説明

固体撮像装置およびスミア補正方法

【課題】 新たな遮光手段を備えることなく、スミアによる影響を効果的に除去する固体撮像装置およびスミア補正方法を提供する。
【解決手段】 ディジタルプロセス回路14は、固体撮像素子1のブランキング期間における画像信号を複数の水平ラインの画素の形で入力し、画像信号の平均値を、画素の水平アドレスごとに求める。また、固体撮像素子1のブランキング期間における画像信号から算出された輝度レベルをもとに、利得量を算出し、AGC12等の制御を行う。システムコントローラ15は、この利得量を所定のしきい値と比較し、利得量がしきい値より大きい場合はスミア補正を行わないよう制御し、利得量がしきい値以上である場合は、求めた平均値を、撮像画像の画像信号の同じ水平アドレスの画素から減算することによってスミア補正を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、効果的に、スミアによる影響を除去するためにスミア補正を行う固体撮像装置、およびスミア補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCD撮像素子のような固体撮像素子においては、強烈な光が入射したときに発生するスミア現象による画質劣化が問題となっている。スミアは、たとえばCCD撮像素子を用いた固体撮像装置で、太陽や夜間における明るい照明などの強い光源が含まれる静止画、あるいは動画を撮った際に、垂直方向に筋のような光が発生するという現象のことである。
【0003】
このようなCCD撮像素子で電子シャッターを用いる場合、CCD撮像素子は、いつも光にさらされており、その状態で、所定のボタンが押されると、超高速で電子シャッターを開き、受光素子で光を電荷に変換し、最終的には、それらが画像信号として保存される。
【0004】
この電子シャッターは、CCD撮像素子単体の動きを利用するので、シャッター速度が速いというメリットがある反面、電荷の垂直転送中にCCD撮像素子が強い光に晒されると、その光がCCD撮像素子に入射し、その光による電荷が蓄積されていた電荷に加えられる。そうすると、垂直レジスタに電荷が漏れ出し、このことによってスミア、すなわち垂直方向の光の筋が発生する。
【0005】
上記スミアを補正する方法として、特許文献1の方法が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−67038号公報
【0007】
上記特許文献1の方法は、スミアが撮像素子の垂直方向にほぼ同レベルで生じることに着目して、垂直ブランキング期間における垂直方向の、光学的黒の画素部分、または画素蓄積部が無い部分の出力レベルをスミア除去基準信号として、これを有効画像信号から減じる方法である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の方法では、被写体の輝度レベルが低い場合は、固体撮像装置の自動利得制御により、撮像素子出力信号のアナログゲインが増加し、垂直ブランキング期間の信号のノイズ成分が増加する。また、スミア成分が極めて小さい場合、またはスミアが発生していない場合、垂直ブランキング期間の信号は、ノイズ成分の占める割合が大きくなる。そのため、これらの場合には、算出されるスミア除去基準信号はノイズを多く含むことになり、この信号を有効画像信号から減算すると縦筋状のノイズとして撮像画像に現れ、却って画質の劣化を招く。
【0009】
また、スミアの発生を防止するために、上記電子シャッターに加えて、メカニカルシャッターを併用することも考えられる。メカニカルシャッターは、レンズに当たる光を板等によって物理的に遮って、CCD撮像素子に光りが入射しないようにする機構である。
【0010】
しかしながら、たとえば、カメラ付き携帯電話のように、こうしたメカニカルシャッター等の遮光手段を備えることが物理的に困難なカメラシステムも存在するため、メカニカルシャッター等を利用せずにスミアによる影響を除去する仕組みが依然として求められている。
【0011】
したがって、この発明の目的は、新たな遮光手段を備えることなく、スミアによる影響を効果的に除去する固体撮像装置およびスミア補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の実施態様に係る発明は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、前記スミア成分を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段と、前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御手段とを有するように構成される固体撮像装置である。
【0013】
第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様に係る発明において、固体撮像素子がCCD撮像素子であるように構成される固体撮像装置である。
【0014】
第3の実施態様に係る発明は、第1の実施態様に係る発明において、前記第1の画像信号は、それぞれが複数の画素を有する少なくとも1つの水平ラインから提供され、前記スミア成分検出手段は、前記第1の画像信号から、前記画素の水平アドレスごとに1画素分の信号値を求め、前記信号値を前記水平アドレスに関するスミア成分とするように構成される固体撮像装置である。
【0015】
第4の実施態様に係る発明は、第3の実施態様に係る発明において、補正手段が、スミア成分を、同じ水平アドレスの第2の画像信号から減ずるように構成される固体撮像装置である。
【0016】
第5の実施態様に係る発明は、第1の実施態様に係る発明において、制御手段が、輝度レベルが所定のレベルより小さい場合は、スミア補正を行わず、輝度レベルが所定のレベル以上の場合は、スミア補正を行うように決定するよう構成される固体撮像装置である。
【0017】
第6の実施態様に係る発明は、第1の実施態様に係る発明において、輝度レベルに基づいて利得量が決定され、利得量が所定のレベルより大きい場合は、スミア補正を行わず、利得量が所定のレベル以下の場合は、スミア補正を行うように決定するよう構成される固体撮像装置である。
【0018】
