固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法
【課題】赤外線の受光感度および解像度を向上させることができる固体撮像装置を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る固体撮像装置10は、半導体基板13、反射体17、および半田ボール20、を具備する。半導体基板13は、表面にフォトダイオードを含む感光領域を有し、その裏面は鏡面仕上げされている。反射体17は、半導体基板13の裏面上に形成されており、感光領域に入射された赤外線を反射する。半田ボール20は、感光領域に電気的に接続されている。
【解決手段】実施形態に係る固体撮像装置10は、半導体基板13、反射体17、および半田ボール20、を具備する。半導体基板13は、表面にフォトダイオードを含む感光領域を有し、その裏面は鏡面仕上げされている。反射体17は、半導体基板13の裏面上に形成されており、感光領域に入射された赤外線を反射する。半田ボール20は、感光領域に電気的に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線を受光する従来の固体撮像装置(以下、従来の赤外線センサと称する)は、赤外線を主に半導体基板の深部において受光して光電変換し、これにより発生した電荷を、半導体基板の表面に形成されたフォトダイオードに収集する。しかし、電荷は、主に半導体基板の深部において発生するため、赤外線を受光することにより発生した大多数の電荷は、フォトダイオードに到達する前に再結合により消滅する。従って、赤外線を受光しても、これによって発生する電荷はフォトダイオードに収集され難い。このことが、赤外線センサの受光感度を劣化させる要因となっていた。
【0003】
さらに、半導体基板の深部には電界が掛かっていないため、発生したキャリアは等方的に拡散する。従って、半導体基板において赤外線を受光することにより発生した電荷は、所定のフォトダイオードに到達せず、そのフォトダイオードの周辺の他のフォトダイオードに収集される。このことが、赤外線センサの解像度を劣化させる要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−74340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態は、赤外線の受光感度および解像度を向上させることができる固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る固体撮像装置は、半導体基板、反射体、および外部電極、を具備する。前記半導体基板は、表面にフォトダイオードを含む感光領域を有し、その裏面は鏡面仕上げされている。前記反射体は、前記半導体基板の裏面上に形成されており、前記感光領域に入射された赤外線を反射する。前記外部電極は、前記感光領域に電気的に接続されている。
【0007】
また、実施形態に係る固体撮像装置の製造方法は、半導体基板を薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程、赤外線を反射する反射体を形成する工程、および外部電極を形成する工程、を具備する。前記半導体基板を薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程は、表面にフォトダイオードを含む感光領域を有する半導体基板を裏面から薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程である。前記反射体を形成する工程は、薄型化し、かつ裏面を鏡面仕上げした前記半導体基板の裏面上に、前記感光領域に入射された赤外線を反射する反射体を形成する工程である。前記外部電極を形成する工程は、前記感光領域に電気的に接続されるように外部電極を形成する工程である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る固体撮像装置を示す断面図である。
【図2】図1の固体撮像装置に適用される半導体基板の一部を裏面側から見た平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、半導体ウエハ上に、ウエハ形状の透明部材を固定する工程を示す。
【図4】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、半導体ウエハを薄型化する工程を示す。
【図5】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、薄型化された半導体ウエハに貫通孔を形成する工程を示す。
【図6】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、半導体ウエハの裏面に反射体および配線を形成する工程を示す。
【図7】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、外部電極を形成する工程を示す。
【図8】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、複数の固体撮像装置を個片化する工程を示す。
【図9】第1の実施形態に係る固体撮像装置に適用される半導体基板の一部を拡大して示す断面図である。
【図10】シリコンに照射される光の波長と、シリコンの光の吸収係数と、の関係を示すグラフである。
【図11】シリコンに照射される光の波長と、その光の強度が1/eに減衰する深さと、の関係を示すグラフである。
【図12】実際に製造した固体撮像装置の相対感度と、シミュレーションによる固体撮像装置の相対感度と、を比較して示すグラフである。
【図13】キャリアの拡散長を30μmとした場合における従来の固体撮像装置において、装置に入射される光の波長と相対感度との関係を、半導体基板の厚さ毎に示すシミュレーション結果である。
【図14】キャリアの拡散長を20μmとした場合における従来の固体撮像装置において、装置に入射される光の波長と相対感度との関係を、半導体基板の厚さ毎に示すシミュレーション結果である。
【図15】キャリアの拡散長を30μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置において、装置に入射される光の波長と相対感度との関係を、半導体基板の厚さ毎に示すシミュレーション結果である。
【図16】キャリアの拡散長を20μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置において、装置に入射される光の波長と相対感度との関係を、半導体基板の厚さ毎に示すシミュレーション結果である。
【図17】拡散長が30μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、比較して示すグラフである。
【図18】拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、比較して示すグラフである。
【図19】第2の実施形態に係る固体撮像装置を示す、図1に相当する断面図である。
【図20】第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、半導体ウエハ上に、ウエハ形状の透明部材を固定する工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する固体撮像装置は、赤外線を受光する赤外線センサである。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る固体撮像装置を示す断面図である。図1に示す固体撮像装置10は、赤外線センサ基板11と、透明部材12と、を有する。
【0011】
赤外線センサ基板11は、薄型化された半導体基板13を有する。半導体基板13は、例えばn型のシリコン基板であり、その裏面は鏡面仕上げされている。
【0012】
半導体基板13の表面には、感光領域(図示せず)が形成されている。感光領域は、例えばn型の複数のフォトダイオード(図示せず)および複数のマイクロレンズ14が格子状に配列された領域である。なお、複数のフォトダイオードは、半導体基板13の表面に形成されたp型のウェル層(図示せず)の表面に形成される。
【0013】
また、半導体基板13の表面上において、感光領域の周囲、すなわち格子状に配列された複数のマイクロレンズ14の周囲には、感光領域に電気的に接続されたボンディングパッド15が形成されている。そして、ボンディングパッド15下には、半導体基板13を貫通する貫通孔16が形成されている。
【0014】
半導体基板13の裏面上には、赤外線を反射する反射体17および複数の配線18が形成されている。反射体17は、半導体基板13の裏面上において、感光領域に対応する領域を含むように形成されている。複数の配線18は、半導体基板13の裏面上において、反射体17の周囲に形成されている。
【0015】
図2は、半導体基板13を裏面側から見た平面図である。図2に示すように、反射体17は、例えば四角形状の金属からなり、このような反射体17が、上述のように感光領域に対応する領域を含むように形成されている。
【0016】
なお、反射体17は、赤外線を反射する性質を有する材料であれば、如何なる材料により形成されたものであってもよく、例えばCu等の金属からなる。
【0017】
この反射体17および半導体基板13の鏡面仕上げされた裏面によって、赤外線を反射する反射部が形成される。反射部は、半導体基板13の表面の感光領域に入射される赤外線を反射するとともに、半導体基板13の裏面側に照射される赤外線を反射する。従って、反射部は、半導体基板13の表面側から入射される赤外線に対してミラーとして機能し、半導体基板13の裏面側に照射される赤外線に対して遮光体として機能する。
【0018】
図2に示すように、それぞれの配線18は、例えば反射体17より小さい四角形状の金属からなり、このような複数の配線18が、上述のように反射体17の周囲に形成されている。
【0019】
また、図1に示すように、これらの配線18のそれぞれは、貫通孔16内に形成された導電体19を介してボンディングパッド15に電気的に接続されている。
【0020】
なお、配線18および導電体19は、導電性の材料であれば、如何なる材料により形成されたものであってもよく、例えばCu等の金属からなる。例えば上述の反射体17、配線18、および導電体19が、例えばCu等の同一の材料により形成される場合、これらを一度の製造工程により形成することができる。従って、反射体17、配線18および導電体19は、同一の材料により形成されることが好ましい。
