説明

固体撮像装置および内視鏡装置

【課題】画素信号のダイナミックレンジが変わった場合でも、AD変換部に入力される画素信号に対する、AD変換部から出力されるデジタル信号の特性をより高精度に補正することができる固体撮像装置および内視鏡装置を提供する。
【解決手段】補正部106は、AD変換部103に入力される画素信号に対する、AD変換部103から出力されるデジタル信号の特性を補正するための、AD変換部103から出力されるデジタル信号を変数とした補正関数に基づいて、AD変換部103から出力されるデジタル信号を補正する。補正方法切り替え部108は、画素信号のダイナミックレンジの変化に応じて、補正関数における変数の次数を1次と1次以外の間で切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素から出力されるアナログの電圧信号を二進数のデジタルデータに変換するアナログ・デジタル(以下では、「AD」とする)変換部を有する固体撮像装置および内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなど、固体撮像装置(以下では、「イメージセンサ」と記載する)を用いて撮像した画像をデジタルデータとして取得し、そのデジタルデータを保存、編集できる撮像装置が広く普及している。このような撮像装置に用いるイメージセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサが最も一般的で広く使用されていたが、近年では、イメージセンサの一層の小型化や低消費力化の要望があり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサが注目され、普及してきた。最近では、高速化や低消費電力化の要求に伴い、AD変換部を各画素列に対応して設け、各画素列において画素信号をAD変換するCMOS型イメージセンサ(カラムADC方式CMOS型イメージセンサ)が提案されている。
【0003】
しかし、AD変換部に入力されるアナログ信号と、AD変換部から出力されるデジタル信号との関係を示すAD変換特性が理想的な線形特性(直線性)にならずに非線形性(非直線性)を有する場合がある。非直線性を持つAD変換部は、イメージセンサの画質低下の要因となる。特に、複数のAD変換部を備えるカラムADC方式CMOS型イメージセンサでは、AD変換部間のばらつきも加わり、画質の低下はさらに顕著になる。AD変換部がこのような非直線性を有する場合、理想的な直線性を有するAD変換部から出力されるデジタル信号と同等のデジタル信号が得られるように、非直線性を有するAD変換部から出力されるデジタル信号を補正することで、AD変換部に入力されるアナログ信号と、得られるデジタル信号との関係を示す特性(以下、入出力特性と記載する)の直線性を補正することが必要になる。
【0004】
特許文献1には、入出力特性の直線性を補正する方法が記載されている。特許文献1では、固体撮像装置の備える画素の色ごとにAD変換部のダイナミックレンジを複数の領域に分割し、各領域において入出力特性の直線性を補正する補正手段が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-219172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のように画素の各色についてAD変換部のダイナミックレンジを分割した領域ごとに直線性を補正しても、撮影条件(撮影環境)の変更により画素信号のダイナミックレンジが変わった場合には直線性を十分に補正できず、撮影画像の高画質化の妨げとなる。
【0007】
以下、画素信号のダイナミックレンジと入出力特性の直線性の補正との関係を説明する。図14(a)は、AD変換部のAD変換特性を示している。図14(a)の横軸は、AD変換部に入力される画素信号のアナログ電圧を示し、縦軸は、AD変換部から出力されるデジタル信号の値(出力値)を示している。曲線1400はAD変換部のAD変換特性を示し、直線1410は理想的なAD変換特性を示している。画素信号のダイナミックレンジが通常である場合、図14(a)に示すAD変換特性の全範囲の画素信号がAD変換部に入力される。一方、画素信号のダイナミックレンジが狭い場合、図14(a)に示すAD変換特性の範囲よりも狭い範囲の画素信号がAD変換部に入力される。図14(a)では、画素信号のダイナミックレンジが狭い場合、ダイナミックレンジは通常のダイナミックレンジの約半分である。特許文献1では、通常のダイナミックレンジの画素信号に対応した補正式が算出され、その補正式に基づいて、AD変換部から出力されたデジタル信号が補正される。AD変換部に入力される画素信号と、補正後のデジタル信号との関係は直線1410とほぼ一致し、入出力特性の直線性が補正される。
【0008】
図14(b)は、図14(a)に示すAD変換特性のうち、画素信号のダイナミックレンジが狭い場合のAD変換特性を横軸方向に拡大して示している。図14(b)の横軸は、AD変換部に入力される画素信号のアナログ電圧を示し、縦軸は、AD変換部から出力されるデジタル信号の値(出力値)を示している。曲線1420は、画素信号のダイナミックレンジが狭い場合のAD変換部のAD変換特性を示している。また、直線1430は、直線1410のうち画素信号のダイナミックレンジが狭い場合に対応した部分の直線であり、理想的なAD変換特性を示している。
【0009】
特許文献1では、画素信号のダイナミックレンジが狭い場合でも、通常のダイナミックレンジの画素信号に対応した補正式に基づいて、AD変換部から出力されたデジタル信号が補正される。この補正式は、曲線1400が示すAD変換特性の全体に対して、デジタル信号の特性が直線1410に近づくように最適化されているため、曲線1420が示すAD変換特性の範囲だけで考えると、デジタル信号の特性を直線1430に近づける補正式として最適化されているわけではない。このため、画素信号のダイナミックレンジが狭い場合には、通常のダイナミックレンジの画素信号に対応した補正式に基づく補正では、補正の精度が十分ではなく、撮影画像の高画質化の妨げとなる。
【0010】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、画素信号のダイナミックレンジが変わった場合でも、AD変換部に入力される画素信号に対する、AD変換部から出力されるデジタル信号の特性をより高精度に補正することができる固体撮像装置および内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、行列状に配置された複数の画素を有し、前記複数の画素の各々は画素信号を生成し、前記複数の画素の列に対応して配置された複数の画素信号出力線に前記画素信号を出力する画素部と、前記複数の画素信号出力線の1つと接続され、前記画素信号出力線に出力された前記画素信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換部と、前記AD変換部に入力される前記画素信号に対する、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号の特性を補正するための、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号を変数とした補正関数に基づいて、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号を補正する補正部と、前記画素信号のダイナミックレンジの変化に応じて、前記補正関数における前記変数の次数を1次と1次以外の間で切り替える補正方法切り替え部とを有する固体撮像装置である。
