説明

回路構成体及び回路構成体の製造方法

【課題】本発明は、FPCの電気的な接続信頼性を向上させた回路構成体及び回路構成体の製造方法を提供する。
【解決手段】回路構成体12であって、FPC14と、FPC14に貼付された複数の導電路15と、導電路15のうちFPC14に貼付された面と反対側の面に積層されたプリプレグ16とを、を備え、導電路15は、表面及び裏面を有する金属板材22の表面及び裏面の一方にFPC14又はプリプレグ16を貼付した状態で、金属板材22をエッチングすることにより形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路構成体及び回路構成体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケース内に回路構成体を収容してなる電気接続箱として、特許文献1に記載のものが知られている。このものは、ケース内に、FPC(フレキシブルプリント基板)を収容してなる。
【特許文献1】特開2002−78151公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、FPCの厚みは極めて薄いため、振動等によりFPCが撓み変形することにより、FPCの電気的な接続信頼性が低下することが懸念される。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、FPCの電気的な接続信頼性を向上させた回路構成体及び回路構成体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、回路構成体の製造方法であって、表面及び裏面を有する金属板材の表面にFPCを接着するFPC接着工程と、前記金属板材をエッチングすることにより、互いに離間して配された複数の導電路を形成するエッチング工程と、前記導電路の裏面にプリプレグを積層するプリプレグ積層工程と、前記プリプレグを硬化させるプリプレグ硬化工程と、を実行する。
【0006】
また、本発明は、回路構成体の製造方法であって、表面及び裏面を有する金属板材の裏面をエッチングすることにより有底溝を形成する第1エッチング工程と、前記金属板材の裏面にプリプレグを積層するプリプレグ積層工程と、前記プリプレグを硬化させるプリプレグ硬化工程と、前記金属板材の表面をエッチングすることにより、互いに離間する複数の導電路を形成する第2エッチング工程と、前記第2エッチング工程により形成された隣り合う導電路同士の隙間に、絶縁性の合成樹脂材を充填する充填工程と、前記金属板材の表面にFPCを接着するFPC接着工程と、を実行する。
【0007】
また、本発明は、回路構成体であって、FPCと、前記FPCに貼付された複数の導電路と、前記導電路のうち前記FPCに貼付された面と反対側の面に積層されたプリプレグとを、を備え、前記導電路は、表面及び裏面を有する金属板材の表面及び裏面の一方にFPC又はプリプレグを貼付した状態で、前記金属板材の表面及び裏面の他方をエッチングすることにより形成される。
【0008】
本発明によれば、FPC(フレキシブルプリント基板)には導電路が接着されており、この導電路にはプリプレグが積層されて、硬化されている。これにより、FPCが撓み変形することが抑制されるので、FPCを用いた回路構成体の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0009】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記FPCに窓部を開口させる開口工程と、前記窓部から露出する前記導電路の表面に、前記FPCの表面と実質的に同じ高さを有する凸部を形成する凸部形成工程と、を実行する。
【0010】
上記の態様によれば、FPCの表面と、窓部から露出する導電路とに跨って電子部品を実装する場合において、電子部品のリードに、FPCの厚さ寸法に対応する段差を設ける加工が不要となる。これにより、電子部品の実装工程を簡略化することができる。
【0011】
前記凸部形成工程は、前記窓部から露出する前記金属板材の表面にメッキ処理を実行することにより、前記凸部を形成してもよい。
【0012】
また、前記凸部形成工程は、前記窓部から露出する前記金属板材の表面に、導電ペーストを塗布することにより、前記凸部を形成してもよい。
【0013】
また、前記凸部形成工程は、前記金属板材のうち前記窓部に対応する部分を、前記金属板材の裏面側から叩き出すことにより、前記凸部を形成してもよい。
【0014】
前記金属板材として、その厚さ寸法が100μm以上640μm以下のものを使用してもよい。
【0015】
金属板材の厚さ寸法が100μm未満であると、導電路の電気抵抗が大きくなるので、比較的に大きな電流を導電路に流すことができなくなるので、好ましくない。一方、金属板材の厚さ寸法が640μmを超えると、エッチング加工時の作業時間が長期化するので好ましくない。
【0016】
