説明

回路基板、回路部品内蔵モジュールおよびそれらの製造方法

【課題】 シールド体が電磁波の遮蔽と同時にグランドパターンとの電気的接続機能を有し、工程数の削減と低コスト化に適した回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 電気絶縁性基板201と、前記電気絶縁性基板の少なくとも一方の主面もしくは、内部に形成された配線パターン202とグランドパターン203及び、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含むシールド体204からなる回路基板において、前記シールド体204が前記電気絶縁性基板201の少なくとも一方の主面もしくは、内部と前記電気絶縁性基板に設けた貫通孔205内に形成され、前記グランドパターン203と前記シールド体204とが、電気的に接続されていることを特徴とする回路基板

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板、基板の内部に回路部品が配置された回路部品内蔵モジュールおよびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体素子等の電子部品の高速駆動が進んでおり、高周波ノイズの影響を極めて受けやすく、誤作動を引き起こす可能性も高くなってきている。そのためIC等の高周波駆動用電子部品を搭載する回路基板は、電子部品、配線パターンから発生する電磁波及び外部からの電磁波を遮断するために、シールド層を設けていることが多い。
【0003】このシールド層としては、例えば、基板本体を覆う金属ケースや樹脂モールド層等が用いられている。
【0004】また、近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い、回路部品の高密度、高機能化が一層求められており、このため、回路部品の高密度、高機能化に対応した回路基板内部に回路部品を配置した回路部品内蔵モジュールが要求されており、この回路部品内蔵モジュールにおいてもシールド層が必要となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来では、シールド層として金属ケースや樹脂モールド層を用いているので、電子部品が搭載された基板をケース内に収納したり、樹脂でモールドする必要があり、このため、製造工程が複雑化し、かつ高コストとなっている。
【0006】本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、シールド効果を有し、回路基板及び回路部品内蔵モジュールを低コストに提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
【0008】すなわち、本発明の回路基板は、電気絶縁性基板に、配線パターンおよびグランドパターンが形成された回路基板であって、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方には、シールド体が形成され、前記シールド体は、該シールド体と同一材料からなる接続部を介して前記グランドパターンと電気的に接続されている。
【0009】本発明によると、シールド体がグランドパターンに電気的に接続されているので、シールド体の電位が安定し、グランドパターンと分離されている場合のようにシールド体がアンテナとして機能するといったようなことがなく、また、グランドパターンとの電気的接続部が、シールド体と同一材料で一体に形成できるので、製造工程が削減できるとともに、別材料でシールド体とグランドパターンとを接続する場合に比べて接続抵抗が低く、接続信頼性の高いものとなり、これによって、回路基板の安定化を図ることができるとともに、そのコストの低減を実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、電気絶縁性基板に、配線パターンおよびグランドパターンが形成された回路基板であって、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方には、シールド体が形成され、前記シールド体は、該シールド体と同一材料からなる接続部を介して前記グランドパターンと電気的に接続されており、シールド体が電磁波の遮蔽と同時にグランドパターンとの電気的接続も行っており、回路基板の安定化を図るとともに、工程数の削減と低コスト化を実現できる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シールド体は、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含み、前記接続部は、前記電気絶縁性基板に形成された貫通孔内に前記同一材料が充填されて前記シールド体と一体に形成されるものであり、シールド体が電磁波の遮蔽と同時に、貫通孔を介してグランドパターンとの電気的接続も行っており、回路基板の安定化を図るとともに、工程数の削減と低コスト化を実現できる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シールド体は、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含み、前記接続部は、前記電気絶縁性基板の外周部に前記同一材料によって前記シールド体と一体に形成されるものであり、シールド体が電磁波の遮蔽と同時に、電気絶縁性基板の外周部を介してグランドパターンとの電気的接続も行っており、回路基板の安定化を図るとともに、工程数の削減と低コスト化を実現できる。
【0013】請求項4に記載の発明は、電気絶縁性基板に配線パターンおよびグランドパターンが形成された回路基板であって、磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含むシールド体を、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方に形成したものであり、シールド体によって電磁波を吸収し、回路基板の安定化を図るとともに、工程数の削減と低コスト化を実現できる。
【0014】請求項5に記載の発明は、配線パターンおよびグランドパターンが形成された電気絶縁性基板の内部に、前記配線パターンに電気的に接続された回路部品が配置されてなる回路部品内蔵モジュールであって、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方には、シールド体が形成され、前記シールド体は、該シールド体と同一材料からなる接続部を介して前記グランドパターンと電気的に接続されており、シールド体が電磁波の遮蔽と同時にグランドパターンとの電気的接続も行っているので、回路部品内蔵モジュールの安定化を図るとともに、工程数の削減と低コスト化を実現できる。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記シールド体は、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含み、前記接続部は、前記電気絶縁性基板に形成された貫通孔内に前記同一材料が充電されて前記シールド体と一体に形成されるものであり、シールド体が電磁波の遮蔽と同時に、貫通孔を介してグランドパターンとの電気的接続も行っており、回路部品内蔵モジュールの安定化を図るとともに、工程数の削減と低コスト化を実現できる。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記シールド体は、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含み、前記接続部は、前記電気絶縁性基板の外周部に前記同一材料によって前記シールド体と一体に形成されるものであり、シールド体が電磁波の遮蔽と同時に、電気絶縁性基板の外周部を介してグランドパターンとの電気的接続も行っており、回路部品内蔵モジュールの安定化を図るとともに、工程数の削減と低コスト化を実現できる。
【0017】請求項8に記載の発明は、配線パターンおよびグランドパターンが形成された電気絶縁性基板の内部に、前記配線パターンに電気的に接続された回路部品が配置されてなる回路部品内蔵モジュールであって、磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含むシールド体を、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方に形成したものであり、シールド体によって電磁波を吸収し、回路部品内蔵モジュールの安定化を図るとともに、工程数の削減と低いコスト化を実現できる。
【0018】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記グランドパターンが、導電性粉末と熱硬化性材料とを含む材料で形成されており、グランドパターンをシールド体と同じ工程で作成でき、低コスト化を実現できる。
