説明

回路装置、回路装置の製造方法および回路装置の評価方法

【課題】Au電極に、Auバンプ等の金ボールを固相拡散接合する半導体装置であって、接合部の良否判定を容易に行うことができる構造を提供する。
【解決手段】Au電極の結晶粒よりも結晶粒の小さいAu微細結晶膜をAu電極上に形成する。このAu微細結晶膜が形成されたAu電極上にAuバンプを圧着する。これにより第1電極とAuバンプの断面を拡大観察し、Au微細結晶膜とAuバンプとの接合面を渡って形成された再結晶粒を確認することが容易になり、良否判定を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップの電極または半導体チップを搭載する基板の電極に、金バンプ等の金ボールを固相拡散接合する回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップの電極を回路基板に接続するために、金バンプが用いられている。例えば、特許文献1および2には、半導体チップの下面に備えられた接続パッドに金バンプを形成しておき、回路基板上には表面が金メッキ層の接続パッドを形成し、半導体チップの金バンプを回路基板の金メッキ層に加熱しながら加圧することが開示されている。これにより、Au原子が相互に拡散する固相拡散接合により金バンプを金メッキ層に接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−36172号公報
【特許文献2】特開平10−275826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
固相拡散接合は、接合面同士がAu原子間距離まで密着することが接合の必要条件であり、接合面間に空隙などがあれば原子の拡散は妨げられる。
【0005】
接合面(界面)で起こるAu原子の拡散は目視で確認することが困難であるため、試料の接合部の断面を顕微鏡などで確認することにより観察されている。試料接合部の断面分析から以下(1)〜(4)の情報が得られる。
(1)金属間化合物の生成
(2)酸化被膜、吸着した汚染被膜の有無
(3)結晶粒径、形状
(4)結晶方位
【0006】
これらの情報から接合状態を確認することができる。特に(3)の情報に着目し、接合界面近傍の結晶状態、特に結晶粒の成長を観察することにより、Au原子の拡散状態を確認することができる。例えば、図9(a)に示したように接合面に空隙がなく、密着している状態、図9(b)のように結晶が接合界面を渡って再結晶している状態、図9(c)のように空隙が界面に介在し、接合性が図9(a),(b)に比べ劣る状態のいずれかを判別し、良否の判定をすることができる。
【0007】
しかしながら、密着した接合界面の微細な空隙や結晶粒を観察するためには、高倍率で高精度の観察装置を用いる必要がある。例えば、Auバンプと金メッキ層の結晶粒は微細なため、これを観察するためには5千倍を超える高倍率が必要である。しかも結晶粒が観察できても、接合界面に空隙が多く、接合界面が明瞭に観察できる状態の場合には、界面で固相拡散が生じているのかどうか判断しにくい。また、良好な接合は局部的に生じていることが多く、局部的な再結晶状態や結晶方位が判断基準と一致しているかどうか判断する必要があり、さらに局所的に高倍率で観察することが必要になる。また、観察のみでは判断がつかない場合には、物理的な接合強度データを参照して判断しなければならない。このため接合の良否判定に熟練と時間を要するという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、Au電極に、Auバンプ等のAuボールを固相拡散接合する回路装置であって、接合部の良否判定を容易に行うことができる構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、以下のような回路装置が提供される。すなわち、第1電極を備えた第1の部材と、第2電極を備えた第2の部材と、第1および第2の電極に挟まれた位置に配置され、両電極を接続するAuバンプを備えた回路装置であって、第1電極は、少なくとも表面がAu層からなり、第1電極の上には、Au層の結晶粒よりも粒径が小さいAu多結晶からなるAu微細結晶膜が配置されている回路装置である。このようにAu微細結晶膜を第1電極上に配置することにより、Auバンプの接合時に、接合界面を渡って成長する再結晶粒を容易に認識可能になる。