また、本発明は、電気接続箱であって、前記回路構成体と、前記回路構成体を内部に収容するケースと、を備え、前記ケースには開口部が形成されており、前記開口部からは前記回路基板のうち前記プリプレグが露出しており、前記プリプレグは前記ケースを兼ねている。
【0017】
本発明によれば、通電時に回路構成体から発生した熱は、ケースの開口部から露出するプリプレグからケースの外部に直接に放散される。これにより、電気接続箱の放熱性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、FPCの電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<実施形態1>
本発明を車両に搭載される電気接続箱10に適用した実施形態1を図1ないし図6を参照しつつ説明する。電気接続箱10は、図示しない電源と、ランプ、ホーン等の図示しない車載電装品との間に配設されて、車載電装品のスイッチングを実行する。本実施形態に係る電気接続箱10は、ケース11内に回路構成体12を収容してなる。
【0020】
ケース11は合成樹脂製であって、図1における下方に開口する開口部13を有する。ケース11内には回路構成体12が収容されている。回路構成体12は、FPC14(フレキシブルプリント基板)と、FPC14の裏面(図1における下面)に接着された金属製の複数の導電路15と、導電路15の裏面(図1における下面)に積層された後に硬化されたプリプレグ16と、を備える。ケース11の開口部13からは、回路構成体12のプリプレグ16が露出しており、ケース11の一部を兼ねている。
【0021】
FPC14の表面には、プリント配線技術により基板側導電路17が形成されている。この基板側導電路17には、半導体リレー18等の電子部品が実装されている。半導体リレー18の側面から突出する第1リード19は、基板側導電路17に、例えばリフロー半田付けにより接続される。FPC14の厚さ寸法としては、例えば、0.1mm〜0.2mmのものを使用できる。
【0022】
FPC14には、FPC14を貫通する窓部20が開口して設けられている。窓部20からは、導電路15が露出している。導電路15のうち、窓部20に対応する位置には、FPC14側に突出する凸部21が形成されている。この凸部21は、FPC14の表面と実質的に同じ高さに形成されている。実質的に同じ高さとは、凸部21とFPC14の表面とが同じ高さである場合を含み、且つ、同じ高さでない場合であっても、略同じと認められる程度に近接した高さ寸法を有する場合を含む。なお、凸部21は、FPC14の表面に形成された基板側導電路17と実質的に同じ高さに形成されていることが好ましい。
【0023】
詳細には図示しないが、半導体リレー18の下面(図1における下面)には、第2リードが形成されている。この第2リードは、FPC14に開口された窓部20から露出する凸部21と、例えばリフロー半田付けにより接続される。このように半導体リレー18は、FPC14の基板側導電路17と、導電路15とに、跨って接続されている。
【0024】
金属製の導電路15は、後述する金属板材22をエッチングすることにより形成される。金属板材22としては、銅、又は銅合金を用いるのが好ましい。導電路15(金属板材22)の厚さ寸法は、100μm以上640μm以下が好ましい。金属板材22の厚さ寸法が100μm未満であると、導電路15の電気抵抗が大きくなるので、比較的に大きな電流を導電路15に流すことができなくなり、好ましくない。一方、金属板材22の厚さ寸法が640μmを超えると、エッチング加工時の作業時間が長期化するので好ましくない。複数の導電路15のうち、隣り合う導電路15同士の間は、プリプレグ16によって埋められている。プリプレグ16としては、必要に応じて任意のものを用いることができる。プリプレグ16に含浸される合成樹脂としては、熱伝導率が1W/(mK)以上3W/(mK)以下のものが好ましい。プリプレグ16としては、例えば、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたものを用いることができる。
【0025】
続いて、本実施形態の製造工程の一例を示す。以下の各工程においては、洗浄工程等、通常の基板製作において実行される前処理工程を施してもよい。まず、FPC14にプリント配線技術により基板側導電路17を形成する。ついで、FPC14の所定位置に窓部20を形成する(図2参照)。なお、図2においては基板側導電路17は省略してある。
【0026】
図3に示すように、金属板材22の表面(図3における上面)に、FPC14を接着する。金属板材22とFPC14とは、接着剤によって接着してもよいし、接着シートによって接着してもよい。なお、金属板材22の表面に公知の黒化処理等の表面処理を施すことにより、金属板材22と、FPC14との間の接着強度を向上させることができる。
【0027】