第7の実施態様に係る発明は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子の水平方向に延びる光学的黒の画素部分から得られる第1の画像信号に基づいてスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、前記スミア成分を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段と、前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御手段とを有するように構成される固体撮像装置である。また、この実施態様に係る発明は、上述の第2ないし第6の実施態様に係る発明における特徴を加えた構成とすることができる。
【0019】
第8の実施態様に係る発明は、固体撮像素子と、固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成手段と、補正値を固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段とを有するように構成される固体撮像装置である。
【0020】
第9の実施態様に係る発明は、第8の実施態様に係る発明において、固体撮像素子がCCD撮像素子であるように構成された固体撮像装置である。
【0021】
第10の実施態様に係る発明は、第8の実施態様に係る発明において、前記第1の画像信号は、それぞれが複数の画素を有する少なくとも1つの水平ラインから提供され、前記スミア成分検出手段は、前記第1の画像信号から、前記画素の水平アドレスごとに1画素分の信号値を求め、前記信号値を前記水平アドレスに関するスミア成分とするように構成された固体撮像装置である。
【0022】
第11の実施態様に係る発明は、第10の実施態様に係る発明において、補正手段が、補正値を、対応するスミア成分の水平アドレスと同じ水平アドレスの第2の画像信号から減ずるように構成される固体撮像装置である。
【0023】
第12の実施態様に係る発明は、第8の実施態様に係る発明において、補正値生成手段が、スミア成分の絶対値が所定の値以下の場合には、補正値を0とするように構成される固体撮像装置である。
【0024】
第13の実施態様に係る発明は、第12の実施態様に係る発明において、補正値生成手段が、スミア成分の絶対値が所定の値より大きい場合には、スミア成分の絶対値を所定の値だけ減じて補正値とするように構成される固体撮像装置である。
【0025】
第14の実施態様に係る発明は、固体撮像素子と、固体撮像素子の水平方向に延びる光学的黒の画素部分から得られる第1の画像信号に基づいてスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成手段と、補正値を固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段とを有するように構成される固体撮像装置である。また、この実施態様に係る発明は、上述の第9ないし第13の実施態様に係る発明における特徴を加えた構成とすることができる。
【0026】
第15の実施態様に係る発明は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、前記スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成手段と、前記補正値を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段と、前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御手段とを有するように構成される固体撮像装置である。
【0027】
第16の実施態様に係る発明は、固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出ステップと、前記スミア成分を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップと、前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御ステップとを有するように構成されるスミア補正方法である。
【0028】
第17の実施態様に係る発明は、第16の実施態様に係る発明において、固体撮像素子がCCD撮像素子であるように構成される補正方法である。
【0029】
第18の実施態様に係る発明は、第16の実施態様に係る発明において、前記第1の画像信号は、それぞれが複数の画素を有する少なくとも1つの水平ラインから提供され、前記スミア成分検出ステップは、前記第1の画像信号から、前記画素の水平アドレスごとに1画素分の信号値を求め、前記信号値を前記水平アドレスに関するスミア成分とするように構成されるスミア補正方法である。
【0030】
第19の実施態様に係る発明は、第18の実施態様に係る発明において、補正ステップが、スミア成分を、同じ水平アドレスの第2の画像信号から減ずるように構成されるスミア補正方法である。
【0031】
第20の実施態様に係る発明は、第16の実施態様に係る発明において、制御ステップが、輝度レベルが所定のレベルより小さい場合は、スミア補正を行わず、輝度レベルが所定のレベル以上の場合は、スミア補正を行うように決定するよう構成されるスミア補正方法である。
【0032】
第21の実施態様に係る発明は、第16の実施態様に係る発明において、輝度レベルに基づいて利得量が決定され、利得量が所定のレベルより大きい場合は、スミア補正を行わず、利得量が所定のレベル以下の場合は、スミア補正を行うように決定するよう構成されるスミア補正方法である。
【0033】
第22の実施態様に係る発明は、固体撮像素子の水平方向に延びる光学的黒の画素部分から得られる第1の画像信号に基づいてスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出ステップと、前記スミア成分を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップと、前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御ステップとを有するように構成されるスミア補正方法である。また、この実施態様に係る発明は、上述の第17ないし第21の実施態様に係る発明における特徴を加えた構成とすることができる。
