説明

固体撮像装置およびその製造方法、並びに電子情報機器

【課題】半導体基板の、光電変換素子が形成された一方の面とは反対側の他方の面から入射した光を一方の面に形成した反射膜により効率よく反射させることができ、これにより感度向上した固体撮像装置を実現する。
【解決手段】固体撮像装置100aにおいて、第1導電型の半導体基板100内に形成され、入射光の光電変換により信号電荷を生成する光電変換素子PD1およびPD2と、該半導体基板100の第1主面上に形成され、該光電変換素子PD1およびPD2で生成された信号電荷を転送する転送トランジスタTt1およびTt2とを備え、該転送トランジスタのゲート電極107を、該光電変換素子を構成する電荷蓄積領域102の第1主面側の表面を覆うよう形成し、該転送ゲート電極107をポリシリコン層107aとその表面を覆う高融点金属シリサイド層からなる反射膜107bにより構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置およびその製造方法、並びに電子情報機器に関し、特に、半導体基板の一方の面に入射した被写体からの入射光を半導体基板内で光電変換素子により光電変換した後に、光電変換により得られた信号電荷を該半導体基板の他方の面側で電気信号に変換することにより撮像する固体撮像装置およびその製造方法、並びに、このような固体撮像装置を搭載した電子情報機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高感度の固体撮像装置として、基板の裏面側から入射光が入射される固体撮像装置の開発が進められている。このタイプの固体撮像装置は、シリコン基板の表面側に回路素子や配線層等を形成し、シリコン基板の裏面側より光を入射させて撮像を行うよう構成したものである。
【0003】
例えば、特許文献1には、このような従来の固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)が開示されている。
【0004】
図13は、この文献に開示の固体撮像装置を説明する図である。
【0005】
この固体撮像装置1では、半導体基板11には画素を分離する画素分離領域12が形成されている。上記半導体基板11には、例えばシリコン基板が用いられる。また、画素分離領域12は、例えばp型ウエル領域で形成されている。上記画素分離領域12によって区分される領域には、光電変換部21が形成されている。光電変換部21の光入射側(図面で光電変換部21の下部側)には、ホール蓄積層22が形成されている。このホール蓄積層22は、例えばp領域で形成されている。また、上記光電変換部21の光入射側とは反対側(図面で光電変換部21の上部側)にはホール蓄積層23が形成され、その下層にはn型ウエル領域(n型電荷蓄積領域)24が形成されている。このホール蓄積層23は、例えばp領域で形成されている。また、光電変換部21上にはゲート絶縁膜31を介してゲート電極(例えば転送ゲート)32が形成されている。また、該半導体基板11におけるゲート電極32の一端側にはn領域25が形成されている。
【0006】
上記ゲート電極32上にはコンタクト部41が接続され、上記画素分離領域12上にはコンタクト部42が接続されるとともに、上記光電変換部21上には上記ゲート絶縁膜31を介して上記コンタクト部41、42と同様なコンタクト部からなる反射層43が形成されている。また、図示はしていない信号回路部の他のトランジスタ(例えば、ゲート電極、ソース・ドレイン領域等)に接続するコンタクト部も形成されている。上記ゲート絶縁膜31、ゲート電極32上には絶縁膜81が形成され、上記各コンタクト部はこの絶縁膜81に形成された孔91、92、93等に、例えば導電体を埋め込むことで形成されている。
【0007】
上記反射層43は、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射するものである必要がある。例えば、少なくとも近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。上記反射層43は、上記長波長領域の光とともに、それよりも短い波長の光、例えば可視光や、さらに近紫外光、紫外光等も反射するものであってもよい。このような特性を有する材料の一例として、タングステン層がある。
【0008】
さらに、上記各コンタクト部41、42や上記反射層43に接続する第1配線51〜53が形成されている。
【0009】
上記第1配線51〜53には、例えばビア54〜56を介して第2配線61〜63が接続されている。同様に、上記第2配線61〜63には、例えばビア64〜66を介して第3配線71〜73が接続されている。
【0010】
また、上記各配線層を被覆するように、前記絶縁膜81を含む絶縁膜80が形成されている。この絶縁膜80は、配線形成に応じて、複数層の絶縁膜で形成されているものである。また、上記半導体基板11の光入射側とは反対側には、図示はしていないが、選択トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ等のトランジスタ群や、上記第1配線51〜53、ビア54〜56、第2配線61〜63、ビア64〜66、第3配線71〜73等の配線層からなる信号回路部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4525671号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上説明した特許文献1に開示の固体撮像装置1では、半導体基板11の光入射面である一方の面とは反対側の他方の面上に転送ゲート電極32と反射膜43とを備えることにより、一方の面より入射した光が半導体基板11を透過して他方の面側の配線層領域に漏れることを防ぎ、入射光を有効に光電変換し、感度向上を可能としている。
【0013】
しかしながら、従来の技術では、転送ゲート電極32と反射層43の間に空隙が存在し、前記空隙を通じて光が洩れてしまい、効率低下の原因となっている。
【0014】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、半導体基板内の光電変換素子が形成された一方の面とは反対側の他方の面から入射した光を、一方の面の上方に形成した反射膜により効率よく反射させることで感度向上を実現することができる固体撮像装置およびその製造方法、並びに電子情報機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る固体撮像装置は、第1導電型の半導体基板内に形成され、入射光を光電変換することにより信号電荷を生成する光電変換素子を有し、該光電変換素子で生成された信号電荷を信号処理により画像信号に変換して出力する固体撮像装置であって、該半導体基板の第1主面上に形成され、該光電変換素子で生成された信号電荷を該光電変換素子の外部へ転送する転送トランジスタを備え、該転送トランジスタは、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うよう配置されたゲート電極を有し、該転送トランジスタのゲート電極を構成する少なくとも1つの層の少なくとも一部が反射膜により構成されている、あるいは、該ゲート電極上の少なくとも一部の領域に反射膜が形成されている、そのことにより上記目的が達成される。
【0016】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記光電変換素子は、前記第1主面とは反対側の前記半導体基板の第2主面から取り込んだ入射光を光電変換する第2導電型の光電変換領域と、該第2導電型の光電変換領域での光電変換により生成された信号電荷を該第1主面側で蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域とを有し、該転送トランジスタのゲート電極は、該第2導電型の電荷蓄積領域の該第1主面側の面の上方を覆うよう形成されていることが好ましい。
【0017】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記光電変換素子から転送されてきた信号電荷を蓄積する第2導電型の信号電荷蓄積部と、該第2導電型の電荷蓄積領域から該第2導電型の信号電荷蓄積部に該信号電荷を転送する転送経路を含む第1導電型の電荷転送領域とを備え、該第2導電型の電荷蓄積領域と該第2導電型の信号電荷蓄積部とが該第1導電型の電荷転送領域を挟んで隔てて配置されていることが好ましい。
【0018】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記第2導電型の電荷蓄積領域と前記第2導電型の信号電荷蓄積部との間隔は、短チャネル効果が実質的に生じない最小の距離以上であり、かつ、該固体撮像装置における画素の集積度から許容される最大の距離以下であることが好ましい。
【0019】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記第2導電型の電荷蓄積領域と前記第2導電型の信号電荷蓄積部との間隔は、0.2μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。
【0020】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記第1導電型の半導体基板内に形成された第1導電型のウェル領域と、該第2導電型の電荷蓄積領域の前記第1主面側に該第2導電型の電荷蓄積領域を覆うよう形成した第1導電型の表面半導体領域とを備え、該第1導電型の表面半導体領域は、該第1導電型の電荷転送領域の不純物濃度を超え、かつ該第1導電型のウェル領域の不純物濃度以下の不純物濃度を有することが好ましい。
【0021】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記第1導電型のウェル領域は、前記第2導電型の電荷蓄積領域、前記第1導電型の電荷転送領域および前記第2導電型の信号電荷蓄積部を構成する領域を囲むよう形成されていることが好ましい。
【0022】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記転送トランジスタのゲート電極は、前記第1主面上で前記第1導電型のウェル領域が占める領域を覆うよう形成されていることが好ましい。
【0023】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記転送トランジスタのゲート電極は、ポリシリコン層と、その表面に前記反射膜として形成された高融点金属シリサイド層とを含む多層構造を有することが好ましい。
