説明

固体撮像装置

【課題】小型化が可能な固体撮像装置を提供する。
【解決手段】固体撮像装置は、2次元状に配置されたフォトダイオード1と、フォトダイオード1から読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCDとを備えた画素領域22と、転送チャネル4と、転送電極5および6とを有し、転送電極5および6に異なる電圧を印加することにより垂直CCDから転送された信号電荷を水平方向に転送する水平CCDと、転送電極5および6のいずれか一方と接続され、転送チャネル4の上方に転送チャネル4を覆うように設けられて転送チャネル4を遮光する配線10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、図面を参照しながら、特許文献1に示されたCCD固体撮像装置を示す。
【0003】
図17は、特許文献1に記載の固体撮像装置の平面図である。
【0004】
図17の固体撮像装置において、垂直方向および水平方向にマトリクス状に配列された複数個の光電変換部151と、これら光電変換部151の垂直列ごとに配されて各光電変換部151から読み出された信号電荷を垂直転送する複数本の垂直転送レジスタ152とによって撮像部153が構成されている。この撮像部153において、垂直転送レジスタ152は、デバイス外部からクロック端子154a〜154dを介して入力される例えば4相の垂直転送クロックVφ121〜Vφ124によって転送駆動される。
【0005】
撮像部153の下側(図17の下側)には、水平転送レジスタ155が配されている。この水平転送レジスタ155は、デバイス外部からクロック端子159aおよび159bを介して入力される2相の水平転送クロックHφ121およびHφ122によって転送駆動される。この水平転送レジスタ155によって水平転送された信号電荷は、電荷電圧変換部156で電圧信号に変換され、出力回路157を経て出力端子158からデバイス外部へ導出される。
【0006】
水平転送レジスタ155において、転送チャネルの上方にはその転送方向に一対のゲート電極が交互に繰り返し配列されて1組の電極対を構成している。そして、この一対のゲート電極には、2相の水平転送クロックHφ121およびHφ122が交互に印加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−65141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、固体撮像装置は、特に、小型携帯機器や、内視鏡などの用途では撮像素子の小型化および外部接続端子数の削減が望まれている。しかしながら、図17の固体撮像装置では、固体撮像装置内部の水平CCDの配線が占有する面積が大きく、固体撮像装置の小型化を実現することができない。
【0009】
前記課題に鑑み、本発明は、小型化が可能な固体撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る固体撮像装置は、2次元状に配置されたフォトダイオードと、前記フォトダイオードから読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCDとを備えた画素領域と、転送チャネルと、第1の転送電極および第2の転送電極とを有し、前記第1の転送電極および前記第2の転送電極に異なる電圧を印加することにより前記垂直CCDから転送された信号電荷を水平方向に転送する水平CCDと、前記第1の転送電極および前記第2の転送電極のいずれか一方と接続され、前記転送チャネルの上方に前記転送チャネルを覆うように設けられて前記転送チャネルを遮光する配線とを備えることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、水平CCDの転送電極に電圧を印加する配線が水平CCDの転送チャネルの上方に配置されるため、固体撮像装置の小型化を実現することができる。
【0012】
ここで、前記配線は、前記第1の転送電極および前記第2の転送電極のうちの直流バイアス電圧が印加される転送電極と接続され、前記画素領域の上方に前記画素領域を覆うように設けられて前記画素領域を遮光し、前記配線には、前記画素領域の上方において、前記フォトダイオードの上方で開口が設けられていてもよい。
【0013】
本態様によれば、画素領域の遮光膜と水平CCDの転送チャネルの遮光膜との間に空間が形成されなくなるため、遮光性を向上させることができる。
【0014】
ここで、前記第1の転送電極にはクロックパルスが印加され、前記第2の転送電極には直流バイアス電圧が印加されていてもよい。
【0015】