【0034】
第23の実施態様に係る発明は、固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成ステップと、補正値を固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップとを有するように構成されるスミア補正方法である。
【0035】
第24の実施態様に係る発明は、第23の実施態様に係る発明において、固体撮像素子がCCD撮像素子であるように構成されるスミア補正方法である。
【0036】
第25の実施態様に係る発明は、第23の実施態様に係る発明において、前記第1の画像信号は、それぞれが複数の画素を有する少なくとも1つの水平ラインから提供され、前記スミア成分検出ステップは、前記第1の画像信号から、前記画素の水平アドレスごとに1画素分の信号値を求め、前記信号値を前記水平アドレスに関するスミア成分とするように構成されるスミア補正方法である。
【0037】
第26の実施態様に係る発明は、第25の実施態様に係る発明において、補正ステップが、補正値を、対応するスミア成分の水平アドレスと同じ水平アドレスの第2の画像信号から減ずるように構成されるスミア補正方法である。
【0038】
第27の実施態様に係る発明は、第23の実施態様に係る発明において、補正値生成ステップが、スミア成分の絶対値が所定の値以下の場合には、補正値を0とするように構成されるスミア補正方法である。
【0039】
第28の実施態様に係る発明は、第27の実施態様に係る発明において、補正値生成ステップが、スミア成分の絶対値が所定の値より大きい場合には、スミア成分の絶対値を所定の値だけ減じて補正値とするように構成されるスミア補正方法である。
【0040】
第29の実施態様に係る発明は、固体撮像素子の水平方向に延びる光学的黒の画素部分から得られる第1の画像信号に基づいてスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成ステップと、補正値を固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップとを有するように構成されるスミア補正方法である。また、この実施態様に係る発明は、上述の第24ないし第28の実施態様に係る発明における特徴を加えた構成とすることができる。
【0041】
第30の実施態様に係る発明は、固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出ステップと、前記スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成ステップと、前記補正値を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップと、前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御ステップとを有するように構成されるスミア補正方法である。
【0042】
このような発明により、検出された被写体の輝度レベルが低い場合に、スミア補正が行われないように制御される。また、検出されたスミア成分が極めて小さい場合、およびスミアが実質的に発生していない場合にも、スミア補正が行われないように制御される。
【発明の効果】
【0043】
この発明によって、被写体の輝度レベルが低い場合、スミア成分が極めて小さい場合、およびスミアが発生していない場合に、垂直ブランキング期間の信号から算出される算出されるスミア除去基準信号によってスミア補正を行うことを抑止し、縦筋状のノイズが撮像画像に現れるといった、スミア補正による悪影響を防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
最初に、この発明の一実施形態に係る固体撮像装置で用いるCCD撮像素子の構成について、図1を参照して説明する。CCD撮像素子1のセンサー領域は、撮像エリアである有効画素部分2、垂直方向の黒基準を判定するための画素部分3、および水平方向の黒基準を判定するための画素部分5から成る。
【0045】
この例では、画素部分3は、有効画素部分2の上側に配置され、たとえば、垂直方向に隣接する12本の水平ライン4から構成される。一方、画素部分5は、有効画素部分2の右側に配置され、たとえば、各ラインにおいて、水平方向に隣接する40個の画素から構成される。
【0046】
画素部分3および画素部分5は、センサー上に遮光幕を設けた構造となっており、いずれも、光学的黒の画素部分となる。垂直ブランキング期間中の信号(光学的黒信号、もしくは空転送信号)にもスミア成分が現れるが、これは、有効画素部分2の画像信号の垂直転送中に強い光があたった場合に電荷が漏れ込むためである。
【0047】
有効画素部分2の下部には、水平シフトレジスタ6が設けられる。水平シフトレジスタ6には、垂直転送された各画素からの電荷が提供され、これらの電荷は、水平シフトレジスタ6を介して水平転送される。
【0048】
次に、この発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成を、図2のブロック図を参照して説明する。図示した固体撮像装置10は、図1で示したようなCCD撮像素子1、S/H(サンプルホールド回路:Sample/Hold)11、AGC(アナログ信号の利得回路)12、ADC(アナログ−ディジタル変換回路)13、ディジタルプロセス回路14、システムコントローラ15、記録部16、および表示部17を備えている。
【0049】
システムコントローラ15は、固体撮像装置10の全体制御を行っている。また、システムコントローラ15は、ディジタルプロセス回路14を制御して、CCD撮像素子1に駆動信号を送信し、CCD撮像素子1の動作を制御する。
【0050】
CCD撮像素子1から出力される画像信号は、S/H11に送信され、そこでサンプルホールド処理が行われる。S/H11から出力されたアナログ信号は、AGC12によって増幅され、ADC13によってディジタル化される。ADC13から出力された画像ディジタル信号は、次にディジタルプロセス回路14に入力され、そこで、各種信号処理が行われた後、必要に応じて、記録部16に記録され、または表示部17に表示される。