続いて、金属板材22の裏面をエッチング処理する。まず、FPC14の窓部20から露出すると導電路15に、公知のマスキング処理を施す。その後、金属板材22の裏面のうち導電路15に対応する位置にマスキング処理を施す。続いて、公知のエッチング処理を実行する。これにより、図4に示すように、複数の導電路15を形成する。その後、FPC14の窓部20から露出した導電路15の表面を洗浄し、マスクを除去する。
【0028】
続いて、図5に示すように、FPC14の窓部20から露出する導電路15の表面に、FPC14の基板側導電路17と実質的に同じ高さになるまで、凸部21を形成する。この凸部21は、FPC14の窓部20から露出する導電路15に、公知のメッキ処理を実行することにより形成することができる。凸部21を構成する金属としては、任意の金属を用いることが可能であり、銅、又は銅合金が好ましい。
【0029】
また、凸部21は、FPC14の窓部20から露出する導電路15に、金属粉を含む導電ペーストを塗布することによって形成することができる。導電ペーストは、任意の手段により塗布することが可能であって、例えば、スクリーン印刷により塗布することができる。
【0030】
続いて、図6に示すように、導電路15(金属板材22)の裏面(図6における下面)にプリプレグ16を積層する。このとき、複数のプリプレグ16を積層することにより、隣り合う導電路15の隙間を、プリプレグ16によって埋める。プリプレグ16を積層する手法としては、公知の手法を用いることができる。まず、半硬化状態のプリプレグ16シートを導電路15の裏面に積層する。ついで、所定の条件で熱プレスすることにより、プリプレグ16を熱硬化させる。なお、導電路15の裏面に黒化処理を施してもよい。
【0031】
また、導電路15の厚さ寸法が200μm以上の場合には、隣り合う導電路15の隙間をプリプレグの樹脂だけでは十分に充填出来ないおそれがある。この場合には、隣り合う導電路15の隙間に、あらかじめ絶縁性の合成樹脂を充填した後、プリプレグ16を導電路15の裏面に積層し、所定の条件で熱プレスし形成してもよい。
【0032】
その後、FPC14に半導体リレー18等を実装し、ケース11内に収容することにより、電気接続箱10が完成する。
【0033】
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態によれば、FPC14には導電路15が接着されており、この導電路15にはプリプレグ16が積層されて、硬化されている。これにより、FPC14が撓み変形することが抑制されるので、FPC14を用いた回路構成体12の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、FPC14には窓部20が開口されており、窓部20から露出する導電路15には、FPC14側に突出する凸部21が形成されており、凸部21はFPC14の表面と実質的に同じ高さに形成されている。これにより、FPC14の表面と、窓部20から露出する導電路15とに跨って電子部品を実装する場合において、電子部品のリードに、FPC14の厚さ寸法に対応する段差を設ける加工が不要となる。これにより、電子部品の実装工程を簡略化することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、金属板材22として、その厚さ寸法が100μm以上640μm以下のものが使用されている。金属板材22の厚さ寸法が100μm未満であると、導電路15の電気抵抗が大きくなるので、比較的に大きな電流を導電路15に流すことができなくなるので、好ましくない。一方、金属板材22の厚さ寸法が640μmを超えると、エッチング加工時の作業時間が長期化するので好ましくない。
【0036】
また、本実施形態によれば、ケース11には開口部13が形成されており、開口部13からは回路基板のうちプリプレグ16が露出しており、プリプレグ16はケース11を兼ねている。これにより、通電時に回路構成体12からは発生した熱は、ケース11の開口部13から露出するプリプレグ16からケース11の外部に直接に放散される。これにより、電気接続箱10の放熱性を向上させることができる。
【0037】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図7ないし図12を参照しつつ説明する。図12に示すように、本実施形態に係る回路構成体12においては、FPC14の窓部20から露出する導電路15に形成された凸部21は、導電路15の裏面(図12における下面)から叩き出されることにより形成される。
【0038】
また、隣り合う導電路15同士の隙間は、プリプレグ16と、合成樹脂材23とによって埋められている。
【0039】
続いて、本実施形態の製造方法の一例について説明する。まず、図7に示すように、金属板材22の表面(図7における上面)をマスキング処理すると共に、金属板材22の裏面(図7における下面)にも所定の位置にマスキング処理を施す。ついで、金属板材22に第1エッチング処理を実行することにより、金属板材22の裏面に有底溝24を形成する。
【0040】