このとき、前記クロックパルスのハイレベルは、正電圧であり、前記クロックパルスのローレベルは、負電圧であり、前記直流バイアス電圧は、グランドレベル電圧であってもよい。
【0016】
また、前記第1の転送電極にはクロックパルスが印加され、前記第2の転送電極には直流バイアス電圧が印加され、前記配線は、前記第1の転送電極と接続されており、前記固体撮像装置は、さらに、前記第2の転送電極と接続され、前記転送チャネルの上方以外の領域に設けられた配線を備えてもよい。
【0017】
さらに、前記第1の転送電極にはクロックパルスが印加され、前記第2の転送電極には直流バイアス電圧が印加され、前記配線は、前記第2の転送電極と接続されており、前記固体撮像装置は、さらに、前記第1の転送電極と接続され、前記転送チャネルの上方以外の領域に設けられた配線を備えてもよい。
【0018】
本態様によれば、水平CCDの2つの転送電極にクロックパルスを供給する場合と比較して外部接続端子数を1個削減でき、また外部接続パッドおよび入力保護回路を1組削減できるため、固体撮像装置の更なる小型化が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1組の水平CCDの転送電極を構成する2つの転送電極のうち一方の転送電極が水平CCDの転送チャネル上に設けたコンタクトを介して水平CCDの転送チャネルを覆う配線と接続されていることによって、水平CCDの配線の面積を削減できる。その結果、小型の固体撮像装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図
【図2A】同実施形態に係るCCD固体撮像装置の断面図
【図2B】同実施形態に係るCCD固体撮像装置の水平CCDの変形例の構成を示す断面図
【図2C】同実施形態に係るCCD固体撮像装置におけるクロックパルスおよびDCバイアス電圧の波形の一例を示す図
【図3】第1の比較例としてのCCD固体撮像装置の構成を示す平面図
【図4】同比較例としての固体撮像装置の水平CCDの断面図
【図5】同比較例としての固体撮像装置の水平CCDの駆動パルスの波形の一例を示す図
【図6】第2の比較例としてのCCD固体撮像装置の構成を示す平面図
【図7】同比較例としての固体撮像装置の水平CCDの断面図
【図8】本発明の第2の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図
【図9】同実施形態に係るCCD固体撮像装置の水平CCDの断面図
【図10】同実施形態に係るCCD固体撮像装置の水平CCDの駆動パルスの波形の一例を示す図
【図11】本発明の第3の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図
【図12】同実施形態に係るCCD固体撮像装置の水平CCDの断面図
【図13】本発明の第4の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図
【図14】同実施形態に係るCCD固体撮像装置の水平CCDの断面図
【図15】本発明の第5の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図
【図16】同実施形態に係るCCD固体撮像装置の水平CCDの断面図
【図17】特許文献1に記載の固体撮像装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る固体撮像装置について図面を参照して説明する。
【0022】
なお、図面において、実質的に同一の構成、動作、および効果を表す要素については、同一の符号を付す。また、以下において記述される数値は、すべて本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数値に制限されない。さらに、構成要素間の接続関係は、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、本発明による第1の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図である。
【0024】
この固体撮像装置は、半導体基板(例えばn型シリコン基板)表面に2次元状に配置されたフォトダイオード1と、フォトダイオード1の信号電荷を読み出す読み出し領域2と、読み出し領域2により読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCDとを備えた画素領域22と、垂直CCDから転送された信号電荷を水平方向に転送する水平CCDと、水平CCDの一端に設けられた出力アンプ15と、画素領域22の一部を覆いグランドレベルに接続された遮光膜16とを備えている。
【0025】
読み出し領域2は、半導体基板に形成された不純物領域である。読み出し領域2の上には、垂直CCDの転送電極と兼用される読み出し電極が設けられる。