【0010】
例えば、第1電極のAu層としてはAuメッキ層、Au微細結晶膜としては気相成長により形成された膜を用いる。
【0011】
Au微細結晶膜は、第1電極のAu層よりも膜厚が薄いことが望ましい。
【0012】
また、本発明の第2の態様によれば、以下のような回路装置の製造方法が提供される。少なくとも表面がAu層からなるAu電極を備えた基板に、Auバンプを固相拡散接合する工程を含む回路装置の製造方法であって、固相拡散接合工程は、Au電極の上に、Au電極の表面のAu層を構成するAuの結晶粒よりも結晶粒の小さいAu微細結晶膜を形成する工程と、Au微細結晶膜が形成されたAu電極上にAuバンプを加熱圧着する工程とを有する。このようにAu微細結晶膜を第1電極上に配置してから、Auバンプを圧着することにより、接合界面を渡って成長する再結晶粒を容易に認識可能になる。Au層としては、例えばAuメッキ層を用いる。
【0013】
Au微細結晶膜を形成する工程では、例えば、気相成長法によりAu微細結晶膜を形成する。具体的には、蒸着法あるいはスパッタ法により形成することができる。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、上記回路装置の評価方法が提供される。すなわち、第1電極とAuバンプの断面を拡大観察し、Au微細結晶膜とAuバンプとの接合面を渡って形成された再結晶粒が確認された場合、良品と判断する回路装置の評価方法である。また、Au微細結晶膜と第1電極を渡って形成された再結晶粒、または、微細結晶を介して第1電極とAuバンプとの間を渡って形成された再結晶粒を確認することにより、良品と判断することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、Au電極とAuバンプの断面を拡大観察することにより、Au電極とAuバンプとの接合面を渡って形成された再結晶粒を、微細結晶膜の結晶粒の大きさの違いから容易に識別することが可能になるため、固相拡散接合の接合部の良否判定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の半導体装置の側面図。
【図2】(a)本実施形態のAu膜5の望ましい厚さと結晶粒の大きさとの関係を示す説明図、(b)Au膜5が柱状晶である場合の望ましい粒径(柱の径)とAuメッキ膜の結晶粒サイズとの関係を示す説明図。
【図3】(a)本実施形態の半導体装置の製造工程を示す説明図、(b)Auバンプ4が形成されたAu電極を示す側面図。
【図4】本実施形態の評価方法において、Auバンプ4をAu電極6の断面と、その断面に観察される結晶粒を示す説明図。
【図5】(a)本実施形態の試料の顕微鏡写真、(b)比較例の試料の顕微鏡写真。
【図6】本実施の形態の接合面を渡って形成される再結晶粒61,62,63の位置を示す説明図。
【図7】(a)〜(d)本実施形態の半導体装置の接合前後の結晶組織の変化を示す説明図、(e)〜(h)比較例の結晶組織の変化を示す説明図。
【図8】本実施形態のAu膜をワイヤボンディングされる基板電極に設けた例を示す断面図。
【図9】(a)〜(c)Auバンプを基板電極に圧着した状態の結晶粒を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施の形態の半導体装置について説明する。
【0018】
本実施の形態の半導体装置は、図1に示すように、下面電極2を備える半導体チップ1と、上面にAu電極6を備える回路基板7とをAuバンプ4により接続した構成である。Au電極6は、少なくとも表面がAuメッキ層からなる。Au電極6の全体がAuメッキ層からなる構成であっても、表面のみがAuメッキ層からなり、その下層は1以上の他の金属層からなる構成であってもよい。メッキ層は、メッキ条件にもよるが、一般的に比較的粒径の大きな多結晶が成長するのが特徴であり、電極6のAuメッキ層の結晶粒も比較的粒径が大きい。
【0019】
本実施の形態では、Au電極6の表面に、Auメッキ層よりも結晶粒の微細なAu膜5を配置する。Au膜5は、例えば、蒸着法やスパッタ法等の気相成長法により形成する。結晶粒の形状は、粒状晶に限らず柱状晶であってもよい。このように、結晶粒の微細なAu膜5を配置することにより、Au電極6とAuバンプ4の接合状態の評価を容易にすることができる。