【0024】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記転送トランジスタのゲート電極の高融点金属シリサイド層を構成する高融点金属材料は、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルであることが好ましい。
【0025】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記転送トランジスタのゲート電極は、ポリシリコン層と、その表面に前記反射膜として形成された金属層とを含む多層構造を有することが好ましい。
【0026】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記転送トランジスタのゲート電極の金属層を構成する金属材料は、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルであることが好ましい。
【0027】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記転送トランジスタのゲート電極は、ポリシリコン層と、その表面に形成された高融点金属シリサイド層と、該高融点金属シリサイド層の表面に形成された金属層とを含む多層構造を有し、該高融点金属シリサイド層および該金属層は前記反射膜として形成されていることが好ましい。
【0028】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記転送トランジスタのゲート電極の高融点金属シリサイド層を構成する高融点金属材料は、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルであり、前記転送トランジスタのゲート電極の金属層を構成する金属材料は、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルであることが好ましい。
【0029】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記転送トランジスタのゲート電極は、高融点金属層からなる単層構造を有することが好ましい。
【0030】
本発明は、上述した本発明に係る上記固体撮像装置を製造する方法であって、前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、該転送トランジスタを形成する工程は、該転送トランジスタのゲート電極の構成材料を該第1主面上に堆積する工程と、堆積したゲート電極の構成材料を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うようゲート電極を形成する工程とを含み、該ゲート電極を形成する工程が、該ゲート電極を構成する少なくとも1つの層の少なくとも一部として前記反射膜を形成する工程を含む、あるいは、前記固体撮像装置を製造する方法が、該転送トランジスタのゲート電極上の少なくとも一部の領域に前記反射膜を形成する工程を含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0031】
本発明は、上述した本発明に係る固体撮像装置を製造する方法において、前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、該転送トランジスタを形成する工程は、該転送トランジスタのゲート電極の構成材料を該第1主面上に堆積する工程と、堆積したゲート電極の構成材料を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うようゲート電極を形成する工程と、前記転送トランジスタのゲート電極をマスクとしてイオン注入を行って前記第2導電型の信号電荷蓄積部を形成する工程とを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0032】
本発明は、上記固体撮像装置の製造方法において、前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、前記光電変換素子を形成する工程は、前記第1導電型の半導体基板内に前記第2導電型の電荷蓄積領域を形成する工程と、前記第2導電型の電荷蓄積領域の前記第1主面側に該第2導電型の電荷蓄積領域を覆うよう前記第1導電型の表面半導体領域を形成する工程とを含み、前記第2導電型の電荷蓄積領域と該第1導電型の表面半導体領域とは、同一のイオン注入マスクを用いた不純物導入により形成するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0033】
本発明は、上述した本発明に係る固体撮像装置を製造する方法であって、前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、前記転送トランジスタを形成する工程は、前記ポリシリコン層を該第1主面上に堆積する工程と、堆積したポリシリコン層を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うようポリシリコンゲート層を形成する工程と、該ポリシリコンゲート層の表面に高融点金属シリサイド層を形成する工程とを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
本発明は、上述した本発明に係る固体撮像装置を製造する方法であって、前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、前記転送トランジスタを形成する工程は、前記ポリシリコン層を該第1主面上に堆積する工程と、堆積したポリシリコン層を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うようポリシリコンゲート層を形成する工程と、該ポリシリコンゲート層の表面に金属層を形成する工程とを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0035】
本発明は、上述した本発明に係る固体撮像装置を製造する方法であって、前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、前記転送トランジスタを形成する工程は、前記ポリシリコン層、高融点金属シリサイド層および金属層を順次該第1主面上に堆積する工程と、堆積したポリシリコン層、高融点金属シリサイド層および金属層を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うよう、ポリシリコン層、高融点金属シリサイド層および金属層を含む多層構造のゲート電極を形成する工程とを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0036】
本発明は、上述した本発明に係る固体撮像装置を製造する方法であって、前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、該転送トランジスタを形成する工程は、前記高融点金属層を該第1主面上に形成する工程と、形成した高融点金属層を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域を覆うよう高融点金属層からなるゲート電極を形成する工程とを含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0037】
本発明に係る電子情報機器は、上述した本発明に係る固体撮像装置を含むものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0038】
次に作用について説明する。
【0039】
本発明においては、転送トランジスタのゲート電極を、半導体基板の第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うよう形成し、該転送トランジスタのゲート電極を構成する少なくとも1つの層の少なくとも一部を反射膜により構成している、あるいは該転送トランジスタのゲート電極上の少なくとも一部の領域に反射膜を形成しているので、半導体基板の第1主面とは反対側の第2主面側から入射して半導体基板を通過した光が、この転送ゲート電極の反射膜で反射されて再度基板内部に戻ることとなり、半導体基板の第1主面上で該転送トランジスタが占める領域と該第1主面上で該光電変換素子が占める領域との間から漏れるのが低減されて、入射光の有効利用が可能となる。
【0040】
さらに、本発明においては、転送トランジスタのゲート電極を、光電変換素子の第2導電型の電荷蓄積領域の第1主面を覆うよう形成しているので、光電変換素子の第2導電型の電荷蓄積領域が転送トランジスタのゲート電極の形成プロセスでのプラズマエッチングによるダメージを受けることがなく、結晶欠陥に起因するノイズ電荷の発生を抑えることができる。このため、第2導電型の電荷蓄積領域の表面領域に形成する第1導電型の半導体領域の不純物濃度を低くすることができ、この第2導電型の電荷蓄積領域に隣接する第1導電型の電荷転送領域の不純物濃度の低く抑えることができる。これにより第1導電型の電荷転送領域でのポテンシャルレベルの変動量を大きくすることができ、電荷転送効率を高めることができる。
【0041】
また、信号電荷蓄積部以外の半導体基板内の不純物領域を全て、転送トランジスタのゲート電極形成前に形成するので、信号電荷蓄積部以外の半導体基板内の不純物領域は、転送ゲート電極の形成時のプラズマエッチングのダメージを受けていない状態で形成されることとなり、良好な結晶性を確保することができ、リーク電流などの特性劣化の原因を排除することができる。
【発明の効果】
【0042】
以上のように、本発明によれば、半導体基板内の光電変換素子が形成された一方の面とは反対側の他方の面から入射した光を、一方の面の上方に形成した反射膜により効率よく反射させることにより感度向上を実現する固体撮像装置およびその製造方法、並びにこのような固体撮像装置を搭載した電子情報機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を説明する図であり、図1(a)は固体撮像装置の全体構成を概略的に示し、図1(b)はこの固体撮像装置における画素を構成する回路を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を説明する平面図であり、図2(a)は、素子分離領域に対する不純物注入領域の配置を示し、図2(b)は素子分離領域に対する転送ゲート電極およびコンタクト部の配置を示している。