【0019】請求項10に記載の発明は、請求項5ないし7のいずれかに記載の発明において、前記グランドパターンが、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む材料で形成されており、グランドパターンをシールド体と同じ工程で作成でき、低コスト化を実現できる。
【0020】請求項11に記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記シールド体の前記導電性粉末が、金、銀、銅、ニッケルおよびカーボンからなる群から選ばれる1種以上の導電成分を含むものであり、電気抵抗の低いシールド体を形成でき、電磁波の遮蔽特性が向上する。
【0021】請求項12に記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、前記シールド体の前記導電性粉末が、金、銀、銅、ニッケルおよびカーボンからなる群から選ばれる1種以上の導電成分を含むものであり、電気抵抗の低いシールド体を形成でき、電磁波の遮蔽特性が向上する。
【0022】請求項13に記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記シールド体の前記導電性粉末が、磁性粉末の表面を、金、銀または銅によって被覆した粉末を含むものであり、磁性体による電磁波の吸収効果によりシールド特性が向上する。
【0023】請求項14に記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、前記シールド体の前記導電性粉末が、磁性粉末の表面を、金、銀または銅によって被覆した粉末を含むものであり、磁性体による電磁波の吸収効果によりシールド特性が向上する。
【0024】請求項15に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の発明において、前記シールド体の前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂からなる群から選ばれる1種以上の熱硬化性樹脂を含むものであり、耐熱性や電気絶縁性の特性を向上させることができる。
【0025】請求項16に記載の発明は、請求項6ないし8のいずれかに記載の発明において、前記シールド体の前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂からなる群から選ばれる1種以上の熱硬化性樹脂を含むものであり、耐熱性や電気絶縁性の特性を向上させることができる。
【0026】請求項17に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記シールド体が、前記配線パターンの周囲を閉ループ状に形成されており、電磁波の遮蔽範囲を広げることができる。
【0027】請求項18に記載の発明は、請求項5ないし8のいずれかに記載の発明において、前記シールド体が、前記配線パターンの周囲を閉ループ状に形成されており、電磁波の遮蔽範囲を広げることができる。
【0028】請求項19に記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記シールド体の前記磁性粉末が、軟磁性体であり、磁性体の磁化の影響を受けずにシールド効果を有することができる。
【0029】請求項20に記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記シールド体の前記磁性粉末が、軟磁性体であり、磁性体の磁化の影響を受けずにシールド効果を有することができる。
【0030】請求項21に記載の発明は、電気絶縁性基板に貫通孔を形成する工程と、前記電気絶縁性基板に配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物とを重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記貫通孔内に充填する工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記貫通孔を通して、前記グランドパターンと前記シールド体との電気的接続を行う一方、前記シールド体と前記電気絶縁性基板との接着を行う工程とを含むものであり、貫通孔を介してグランドパターンに電気的に接続されたシールド体を有する本発明に係る回路基板を容易に製造することができる。
【0031】請求項22に記載の発明は、電気絶縁性基板に配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物とを重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記グランドパターンと接触させる工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記グランドパターンと前記シールド体との電気的接続を行う一方、前記シールド体と前記電気絶縁性基板との接着を行う工程とを含むものであり、グランドパターンに電気的に接続されたシールド体を有する本発明に係る回路基板を容易に製造することができる。
【0032】請求項23に記載の発明は、電気絶縁性基板に配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含む磁性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記磁性樹脂混合物を重ねて加圧することによって、前記磁性樹脂混合物をシールド体の形状に成型する工程と、成型した前記磁性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記電気絶縁性基板との接着を行う工程とを含むものであり、電磁波を吸収するシールド体を有する本発明に係る回路基板を容易に製造することができる。
【0033】請求項24に記載の発明は、電気絶縁性基板に配線パターンを形成する工程と、前記電気絶縁性基板にグランドパターンの型となる溝を形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物とを重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記溝に充填する工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体および前記グランドパターンを一体に形成するとともに、前記電気絶縁性基板との接着を行う工程とを含むものであり、本発明に係る回路基板を容易かつ安価に製造することができる。
【0034】請求項25に記載の発明は、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物をシート形状に加工する工程と、配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、形成された前記パターンに回路部品を実装する工程と、前記熱硬化性樹脂混合物と前記回路部品を実装した前記パターンとを重ねて加圧することによって、前記回路部品を埋没させた電気絶縁性基板を形成する工程と、前記電気絶縁性基板に貫通孔を形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物とを重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記貫通孔に充填する工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記グランドパターンと前記シールド体の電気的接続を行う一方、前記シールド体と前記電気絶縁性基板との接着を行う工程とを含むものであり、貫通孔を介してグランドパターンに電気的に接続されたシールド体を有する本発明に係る回路部品内蔵モジュールを容易に製造することができる。
【0035】請求項26に記載の発明は、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物をシート形状に加工する工程と、配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、形成された前記パターンに回路部品を実装する工程と、前記熱硬化性樹脂混合物と前記回路部品を実装した前記パターンとを重ねて加圧することによって、前記回路部品を埋没させた電気絶縁性基板を形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物を重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記グランドパターンと接触させる工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記グランドパターンと前記シールド体の電気的接続を行う一方、前記シールド体と前記電気絶縁性基板との接着を行う工程とを含むものであり、グランドパターンに電気的に接続されたシールド体を有する本発明に係る回路部品内蔵モジュールを容易に製造することができる。