次に、図8に示すように、金属板材22にFPC14を接着した時に、FPC14の窓部20に対応する位置において、金属板材22の裏面(FPC14とは反対側の面)から叩き出し加工をすることにより、金属板材22の表面側に突出する凸部21を形成する。
【0041】
次いで、図9に示すように、金属板材22の裏面(図9における下面)に、半硬化状態のプリプレグ16を積層する。このとき、有底溝24の内部がプリプレグ16によって埋められるように必要な枚数のプリプレグ16を積層する。その後、所定の条件で、熱硬化プレスを実行することにより、プリプレグ16を硬化させる。
【0042】
その後、図10に示すように、金属板材22の表面(図10における上面)の所定の位置にマスキング処理を施した後、第2エッチング処理を実行することにより、有底溝24の底部を除去し、互いに離間した複数の導電路15を形成する。
【0043】
ついで、図11に示すように、隣り合う導電路15同士の隙間に、導電路15(金属板材22)の表面(図11における上面)側から、絶縁性の合成樹脂材23を充填する。合成樹脂材23は、公知の手法により充填することが可能であって、例えばスクリーン印刷によって充填できる。
【0044】
続いて、FPC14の所定の位置に窓部20を形成する。その後、図12に示すように、FPC14の窓部20と、導電路15(金属板材22)の凸部21とを整合させつつ、導電路15の表面(図12の上面)に、FPC14を接着する。
【0045】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0046】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図13ないし図18を参照しつつ説明する。まず、図13に示すように、金属板材22の表面(図13における上面)をマスキング処理すると共に、金属板材22の裏面(図13における下面)にも所定の位置にマスキング処理を施す。ついで、金属板材22に第1エッチング処理を実行することにより、金属板材22の裏面に有底溝24を形成する。
【0047】
次いで、図14に示すように、金属板材22の裏面(図14における下面)に、半硬化状態のプリプレグ16を積層する。このとき、有底溝24の内部がプリプレグ16によって埋められるように所定の枚数のプリプレグ16を積層する。その後、所定の条件で、熱硬化プレスを実行することにより、プリプレグ16を硬化させる。
【0048】
その後、図15に示すように、金属板材22の表面(図10における上面)の所定の位置にマスキング処理を施した後、第2エッチング処理を実行することにより、有底溝24の底部を除去し、互いに離間した複数の導電路15を形成する。
【0049】
ついで、図16に示すように、隣り合う導電路15同士の隙間に、導電路15(金属板材22)の表面(図16における上面)側から、絶縁性の合成樹脂材23を充填する。合成樹脂材23は、公知の手法により充填することが可能であって、例えばスクリーン印刷によって充填できる。
【0050】
続いて、FPC14の所定の位置に窓部20を形成する。その後、図17に示すように、導電路15の表面(図17の上面)に、FPC14を接着する。
【0051】
その後、図18に示すように、FPC14の窓部20に対応する位置において、FPC14の基板側導電路17と実質的に同じ高さになるまで、凸部21を形成する。この凸部21は、FPC14の窓部20から露出する導電路15に、公知のメッキ処理を実行することにより形成することができる。凸部21を構成する金属としては、任意の金属を用いることが可能であり、銅、又は銅合金が好ましい。また、凸部21は、FPC14の窓部20から露出する導電路15に、金属粉を含む導電ペーストを塗布することによって形成することができる。導電ペーストは、任意の手段により塗布することが可能であって、例えば、スクリーン印刷により塗布することができる。
【0052】
上記以外の構成については、実施形態2と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0053】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、FPC14には窓部20を形成したが、この窓部20は省略できる。
(2)本実施形態においては、ケース11の開口部13から回路構成体12のうちプリプレグ16を露出させる構成としたが、これに限られず、ケース11に開口部13を設けず、回路構成体12が外部に露出しない構成としてもよい。
(3)FPC14に実装される電子部品としては、半導体リレー18を示したが、これに限れられず、機械式リレー、抵抗、マイコン等、必要に応じて任意の電子部品を実装できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態1に係る回路構成体を用いた電気接続箱を示す断面図
【図2】FPCに窓部を形成する工程を示す断面図
【図3】FPCに金属板材を接着する工程を示す断面図
【図4】金属板材にエッチング処理を実行した状態を示す断面図