【図3】図3は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を説明する図であり、図2(b)のA−A’線における断面図を示している。
【図4】図4は、本発明の実施形態1による固体撮像装置の動作を説明する図であり、図4(a)は、半導体基板の光入射面から光電変換素子を介して信号電荷蓄積部に至る経路での電荷蓄積期間のポテンシャル分布を示し、図4(b)は、該経路での電荷転送期間のポテンシャル分布を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を製造する方法を説明する図であり、図5(a)〜図5(e)は、光電変換素子の形成工程および転送ゲート電極を構成するポリシリコン層の形成工程を説明する断面図を示している。
【図6】図6は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を製造する方法を説明する図であり、図6(a)〜図6(e)は、転送ゲート電極を構成する反射膜の形成工程を説明する断面図を示している。
【図7】図7は、本発明の実施形態2による固体撮像装置を説明する図であり、図2(b)のA−A’線に相当する部分の断面図を示している。
【図8】図8は、本発明の実施形態3による固体撮像装置を説明する図であり、図2(b)のA−A’線に相当する部分の断面図を示している。
【図9】図9は、本発明の実施形態4による固体撮像装置を説明する図であり、図2(b)のA−A’線に相当する部分の断面図を示している。
【図10】図10は、本発明の実施形態5による固体撮像装置を説明する平面図であり、図10(a)は、素子分離領域に対する不純物注入領域の配置を示し、図10(b)は素子分離領域に対する転送ゲート電極およびコンタクト部の配置を示している。
【図11】図11は、本発明の実施形態5による固体撮像装置を説明する図であり、図10(b)のA−A’線における断面図を示している。
【図12】図12は、本発明の実施形態6として、実施形態1ないし5のいずれかの固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【図13】図13は、特許文献1に開示のCMOSイメージセンサを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0045】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を説明する図であり、図1(a)はこの固体撮像装置の全体構成を概略的に示し、図1(b)はこの固体撮像装置における画素を構成する回路を示す図である。
【0046】
この実施形態1の固体撮像装置100aは、行列状に配列した複数の画素を含む画素部151と、該画素部151における水平方向の画素列である画素行を選択する垂直走査回路153と、選択された画素行の各画素からのアナログ画素信号を信号処理によりデジタル画素信号に変換して保持するAD変換部を含む信号処理回路154とを有している。この固体撮像装置100aは、信号処理回路154が各画素のデジタル画素信号を順次水平信号線155に出力するよう該信号処理回路154に走査信号を出力する水平走査回路152と、水平信号線155に出力されたデジタル画素信号を固体撮像装置100aの外部に出力する出力部157とを有している。さらにこの固体撮像装置100aは、該垂直走査回路153、該水平走査回路152および信号処理回路154にタイミング信号を供給するタイミング生成部156と、電圧を発生する電圧発生回路158とを有している。
【0047】
ここで、画素部151は第1導電型の半導体基板(以下、単に半導体基板という。)上に構成されており、該半導体基板の画素部151の周辺領域には、上記垂直走査回路153、水平走査回路152、信号処理回路154、タイミング生成部156および電圧発生回路158が配置されており、これらは、画素部の各画素を構成する光電変換素子で入射光の光電変換により生成された信号電荷であるアナログ画素信号をデジタル画素信号に変換して画像信号として出力する周辺回路部を構成している。なお、ここでは、電圧発生回路158は負電圧を発生するものとする。ただし、電圧発生回路158で発生する電圧は負電圧に限定されるものではない。
【0048】
図1(a)に示す固体撮像装置100aの全体構成は一般的なCMOS型固体撮像装置のものと同様のものであるが、この実施形態1の固体撮像装置100aは、図13に示す従来の固体撮像装置1における転送ゲート電極32の平面形状を変更し、転送ゲート電極32の表面を該転送ゲート電極より光反射率の高い材料からなる膜で覆ったものである。
【0049】
なお、本発明の実施形態1の固体撮像装置100aでは、画素を転送トランジスタ、リセットトランジスタおよび増幅トランジスタを含む3トランジスタ構成としているが、画素は3トランジスタ構成に代えて、これらのトランジスタに加えて画素行を選択する選択トランジスタを備えた4トランジスタ構成としたものでもよいことは言うまでもない。
【0050】
また、図1(a)に示すように、画素部151では複数の画素Pxが行列状に配列されているが、ここでは説明の都合上、画素部151における紙面左から4列目の紙面上から3行目と4行目の画素を特に画素Px1およびPx2として以下に具体的な画素の構成を説明する。
【0051】
まず、図1(b)に示す画素の回路構成について説明する。
【0052】
画素Px1は、入射光の光電変換により信号電荷を生成する光電変換素子PD1と、該光電変換素子PD1で発生した信号電荷を転送信号Tx1に基づいて光電変換素子外部の信号電荷蓄積部FDに転送する転送トランジスタTt1と、信号電荷蓄積部FDの信号電荷をリセット信号Rsに基づいてリセットするリセットトランジスタRtと、該信号電荷蓄積部FDに蓄積された信号電荷に応じて発生する信号電圧を増幅して読み出し信号線Lrに出力する増幅トランジスタAtとを有している。
【0053】
また、画素Px2は、入射光の光電変換により信号電荷を生成する光電変換素子PD2と、該光電変換素子PD2で発生した信号電荷を転送信号Tx2に基づいて光電変換素子外部の信号電荷蓄積部FDに転送する転送トランジスタTt2と、信号電荷蓄積部FDの信号電荷をリセット信号Rsに基づいてリセットするリセットトランジスタRtと、該信号電荷蓄積部FDに蓄積された信号電荷に応じて発生する信号電圧を増幅して読み出し信号線Lrに出力する増幅トランジスタAtとを有している。
【0054】
つまり、この画素部151では、画素Pxを構成する回路は、上下に隣接して位置する2つの画素(例えば図1(a)および図1(b)に示す画素Px1と画素Px2)がリセットトランジスタRtと増幅トランジスタAtとを共有する2画素共有の構成となっている。
【0055】
ここで、リセットトランジスタRtは、ドレイン信号線Rdと信号電荷蓄積部FDとの間に接続され、この信号電荷蓄積部FDには増幅トランジスタAtのゲート電極が接続されている。また、信号電荷蓄積部FDと接地ノードとの間には転送トランジスタTt1と光電変換素子PD1とが直列に接続され、同様に信号電荷蓄積部FDと接地ノードとの間には転送トランジスタTt2と光電変換素子PD2が直列に接続されている。また光電変換素子PD1およびPD2はフォトダイオードにより構成している。
【0056】
次に、図2および図3を用いて本実施形態1の固体撮像装置における画素部の詳細な構造を説明する。
【0057】
図2は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を説明する平面図であり、図2(a)は、素子分離領域に対する不純物注入領域の配置を示し、図2(b)は素子分離領域に対する転送トランジスタのゲート電極およびコンタクト部の配置を示している。
【0058】
また、図3は図2(b)のA−A’線における断面図であり、図2(a)の平面図では、図1(a)に示す画素部151における一点鎖線で囲んだ部分Xについて、半導体基板に現われる種々の不純物注入領域の配置を示している。
【0059】
本発明の実施形態1による固体撮像装置100aでは、p型シリコン基板などの第1導電型半導体基板100に形成された画素部151を構成する各画素Px、例えば画素Px1およびPx2は、半導体基板100内に形成され、入射光の光電変換により信号電荷を生成する光電変換素子(つまり、フォトダイオード)PD1およびPD2と、該半導体基板100の第1主面上に形成され、該光電変換素子PD1およびPD2で生成された信号電荷を転送する転送トランジスタTt1およびTt2とを備えている。上記第1主面は、図3では半導体基板100の上面(以下、基板表面ともいう。)であり、またこの図3では画素Px1の転送トランジスタTt1とその両側に位置する光電変換素子PD1および信号電荷蓄積部108(図1(b)ではFD)の構造を示している。なお、図3では、画素Px1の断面構造を示しているが、他の画素Pxもこの画素Px1と同一である。
【0060】
ここで、該画素Px1の光電変換素子PD1は、上記第1主面とは反対側の該半導体基板100の第2主面から取り込んだ入射光を光電変換する第2導電型の光電変換領域(n型半導体領域)101と、該光電変換領域101での光電変換により生成された信号電荷を該半導体基板100の第1主面側で蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)102とを有し、該転送トランジスタのゲート電極(以下転送ゲート電極ともいう。)107は、該電荷蓄積領域102の第1主面側の面の上方を覆うよう形成されている。ここで、第2主面は、図3では半導体基板100の下面であり、以下、基板裏面ともいう。
【0061】
該転送ゲート電極107は、該半導体基板100上にゲート絶縁膜113aを介して形成されたポリシリコン層107aと、該ポリシリコン層107aの表面を覆うよう形成された高融点金属シリサイド層107bとから構成されている。ここで、高融点金属シリサイド層107bの構成材料である高融点金属材料は、ポリシリコンより光反射率の高い材料であるタングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルである。また、高融点金属シリサイド層107bは、基板裏面から入射し、光電変換素子を構成する半導体領域を通過し、さらにポリシリコン層107aを透過した光を基板内部側に反射する働きを有する。
【0062】