【0036】請求項27に記載の発明は、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物をシート形状に加工する工程と、配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、形成された前記パターンに回路部品を実装する工程と、前記熱硬化性樹脂混合物と前記回路部品を実装した前記パターンを重ねて加圧することによって、前記回路部品を埋没させた電気絶縁性基板を形成する工程と、磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含む磁性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記磁性樹脂混合物を重ねて加圧することによって、前記磁性樹脂混合物をシールド体の形状に成型する工程と、成型した前記磁性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記電気絶縁性基板との接着を行う工程とを含むものであり、電磁波を吸収するシールド体を有する本発明に係る回路部品内蔵モジュールを容易に製造することができる。
【0037】請求項28に記載の発明は、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物をシート形状に加工する工程と、配線パターンを形成する工程と、形成した前記パターンに回路部品を実装する工程と、前記熱硬化性樹脂混合物と前記回路部品を実装した前記パターンとを重ねて加圧することによって、前記回路部品を埋没させた電気絶縁性基板を形成する工程と、前記電気絶縁性基板にグランドパターンの型となる溝を形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物を重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記溝に充填する工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体および前記グランドパターンを形成するとともに、前記電気絶縁性基板との接着を行う工程とを含むものであり、本発明に係る回路部品内蔵モジュールを容易かつ安価に製造することができる。
【0038】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0039】図1は、本発明の一つの実施の形態に係る回路基板200の断面図である。回路基板200は、貫通孔205を有する電気絶縁性基板201を備え、その一方の主面には、配線パターン202およびグランドパターン203が形成されており、他方の主面には、シールド体204が形成されている。
【0040】電気絶縁性基板201は、電気絶縁性を有する基板であり、ガラス−エポキシ基板、セラミック基板、無機フィラーと樹脂のコンポジット基板等を用いることができる。
【0041】電気絶縁性基板として、コンポジット基板を用いた場合、無機フィラー及び樹脂を選択することによって、電気絶縁性基板201の線膨張係数、熱伝導度、誘電率などを容易に制御することができる。例えば、無機フィラーとしてAl23、MgO、BN、AlNまたはSiO2などを用いることができる。
【0042】Al23、BN、AlNを用いることにより、従来のガラス−エポキシ基板より熱伝導度の高い基板が製作可能となる。また、Al23はコストが安いという利点もある。SiO2を用いた電気絶縁性基板は、線膨張係数がシリコン半導体により近くなっており、温度変化によるクラックの発生等を防止することができるため、半導体を直接実装するフリップチップ用基板として好ましい。また、誘電率が低い電気絶縁性基板が得られ、比重も軽いため、携帯電話などの高周波用基板として好ましい。また、BNを用いることにより線膨張係数を低減できる。MgOを用いた場合は、電気絶縁性基板の線膨張係数を大きくすることができる。
【0043】樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いることができ、耐熱性の高いエポキシ樹脂やフェノール樹脂、シアネート樹脂を用いることにより、回路基板の耐熱性をあげることができる。また、誘電正接の低いフッ素樹脂、PRO樹脂を用いることにより、回路基板の高周波特性が向上する。さらに分散剤、着色剤、カップリング剤または離型剤を含んでいてもよい。分散剤によって、熱硬化性樹脂中の無機フィラーを均一性よく分散させることができる。着色剤によって、電気絶縁性基板を着色することができるため、回路部品内蔵モジュールの放熱性をよくすることができる。カップリング剤によって、熱硬化性樹脂と無機フィラーとの接着強度を高くすることができるため、電気絶縁性基板の絶縁性を向上できる。離型剤によって、金型と混合物との離型性を向上できるため、生産性を向上できる。
【0044】配線パターン202、グランドパターン203は、電気導電性を有する物質からなり、例えば、金属箔や導電性樹脂組成物、金属板を加工したリードフレームを用いることができる。金属箔やリードフレームを用いることにより、エッチング等により微細な配線パターン、グランドパターンの作成が容易となる。また、金属箔においては、離型フィルムによる転写等による配線パターンの形成も可能となる。特に銅箔は値段も安く、電気伝導性も高いため好ましい。また、離型フィルムを用いることにより、配線パターンが取り扱いやすくなる。
【0045】導電性樹脂組成物を用いることにより、スクリーン印刷等による、配線パターン、グランドパターンの製作が可能となる。また導電性樹脂組成物を用いる場合、金、銀、銅、ニッケル等の金属粉やカーボン粉を用いることにより、低い電気抵抗の配線パターンが可能となる。また、樹脂としてエポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれる少なくとも一つの熱硬化性樹脂を含むことにより、耐熱性の向上が図れる。
【0046】リードフレームを用いることにより、電気抵抗の低い、厚みのある金属を使用できる。また、エッチングによる微細パターン化や打ち抜き加工等の簡易な製造法が使える。リードフレームは、それぞれの配線パターン、グランドパターンをリードフレームの外周部で接続しておくことにより、複数のパターンを一体に取り扱うことができる。また、これらの配線パターン及びグランドパターンは表面にメッキ処理をすることにより、耐食性や電気伝導性を向上させることができる。
【0047】シールド体204は、電気導電性を有する物質からなり、導電性粉末と樹脂の混合物、例えば金、銀、銅、ニッケル等の金属粉やカーボン粉と熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂の混合物を用いることができる。また、磁性体等の粉末の表面に導電成分を被覆した物を用いることにより、磁性体の磁気損失による電磁波の吸収によるシールド効果も得られる。導電性粉末と樹脂との混合物を用いることにより、複雑な形状のシールド体の作成が容易となり、成型と同時に電気絶縁性基板との一体化も図れる。また、シールド体204を電気絶縁性基板の両面に形成することで電磁波の遮蔽の範囲を広げることができる。
【0048】貫通孔205は、電気絶縁性基板201に例えば、レーザ加工、ドリルによる加工で形成できる。特に電気絶縁性基板201を無機フィラーと熱硬化性樹脂またはセラミックで構成した場合は、金型による加工でも形成することができる。レーザ加工は、微細なピッチで貫通孔205を形成することができ、削り屑が発生しないため好ましい。レーザ加工では、炭酸ガスレーザやエキシマレーザを用いると加工が容易である。また、ドリルによる加工は、簡単な設備で行えるため低コスト化が図れる。
【0049】この実施の形態1に示した回路基板20では、シールド体204が、電気絶縁性基板201の主面と一体に成型されており、接続部としての貫通孔205内にも充填されている。これにより、シールド体204とグランドパターン203とが、電気的に接続されており、シールド体204の電位が安定し、より効果的に電磁波の遮蔽が行われ、回路の安定化を果たしている。また、貫通孔205内のシールド体204によってグランドパターン203と接続することによって、絶縁性基板201の外周を介して接続するような場合に比べて接続距離も短くなる。
【0050】加えて、シールド体204が貫通孔205内と主平面を一体に形成しているため、例えば、貫通孔内に、グランドパターン203とシールド体とを接続するための導電材料を充填したり、メッキ処理をした後に、主平面にシールド体を形成するといったように個別に形成する場合に比べて、抵抗値を低くすることが可能である。また、貫通孔内のメッキ処理や他の充填物を用いる必要が無く、回路基板200は、部品点数、工程数を削減することができ、低価格で作製できる。
【0051】なお、本実施の形態において、シールド体は電気導電性を有しており、グランドパターンとしての機能も有している。
【0052】なお、本実施の形態において、回路基板は、配線パターンが電気絶縁性基板に埋設されていない場合を示したが、配線パターンが電気絶縁性基板の内部にあってもよい。
