説明

回線試験装置および回線試験方法

【課題】伝送路で生じる信号歪や伝送特性を容易に測定でき、通信回線の運用を停止せずに試験を実施することが可能な回線試験装置を提供する。
【解決手段】送信側装置に設けられた弾器を介して通信回線の伝送を維持しつつ取り出された信号を測定する送信側PC13と、受信側装置に設けられた弾器を介して通信回線の伝送を維持しつつ取り出された信号を測定し、送信側PC13と通信網20を介して接続された受信側PC19とを具備する。送信側PC13と受信側PC19との時刻同期を図る手段と、送信側PC13で測定された信号と受信側PC19で測定された信号とを比較演算する比較演算手段と、比較演算手段で演算された比較結果を出力する結果出力手段とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送端局装置等の通信装置に設けられた弾器に装着されて回線試験を行うために有用な回線試験装置および回線試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多重無線装置や光ファイバケーブルで信号を伝送するために、信号を多重化して送出したり、多重化した信号を受信側で元の信号に分離する搬送端局装置が設けられている。この搬送端局装置は、その通話路盤(チャンネル盤)に弾器コードの弾器プラグが装着可能な弾器ジャックが設けられ、この弾器ジャックに装着された弾器コードを介してライン側接続線と装置側接続線とをテスト盤に接続し、このテスト盤に試験コードを介して接続された試験器により回線の音声試験等が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7ー143527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、一般的な弾器ジャックは、一旦弾器コネクタに接続すると、通信回線が切断されてしまうため、回線試験を行うためには、運用中の回線を停止するようにしている。このため、通信回線を停止するための調整に時間がかかるとともに,対向箇所と連絡をとりながら人手により測定するため,回線試験に時間がかかるものであった。
また,従来の試験方法では,測定器等で作られた試験用信号により試験するため,実際に送受信される信号の歪や伝送特性を正確に把握することができないものであった。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、伝送路で生じる信号歪や伝送特性を容易に測定することができ、しかも通信回線の運用を停止せずに試験を実施することが可能な回線試験装置及びこれを用いた回線試験方法を提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するために、この発明に係る回線試験装置は、送信側装置に設けられた弾器を介して通信回線の伝送を維持しつつ信号を取り出す第1の信号取出手段と、前記第1の信号取出手段を介して取り出された信号を測定する第1の信号測定手段を有する第1の演算器と、受信側装置に設けられた弾器を介して通信回線の伝送を維持しつつ信号を取り出す第2の信号取出手段と、前記第2の信号取出手段を介して取り出された信号を測定する第2の信号測定手段を有し、前記第1の演算器と通信網を介して接続された第2の演算器とを備え、前記第1の演算器と前記第2の演算器との時刻同期を図る手段と、前記第1の演算器で測定された信号と前記第2の演算器で測定された信号とを比較演算する比較演算手段と、前記比較演算手段で演算された比較結果を出力する結果出力手段とを具備することを特徴としている(請求項1)。
このような回線試験装置を用いて回線試験を行うには、前記第1の演算器と前記第2の演算器との時刻同期を図った後に、前記第1の信号測定手段にて前記第1の信号取出手段を介して取り出された信号を測定すると共に前記第2の信号測定手段にて前記第2の信号取出手段を介して取り出された信号を測定し、前記第1の演算器で測定された信号と前記第2の演算器で測定された信号とを前記通信網を介して集約させた上で前記比較演算手段にて比較演算し、比較結果を前記結果出力手段に出力させるとよい(請求項5)。
【0006】