【0021】
図1に示すように、複数の配線18上にはそれぞれ、外部電極20が形成されている。複数の外部電極20のそれぞれは、例えば半田ボールである。
【0022】
このような赤外線センサ基板11において、半導体基板13は、感光領域に入射された赤外線の大部分が、半導体基板13の裏面側に設けられた反射部において反射する程度に薄型化されたものである。例えば半導体基板13は、20μm程度に薄型化されている。
【0023】
このような半導体基板13を有する赤外線センサ基板11上には、透明部材12が配置されており、接着剤21によって固定されている。接着剤21は、半導体基板13の表面において、感光領域の周囲、すなわち格子状に配列された複数のマイクロレンズ14の周囲に形成されている。透明部材12は、この接着剤21を介して、半導体基板13上に固定されている。透明部材12は、薄い半導体基板13を支持するためのものである。透明部材12は、例えばガラスである。
【0024】
このように赤外線センサ基板11上に透明部材12を配置、固定することにより、感光領域上には、接着剤21および透明部材12により囲まれた中空領域22が形成される。これにより、マイクロレンズ14による、入射光のフォトダイオードへの集光性が向上する。
【0025】
以上に説明した固体撮像装置10のように、半導体基板13に貫通孔16を形成する構造は、一般にTSV(Through Si Via)と称し、TSV構造を採用した固体撮像装置をTSV-Chipと称する。従って、上述の固体撮像装置10は、TSV-Chipである。
【0026】
次に、図3乃至図8を参照して、第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する。図3乃至図8は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための、図1に対応する断面図である。
【0027】
なお、以下に説明する固体撮像装置10の製造方法は、全ての工程をウエハ状態にて実行し、最後に複数形成した固体撮像装置10を個片化することによって、複数の固体撮像装置10を一括形成する方法である。従って、以下の説明において、上述の半導体基板13を半導体ウエハ13と称し、上述の透明部材12を透明性を有するウエハ12と称する。
【0028】
まず、図3に示すように、所定領域に格子状に複数の感光領域、およびボンディングパッド15が形成された半導体ウエハ13上に接着剤21を形成し、この接着剤21によって、半導体ウエハ13上に透明性を有するウエハ12を固定する。接着剤21は、各感光領域、すなわち複数のマイクロレンズ14の周囲に形成されるように、例えばパターニング等の方法により形成する。
【0029】
次に、図4に示すように、半導体ウエハ13を裏面から薄型化し、半導体ウエハ13の裏面を鏡面仕上げする。半導体ウエハ13の薄型化および鏡面仕上げは、半導体ウエハ13が所定の厚み、例えば20μmの厚みになるまで行われる。半導体ウエハ13の薄型化は、エッチング、研削等の方法により行われ、半導体ウエハ13の裏面の鏡面仕上げは、例えばCMP法によって行われる。
【0030】
次に、図5に示すように、薄型化され、裏面が鏡面仕上げされた半導体ウエハ13の各所定位置にそれぞれ貫通孔16を形成する。各貫通孔16は、対応するボンディングパッド15の少なくとも一部が、半導体ウエハ13の裏面側に露出するように形成する。
【0031】
次に、図6に示すように、半導体ウエハ13の貫通孔16内に、貫通孔16を埋めるように導電体19を形成するとともに、半導体ウエハ13の裏面上に、反射体17および配線18を形成する。導電体19は、例えば半導体ウエハ13の裏面全面に、金属等の導体を蒸着することにより形成される。また、反射体17および配線18は、例えば、上述のように半導体ウエハ13の裏面に蒸着によって形成された金属膜をパターニングすることにより形成される。
【0032】
導電体19、反射体17、および配線18を同一材料により形成すれば、これらを一度の工程で形成することができるため、製造工程数を減少させることができる。しかし、これらを、互いに異なる材料により、それぞれ別工程にて形成してもよい。
【0033】
次に、図7に示すように、各配線18上に、外部電極20として、例えば半田ボールを形成する。これによって、一枚の半導体ウエハ13に、複数の固体撮像装置10が形成される。
【0034】
最後に、図8に示すように、各固体撮像装置10間をダイシングすることにより、複数の固体撮像装置10を個片化する。
【0035】
次に、このようにして製造された固体撮像装置10の作用および効果を、図9、図10、および図11を参照して説明する。
【0036】
図9は、本実施形態に係る固体撮像装置10に適用される半導体基板13の一部を拡大して示す断面図である。図9に示すように、半導体基板13の表面側から、感光領域に、波長0.8μm以上の赤外線Lrが入射されると、入射された赤外線Lrは、半導体基板13の内部に侵入する。半導体基板13の内部に侵入した赤外線Lrは、半導体基板13にエネルギーとして吸収され、その吸収量に応じてキャリア(電子)を放出しながら、半導体基板13の深部へと進行する。すなわち、赤外線Lrが半導体基板13に入射されると、赤外線Lrは、光電変換されながら半導体基板13の深部方向に進行する。
【0037】
図10は、シリコンに照射される光の波長と、シリコンの光の吸収係数と、の関係を示すグラフである。図11は、シリコンに照射される光の波長と、その光の強度が1/eに減衰する深さと、の関係を示すグラフである。
【0038】
図10に示すように、半導体基板13がシリコンである場合において、波長0.8μm以上の赤外線の吸収係数は1.0×103cm−1以下であり、波長0.4μm以上0.7μm以下の可視光の吸収係数と比較して、非常に小さい。従って、図11に示すように、可視光は、深さ10(μm)以下の浅い領域、すなわち半導体基板13の表面領域において、その強度が1/eまで減衰する。これに対して、赤外線は、深さ10(μm)以上の深い領域において、強度が1/eまで減衰する。
【0039】
このように、可視光は、主に半導体基板13の表面領域で光電変換されるが、赤外線は、主に半導体基板13の深部において光電変換される。従って、図9に示すように、赤外線Lrが半導体基板13に入射されると、赤外線Lrは、その僅かな一部のみが光電変換されながら半導体基板13の深部方向に進行する。
【0040】
図9に示すように、赤外線Lrがシリコンからなる半導体基板13に入射されると、図10および図11に示すように、赤外線Lrは、ほとんど光電変換されずに半導体基板13の深部方向に進行する。ここで、半導体基板13は、半導体基板13に入射される赤外線Lrの大部分が、反射体17および半導体基板13の鏡面仕上げされた裏面を含む反射部において反射される程度に薄型化されているため、図9に示すように、赤外線Lrの大部分が光電変換される前に、反射部において反射される。
【0041】
図10および図11に示すように、赤外線Lrの大部分は、シリコンからなる半導体基板13に入射された後、所定の距離を進行した後に光電変換される。従って、図9に示すように、赤外線Lrが半導体基板13に入射されると、その大部分は反射部によって反射された後、半導体基板13の表面方向に進行しながら光電変換される。これにより、赤外線Lrが光電変換されることによって発生するキャリア(電子)を、従来より半導体基板の表面側において発生させることができる。これにより、キャリア(電子)を、所定のフォトダイオード23に、キャリア(電子)が再結合する前に容易に収集することができる。従って、固体撮像装置の赤外線の受光感度および解像度を、従来より向上させることができる。
【0042】
特に、本実施形態に係る固体撮像装置10によって受光感度が向上することについては、発明者等によるシミュレーションにより確かめられた。以下に、シミュレーション結果について説明する。
【0043】
まず、固体撮像装置の感度に関するシミュレーション結果の妥当性を検証するために、以下のシミュレーションを行った。
【0044】
図12は、実際に製造した固体撮像装置の相対感度と、シミュレーションによる固体撮像装置の相対感度と、を比較して示すグラフである。同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0045】
図12において比較される両固体撮像装置は、n型の半導体基板にp型のウェルを形成し、このウェルの表面に、n型のフォトダイオードを形成したものである。なお、ウェルの拡散条件は1200℃×15Hr程度であり、ウェルの不純物濃度の変化点は、半導体基板表面から深さ5.5μmの位置である。シミュレーションにおいて、ウェルの不純物濃度の変化点(=5.5μm)以下の深部で発生したキャリアは、フォトダイオードに収集されない、とした。
【0046】
図12に示すように、実際に製造された固体撮像装置の相対感度と、シミュレーション結果とは、ほぼ一致した。このことから、以下に示す、固体撮像装置の受光感度に関するシミュレーション結果は妥当な結果を示し、実際に製造された固体撮像装置の受光感度にほぼ一致すると判断することができる。
【0047】
本願発明者等は、キャリアの拡散長を30μmまたは20μmとした場合における、従来の固体撮像装置および本実施形態に係る固体撮像装置の受光感度について、シミュレーションを行った。
【0048】
まず、キャリアの拡散長を30μmまたは20μmとした場合における従来の固体撮像装置の受光感度についてシミュレーションを行った。
【0049】
図13は、キャリアの拡散長を30μmとした場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、この装置に入射される光の波長と、の関係を、半導体基板の厚さ(=2μm、4μm、8μm、12μm、16μm、20μm、30μm、40μm)毎に示すシミュレーション結果であり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0050】
図13に示すように、従来の固体撮像装置の相対感度は、半導体基板が厚いほど高くなり、従来の固体撮像装置のピーク感度は、半導体基板が厚いほど長波長側に移動していた。
【0051】