【0053】なお、本実施の形態において、回路基板は、シールド体が電気絶縁性基板に埋設されていない場合を示したが、シールド体が電気絶縁性基板の内部にあってもよい。
【0054】なお、本実施の形態において、シールド体は片側の主面に形成したが、電気絶縁性基板の全面、もしくは特定の配線パターンの周囲に形成しても同様の効果が得られる。
【0055】なお、本実施の形態においては、配線パターン、グランドパターン及びシールド体が1層の場合を示したが、それぞれ複数層の構成であってもよい。
【0056】図2は、この実施の形態の回路基板200の製造方法を示す工程断面図である。
【0057】先ず、図2(a)に示すように、電気絶縁性基板201は、切断等により所定の外形の板形状に加工する。その後、複数の貫通孔205を作成する。貫通孔205の形成後、電気絶縁性基板201と銅箔207とを位置あわせして重ね、接着剤により、銅箔207を電気絶縁性基板201の主面に張り付ける。その後、図2R>2(b)に示すように、エッチングにより配線パターン202、グランドパターン203を形成する。
【0058】図2(a)、(b)の工程と並行して、導電性粉末と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによってシート状の導電性樹脂混合物206を形成する。
【0059】ここで、本発明における導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物の作製方法の一例について説明する。
【0060】最初に導電性粉末として、粒径がφ約1μmのCu粉末と熱硬化性樹脂として液状のエポキシ樹脂を重量比90%になるように混合し、攪拌混合機によって10分程度攪拌し、ペースト状の混合物を作製した。攪拌時に粘度を調整するため、低沸点の酢酸ブチルを少し添加している。この混合物を厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム状に200μmの厚みになるようにドクターブレードを用いて成型した。成型後、フィルムごと120℃×15分乾燥させ、粘着性を低下させた。この熱処理によって、板状の混合物の粘着性が失われるため、フィルムとの剥離が容易になる。この実施例で用いた液状エポキシ樹脂は、硬化温度が130℃であるため、この熱処理条件下では、未硬化状態(Bステージ)である。次に、板状の混合物から離型フィルムを剥離し、シート形状の導電性樹脂混合物を得た。なお、導電性樹脂混合物206を、熱硬化性樹脂の硬化温度より低い温度で熱処理をしてもよい。熱処理をすることによって、導電性樹脂混合物206の可撓性を維持しながら粘着性を除去することができるため、その後の処理が容易になる。また、溶剤によって熱硬化性樹脂を溶解させた混合物では、熱処理をすることによって、溶剤の一部を除去することができる。
【0061】再び、図2を参照して、図2(c)に示すように、配線パターン202およびグランドパターン203を形成した電気絶縁性基板201と導電性樹脂混合物206とを位置合わせして重ね、さらに、図2(d)に示すように、位置合わせして重ねたものを加圧することによって導電性樹脂混合物206を変形及び貫通孔205内に充填する。加圧後、加熱することによって、導電性樹脂混合物206中の熱硬化性樹脂を硬化させ、シールド体204の成型、グランドパターン203との電気的接続及び、電気絶縁性基板201とシールド体204との接着を同時に行うことができる。加熱は、導電性樹脂混合物206中の熱硬化性樹脂が硬化する温度以上の温度(例えば150℃〜260℃)で行い、貫通孔205はシールド体204で充填される。なお、加熱しながら100g/mm2〜2kg/mm2の圧力で加圧することによって、回路基板の機械的強度を向上させることができる。
【0062】このようにして、上述の図1で説明した回路基板200が形成される。
【0063】この実施の形態の製造方法によれば、回路基板を容易に製造することができる。
【0064】なお、本実施の形態において、配線パターン及びグランドパターンを金属箔のエッチングにより形成したが、材質及び形成方法を限定するものではない。
【0065】(実施の形態2)図3は、本発明の他の実施の形態に係る回路基板500の製造工程を示す断面図である。
【0066】この実施の形態の回路基板500は、図3(d)に示されるように、上述の実施の形態の回路基板200とは異なり、貫通孔を有しておらず、電気絶縁性基板501の一方の主面に形成されているグランドパターン503と、他方の主面に形成されているシールド体504とが、電気絶縁性基板501の外周部に形成された接続部としてのシールド体を介して電気的に接続されているものであり、その他の構成は、上述の実施の形態1と同様である。
【0067】この実施の形態の回路基板500は、先ず、図3(a)に示すように、電気絶縁性基板501を、切断等により所定の外形の板形状に加工する。次に、図3(b)に示すように、導電性粉末と熱硬化性樹脂とからなる導電性ペーストを電気絶縁性基板501の主平面に配線パターン502及びグランドパターン503に対応して印刷する。印刷後、加熱して熱硬化樹脂を硬化する。導電性粉末は、例えば金、銀、銅、ニッケル等の金属粉やカーボン粉を用いることができる。印刷はスクリーン印刷等を用いることができる。
【0068】図3(a)、(b)の工程と並行して、導電性粉末と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによってシート状の導電性樹脂混合物505を形成する。その後、図3(c)に示すように、位置合わせして重ねたものを加圧する。加圧の際に金型を用いることにより、図3(d)に示すように、導電性樹脂混合物505を電気絶縁性基板501の主平面と外周部に一体かつ、グランドパターン503と接するように成型する。加圧後、加熱することによって、導電性樹脂混合物505中の熱硬化性樹脂を硬化させ、シールド体504の成型、グランドパターン503とシールド体504との電気的接続及び、電気絶縁性基板501とシールド体504との接着を同時に行うことができる。
【0069】上記方法により、回路基板500は、工程数を削減することができ、低価格で作製できる。
【0070】なお、本実施の形態においては、回路基板とその製造方法を示したが、部品が絶縁性基板内に内蔵されている回路部品内蔵モジュールに適用しても同様の効果が得られる。
【0071】なお、本実施の形態において、配線パターン及びグランドパターンを導電性粉末と熱硬化性樹脂からなる導電性ペーストを印刷することにより形成したが、材質及び形成方法を限定するものではない。
【0072】(実施の形態3)図4は、本発明のさらに他の実施の形態に係る回路基板600の製造工程を示す断面図である。
【0073】この実施の形態の回路基板600は、電気絶縁性基板601の形成に関する点以外は、上述した実施の形態1または実施の形態2と同様である。従って、本実施の形態において、特に説明のない物については、実施の形態1または実施の形態2と同じとし、同じ呼称の構成部材及び製造法については特に説明のない限り同様の機能を有する。
【0074】この回路基板600は、図4(f)に示されるように、電気絶縁性基板601と、その主面に形成された配線パターン602と、シールド体603と、貫通孔604とを有している。
【0075】先ず、図4(a)に示すように、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工することによってシート状の絶縁性樹脂混合物607を形成する。シート状の絶縁性樹脂混合物607は、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによって形成することができる。その後、所定の外形の板形状に切り出している。
【0076】ここで、本発明における無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物の作製方法の一例について説明する。
【0077】最初に無機フィラーとして、粒径φ約1μmのAl23粉末と熱硬化性樹脂として液状のエポキシ樹脂を重量比90%になるように混合し、攪拌混合機によって10分程度攪拌し、ペースト状の混合物を作製した。攪拌時に粘度を調整するため、低沸点の酢酸ブチルを少し添加している。この混合物を厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム状に400μmの厚みになるようにドクターブレードを用いて成型した。成型後、フィルムごと120℃×15分乾燥させ、粘着性を低下させた。この熱処理によって、板状の混合物の粘着性が失われるため、フィルムとの剥離が容易になる。この実施例で用いた液状エポキシ樹脂は、硬化温度が130℃であるため、この熱処理条件下では、未硬化状態(Bステージ)である。
【0078】次に、板状の混合物から離型フィルムを剥離し、シート状の熱硬化性樹脂混合物を得た。