【0026】
垂直CCDは、半導体基板に形成された不純物領域である転送チャネル(垂直CCD転送チャネル)3と、転送チャネル3上に設けられ、転送チャネル3に駆動パルス(クロックパルス)を印加するための転送電極(図外)とから構成されている。
【0027】
水平CCDは、半導体基板に形成された不純物領域である転送チャネル(水平CCD転送チャネル)4と、転送チャネル4上に設けられ、転送チャネル4に駆動パルスを印加するための1組の転送電極(水平CCD転送電極)5および6とから構成されている。水平CCDは、1組の転送電極5および6に異なる電圧を印加することにより垂直CCDから転送された信号電荷を水平方向に転送する。なお、転送電極6は本発明の第1の転送電極の一例であり、転送電極5は本発明の第2の転送電極の一例である。
【0028】
転送電極5は、水平CCDの転送チャネル4の外側(転送チャネル4の上方を除く領域)でコンタクト7を介して配線(水平CCD配線)9に接続されている。配線9は、水平CCDの転送チャネル4の上方以外の領域に設けられている。転送電極5には、配線9を通して例えば電源電圧とグランドレベルとの間に接続された抵抗分割回路などで構成されたバイアス回路17からDCバイアス電圧(直流バイアス電圧)VBが印加される。一方、転送電極6は、水平CCDの転送チャネル4に形成されたコンタクト8を介して配線(水平CCD配線)10に接続されている。転送電極6には、配線10と接続された外部接続パッド14と入力保護回路12とを通してクロックパルスφHが印加される。配線10は水平CCDの転送チャネル4の上方に水平CCDの転送チャネル4全体を覆って設けられており水平CCDの転送チャネル4の遮光膜の役割も果たしている。
【0029】
出力アンプ15は、水平CCDの転送チャネル4に水平方向に並んで設けられ、水平CCDから転送されてきた信号電荷量を検出し、電圧信号へ変換し、電圧信号を外部へ出力する。
【0030】
遮光膜16は、画素領域22のフォトダイオード1の上方を除く領域、つまり垂直CCDおよび読み出し領域2の上方に設けられており、垂直CCDおよび読み出し領域2を遮光している。
【0031】
図2Aは、本実施形態に係るCCD固体撮像装置の断面図である。なお、図2A(a)は図1のA−A’に沿った断面図を示し、図2A(b)は図1の水平CCDの転送チャネル4に沿った断面図を示している。
【0032】
転送電極6は、水平CCDの転送チャネル4上方に形成されたコンタクト8を介してクロックパルスφHが供給される配線10と接続される、裏打ち配線あるいはシャント配線と呼ばれる構成となっている。配線10は水平CCDの転送チャネル4を覆っており、かつ上端が画素領域22の遮光膜16の下端と重なることで水平CCDの転送チャネル4に光が漏れ込むのを防止している。
【0033】
水平CCDの転送チャネル4は、半導体基板18中に形成されたP型のウェル層19に形成されている。転送チャネル4には、蓄積領域20と、信号電荷の蓄積および転送の方向を決定するためのバリア領域21とが形成されている。転送チャネル4の上には、転送チャネル4を覆うように1組の転送電極5および6が複数形成されている。
【0034】
図2Bは、本実施形態に係るCCD固体撮像装置の水平CCDの変形例の構成を示す断面図である。
【0035】
図2Aの水平CCDでは、1組の蓄積領域20およびバリア領域21上を1つの転送電極5又は6で共通に覆っていた。これに対し、図2Bの水平CCDは、蓄積領域20上を転送電極5A又は6Aで覆い、バリア領域21上を転送電極5B又は6Bで覆っているという点、つまり蓄積領域20およびバリア領域21上に別々の転送電極を形成するという点で図2Aの水平CCDと異なる。図2Bの水平CCDでは、転送電極5Aおよび5Bは共通に接続されて1組の転送電極5を構成し、転送電極6Aおよび6Bは共通に接続されて1組の転送電極6を構成している。
【0036】
図2Cは、本実施形態に係るCCD固体撮像装置におけるクロックパルスφHおよびDCバイアス電圧VBの波形の一例を示す図である。
【0037】
クロックパルスφHは、ローレベルが0V、ハイレベルがVHのパルスである。DCバイアス電圧VBはクロックパルスφHの振幅のおおよそ1/2の電圧である。
【0038】
ここで、図3〜7を用いて、本発明の実施形態に係る固体撮像装置の理解を容易とするため、比較例としての固体撮像装置について説明する。
【0039】
図3は、第1の比較例としてのCCD固体撮像装置の構成を示す平面図である。
【0040】