【0012】
また、本発明の固体撮像装置において、前記補正方法切り替え部は、撮影時の撮影モードに基づく前記画素信号のダイナミックレンジの変化に応じて、前記補正関数における前記変数の次数を切り替えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の固体撮像装置において、前記補正方法切り替え部は、撮影時の光源に基づく前記画素信号のダイナミックレンジの変化に応じて、前記補正関数における前記変数の次数を切り替えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の固体撮像装置と、被写体に照明光を照射する光源と、前記照明光を通常光に設定する通常観察モードと、前記照明光を特殊光に設定する特殊観察モードと、を切り替える設定部とを備えることを特徴とする内視鏡装置である。
【0015】
また、本発明は、行列状に配置された複数の画素を有し、前記複数の画素の各々は複数の色のいずれか1つを検出して画素信号を生成し、前記複数の画素の列に対応して配置された複数の画素信号出力線に前記画素信号を出力する画素部と、前記複数の画素信号出力線の1つと接続され、前記画素信号出力線に出力された前記画素信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換部と、前記複数の色の各々に対応する複数の前記画素信号に対応する前記デジタル信号に基づいて、前記AD変換部に入力される前記画素信号に対する、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号の特性を補正するための補正関数を算出する補正関数算出部と、前記補正関数に基づいて、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号を補正する補正部とを有する固体撮像装置である。
【0016】
また、本発明の固体撮像装置において、前記補正関数算出部は、前記複数の色の各々に対応する複数の前記画素信号に対応する前記デジタル信号と、ホワイトバランスを調整するための信号とに基づいて、前記補正関数を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画素信号のダイナミックレンジの変化に応じて、補正関数における変数の次数を1次と1次以外の間で切り替えることによって、画素信号のダイナミックレンジが変わった場合でも、AD変換部に入力される画素信号に対する、AD変換部から出力されるデジタル信号の特性をより高精度に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態の画素信号における最大値Vdmaxと最小値Vdminを求める方法を説明するための参考図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における補正の結果と従来の補正の結果とを比較するためのAD変換特性を示すグラフである。
【図5】従来の直線近似補正による補正の結果を示すグラフである。
【図6】狭Dレンジモードの入出力特性の直線性を従来の方法と本発明の第1の実施形態の方法で補正した結果を示すグラフである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における光源情報と撮影モードの関係を示す参考図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態における補正式の算出方法を説明するための参考図である。
【図12】本発明の第4の実施形態(変形例)に係る固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図14】従来の補正における課題を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る固体撮像装置の構成を示している。以下では、図中の各構成について説明する。なお、本発明に係る各実施形態においては説明を簡略にするため、固体撮像装置を構成する個々の要素の詳細な構成および動作や固体撮像装置の撮影動作については従来と同様であるので説明を省略する。
【0021】
また、デジタルスチルカメラなどに用いられる固体撮像装置の画素部にはRGBなどの色に対応したカラーフィルタが配置されており、固体撮像装置の後段に備えられたマイクロコンピュータなどで各色情報に対応した画像処理が行われているが、本実施形態においては説明を簡略にするため、画素部の色情報は単色であるものとして説明する。
【0022】
図1に示すように固体撮像装置1000は、画素部100、アナログ信号処理部102、AD変換部103、メモリ部104、出力部105、補正部106、補正式算出部107、補正方法切り替え部108、撮影モード設定部109、制御部110、垂直走査部111、水平走査部112、補正用電圧生成部113を備える。
【0023】
画素部100は、行列状に配列された複数の画素101と複数の補正用画素101COを有する。本実施形態では、画素101は横7列、縦6行に配列されているものとして説明する。これは、後述する第2の実施形態においても同様である。また、本実施形態では、1行分の補正用画素101COが配置されている。
【0024】
画素101は、入射した光の大きさに基づく画素信号を生成する。補正用画素101COには、補正用電圧生成部113から補正用電圧Vcoが入力される。補正用画素101COは、入射した光の大きさにかかわらず、補正用電圧生成部113からの補正用電圧Vcoに基づく信号を出力する。それぞれの画素101および補正用画素101COは、画素配列を構成する列(以下、画素列と記載する)ごとに配置された画素信号出力線120に接続されている。それぞれの画素101で生成された画素信号および補正用画素101COの信号は、対応する画素信号出力線120に出力される。
【0025】
垂直走査部111は、画素部100へ各種制御信号を出力することによって画素101の露光動作や信号読み出し動作、補正用画素101COの信号読み出し動作等を制御する。画素101および補正用画素101COの制御は行単位で行われる。つまり、画素101または補正用画素101COの信号を読み出す場合、垂直走査部111は、信号を読み出す行を選択し、選択した行の画素101または補正用画素101COに対して制御信号を出力し、選択した行の画素101または補正用画素101COから画素信号出力線120に信号を出力させる。
【0026】
また、垂直走査部111は、制御部110により制御され、制御部110からの制御信号φPVに対応した動作を行う。垂直走査部111は、制御信号φPVに基づいて制御信号φVCO,φV1〜φV6を生成する。制御信号φVCOは補正用画素101COに出力され、制御信号φV1〜φV6は画素101の1行目〜6行目に出力される。制御信号φVCOがH(High)となっている間には補正用画素101COが選択され、制御信号φV1〜φV6がH(High)となっている間には制御信号φV1〜φV6に対応する行の画素101が選択される。
【0027】
本実施形態の固体撮像装置1000は、各画素列に対応してアナログ信号処理部102、AD変換部103、メモリ部104を備えている。各画素列において画素部100からのアナログ信号はアナログ信号処理部102に入力される。
【0028】