したがって、送信側装置から送信される信号は、第1の信号取出手段を介して通信回線の伝送を維持したまま取り出されて第1の演算器の第1の測定手段によって測定され、また、受信側装置で受信された信号は、第2の信号取出手段を介して通信回線の伝送を維持したまま取り出されて第2の演算器の第2の測定手段によって測定される。このため、通信回線を停止させることなく、また、通信回線の伝送を切断することなく回線試験を実施することが可能となる。
【0007】
また、時刻同期を図った第1及び第2の演算器を用い、送信側装置から送信される信号を第1の演算器で測定し、受信側装置で受信される信号を第2の演算器で測定し、比較演算手段によりそれぞれの演算器で測定した信号を比較演算し、その結果を結果出力手段に出力するようにしたので、送信側装置から送信された信号と受信側装置で受信された信号とを比較することで伝送路で生じる信号歪や伝送特性を容易且つ正確に把握することが可能となる。
【0008】
ここで、通信回線の信号がデジタル信号である場合に、前記比較演算手段は、前記第1の演算器で測定したデジタル信号と前記第2の演算器で測定したデジタル信号とに基づきビットエラーレートの最小値を演算し、前記結果出力手段は、前記ビットエラーレートの最小値の経時変化を含む比較結果を出力するようにしてもよい(請求項2)。
即ち、通信回線の信号がデジタル信号である場合に、第1の演算器で測定された信号と第2の演算器で測定された信号とを通信網を介して集約させた上で、比較演算手段にて第1の演算器で測定された信号と第2の演算器で測定された信号とに基づきビットエラーレートの最小値を演算し、ビットエラーレートの最小値の経時変化を含む比較結果を前記結果出力手段に出力させるようにしてもよい(請求項6)。
【0009】
また、通信回線の信号がアナログ信号である場合に、前記比較演算手段は、前記第1の演算器で測定された信号の所定周波数帯の一定時間の平均レベルと前記第2の演算器で測定された信号の前記所定周波数帯の一定時間の平均レベルとを比較し、結果出力手段は、前記第2の演算器で測定された信号の平均レベルと前記第1の演算器で測定された前記信号の平均レベルとの差で表される損失の偏差を含む比較結果を出力するようにしても、また、前記比較演算手段は、周波数帯毎に第1の演算器で測定された信号の一定時間の平均レベルと第2の演算器で測定された信号の一定時間の平均レベルとを比較し、結果出力手段は、その比較結果を周波数との関係で示す周波数特性として出力するようにしてもよい(請求項3,4)。
即ち、通信回線の信号がアナログ信号である場合に、第1の演算器で測定された信号と第2の演算器で測定された信号とを通信網を介して収集させた上で、比較演算手段にて第1の演算器で測定された信号の所定周波数帯の一定時間の平均レベルと第2の演算器で測定された信号の前記所定周波数帯の一定時間の平均レベルとを比較し、前記第2の演算器で測定された信号の平均レベルと前記第1の演算器で測定された信号の平均レベルとの差で表される損失の偏差を含む比較結果を結果出力手段に出力させるようにしても、第1の演算器で測定された信号と第2の演算器で測定された信号とを通信網を介して集約させた上で、比較演算手段にて周波数帯毎に第1の演算器で測定された信号の一定時間の平均レベルと第2の演算器で測定された信号の一定時間の平均レベルとを比較し、その比較結果を周波数との関係で示す周波数特性として前記結果出力手段に出力させるようにしてもよい(請求項7,8)。
【発明の効果】
【0010】
以上述べたように、本発明によれば、送信側装置から送信される信号を通信回線の伝送を維持しつつ第1の演算器で測定し、受信側装置で受信される信号を通信回線の伝送を維持しつつ第2の演算器で測定し、これら信号を比較演算してその結果を出力するようにしたので、通信回線を停止させることなく回線試験の実施が可能となり、また、伝送路で生じる信号歪や伝送特性を容易且つ正確に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1において、伝送路1の一方側(送信側)に搬送端局装置のチャンネル盤(通話路盤)2を介して電話等の端末装置3が接続され、伝送路1の他方側(受信側)に搬送端局装置のチャンネル盤(通話路盤)4を介して電話等の端末装置5が接続された一般的な通信回線が示されている。それぞれのチャンネル盤2,4には弾器ジャック6,7が設けられ、送信側のチャンネル盤2に設けられた弾器ジャック6は、弾器コード8を介してテスト盤9の弾器ジャック10に接続され、このテスト盤9は、弾器ジャック10と電気的に接続されたUリンク11に試験コード12を介して送信側PC(送信側演算器)13に接続されている。また、受信側のチャンネル盤4に設けられた弾器ジャック7は、弾器コード14を介してテスト盤15の弾器ジャック16に接続され、このテスト盤15は、弾器ジャック16と電気的に接続されたUリンク17に試験コード18を介して受信側PC(受信側演算器)19に接続されている。