【0051】
ここで、記録部16は、たとえば、RAM(Random Access Memory)のようなメモリ、ハードディスクのような外部記憶装置、またはCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)のような外部記録媒体であり、表示部17は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)のような表示装置である。
【0052】
この発明では、主として、ディジタルプロセス回路14、およびシステムコントローラ15が協働して、スミア検出およびスミア補正のための処理を行う。また、ディジタルプロセス回路14は、画像ディジタル信号から各画素に関する輝度を検出し、システムコントローラ15は、出力画像の輝度レベルが最適となるように、この輝度の検出値に基づいて固体撮像装置10全体の利得量を算出する。この利得量、すなわち、出力画像の輝度補正ゲインは、たとえば、輝度の検出値が小さい場合は大きな値をとり、輝度の検出値が大きい場合は小さい値をとるように制御される。
【0053】
こうして算出された利得量が得られるように、システムコントローラ15はAGC12を制御する。また、CCD撮像素子1のシャッタスピード等の、AGC12以外の利得もシステムコントローラ15で制御される。ディジタルプロセス回路14は、輝度の検出値を用いてシステムコントローラ15により算出された値をもとに、制御信号を出力して設定を行う。
【0054】
スミア検出は、ADC13から出力された画像ディジタル信号のうち、画素部分3、すなわち、光学的黒の画素部分からの信号を用いて行われる。こうした画素部分3の信号は、垂直ブランキング期間内にCCD撮像素子1から提供されたものである。一方、スミア補正は、スミア検出によって得られたスミア成分を、所定の条件を満たす場合に、有効画像信号から減算することにより実現される。
【0055】
スミア検出においては、上述した特許文献1の方法と同様、垂直ブランキング期間中の複数の信号(各水平ライン4の信号)について、それぞれ同じ水平アドレスの画素データを積算し、それぞれの積算値を蓄積した信号の数で割る。このことによって、CCD撮像素子1の各水平アドレスの画素について平均値が求まり、これをスミア成分(スミア検出値)とする。複数の信号(水平ライン)の平均値をとっているのは、スミア成分の値のバラツキを防止するためである。
【0056】
上述の平均値は、画素部分3のすべての水平ライン4を用いて行う必要は必ずしもなく、一部の水平ラインについて平均をとるように設計することもでき、場合によっては、積算および平均をせずに、所定の1本の水平ライン4についてのみ、スミア成分(信号値)を求めるようにすることも可能である。
【0057】
図1に示す例では、画素部分3は12本の水平ライン4からなり、1本の水平ライン4は、たとえば1280の画素から構成される。スミア検出では、これらの12本の水平ライン4の信号をそれぞれ入力し、水平アドレスごとに画素データを積算する。すなわち、1本の水平ライン4には、1番目から1280番目までの画素があり、第1の水平ライン4の信号を入力した際に、1番目の画素の値は、対応する1番目の積算領域に記憶され、2目番目の画素の値は、対応する2番目の積算領域に記憶され、以降同様の処理が行われて、1280番目の画素の値は、対応する1280番目の積算領域に記憶される。
【0058】
次に、第2の水平ライン4の信号を入力した際に、1番目の画素の値は、対応する1番目の積算領域に積算され、1番目の積算領域では第1の水平ライン4の1番目の画素の値と、第2の水平ライン4の1番目の画素の値が加算されることになる。以降、同様の処理が繰り返され、1280番目の画素の値は、対応する1280番目の積算領域に積算される。
【0059】
上記のような、水平ライン4ごとの処理が第12の水平ライン4まで繰り返される。その結果、1番目の積算領域には第1から第12の水平ライン4の1番目の画素の値の合計が記憶される。以降、同様に、2番目から1280番目の積算領域には、12の水平ライン4の該当する画素の値の合計が記憶される。
【0060】
図3は画素ごとの画像信号の大きさ(輝度レベル)を表したグラフであり、縦軸は、画像信号の大きさであり、横軸は、画素の水平アドレス(1番目の画素から1280番目の画素まで)を表している。上記積算処理の結果、図3の線Aは、12本の水平ライン4の画像信号が累積されたものを示しており、この累積は、上述のように画素ごとに行われる。線Bは、線Aで示された信号値を、累積した水平ライン4の数(すなわち、この場合12)で割ったものであり、これによって、画像信号の平均値が求められ、これを、水平アドレスの画素についてのスミア成分とする。
【0061】
この発明の第1の実施形態においては、システムコントローラ15によって算出された固体撮像装置10全体の利得量に基づき、スミア補正の制御を行う。この利得量が、あらかじめ設定された所定のしきい値より大きい場合はスミア補正を行わない、すなわち、スミア補正処理における減算値を0とする。
【0062】
一方、利得量が上記所定のしきい値以下の場合は、通常のスミア補正を実施する。これは、利得量が大きい、すなわち被写体の輝度レベルが小さい場合は、スミアを引き起こす強烈な光がCCD撮像素子1に入射していないと判断できるからである。
【0063】
ここで、図4を参照して、スミア検出とスミア補正をより詳細に説明する。図4は、ディジタルプロセス回路14内の構成を示すブロック図である。ディジタルプロセス回路14は、積分回路21、ラインメモリ22、平均値算出回路23、補正値選択回路24、遅延回路25、および減算回路26を備えている。
【0064】
ディジタルプロセス回路14は、垂直ブランキング期間中に、ADC13から、CCD撮像素子1の画素部分3に含まれる水平ライン4の画素ディジタル信号を受け取り、積分回路21に渡す。水平ライン4の各画素データは、たとえば、垂直ブランキング期間中に、12ライン分送信され、積分回路21は順にこれを受信する。積分回路21は、画素データを1ライン分受信すると、画素の水平アドレスごとにラインメモリ22に累積する。これによって、CCD撮像素子1の12本の水平ライン4の左端の画素(1番目の画素)が合計され、右端(たとえば、1280番目の画素)まで、同様の累積が行われる。