【0020】
Au膜5の厚さは、0.5μm以上2.0μm以下であることが望ましく、1μm程度であることがより望ましい。Au電極6は、少なくとも表面のAuメッキ層が2μm以上10μm以下であることが望ましく、2μm以上4μm以下であることがより望ましい。Au膜5の膜厚は、Au膜5の結晶粒の粒径の3倍以上、すなわち、図2(a)に示したようにAu膜5の厚み方向に結晶粒が3個以上並ぶ厚さであることが好ましい。また、Au膜5の結晶粒が柱状晶の場合、図2(b)のように、その粒径(柱の径)が、隣接するAu電極6のAuメッキ層の結晶粒径の1/3以下であることが望ましい。これにより、接合部の結晶粒を5000倍程度の倍率で観察することができるためである。
【0021】
この半導体装置の製造方法について説明する。
【0022】
Au電極6が形成された回路基板7を用意し、Au電極6の表面にAu膜5を形成する。Au膜5の形成方法としては、Au電極6のAuメッキ層の結晶粒よりも微細な結晶粒が形成される成膜方法を用いる。例えば、電子ビーム加熱による蒸着法を用いることができる。電極6以外の部分に蒸着膜が付着しないように、レジストでマスキングする等の手法を用いる。
【0023】
上面にAu膜5が形成されたAu電極6をAuの融点以下の所定温度(例えば200℃程度)に加熱しておく。別途用意したAuワイヤの先端に放電加工を施すことにより球状にしたAuボールをAu蒸着膜5付きのAu電極6に超音波を併用しながら加熱および加圧し、接合する。Auワイヤを引き切りすることにより、図3(a)、(b)に示したように、下面がAu電極6にAu−Au固相拡散接合されたAuバンプ4が形成される。
【0024】
半導体チップ2および回路基板7を図3(a)のように位置合わせする。半導体チップ2および回路基板7を所定温度(例えば200℃程度)に加熱し、半導体チップ1の下面電極2を回路基板7上のAuバンプ4に所定の荷重で圧着する。これにより、Auバンプ4と下面電極2とが固相拡散接合され、図1の形状の半導体装置が製造される。
【0025】
次に、Auバンプ4とAu電極6の接合界面の評価法について説明する。ここでは、図4に示すように半導体チップ1の接合前、すなわちAuバンプ4とAu電極6とを接合した試料で判定を行う。ただし、半導体チップ1の接合工程における加熱および製造後の使用時における熱が加わることを想定し、所定の熱処理(例えば試料に300℃13時間程度)を施した試料について接合状態の判定を行う。
【0026】
まず、接合後の試料に所定の熱処理(試料に300℃13時間程度)を施した後、図4に示すようにAuバンプ4とAu電極6とを基板7の主平面に垂直な面で切断し、観察用試料を作製する。試料の断面を5000倍の電子顕微鏡で観察する。
【0027】
得られた断面像において、結晶粒径および形状を観察する。断面写真の一例を図5(a)に示す。また、比較例として、Au膜5を形成せず、他の条件は同じにして作製した試料の断面写真を図5(b)に示す。
【0028】
図5(a)のように、本実施の形態の試料は、Auバンプ4とAu膜5との接合界面41(白破線矢印位置)には白実線矢印部分に空隙が存在するが、破線の形状のように接合界面を渡ってAu結晶が再結晶化し、接合面を渡る再結晶粒が存在することが明確に確認できる。接合面41を渡る再結晶粒を模式的に図6に図示すると、再結晶粒61のように存在する。この再結晶粒61が明確に確認できるのは、Auメッキ層の上に、Auメッキ層よりも結晶粒の小さなAu膜5を配置しているため、接合界面を渡る再結晶粒の周囲に、Au膜5の微細な結晶粒が存在し、結晶粒径を認識することにより、再結晶していないAu膜5の微細な結晶粒と、接合界面41を渡って再結晶した大きな結晶粒とを容易に見分けることができるためである。
【0029】
このように接合面を渡る再結晶粒を確認することにより、空隙が存在してもその間の領域の接合界面で、Au原子の固相拡散が生じ良好な接合が得られていると判断できる。
【0030】