【0013】
それぞれの弾器ジャック6,7,10,16は、ばね板状の対をなす接触片からなる端子6a,6b,7a,7b,10a,10b,16a,16bを有し、それぞれの対をなす端子6a,6b,7a,7b,10a,10b,16a,16bが自身の弾力で互いに弾接した構造を有しており、弾器ジャック6,7,10,16の端子間に弾器コード8,14を挿入することで、対をなす端子の弾接状態が解除され、弾器ジャック6,7,10,16の端子が弾器コード8,14の端子に圧接するようになっている。また、テスト盤9,15のUリンク11,17は、対をなす接触片からなる端子11a,11b,17a,17bを有し、この対をなす端子間の電気的導通状態を維持しつつ該端子間に試験コード12,18を挿入できるようになっている。
【0014】
したがって、チャンネル盤(通話路盤)2,4とテスト盤9,15とを接続するにあたり、先ず、テスト盤側の弾器ジャック10,16に弾器コード8,14の一端を挿入して接続し、次いで、チャンネル盤(通話路盤)側の弾器ジャック6,7に弾器コード8,14の他端を挿入して接続すれば、通信回線の伝送は、弾器ジャック6,7、弾器コード8,14、テスト盤9,15の弾器ジャック10,16及びUリンク11,17を介して維持され、この状態でUリンク11,17に試験コード12,18を接続することで、通信回線の伝送を維持しつつ通信回線から信号を取り出すことができるようになっている。
【0015】
この送信側搬送端局装置のチャンネル盤2に設けられた弾器ジャック6に接続される弾器コード8と、この弾器コード8が接続される弾器ジャック10を備えると共に試験コード12が接続されるUリンク11を備えたテスト盤9とにより、送信側装置に設けられた弾器を介して通信回線の伝送を維持しつつ信号を取り出す第1の信号取出手段が構成され、また、受信側搬送端局装置のチャンネル盤4に設けられた弾器ジャック7に接続される弾器コード14と、この弾器コード14が接続される弾器ジャック16を備えると共に試験コード18が接続されるUリンク17を備えたテスト盤15とにより、受信側装置に設けられた弾器を介して通信回線の伝送を維持しつつ信号を取り出す第2の信号取出手段が構成される。
【0016】
送信側PC(送信側演算器)13と受信側PC(受信側演算器)19は、インターネットや携帯電話網、電話回線網などの通信網20を介して互いに接続されており、データ等の送受信が行えるようになっている。
【0017】
受信側PC19は,GPSからの時刻情報や標準電波からの時刻情報に基づき内部時計を更正する時刻同期処理部21と、この同期された時刻に基づき伝送路1から弾器コード14、テスト盤15、試験コード18を介して取り出されたデータを測定するデータ測定部22と、データ測定部22で測定されたデータを送信側PC13に通信網20を介して送信する送信部23とを有して構成されている。
【0018】
また、送信側PC13は、GPSからの時刻情報や標準電波からの時刻情報に基づき内部時計を更正する時刻同期処理部31と、この同期された時刻に基づき伝送路1から弾器コード8、テスト盤9、試験コード12を介して取り出されたデータを測定するデータ測定部32と、前記受信側PC19の送信部23から通信網20を介して送信されたデータを受信する受信部33と、前記データ測定部32で測定されたデータと前記受信部33で受信されたデータとを比較演算処理するデータ処理部34と、前記データ処理部34で比較演算処理された演算結果を表示するモニタ等からなる結果表示部35とを有して構成されている。
【0019】
図2において、上記回線試験装置を用いた試験方法がフローチャートとして示され、以下、このフローチャートに基づいて回線試験の概要を説明する。