【0065】
積分回路21による画素ごとの累積が終了すると、各累積値は平均値算出回路23に渡され、そこで、各画素の水平アドレスの累積値が、累積した水平ライン4の数(ここでは、12)で除算され、平均値が求められる。平均値は、画素ごとに行われるので、この場合は1280個の平均値が存在する。これらの平均値をスミア成分(スミア検出値)とする。垂直ブランキング期間中に入力する画像信号は、光学的黒の画素部分であるため、上記の平均値は0となるのが通常であるが、スミア発生時はあるレベルの信号が発生する。
【0066】
ここで、最終的に補正値(減算値)として、どのような値を使用するかは、システムコントローラ15の制御による。そこで、システムコントローラ15の処理を、図5のフローチャートを参照して説明する。最初に、システムコントローラ15は、出力画像の輝度レベルが最適となるように、ディジタルプロセス回路14によって検出された輝度に基づいて固体撮像装置10全体の利得量を算出する(ステップS1)。そして、システムコントローラ15は、その算出された利得量を所定のしきい値と比較し(ステップS2)、その利得量が所定のしきい値より大きい場合(ステップS2のYES)は、補正値選択回路24に対し、補正値を0とするよう制御信号を送信する(ステップS3)。逆に、利得量が上記所定のしきい値以下の場合(ステップS2のNO)は、補正値選択回路24に対し、補正値として、平均値算出回路23からの出力を使用するよう制御信号を送信する(ステップS4)。
【0067】
その後、補正値選択回路24において選択された補正値は、減算回路26に提供される。補正値選択回路24で、平均値算出回路23からの出力を使用するように制御されている場合、補正値は画素ごとに異なったものである。これは、スミア成分と判定された平均値が画素(水平アドレス)ごとに異なるからである。
【0068】
また、ADC13からは、遅延回路25を介して、CCD撮像素子1の有効画素部分2の画素データがディジタル信号として減算回路26に提供される。ここで、減算回路26は、補正値選択回路24から与えられた補正値を、遅延回路25を介して提供された画素データから減算する。ここで、画素データは、画素の水平アドレスによって水平ライン上の各画素に対応付けられ、それぞれ、CCD撮像素子1の画素から得られる電荷および、垂直転送中に垂直レジスタに漏れ出した電荷に基づいて生成される。
【0069】
減算回路26は、ある水平アドレスに関する補正値を受信した場合、その水平アドレスに対応する画素データから、当該補正値を減算する。たとえば、図3の例では、水平ライン上600番目付近の画素データにおいてスミアによる影響が認められ、これらの画素データの信号が大きくなっている。この場合、上述のように、画素部分3の画像信号から、水平ライン上600番目の画素付近に対応する補正値が補正値選択回路24から与えられ、これらを、遅延回路25からされる有効画素部分2の画素データから減算することによって、効果的なスミア補正が行われる。
【0070】
補正の対象は、CCD撮像素子1の有効画素部分2の画素データであるが、補正値を求めた垂直ブランキング期間の前の期間に送信された有効画素部分2の画素データを補正の対象とするか、後の期間に送信された有効画素部分2の画素データを補正の対象とするかは任意に決定されうる。また、垂直ブランキング期間の前後の有効画素部分2の画素データ双方に対して、所定の割合の補正値を減算するよう制御することもできる。
【0071】
また、補正値として0が指定されている場合、遅延回路25を介して提供された各画素のデータはそのまま出力される。
【0072】
減算回路26から出力された画像信号(データ)は、各種信号処理が施された後に、記録部16に記録され、または表示部17に表示される。
【0073】
なお、このようなスミア補正の有無を判定する基準としては、システムコントローラ15で制御する他のパラメータ、たとえば、AGC12の設定利得量や、CCD撮像素子1のシャッター時間等を利用することもできる。AGC12の利得量が、設定したしきい値より大きい場合、または、CCD撮像素子1のシャッター時間が、設定したしきい値より長い場合には、スミア補正処理における減算値を0とする。これは、AGC12の利得量が、設定したしきい値より大きい場合、または、CCD撮像素子1のシャッター時間が、設定したしきい値より長い場合には、被写体の輝度が低く、スミアを引き起こす強烈な光が入射していないと判断できるからである。
【0074】
これらの制御により、実質的にスミアが発生していない場合に、スミア補正を行わないようにすることができ、これによりスミア検出手段による検出値がノイズ成分を多く含む場合に検出値を有効画像信号から減算することによる縦筋ノイズの発生を防ぐことが可能である。
【0075】
このように、平均値算出回路23から提供された平均値を補正値として採用するか否かは、実質的に、システムコントローラ15によって把握される画像信号の輝度レベルに応じて行われる。輝度レベルが所定のレベルより小さければ、補正自体が行われないように制御される。
【0076】
これまで、図2および図4に示す構成例に基づいて、スミア検出およびスミア補正について説明してきたが、この発明の処理が、他の多くの構成によって実現可能である。したがって、この発明の範囲を例示の構成のみに限定して判断すべきではない。
【0077】
また、この発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の構成は、前述した第1の実施形態の構成と同様のものである。しかしながら、第2の実施形態においては、検出したスミア成分の絶対値が小さい場合に、スミア補正を行わないように制御し、これによって、同様に低輝度時の縦筋ノイズの発生を防ぐことができる。
【0078】