一方、比較例の試料は、図5(b)のように、接合面41の白実線矢印部分に空隙が存在するが、白破線矢印の指す空隙と空隙の間の領域において、結晶粒が接合界面を渡っていることがほとんど確認できない。さらに、微細な空隙が存在しているのか、結晶粒が密着しているのかどうかを見分けることが難しい。よって、空隙と空隙との間の領域をさらに高倍率で観察しなければ、空隙と空隙との間の領域で良好な固相拡散接合が生じているかどうか判断することが難しく、Auバンプ4とAu膜5の間の接合性を判断するのが困難である。
【0031】
このように、本実施の形態では、Auバンプ4およびAuメッキ層よりも結晶粒径が微細なAu膜5を間に配置したことにより、接合界面41を渡る結晶粒を容易に見分けることができ、良好な接合であることを判断できる。
【0032】
また図6に示したように、Au膜5とAuバンプ4との接合面41を渡って形成された再結晶粒61だけでなく、Au膜5とAu電極6との接合面42を渡って形成された再結晶粒62、および/または、Au膜5を介してAu電極6からAuバンプ4に渡って形成された再結晶粒63を確認することにより、さらに高い接合性を得られていることを確認できる。
【0033】
本実施形態の試料において、接合界面を渡る再結晶粒を結晶粒のサイズにより認識することで、接合の良否を判断できるのは、接合界面での再結晶が生じていることによる。ここで、本実施形態のAuバンプ4とAu電極6との接合時の結晶組織の変化を比較例の試料と比較して、図7を用いて説明する。
【0034】
図7(a)、(e)に示したように、電極6のAuメッキ層はメッキ層であるため結晶粒が大きく、Au膜5の結晶粒は蒸着膜であるため微細である。また、電極6に圧着される前のAuボール61は、放電加工により形成されているため結晶粒が大きい。
【0035】
図7(b),(f)のように、Auボール61を超音波を併用しながら電極6に圧着し、Auバンプ4を形成すると、Auバンプ4(Auボール61)の結晶粒は、冷間加工硬化により結晶粒内に歪みを残した状態で微細化する。
【0036】
この状態で半導体チップ1の接合工程のための加熱、および、使用時の熱エネルギーが加わると、冷間加熱硬化により微細化していたAuバンプ4の結晶粒は図7(c)、(g)のように再結晶化し成長する。この再結晶化の際、周囲の結晶を巻き込んで成長するため、接合界面を渡る再結晶が生じる。
【0037】
上述の写真図5(a),(b)は、図7(c)および図7(g)の状態の試料をそれぞれ観察した写真である。図7(c)から明らかなように、本実施形態の試料は、Au電極6のAuメッキ層の表面に、微細な結晶粒のAu膜5が存在するため、再結晶化により生じた接合界面を渡る大きな再結晶と、その周囲の再結晶化していないAu膜5の微細な結晶との粒径差が大きく、容易に接合界面を渡る大きな再結晶を判別することができる。これに対し、図7(g)のように、微細なAu膜5を備えていないAu電極6は、Auメッキ層の結晶粒がもともと大きいため、再結晶化により生じた再結晶と、再結晶化していないAuメッキ層の結晶粒とを判別することが難しい。また、結晶粒界と接合界面とを見分けることも難しい。このため、接合界面を再結晶が渡っているのかどうか判別することが困難である。
【0038】
このように、本実施形態では、Auメッキ層よりも結晶粒が微細なAu膜5を配置したことにより、容易に接合良否を判別することができる。
【0039】
なお、図7(d)、(h)の状態の半導体装置は、使用により熱エネルギーがさらに加わることにより、さらに再結晶化が進行し、Auメッキ層の深い部分まで結晶粒が成長した状態を示している。
【0040】
上述してきたように本実施の形態では、接合界面に微細な多結晶膜のAu膜5を配置することにより、再結晶粒を認識することが容易であり、固相拡散接合の良否を判断することができる。また、界面の接合状態を高倍率観察を用いなくとも判断しやすい。界面の接合状態を、結晶方位測定や分析を用いなくとも、再結晶粒の認識だけで判断することが可能である。空隙等のように接合界面で生じた不具合があっても、空隙の間の接合界面を渡る再結晶があることを容易に観察でき、その間の領域に対してさらに高倍率な観察を用いなくとも接合状態(固相拡散状態)を判断できる。
【0041】