また、この固体撮像装置100aでは、光電変換素子PD1は、第2導電型の電荷蓄積領域102の基板表面側に該電荷蓄積領域102を覆うよう形成された第1導電型の表面半導体領域(表面p領域)103を有している。また画素Px1は、前記第2導電型の電荷蓄積領域102から0.2μm〜1.0μmの間隔を隔てて形成され、該光電変換素子PD1で生成された信号電荷を蓄積する第2導電型の信号電荷蓄積部(電荷蓄積n領域)108と、該光電変換素子外部の信号電荷蓄積部108と該光電変換素子の電荷蓄積領域102との間に配置され、該光電変換素子PD1の電荷蓄積領域102から該光電変換素子外部の信号電荷蓄積部108に該信号電荷を転送するための第1導電型の電荷転送領域(電荷転送部p領域)109とを備えている。この第1導電型の電荷転送領域(電荷転送部p領域)109は転送トランジスタTt1のチャネル領域を含むものである。該表面p領域103は、該第1導電型の電荷転送領域109の不純物濃度を超える不純物濃度を有する。
【0063】
ここで、第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)102と第2導電型の信号電荷蓄積部(電荷蓄積n領域)108とは、第1導電型の電荷転送領域(電荷転送部p領域)109を挟んで間隔を隔てて配置されている。電荷蓄積領域102と信号電荷蓄積部108との間隔の下限値は、短チャネル効果が実質的に生じない最小の距離以上であればよく、また、電荷蓄積領域102と信号電荷蓄積部108との間隔の上限値は、固体撮像装置における画素の集積度から決まる許容可能な最大の距離以下であればよい。すなわち、電荷蓄積領域102と信号電荷蓄積部108との間隔が、短チャネル効果が実質的に生じない最小の距離以上であり、かつ、固体撮像装置における画素の集積度から決まる許容可能な最大の距離以下である限り、本発明の範囲内である。電荷蓄積領域102と信号電荷蓄積部108との間隔は、例えば、0.2μm〜1.0μmの範囲内である。現状では、短チャネル効果が実質的に生じない最小の距離は、0.2μmであり、固体撮像装置における画素の集積度から決まる許容可能な最大の距離は、1.0μmであるからである。しかしながら、微細加工技術の進展により、上記間隔の下限値は現状の下限値より小さくなる傾向にある。従って、将来的には、上記間隔の下限値は、現状の0.2μmよりも小さい値(例えば、0.1μm)になるかもしれないが、いずれにしても、上述したように、電荷蓄積領域102と信号電荷蓄積部108との間隔が、短チャネル効果が実質的に生じない最小の距離以上であり、かつ、固体撮像装置における画素の集積度から決まる許容可能な最大の距離以下である限り、本発明の範囲内である。
【0064】
また、第2導電型の電荷蓄積領域102、第1導電型の電荷転送領域109および第2導電型の電荷蓄積領域108は、該半導体基板100に形成された第1導電型のウエル領域(pウェル領域)104により囲まれており、第2導電型の電荷蓄積領域102、第2導電型の電荷転送領域109および第2導電型の電荷蓄積領域108は、第2導電型の電荷蓄積領域108を共有する2画素毎に第1導電型のウエル領域104により電気的に分離されている。
【0065】
また、該表面p領域103は第1導電型のウェル領域104の不純物濃度以下の不純物濃度を有している。なお、第1導電型のウェル領域104の不純物濃度を1×1018cm−3以下とすることによりウエル領域104でのイオン注入ダメージを低減してこのウエル領域104でのノイズ電荷の発生を抑えることができる。
【0066】
また、上記第1導電型の表面半導体領域103は、厚さが0.1μm〜0.3μmの低濃度p型半導体層により構成されており、前記光電変換素子を構成する第1導電型の電荷蓄積領域102は、その不純物濃度のピーク位置が、前記半導体基板の第1主面からの深さが0.15μm〜0.40μmの位置になるよう形成されている。
【0067】
また、上下に隣接する光電変換素子PD1およびPD2の間には素子分離領域105が位置し、水平方向に光電変換素子の配列ピッチと同一ピッチで並ぶ第2導電型の信号電荷蓄積領域108の間にも素子分離領域105が位置している。さらに、光電変換素子が配列されている上下2列の光電変換素子の配列領域と、リセットトランジスタRtや増幅トランジスタAtの帯状拡散領域131、141との間も、素子分離領域105により電気的に分離されている。
【0068】
なお、この素子分離領域105は、半導体基板100に形成したトレンチ内に酸化シリコンなどの絶縁性部材を充填してなる領域である。また、この半導体基板100の裏面側には、裏面p領域110が形成されている。
【0069】
図2および図3を用いて、画素を構成する回路でのトランジスタの接続について説明する。
【0070】
なお、図2(a)および図2(b)では、図面が複雑になるのを避けるため、光電変換素子PD1およびPD2の紙面左側の光電変換素子でのトランジスタ間の接続を示しているが、光電変換素子PD1およびPD2でのトランジスタ間の接続は、光電変換素子PD1およびPD2の紙面左側の光電変換素子でのトランジスタ間の接続と同一である。
【0071】
上記帯状拡散領域131上には、2つのリセットトランジスタRt1およびRt2が形成され、リセット信号Rsが印加される2つのリセットゲート電極132がこの帯状拡散領域131と交差するようゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されている。帯状拡散領域131におけるこれら2つのリセットゲート電極132の間の共通ドレイン領域にはコンタクト部134を介して行選択のためのドレイン信号Rdが印加される。つまり、ドレイン信号Rdがハイレベルのときは画素行が選択され、ドレイン信号Rdがローレベルのときは画素行が非選択となる。また、一方のリセットトランジスタRt1のソース領域はコンタクト部133を介して信号電荷蓄積部(FD部)108につながる配線112bに接続されている。他方のリセットトランジスタRt2のソース領域は、図1に示す画素部151の1行目の画素と2行目の画素に共通の信号電荷蓄積部(FD部)に接続されている。
【0072】
また、帯状拡散領域141上には、2つの増幅トランジスタAt1およびAt2が形成され、増幅ゲート電極142がこの帯状拡散領域141と交差するようゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されている。帯状拡散領域141におけるこれら2つの増幅ゲート電極142の間の共通ドレイン領域にはコンタクト部144を介して電源電圧Vdd(例えば2.5V)が印加される。また、一方の増幅トランジスタAt1のソース領域はコンタクト部143を介して読み出し信号線Lrに接続されている。他方の増幅トランジスタAt2のソース領域もコンタクト部143を介して同一画素列に対応する読み出し信号線Lrに接続されている。さらに、一方の増幅トランジスタAt1のゲート電極142は、信号電荷蓄積部(FD部)108につながる配線112bに接続されている。他方の増幅トランジスタAt2のゲート電極142は、図1に示す画素部151の5行目の画素と6行目の画素に共通の信号電荷蓄積部(FD部)に接続されている。
【0073】
また、転送ゲート電極107はコンタクト部111aを介して配線層112aに接続され、また、信号電荷蓄積部(FD部)108は、コンタクト部111bを介して配線層112bに接続されている。ここで、配線層112aおよび112bは、転送ゲート電極107上に層間絶縁膜(図示せず)を介して形成された配線材料膜をパターニングして形成したものである。
【0074】
なお、以下は、本発明の固体撮像装置を構成する半導体基板および各半導体領域の不純物濃度である。
【0075】
光電変換素子を構成する第2導電型の光電変換領域(n型半導体領域)101の不純物濃度は1×1015cm−3〜5×1016cm−3程度である。光電変換素子を構成する第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)102の不純物濃度は1×1016cm−3〜1×1017cm−3程度である。さらに、n型半導体領域102の表面に形成される第1導電型の表面半導体領域(表面p領域)103の不純物濃度は1×1016cm−3〜5×1017cm−3程度であり、第1導電型のウェル領域(pウェル領域)104の不純物濃度は5×1016cm−3〜1×1018cm−3程度である。また、第2導電型の信号電荷蓄積部(電荷蓄積n領域)であるFD(フローティングディフュージョン)部108の不純物濃度は1×1017cm−3〜1×1020cm−3程度、第1導電型の電荷転送領域(電荷転送部p領域)109の不純物濃度は5×1015cm−3〜1×1017cm−3程度であり、裏面p領域110の不純物濃度は1×1018cm−3〜1×1019cm−3程度である。
【0076】
なお、上記光電変換素子は具体的には埋め込みフォトダイオードであり、埋め込みフォトダイオードは、第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)102の表面に第1導電型の表面半導体領域(表面p領域)103を形成することで、信号電荷(電子)を蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域102の表面で結晶欠陥などに起因して熱的に発生したノイズ電荷(電子)と結合するホール濃度を高めて、ノイズ電荷の寿命の短縮により信号電荷以外のノイズ電荷による雑音を抑制したものである。
【0077】
次に本実施形態1の固体撮像装置の動作について説明する。
【0078】
このような構成の本実施形態1の固体撮像装置100では、基本的には読み出し動作は従来の一般的な固体撮像装置と同様に行われる。
【0079】
以下、本実施形態1による固体撮像装置での読み出し動作について図1(a)および図1(b)を用いて簡単に説明する。
【0080】
タイミング生成部156からのタイミング信号により垂直走査回路153が画素部の画素行を選択し、選択された画素行の画素信号が信号処理回路154に出力され、この信号処理回路154で、固定ノイズパターンを除去する処理が行われる。そして、タイミング生成部156からのタイミング信号により水平走査回路152が、信号処理回路154が各画素のデジタル画素信号を順次水平信号線155に出力するよう該信号処理回路154に走査信号を出力すると、水平信号線155に出力されたデジタル画素信号が出力部157から固体撮像装置100aの外部に画像信号として出力される。
【0081】
そして、この実施形態1の固体撮像装置100では、光電変換素子で入射光の光電変換により信号電荷を生成して蓄積する電荷蓄積期間に、転送ゲート電極107と第1導電型の表面半導体領域103との間に、該転送ゲート電極107の電位が該第1導電型の表面半導体領域103の電位に対して相対的に低くなるよう、0.1V〜1.0Vの電位を印加する。
【0082】