この図13において、半導体基板の厚さが2μm、4μm、8μm、12μmの場合(これ以上の深さではキヤリアが発生しない場合)における可視光の波長域(0.4〜0.7μm)内の従来の固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さの変化に対して、大きな差が生じた。これに対して、半導体基板の厚さが16μm、20μm、30μm、40μm)の場合における可視光の波長域内の従来の固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さの変化に対して、ほとんど差が生じなかった。この結果は、可視光が主に半導体基板の表面において光電変換されることを示す。
【0052】
しかし、半導体基板の厚さが16μm、20μm、30μm、40μm)の場合であっても、赤外線の波長域(0.8μm以上)における固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さの変化に対して僅かに差が生じており、半導体基板が厚いほど、相対感度が高くなった。この結果は、赤外線は、主に半導体基板の深部において光電変換されることを示す。しかしながら、深部において発生したキャリアほど、再結合により消滅する確率が高くなる。従って、赤外線の波長域(0.8μm以上)における固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さに僅かに影響される程度となった。
【0053】
図14は、キャリアの拡散長を20μmとした場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、この装置に入射される光の波長と、の関係を、半導体基板の厚さ(=2μm、4μm、8μm、12μm、16μm、20μm、30μm、40μm)毎に示すシミュレーション結果であり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0054】
図14に示すように、キャリアの拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度の波長依存性は、図13に示す固体撮像装置の相対感度の波長依存性にほぼ一致した結果となった。
【0055】
しかし、全波長域において、キャリアの拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度は、キャリアの拡散長が30μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度(図13)より低下していた。この結果は、キャリアの拡散長が短い場合、半導体基板内で発生したキャリアが再結合により消滅する確率が高く、フォトダイオードに到達し難いことを示す。
【0056】
さらに、半導体基板の厚さが16μm、20μm、30μm、40μm)の場合において、キャリアの拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の赤外線の波長域(0.8μm以上)の相対感度は、キャリアの拡散長が30μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と比較して、半導体基板の厚さに影響され難くなった。これも、キャリアの拡散長が短いために生じたと考えられる。
【0057】
次に、キャリアの拡散長を30μmまたは20μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置の受光感度についてシミュレーションを行った。
【0058】
図15は、キャリアの拡散長を30μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、この装置に入射される光の波長と、の関係を、半導体基板の厚さ(=10μm、15μm、20μm)毎に示すシミュレーション結果であり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0059】
なお、本実施形態に係る半導体基板13は、この裏面に赤外線を反射する反射部を有するものである。従って、本実施形態に係る固体撮像装置10における半導体基板13の厚さは、従来の固体撮像装置における半導体基板の厚さの半分に実効的に等しい。すなわち、本実施形態に係る固体撮像装置10における半導体基板13の厚さ10μm、15μm、20μmは、従来の固体撮像装置における半導体基板の厚さ20μm、30μm、40μmにそれぞれ実効的に等しい。
【0060】
図15に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、半導体基板が厚いほど高くなり、固体撮像装置のピーク感度は、半導体基板が厚いほど長波長側に移動していた。この傾向は、図13に示すように、従来の固体撮像装置の相対感度の傾向と同様である。
【0061】
図15において、赤外線の波長域(0.8μm以上)における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、同一波長域における従来の固体撮像装置の相対感度(図13)と比較して高くなっており、半導体基板の厚さの変化に対する感度差が大きくなった。
【0062】
例えば波長1.0μmにおける本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さ20μm(すなわち、実効的な厚さ40μm)の場合に0.26程度であるのに対し、同一波長における従来の固体撮像装置の相対感度は、図13に示すように、半導体基板の厚さ40μmの場合に0.2程度であった。また、波長1.0μmにおける本実施形態に係る固体撮像装置の感度差は、半導体基板の厚さ10μmの変化(すなわち、実効的に20μmの変化)に対して、およそ1.0程度であるのに対し、同一波長における従来の固体撮像装置の感度差は、図13に示すように、半導体基板の厚さ20μmの変化に対して、およそ0.5程度であった。
【0063】
この結果は、本実施形態に係る固体撮像装置10は、赤外線の大部分を反射部で反射し、半導体基板13の表面付近で光電変換することを示す。
【0064】
図16は、キャリアの拡散長を20μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、この装置に入射される光の波長と、の関係を、半導体基板の厚さ(=10μm、15μm、20μm)毎に示すシミュレーション結果であり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0065】
図16に示すように、キャリアの拡散長が20μmの場合における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度の波長依存性は、図15に示す固体撮像装置の相対感度の波長依存性とほぼ同様の傾向を示す結果となった。すなわち、赤外線の波長域(0.8μm以上)における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、同一波長域における従来の固体撮像装置の相対感度(図14)と比較して高くなっており、半導体基板の厚さの変化に対する感度差が大きくなった。
【0066】
例えば波長1.0μmにおける本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さ20μm(すなわち、実効的な厚さ40μm)の場合に0.23程度であるのに対し、同一波長における従来の固体撮像装置の相対感度は、図14に示すように、半導体基板の厚さ40μmの場合に0.16程度であった。また、波長1.0μmにおける本実施形態に係る固体撮像装置の感度差は、半導体基板の厚さ10μmの変化(すなわち、実効的に20μmの変化)に対して、およそ1.0程度であるのに対し、同一波長における従来の固体撮像装置の感度差は、図14に示すように、半導体基板の厚さ20μmの変化に対して、およそ0.4程度であった。
【0067】
この結果も、本実施形態に係る固体撮像装置10は、赤外線の大部分を反射部で反射し、半導体基板13の表面付近で光電変換することを示す。
【0068】
図17は、拡散長が30μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、比較して示すグラフであり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。同図中には、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度の、従来の固体撮像装置に対する改善率も示す。なお、図17において、従来の固体撮像装置が有する半導体基板の厚さは40μmであり、本実施形態に係る固体撮像装置が有する半導体基板の厚さは20μmである。
【0069】
図17から明らかなように、本実施形態に係る固体撮像装置10は、従来の固体撮像装置と比較して、赤外線の相対感度が向上している。0.8μm以上の波長を有する赤外線において、相対感度の改善率は、5%〜30%程度であった。
【0070】
図18は、拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、比較して示すグラフであり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。同図中には、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度の、従来の固体撮像装置に対する改善率も示す。なお、図18において、従来の固体撮像装置が有する半導体基板の厚さは40μmであり、本実施形態に係る固体撮像装置が有する半導体基板の厚さは20μmである。
【0071】
図18からも明らかなように、本実施形態に係る固体撮像装置10は、従来の固体撮像装置と比較して、赤外線の相対感度が向上している。0.8μm以上の波長を有する赤外線において、受光感度の改善率は、5%〜45%程度であった。
【0072】