また、接合界面に微細な多結晶のAu膜5を配置することは、単に接合状態の観察を容易にするだけでなく、接合性を向上させる効果も得られる。すなわち、微細な多結晶のAu膜を施した接合界面は、接合性が向上し空隙の量が少なくなるという効果が得られる。また、微細な多結晶のAu膜5は、それ自体が歪みを多く含んだ結晶構造であるため、再結晶化が進行しやすく、再結晶化により接合性向上の効果が得られる。また、微細な多結晶のAu膜5は、歪みを多く含んでいるため、強度(硬度)が高い。このためAuボールを押し付けるAuバンプ4の形成の際に、押しつけたAuバンプ4に塑性変形が生じやすい。これにより、接合界面に歪みが多く生じることにより、熱エネルギーが加わった際に、再結晶化により結晶粒の大きな結晶構造を回復しようとする原動力となり、再結晶化を促進することができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、Auバンプ4が形成される回路基板7の電極6に、微細結晶のAu膜5を形成したが、これに限られるものではなく、図8に示すように、金ワイヤ71をボンディングする基板電極70の表面にAu膜5を形成しておくことによりワイヤボンディングにおいても同様の作用・効果が得られる。
【0043】
また、本実施の形態では、回路基板7の電極6にAu膜5を形成しておく例について説明したが、半導体チップ1の下面電極2の表面にAu膜5を形成しておくことも可能である。
【0044】
本発明は、Au−Au接合を用いて回路形成を行う回路や半導体回路等の製品全般に適用することができる。Au膜5は、Au−Au接合する母材のいずれか一方の表面に設ける。
【符号の説明】
【0045】
1…半導体チップ、2…下面電極、4…Auバンプ、5…Au膜、6…Au電極、7…回路基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極を備えた第1の部材と、第2電極を備えた第2の部材と、前記第1および第2の電極に挟まれた位置に配置され、両電極を接続するAuバンプを備えた回路装置であって、
前記第1電極は、少なくとも表面がAu層からなり、当該第1電極の上には、前記Au層の結晶粒よりも粒径が小さいAu多結晶からなるAu微細結晶膜が配置されていることを特徴とする回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回路装置において、前記第1電極のAu層は、Auメッキ層であり、前記Au微細結晶膜は、気相成長により形成された膜であることを特徴とする回路装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回路装置において、前記Au微細結晶膜は、前記第1電極のAu層よりも膜厚が薄いことを特徴とする回路装置。
【請求項4】
少なくとも表面がAu層からなるAu電極を備えた基板に、Auバンプを固相拡散接合する工程を含む回路装置の製造方法であって、
前記固相拡散接合工程は、
前記Au電極の上に、該Au電極の表面Au層を構成するAuの結晶粒よりも結晶粒の小さいAu微細結晶膜を形成する工程と、
前記Au微細結晶膜が形成された前記Au電極上に前記Auバンプを加熱圧着する工程とを有することを特徴とする回路装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の回路装置の製造方法において、前記Au微細結晶膜を形成する工程は、気相成長法により前記Au微細結晶膜を形成することを特徴とする回路装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の回路装置の製造方法において、前記Au微細結晶膜を蒸着法あるいはスパッタ法により形成することを特徴とする回路装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の回路装置を評価する方法であって、
前記第1電極とAuバンプの断面を拡大観察し、少なくとも前記Au微細結晶膜とAuバンプとの接合面を渡って形成された再結晶粒が確認された場合、良品と判断することを特徴とする回路装置の評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−161296(P2010−161296A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3759(P2009−3759)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】