アナログ信号処理部102は、画素部100から出力されるアナログ信号にCDS(Correlated Double Sampling)やサンプル&ホールド(S/H)等の処理を行い、処理後のアナログ信号をAD変換部103に出力する。AD変換部103は、制御部110により制御され、制御部110からの制御信号φPAがHとなっている間に入力信号をAD変換して、AD変換後のデジタルデータ(デジタル信号)をメモリ部104に出力する。メモリ部104は、AD変換結果であるデジタルデータを保持する。出力部105は、メモリ部104に保持されたデジタルデータを後段の補正部106と補正式算出部107に出力する。
【0029】
水平走査部112は、メモリ部104からのデジタルデータの読み出しを制御する。制御部110は、垂直走査部111およびAD変換部103に制御信号φPV,φPAを出力し、垂直走査部111およびAD変換部103の動作を制御する。補正方法切り替え部108は、撮影モード設定部109で設定される撮影モードに対応した信号を補正式算出部107に出力し、補正式算出部107の動作を制御する。
【0030】
補正式算出部107は、補正方法切り替え部108から出力される信号に対応して、画素101から出力された画素信号のAD変換結果(デジタルデータ)と、補正用画素101COから出力された信号のAD変換結果(デジタルデータ)とを用いて、出力部105から出力される信号、つまりAD変換部103から出力されるデジタルデータを補正するための補正式(補正関数)を算出し、算出した補正式を補正部106に出力する。このとき、補正式算出部107が補正式の算出に用いる画素信号は、固体撮像装置の電源投入後に取得した補正式算出用の画素信号でも良く、あるいは、実際に被写体を撮影したときの画素信号でも良い。また、補正式算出部107は、画素信号に基づいて、補正用電圧生成部113が出力する補正用電圧Vcoを決定し、決定した補正用電圧Vcoの生成を指示する信号を補正用電圧生成部113に出力する。
【0031】
補正部106は、補正式算出部107が算出した補正式を用いて、出力部105から出力されたデジタルデータを補正することによって、画素信号のアナログ電圧と補正後のデジタルデータとの関係が線形(直線)となるようにデジタルデータの補正を行う。補正用電圧生成部113は、補正式算出部107により制御され、補正式算出部107から出力される信号に基づいて補正用電圧Vcoを生成し、生成した補正用電圧Vcoを補正用画素101COに出力する。
【0032】
撮影モード設定部109は、撮影者によって選択された撮影モードに応じた信号を補正方法切り替え部108に出力する。撮影モード設定部109は、ユーザが操作可能なインタフェースを備えており、撮影者が撮影モード設定部109を操作することにより撮影モードの選択が可能となっている。本実施形態の固体撮像装置1000は、撮影モードとして、通常時の撮影状態として使用する通常モードと、通常モードよりも画素信号のダイナミックレンジが狭くなる撮影状態の狭Dレンジモードとを備えているものとする。
【0033】
次に、以上のように構成された固体撮像装置1000の動作について、図2を参照して説明する。図2は固体撮像装置1000の動作を示している。固体撮像装置1000は、電源が投入されて起動すると、図2に示す動作を開始する。はじめに、補正方法切り替え部108は、撮影モード設定部109により撮影モードが設定されたかどうかを判断する(ステップS101)。撮影モードが設定されていない場合には、ステップS101の判断が継続される。また、撮影モードが設定された場合には、補正方法切り替え部108は、設定されている撮影モードが通常モードであるかどうかを判断する(ステップS102)。
【0034】
撮影モード設定部109で設定されている撮影モードが通常モードであった場合には、補正方法切り替え部108は、通常モードに対応した信号を補正式算出部107に出力する。補正式算出部107は、補正方法切り替え部108からの信号に基づいて、通常モードに適した補正式を算出し、算出した補正式を補正部106に出力する。補正部106は、補正式を用いて、出力部105から出力されたデジタルデータを補正し、補正後のデジタルデータを出力する(ステップS103〜S105)。
【0035】
また、撮影モード設定部109で設定されている撮影モードが狭Dレンジモードあった場合には、補正方法切り替え部108は、狭Dレンジモードに対応した信号を補正式算出部107に出力する。補正式算出部107は、補正方法切り替え部108からの信号に基づいて、狭Dレンジモードに適した補正式を算出し、算出した補正式を補正部106に出力する。補正部106は、補正式を用いて、出力部105から出力されたデジタルデータを補正し、補正後のデジタルデータを出力する(ステップS106,S107,S105)。
【0036】
デジタルデータの補正後、補正方法切り替え部108は、撮影モード設定部109により撮影モードが更新されたかどうかを判断する(ステップS108)。撮影モードが更新されていない場合には、ステップS108の判断が継続される。また、撮影モードが更新された場合には、処理はステップS102に戻る。
【0037】
次に、ステップS103、ステップS104について詳細を説明する。まず、補正式算出部107は、通常モードに適した補正式を算出するための3点分の補正用信号を取得する(ステップS103)。3点のうち2点の補正用信号Vdmax,Vdminは、適当な画像を通常モードで撮影したときに得られた画素信号における最大値VDMAXと最小値VDMINをAD変換して得られるデジタルデータである。また、3点のうち残り1点の補正用信号Vdcは、通常モードにおいて上記の最大値VDMAXと最小値VDMINの範囲内の任意の値に対応した補正用電圧Vcoが入力された補正用画素101COから出力された信号をAD変換して得られるデジタルデータである。
【0038】
なお、補正用信号Vdcを取得するための補正用電圧Vcoは、最大値VDMAXと最小値VDMINの中間付近の領域や、最大値VDMAXと最小値VDMINの中間よりも下側の領域、もしくは最大値VDMAXと最小値VDMINの中間よりも上側の領域の点でも良く、変更が可能である。
【0039】
続いて、補正式算出部107は、取得した各補正用信号を用いて、デジタルデータを補正する補正式を算出する(ステップS104)。この補正式としては、例えば特開2004-274157号公報に記載されている補正式を用いることができる。つまり、補正式算出部107は、AD変換部103の出力値の範囲を複数の領域に分割し、分割した領域ごとに補正式を求める。本実施形態では、3つの補正用信号を用い、AD変換部103の出力値の範囲を2分割するため、補正式は以下のようになる。
Y1 = A1 × X + B1 (領域1:Vdmin ≦ X < Vdc) ・・・(1)
Y2 = A2 × X + B2 (領域2:Vdc ≦ X ≦ Vdmax) ・・・(2)
【0040】
ここで、Xは補正前のデジタルデータの値であり、Y1,Y2は補正後のデジタルデータの値であり、A1,A2は乗算係数であり、B1,B2は一次関数の切片である。(1)式、(2)式は、AD変換部103のAD変換特性を直線に近似して補正(直線近似補正)する場合の補正式であり、AD変換部103から出力されたデジタルデータを変数とする一次関数である。なお、(1)式、(2)式の算出方法については、従来技術と同様であるので説明を省略する。例えば、特開2004-274157号公報の(9)式を上記の(1)式、(2)式として使用することが可能である。
【0041】
次に、ステップS106、ステップS107について詳細を説明する。まず、補正式算出部107は、通常モードの場合と同様に、狭Dレンジモードに適した補正式を算出するための3点分の補正用信号を取得する。3点のうち2点の補正用信号Vnmax,Vnminは、適当な画像を狭Dレンジモードで撮影したときに得られた画素信号における最大値VNMAXと最小値VNMINをAD変換して得られるデジタルデータである。また、3点のうち残り1点の補正用信号Vncは、狭Dレンジモードにおいて上記の最大値VNMAXと最小値VNMINの範囲内の任意の値に対応した補正用電圧Vcoが入力された補正用画素101COから出力された信号をAD変換して得られるデジタルデータである。