以上に説明したように、本実施形態に係る固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法によれば、入射される赤外線の大部分が反射体において反射される程度に半導体基板13が薄型化されている。従って、本実施形態に係る固体撮像装置10および固体撮像装置の製造方法によれば、従来より半導体基板13の表面に近い領域でキャリアを発生させることができる。これにより、キャリアがフォトダイオードに到達する前に再結合して消滅することを抑制することができるため、従来よりキャリアをフォトダイオードに収集することが容易になる。従って、本実施形態に係る固体撮像装置10および固体撮像装置の製造方法によれば、従来より赤外線に対する受光感度を向上させることができる。なお、このことについては、上述のシミュレーション結果からも明らかである。
【0073】
さらに、本実施形態に係る固体撮像装置10および固体撮像装置の製造方法によれば、従来よりフォトダイオードに近い領域でキャリアを発生させることができるため、発生したキャリアを、所定のフォトダイオードに到達させることができる。従って、本実施形態に係る固体撮像装置10および固体撮像装置の製造方法によれば、従来より解像度を向上させることができる。
【0074】
(第2の実施形態)
図19は、第2の実施形態に係る固体撮像装置を示す、図1に相当する断面図である。図19に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置30は、第1の実施形態に係る固体撮像装置10と比較して、接着剤31の構造が異なる。
【0075】
すなわち、第2の実施形態に係る固体撮像装置30において、接着剤31は、図19に示すように、半導体基板13の表面全面に形成されている。透明部材12は、この接着剤31を介して半導体基板13上に固定されている。
【0076】
なお、この場合における接着剤31は、入射される光が透明部材12および接着剤31を介して半導体基板13の感光領域(図示せず)に入射されるため、透明性を有する接着剤である必要がある。
【0077】
また、マイクロレンズ14の形状は、マイクロレンズ14の屈折率と接着剤の屈折率の違いを考慮し、適宜設計する必要がある。
【0078】
次に、第2の実施形態に係る固体撮像装置30の製造方法について説明する。この製造方法は、第1の実施形態に係る固体撮像装置10の製造方法と比較して、半導体ウエハ13上に、透明性を有するウエハ12を固定する工程が異なる。以下、この工程について、図20を参照して説明する。
【0079】
図20は、第2の実施形態に係る固体撮像装置30の製造方法を説明するための断面図である。図20に示すように、第2の実施形態に係る固体撮像装置30の製造方法において、透明性を有するウエハ12を固定する工程は、半導体ウエハ13の表面全面に透明性を有する接着剤31を形成し、この接着剤31を介して、透明性を有するウエハ12を固定する。
【0080】
この後の工程は、全て第1の実施形態に係る固体撮像装置10の製造方法と同一であるため、説明を省略する。
【0081】
以上に説明したように、本実施形態に係る固体撮像装置30および固体撮像装置の製造方法であっても、入射される赤外線の大部分が反射部において反射される程度に半導体基板13が薄型化されている。従って、第1の実施形態と同様の理由により、従来より赤外線に対する受光感度を向上させ、かつ従来より解像度を向上させることができる。
【0082】
さらに、本実施形態に係る固体撮像装置30および固体撮像装置の製造方法によれば、半導体基板13の表面全面に接着剤31が形成されているため、半導体基板13の厚さをより均一にすることができる。
【0083】
すなわち、半導体基板13の裏面を研磨する工程において、第1の実施形態に係る固体撮像装置10のように、半導体基板13上に中空領域22を有する場合、研磨時に半導体基板13が中空領域22内に凸状に撓み、研磨後の半導体基板13の厚さが不均一になる可能性がある。半導体基板13の厚さが不均一になった場合、赤外線に対する実際の受光感度は、所定の受光感度と異なる。しかし、第2の実施形態に係る固体撮像装置30のように、半導体基板13上に中空領域を有さない場合、研磨時に半導体基板13が撓むことを抑制することができる。従って、半導体基板13の厚さを均一にすることができる。これにより、赤外線に対する実際の受光感度の、所定の受光感度に対するズレを抑制することができる。
【0084】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10、30・・・固体撮像装置
11・・・赤外線センサ基板
12・・・透明部材(透明性を有するウエハ)
13・・・半導体基板(半導体ウエハ)
14・・・マイクロレンズ
15・・・ボンディングパッド
16・・・貫通孔
17・・・反射体
18・・・配線
19・・・導電体
20・・・外部電極(半田ボール)
21、31・・・接着剤
22・・・中空領域
23・・・フォトダイオード
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線を受光する従来の固体撮像装置(以下、従来の赤外線センサと称する)は、赤外線を主に半導体基板の深部において受光して光電変換し、これにより発生した電荷を、半導体基板の表面に形成されたフォトダイオードに収集する。しかし、電荷は、主に半導体基板の深部において発生するため、赤外線を受光することにより発生した大多数の電荷は、フォトダイオードに到達する前に再結合により消滅する。従って、赤外線を受光しても、これによって発生する電荷はフォトダイオードに収集され難い。このことが、赤外線センサの受光感度を劣化させる要因となっていた。
【0003】
さらに、半導体基板の深部には電界が掛かっていないため、発生したキャリアは等方的に拡散する。従って、半導体基板において赤外線を受光することにより発生した電荷は、所定のフォトダイオードに到達せず、そのフォトダイオードの周辺の他のフォトダイオードに収集される。このことが、赤外線センサの解像度を劣化させる要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−74340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態は、赤外線の受光感度および解像度を向上させることができる固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る固体撮像装置は、半導体基板、反射体、および外部電極、を具備する。前記半導体基板は、表面にフォトダイオードを含む感光領域を有し、その裏面は鏡面仕上げされている。前記反射体は、前記半導体基板の裏面上に形成されており、前記感光領域に入射された赤外線を反射する。前記外部電極は、前記感光領域に電気的に接続されている。
【0007】
また、実施形態に係る固体撮像装置の製造方法は、半導体基板を薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程、赤外線を反射する反射体を形成する工程、および外部電極を形成する工程、を具備する。前記半導体基板を薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程は、表面にフォトダイオードを含む感光領域を有する半導体基板を裏面から薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程である。前記反射体を形成する工程は、薄型化し、かつ裏面を鏡面仕上げした前記半導体基板の裏面上に、前記感光領域に入射された赤外線を反射する反射体を形成する工程である。前記外部電極を形成する工程は、前記感光領域に電気的に接続されるように外部電極を形成する工程である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る固体撮像装置を示す断面図である。
【図2】図1の固体撮像装置に適用される半導体基板の一部を裏面側から見た平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、半導体ウエハ上に、ウエハ形状の透明部材を固定する工程を示す。
【図4】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、半導体ウエハを薄型化する工程を示す。
【図5】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、薄型化された半導体ウエハに貫通孔を形成する工程を示す。
【図6】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、半導体ウエハの裏面に反射体および配線を形成する工程を示す。
【図7】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、外部電極を形成する工程を示す。
【図8】第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、複数の固体撮像装置を個片化する工程を示す。
【図9】第1の実施形態に係る固体撮像装置に適用される半導体基板の一部を拡大して示す断面図である。
【図10】シリコンに照射される光の波長と、シリコンの光の吸収係数と、の関係を示すグラフである。
【図11】シリコンに照射される光の波長と、その光の強度が1/eに減衰する深さと、の関係を示すグラフである。
【図12】実際に製造した固体撮像装置の相対感度と、シミュレーションによる固体撮像装置の相対感度と、を比較して示すグラフである。
【図13】キャリアの拡散長を30μmとした場合における従来の固体撮像装置において、装置に入射される光の波長と相対感度との関係を、半導体基板の厚さ毎に示すシミュレーション結果である。
【図14】キャリアの拡散長を20μmとした場合における従来の固体撮像装置において、装置に入射される光の波長と相対感度との関係を、半導体基板の厚さ毎に示すシミュレーション結果である。
【図15】キャリアの拡散長を30μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置において、装置に入射される光の波長と相対感度との関係を、半導体基板の厚さ毎に示すシミュレーション結果である。
【図16】キャリアの拡散長を20μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置において、装置に入射される光の波長と相対感度との関係を、半導体基板の厚さ毎に示すシミュレーション結果である。
【図17】拡散長が30μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、比較して示すグラフである。
