちの少なくとも1つを照射するように制御される、方法。
【請求項28】
前記検出された強度レベルを処理するステップは、該検出された強度レベルが所定の閾値強度レベル未満である場合には、前記回折面の前記照射された領域上に欠陥が存在しないことを示し、該検出された強度レベルが該所定の閾値強度レベルを越える場合には、該回折面の該照射された領域上に欠陥が存在することを示すステップをさらに包含する、請求項27に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項29】
前記回折面の第1の領域を第1のビームで照射するステップは、該回折面上に規定された第1のグループの所定の角度セクタを照射するステップを包含する、請求項27に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項30】
前記回折面の第2の領域を第2のビームで照射するステップは、該回折面上に規定された第2のグループの所定の角度セクタを照射するステップを包含する、請求項27に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項31】
前記回折面上に規定された第1のグループの所定の角度セクタを第1のビームで照射するステップは、該回折面上に楕円形のビームスポットを投射するステップを包含する、請求項29に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項32】
前記回折面上に規定された第1のグループの所定の角度セクタを第1のビームで照射するステップは、該回折面に対して垂直な方向から約60°の角度で、紫外線レーザビームを該回折面に向けるステップをさらに包含する、請求項31に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項33】
前記回折面上に規定された第2のグループの所定の角度セクタを第2のビームで照射するステップは、該回折面上に楕円形のビームスポットを投射するステップを包含する、請求項30に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項34】
前記回折面上に規定された第2のグループの所定の角度セクタを第2のビームで照射するステップは、該回折面に対して垂直な方向から約60°の角度で、紫外線レーザビームを該回折面に向けるステップをさらに包含する、請求項33に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項35】
前記回折面を移動することにより、回折面上に走査パターンを生成するステップは、該回折面を回転および平行移動することにより、該回折面上に該第1のビームおよび第2のビームの複数の回転を有する螺旋状トレースを確立するステップを包含する、請求項27に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項36】
前記回転および平行移動するステップは、前記螺旋状トレースの前記回転の各々と隣接する回転とを重ね合わせることにより、各回転間の領域の検査を確実にするステップを包含する、請求項35に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項37】
前記回転および平行移動するステップは、前記回転間に約3マイクロメートルより小さい間隔をあけるステップを包含する、請求項36に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項38】
前記検出するステップは、
前記回折面に近接する第1の位置において前記第1および第2の散乱強度分布の前記強度レベルを検出するステップと、
該回折面に近接する第2の位置において該第1および第2の散乱強度分布の該強度レベルを検出するステップと、
該回折面に近接する第3の位置において該第1および第2の散乱強度分布の該強度レベルを検出するステップと
を包含する、請求項27に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項39】
前記検出するステップは、前記表面パターンからの前記第1および第2の散乱強度分布の前記強度レベルが前記閾値強度レベル未満と予想される、前記回折面のまわりの位置において、該第1および第2の散乱強度分布の該強度レベルを検出するステップをさらに包含する、請求項38に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項40】
欠陥サイズを決定するステップをさらに包含する、請求項27に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項41】
前記回折面を移動することにより、走査パターンを生成するステップは、該回折面上の前記照射された領域の位置を決定するステップを包含する、請求項27に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項42】
前記回折面上の前記照射された領域の位置に基づいて、該回折面上の前記欠陥の位置を決定するステップをさらに包含する、請求項41に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項43】
前記欠陥の位置およびサイズを格納するステップをさらに包含する、請求項42に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項44】
ディスプレイに前記欠陥および位置を表示するステップをさらに包含する、請求項43に記載の光学検査システムを用いる方法。
【請求項45】
表面パターンを含む回折面上の欠陥を検出する光学検査システムであって、
該光学検査システムは、
第1のビームと第2のビームとを提供する少なくとも1つの光源であって、該第1のビームは、該回折面の第1の領域を照射し、第1の散乱強度分布を生成し、該第2のビームは、該第1の領域とは異なる該回折面の第2の領域を照射し、第2の散乱強度分布を生成する、少なくとも1つの光源と、
該回折面のまわりに位置する複数の検出器であって、該第1および第2の散乱強度分布を検出する複数の検出器と、
該複数の検出器に結合された検出回路であって、該回折面上に欠陥が存在するか否かを決定する検出回路と、
該回折面を確実に保持する移動可能な実装テーブルであって、該第1および第2のビームに対する該回折面の相対的移動は、該回折面上に走査パターンを生成する、移動可能な実装テーブルと
を備え、
検出器からの信号は、該複数の検出器のうちの少なくとも一部の感度を制御するか、または、該第1または第2のビームの強度を制御するための制御信号を提供する、光学検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−58331(P2008−58331A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298286(P2007−298286)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【分割の表示】特願2006−128653(P2006−128653)の分割
【原出願日】平成13年6月14日(2001.6.14)
【出願人】(502453894)キューシー オプティクス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】