【0042】
なお、補正用信号Vncを取得するための補正用電圧Vcoは、最大値VNMAXと最小値VNMINの中間付近の領域や、最大値VNMAXと最小値VNMINの中間よりも下側の領域、もしくは最大値VNMAXと最小値VNMINの中間よりも上側の領域の点でも良く、変更が可能である。
【0043】
続いて、補正式算出部107は、取得した各補正用信号を用いて、デジタルデータを補正する補正式を算出する(ステップS107)。ここでは、補正方法は上記の直線近似補正ではなく、AD変換部103のAD変換特性を二次以上の関数の曲線に近似して補正(曲線近似補正)する方法である。この補正に用いる補正式についても、従来技術と同様の補正式を用いることができる。例えば、補正式は以下のようになる。
Y = C1 × X2 + D1×X + E1 (Vnmin ≦ X ≦ Vnmax) ・・・(3)
【0044】
ここで、Xは補正前のデジタルデータの値であり、Yは補正後のデジタルデータの値であり、C1,D1は乗算係数であり、E1は二次関数の切片である。(3)式は、AD変換部103のAD変換特性を二次関数の曲線に近似して補正(曲線近似補正)する場合の補正式であり、AD変換部103から出力されたデジタルデータを変数とする二次関数である。なお、(3)式の算出方法については、従来技術と同様であるので説明を省略する。例えば特開2004-274157号公報の(15)式を上記の(3)式として使用することが可能である。
【0045】
次に、図3を参照し、適当な画像を通常モードあるいは狭Dレンジモードで撮影したときに得られた画素信号における最大値VMAXと最小値VMINを求める方法と、補正用信号を取得する方法とを説明する。図3(a)は、AD変換部103のAD変換特性を示している。図3(a)の横軸は、AD変換部103に入力される補正用信号のアナログ電圧を示し、縦軸は、AD変換部103から出力されるデジタル信号の値(出力値)を示している。AD変換特性は4つの領域(領域1、領域2、領域3、領域4)に区分されている。領域1は出力値がD1からD3までの領域であり、領域2は出力値がD3からD5までの領域であり、領域3は出力値がD2からD4までの領域であり、領域4は出力値がD1からD5までの領域である(D1<D2<D3<D4<D5)。補正用信号のアナログ電圧V1〜V5のそれぞれに対して出力値D1〜D5のそれぞれが対応している。補正用信号のアナログ電圧V1〜V5の値と出力値D1〜D5は既知であるものとする。
【0046】
補正式算出部107は、画像の撮影により出力部105から出力されたデジタルデータの最大値X1と最小値X2を検出し、検出した最大値X1と最小値X2が領域1〜領域4のどこにあるかを判定する。補正式算出部107は、デジタルデータの最大値X1と最小値X2がD1≦X2<X1≦D3の関係にある場合には、最大値X1と最小値X2が領域1にあると判定する。また、補正式算出部107は、デジタルデータの最大値X1と最小値X2がD3≦X2<X1≦D5の関係にある場合には、最大値X1と最小値X2が領域2にあると判定する。また、補正式算出部107は、デジタルデータの最大値X1と最小値X2がD2≦X2<X1≦D4の関係にある場合には、最大値X1と最小値X2が領域3にあると判定する。また、補正式算出部107は、デジタルデータの最大値X1と最小値X2がX2<D2かつ<D4<X1の関係にある場合には、最大値X1と最小値X2が領域4にあると判定する。
【0047】
続いて、補正式算出部107は、デジタルデータの最大値X1と最小値X2が存在する領域に対応する画素信号の最大値VMAXと最小値VMINを選択する。図3(b)は、各領域の境界のアナログ電圧と、画素信号の最大値VMAXと最小値VMINとの関係を示している。例えば、領域1のアナログ電圧の最小値V1が画素信号の最小値VMINに対応し、領域1のアナログ電圧の最大値V3が画素信号の最大値VMAXに対応している。他の領域においても、アナログ電圧の最小値が画素信号の最小値VMINに対応し、アナログ電圧の最大値が画素信号の最大値VMAXに対応している。つまり、デジタルデータの最大値X1、最小値X2が存在する領域の境界のアナログ電圧が画素信号の最大値VMAX、最小値VMINであるとみなされる。図3に示した領域の分割は一例であり、より細かく領域を分割することによって、デジタルデータの最大値X1と最小値X2に対応する画素信号の最大値VMAXと最小値VMINをより高精度に求めることができる。
【0048】
続いて、補正式算出部107は、画素信号の最大値VMAXと最小値VMINの間の任意のアナログ電圧VCを選択する。補正式算出部107は、補正用電圧生成部113に対して、補正用電圧Vcoとしてアナログ電圧VMAX,VMIN,VCを順次出力させる。補正式算出部107は、補正用電圧Vcoがアナログ電圧VMAXである場合、アナログ電圧VMINである場合、アナログ電圧VCである場合のそれぞれについて、出力部105から出力された補正用信号を取得する。補正用電圧Vcoがアナログ電圧VMAXである場合の補正用信号が補正用信号Vdmax,Vnmaxに対応し、補正用電圧Vcoがアナログ電圧VMINである場合の補正用信号が補正用信号Vdmin,Vnminに対応し、補正用電圧Vcoがアナログ電圧VCである場合の補正用信号が補正用信号Vdc,Vncに対応する。以上のようにして、補正用信号を取得することができる。
【0049】
次に、図4〜図6を参照し、従来の直線近似補正による補正の結果と、本実施形態の直線近似補正による補正の結果とを比較して説明する。図4は、AD変換部103のAD変換特性を示している。図4の横軸は、AD変換部103に入力される画素信号のアナログ電圧を生成した際の画素101の蓄積時間を示し、縦軸は、AD変換部103から出力されるデジタル信号の値(出力値)を示している。図4において、通常モードと狭DレンジモードとでAD変換部103に入力される画素信号の範囲を共通にして示すため、横軸の蓄積時間は正規化されている。
【0050】
ここで、信号のダイナミックレンジは出力値の最大値と最小値の差で表され、通常モードではDR1がダイナミックレンジとなり、狭DレンジモードではDR2がダイナミックレンジとなる。通常モードと狭Dレンジモードのダイナミックレンジを比較すると、DR2 < DR1であり、撮影モードによってAD変換特性が変わっていることが確認できる。
【0051】
以下では、AD変換部103に入力される画素信号と、補正後のデジタルデータとの関係を示す特性を入出力特性と記載する。図5は、従来の直線近似補正による補正の結果を示している。図5の横軸は補正後の出力値を示し、縦軸は、通常モードにおける理想的な入出力特性(図14の直線1410,1430に相当)からの誤差(直線性誤差)を示している。補正方法は、通常モードの入出力特性の直線性を高い精度で補正できる直線近似補正を用いた。
【0052】
通常モードの入出力特性と狭Dレンジモードの入出力特性の直線性誤差を比較すると、通常モードの入出力特性の直線性誤差が-0.56%〜+0.49%であるのに対して、狭Dレンジモードの入出力特性の直線性誤差が-0.76%〜+0.52%であり、狭Dレンジモードの入出力特性の直線性誤差の方が大きい。これは、次の理由による。撮影モードが通常モードから狭Dレンジモードに変化すると、AD変換部103に入力される画素信号のダイナミックレンジが変化し、AD変換部103の使用するAD変換特性の範囲が変化する。このため、図14を用いて説明したように、通常モードの入出力特性から算出した補正式を用いて狭Dレンジモードの入出力特性の直線性を直線近似補正により補正する場合、十分な補正を行うことができない。