【0079】再び、図4を参照して、図4(b)に示すように、金属板をエッチングすることにより、配線パターン602を形成したリードフレーム605を作成する。その後、図4(c),(d)に示すようにリードフレーム605、絶縁性樹脂混合物607を位置合わせして重ね、これを加圧する。この時に金型を用いることによって、貫通孔604及びグランドパターン602となる溝を電気絶縁性基板601に設けることができる。これを加熱することによって、電気絶縁性樹脂混合物607中の熱硬化性樹脂を硬化させ、電気絶縁性基板601を形成する。この工程によって、リードフレーム605と電気絶縁性基板601とが機械的に強固に接着する。
【0080】図4(a)〜(d)の工程と並行して、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工することによってシート状の導電性樹脂混合物606を形成する。シート状の導電性樹脂混合物606は、導電性粉末と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによって形成することができる。
【0081】こうしてできた電気絶縁性基板601と導電性樹脂混合物606を図4(e)に示すように、位置合わせして重ねる。その後、図4(f)に示すように、位置合わせして重ねたものを加圧することによって導電性樹脂混合物606を変形させる。この時、導電性樹脂混合物606は、外周部及び貫通孔604を介して、電気絶縁性基板601の溝に流れ込みグランドパターン602を形成する。加圧後、加熱することによって、導電性樹脂混合物606中の熱硬化性樹脂を硬化させ、シールド体603の成型、電気絶縁性基板601とシールド体603との接着を同時に行うことができる。また、シールド体603は、グランドパターンの機能を同時に有する。加熱は、導電性樹脂混合物606中の熱硬化性樹脂が硬化する温度以上の温度(例えば150℃〜260℃)で行い、導電性樹脂混合物606はシールド体603となる。
【0082】この実施の形態に示した回路基板600では、シールド体603が電磁波の遮蔽の効果だけでなく、外周部や貫通孔604を介して、グランドパターン602としても機能する。これにより、回路の安定化を果たしている。従って、グランドパターンを予め形成しておく必要がなく、グランドパターンとシールド体が一体に形成でき、回路基板600は、部品点数及び工程数を削減することができ、低価格で作製できる。
【0083】なお、本実施の形態においては、回路基板とその製造方法を示したが、部品が絶縁性基板内に内蔵されている回路部品内蔵モジュールに関しても同様の効果が得られる。
【0084】なお、本実施の形態において、配線パターン及びグランドパターンをリードフレームにより形成したが、材質及び形成方法を限定するものではない。
【0085】なお、本実施の形態において、貫通孔を金型を用いて形成したが、形成方法を限定するものではない。
【0086】(実施の形態4)図5は、本発明の一つの実施の形態に係る回路部品内蔵モジュール400の断面図である。
【0087】この回路部品内蔵モジュール400は、電気絶縁性基板401を備えており、この電気絶縁性基板401の一方の主面には、配線パターン402およびグランドパターン403が形成されており、他方の主面には、シールド体404が形成されている。この電気絶縁性基板401の内部には、前記パターン402,403に接続された回路部品406が配置されている。
【0088】電気絶縁性基板401は、電気絶縁性を有する基板であり、無機フィラーと樹脂とのコンポジット基板であり、上述の実施の形態1における電気絶縁性基板201としてコンポジット基板を用いた場合の構成と同様であるので、その説明は、省略する。
【0089】樹脂の硬化前に回路部品406を実装しておくことにより、電気絶縁性基板401内部に回路部品406を配置することができ、小型化に適した構造をとるとともに、放熱性を高めた回路部品内蔵モジュールを提供することができる。また、実装した電子部品を外気にさらさない効果も得られる。
【0090】配線パターン402、グランドパターン403、シールド体404および貫通孔405についても、上述の実施の形態1における配線パターン202、グランドパターン203、シールド体204および貫通孔205と同様であるので、その説明は、省略する。
【0091】回路部品406は、例えば、能動部品406a及び受動部品406bの少なくともどちらか一方を含む。能動部品406aとしては、例えば、トランジスタ、IC、LSIなどの半導体素子が用いられる。半導体素子は、半導体ベアーチップであってもよい。受動部品406bとしては、チップ状の抵抗、チップ状のコンデンサまたはチップ状インダクタなどが用いられる。チップ状の部品を用いることによって電気絶縁性基板401に部品を容易に埋設することができる。配線パターン402と能動部品406aとの接続には、例えばフリップチップボンディングが用いられる。半導体ベアーチップをフリップチップボンディングすることによって、高密度に半導体素子を実装することができる。また、回路部品内蔵モジュール400では、電気絶縁性基板401によって回路部品406を外気から遮断することができるため、湿度による信頼性低下を防止することができる。また、本発明の回路部品内蔵モジュール400は、電気絶縁性基板401の材料として、無機フィラーと熱硬化性樹脂との混合物を用いているため、セラミック基板と異なり、高温で焼成する必要がなく、部品を内蔵することが容易である。
【0092】この実施の形態4に示した回路部品内蔵モジュール400では、シールド体404が電気絶縁性基板401の主面と一体に成型されており、貫通孔405内にも充填されている。これにより、シールド体404とグランドパターン403が電気的に接続されており、より効果的に電磁波の遮蔽が行われ、回路の安定化を果たしている。結果、貫通孔内のメッキ処理や他の充填物を用いる必要が無く、回路部品内蔵モジュール400は、部品点数、工程数を削減することができ、低価格で作製できる。
【0093】なお、本実施の形態において、シールド体404は電気導電性を有しており、グランドパターンとしての機能も有している。
【0094】なお、本実施の形態の回路部品内蔵モジュールでは、配線パターンが表面層にしかない場合を示したが、電気絶縁性基板内部に形成し、互いを接続した配線パターンであってもよい。
【0095】なお、本実施の形態において、回路部品内蔵モジュールでは、配線パターン上に回路部品が実装されていない場合を示したが、配線パターン上に回路部品を実装してもよく、さらに回路部品内蔵モジュールを樹脂モールドしてもよい。配線パターン上に回路部品を実装することによって、さらに高密度に回路部品を実装できる。
【0096】なお、本実施の形態において、シールド体は片側の主面に形成したが、電気絶縁性基板の全面、もしくは特定の配線パターン、電子部品の周囲に形成しても同様の効果が得られる。
【0097】なお、本実施の形態においては、配線パターン、グランドパターン及びシールド体が1層の場合を示したが、それぞれ複数層の構成であっても良い。
【0098】図6は、この実施の形態の回路部品内蔵モジュール400の製造方法を示す工程断面図である。
【0099】先ず、図6(a)に示すように、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工することによってシート状の絶縁性樹脂混合物409を形成する。シート状の絶縁性樹脂混合物409は、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによって形成することができる。その後、所定の外形の板形状に切り出している。
【0100】図6(a)の工程と並行して、図6(b)に示すように、金属板をエッチングすることにより、配線パターン402、グランドパターン403を形成したリードフレーム407に回路部品406を実装する。実装方法としては、リードフレーム407にクリーム半田を印刷し、加熱により、半田実装する方法の他、導電性接着剤、例えば、金、銀、銅、銀−パラジウム合金などを熱硬化性樹脂で混練したものも使用できる。また、金ワイヤボンディング法で作製したバンプまたは半田によるバンプを回路部品側に予め形成し、熱処理によって金または半田の溶解して回路部品406を実装することも可能である。さらに、半田バンプと導電性接着剤とを併用することも可能である。
【0101】なお、回路部品406とリードフレーム407との間に封止樹脂を注入してもよい(以下の実施の形態において、回路部品とリードフレームとの間あるいは回路部品と配線パターンとの間に封止樹脂を注入してもよいことは同様である)。封止樹脂の注入によって、後の工程で半導体素子を板状体に埋設する際に、半導体素子と配線パターンとの間に隙間ができることを防止することができる。封止樹脂には通常のフリップチップボンディングに使用されるアンダーフィル樹脂を用いることができる。