【図5】凸部を形成した状態を示す断面図
【図6】プリプレグを積層した状態を示す断面図
【図7】実施形態2に係る回路構成体の製造工程のうち、金属板材に第1エッチング処理を実行した状態を示す断面図
【図8】凸部を形成した状態を示す断面図
【図9】プリプレグを積層した状態を示す断面図
【図10】第2エッチング処理を実行した状態を示す断面図
【図11】隣り合う導電路間の隙間に合成樹脂材を充填した状態を示す断面図
【図12】導電路にFPCを接着した状態を示す断面図
【図13】実施形態3に係る回路構成体の製造工程のうち、金属板材に第1エッチング処理を実行した状態を示す断面図
【図14】プリプレグを積層した状態を示す断面図
【図15】第2エッチング処理を実行した状態を示す断面図
【図16】隣り合う導電路間の隙間に合成樹脂材を充填した状態を示す断面図
【図17】導電路にFPCを接着した状態を示す断面図
【図18】凸部を形成した状態を示す断面図
【符号の説明】
【0055】
10…電気接続箱
11…ケース
12…回路構成体
13…開口部
14…FPC(フレキシブルプリント基板)
15…導電路
16…プリプレグ
20…窓部
21…凸部
22…金属板材
23…合成樹脂材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面及び裏面を有する金属板材の表面にFPCを接着するFPC接着工程と、前記金属板材をエッチングすることにより、互いに離間して配された複数の導電路を形成するエッチング工程と、前記導電路の裏面にプリプレグを積層するプリプレグ積層工程と、前記プリプレグを硬化させるプリプレグ硬化工程と、を実行する回路構成体の製造方法。
【請求項2】
表面及び裏面を有する金属板材の裏面をエッチングすることにより有底溝を形成する第1エッチング工程と、前記金属板材の裏面にプリプレグを積層するプリプレグ積層工程と、前記プリプレグを硬化させるプリプレグ硬化工程と、前記金属板材の表面をエッチングすることにより、互いに離間する複数の導電路を形成する第2エッチング工程と、前記第2エッチング工程により形成された隣り合う導電路同士の隙間に、絶縁性の合成樹脂材を充填する充填工程と、前記金属板材の表面にFPCを接着するFPC接着工程と、を実行する回路構成体の製造方法。
【請求項3】
前記FPCに窓部を開口させる開口工程と、前記窓部から露出する前記導電路の表面に、前記FPCの表面と実質的に同じ高さを有する凸部を形成する凸部形成工程と、を実行する請求項1または請求項2に記載の回路構成体の製造方法。
【請求項4】
前記凸部形成工程は、前記窓部から露出する前記金属板材の表面にメッキ処理を実行することにより、前記凸部を形成する請求項3に記載の回路構成体の製造方法。
【請求項5】
前記凸部形成工程は、前記窓部から露出する前記金属板材の表面に、導電ペーストを塗布することにより、前記凸部を形成する請求項3に記載の回路構成体の製造方法。
【請求項6】
前記凸部形成工程は、前記金属板材のうち前記窓部に対応する部分を、前記金属板材の裏面側から叩き出すことにより、前記凸部を形成する請求項3に記載の回路構成体の製造方法。
【請求項7】
前記金属板材として、その厚さ寸法が100μm以上640μm以下のものを使用する請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の回路構成体の製造方法。
【請求項8】
FPCと、前記FPCに貼付された複数の導電路と、前記導電路のうち前記FPCに貼付された面と反対側の面に積層されたプリプレグとを、を備え、
前記導電路は、表面及び裏面を有する金属板材の表面及び裏面の一方にFPC又はプリプレグを貼付した状態で、前記金属板材の表面及び裏面の他方をエッチングすることにより形成された回路構成体。
【請求項9】
前記導電路の厚さ寸法は、100μm以上640μm以下である請求項8に記載の回路構成体。
【請求項10】
前記FPCには窓部が開口されており、前記窓部から露出する前記導電路には、前記FPC側に突出する凸部が形成されており、前記凸部は前記FPCのうち前記導電路と反対側の面と実質的に同じ高さに形成されている請求項8または請求項9に記載の回路構成体。
【請求項11】
請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の回路構成体と、前記回路構成体を内部に収容するケースと、を備え、
前記ケースには開口部が形成されており、前記開口部からは前記回路基板のうち前記プリプレグが露出しており、前記プリプレグは前記ケースを兼ねている電気接続箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2010−135476(P2010−135476A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308458(P2008−308458)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】