説明

固体部材の多段塗布装置

【課題】
先行技術によるバッチ(一回使用量)処理によって保証される製品信頼性を減少させることなしに多段塗布処理で生産原料量速度を改良する装置と方法(処理)を提供すること【解決手段】
固体部材、特にタブレット、ドラッグ(糖果)、ペレットと顆粒物のような薬品を被覆する準連続的塗布装置である。この塗布装置は搬送要素によって幾つかの長手方向セグメントに分割される回転塗布ドラムから成り、処理流体が塗布処理のそれぞれのステージに依存する各セグメントに個々に供給され、固体部材がこの搬送要素によってドラムを介して軸方向に運ばれる。理想実施例では、この搬送要素は羽根の形態に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1の上位概念による装置に関する。即ち、固体部材、特にタブレット、ドラッグ(糖果)、プレス加工品と顆粒物のような薬品を被覆する準連続的作動塗布装置に関する。この場合に塗布装置は搬送要素によって多数のセグメントに分割される回転塗布ドラムを包含し、この際にすべてのセグメントの処理媒体の供給が個々に且つ塗布処理のそれぞれの工程に依存して行なわれ得て、固体部材はこの搬送要素によって軸方向にドラムによって搬送される。理想的実施態様ではこの搬送要素はスピンドルとして形成されている。この発明は装置の使用を含む付属方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術では、タブレット、ドラッグ(糖果)と顆粒物を覆う装置が知られている。食品の場合には、製品のカバーは通常には製品を光学的に改善するが、しかし貯蔵或いは飲食では機械的特性を最適化し且つ包装の開封後に空気湿気から保護するのに用いられる。
【0003】
薬品は光学的且つ機械的安定化効果の外にこの種のカバー或いは塗布は通常には物理的意味が重要であり、即ち口内のセンサー的受信を改良し、飲み込みを容易とし、作動成分の遅延或いは定時開放を保証し、例えば胃腸路の作用の用地に到達されるまでタブレットを保存する。一般に、塗布処理が三ステージから成り、取り除きと加熱、固体部材の噴射と連続的乾燥から成る。これら塗布ステージは一般に同じ装置において直列に(一方を他方の後に)実行される。
【0004】
薬品の場合には、それ故に、塗布は極めて正確に調整されなければならなく、すべての前記要件に幾つかの異なる塗布層を加えることは普通ではない。さらに、各個々のタブレットのすべての物質の濃度と質量は公式要件に応じる極めて狭い公差内に保持されるので、今日まで連続的処理が例外であった。主として、二ステージ技術システムが記載されていて、その両方がバッチ(一回使用量)で作動する。
【0005】
第一システムは、通常には中心に位置された開口をもつ一種の回転なべ或いはタンクを包含し、その開口を通して固体部材が導入される。回転により固体部材の質量が一定浮転がり運動で保持され、塗布流体、即ち通常には液体がノズルを通して一様に噴射される。塗布処理中にタンクの回転軸線が水平線と約30−50°の角度に整合されるので、タンク開放点が斜め位置に上昇する。
【0006】
流体により湿らされるのと同時に、或いは流体により湿らされるのに伴って起こる、揮発成分が吸い込まれて、塗布された湿った固体部材が乾燥される。欧州特許出願公開第0088317号明細書(特許文献1)は固体部材が固定パイプに配列されたノズルを通して塗布流体を噴射され、パイプが自由開口を通してタンクの内側に突き出すシステムを開示する。抽出と乾燥がタンクの内部に取付けられ且つ回転中さえ、タンクが満杯であるときに質量によって大きくカバーされるグリットによって実施される。
【0007】
特許文献1による装置の吸引ラインは前記タンク開口を通して外側に延びている。等価な装置は同様にドイツ特許出願公開第2731351号明細書(特許文献2)、フランス特許第2222957号明細書(特許文献3)或いはドイツ特許出願公開第2423933号明細書(特許文献4)に開示されている。この第一システムの場合には、供給ラインが一度分離されたら、現行塗布一回の使用量がタンク開口を通して空にされる。
【0008】
第二塗布システムに関して、そのシステムの主要部分が第一システムと等しく、塗布されていない固体部材が片面に或いは塗布ドラム或いは容器の壁開口を通して導入される。塗布処理では、塗布ドラムは実質的に水平軸線を中心に回転する。欧州特許出願公開第0198929号明細書(特許文献5)、ドイツ特許出願公開第4445618号明細書(特許文献6)或いはフランス特許第2053554号明細書(特許文献7)が固体部材のそのような塗布装置を開示する。
【0009】
他の先行技術の塗布装置は、ドラムとドラム内部が多数の方向に移動できて固体部材を浮遊状態に保持させる。ドイツ特許出願公開第2218729号明細書(特許文献8)に関連してドイツ特許出願公開第3149421号明細書(特許文献9)はそのようなユニットを開示する。ドラムに統合された混合、攪拌と運搬装置がドラム中味の混合結果を改良するのに用いられるけれども、連続生産処理ができない。
【0010】