【0102】その後、図6(c)に示すように、回路部品406を実装したリードフレーム407、絶縁性樹脂混合物409を位置合わせして重ねる。これを加圧することによって、図6(d)に示すように、回路部品406を絶縁性樹脂混合物409に埋設することができる。また、加圧の際に金型を用いて、貫通孔405も同時に形成することができる。この貫通孔405の形成は、レーザーやドリルを用いて、熱硬化性樹脂の硬化前後のどちらでも形成することができる。加圧後、加熱することによって、絶縁性樹脂混合物409中の熱硬化性樹脂を硬化させ、回路部品406が埋設された板状の電気絶縁性基板401を形成する。加熱は、絶縁性樹脂混合物409中の熱硬化性樹脂が硬化する温度以上の温度(例えば150℃〜260℃)で行う。この工程によって、リードフレーム407と回路部品406と電気絶縁性基板401とが機械的に強固に接着する。なお、加熱によって絶縁性樹脂混合物409の熱硬化性樹脂を硬化させる際に、加熱しながら100g/mm2〜2kg/mm2の圧力で加圧することによって、回路部品モジュールの機械的強度を向上させることができる。
【0103】図6(a)〜(d)の工程と並行して、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工することによってシート状の導電性樹脂混合物408を形成する。シート状の導電性樹脂混合物408は、導電性粉末と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによって形成することができる。なお、絶縁性樹脂混合物409及び導電性樹脂混合物408を、熱硬化性樹脂の硬化温度より低い温度で熱処理をしてもよい。熱処理をすることによって、絶縁性樹脂混合物409及び導電性樹脂混合物408の可撓性を維持しながら粘着性を除去することができるため、その後の処理が容易になる。また、溶剤によって熱硬化性樹脂を溶解させた混合物では、熱処理をすることによって、溶剤の一部を除去することができる。
【0104】こうしてできた電気絶縁性基板401と導電性樹脂混合物408とを図6(e)に示すように、位置合わせして重ねる。その後、図6(f)に示すように、位置合わせして重ねたものを加圧することによって導電性樹脂混合物408を変形及び貫通孔405内に充填する。加圧後、加熱することによって、導電性樹脂混合物408中の熱硬化性樹脂を硬化させ、シールド体404の成型、グランドパターン403との電気的接続及び、電気絶縁性基板401とシールド体404との接着を、同時に行うことができる。加熱は、導電性樹脂混合物408中の熱硬化性樹脂が硬化する温度以上の温度(例えば150℃〜260℃)で行い、導電性樹脂混合物408はシールド体404となる。なお、加熱しながら100g/mm2〜2kg/mm2の圧力で加圧することによって、回路部品内蔵モジュールの機械的強度を向上させることができる。
【0105】このようにして、図5に示した回路部品内蔵モジュール400が形成される。この実施の形態の製造によれば、図5の回路部品内蔵モジュール400を容易に製造することができる。
【0106】なお、本実施の形態において、配線パターン及びグランドパターンをリードフレームにより形成したが、材質及び形成方法を限定するものではない。
【0107】(実施の形態5)図7は、本発明の他の実施の形態の回路部品内蔵モジュール700の製造工程を示す断面図である。
【0108】この実施の形態の回路部品内蔵モジュール700は、図7(g)に示されるように、電気絶縁性基板701を備えるとともに、その内部に形成された配線パターン702、グランドパターン703およびそれらパターン702、703に接続されて内部に配置された回路部品706を備え、さらに、シールド体704および貫通孔705を備えている。
【0109】この実施の形態の回路部品内蔵モジュール700に関しては、電気絶縁性基板701の形成およびシールド体704の材質に関する点以外は、上述した実施の形態4と同様である。従って、本実施の形態において、特に説明のない物については、実施の形態4と同じとし、同じ呼称の構成部材及び製造法については特に説明のない限り同様の機能を持つ。
【0110】先ず、図7(a)に示すように、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工することによってシート状の絶縁性樹脂混合物709を形成する。シート状の絶縁性樹脂混合物709は、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによって形成することができる。その後、所定の外形の板形状に切り出している。この絶縁性樹脂混合物709を2枚作成している。
【0111】図7(a)と並行して、図7(b)に示すように、金属板を打ち抜き加工し、配線パターン702、グランドパターン703を形成したリードフレーム707に回路部品706を実装する。
【0112】その後、図7(c)に示すように、絶縁性樹脂混合物709、回路部品706を実装したリードフレーム707を位置合わせして重ねる。これを加圧することによって、回路部品706を絶縁性樹脂混合物709に埋設することができる。これを加熱することによって、絶縁性樹脂混合物709中の熱硬化性樹脂を硬化させる。
【0113】さらに、図7(d)に示すように、配線パターン702及びグランドパターン703が埋設するように、絶縁性樹脂混合物709を位置合わせして重ね加圧する。加圧後、加熱し、絶縁性樹脂混合物709中の熱硬化性樹脂を硬化させることにより、配線パターン702、グランドパターン703及び回路部品706が埋設された電気絶縁性基板701を形成する。
【0114】電気絶縁性基板701の作成後、図7(e)に示すように貫通孔705を形成する。なお、この貫通孔705は円形ではなく、紙面に垂直方向に長い長穴状に形成するのが好ましい。
【0115】図7(a)〜(e)の工程と並行して、磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工することによってシート状の磁性樹脂混合物708を形成する。シート状の磁性樹脂混合物708は、磁性粉末と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによって形成することができる。この磁性粉末は軟磁性体を用いることにより、磁性体の磁化を防ぐことができる。
【0116】こうしてできた電気絶縁性基板701と磁性樹脂混合物708を図7(f)に示すように、位置合わせして重ねる。その後、図7(g)に示すように、位置合わせして重ねたものを加圧することによって磁性樹脂混合物708を成型する。磁性樹脂混合物708の一部は貫通孔705内部に入り込み、配線パターン702及び、グランドパターン703を囲む閉ループの構造を形成する。加圧後、加熱することによって、磁性樹脂混合物708中の熱硬化性樹脂を硬化させ、シールド体704の成型、電気絶縁性基板701とシールド体704との接着を同時に行うことができる。シールド体704は磁性粉末を含むため、電磁波の吸収効果を有し、配線間のクロストークによる影響を低減することができる。また、閉ループ構造をしているため、電気絶縁性基板701に対して、広い範囲で外部からの電磁波の遮蔽効果を有する。
【0117】この実施の形態7に示した回路部品内蔵モジュール700では、シールド体704が広い範囲で電磁波の遮蔽の効果を有するだけでなく、配線間のクロストークによる影響を低減することができ、回路の安定化を果たしている。従って、回路部品内蔵モジュール700は、工程数を削減する事ができ、低価格で作製できる。
【0118】(実施の形態6)図8は、本発明のさらに他の実施の形態の回路部品内蔵モジュールの製造工程を示す断面図である。
【0119】この実施の形態の回路部品内蔵モジュール800に関しては、配線パターンの形成、電気絶縁性基板801の形成、シールド体804の構造に関する点以外は、上述した実施の形態4と同様である。従って、本実施の形態において、特に説明のない物については、実施の形態4と同じとし、同じ呼称の構成部材及び製造法については特に説明のない限り同様の機能を持つ。
【0120】この実施の形態の回路部品内蔵モジュール800は、図8(h)に示されるように、電気絶縁性基板801と、その内部に形成された配線パターン802、グランドパターン803と、シールド体804と、前記パターン802,803に接続されて電気絶縁性基板801の内部に配置された回路部品806と、貫通孔805とを有している。
【0121】この回路部品内蔵モジュール800は、先ず、図8(a)に示すように、無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工することによってシート状の絶縁性樹脂混合物809を形成する。シート状の絶縁性樹脂混合物809は、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによって形成することができる。その後、所定の外形の板形状に切り出している。この絶縁性樹脂混合物809は、3枚作成している。
【0122】図8(a)と並行して、図8(b)に示すように、離型フィルム807上に、配線パターン802、グランドパターン803を形成し、回路部品806を実装する。離型フィルム807には、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイトのフィルムを用いることができる。配線パターン802及び、グランドパターン803は、例えば、離型フィルム807に銅箔を接着した後フォトリソ工程及びエッチング工程を行うことによって形成できる。