【0053】
図6は、図4の狭Dレンジモードの入出力特性の直線性を従来の方法と本実施形態の方法で補正した結果を示す。図6の横軸は補正後の出力値を示し、縦軸は、通常モードにおける理想的な入出力特性(図14の直線1410,1430に相当)からの誤差(直線性誤差)を示している。従来の補正方法(直線近似補正)で補正を行った結果は、図5に示した、狭Dレンジモードの入出力特性の直線性を補正した結果と同一である。本実施形態の補正方法は、狭Dレンジモードの入出力特性を二次関数の曲線に近似して補正する曲線近似補正である。直線近似補正と曲線近似補正の直線性誤差を比較すると、上述したように直線近似補正の直線性誤差が-0.76%〜+0.52%であるのに対して、曲線近似補正の直線性誤差が-0.38%〜+0.39%となり、曲線近似補正の直線性誤差が改善している。
【0054】
上述したように本実施形態によれば、撮影モード設定部109が設定した撮影モードに対応して、入出力特性の直線性の補正方法を、設定された撮影モードに適した補正方法に切り替えて入出力特性の直線性を補正するため、撮影モードに応じて入力信号のダイナミックレンジが変わった場合でも、入出力特性の直線性をより高精度に補正することができる。
【0055】
なお、本実施形態において直線性を補正するために使用する補正用信号の数を3点として説明したが、補正用信号は少なくとも3点あればよく、さらに増やして4点以上としても良い。その場合、補正用信号の数の増加に伴い補正式が複雑になり、補正式を算出するための演算の負荷が増加することなどが考えられるが、入出力特性の直線性をより高精度に補正することができる。補正用信号を4点以上にした場合、補正用信号が4点のときには3次曲線による曲線近似補正を行い、補正用信号が5点のときには4次曲線による曲線近似補正を行うというように、補正用信号が増えると共に曲線近似補正の補正式の次数が増えていく。
【0056】
また、本実施形態において通常モードに適した補正方法を直線近似補正とし、狭Dレンジモードに適した補正方法を曲線近似補正として説明したが、これに限られず、予め製造段階や固体撮像装置の初期設定段階において、画素およびAD変換部の特性を確認しておくことで、撮影モードに適した最適な補正方法を設定することができる。
【0057】
また、本実施形態において補正用信号を取得する方法として、撮影画像の画素信号と補正用画素の信号を用いる方法を説明したが、これに限られない。補正用信号を取得する他の方法の1つ目の例としては、補正用電圧生成部から全ての点のそれぞれの補正用信号に対応した補正用電圧を出力させ、補正用信号として取得する方法を用いても良い。
【0058】
また、補正用信号を取得する他の方法の2つ目の例としては、基準電圧生成部の出力信号をアナログ信号処理部もしくはAD変換部へ入力する構成とし、アナログ信号処理部もしくはAD変換部へ入力した基準電圧生成部の出力信号を補正用信号として取得する方法を用いても同様の効果が得られる。
【0059】
また、本実施形態において画素部の色情報が単色であるものとして説明したが、一般的なRGBのカラーフィルタによって3色の色情報を得るように画素部を構成してもよく、さらに4色以上の色情報を得るように画素部を構成してもよい。その場合には、各色について本実施形態の処理を行うことで同様の効果が得られる。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本実施形態に係る固体撮像装置の構成を示している。図7中で用いている各構成のうち、図1中で用いている構成と同一の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に、本実施形態の各構成と動作について説明する。
【0061】
本実施形態における第1の実施形態との相違点は、補正方法切り替え部108を補正方法切り替え部200に変更し、撮影モード設定部109を光源情報設定部201に変更した点である。光源情報設定部201は、ユーザが操作可能なインタフェースを備えており、撮影者が光源情報設定部201を操作することにより、光源の種類や、光量、分光感度などの光源情報の設定が可能となっている。光源情報設定部201は、撮影者によって設定された光源情報に応じた信号を補正方法切り替え部200に出力する。
【0062】
補正方法切り替え部200は、光源情報設定部201で設定される光源情報に応じて、光源情報の設定が通常モードに対応する設定であるか、それとも狭Dレンジモードに対応する設定であるかを判断し、判断結果に対応した信号を補正式算出部107に出力する。以下、光源情報と撮影モードの関係について説明する。
【0063】
図8は光源情報と撮影モードの関係を示している。光源の種類が太陽光である場合には撮影モードは通常モードであり、光源の種類が白熱灯である場合には撮影モードは狭Dレンジモードである。また、光量が多い場合には撮影モードは通常モードであり、光量が少ない場合には撮影モードは狭Dレンジモードである。また、分光感度が広い場合には撮影モードは通常モードであり、分光感度が狭い場合には撮影モードは狭Dレンジモードである。補正方法切り替え部200は、図8に示す関係に従って、光源情報の設定が通常モードと狭Dレンジモードのどちらの撮影モードに対応する設定であるかを判断する。本実施形態における直線性補正の動作は、第1の実施形態で説明した動作と同様であるので説明を省略する。
【0064】
上述したように、本実施形態によれば、光源情報設定部201が設定した光源情報に従って、入出力特性の直線性の補正方法を、設定された光源情報に適した補正方法に切り替えて入出力特性の直線性を補正するため、光源の種類や光量に応じて入力信号のダイナミックレンジが変わった場合でも、入出力特性の直線性を高精度に補正することができる。
【0065】
なお、本実施形態において撮影者が光源情報を設定するとして説明したが、光源の種類を検知するセンサや光源の光量を検知するセンサをさらに設けて、それらのセンサの出力信号に基づいて自動的に光源情報を設定しても良い。
【0066】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態においては、本発明の固体撮像装置を用いる場合の具体的な利用形態として内視鏡装置を例に説明する。図9は、本実施形態に係る固体撮像装置を備えた内視鏡装置の構成を示している。以下では、図中の各構成について説明する。
【0067】
図9に示すように内視鏡装置3000はスコープ302と筐体307を備える。スコープ302は、さらに本発明の適用例である固体撮像装置305と、被写体からの反射光を固体撮像装置305に結像するレンズ303と、被写体への照明光を通過させるファイバー306と、被写体に照明光を照射するためのレンズ304とを有する。また、筐体307は、被写体に照射する照明光を生成する光源を備える光源装置309と、固体撮像装置305から出力される信号に所定の処理を行い、撮影画像を生成する画像処理部308と、内視鏡装置の撮影(観察)モードを設定する設定部310とを有する。
【0068】
上述した内視鏡装置3000は、撮影モードとして、被写体に照射する照明光に通常の照明光を用いる通常観察モードと、通常観察モードで得られる光学情報では埋もれてしまい易い粘膜表層付近の深さ方向に対する血管の状態等を得る特殊観察モードとを備える。特殊観察モードが記載された文献の例としては、例えば特許第3586157号公報が挙げられる。上述した第1、第2の実施形態における通常モードが通常観察モードに対応し、上述した第1、第2の実施形態における狭Dレンジモードが特殊観察モードに対応する。