薬学投与量固体部材を塗布する先行技術装置の不利益は、すべてのこれら装置が連続的或いは準連続的作動をできないバッチ(一回使用量)処理を考えていて、一部に必要な再現輸送活動には時間がかかり、処理を遅らせ、高価な排出或いはカプセル化システムを必要とすることである。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0088317号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第2731351号明細書
【特許文献3】フランス特許第2222957号明細書
【特許文献4】ドイツ特許出願公開第2423933号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0198929号明細書
【特許文献6】ドイツ特許出願公開第4445618号明細書
【特許文献7】フランス特許第2053554号明細書
【特許文献8】ドイツ特許出願公開第2218729号明細書
【特許文献9】ドイツ特許出願公開第3149421号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故に、この発明の課題は、先行技術によるバッチ(一回使用量)処理によって保証される製品信頼性を減少させることなしに多段塗布処理で生産原料量速度を改良する装置と方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1或いは9に記載された特徴部分を備える本発明による装置によって達成される。方法と装置の有益な機会が従属請求項で特徴付けられている。
【0013】
固体部材を塗布する装置はケーシングに据え付けられた穿孔ドラムと、固体部材をドラムの内部へ送るラインと、少なくとも一つの流体ラインと、ドラムの内部を横切って流体を噴射するノズルとから成り、ドラムが作動中にその水平軸線を中心に回転して固体部材の塊を移動させる。塗布装置は同様に少なくとも一つのガス真空排気ラインを包含し、塗布装置のケーシングとドラムの内部から湿気とほこりを取り除く。
【0014】
ドラムは搬送要素によって分離されている幾つかの所謂セグメント(長手方向ドラム部分)から成り、各セグメントには少なくとも一つの流体ラインが接続され、これらラインはそれぞれのセグメントに収容された固体部材を噴射するために使用される取付けられたノズルを有する。セグメントの数は任意であり、ドラム或いは搬送要素と他の内部によって合うように単に機械的要件に依存しています。
【0015】
搬送要素の移動はドラムの回転から独立して、固体部材が搬送要素の移動によって次のセグメントへ運搬されるか、或いは塗布装置から軸方向に運搬される。
【0016】
最大限利用実施例では、本発明による塗布装置は搬送要素として円筒状コイル或いは螺旋を備えている。
【0017】
理想的には、円筒状コイルは旋回可能に支承され、円筒状コイルのセグメントと勾配が設計されて、せいぜい、円筒状コイルの一完全回転がすべての固体部材を一つのセグメントから次のセグメントへ移動させる、或いは固体部材を塗布装置から外へ運ばれる。同時に、円筒状コイルの理想半径はドラムの内側壁と円筒状コイルの外縁の間の小さい隙間に残って、隙間が塗布される固体部材の最小径の半分より小さいか、或いは半分に等しく、理想的には、その最小径の五分の一より小さい。本発明による装置の一実施例では、区分要素はその要素がドラム内壁を擦るように据え付けられる。
【0018】
ドラムの回転と円筒状コイル回転とが回転方向と速度に関して互いに完全に独立していることが有益である。
【0019】
塗布装置の改良された実施例では、セグメントがドラム内側で回転軸線に沿って連続開口を介して互いに接続させている。
【0020】
理想的には、各セグメントが隣接セグメントから独立して一つ以上処理流体を供給され得る。
【0021】
この発明の改良された実施例では、一つ或いは幾つかの混合要素が少なくとも一つのセグメントに据え付けられ、混合要素が固体部材のベットへ沈漬できるか、或いは固体部材のベットの外に持ち上げるように自由に移動できる。沈漬された位置では、これら混合要素がドラムの回転を介して攪拌される固体部材の塊において交差混合を誘導する。
【0022】
装置のそれ以上の改良された実施例では、混合要素は、搬送要素が移動して、その結果、固体部材が軸方向に運ばれるときに、固体部材が塊の外に持ち上げられないことを保証するように形成される搬送要素に取付けられる。
【0023】
その結果、この発明の特殊な利点は、単一ではない固体部材が薬品のために絶対的に本質である塗布ステージの終了の前の短絡流れを介してそれぞれのセグメントに出し得る。それで、塗布処理の個々のステージは有名な先行技術のバッチ装置において明白に分離される。
【0024】
次の塗布ステージへの搬送或いはそれらの放出はドラムが回転するか、或いは停止する間に実施され得て、円筒状コイルがセグメント寸法に依存する半回転或いはせいぜい一回転だけ旋回される。
【0025】
一つ塗布ステージから次の塗布ステージまでの搬送中に追加的放射が起こらないので、この最大限自動収容兼簡略化搬送処理は、クリーン室に使用することが容易とされることが大きな利点である。
【0026】
この発明は球状粒子を塗布する方法を包含し、このために本発明による前記塗布装置が使用される。