【図18】拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、比較して示すグラフである。
【図19】第2の実施形態に係る固体撮像装置を示す、図1に相当する断面図である。
【図20】第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図であって、半導体ウエハ上に、ウエハ形状の透明部材を固定する工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する固体撮像装置は、赤外線を受光する赤外線センサである。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る固体撮像装置を示す断面図である。図1に示す固体撮像装置10は、赤外線センサ基板11と、透明部材12と、を有する。
【0011】
赤外線センサ基板11は、薄型化された半導体基板13を有する。半導体基板13は、例えばn型のシリコン基板であり、その裏面は鏡面仕上げされている。
【0012】
半導体基板13の表面には、感光領域(図示せず)が形成されている。感光領域は、例えばn型の複数のフォトダイオード(図示せず)および複数のマイクロレンズ14が格子状に配列された領域である。なお、複数のフォトダイオードは、半導体基板13の表面に形成されたp型のウェル層(図示せず)の表面に形成される。
【0013】
また、半導体基板13の表面上において、感光領域の周囲、すなわち格子状に配列された複数のマイクロレンズ14の周囲には、感光領域に電気的に接続されたボンディングパッド15が形成されている。そして、ボンディングパッド15下には、半導体基板13を貫通する貫通孔16が形成されている。
【0014】
半導体基板13の裏面上には、赤外線を反射する反射体17および複数の配線18が形成されている。反射体17は、半導体基板13の裏面上において、感光領域に対応する領域を含むように形成されている。複数の配線18は、半導体基板13の裏面上において、反射体17の周囲に形成されている。
【0015】
図2は、半導体基板13を裏面側から見た平面図である。図2に示すように、反射体17は、例えば四角形状の金属からなり、このような反射体17が、上述のように感光領域に対応する領域を含むように形成されている。
【0016】
なお、反射体17は、赤外線を反射する性質を有する材料であれば、如何なる材料により形成されたものであってもよく、例えばCu等の金属からなる。
【0017】
この反射体17および半導体基板13の鏡面仕上げされた裏面によって、赤外線を反射する反射部が形成される。反射部は、半導体基板13の表面の感光領域に入射される赤外線を反射するとともに、半導体基板13の裏面側に照射される赤外線を反射する。従って、反射部は、半導体基板13の表面側から入射される赤外線に対してミラーとして機能し、半導体基板13の裏面側に照射される赤外線に対して遮光体として機能する。
【0018】
図2に示すように、それぞれの配線18は、例えば反射体17より小さい四角形状の金属からなり、このような複数の配線18が、上述のように反射体17の周囲に形成されている。
【0019】
また、図1に示すように、これらの配線18のそれぞれは、貫通孔16内に形成された導電体19を介してボンディングパッド15に電気的に接続されている。
【0020】
なお、配線18および導電体19は、導電性の材料であれば、如何なる材料により形成されたものであってもよく、例えばCu等の金属からなる。例えば上述の反射体17、配線18、および導電体19が、例えばCu等の同一の材料により形成される場合、これらを一度の製造工程により形成することができる。従って、反射体17、配線18および導電体19は、同一の材料により形成されることが好ましい。
【0021】
図1に示すように、複数の配線18上にはそれぞれ、外部電極20が形成されている。複数の外部電極20のそれぞれは、例えば半田ボールである。
【0022】
このような赤外線センサ基板11において、半導体基板13は、感光領域に入射された赤外線の大部分が、半導体基板13の裏面側に設けられた反射部において反射する程度に薄型化されたものである。例えば半導体基板13は、20μm程度に薄型化されている。
【0023】
このような半導体基板13を有する赤外線センサ基板11上には、透明部材12が配置されており、接着剤21によって固定されている。接着剤21は、半導体基板13の表面において、感光領域の周囲、すなわち格子状に配列された複数のマイクロレンズ14の周囲に形成されている。透明部材12は、この接着剤21を介して、半導体基板13上に固定されている。透明部材12は、薄い半導体基板13を支持するためのものである。透明部材12は、例えばガラスである。
【0024】
このように赤外線センサ基板11上に透明部材12を配置、固定することにより、感光領域上には、接着剤21および透明部材12により囲まれた中空領域22が形成される。これにより、マイクロレンズ14による、入射光のフォトダイオードへの集光性が向上する。
【0025】
以上に説明した固体撮像装置10のように、半導体基板13に貫通孔16を形成する構造は、一般にTSV(Through Si Via)と称し、TSV構造を採用した固体撮像装置をTSV-Chipと称する。従って、上述の固体撮像装置10は、TSV-Chipである。
【0026】
次に、図3乃至図8を参照して、第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する。図3乃至図8は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明するための、図1に対応する断面図である。
【0027】
なお、以下に説明する固体撮像装置10の製造方法は、全ての工程をウエハ状態にて実行し、最後に複数形成した固体撮像装置10を個片化することによって、複数の固体撮像装置10を一括形成する方法である。従って、以下の説明において、上述の半導体基板13を半導体ウエハ13と称し、上述の透明部材12を透明性を有するウエハ12と称する。
【0028】
まず、図3に示すように、所定領域に格子状に複数の感光領域、およびボンディングパッド15が形成された半導体ウエハ13上に接着剤21を形成し、この接着剤21によって、半導体ウエハ13上に透明性を有するウエハ12を固定する。接着剤21は、各感光領域、すなわち複数のマイクロレンズ14の周囲に形成されるように、例えばパターニング等の方法により形成する。
【0029】
次に、図4に示すように、半導体ウエハ13を裏面から薄型化し、半導体ウエハ13の裏面を鏡面仕上げする。半導体ウエハ13の薄型化および鏡面仕上げは、半導体ウエハ13が所定の厚み、例えば20μmの厚みになるまで行われる。半導体ウエハ13の薄型化は、エッチング、研削等の方法により行われ、半導体ウエハ13の裏面の鏡面仕上げは、例えばCMP法によって行われる。
【0030】
次に、図5に示すように、薄型化され、裏面が鏡面仕上げされた半導体ウエハ13の各所定位置にそれぞれ貫通孔16を形成する。各貫通孔16は、対応するボンディングパッド15の少なくとも一部が、半導体ウエハ13の裏面側に露出するように形成する。
【0031】
次に、図6に示すように、半導体ウエハ13の貫通孔16内に、貫通孔16を埋めるように導電体19を形成するとともに、半導体ウエハ13の裏面上に、反射体17および配線18を形成する。導電体19は、例えば半導体ウエハ13の裏面全面に、金属等の導体を蒸着することにより形成される。また、反射体17および配線18は、例えば、上述のように半導体ウエハ13の裏面に蒸着によって形成された金属膜をパターニングすることにより形成される。
【0032】
導電体19、反射体17、および配線18を同一材料により形成すれば、これらを一度の工程で形成することができるため、製造工程数を減少させることができる。しかし、これらを、互いに異なる材料により、それぞれ別工程にて形成してもよい。
【0033】
次に、図7に示すように、各配線18上に、外部電極20として、例えば半田ボールを形成する。これによって、一枚の半導体ウエハ13に、複数の固体撮像装置10が形成される。
【0034】
最後に、図8に示すように、各固体撮像装置10間をダイシングすることにより、複数の固体撮像装置10を個片化する。
【0035】
次に、このようにして製造された固体撮像装置10の作用および効果を、図9、図10、および図11を参照して説明する。
【0036】
図9は、本実施形態に係る固体撮像装置10に適用される半導体基板13の一部を拡大して示す断面図である。図9に示すように、半導体基板13の表面側から、感光領域に、波長0.8μm以上の赤外線Lrが入射されると、入射された赤外線Lrは、半導体基板13の内部に侵入する。半導体基板13の内部に侵入した赤外線Lrは、半導体基板13にエネルギーとして吸収され、その吸収量に応じてキャリア(電子)を放出しながら、半導体基板13の深部へと進行する。すなわち、赤外線Lrが半導体基板13に入射されると、赤外線Lrは、光電変換されながら半導体基板13の深部方向に進行する。
【0037】
図10は、シリコンに照射される光の波長と、シリコンの光の吸収係数と、の関係を示すグラフである。図11は、シリコンに照射される光の波長と、その光の強度が1/eに減衰する深さと、の関係を示すグラフである。
【0038】
図10に示すように、半導体基板13がシリコンである場合において、波長0.8μm以上の赤外線の吸収係数は1.0×103cm−1以下であり、波長0.4μm以上0.7μm以下の可視光の吸収係数と比較して、非常に小さい。従って、図11に示すように、可視光は、深さ10(μm)以下の浅い領域、すなわち半導体基板13の表面領域において、その強度が1/eまで減衰する。これに対して、赤外線は、深さ10(μm)以上の深い領域において、強度が1/eまで減衰する。
【0039】
このように、可視光は、主に半導体基板13の表面領域で光電変換されるが、赤外線は、主に半導体基板13の深部において光電変換される。従って、図9に示すように、赤外線Lrが半導体基板13に入射されると、赤外線Lrは、その僅かな一部のみが光電変換されながら半導体基板13の深部方向に進行する。
【0040】
図9に示すように、赤外線Lrがシリコンからなる半導体基板13に入射されると、図10および図11に示すように、赤外線Lrは、ほとんど光電変換されずに半導体基板13の深部方向に進行する。ここで、半導体基板13は、半導体基板13に入射される赤外線Lrの大部分が、反射体17および半導体基板13の鏡面仕上げされた裏面を含む反射部において反射される程度に薄型化されているため、図9に示すように、赤外線Lrの大部分が光電変換される前に、反射部において反射される。