【0069】
設定部310によって、撮影モードとして通常観察モードが設定された場合には、設定部310から固体撮像装置305、画像処理部308、光源装置309に、通常観察モードに対応する信号が出力され、通常の照明光による観察が行われる。また、設定部310によって、撮影モードとして特殊観察モードが設定された場合には、設定部310から固体撮像装置305、画像処理部308、光源装置309に、特殊観察モードに対応する信号が出力され、通常とは異なる帯域の照明光による観察が行われる。
【0070】
特殊観察モードの具体的な例としては、狭帯域の光源を利用して観察を行う狭帯域光観察(Narrow Band Imaging:NBI)がある。NBIは、血管を高いコントラストで検出するため、照射光の光源として通常の白色光ではなく、白色光を光学フィルタによって狭帯域化した青色光(390〜445nm)および緑色光(530〜550nm)を用いている。そのため、固体撮像装置へ入射する光の光量が減少して、固体撮像装置305の画素信号の振幅が小さくなり、ダイナミックレンジが狭くなってしまう。その結果、通常観察モードと同様にして固体撮像装置305の入出力特性の直線性を補正すると、直線性が十分に補正できない場合がある。しかし、第1、第2の実施形態で説明した固体撮像装置を用いることで、入出力特性の直線性をより高精度に補正することができ、内視鏡装置の撮影画像の画質を向上させることができる。
【0071】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上述した第1、第2の実施形態では、説明の簡略化のため画素部の色情報が単色であるものとして説明してきた。しかし、固体撮像装置の利用形態によっては、固体撮像装置の画素部には複数色のカラーフィルタが配置されている。例えば、一般的にデジタルスチルカメラでは、RGBのカラーフィルタが、ベイヤー配列と言われる並び順で配置されたR画素、G画素、B画素を有する画素部が設けられており、R画素、G画素、B画素から得られた各色情報に対応した画像処理を行うことで被写体のカラー画像が得られる。ベイヤー配列は、RGBのカラーフィルタを行列状に配列したものであり、各画素列にRとGのカラーフィルタもしくはBとGのカラーフィルタが配置されている。
【0072】
上記のRGBのカラーフィルタが配置されている場合、各色の画素におけるダイナミックレンジが異なるので、特許文献1のように入出力特性の直線性を補正する補正式を各色の画素についてそれぞれ算出する必要がある。さらに、画素列ごとにAD変換部を備えるカラムADC方式のイメージセンサで考えると、各画素列のAD変換部ごとに2色分の画素信号について直線性の補正を行う必要があるので、補正式を算出するための演算負荷は、単色の場合と比較して2倍に増加する。
【0073】
さらに、直線性の補正処理では、各色の画素から画素信号を読み出す順番に合わせて、補正式を各色に対応した補正式に順次切り替えて処理を行う必要があるため、補正処理が複雑になる。そこで、本実施形態は、入出力特性の直線性補正処理をより容易に行うことができる固体撮像装置を提供することを目的とする。
【0074】
図10は、本実施形態に係る固体撮像装置の構成を示している。図10中で用いている各構成のうち、図1中で用いている構成と同一の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。以下では、第1、第2の実施形態との相違点を中心に、本実施形態の各構成と動作について説明する。
【0075】
本実施形態における第1、第2の実施形態との相違点は、画素部100を画素部400に変更し、補正式算出部107を補正式算出部402に変更し、制御部110を制御部403に変更した点である。画素部400は、行列状に配列された複数の画素401と複数の補正用画素101COを有する。本実施形態では、画素401は横6列、縦6行に配列されているものとして説明する。これは、後述する第5の実施形態においても同様である。また、本実施形態では、1行分の補正用画素101COが配置されている。
【0076】
画素401は、入射した光の大きさに基づき、図示しないRGBのカラーフィルタに対応した画素信号を生成する。画素401のR*-*(「*」: 1〜3のいずれか)はR画素、B*-*はB画素、GR*-*およびGB*-*はG画素である。各画素の色を示す文字に続く「*-*」は行番号および列番号を示しており、最初の数字が行番号を示し、最後の数字が列番号を示している。例えば、「R2-3」は、2行目3列目に配置されたR画素を示している。
【0077】
補正用画素101COには、補正用電圧生成部113から補正用電圧Vcoが入力される。補正用画素101COは、入射した光の大きさにかかわらず、補正用電圧生成部113からの補正用電圧Vcoに基づく信号を出力する。それぞれの画素401および補正用画素101COは、画素列ごとに配置された画素信号出力線120に接続されている。それぞれの画素401で生成された画素信号および補正用画素101COの信号は、対応する画素信号出力線120に出力される。
【0078】
垂直走査部111は、制御部403により制御され、制御部403からの制御信号φPVに対応した動作を行う。制御部403は、垂直走査部111およびAD変換部103へ制御信号φPV,φPAを出力し、垂直走査部111およびAD変換部103の動作を制御する。
【0079】
補正式算出部402は、画素401から出力された画素信号をAD変換して得られるデジタルデータと、補正用画素101COから出力された信号をAD変換して得られるデジタルデータとを用いて補正式を算出する。より具体的には、補正式算出部402は、R画素、G画素が配置された画素部400の1、3、5列目のそれぞれについて画素信号のデジタルデータからR画素補正用信号(VRmin、VRc、VRmax)とG画素補正用信号(VGRmin、VGRc、VGRmax)を取得し、R画素補正用信号(VRmin、VRc、VRmax)及びG画素補正用信号(VGRmin、VGRc、VGRmax)を用いて列ごとの補正式を算出する。また、補正式算出部402は、B画素、G画素が配置された画素部400の2、4、6列目のそれぞれについて画素信号のデジタルデータからB画素補正用信号(VBmin、VBc、VBmax)とG画素補正用信号(VGBmin、VGBc、VGBmax)を生成し、B画素補正用信号(VBmin、VBc、VBmax)及びG画素補正用信号(VGBmin、VGBc、VGBmax)を用いて列ごとの補正式を算出する。つまり、各画素列についてそれぞれ1つの補正式が算出される。
【0080】
R画素補正用信号(VRmin、VRc、VRmax)、G画素補正用信号(VGRmin、VGRc、VGRmax)、G画素補正用信号(VGBmin、VGBc、VGBmax)、B画素補正用信号(VBmin、VBc、VBmax)のそれぞれの取得方法は、第1の実施形態における3点の補正用信号の取得方法と同様である。例えば、R画素補正用信号(VRmin、VRmax)は、第1の実施形態において適当な画像を撮影したときに得られた画素信号における最大値VMAXと最小値VMINに対応する補正用信号Vdmax,Vnmax,Vdmin,Vnminに対応する。また、R画素補正用信号(VRc)は、第1の実施形態において、最大値VMAXと最小値VMINの範囲内の任意の値に対応する補正用信号Vdc,Vncに対応する。他の色の画素の補正用信号についても同様である。
【0081】