図4は、このような固体撮像装置の動作を説明する図である。
【0083】
例えば、この固体撮像装置100aでは、半導体基板100の第1主面側に画素部151の周辺に位置するよう配置された周辺回路部(つまり、垂直走査回路153、水平走査回路152、信号処理回路154およびタイミング生成部156など)の1つにより、前記電荷蓄積期間には、0.1V〜1.0Vの負電圧が生成されて転送ゲート電極107に印加されるとともにFD部108に1V〜5Vの正電圧が印加され、かつ、前記画素部における前記第1導電型の表面半導体領域103の電位が、第1導電型のウェル領域104、第1導電型の裏面半導体領域101などを通じて該画素部151以外の周辺回路部の接地電位に固定される。
【0084】
図4(a)は、光電変換して信号電荷を蓄積する期間のポテンシャル分布を示している。
【0085】
信号電荷蓄積部108(FD部)に1V〜5Vの電圧を印加するとともに、転送ゲート電極107には接地電位より0.1V〜1.0V程度の負電位を与えることにより電荷蓄積領域102はその表面でのホール濃度が安定するよう電位固定され、ノイズ電荷発生が抑制される。また、電荷蓄積領域に集まった過剰電荷は、図4(a)におけるB−B’−B’’に示す経路でのポテンシャル勾配から第2導電型の信号電荷蓄積部(フィローティングディフュージョン部)108に排出される。
【0086】
また、電荷蓄積期間に光電変換素子に蓄積された信号電荷を第2導電型の信号電荷蓄積部(FD部)108に転送する電荷転送期間には、転送ゲート電極107と第1導電型の表面半導体領域103との間に、該転送ゲート電極107の電位が該第1導電型の表面半導体領域103の電位に対して相対的に高くなるよう正の電位差が与えられる。
【0087】
図4(b)は、信号電荷を転送する期間のポテンシャル分布を示している。
【0088】
転送ゲート電極107及びFD部108に2V〜5V程度の電源電圧を印加することにより、第1導電型の表面半導体領域(表面p領域)103および第2導電型の電荷蓄積領域102のポテンシャルが変調され、該第2導電型の電荷蓄積領域102に溜まった信号電荷は、図4(b)におけるC−C’−C’’に示す経路のポテンシャル勾配を辿ってFD部108に読みだされる。
【0089】
このように電荷蓄積期間に、転送ゲート電極107と第1導電型の表面半導体領域103との間に、該転送ゲート電極107の電位が該第1導電型の表面半導体領域103の電位に対して相対的に低くなるよう電位を印加することにより、第1導電型の表面半導体領域103での安定なホール濃度が確保され、熱的に発生したキャリア(電子)の寿命が短くなり、ノイズ電荷が低減される。
【0090】
次に本発明の実施形態1による固体撮像装置を製造する方法について図5および図6を用いて説明する。
【0091】
図5および図6は、本発明の実施形態1による固体撮像装置を製造する方法を説明する図であり、図5(a)〜図5(e)は、光電変換素子の形成工程および転送ゲート電極を構成するポリシリコン層の形成工程を説明する断面図を示している。図6(a)〜図6(e)は、転送ゲート電極を構成する反射膜の形成工程を説明する断面図を示している。
【0092】
まず、第1導電型の半導体基板(例えば、p型シリコン基板)100に素子分離領域105を形成する。この素子分離領域105は、上記第1導電型の半導体基板100の表面にトレンチを形成し、該トレンチに酸化物などの絶縁性材料を埋め込むことにより形成される。図2(a)では、太い実線が素子分離領域の境界を示している。
【0093】
その後、該第1導電型の半導体基板100にpウエル領域104を形成し、さらにpウエル領域104に光電変換素子の第2導電型の光電変換領域としてn型半導体領域101を形成し、さらにこのn型半導体領域101の表面領域に電荷転送部p領域109を形成する。
【0094】
次に、イオン注入保護膜113bを形成した後、図5(a)に示すように開口部120aを有するレジストマスク120を用いて、リン(P)あるいは砒素(As)などn型不純物を選択的にイオン注入することにより、光電変換素子であるフォトダイオードを構成する第2導電型の電荷蓄積領域102を形成する(図5(b))。
【0095】
続いて、図5(b)に示すように、同一レジストマスク120を用いてボロン(B)、BFなどのp型不純物を選択的にイオン注入することにより、第1導電型の表面半導体領域として表面p領域103を形成する。
【0096】
次に、上記レジストマスク120を除去した後、図5(c)に示すように半導体基板内に周辺回路部における半導体素子を構成する半導体領域を形成し、その後、イオン注入保護膜113bを除去し、表面にゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)113aを形成する。さらに、ポリシリコン等の電極材料を気相成長法により堆積し、この電極材料をプラズマエッチングなどのドライエッチング処理により異方性エッチングすることによりポリシリコンゲート層107aを形成する(図5(d))。
【0097】
このとき、ポリシリコンゲート層107aは図5(d)に示すように、表面p領域103、電荷転送部p領域109、およびこれらの領域を囲むpウエル領域104の半導体基板の表面側の面の上方を全て覆っている。
【0098】
続けて、開口部121aを有するレジストマスク121を用いて、ポリシリコンゲート層107aの開口部にリン(P)、砒素(As)などn型不純物のイオン注入を行うことにより、電荷読み出し領域となる第2導電型の信号電荷蓄積部(FD部)108を形成する(図5(e))。
【0099】
続いて、全面に絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜)131を形成した後、該絶縁膜をポリシリコンゲート層107aの表面が露出するようエッチバックする(図6(a))。
【0100】
その後、タングステンなどの高融点金属材料を堆積して高融点金属層107cを形成し(図6(b))、熱処理により該高融点金属層107cをシリサイド化して高融点金属シリサイド層107bを形成する(図6(c))。
【0101】
その後、高融点金属層107cおよびその下側のシリコン酸化膜131を選択的に除去して転送ゲート電極107を形成する(図6(d))。
【0102】
次に、層間絶縁膜(図示せず)を形成した後、コンタクト部111a,111bを形成し、配線層112a,112bを形成する。その後、上記p型シリコン基板100を支持基板に貼り合せる支持基板貼り合わせ工程、および該p型シリコン基板100の裏面側を研磨して該p型シリコン基板100を薄くするシリコン基板薄膜化工程を経て、n型半導体領域101の裏面側が露出した段階で、該n型半導体領域101の裏面に対して不純物を注入して熱処理を行う不純物注入及び熱処理工程により裏面p領域110を形成する(図6(e))。
【0103】
なお、上記2層構造の転送ゲートは、ポリシリコン層を形成した後、さらに金属シリサイド層を形成し、その後プラズマエッチングなどのドライエッチング処理により、これらの2層をパターニングして形成してもよい。
【0104】
次に、作用効果について説明する。
【0105】
本発明の実施形態1による固体撮像装置100aと従来の固体撮像装置1とでは、図2、図3と図13との対比から分かるように、転送ゲート電極の配置が異なっている。
【0106】
つまり、従来の固体撮像装置1(図13参照)では、転送ゲート電極32はn型電荷蓄積領域24と信号電荷蓄積部(電荷蓄積n領域)25の間の領域(つまり転送ゲート32に対するチャネル領域)にのみ形成されており、転送ゲート電極32は、光電変換素子(つまりフォトダイオード)を構成するn型電荷蓄積領域24を覆っていない。さらに、従来の固体撮像装置1では、転送ゲート電極32は、ポリシリコン膜の一層構造となっている。
【0107】
一方、本発明の実施形態1による固体撮像装置100aでは、転送ゲート電極107は、各画素の第1導電型の電荷転送領域(電荷転送部p領域)109の基板表面側の面の上方だけでなく、各画素の第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)102の基板表面側の面の上方全体を覆うよう形成されている(図3)。また、本実施形態1の固体撮像装置100aでは、転送ゲート電極107は、ポリシリコン層107aと、その表面を覆うよう反射膜として形成された高融点金属シリサイド層107bとの2層構造となっている。
【0108】
また、本発明に係る固体撮像装置100aとこれと対比される従来の固体撮像装置1とでは、図3と図13との対比から分かるように、第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)102の表面側に形成される第1導電型の表面半導体領域(表面p領域)103の不純物濃度が異なる。つまり、本発明の実施形態1による固体撮像装置100aでは、第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)102の表面側に形成される第1導電型の表面半導体領域103の不純物濃度が、従来の固体撮像装置1における表面半導体領域(表面p領域)23の濃度より低くなっている。
【0109】
このように本実施形態1による固体撮像装置100aでは、第2導電型の電荷蓄積領域102の第1主面側の面の上方が転送ゲート電極107で覆われているので、光電変換素子の第2導電型の電荷蓄積領域102が転送ゲート電極の形成プロセスでのプラズマエッチングによるダメージを受けることがなく、結晶欠陥に起因するノイズ電荷の発生を抑えることができる。
【0110】
このため、第2導電型の電荷蓄積領域102の表面領域に形成する第1導電型の表面半導体領域103の不純物濃度を低くしても白傷不良などを抑制することができ、第2導電型の電荷蓄積領域102に隣接する第1導電型の電荷転送領域109の不純物濃度を低く抑えることができる。これによりこの第1導電型の電荷転送領域109でのポテンシャルレベルの変動量を大きくすることができ、電荷転送効率を高めることができる。
【0111】
また、光電変換素子の第2導電型の電荷蓄積領域102、第1導電型の電荷転送領域109、および第2導電型の信号電荷蓄積部108を囲うpウェル領域104の半導体基板の表面側の面の上方を全て転送ゲート電極107で覆っているので、これらの領域は、転送ゲート電極の形成プロセスでのプラズマエッチングによるダメージを受けることがなく、これらの半導体領域の結晶性を良好なものとできる。
【0112】