【0041】
図10および図11に示すように、赤外線Lrの大部分は、シリコンからなる半導体基板13に入射された後、所定の距離を進行した後に光電変換される。従って、図9に示すように、赤外線Lrが半導体基板13に入射されると、その大部分は反射部によって反射された後、半導体基板13の表面方向に進行しながら光電変換される。これにより、赤外線Lrが光電変換されることによって発生するキャリア(電子)を、従来より半導体基板の表面側において発生させることができる。これにより、キャリア(電子)を、所定のフォトダイオード23に、キャリア(電子)が再結合する前に容易に収集することができる。従って、固体撮像装置の赤外線の受光感度および解像度を、従来より向上させることができる。
【0042】
特に、本実施形態に係る固体撮像装置10によって受光感度が向上することについては、発明者等によるシミュレーションにより確かめられた。以下に、シミュレーション結果について説明する。
【0043】
まず、固体撮像装置の感度に関するシミュレーション結果の妥当性を検証するために、以下のシミュレーションを行った。
【0044】
図12は、実際に製造した固体撮像装置の相対感度と、シミュレーションによる固体撮像装置の相対感度と、を比較して示すグラフである。同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0045】
図12において比較される両固体撮像装置は、n型の半導体基板にp型のウェルを形成し、このウェルの表面に、n型のフォトダイオードを形成したものである。なお、ウェルの拡散条件は1200℃×15Hr程度であり、ウェルの不純物濃度の変化点は、半導体基板表面から深さ5.5μmの位置である。シミュレーションにおいて、ウェルの不純物濃度の変化点(=5.5μm)以下の深部で発生したキャリアは、フォトダイオードに収集されない、とした。
【0046】
図12に示すように、実際に製造された固体撮像装置の相対感度と、シミュレーション結果とは、ほぼ一致した。このことから、以下に示す、固体撮像装置の受光感度に関するシミュレーション結果は妥当な結果を示し、実際に製造された固体撮像装置の受光感度にほぼ一致すると判断することができる。
【0047】
本願発明者等は、キャリアの拡散長を30μmまたは20μmとした場合における、従来の固体撮像装置および本実施形態に係る固体撮像装置の受光感度について、シミュレーションを行った。
【0048】
まず、キャリアの拡散長を30μmまたは20μmとした場合における従来の固体撮像装置の受光感度についてシミュレーションを行った。
【0049】
図13は、キャリアの拡散長を30μmとした場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、この装置に入射される光の波長と、の関係を、半導体基板の厚さ(=2μm、4μm、8μm、12μm、16μm、20μm、30μm、40μm)毎に示すシミュレーション結果であり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0050】
図13に示すように、従来の固体撮像装置の相対感度は、半導体基板が厚いほど高くなり、従来の固体撮像装置のピーク感度は、半導体基板が厚いほど長波長側に移動していた。
【0051】
この図13において、半導体基板の厚さが2μm、4μm、8μm、12μmの場合(これ以上の深さではキヤリアが発生しない場合)における可視光の波長域(0.4〜0.7μm)内の従来の固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さの変化に対して、大きな差が生じた。これに対して、半導体基板の厚さが16μm、20μm、30μm、40μm)の場合における可視光の波長域内の従来の固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さの変化に対して、ほとんど差が生じなかった。この結果は、可視光が主に半導体基板の表面において光電変換されることを示す。
【0052】
しかし、半導体基板の厚さが16μm、20μm、30μm、40μm)の場合であっても、赤外線の波長域(0.8μm以上)における固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さの変化に対して僅かに差が生じており、半導体基板が厚いほど、相対感度が高くなった。この結果は、赤外線は、主に半導体基板の深部において光電変換されることを示す。しかしながら、深部において発生したキャリアほど、再結合により消滅する確率が高くなる。従って、赤外線の波長域(0.8μm以上)における固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さに僅かに影響される程度となった。
【0053】
図14は、キャリアの拡散長を20μmとした場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、この装置に入射される光の波長と、の関係を、半導体基板の厚さ(=2μm、4μm、8μm、12μm、16μm、20μm、30μm、40μm)毎に示すシミュレーション結果であり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0054】
図14に示すように、キャリアの拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度の波長依存性は、図13に示す固体撮像装置の相対感度の波長依存性にほぼ一致した結果となった。
【0055】
しかし、全波長域において、キャリアの拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度は、キャリアの拡散長が30μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度(図13)より低下していた。この結果は、キャリアの拡散長が短い場合、半導体基板内で発生したキャリアが再結合により消滅する確率が高く、フォトダイオードに到達し難いことを示す。
【0056】
さらに、半導体基板の厚さが16μm、20μm、30μm、40μm)の場合において、キャリアの拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の赤外線の波長域(0.8μm以上)の相対感度は、キャリアの拡散長が30μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と比較して、半導体基板の厚さに影響され難くなった。これも、キャリアの拡散長が短いために生じたと考えられる。
【0057】
次に、キャリアの拡散長を30μmまたは20μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置の受光感度についてシミュレーションを行った。
【0058】
図15は、キャリアの拡散長を30μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、この装置に入射される光の波長と、の関係を、半導体基板の厚さ(=10μm、15μm、20μm)毎に示すシミュレーション結果であり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0059】
なお、本実施形態に係る半導体基板13は、この裏面に赤外線を反射する反射部を有するものである。従って、本実施形態に係る固体撮像装置10における半導体基板13の厚さは、従来の固体撮像装置における半導体基板の厚さの半分に実効的に等しい。すなわち、本実施形態に係る固体撮像装置10における半導体基板13の厚さ10μm、15μm、20μmは、従来の固体撮像装置における半導体基板の厚さ20μm、30μm、40μmにそれぞれ実効的に等しい。
【0060】
図15に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、半導体基板が厚いほど高くなり、固体撮像装置のピーク感度は、半導体基板が厚いほど長波長側に移動していた。この傾向は、図13に示すように、従来の固体撮像装置の相対感度の傾向と同様である。
【0061】
図15において、赤外線の波長域(0.8μm以上)における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、同一波長域における従来の固体撮像装置の相対感度(図13)と比較して高くなっており、半導体基板の厚さの変化に対する感度差が大きくなった。
【0062】
例えば波長1.0μmにおける本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さ20μm(すなわち、実効的な厚さ40μm)の場合に0.26程度であるのに対し、同一波長における従来の固体撮像装置の相対感度は、図13に示すように、半導体基板の厚さ40μmの場合に0.2程度であった。また、波長1.0μmにおける本実施形態に係る固体撮像装置の感度差は、半導体基板の厚さ10μmの変化(すなわち、実効的に20μmの変化)に対して、およそ1.0程度であるのに対し、同一波長における従来の固体撮像装置の感度差は、図13に示すように、半導体基板の厚さ20μmの変化に対して、およそ0.5程度であった。
【0063】
この結果は、本実施形態に係る固体撮像装置10は、赤外線の大部分を反射部で反射し、半導体基板13の表面付近で光電変換することを示す。
【0064】
図16は、キャリアの拡散長を20μmとした場合における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、この装置に入射される光の波長と、の関係を、半導体基板の厚さ(=10μm、15μm、20μm)毎に示すシミュレーション結果であり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。
【0065】