【0123】その後、図8(c)に示すように、絶縁性樹脂混合物809、回路部品806を実装した離型フィルム807を位置合わせして重ねる。これを加圧することによって、回路部品806を絶縁性樹脂混合物809に埋設することができる。これを加熱することによって、絶縁性樹脂混合物809中の熱硬化性樹脂を硬化させる。硬化後、図8(d)に示すように離型フイルム807を剥がす。この工程を2回行い、2つの電気絶縁性基板801を形成する。
【0124】その後、電気絶縁性基板801の一枚に、図8(f)に示すように、配線パターン802及び、グランドパターン803が埋設するように、絶縁性樹脂混合物809を位置あわせして重ね加圧する。加圧後、加熱し、絶縁性樹脂混合物809中の熱硬化性樹脂を硬化させることにより、配線パターン802、グランドパターン803及び、回路部品806が埋設された電気絶縁性基板801を形成する。
【0125】電気絶縁性基板801の作成後、図8(f)に示すように貫通孔805を形成する。
【0126】図8(a)〜(f)の工程と並行して、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む混合物を加工することによってシート状の導電性樹脂混合物808を形成する。シート状の導電性樹脂混合物808は、導電性粉末と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合してペースト状混練物とし、そのペースト状混練物を一定厚みに成型することによって形成することができる。導電性樹脂混合物は3枚形成している。こうしてできた電気絶縁性基板801と導電性樹脂混合物808を図8(g)に示すように、位置合わせして重ねる。その後、図8(h)に示すように、位置合わせして重ねたものを加圧することによって導電性樹脂混合物808を成型する。導電性樹脂混合物808の一部は貫通孔805内部に入り込み、グランドパターン803と接触する。加圧後、加熱することによって、導電性樹脂混合物808中の熱硬化性樹脂を硬化させ、シールド体804の成型、グランドパターン803とシールド体804との電気的接続、電気絶縁性基板801とシールド体804との接着を、同時に行うことができる。
【0127】この実施の形態6に示した回路部品内蔵モジュール800では、シールド体804が広い範囲で電磁波の遮蔽の効果を有するだけでなく、回路部品内蔵モジュール800は、工程数を削減することができ、低価格で作製できる。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回路基板では、シールド体が電磁波の遮蔽の効果だけでなく、グランドパターンとの電気的接続の機能も有して回路の安定化も果たしている。従って、部品点数、工程数を削減することができ、低価格で回路基板が作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る回路基板の断面図である。
【図2】図1の回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係る回路基板の製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態4に係る回路部品内蔵モジュールの断面図である。
【図6】図5の回路部品内蔵モジュールの製造工程を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5に係る回路部品内蔵モジュールの製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態6に係る回路部品内蔵モジュールの製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
200、500、600 回路基板
201、301、401、501、601、701、801 電気絶縁性基板
202、302、402、502、602、702、802 配線パターン
203、303、403、503、703、803 グランドパターン
204、304、404、504、603、704、804 シールド体
205、305、405、604、705、805 貫通孔
408、505、606、808 導電性樹脂混合物
207 銅箔
300、400、700、800 回路部品モジュール
306、406、706、806 回路部品
306a、406a、706a、806a 能動部品
306b、406b、706b、806b 受動部品
407、605、707 リードフレーム
409、709、809 絶縁性樹脂混合物
708 磁性樹脂混合物
807 離型フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気絶縁性基板に、配線パターンおよびグランドパターンが形成された回路基板であって、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方には、シールド体が形成され、前記シールド体は、該シールド体と同一材料からなる接続部を介して前記グランドパターンと電気的に接続されていることを特徴とする回路基板。
【請求項2】 前記シールド体は、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含み、前記接続部は、前記電気絶縁性基板に形成された貫通孔内に前記同一材料が充填されて前記シールド体と一体に形成される請求項1記載の回路基板。
【請求項3】 前記シールド体は、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含み、前記接続部は、前記電気絶縁性基板の外周部に前記同一材料によって前記シールド体と一体に形成される請求項1記載の回路基板。
【請求項4】 電気絶縁性基板に配線パターンおよびグランドパターンが形成された回路基板であって、磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含むシールド体を、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方に形成したことを特徴とする回路基板。
【請求項5】 配線パターンおよびグランドパターンが形成された電気絶縁性基板の内部に、前記配線パターンに電気的に接続された回路部品が配置されてなる回路部品内蔵モジュールであって、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方には、シールド体が形成され、前記シールド体は、該シールド体と同一材料からなる接続部を介して前記グランドパターンと電気的に接続されていることを特徴とする回路部品内蔵モジュール。
【請求項6】 前記シールド体は、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含み、前記接続部は、前記電気絶縁性基板に形成された貫通孔内に前記同一材料が充填されて前記シールド体と一体に形成される請求項5記載の回路部品内蔵モジュール。
【請求項7】 前記シールド体は、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含み、前記接続部は、前記電気絶縁性基板の外周部に前記同一材料によって前記シールド体と一体に形成される請求項5記載の回路部品内蔵モジュール。
【請求項8】 配線パターンおよびグランドパターンが形成された電気絶縁性基板の内部に、前記配線パターンに電気的に接続された回路部品が配置されてなる回路部品内蔵モジュールであって、磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含むシールド体を、前記電気絶縁性基板の主面および内部の少なくとも一方に形成したことを特徴とする回路部品内蔵モジュール。
【請求項9】 前記グランドパターンが、導電性粉末と熱硬化性材料とを含む材料で形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の回路基板。
【請求項10】 前記グランドパターンが、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む材料で形成されている請求項5ないし7のいずれかに記載の回路部品内蔵モジュール。
【請求項11】 前記シールド体の前記導電性粉末が、金、銀、銅、ニッケルおよびカーボンからなる群から選ばれる1種以上の導電成分を含む請求項2または3記載の回路基板。
【請求項12】 前記シールド体の前記導電性粉末が、金、銀、銅、ニッケルおよびカーボンからなる群から選ばれる1種以上の導電成分を含む請求項6または7記載の回路部品内蔵モジュール。
【請求項13】 前記シールド体の前記導電性粉末が、磁性粉末の表面を、金、銀または銅によって被覆した粉末を含む請求項2または3記載の回路基板。
【請求項14】 前記シールド体の前記導電性粉末が、磁性粉末の表面を、金、銀または銅によって被覆した粉末を含む請求項6または7記載の回路部品内蔵モジュール。