この固体撮像装置は、半導体基板表面に2次元状に配置されたフォトダイオード1と、フォトダイオード1の信号電荷を読み出す読み出し領域2と、読み出し領域2により読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCDとを備えた画素領域22と、垂直CCDから転送された信号電荷を水平方向に転送する水平CCDと、水平CCDの一端に設けられた出力アンプ15と、画素領域22の一部と水平CCDの転送チャネル4を覆いグランドレベルに接続された遮光膜16とを備えている。
【0041】
水平CCDは、半導体基板に形成された不純物領域である転送チャネル4と、転送チャネル4上に設けられ、転送チャネル4に駆動パルスを印加するための1組の転送電極5および6とから構成されている。これらの転送電極5および6は水平CCDの転送チャネル4の外側でコンタクト7および8を介してそれぞれ配線9および10に接続されている。配線9および10には、外部との接続のための外部接続パッド13および14を介して静電気から内部を保護する入力保護回路11および12を通して駆動パルスφH1およびφH2が印加される。
【0042】
図4は、図3のCCD固体撮像装置における水平CCDの断面図である。
【0043】
図4の水平CCDの転送チャネル4は、半導体基板18中に形成されたP型のウェル層19に形成されている。この転送チャネル4には、蓄積領域20と、信号電荷の蓄積および転送の方向を決定するためのバリア領域21とが形成されている。さらに、この転送チャネル4の上には、転送チャネル4を覆うように1組の転送電極5および6が形成されており、それぞれには駆動パルスφH1およびφH2が印加される。
【0044】
図5は、図3のCCD固体撮像装置における駆動パルスφH1およびφH2の波形の一例を示す図である。
【0045】
駆動パルスφH1およびφH2は、ローレベルが0V、ハイレベルがVHの相補的な2相パルスである。駆動パルスφH1およびφH2のハイレベルVHは、クロックパルスφHのハイレベルVHのおおよそ1/2倍の電圧である。
【0046】
図6は、第2の比較例としてのCCD固体撮像装置の構成を示す平面図である。
【0047】
この固体撮像装置は、水平CCDの1組の転送電極5および6のうちの一方の転送電極5がコンタクト7を介して配線9に接続され、転送電極5には配線9を通して例えば電源電圧とグランドレベルとの間に接続された抵抗分割回路などで構成されたバイアス回路17からDCバイアス電圧VBが印加されており、もう一方の転送電極6はコンタクト8を介して配線10に接続されており、転送電極6には配線10を通して外部接続パッド14と入力保護回路12とからクロックパルスφHが印加されるという点で図3の固体撮像装置と異なる。
【0048】
図7は、図6の固体撮像装置における水平CCDの断面図である。
【0049】
図7の水平CCDは、基本的な構造は図4の水平CCDと同一であるが、図4の水平CCDで駆動パルスφH1が印加されていた転送電極5にはDCバイアス電圧VBが印加され、図4の水平CCDで駆動パルスφH2が印加されていた転送電極6にはクロックパルスφHが印加されるという点で図4の水平CCDと異なる。図7の水平CCDには、図2Cの波形のクロックパルスφHおよびDCバイアス電圧VBが印加される。
【0050】
図1に示した固体撮像装置は、図6の固体撮像装置と同様に外部接続端子数を1個削減できる。
【0051】
すなわち、図6の固体撮像装置では1組の転送電極5および6のうちの一方にはクロックパルスφHが印加されるが、他方には素子内部で発生させたDCバイアス電圧VBが印加される。これによって、図3の固体撮像装置よりも外部接続端子数を1個削減でき、また外部接続パッドおよび入力保護回路が1組不要となるためその分のチップサイズ縮小が可能となる。
【0052】
また、図1に示した固体撮像装置は、図6の固体撮像装置より、小型化を実現できる。
【0053】
すなわち、図6の固体撮像装置では、水平CCDの転送チャネル4の外側に配線9および10の2本の配線を配置することが必要であるが、図1に示した固体撮像装置では、水平CCDの転送チャネル4の外側に配置していた配線10が水平CCDの転送チャネル4の上方に配置されるため、その分チップサイズの小型化を実現することが可能となる。
【0054】
また、通常2相駆動の水平CCDを裏打ち配線の構成とする際には、2相間のバランスがくずれて転送不良が発生したり、水平CCDからの出力信号の波形にノイズがのったりするのを防ぐために1組の転送電極を共に裏打ちすることが必須であり、その際には水平CCDの転送チャネル4上にさらに別の遮光膜を設ける必要がある。しかし、図1の固体撮像装置では転送電極5および6の構成は2相駆動と同一であるが、単相のクロックパルスφHとDCバイアス電圧VBとで水平CCDを駆動しており、1組の転送電極のクロックパルスφHとDCバイアス電圧VBのどちらか一方が印加される転送電極のみを裏打ちすることが可能である。従って、裏打ち配線を水平CCDの転送チャネル4の遮光として用いることができ別構成の遮光膜が不要のため構造および製造工程が簡単化される。