図6の点線Cは、スミア検出値が、そのままスミア補正の補正値として使用されることを示している。一方、実線Dは、スミア検出値が、設定した2つのしきい値E1とE2の間にある場合は、スミア補正の補正値を0とし(すなわち、スミア補正は行われない)、それ以外の場合、スミア検出値がしきい値E1より大きい場合は、スミア検出値からしきい値E1の値を減算した値を補正値とし、スミア検出値がしきい値E2より小さい場合は、スミア検出値からしきい値E2を減算した値を補正値とする。言い換えれば、スミア検出値の絶対値が所定の値より小さい場合は、補正値を0とし、そうでない場合は、スミア検出値の絶対値から所定の値を減じた値(スミア検出値の符号はそのまま)を補正値とする。
【0079】
こうした補正値の生成パターンには、このほかにもいくつか変形例が考えられる。たとえば、スミア検出値の絶対値が所定の値以上の場合は、所定の値を減じることなくそのまま補正値とすることができる。また、上述した図6の例では、しきい値E1は正の数、しきい値E2は負の数で、たがいに絶対値が等しいものとして示されているが、異なる絶対値をとるように設定することもできる。
【0080】
このような制御は、主としてディジタルプロセス回路14によって行われる。しかしながら、この実施形態においては、ディジタルプロセス回路14内の補正値選択回路は、前述した第1の実施形態の補正値選択回路とは異なる機能を有する。図7には、当該異なる機能を有した補正値選択回路28を含んだディジタルプロセス回路14’が示されている。この補正値選択回路28は、平均値算出回路23から受信した平均値(スミア検出値)をもとに補正値を決定し、これを減算回路26に提供する。
【0081】
次に、補正値選択回路28が、平均値算出回路23からの平均値をもとに補正値を決定する処理を、図8のフローチャートを参照して説明する。最初に、平均値算出回路23から平均値を取得し(ステップS11)、この平均値が、第1のしきい値より大きいかどうか判定する(ステップS12)。第1のしきい値は、ここでは、小さい正の数であり、これ以下(0以上)のレベルでスミア補正の必要がないという数に設定されている。
【0082】
平均値が第1のしきい値より大きい場合(ステップS12のYES)、平均値から第1のしきい値を減算し、こうして求められた値を補正値とする(ステップS13)。平均値が第1のしきい値以下である場合(ステップS12のNO)、さらに、平均値が、第2のしきい値より小さいかどうか判定する(ステップS14)。第2のしきい値は、ここでは、小さい負の数であり、これ以上(0以下)のレベルでスミア補正の必要がないという数に設定されている。
【0083】
平均値が第2のしきい値より小さい場合(ステップS14のYES)、平均値から第2のしきい値を減算し、こうして求められた値を補正値とする(ステップS15)。平均値が第2のしきい値以上である場合(ステップS14のNO)、すなわち、平均値が第1のしきい値以下で、第2のしきい値以上である場合、補正値を0と設定する(ステップS16)。補正値が算出されたら、ステップS17に進み、そこで、補正値を減算回路26に送信する。
【0084】
上記制御により、スミアが発生しないと判断される被写体、または発生したスミア成分の絶対値が小さいと判断される被写体については、スミア補正を行わないようにする。このことで、ノイズを多く含むスミア検出値を、一様に減算することによって発生していた縦筋上のノイズの発生を防ぐことができる。一方、それ以外の場合は、従来技術と同様にスミア検出値を有効画像信号より減算することにより、スミアが補正された良好な画像を得ることができる。
【0085】
これまで、この発明について、第1の実施形態および第2の実施形態を説明してきたが、両方の実施形態を組み合わせるよう構成することも可能である。すなわち、第1のしきい値と撮像画像の輝度情報に基づいてスミア補正を行うか否かの判定を行い、さらに、スミア補正を行うと判定された場合に、第2のしきい値(対)を用いて、所定の範囲の補正値によるスミア補正を行わないように制御することができる。また、ディジタルプロセス回路およびシステムコントローラは、両方の実施形態に対応できるように調整される必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】CCD撮像素子の構成を表した略線図である。
【図2】この発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】画素の水平アドレスごとに、画素の画像信号の大きさを表したグラフである。
【図4】この発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置のディジタルプロセス回路の構成例を示すブロック図である。
【図5】この発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置のシステムコントローラの処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】スミア検出値と、そのスミア検出値から生成される補正値との関係を表したグラフである。
【図7】この発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置のディジタルプロセス回路の構成例を示すブロック図である。
【図8】この発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置のシステムコントローラの処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1・・・CCD撮像素子、2・・・有効画素部分、3・・・画素部分、4・・・水平ライン、5・・・有効画素部分、6・・・水平シフトレジスタ、11・・・S/H、12・・・AGC、13・・・ADC、14・・・ディジタルプロセス回路、15・・・システムコントローラ、16・・・記録部、17・・・表示部、21・・・積分回路、22・・・ラインメモリ、23,27・・・平均値算出回路、24,28・・・補正値選択回路、26・・・減算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、
前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、
前記スミア成分を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段と、