以下、R画素補正用信号(VRmin、VRc、VRmax)とG画素補正用信号(VGRmin、VGRc、VGRmax)を例として、それぞれの補正用信号と補正式について、図11を用いて説明する。図11(a)は、画像を撮影したときのG画素、R画素の画素信号に関して、G画素の画素信号の方がR画素の画素信号よりもダイナミックレンジが広い場合のAD変換部103のAD変換特性を示している。図11(a)の横軸は、AD変換部103に入力される画素信号のアナログ電圧を示し、縦軸は、AD変換部103から出力されるデジタル信号の値(出力値)を示している。図11(b)は画素401のダイナミックレンジと補正用信号の関係を示している。図11(b)の横軸は補正用信号のデジタル値を示している。説明を簡略にするため、画素信号のダイナミックレンジと、補正用信号のデジタル値がとる範囲は一致している。
【0082】
R画素の画素信号のダイナミックレンジがG画素と比較して狭いので、R画素の画素信号の振幅はG画素よりも狭くなる。図11(a)では、R画素の画素信号の振幅はG画素の画素信号の振幅の約40%程度である。このため、各画素の画素信号に対応する入出力特性の直線性を補正するために最適な補正用信号がG画素とR画素では異なる。R画素についてはR画素補正用信号VRmin、VRc、VRmaxが最適な補正用信号となり、G画素についてはG画素補正用信号VGRmin、VGRc、VGRmaxが最適な補正用信号となる。なお、上記のR画素、G画素と同様に考えて、B画素の画素信号に対応する入出力特性の直線性を補正するために最適な補正用信号は、B画素の画素信号のダイナミックレンジに対応したB画素補正用信号VBmin、VBc、VBmaxとなる。
【0083】
補正式算出部402は、R画素補正用信号(VRmin、VRc、VRmax)とG画素補正用信号(VGRmin、VGRc、VGRmax)を用いて、R画素、G画素が配置された画素部400の1、3、5列目のそれぞれの補正式を算出する。より具体的には、AD変換部103の出力値の範囲が、R画素補正用信号VRmin、VRc、VRmaxおよびG画素補正用信号VGRmin、VGRc、VGRmaxを基準にして4つの領域に分割され、各領域に対応した補正式が算出される。図11(c)は4つの領域を示している。4つの領域は、R画素補正用信号VRminまたはG画素補正用信号VGRminとR画素補正用信号VRcとの間の領域Aと、R画素補正用信号VRcとR画素補正用信号VRmaxとの間の領域Bと、R画素補正用信号VRmaxとG画素補正用信号VGRcとの間の領域Cと、G画素補正用信号VGRcとG画素補正用信号VGRmaxとの間の領域Dである。領域A〜領域Dの各領域について、各領域の境界の補正用画素信号を用いて各領域の補正式が算出される。
【0084】
上記と同様に補正式算出部402は、B画素補正用信号(VBmin、VBc、VBmax)とG画素補正用信号(VGBmin、VGBc、VGBmax)を用いて、B画素、G画素が配置された画素部400の2、4、6列目のそれぞれの補正式を算出する。上記のようにして、各画素列について1つの補正式が算出される。補正式算出部402は、算出した各画素列の補正式を補正部106に出力する。補正部106は、補正式算出部402によって算出された補正式を用いて、出力部105から出力されたデジタルデータを補正する。
【0085】
上述したように、本実施形態によれば、各画素の色(本実施形態ではR,G,B)に対応した補正用信号に基づいて、それぞれの色ごとに独立して入出力特性の直線性を補正する補正式を算出するのではなく、各画素の色に対応した補正用信号に基づいて、複数の色(本実施形態ではRとGあるいはBとG)に対応した入出力特性の直線性を補正する補正式を算出するので、補正式を算出するための演算負荷を軽減することができる。例えば、本実施形態では、各画素列について2色のそれぞれに対応した2種類の補正式を算出するのではなく、各画素列について2色の両方に対応した1種類の補正式を算出するので、演算負荷を軽減することができる。
【0086】
また、色ごとに独立して補正式を算出する場合、例えば最大値、最小値、中間値のアナログ電圧を境界として区分される2つの領域ごとに補正式を算出するが、これに代えて本実施形態では、複数の色のそれぞれに対応した最大値、最小値、中間値のアナログ電圧を境界として区分される4つの領域(図11の領域A〜領域D)ごとに補正式を算出するので、入出力特性の理想的な直線性をより高精度に近似する補正式を算出することができる。これによって、入出力特性の直線性をより高精度に補正することができる。
【0087】
また、補正処理では、画素信号を読み出す画素の色の変化に合わせて補正式を切り替えるのではなく、画素信号を読み出す画素列の変化に合わせて補正式を切り替えて処理するので、補正式を切り替える頻度を下げることができ、補正処理を容易にすることができる。
【0088】
また、本実施形態において補正用信号を取得する方法として、撮影画像の画素信号と補正用画素の信号を用いる方法を説明したが、これに限られない。補正用信号を取得する他の方法の1つ目の例としては、補正用電圧生成部から全ての点のそれぞれの補正用信号に対応した補正用電圧を出力させ、補正用信号として取得する方法を用いても良い。
【0089】
また、補正用信号を取得する他の方法の2つ目の例としては、基準電圧生成部の出力信号をアナログ信号処理部もしくはAD変換部へ入力する構成とし、アナログ信号処理部もしくはAD変換部へ入力した基準電圧生成部の出力信号を補正用信号として取得する方法を用いても同様の効果が得られる。
【0090】
また、本実施形態において直線性を補正するために取得する色ごとの補正用信号の数を3点として説明したが、補正用信号は少なくとも3点あればよく、さらに増やして4点以上としても良い。その場合、補正用信号の数の増加に伴い補正式が複雑になり、補正式を算出するための演算の負荷が増加することなどが考えられるが、入出力特性の直線性をより高精度に補正することができる。
【0091】
次に、本実施形態の変形例を説明する。本実施形態では、AD変換部を各画素列に配置し、画素列ごと(R画素とG画素の組ごと、B画素とG画素の組ごと)に補正式を算出するとしたが、これに限られず、RGBの各色に対応した全ての補正用信号に基づいて、RGBの各色に対応した1つの補正式を算出しても良い。
【0092】
図12は、本変形例の固体撮像装置の具体的な構成の例を示している。図12中で用いている各構成のうち、図1中で用いている構成と同一の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。図12に示す固体撮像装置5000は、2列に1個の割合で配置されたAD変換部103と、AD変換部103に入力される画素信号を2列の画素信号の間で切り替える切り替え部500とを備えている。1個のAD変換部103に2列分の画素信号が対応しており、2列分の画素信号の切り替えが行われながら、AD変換部103に画素信号が入力される。AD変換部103は、AD変換後のデジタルデータを2列分のメモリ部104に出力する。
【0093】
水平走査部112は、切り替え部500によってAD変換部103に入力されている画素信号に対応する画素列のメモリ部104を選択し、デジタルデータを出力させる。例えば、左右の画素列のうち左側の画素列の画素信号がAD変換部103に入力されている場合には、左側の画素列のメモリ部104からデジタルデータが出力され、左右の画素列のうち右側の画素列の画素信号がAD変換部103に入力されている場合には、右側の画素列のメモリ部104からデジタルデータが出力される。
【0094】