【0055】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明による第2の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図である。また、図9は、本実施形態に係るCCD固体撮像装置の断面図である。なお、図9(a)は図8のB−B’に沿った断面図を示し、図9(b)は図8の水平CCDの転送チャネル4に沿った断面図を示している。
【0056】
本実施形態の固体撮像装置は、転送電極5がグランドレベルに接続されているという点、つまりDCバイアス電圧VBがグランドレベル電圧であるという点で第1の実施形態の固体撮像装置(図1の固体撮像装置)と異なる。
【0057】
なお、図9では1組の蓄積領域20およびバリア領域21の上を共通に覆うように1つの転送電極5又は6が形成されている例を示した。しかし、図2Bと同様に蓄積領域20上に転送電極5A又は6Aが、またバリア領域21上に転送電極5B又は6Bが形成されており、転送電極5Aおよび5Bは共通に接続されて1組の転送電極5を構成し、転送電極6Aおよび6Bが共通に接続されて1組の転送電極6を構成している構造とすることも可能である。
【0058】
図10は本実施形態に係るCCD固体撮像装置におけるクロックパルスφHの波形を示す図である。
【0059】
図10では、クロックパルスφHのローレベルVLは負電圧とされ、ハイレベルVHはほぼローレベルVLの逆符号(逆極性)となる正電圧の駆動パルスとされている。
【0060】
本実施形態の固体撮像装置では、図1の固体撮像装置で設けられているバイアス回路17が不要となるため、図1の固体撮像装置に比べてさらにチップサイズを小型化することが可能となる。
【0061】
(第3の実施の形態)
図11は本発明による第3の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図である。
【0062】
この固体撮像装置は、半導体基板に2次元状に配置されたフォトダイオード1と、フォトダイオード1の信号電荷を読み出す読み出し領域2と、読み出し領域2により読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCDとを備えた画素領域22と、垂直CCDから転送された信号電荷を水平方向に転送する水平CCDと、水平CCDの一端に設けられた出力アンプ15と、画素領域22の一部を覆いグランドレベルに接続された遮光膜16とを備えている。
【0063】
読み出し領域2は、半導体基板に形成された不純物領域である。読み出し領域2の上には、垂直CCDの転送電極と兼用される読み出し電極が設けられる。
【0064】
垂直CCDは、半導体基板に形成された不純物領域である転送チャネル3と、転送チャネル3上に設けられ、転送チャネル3に駆動パルスを印加するための転送電極(図外)とから構成される。
【0065】
水平CCDは、半導体基板に形成された不純物領域である転送チャネル4と、転送チャネル4上に設けられ、転送チャネル4に駆動パルスを印加するための1組の転送電極5および6とから構成されている。
【0066】
転送電極6は、水平CCDの転送チャネル4の外側でコンタクト8を介して配線10に接続されている。配線10は、水平CCDの転送チャネル4の上方以外の領域に設けられている。転送電極6には、配線10に接続された外部接続パッド14および入力保護回路12を通してクロックパルスφHが印加される。一方、転送電極5は水平CCDの転送チャネル4の上方に形成されたコンタクト7を介して配線9と接続されている。転送電極5には、配線9を通して例えば電源電圧とグランドレベルとの間に接続された抵抗分割回路などで構成されたバイアス回路17からDCバイアス電圧VBが印加される。配線9は水平CCDの転送チャネル4の上方に水平CCDの転送チャネル4全体を覆って設けられており水平CCDの転送チャネル4の遮光膜の役割も果たしている。
【0067】
出力アンプ15は、水平CCDの転送チャネル4に水平方向に並んで設けられ、水平CCDから転送されてきた信号電荷量を検出し、電圧信号へ変換し、電圧信号を外部へ出力する。
【0068】
遮光膜16は、画素領域22のフォトダイオード1の上方を除く領域、つまり垂直CCDおよび読み出し領域2の上方に設けられており、垂直CCDおよび読み出し領域2を遮光している。
【0069】
図12は、本実施形態に係るCCD固体撮像装置の断面図である。なお、図12(a)は図11のC−C’に沿った断面図を示し、図12(b)は図11の水平CCDの転送チャネル4に沿った断面図を示している。