また、前記転送ゲート電極107は、ポリシリコンゲート層107aとその表面を覆う高融点金属シリサイド層107bとから構成されているので、半導体基板100の裏面側から入射して該半導体基板100および転送ゲート電極107のポリシリコンゲート層107aを通過した光は、この転送ゲート電極107の高融点金属シリサイド層107bで反射されて再度半導体基板の内部に戻ることとなり、入射光の有効利用が可能となり、しかも、電荷転送部p領域109および表面p領域103の半導体基板の表面側の面の上方が全て該転送ゲート電極107に覆われているため、図13で説明した従来の固体撮像装置のように、転送ゲート電極32と反射膜43との間隙から、基板裏面側からの入射光が漏れる問題を回避できる。
【0113】
また、転送ゲート電極107は、ポリシリコンゲート層107aの表面に形成した高融点金属シリサイド層107bにより低抵抗化され、消費電力の低減を図ることも可能である。
【0114】
また、FD部(電荷蓄積n領域)108以外の半導体基板内の不純物領域を全て、転送ゲート電極形成前に形成するので、FD部108以外の半導体基板内の不純物領域は、転送ゲート電極の形成時のプラズマエッチングのダメージを受けていない状態で形成されることとなり、良好な結晶性を確保することができ、リーク電流などの特性劣化の原因を排除することができる。
【0115】
このように、光電変換素子の表面にゲート電極のエッチングによるプラズマダメージが入るのを回避でき、これにより、光電変換素子の表面にp領域を形成する必要がなくなる。
【0116】
このため、この表面p領域の形成に伴う注入ダメージを無くすことができ、また半導体基板100の表面側における、光電変換素子の表面p領域、および表面p領域から電荷転送部p領域への遷移領域を無くすことができる。つまり、光電変換素子の表面p領域から電荷転送部p領域への遷移領域が無くなることにより転送特性確保が容易となる。さらに光電変換素子の表面が転送ゲート電極で覆われることにより、電荷蓄積時にはホール濃度を高めることができる。具体的には、電荷蓄積時に転送ゲート電極に負バイアスを印加することにより、光電変換素子の表面p領域でのホール濃度を高めることができる。
【0117】
その結果、光電変換素子の表面でのノイズ電荷の発生を抑制できるだけでなく、発生したノイズ電荷の寿命を短くでき、ノイズ電荷による雑音抑制と光電変換素子での飽和電荷量の確保とを両立することができる。
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2による固体撮像装置を説明する図であり、図2(b)のA−A’線に相当する部分の断面図を示している。
【0118】
この実施形態2による固体撮像装置100bは、上記実施形態1による固体撮像装置100aにおける転送ゲート電極107に代えて、この転送ゲート電極107とは断面構造が異なる転送ゲート電極117を備えたものであり、その他の構成は、実施形態1の固体撮像装置100aと同一である。
【0119】
つまり、この実施形態2の固体撮像装置100bでは、転送ゲート電極117は、ゲート絶縁膜102上に形成されたポリシリコンゲート層117aと、その表面に形成された高融点金属シリサイド層117bと、該高融点金属シリサイド層117bの表面に形成された金属層117cとを含む多層構造を有している。ここで、高融点金属シリサイド層を構成する高融点金属材料としては、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルが用いられる。また、転送ゲート電極の金属層を構成する金属材料にも、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルが用いられる。
【0120】
なお、この実施形態2においても、転送ゲート電極117は、実施形態1の方法と同様にポリシリコン層および高融点金属シリサイド層を形成した後、この高融点金属上に選択的に金属層を形成することで形成してもよい。あるいは、3層構造の転送ゲート電極117は、ポリシリコン層を形成した後、さらに金属シリサイド層および金属層を順次を形成し、その後これらの3層をドライエッチングによりパターニングして形成してもよい。
【0121】
このような構成の固体撮像装置100bでは、転送ゲート電極117を、ポリシリコンゲート層117aと、その上の高融点金属シリサイド層117bと、その上の金属層117cとの3層構造としているので、転送ゲート電極117のさらなる低抵抗化を図ることができるとともに、半導体基板100の内部から外部に向かう光を、より高い反射率で反射して半導体基板100の内部に戻すことができる。
(実施形態3)
図8は、本発明の実施形態3による固体撮像装置を説明する図であり、図2(b)のA−A’線に相当する部分の断面図を示している。
【0122】
この実施形態3による固体撮像装置100cは、上記実施形態1による固体撮像装置100aにおける転送ゲート電極107に代えて、この転送ゲート電極107とは断面構造が異なる転送ゲート電極217を備えたものであり、その他の構成は、実施形態1の固体撮像装置100aと同一である。
【0123】
つまり、この実施形態3の固体撮像装置100cでは、転送ゲート電極217は、ゲート絶縁膜102上に形成されたポリシリコンゲート層217aと、その表面に形成された金属層217bとを含む多層構造を有している。ここで、転送ゲート電極217の金属層217bを構成する金属材料には、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルが用いられる。
【0124】
なお、この実施形態3においても、転送ゲート電極217は、実施形態1の方法と同様にポリシリコンゲート層をパターニングした後、このポリシリコンゲート層上に選択的に金属層を形成することで形成してもよい。あるいは、この実施形態3の2層構造の転送ゲート電極は、ポリシリコンゲート層を形成した後、さらに金属層を順次を形成し、その後これらの2層をドライエッチングによりパターニングして形成してもよい。
【0125】
このような構成の固体撮像装置100cでは、転送ゲート電極217を、ポリシリコンゲート層217aとその上の金属層217bとの2層構造としているので、比較的簡単な構造により転送ゲート電極217のさらなる低抵抗化を図ることができるとともに、半導体基板の内部から外部に向かう光を、より高い反射率で反射して半導体基板の内部に戻すことができる。
(実施形態4)
図9は、本発明の実施形態4による固体撮像装置を説明する図であり、図2(b)のA−A’線に相当する部分の断面図を示している。
【0126】
この実施形態4よる固体撮像装置100dは、上記実施形態1による固体撮像装置100aにおける転送ゲート電極107に代えて、この転送ゲート電極107とは断面構造が異なる転送ゲート電極317を備えたものであり、その他の構成は、実施形態1の固体撮像装置100aと同一である。
【0127】
つまり、この実施形態4の固体撮像装置100dでは、転送ゲート電極317は、金属層317による単層構造を有している。ここで、転送ゲート電極317を構成する金属材料には、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルが用いられる。
【0128】
なお、この実施形態4においても、転送ゲート電極317は、形成した金属層をドライエッチングによりパターニングして形成してもよい。
【0129】
このような構成の固体撮像装置100dでは、転送ゲート電極317を金属層による単層構造としているので、比較的簡単な構造により転送ゲート電極317のさらなる低抵抗化を図ることができるとともに、半導体基板の内部から外部に向かう光をより高い反射率で反射して半導体基板の内部に戻すことができる。
【0130】
なお、金属層317は上記の金属材料による多層構造であってもよく、この場合も低抵抗化を図ることができるとともに、半導体基板の裏面から入射した光を半導体基板の表面側で高い反射率で反射して半導体基板の内部に戻すことができる。
(実施形態5)
図10は、本発明の実施形態5による固体撮像装置を説明する平面図であり、図10(a)は、素子分離領域に対する不純物注入領域の配置を示し、図10(b)は素子分離領域に対する転送ゲート電極およびコンタクト部の配置を示している。
【0131】
図11は、図10(b)のA−A’線における断面図を示している。
【0132】
この実施形態5による固体撮像装置100eは、実施形態1による固体撮像装置100aにおける第1導電型の電荷転送領域(電荷転送部p領域)109および第2導電型の信号電荷蓄積部(電荷蓄積n領域)108の配置を変更したものである。
【0133】
つまり、この実施形態5の固体撮像装置100eでは、行方向に配列されている隣接する第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)102の間に第2導電型の信号電荷蓄積部(電荷蓄積n領域)108aを配置し、この信号電荷蓄積部108aと、対応する第2導電型の電荷蓄積領域102との間に、第1導電型の電荷転送領域(電荷転送部p領域)109aを配置したものであり、第1導電型の電荷転送領域109aは第2導電型の信号電荷蓄積部108aを囲むように配置されている。
【0134】
その他の構成は、実施形態1の固体撮像装置と同一である。
【0135】
なお、この実施形態5の固体撮像装置100eにおいても、帯状拡散領域131上には、2つのリセットトランジスタRt1およびRt2が形成され、リセット信号Rsが印加される2つのリセットゲート電極132がこの帯状拡散領域131と交差するようゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されている。これら帯状拡散領域131の2つのリセットゲート電極132の間の共通ドレイン領域にはコンタクト部134を介してドレイン信号Rdが印加される。また、一方のリセットトランジスタRt1のソース領域はコンタクト部133を介して第2導電型の信号電荷蓄積部(FD部)108aにつながる配線112bに接続されている。他方のリセットトランジスタRt2のソース領域は、図1に示す画素部151の1行目の画素と2行目の画素に共通の第2導電型の信号電荷蓄積部(FD部)に接続されている。
【0136】
また、帯状拡散領域141上には、2つの増幅トランジスタAt1およびAt2が形成され、増幅ゲート電極142がこの帯状拡散領域141と交差するようゲート絶縁膜(図示せず)を介して配置されている。これら帯状拡散領域141の2つの増幅ゲート電極142の間の共通ドレイン領域にはコンタクト部144を介して電源電圧Vd(例えば2.5V)が印加される。また、一方の増幅トランジスタAt1のソース領域はコンタクト部143を介して読み出し信号線Lrに接続されている。他方の増幅トランジスタAt2のソース領域もコンタクト部143を介して同一画素列に対応する読み出し信号線Lrに接続されている。さらに、一方の増幅トランジスタAt1の増幅ゲート電極142は、信号電荷蓄積部(FD部)108につながる配線112bに接続されている。他方の増幅トランジスタAt2のゲート電極は、図1に示す画素部151の5行目の画素と6行目の画素に共通の信号電荷蓄積部(FD部)に接続されている。