【請求項15】 前記シールド体の前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂からなる群から選ばれる1種以上の熱硬化性樹脂を含むものである請求項2ないし4のいずれかに記載の回路基板。
【請求項16】 前記シールド体の前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂からなる群から選ばれる1種以上の熱硬化性樹脂を含むものである請求項6ないし8のいずれかに記載の回路部品内蔵モジユール。
【請求項17】 前記シールド体が、前記配線パターンの周囲を閉ループ状に形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の回路基板。
【請求項18】 前記シールド体が、前記配線パターンの周囲を閉ループ状に形成されている請求項5ないし8のいずれかに記載の回路部品内蔵モジュール。
【請求項19】 前記シールド体の前記磁性粉末が、軟磁性体である請求項4記載の回路基板。
【請求項20】 前記シールド体の前記磁性粉末が、軟磁性体である請求項8記載の回路部品内蔵モジュール。
【請求項21】 電気絶縁性基板に貫通孔を形成する工程と、前記電気絶縁性基板に配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、 導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物とを重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記貫通孔内に充填する工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記貫通孔を通して、前記グランドパターンと前記シールド体との電気的接続を行う一方、前記シールド体と前記電気絶縁性基板との接着を行う工程と、を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項22】 電気絶縁性基板に配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物とを重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記グランドパターンと接触させる工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記グランドパターンと前記シールド体との電気的接続を行う一方、前記シールド体と前記電気絶縁性基板との接着を行う工程と、を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項23】 電気絶縁性基板に配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含む磁性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記磁性樹脂混合物を重ねて加圧することによって、前記磁性樹脂混合物をシールド体の形状に成型する工程と、成型した前記磁性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記電気絶縁性基板との接着を行う工程と、を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項24】 電気絶縁性基板に配線パターンを形成する工程と、前記電気絶縁性基板にグランドパターンの型となる溝を形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物とを重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記溝に充填する工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体および前記グランドパターンを一体に形成するとともに、前記電気絶縁性基板との接着を行う工程と、を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項25】 無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物をシート形状に加工する工程と、配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、形成された前記パターンに回路部品を実装する工程と、前記熱硬化性樹脂混合物と前記回路部品を実装した前記パターンとを重ねて加圧することによって、前記回路部品を埋没させた電気絶縁性基板を形成する工程と、前記電気絶縁性基板に貫通孔を形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物とを重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記貫通孔に充填する工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記グランドパターンと前記シールド体の電気的接続を行う一方、前記シールド体と前記電気絶縁性基板との接着を行う工程と、を含むことを特徴とする回路部品内蔵モジュールの製造方法。
【請求項26】 無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物をシート形状に加工する工程と、配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、形成された前記パターンに回路部品を実装する工程と、前記熱硬化性樹脂混合物と前記回路部品を実装した前記パターンとを重ねて加圧することによって、前記回路部品を埋没させた電気絶縁性基板を形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物を重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記グランドパターンと接触させる工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記グランドパターンと前記シールド体の電気的接続を行う一方、前記シールド体と前記電気絶縁性基板との接着を行う工程と、を含むことを特徴とする回路部品内蔵モジュールの製造方法。
【請求項27】 無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物をシート形状に加工する工程と、配線パターンおよびグランドパターンを形成する工程と、形成された前記パターンに回路部品を実装する工程と、前記熱硬化性樹脂混合物と前記回路部品を実装した前記パターンを重ねて加圧することによって、前記回路部品を埋没させた電気絶縁性基板を形成する工程と、 磁性粉末と熱硬化性樹脂とを含む磁性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記磁性樹脂混合物を重ねて加圧することによって、前記磁性樹脂混合物をシールド体の形状に成型する工程と、成型した前記磁性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体を形成するとともに、前記電気絶縁性基板との接着を行う工程と、を含むことを特徴とする回路部品内蔵モジュールの製造方法。
【請求項28】 無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む熱硬化性樹脂混合物をシート形状に加工する工程と、配線パターンを形成する工程と、形成した前記パターンに回路部品を実装する工程と、前記熱硬化性樹脂混合物と前記回路部品を実装した前記パターンとを重ねて加圧することによって、前記回路部品を埋没させた電気絶縁性基板を形成する工程と、前記電気絶縁性基板にグランドパターンの型となる溝を形成する工程と、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂混合物をシート形状に成形する工程と、前記電気絶縁性基板と前記導電性樹脂混合物を重ねて加圧することによって、前記導電性樹脂混合物をシールド体の形状に成型するとともに、前記溝に充填する工程と、成型した前記導電性樹脂混合物を加熱することによって、前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記シールド体および前記グランドパターンを形成するとともに、前記電気絶縁性基板との接着を行う工程と、を含むことを特徴とする回路部品内蔵モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2001−237586(P2001−237586A)
【公開日】平成13年8月31日(2001.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−48861(P2000−48861)
【出願日】平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】