図16に示すように、キャリアの拡散長が20μmの場合における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度の波長依存性は、図15に示す固体撮像装置の相対感度の波長依存性とほぼ同様の傾向を示す結果となった。すなわち、赤外線の波長域(0.8μm以上)における本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、同一波長域における従来の固体撮像装置の相対感度(図14)と比較して高くなっており、半導体基板の厚さの変化に対する感度差が大きくなった。
【0066】
例えば波長1.0μmにおける本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度は、半導体基板の厚さ20μm(すなわち、実効的な厚さ40μm)の場合に0.23程度であるのに対し、同一波長における従来の固体撮像装置の相対感度は、図14に示すように、半導体基板の厚さ40μmの場合に0.16程度であった。また、波長1.0μmにおける本実施形態に係る固体撮像装置の感度差は、半導体基板の厚さ10μmの変化(すなわち、実効的に20μmの変化)に対して、およそ1.0程度であるのに対し、同一波長における従来の固体撮像装置の感度差は、図14に示すように、半導体基板の厚さ20μmの変化に対して、およそ0.4程度であった。
【0067】
この結果も、本実施形態に係る固体撮像装置10は、赤外線の大部分を反射部で反射し、半導体基板13の表面付近で光電変換することを示す。
【0068】
図17は、拡散長が30μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、比較して示すグラフであり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。同図中には、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度の、従来の固体撮像装置に対する改善率も示す。なお、図17において、従来の固体撮像装置が有する半導体基板の厚さは40μmであり、本実施形態に係る固体撮像装置が有する半導体基板の厚さは20μmである。
【0069】
図17から明らかなように、本実施形態に係る固体撮像装置10は、従来の固体撮像装置と比較して、赤外線の相対感度が向上している。0.8μm以上の波長を有する赤外線において、相対感度の改善率は、5%〜30%程度であった。
【0070】
図18は、拡散長が20μmの場合における従来の固体撮像装置の相対感度と、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度と、比較して示すグラフであり、同図の横軸は入射される光の波長を示し、縦軸は固体撮像装置の相対感度を示す。同図中には、本実施形態に係る固体撮像装置の相対感度の、従来の固体撮像装置に対する改善率も示す。なお、図18において、従来の固体撮像装置が有する半導体基板の厚さは40μmであり、本実施形態に係る固体撮像装置が有する半導体基板の厚さは20μmである。
【0071】
図18からも明らかなように、本実施形態に係る固体撮像装置10は、従来の固体撮像装置と比較して、赤外線の相対感度が向上している。0.8μm以上の波長を有する赤外線において、受光感度の改善率は、5%〜45%程度であった。
【0072】
以上に説明したように、本実施形態に係る固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法によれば、入射される赤外線の大部分が反射体において反射される程度に半導体基板13が薄型化されている。従って、本実施形態に係る固体撮像装置10および固体撮像装置の製造方法によれば、従来より半導体基板13の表面に近い領域でキャリアを発生させることができる。これにより、キャリアがフォトダイオードに到達する前に再結合して消滅することを抑制することができるため、従来よりキャリアをフォトダイオードに収集することが容易になる。従って、本実施形態に係る固体撮像装置10および固体撮像装置の製造方法によれば、従来より赤外線に対する受光感度を向上させることができる。なお、このことについては、上述のシミュレーション結果からも明らかである。
【0073】
さらに、本実施形態に係る固体撮像装置10および固体撮像装置の製造方法によれば、従来よりフォトダイオードに近い領域でキャリアを発生させることができるため、発生したキャリアを、所定のフォトダイオードに到達させることができる。従って、本実施形態に係る固体撮像装置10および固体撮像装置の製造方法によれば、従来より解像度を向上させることができる。
【0074】
(第2の実施形態)
図19は、第2の実施形態に係る固体撮像装置を示す、図1に相当する断面図である。図19に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置30は、第1の実施形態に係る固体撮像装置10と比較して、接着剤31の構造が異なる。
【0075】
すなわち、第2の実施形態に係る固体撮像装置30において、接着剤31は、図19に示すように、半導体基板13の表面全面に形成されている。透明部材12は、この接着剤31を介して半導体基板13上に固定されている。
【0076】
なお、この場合における接着剤31は、入射される光が透明部材12および接着剤31を介して半導体基板13の感光領域(図示せず)に入射されるため、透明性を有する接着剤である必要がある。
【0077】
また、マイクロレンズ14の形状は、マイクロレンズ14の屈折率と接着剤の屈折率の違いを考慮し、適宜設計する必要がある。
【0078】
次に、第2の実施形態に係る固体撮像装置30の製造方法について説明する。この製造方法は、第1の実施形態に係る固体撮像装置10の製造方法と比較して、半導体ウエハ13上に、透明性を有するウエハ12を固定する工程が異なる。以下、この工程について、図20を参照して説明する。
【0079】
図20は、第2の実施形態に係る固体撮像装置30の製造方法を説明するための断面図である。図20に示すように、第2の実施形態に係る固体撮像装置30の製造方法において、透明性を有するウエハ12を固定する工程は、半導体ウエハ13の表面全面に透明性を有する接着剤31を形成し、この接着剤31を介して、透明性を有するウエハ12を固定する。
【0080】
この後の工程は、全て第1の実施形態に係る固体撮像装置10の製造方法と同一であるため、説明を省略する。
【0081】
以上に説明したように、本実施形態に係る固体撮像装置30および固体撮像装置の製造方法であっても、入射される赤外線の大部分が反射部において反射される程度に半導体基板13が薄型化されている。従って、第1の実施形態と同様の理由により、従来より赤外線に対する受光感度を向上させ、かつ従来より解像度を向上させることができる。
【0082】
さらに、本実施形態に係る固体撮像装置30および固体撮像装置の製造方法によれば、半導体基板13の表面全面に接着剤31が形成されているため、半導体基板13の厚さをより均一にすることができる。
【0083】
すなわち、半導体基板13の裏面を研磨する工程において、第1の実施形態に係る固体撮像装置10のように、半導体基板13上に中空領域22を有する場合、研磨時に半導体基板13が中空領域22内に凸状に撓み、研磨後の半導体基板13の厚さが不均一になる可能性がある。半導体基板13の厚さが不均一になった場合、赤外線に対する実際の受光感度は、所定の受光感度と異なる。しかし、第2の実施形態に係る固体撮像装置30のように、半導体基板13上に中空領域を有さない場合、研磨時に半導体基板13が撓むことを抑制することができる。従って、半導体基板13の厚さを均一にすることができる。これにより、赤外線に対する実際の受光感度の、所定の受光感度に対するズレを抑制することができる。
【0084】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10、30・・・固体撮像装置
11・・・赤外線センサ基板
12・・・透明部材(透明性を有するウエハ)
13・・・半導体基板(半導体ウエハ)
14・・・マイクロレンズ
15・・・ボンディングパッド
16・・・貫通孔
17・・・反射体
18・・・配線
19・・・導電体
20・・・外部電極(半田ボール)
21、31・・・接着剤
22・・・中空領域
23・・・フォトダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にフォトダイオードを含む感光領域を有し、裏面が鏡面仕上げされた半導体基板と、
この半導体基板の表面上において、前記感光領域の少なくとも周囲に形成された接着剤と、
この接着剤を介して、前記半導体基板上に形成された透明部材と、
前記半導体基板を貫通する貫通孔内に形成され、前記感光領域に電気的に接続された導電体と、
前記半導体基板の裏面上に銅により形成され、前記感光領域に入射された赤外線を反射する反射体と、
前記半導体基板の裏面上において、前記反射体の周囲に配置され、前記導電体に接続されるように形成された、銅からなる配線と、
この配線上に形成された外部電極と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
表面にフォトダイオードを含む感光領域を有し、裏面が鏡面仕上げされた半導体基板と、
この半導体基板の裏面上に形成され、前記感光領域に入射された赤外線を反射する反射体と、
前記感光領域に電気的に接続された外部電極と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項3】
前記半導体基板の表面上に形成された接着剤と、
この接着剤を介して、前記半導体基板上に形成された透明部材と、
前記半導体基板を貫通する貫通孔内に形成され、前記感光領域に電気的に接続された導電体と、
前記半導体基板の裏面上において、前記反射体の周囲に配置され、前記導電体に接続されるように形成された配線と、
をさらに具備し、
前記外部電極は、前記配線上に形成されることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記接着剤は、前記半導体基板の表面上において、前記感光領域の周囲に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記接着剤は、前記感光領域を含む前記半導体基板の表面全面に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記反射体と、前記配線とは、同一材料により形成されたものであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記反射体と、前記配線とは、銅により形成されたものであることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