【0137】
次に、本実施形態5による固体撮像装置の作用効果について説明する。
【0138】
このような構成の固体撮像装置100eでは、第2導電型の信号電荷蓄積部(電荷蓄積n領域)108aは、実施形態1と同様、ポリシリコン層147aと、該ポリシリコン層147aの表面を覆うよう形成された高融点金属シリサイド層147bとの2層構造の転送ゲート電極147の開口147c内に位置しており、素子分離領域105と接しない。このため、平行して配置される転送ゲート電極(図10(b)では上下に隣接して配置されている転送ゲート電極)147をより近接して配置することが可能になり、画素面積の縮小が可能となる。
【0139】
また、図10(a)に示す画素部の配置では、第2導電型の信号電荷蓄積部(FD部)108aと素子分離領域105に付随するpウェル領域104とを離れて配置することが可能になり、電荷転送部p領域109aの低不純物濃度化が容易となる。
【0140】
つまり、実施形態1の固体撮像装置100aでは、第2導電型の信号電荷蓄積部108の左右両側にpウエル領域104が配置されているため、第1導電型の電荷転送領域109の幅は、第2導電型の信号電荷蓄積部108の幅に制約されることとなるのに対し、実施形態5の固体撮像装置100eでは、第2導電型の信号電荷蓄積部108aはpウエル領域104からは離れて配置されているので、光電変換素子の第2導電型の電荷蓄積領域102から第2導電型の信号電荷蓄積部108aに至る転送経路を含む電荷転送部p領域109aを第2導電型の信号電荷蓄積部108aの周囲を囲むよう配置することができる。
【0141】
このため、電荷転送部p領域109aの面積を増大させることができ、電荷転送部p領域109aの周囲に位置するpウエル領域104からの不純物拡散による電荷転送部p領域109aでの不純物濃度の増大を抑えることができる。このため、さらなる転送特性の向上が可能となる。
【0142】
また、前記転送ゲート電極147は、ポリシリコンゲート層147aとその表面を覆う高融点金属シリサイド層147bとから構成されているので、半導体基板100の裏面側から入射して半導体基板100およびポリシリコンゲート層147aを通過した光は、この転送ゲート電極147の高融点金属シリサイド層147bで反射されて再度半導体基板の内部に戻ることとなり、入射光の有効利用が可能となり、しかも、電荷転送部p領域109aおよび表面p領域103の基板表面側の面の上方全体が該転送ゲート電極147に覆われているため、図13で説明した従来の固体撮像装置のように、転送ゲート電極32と遮光膜93との間から、基板裏面側からの入射光が漏れるといった問題を回避できる。
【0143】
また、転送ゲート電極147は、ポリシリコンゲート層147aの表面に形成した高融点金属シリサイド層147bにより低抵抗化され、消費電力の低減を図ることも可能である。
【0144】
また、さらに、平行して配置される転送ゲート電極147をより近接して配置することが可能になり、画素面積の縮小が可能となる。
【0145】
また、上記実施形態1から5では、転送トランジスタは、半導体基板の第1主面上で転送トランジスタが占める領域から第1主面上で光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うよう配置されたゲート電極を、ゲート電極を構成する少なくとも1つの層を反射膜により構成したものを示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、転送トランジスタのゲート電極を構成する少なくとも1つの層の少なくとも一部が反射膜により構成されたものでもよい。このように特定の層において反射膜を「部分的」に形成する方法としては、任意の公知の方法(例えば、反射膜を構成する材料を堆積し、堆積した層を選択的にエッチングする方法)を用いることができる。
【0146】
また、反射膜は、転送トランジスタのゲート電極上に形成したものでもよい。この場合、転送トランジスタのゲート電極上に形成される反射膜は、転送トランジスタのゲート電極とは別物であり、転送トランジスタのゲート電極として機能するとは限らない。例えば、転送トランジスタのゲート電極上に形成される反射膜は、導電性を有しない絶縁性の反射膜でもよい。あるいは、転送トランジスタのゲート電極上に形成される反射膜は、導電性を有する反射膜(例えば、高融点金属シリサイド層、金属層)であってもよいが、この場合は、導電性の反射膜はゲート電極と絶縁されている必要がある。また、このような転送トランジスタのゲート電極上に反射膜を形成する方法としては、ゲート電極を形成した後にゲート電極上に絶縁性の反射膜を形成する方法や、ゲート電極を形成した後にゲート電極上に絶縁膜を介して導電性の反射膜を形成する方法を用いることができる。
【0147】
また、転送トランジスタのゲート電極上に形成された反射膜は、ゲート電極の全面に形成されたものに限定されず、ゲート電極上の少なくとも一部に形成されたものでもよい。このようにゲート電極上に反射膜を「部分的」に形成する方法としては、任意の公知の方法(例えば、反射膜を構成する材料を堆積し、堆積した層を選択的にエッチングする方法)を用いることができる。
【0148】
さらに、上記実施形態1ないし5では、特に説明しなかったが、上記実施形態1ないし5の固体撮像装置100a〜100eの少なくともいずれかを撮像部に用いた、例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの、画像入力デバイスを有した電子情報機器について以下簡単に説明する。
(実施形態6)
図12は、本発明の実施形態6として、実施形態1ないし5のいずれかの固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【0149】
図12に示す本発明の実施形態6による電子情報機器190は、本発明の上記実施形態1ないし5の固体撮像装置100a、100b、100c、100d、100eの少なくともいずれかを、被写体の撮影を行う撮像部191として備えたものであり、このような撮像部による撮影により得られた高品位な画像データを記録用に所定の信号処理した後にデータ記録する記録メディアなどのメモリ部192と、この画像データを表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示する液晶表示装置などの表示手段193と、この画像データを通信用に所定の信号処理をした後に通信処理する送受信装置などの通信手段194と、この画像データを印刷(印字)して出力(プリントアウト)する画像出力手段195とのうちの少なくともいずれかを有している。
【0150】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、固体撮像装置およびその製造方法、並びに電子情報機器の分野において、半導体層の、光電変換素子が形成された一方の面とは反対側の他方の面から入射した光を、一方の面に形成した反射膜により効率よく反射させることができ、これにより感度向上を図ることができる固体撮像装置およびその製造方法、並びに電子情報機器を実現することができる。
【符号の説明】
【0152】
100 第1導電型半導体基板
100a〜100e 固体撮像装置
101 第2導電型の光電変換領域(n型半導体領域)
102 第2導電型の電荷蓄積領域(n型半導体領域)
103 第1導電型の表面半導体領域(表面p領域)
104 第1導電型のウェル領域(pウェル領域)
105 素子分離領域
107、117、217、317 転送ゲート電極
108、108a 第2導電型の信号電荷蓄積部(電荷蓄積n領域)
109、109a 第1導電型の電荷転送領域(電荷転送部p領域)
110 裏面p領域
111a、111b コンタクト部
112a、112b 配線層
113a ゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)
113b イオン注入保護膜
120、121 レジスト
120a、121a レジスト開口部
190 電子情報機器
191 撮像部
192 メモリ部
193 表示手段
194 通信手段
195 画像出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の半導体基板内に形成され、入射光を光電変換することにより信号電荷を生成する光電変換素子を有し、該光電変換素子で生成された信号電荷を信号処理により画像信号に変換して出力する固体撮像装置であって、
該半導体基板の第1主面上に形成され、該光電変換素子で生成された信号電荷を該光電変換素子の外部へ転送する転送トランジスタを備え、
該転送トランジスタは、
該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うよう配置されたゲート電極を有し、
該転送トランジスタのゲート電極を構成する少なくとも1つの層の少なくとも一部が反射膜により構成されている、あるいは、該転送トランジスタのゲート電極上の少なくとも一部の領域に反射膜が形成されている固体撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記光電変換素子は、
前記第1主面とは反対側の前記半導体基板の第2主面から取り込んだ入射光を光電変換する第2導電型の光電変換領域と、
該第2導電型の光電変換領域での光電変換により生成された信号電荷を該第1主面側で蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域とを有し、
該転送トランジスタのゲート電極は、該第2導電型の電荷蓄積領域の該第1主面側の面の上方を覆うよう形成されている固体撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の固体撮像装置において、
前記光電変換素子から転送されてきた信号電荷を蓄積する第2導電型の信号電荷蓄積部と、
該第2導電型の電荷蓄積領域から該第2導電型の信号電荷蓄積部に該信号電荷を転送する第1導電型の電荷転送領域とを備え、
該第2導電型の電荷蓄積領域と該第2導電型の信号電荷蓄積部とが該第1導電型の電荷転送領域を挟んで隔てて配置されている固体撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の固体撮像装置において、