【0020】
送信側PC13においては、時刻同期処理部31においてGPSからの時刻情報や標準電波からの時刻情報に基づき内部時計を更正する時刻同期処理を行い(ステップ50)、この同期された時刻に基づき送信側の端末装置3から受信側の端末装置5へ伝送路1を介して伝送する信号(送信信号)をテスト盤9に接続された試験コード12を介してデータ測定部32により一定時間測定する(ステップ52)。
【0021】
また、受信側PC19においても、時刻同期処理部21においてGPSからの時刻情報や標準電波からの時刻情報に基づき内部時計を更正する時刻同期処理を行い(ステップ54)、この同期された時刻に基づき送信側の端末装置3から受信側の端末装置5へ伝送路1を介して伝送された信号(受信信号)をテスト盤15に接続された試験コード18を介してデータ測定部22により一定時間測定する(ステップ56)。そして、受信側PC19において、一定時間測定した測定データ(受信側測定データ)を送信部23から通信網20を介して送信側PC13へ送信する(ステップ58)。
【0022】
これに対して、送信側PC13においては、受信部33において受信側PC19の送信部23から送信された受信側測定データを受信してこの送信側PC13に送信側測定データと受信側測定データとを集約させ(ステップ60)、しかる後に、データ処理部34において前記データ測定部32で測定された送信側測定データと受信部33で受信された受信側測定データとを比較演算処理し(ステップ62)、その演算結果を結果表示部35に表示させる(ステップ64)。
【0023】
前記ステップ62の比較演算処理は、具体的には、次のように行われる。先ず、通信回線の信号がデジタル信号である場合(測定したデータがデジタルデータである場合)には、図3に示されるように、送信側PC13のデータ測定部32で測定されたデータ(送信側測定データ)と受信側PC19のデータ測定部22で測定されたデータ(受信側測定データ)との一方又は双方の時間軸を順次ずらしてビットエラーレートを演算する(ステップ102)。
【0024】
そして、送信信号と受信信号の測定点(時間軸)を一致させるために、時間軸を順次ずらして演算されたビットエラーレートの中から最小値を抽出し、そのときの値を演算結果とする(ステップ104)。
【0025】
前記ステップ64における演算結果表示においては、例えば、図4に示されるように、最小値となるビットエラーレートの時間推移をグラフ化して結果表示部35に表示させる。
【0026】
これに対して、通信回線の信号がアナログ信号である場合(測定したデータがアナログデータである場合)において、前記ステップ62の比較演算処理は、伝送損失レベルを測定する場合であれば、図5のブロック図に示されるように行われる。即ち、送信側PC13で測定されたデータをフィルタ処理(ブロック202)した後に所定の周波数帯(例えば、0.9kHz)の信号を抽出し(ブロック204)、また、受信側PC19で測定されたデータをフィルタ処理(ブロック206)した後に所定の周波数帯(例えば、0.9kHz)の信号を抽出し(ブロック208)する。そして、抽出された送信側測定データの平均レベル(入力レベル)と受信側測定データの平均レベル(出力レベル)とを比較処理し、その演算結果を結果表示部35に出力する(ブロック210)。
【0027】
前記ステップ64における演算結果表示においては、例えば、図6(a)に示されるように、伝送損失レベル特性を、出力レベルと入力レベルとの相関図として表示させたり、図6(b)に示されるように、入力レベルが−18dBmであるときの出力レベルと入力レベルとの差で表される損失に対する偏差値を表す損失偏差(dB)を入力レベル(dBm)と共に表化して結果表示部35に表示させる。
【0028】
また、通信回線の信号がアナログ信号である場合(測定したデータがアナログデータである場合)において、前記ステップ62の比較演算処理は、伝送周波数特性を測定する場合であれば、図7のブロック図に示されるように行われる。即ち、送信側PC13で測定されたデータをフィルタ処理(ブロック302)した後に種々の周波数帯(例えば、0.3kHz、0.9kHz、3.4kHz)毎に信号を抽出し(ブロック304,306,308)、また、受信側PC18で測定されたデータをフィルタ処理(ブロック310)した後に種々の周波数帯(例えば、0.3kHz、0.9kHz、3.4kHz)毎に信号を抽出し(ブロック312,314,316)、周波数帯ごとに抽出された送信側測定データの平均レベル(入力レベル)と抽出された受信側測定データの平均レベル(出力レベル)とを比較処理し、その演算結果を結果表示部35に出力する(ブロック318)。