表面にフォトダイオードを含む感光領域を有する半導体基板の表面上において、表面にフォトダイオードを含む感光領域を有する半導体基板の前記表面全面に接着剤を形成する工程と、
この接着剤を介して前記半導体基板上に透明部材を固定する工程と、
前記半導体基板が前記透明部材に固定された状態で、前記半導体基板を裏面から薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程と、
薄型化し、かつ裏面を鏡面仕上げした前記半導体基板の所定位置に、この半導体基板を貫通する貫通孔を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面上に、前記感光領域に入射された赤外線を反射する、銅からなる反射体を形成する工程と、
この反射体を形成する工程と同時に、前記半導体基板の前記貫通孔の内部に、前記感光領域に電気的に接続されるように導電体を形成するとともに、前記半導体基板の裏面上において、前記反射体の周囲に、前記導電体に接続されるように、銅からなる配線を形成する工程と、
この配線上に外部電極を形成する工程と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
表面にフォトダイオードを含む感光領域を有する半導体基板を裏面から薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程と、
薄型化し、かつ裏面を鏡面仕上げした前記半導体基板の裏面上に、前記感光領域に入射された赤外線を反射する反射体を形成する工程と、
前記感光領域に電気的に接続されるように外部電極を形成する工程と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記半導体基板を薄型化する工程の前に、
前記半導体基板の表面上に接着剤を形成する工程と、
この接着剤を介して、前記半導体基板上に透明部材を固定する工程と、
を具備し、
前記半導体基板を薄型化し、裏面を鏡面仕上げする工程は、前記透明部材によって前記半導体基板を固定した状態で、この半導体基板を裏面から薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程であるとともに、
前記外部電極を形成する工程の前に、
薄型化し、かつ裏面を鏡面仕上げした前記半導体基板の所定位置に、この半導体基板を貫通する貫通孔を形成する工程と、
前記半導体基板の前記貫通孔の内部に、前記感光領域に電気的に接続されるように導電体を形成するとともに、前記半導体基板の裏面上において、前記反射体の周囲に、前記導電体に接続されるように配線を形成する工程と、
を具備し、
この配線上に、前記外部電極を形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
前記接着剤を形成する工程は、前記半導体基板の表面上において、前記感光領域の周囲に前記接着剤を形成する工程であることを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項12】
前記接着剤を形成する工程は、前記感光領域を含む前記半導体基板の表面全面に前記接着剤を形成する工程であることを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項13】
前記反射体を形成する工程と、前記配線を形成する工程とは、同時に行われることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項14】
前記反射体および前記配線は、銅により形成することを特徴とする請求項13に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項1】
表面にフォトダイオードを含む感光領域を有し、裏面が鏡面仕上げされた半導体基板と、
この半導体基板の表面上において、前記感光領域の少なくとも周囲に形成された接着剤と、
この接着剤を介して、前記半導体基板上に形成された透明部材と、
前記半導体基板を貫通する貫通孔内に形成され、前記感光領域に電気的に接続された導電体と、
前記半導体基板の裏面上に銅により形成され、前記感光領域に入射された赤外線を反射する反射体と、
前記半導体基板の裏面上において、前記反射体の周囲に配置され、前記導電体に接続されるように形成された、銅からなる配線と、
この配線上に形成された外部電極と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
表面にフォトダイオードを含む感光領域を有し、裏面が鏡面仕上げされた半導体基板と、
この半導体基板の裏面上に形成され、前記感光領域に入射された赤外線を反射する反射体と、
前記感光領域に電気的に接続された外部電極と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項3】
前記半導体基板の表面上に形成された接着剤と、
この接着剤を介して、前記半導体基板上に形成された透明部材と、
前記半導体基板を貫通する貫通孔内に形成され、前記感光領域に電気的に接続された導電体と、
前記半導体基板の裏面上において、前記反射体の周囲に配置され、前記導電体に接続されるように形成された配線と、
をさらに具備し、
前記外部電極は、前記配線上に形成されることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記接着剤は、前記半導体基板の表面上において、前記感光領域の周囲に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記接着剤は、前記感光領域を含む前記半導体基板の表面全面に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記反射体と、前記配線とは、同一材料により形成されたものであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記反射体と、前記配線とは、銅により形成されたものであることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
表面にフォトダイオードを含む感光領域を有する半導体基板の表面上において、表面にフォトダイオードを含む感光領域を有する半導体基板の前記表面全面に接着剤を形成する工程と、
この接着剤を介して前記半導体基板上に透明部材を固定する工程と、
前記半導体基板が前記透明部材に固定された状態で、前記半導体基板を裏面から薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程と、
薄型化し、かつ裏面を鏡面仕上げした前記半導体基板の所定位置に、この半導体基板を貫通する貫通孔を形成する工程と、
前記半導体基板の裏面上に、前記感光領域に入射された赤外線を反射する、銅からなる反射体を形成する工程と、
この反射体を形成する工程と同時に、前記半導体基板の前記貫通孔の内部に、前記感光領域に電気的に接続されるように導電体を形成するとともに、前記半導体基板の裏面上において、前記反射体の周囲に、前記導電体に接続されるように、銅からなる配線を形成する工程と、
この配線上に外部電極を形成する工程と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
表面にフォトダイオードを含む感光領域を有する半導体基板を裏面から薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程と、
薄型化し、かつ裏面を鏡面仕上げした前記半導体基板の裏面上に、前記感光領域に入射された赤外線を反射する反射体を形成する工程と、
前記感光領域に電気的に接続されるように外部電極を形成する工程と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記半導体基板を薄型化する工程の前に、
前記半導体基板の表面上に接着剤を形成する工程と、
この接着剤を介して、前記半導体基板上に透明部材を固定する工程と、
を具備し、
前記半導体基板を薄型化し、裏面を鏡面仕上げする工程は、前記透明部材によって前記半導体基板を固定した状態で、この半導体基板を裏面から薄型化し、前記半導体基板の裏面を鏡面仕上げする工程であるとともに、
前記外部電極を形成する工程の前に、
薄型化し、かつ裏面を鏡面仕上げした前記半導体基板の所定位置に、この半導体基板を貫通する貫通孔を形成する工程と、
前記半導体基板の前記貫通孔の内部に、前記感光領域に電気的に接続されるように導電体を形成するとともに、前記半導体基板の裏面上において、前記反射体の周囲に、前記導電体に接続されるように配線を形成する工程と、
を具備し、
この配線上に、前記外部電極を形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
前記接着剤を形成する工程は、前記半導体基板の表面上において、前記感光領域の周囲に前記接着剤を形成する工程であることを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項12】
前記接着剤を形成する工程は、前記感光領域を含む前記半導体基板の表面全面に前記接着剤を形成する工程であることを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項13】
前記反射体を形成する工程と、前記配線を形成する工程とは、同時に行われることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項14】
前記反射体および前記配線は、銅により形成することを特徴とする請求項13に記載の固体撮像装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−84722(P2013−84722A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222899(P2011−222899)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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