前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御手段とを有することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記固体撮像素子がCCD撮像素子であることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記第1の画像信号は、それぞれが複数の画素を有する少なくとも1つの水平ラインから提供され、
前記スミア成分検出手段は、前記第1の画像信号から、前記画素の水平アドレスごとに1画素分の信号値を求め、前記信号値を前記水平アドレスに関するスミア成分とすることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の固体撮像装置において、
前記補正手段は、前記スミア成分を、同じ水平アドレスの前記第2の画像信号から減ずることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項5】
請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記制御手段は、前記輝度レベルが所定のレベルより小さい場合は、前記スミア補正を行わず、前記輝度レベルが前記所定のレベル以上の場合は、前記スミア補正を行うように決定することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記輝度レベルに基づいて利得量が決定され、前記利得量が所定のレベルより大きい場合は、前記スミア補正を行わず、前記利得量が前記所定のレベル以下の場合は、前記スミア補正を行うように決定することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項7】
固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の水平方向に延びる光学的黒の画素部分から得られる第1の画像信号に基づいてスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、
前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、
前記スミア成分を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段と、
前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御手段とを有することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項8】
固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、
前記スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成手段と、
前記補正値を前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段とを有することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項9】
請求項8に記載の固体撮像装置において、
前記固体撮像素子がCCD撮像素子であることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項10】
請求項8に記載の固体撮像装置において、
前記第1の画像信号は、それぞれが複数の画素を有する少なくとも1つの水平ラインから提供され、
前記スミア成分検出手段は、前記第1の画像信号から、前記画素の水平アドレスごとに1画素分の信号値を求め、前記信号値を前記水平アドレスに関するスミア成分とすることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項11】
請求項10に記載の固体撮像装置において、
前記補正手段は、前記補正値を、対応するスミア成分の水平アドレスと同じ水平アドレスの前記第2の画像信号から減ずることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項12】
請求項8に記載の固体撮像装置において、
前記補正値生成手段は、前記スミア成分の絶対値が所定の値以下の場合には、前記補正値を0とすることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項13】
請求項12に記載の固体撮像装置において、
前記補正値生成手段は、前記スミア成分の絶対値が前記所定の値より大きい場合には、前記スミア成分の絶対値を前記所定の値だけ減じて前記補正値とすることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項14】
固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の水平方向に延びる光学的黒の画素部分から得られる第1の画像信号に基づいてスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、
前記スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成手段と、
前記補正値を前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段とを有することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項15】
固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出手段と、
前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出手段と、
前記スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成手段と、
前記補正値を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正手段と、