前記第2導電型の電荷蓄積領域と前記第2導電型の信号電荷蓄積部との間隔は、短チャネル効果が実質的に生じない最小の距離以上であり、かつ、該固体撮像装置における画素の集積度から許容される最大の距離以下である固体撮像装置。
【請求項5】
請求項3に記載の固体撮像装置において、
前記第2導電型の電荷蓄積領域と前記第2導電型の信号電荷蓄積部との間隔は、0.2μm〜1.0μmの範囲内である固体撮像装置。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれかに記載の固体撮像装置において、
前記第1導電型の半導体基板内に形成された第1導電型のウェル領域と、
該第2導電型の電荷蓄積領域の前記第1主面側に該第2導電型の電荷蓄積領域を覆うよう形成した第1導電型の表面半導体領域とを備え、
該第1導電型の表面半導体領域は、該第1導電型の電荷転送領域の不純物濃度を超え、かつ該第1導電型のウェル領域の不純物濃度以下の不純物濃度を有する固体撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の固体撮像装置において、
前記第1導電型のウェル領域は、前記第2導電型の電荷蓄積領域、前記第1導電型の電荷転送領域および前記第2導電型の信号電荷蓄積部を構成する領域を囲むよう形成されている固体撮像装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の固体撮像装置において、
前記転送トランジスタのゲート電極は、前記第1主面上で前記第1導電型のウェル領域が占める領域を覆うよう形成されている固体撮像装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像装置において、
前記転送トランジスタのゲート電極は、ポリシリコン層と、その表面に前記反射膜として形成された高融点金属シリサイド層とを含む多層構造を有する固体撮像装置。
【請求項10】
請求項9に記載の固体撮像装置において、
前記転送トランジスタのゲート電極の高融点金属シリサイド層を構成する高融点金属材料は、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルである固体撮像装置。
【請求項11】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像装置において、
前記転送トランジスタのゲート電極は、ポリシリコン層と、その表面に前記反射膜として形成された金属層とを含む多層構造を有する固体撮像装置。
【請求項12】
請求項11に記載の固体撮像装置において、
前記転送トランジスタのゲート電極の金属層を構成する金属材料は、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルである固体撮像装置。
【請求項13】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像装置において、
前記転送トランジスタのゲート電極は、ポリシリコン層と、その表面に形成された高融点金属シリサイド層と、該高融点金属シリサイド層の表面に形成された金属層とを含む多層構造を有し、該高融点金属シリサイド層および該金属層は前記反射膜として形成されている固体撮像装置。
【請求項14】
請求項13に記載の固体撮像装置において、
前記転送トランジスタのゲート電極の高融点金属シリサイド層を構成する高融点金属材料は、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルであり、
前記転送トランジスタのゲート電極の金属層を構成する金属材料は、タングステン、コバルト、チタン、モリブデン、ハフニウム、プラチナあるいはニッケルである、固体撮像装置。
【請求項15】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像装置において、
前記転送トランジスタのゲート電極は、高融点金属層からなる単層構造を有する固体撮像装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の固体撮像装置を製造する方法であって、
前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、
該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、
該転送トランジスタを形成する工程は、
該転送トランジスタのゲート電極の構成材料を該第1主面上に堆積する工程と、
堆積したゲート電極の構成材料を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うようゲート電極を形成する工程とを含み、
該ゲート電極を形成する工程が、該ゲート電極を構成する少なくとも1つの層の少なくとも一部として前記反射膜を形成する工程を含む、あるいは、前記固体撮像装置を製造する方法が、該転送トランジスタのゲート電極上の少なくとも一部の領域に前記反射膜を形成する工程を含む、固体撮像装置の製造方法。
【請求項17】
請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像装置を製造する方法において、
前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、
該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、
該転送トランジスタを形成する工程は、
該転送トランジスタのゲート電極の構成材料を該第1主面上に堆積する工程と、
堆積したゲート電極の構成材料を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うようゲート電極を形成する工程と、
前記転送トランジスタのゲート電極をマスクとしてイオン注入を行って前記第2導電型の信号電荷蓄積部を形成する工程とを含む、固体撮像装置の製造方法。
【請求項18】
請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像装置の製造方法において、
前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、
該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、
前記光電変換素子を形成する工程は、
前記第1導電型の半導体基板内に前記第2導電型の電荷蓄積領域を形成する工程と、
前記第2導電型の電荷蓄積領域の前記第1主面側に該第2導電型の電荷蓄積領域を覆うよう前記第1導電型の表面半導体領域を形成する工程とを含み、
前記第2導電型の電荷蓄積領域と該第1導電型の表面半導体領域とは、同一のイオン注入マスクを用いた不純物導入により形成する固体撮像装置の製造方法。
【請求項19】
請求項9に記載の固体撮像装置を製造する方法であって、
前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、
該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、
前記転送トランジスタを形成する工程は、
前記ポリシリコン層を該第1主面上に堆積する工程と、
堆積したポリシリコン層を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うようポリシリコンゲート層を形成する工程と、
該ポリシリコンゲート層の表面に高融点金属シリサイド層を形成する工程とを含む、固体撮像装置の製造方法。
【請求項20】
請求項11に記載の固体撮像装置を製造する方法であって、 前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、
該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、
前記転送トランジスタを形成する工程は、
前記ポリシリコン層を該第1主面上に堆積する工程と、
堆積したポリシリコン層を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うようポリシリコンゲート層を形成する工程と、
該ポリシリコンゲート層の表面に金属層を形成する工程とを含む、固体撮像装置の製造方法。
【請求項21】
請求項13に記載の固体撮像装置を製造する方法であって、
前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、
該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、
前記転送トランジスタを形成する工程は、
前記ポリシリコン層、高融点金属シリサイド層および金属層を順次該第1主面上に堆積する工程と、
堆積したポリシリコン層、高融点金属シリサイド層および金属層を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うよう、ポリシリコン層、高融点金属シリサイド層および金属層を含む多層構造のゲート電極を形成する工程とを含む、固体撮像装置の製造方法。
【請求項22】
請求項15に記載の固体撮像装置を製造する方法であって、
前記光電変換素子を前記第1導電型の半導体基板内に形成する工程と、
該第1導電型の半導体基板の前記第1主面側に前記転送トランジスタを形成する工程とを含み、
該転送トランジスタを形成する工程は、
前記高融点金属層を該第1主面上に形成する工程と、
形成した高融点金属層を選択的にエッチングして、該第1主面上で該転送トランジスタが占める領域から該第1主面上で該光電変換素子が占める領域に跨ってこれらの領域の上方を覆うよう高融点金属層からなるゲート電極を形成する工程とを含む、固体撮像装置の製造方法。
【請求項23】
請求項1から請求項15のいずれかに記載の固体撮像装置を含む電子情報機器。

【図1】
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【図12】
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【図13】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−30510(P2013−30510A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163613(P2011−163613)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】