【0029】
ステップ64における演算結果表示においては、例えば、図8(a)に示されるように、伝送損失周波数特性として、出力レベルと入力レベルとの差を周波数を変化させてプロットしたり、図8(b)に示されるように、各周波数の出力レベル偏差を0.9kHzの出力レベルに対する偏差として表化して結果表示部35に表示させる(0.9kHzに対する出力レベルは、所定の送信レベル(−8dB)に対して受信レベルが0dBとなるように通信装置が調整されている。)。
【0030】
したがって、上述の構成によれば、送信側装置から送信される信号は、通信回線の伝送を維持したまま送信側PC13で測定され、受信側装置で受信された信号は、通信回線の伝送を維持したまま受信側PC19で測定されるので、通信回線を停止させることなく、また、通信回線の伝送を切断することなく回線試験を実施することが可能となる。
また、送信側PC13で測定した信号と受信側PC19で測定した信号とを比較し、その結果を結果表示部35に出力させるようにしたので、送信側装置から送信された信号と受信側装置で受信された信号とを比較して伝送路で生じる信号歪や伝送特性を容易且つ正確に把握することが可能となる。
【0031】
尚、以上の構成においては、送信側PC13に対して受信側PC19で測定された測定データを通信網20を介して送信し、送信側PC13に送信側データと受信側データとを集約させるようにしたが、送信側PC13で測定された測定データを通信網20を介して受信側PC19に送信し、受信側PC19に送信側データと受信側データとを集約させて同様の比較演算処理を行い、演算結果を表示させるようにしてもよい。また、送信側データと受信側データとを通信網20を介して図示しない他のPC(演算器)に送信し、そのPCで同様の比較演算処理を行い、演算結果を表示させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明にかかる回線試験装置の全体構成を示す図である。
【図2】図2は、図1の送信側PCと受信側PCでの動作処理例を示すフロチャートである。
【図3】図3は、図2の比較演算処理の一例として、測定した信号がデジタル信号である場合の例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、図3で示す比較演算処理の演算結果の表示例を示す図である。
【図5】図5は、図2で比較演算処理の一例として、測定した信号がアナログ信号である場合の例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図5で示す比較演算処理の演算結果の表示例を示す図である。
【図7】図7は、図2で比較演算処理の一例として、測定した信号がアナログ信号である場合の他の例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図7で示す比較演算処理の演算結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
6,7,10,16 弾器ジャック
8,14 弾器コード
9,15 テスト盤
12,18 試験コード
13 送信側PC
19 受信側PC
20 通信網
21,31 時刻同期処理部
22,32 データ測定部
23 送信部
33 受信部
34 データ処理部
35 結果表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側装置に設けられた弾器を介して通信回線の伝送を維持しつつ信号を取り出す第1の信号取出手段と、
前記第1の信号取出手段を介して取り出された信号を測定する第1の信号測定手段を有する第1の演算器と、
受信側装置に設けられた弾器を介して通信回線の伝送を維持しつつ信号を取り出す第2の信号取出手段と、
前記第2の信号取出手段を介して取り出された信号を測定する第2の信号測定手段を有し、前記第1の演算器と通信網を介して接続された第2の演算器とを備え、