前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御手段とを有することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項16】
固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、
前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出ステップと、
前記スミア成分を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップと、
前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御ステップとを有することを特徴とするスミア補正方法。
【請求項17】
請求項16に記載のスミア補正方法において、
前記固体撮像素子がCCD撮像素子であることを特徴とするスミア補正方法。
【請求項18】
請求項16に記載のスミア補正方法において、
前記第1の画像信号は、それぞれが複数の画素を有する少なくとも1つの水平ラインから提供され、
前記スミア成分検出ステップは、前記第1の画像信号から、前記画素の水平アドレスごとに1画素分の信号値を求め、前記信号値を前記水平アドレスに関するスミア成分とすることを特徴とするスミア補正方法。
【請求項19】
請求項18に記載のスミア補正方法において、
前記補正ステップは、前記スミア成分を、同じ水平アドレスの前記第2の画像信号から減ずることを特徴とするスミア補正方法。
【請求項20】
請求項16に記載のスミア補正方法において、
前記制御ステップは、前記輝度レベルが所定のレベルより小さい場合は、前記スミア補正を行わず、前記輝度レベルが前記所定のレベル以上の場合は、前記スミア補正を行うように決定することを特徴とするスミア補正方法。
【請求項21】
請求項16に記載のスミア補正方法において、
前記輝度レベルに基づいて利得量が決定され、前記利得量が所定のレベルより大きい場合は、前記スミア補正を行わず、前記利得量が前記所定のレベル以下の場合は、前記スミア補正を行うように決定することを特徴とするスミア補正方法。
【請求項22】
固体撮像素子の水平方向に延びる光学的黒の画素部分から得られる第1の画像信号に基づいてスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、
前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出ステップと、
前記スミア成分を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップと、
前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御ステップとを有することを特徴とするスミア補正方法。
【請求項23】
固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、
前記スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成ステップと、
前記補正値を前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップとを有することを特徴とするスミア補正方法。
【請求項24】
請求項23に記載のスミア補正方法において、
前記固体撮像素子がCCD撮像素子であることを特徴とするスミア補正方法。
【請求項25】
請求項23に記載のスミア補正方法において、
前記第1の画像信号は、それぞれが複数の画素を有する少なくとも1つの水平ラインから提供され、
前記スミア成分検出ステップは、前記第1の画像信号から、前記画素の水平アドレスごとに1画素分の信号値を求め、前記信号値を前記水平アドレスに関するスミア成分とすることを特徴とするスミア補正方法。
【請求項26】
請求項25に記載のスミア補正方法において、
前記補正ステップは、前記補正値を、対応するスミア成分の水平アドレスと同じ水平アドレスの前記第2の画像信号から減ずることを特徴とするスミア補正方法。
【請求項27】
請求項23に記載のスミア補正方法において、
前記補正値生成ステップは、前記スミア成分の絶対値が所定の値以下の場合には、前記補正値を0とすることを特徴とするスミア補正方法。
【請求項28】
請求項27に記載のスミア補正方法において、
前記補正値生成ステップは、前記スミア成分の絶対値が前記所定の値より大きい場合には、前記スミア成分の絶対値を前記所定の値だけ減じて前記補正値とすることを特徴とするスミア補正方法。
【請求項29】
固体撮像素子の水平方向に延びる光学的黒の画素部分から得られる第1の画像信号に基づいてスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、
前記スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成ステップと、
前記補正値を前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップとを有することを特徴とするスミア補正方法。
【請求項30】
固体撮像素子の垂直ブランキング期間に出力される第1の画像信号からスミア成分を検出するスミア成分検出ステップと、
前記固体撮像素子の有効画素部分から得られる第2の画像信号の輝度レベルを検出する輝度レベル検出ステップと、
前記スミア成分の大きさに応じて補正値を生成する補正値生成ステップと、
前記補正値を、前記第2の画像信号から減ずることによってスミア補正を行う補正ステップと、
前記輝度レベルに応じて、前記スミア補正を行うか否かを決定する制御ステップとを有することを特徴とするスミア補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−14163(P2006−14163A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191346(P2004−191346)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】