【0070】
転送電極5は水平CCDの転送チャネル4上に形成されたコンタクト7を介してDCバイアス電圧VBが供給される配線9と接続される、裏打ち配線あるいはシャント配線と呼ばれる構成となっている。配線9は水平CCDの転送チャネル4全体を覆っており、かつ上端が画素領域22の遮光膜16の下端と重なることで水平CCDの転送チャネル4に光が漏れ込むのを防止している。
【0071】
なお、図12では1組の蓄積領域20およびバリア領域21の上を共通に覆うように1つの転送電極5又は6が形成されている例を示した。しかし、図2Bと同様に蓄積領域20上に転送電極5A又は6Aが、またバリア領域21上に転送電極5B又は6Bが形成されており、転送電極5Aおよび5Bは共通に接続されて1組の転送電極5を構成し、転送電極6Aおよび6Bが共通に接続されて1組の転送電極6を構成している構造とすることも可能である。
【0072】
また、本実施形態に係るCCD固体撮像装置のクロックパルスφHおよびDCバイアス電圧VBの波形は図2Cと同一である。
【0073】
本実施形態の固体撮像装置は、図6の固体撮像装置と同様に外部接続端子数を1個削減できる。さらに、本実施形態の固体撮像装置では、図6で水平CCDの転送チャネル4の外側に配置していた配線9が水平CCDの転送チャネル4の上方に配置されるため、その分チップサイズの小型化を実現することが可能となる。
【0074】
(第4の実施形態)
図13は本発明による第4の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図である。また、図14は、本実施形態に係るCCD固体撮像装置の断面図である。なお、図14(a)は図13のD−D’に沿った断面図を示し、図14(b)は図13の水平CCDの転送チャネル4に沿った断面図を示している。
【0075】
本実施形態の固体撮像装置は、水平CCDの転送チャネル4上方のコンタクト7を介して転送電極5に接続されている配線9が画素領域22の上方に画素領域22を覆うように設けられており、水平CCDの転送チャネル4の遮光膜の役割だけではなく、画素領域22の遮光膜の役割も兼ねているという点で第1の実施形態の固体撮像装置(図1の固体撮像装置)と異なる。
【0076】
配線9には、画素領域22の上方において、フォトダイオード1の上方で開口が設けられている。従って、配線9は、画素領域22のフォトダイオード1の上方を除く領域、つまり水平CCD、垂直CCDおよび読み出し領域2の上方に設けられており、水平CCD、垂直CCDおよび読み出し領域2を遮光している。
【0077】
本実施形態の固体撮像装置において、配線9はDCバイアス電圧VBが印加される転送電極5と接続され、配線9には例えば電源電圧とグランドレベルとの間に接続された抵抗分割回路などで構成されたバイアス回路17からDCバイアス電圧VBが印加される。
【0078】
なお、図14では1組の蓄積領域20およびバリア領域21の上を共通に覆うように1つの転送電極5又は6が形成されている例を示した。しかし、図2Bと同様に蓄積領域20上に転送電極5A又は6Aが、またバリア領域21上に転送電極5B又は6Bが形成されており、転送電極5Aおよび5Bは共通に接続されて1組の転送電極5を構成し、転送電極6Aおよび6Bが共通に接続されて1組の転送電極6を構成している構造とすることも可能である。
【0079】
本実施形態の固体撮像装置では、第3の実施形態に係る固体撮像装置と同様に図6で水平CCDの転送チャネル4の外側に配置していた配線9が水平CCDの転送チャネル4の上方に配置されるため、その分チップサイズの小型化を実現することが可能となる。さらに、水平CCDの配線9が図6の遮光膜16と同様に画素領域22および水平CCDの転送チャネル4を覆う遮光膜となる、つまり画素領域22および水平CCDの転送チャネル4が1つの遮光膜により遮光される。従って、前述の第1から第3の実施形態の固体撮像装置のように画素領域22の遮光膜と水平CCDの転送チャネル4の遮光膜との間に空間(隙間)がなくなり遮光性が向上する効果がある。
【0080】
(第5の実施形態)
図15は本発明による第5の実施形態に係るCCD固体撮像装置の構成を示す平面図である。図16は、本実施形態に係るCCD固体撮像装置の断面図である。なお、図16(a)は図15のE−E’に沿った断面図を示し、図16(b)は図15の水平CCDの転送チャネル4に沿った断面図を示している。
【0081】
本実施形態の固体撮像装置は、転送電極5がグランドレベルに接続されているという点、つまりDCバイアス電圧VBがグランドレベル電圧であるという点で第4の実施形態の固体撮像装置と異なる。
【0082】