前記第1の演算器と前記第2の演算器との時刻同期を図る手段と、
前記第1の演算器で測定された信号と前記第2の演算器で測定された信号とを比較演算する比較演算手段と、
前記比較演算手段で演算された比較結果を出力する結果出力手段と
を具備することを特徴とする回線試験装置。
【請求項2】
前記通信回線の信号がデジタル信号である場合に、前記比較演算手段は、前記第1の演算器で測定されたデジタル信号と前記第2の演算器で測定されたデジタル信号とに基づきビットエラーレートの最小値を演算し、
前記結果出力手段は、前記ビットエラーレートの最小値の経時変化を含む比較結果を出力するものである請求項1記載の回線試験装置。
【請求項3】
前記通信回線の信号がアナログ信号である場合に、前記比較演算手段は、前記第1の演算器で測定された信号の所定周波数帯の一定時間の平均レベルと前記第2の演算器で測定された信号の前記所定周波数帯の一定時間の平均レベルとを比較し、
前記結果出力手段は、前記第2の演算器で測定された信号の平均レベルと前記第1の演算器で測定された信号の平均レベルとの差で表される損失の偏差を含む比較結果を出力するものである請求項1記載の回線試験装置。
【請求項4】
前記通信回線の信号がアナログ信号である場合に、前記比較演算手段は、周波数帯毎に前記第1の演算器で測定された信号の一定時間の平均レベルと前記第2の演算器で測定された信号の一定時間の平均レベルとを比較し、
前記結果出力手段は、その比較結果を周波数との関係で示す周波数特性として出力するものである請求項1記載の回線試験装置。
【請求項5】
請求項1に記載の回線試験装置を用いた回線試験方法であって、
前記第1の演算器と前記第2の演算器との時刻同期を図った後に、前記第1の信号測定手段にて前記第1の信号取出手段を介して取り出された信号を測定すると共に前記第2の信号測定手段にて前記第2の信号取出手段を介して取り出された信号を測定し、
前記第1の演算器で測定された信号と前記第2の演算器で測定された信号とを前記通信網を介して集約させた上で前記比較演算手段にて比較演算し、その比較結果を前記結果出力手段に出力させることを特徴とする回線試験方法。
【請求項6】
前記通信回線の信号がデジタル信号である場合に、前記第1の演算器で測定された信号と前記第2の演算器で測定された信号とを前記通信網を介して集約させた上で、前記比較演算手段にて前記第1の演算器で測定された信号と前記第2の演算器で測定された信号とに基づきビットエラーレートの最小値を演算し、前記ビットエラーレートの最小値の経時変化を含む比較結果を前記結果出力手段に出力させることを特徴とする請求項5記載の回線試験方法。
【請求項7】
前記通信回線の信号がアナログ信号である場合に、前記第1の演算器で測定された信号と前記第2の演算器で測定された信号とを前記通信網を介して収集させた上で、前記比較演算手段にて前記第1の演算器で測定された信号の所定周波数帯の一定時間の平均レベルと前記第2の演算器で測定された信号の前記所定周波数帯の一定時間の平均レベルとを比較し、前記第2の演算器で測定された信号の平均レベルと前記第1の演算器で測定された信号の平均レベルとの差で表される損失の偏差を含む比較結果を前記結果出力手段に出力させることを特徴とする請求項5記載の回線試験方法。
【請求項8】
前記通信回線の信号がアナログ信号である場合に、前記第1の演算器で測定された信号と前記第2の演算器で測定された信号とを前記通信網を介して集約させた上で、前記比較演算手段にて周波数帯毎に前記第1の演算器で測定された信号の一定時間の平均レベルと前記第2の演算器で測定された信号の一定時間の平均レベルとを比較し、その比較結果を周波数との関係で示す周波数特性として前記結果出力手段に出力させることを特徴とする請求項5記載の回線試験方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−166438(P2007−166438A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362516(P2005−362516)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】