このような構成では、1つのAD変換部が2列分のRGBの画素信号をAD変換するので、それぞれのAD変換部によって2列分のRGBに対応した補正用信号が生成され、それらの補正用信号を用いて、2列分のデジタルデータを補正する1つの補正式を算出することができる。なお、図12の詳細な構成や動作の説明は省略する。
【0095】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図13は、本実施形態に係る固体撮像装置の構成を示している。図13中で用いている各構成のうち、図10中で用いている構成と同一の構成要素には同一の符号を付与し、説明を省略する。以下では、第4の実施形態との相違点を中心に、本実施形態の構成と動作について説明する。
【0096】
本実施形態における第4の実施形態との相違点は、補正式算出部402を補正式算出部600に変更した点である。補正式算出部600は、各画素の画素信号に基づく補正用信号に加えて、ホワイトバランスを調整するための信号VWR、VWBを用いて補正式を算出する。信号VWR、VWB は、それぞれR画素、B画素のホワイトバランスを調整するためのデジタル信号である。ホワイトバランスとは、撮影時の光源の色温度が変わった場合でも、撮影画像の白色の信号を調整して正確な白色に補正する一般的な処理である。
【0097】
補正式算出部600は、R画素補正用信号(VRmin、VRc、VRmax)とG画素補正用信号(VGRmin、VGRc、VGRmax)および信号VWRを用いて、R画素、G画素が配置された画素部400の1、3、5列目のそれぞれの補正式を算出する。より具体的には、第4の実施形態と同様の考え方により、AD変換部103の出力値の範囲が、R画素補正用信号VRmin、VRc、VRmax、G画素補正用信号VGRmin、VGRc、VGRmax、信号VWRを基準にして4つの領域に分割され、各領域に対応した補正式が算出される。同様に、補正式算出部600は、B画素補正用信号(VBmin、VBc、VBmax)とG画素補正用信号(VGBmin、VGBc、VGBmax)および信号VWBを用いて、B画素、G画素が配置された画素部400の2、4、6列目のそれぞれの補正式を算出する。補正式算出部600は、算出した各画素列の補正式を補正部106に出力する。補正部106は、補正式算出部600によって算出された補正式を用いて、出力部105から出力されたデジタルデータを補正する。
【0098】
従来では、直線性誤差があるためにホワイトバランスが正確に調整できない場合があり、ホワイトバランスの調整後でも画像に色つき(色ずれ)が生じてしまう。例えば、ホワイトバランスの調整点において赤色の直線性誤差が大きく、白色が赤みを帯びて見えてしまうことが考えられる。しかし、本実施形態では、一般的な補正式の算出に用いた補正用信号の各点で直線性誤差を最小化できる特性を活かし、ホワイトバランスの調整点を補正用信号として用いて、その調整点において直線性誤差を最小にすることができ、直線性誤差が影響する色つき(色ずれ)を抑制して、固体撮像装置の画質を向上させることができる。
【0099】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1000,2000,4000,5000,6000・・・固体撮像装置、100,400・・・画素部、101,401・・・画素、101CO・・・補正用画素、102・・・アナログ信号処理部、103・・・ AD変換部、104・・・メモリ部、105・・・出力部、106・・・補正部、107,402,600・・・補正式算出部(補正関数算出部)、108,200・・・補正方法切り替え部、109・・・撮影モード設定部、110,403・・・制御部、111・・・垂直走査部、112・・・水平走査部、113・・・補正用電圧生成部、201・・・光源情報設定部、302・・・スコープ、303,304・・・レンズ、305・・・固体撮像装置、306・・・ファイバー、307・・・筐体、309・・・光源装置、308・・・画像処理部、310・・・設定部、500・・・切り替え部、3000・・・内視鏡装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置された複数の画素を有し、前記複数の画素の各々は画素信号を生成し、前記複数の画素の列に対応して配置された複数の画素信号出力線に前記画素信号を出力する画素部と、
前記複数の画素信号出力線の1つと接続され、前記画素信号出力線に出力された前記画素信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換部と、
前記AD変換部に入力される前記画素信号に対する、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号の特性を補正するための、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号を変数とした補正関数に基づいて、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号を補正する補正部と、
前記画素信号のダイナミックレンジの変化に応じて、前記補正関数における前記変数の次数を1次と1次以外の間で切り替える補正方法切り替え部と
を有する固体撮像装置。
【請求項2】
前記補正方法切り替え部は、撮影時の撮影モードに基づく前記画素信号のダイナミックレンジの変化に応じて、前記補正関数における前記変数の次数を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記補正方法切り替え部は、撮影時の光源に基づく前記画素信号のダイナミックレンジの変化に応じて、前記補正関数における前記変数の次数を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の固体撮像装置と、
被写体に照明光を照射する光源と、
前記照明光を通常光に設定する通常観察モードと、前記照明光を特殊光に設定する特殊観察モードと、を切り替える設定部と
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項5】
行列状に配置された複数の画素を有し、前記複数の画素の各々は複数の色のいずれか1つを検出して画素信号を生成し、前記複数の画素の列に対応して配置された複数の画素信号出力線に前記画素信号を出力する画素部と、
前記複数の画素信号出力線の1つと接続され、前記画素信号出力線に出力された前記画素信号をデジタル信号に変換して出力するAD変換部と、
前記複数の色の各々に対応する複数の前記画素信号に対応する前記デジタル信号に基づいて、前記AD変換部に入力される前記画素信号に対する、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号の特性を補正するための補正関数を算出する補正関数算出部と、
前記補正関数に基づいて、前記AD変換部から出力される前記デジタル信号を補正する補正部と
を有する固体撮像装置。
【請求項6】
前記補正関数算出部は、前記複数の色の各々に対応する複数の前記画素信号に対応する前記デジタル信号と、ホワイトバランスを調整するための信号とに基づいて、前記補正関数を算出することを特徴とする請求項5に記載の固体撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−90116(P2013−90116A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228481(P2011−228481)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】