なお、図16では1組の蓄積領域20およびバリア領域21の上を共通に覆うように1つの転送電極5又は6が形成されている例を示した。しかし、図2Bと同様に蓄積領域20上に転送電極5A又は6Aが、またバリア領域21上に転送電極5B又は6Bが形成されており、転送電極5Aおよび5Bは共通に接続されて1組の転送電極5を構成し、転送電極6Aおよび6Bが共通に接続されて1組の転送電極6を構成している構造とすることも可能である。
【0083】
また、実施形態に係るCCD固体撮像装置のクロックパルスφHの波形は図10と同一である。
【0084】
本実施形態の固体撮像装置では、第4の実施形態の固体撮像装置で設けられていたバイアス回路17が不要となるため、第4の実施形態の固体撮像装置と同様の効果に加えて第4の実施形態の固体撮像装置に比べてさらにチップサイズを小型化することが可能となる。
【0085】
以上、本発明の固体撮像装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、CCD固体撮像装置に利用でき、特に小型携帯機器および内視鏡などの撮像素子等に利用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 フォトダイオード
2 読み出し領域
3、4 転送チャネル
5、5A、5B、6、6A、6B 転送電極
7、8 コンタクト
9、10 配線
11、12 入力保護回路
13、14 外部接続パッド
15 出力アンプ
16 遮光膜
17 バイアス回路
18 半導体基板
19 ウェル層
20 蓄積領域
21 バリア領域
22 画素領域
151 光電変換部
152 垂直転送レジスタ
153 撮像部
154a、154b、154c、154d クロック端子
155 水平転送レジスタ
156 電荷電圧変換部
157 出力回路
158 出力端子
159a、159b クロック端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元状に配置されたフォトダイオードと、前記フォトダイオードから読み出した信号電荷を垂直方向に転送する垂直CCDとを備えた画素領域と、
転送チャネルと、第1の転送電極および第2の転送電極とを有し、前記第1の転送電極および前記第2の転送電極に異なる電圧を印加することにより前記垂直CCDから転送された信号電荷を水平方向に転送する水平CCDと、
前記第1の転送電極および前記第2の転送電極のいずれか一方と接続され、前記転送チャネルの上方に前記転送チャネルを覆うように設けられて前記転送チャネルを遮光する配線とを備える
固体撮像装置。
【請求項2】
前記配線は、前記第1の転送電極および前記第2の転送電極のうちの直流バイアス電圧が印加される転送電極と接続され、前記画素領域の上方に前記画素領域を覆うように設けられて前記画素領域を遮光し、
前記配線には、前記画素領域の上方において、前記フォトダイオードの上方で開口が設けられている
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記第1の転送電極にはクロックパルスが印加され、
前記第2の転送電極には直流バイアス電圧が印加されている
請求項1又は2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記クロックパルスのハイレベルは、正電圧であり、
前記クロックパルスのローレベルは、負電圧であり、
前記直流バイアス電圧は、グランドレベル電圧である
請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記第1の転送電極にはクロックパルスが印加され、
前記第2の転送電極には直流バイアス電圧が印加され、
前記配線は、前記第1の転送電極と接続されており、
前記固体撮像装置は、さらに、前記第2の転送電極と接続され、前記転送チャネルの上方以外の領域に設けられた配線を備える
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記第1の転送電極にはクロックパルスが印加され、
前記第2の転送電極には直流バイアス電圧が印加され、
前記配線は、前記第2の転送電極と接続されており、
前記固体撮像装置は、さらに、前記第1の転送電極と接続され、前記転送チャネルの上方以外の領域に設けられた配線を備える
請求項1記載の固体撮像装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−109467(P2012−109467A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258364(P2010−258364)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】