【0027】
この発明はさらに薬品或いは食品の製造の処理において本発明による固体部材を塗布する塗布装置或いは塗布方法の使用を包含する。
【0028】
本発明による塗布装置はタブレットプレスに関して接続され得て、タブレットプレスは上流に且つブリスタ機械のような下流一次包装ユニットに配列されている。それで、これは分裂と追加的存在時間と連動されたすべての不利益をもつ仮貯蔵を回避する。それで、これは顆粒から準備包装まで、特にかなり有効な物質の場合には、自動収容処理できる。
【0029】
同時に、適切な連続製造処理の欠点は、定義された部分的バッチが包含されて正確な噴射量と定義された期間を許容できるときに、回避される。
【0030】
図面は特殊な実施例によってこの発明の対象を詳細に例示する。図1は外部ケーシング2を包含する本発明による塗布装置1を示し、旋回穿孔ドラム3はケーシングに統合されている。ドラム3は開放円筒状コイル4を囲み、ドラムの内部を三つのセグメントA−Cに分割する。塗布される固体部材6は固体部材供給ライン7を介してセグメントAに供給され、すべてのラインにおけるすべての塗布ステージが完成されていたときにライン8を介して塗布装置を出る。
【0031】
図1は同様に、極めて小さい隙間によりドラム3の一部を形成する船体の形態における排気要素5を示す。この排気要素5はガス真空排気ライン9を介して真空ポンプ(図には示されない)に接続され、ケーシング2の内側から湿気とほこりを吸引して、主として固体部材6の塊からドラム3の穿孔壁を通して外へ出す。
【0032】
塗布装置1の作動中に塊の底における固体部材6はドラム3の回転を介して持ち上げられ、重力により、主として表面上の固体部材がドラム3の底、即ち最下点に転がり落ちる。排気要素5はそれが作動中に固体部材6によりカバーされたドラム領域の後部を完全にカバーすることを主として保証するように形成されている。
【0033】
中央空間12はドラム3の軸線に接近して、円筒状コイル4の壁が突き出さなく、ノズル10を備えていて、ノズルはライン11を介して流体を供給され、ライン11が図に示された実施例においてノズル10の据付け体として用いられる。
【0034】
ノズルは塗布液が固体部材6に噴射されるセグメントAとBに配列されている。セグメントCでは、塗布固体部材6は乾燥冷却され、乾燥冷却処理を最大限利用するのに適したガスが図に示された実施例ではガス圧力ライン14とガス出口13を介してセグメントCに直接に導入される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】外部ケーシングを包含する本発明による塗布装置を示す。
【符号の説明】
【0036】
1.....塗布装置
2.....ケーシング
3.....ドラム
4.....コイル
5.....排気要素
6.....固体部材の塊
7.....固体部材供給ライン
8.....固体部材放出ライン
9.....ガス真空排気ライン
10....ノズル
11....流体ライン
12....軸線に接近する空間
13....ガス出口
14....ガス圧力ライン
A−C...ドラムセグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングに統合された穿孔ドラム、個体部材をドラムへ送る個体部材送りライン、少なくとも一つの流体ラインと、ドラムの内部を横切って流体を噴射するノズル並びに少なくとも一つのガス真空排気ラインから成り、ドラムが作動中にその水平軸線を中心に回転し、ガス真空排気ラインがケーシングとドラム内部に用いられる個体部材を塗布する塗布装置において、ドラムが固体部材を搬送する装置によって幾つかのセグメント(長手方向ドラム部分)に分割されていて、そのそれぞれのセグメントに含有された固体部材を噴射するための各セグメントに取付け接続されたノズルを備える少なくとも一つの流体ラインがあり、ドラムが固体部材を搬送する要素の運動と独立して回転され得て、固体部材が搬送要素の運動によってドラム軸線の方向においてサブセグメントへ、或いは塗布装置の外に運搬され得ることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
固体部材を運搬する搬送要素が円筒状コイルとして設計されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
円筒状コイルは回転可能に支承されていて、せいぜい円筒状コイルの単一完全回転が固体部材を一つのセグメントから次のセグメントへ移動するか、或いは固体部材を塗布装置の外に運搬することを特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
ドラムの回転と円筒状コイルの回転とは回転方向と速度に関して互いに独立していることを特徴とする請求項2或いは3に記載の塗布装置。
【請求項5】
固体部材の搬送要素は内部ドラム壁をこするように据え付けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項6】
ドラムの内壁と円筒状コイルの外縁の間に隙間があり、その隙間は塗布される固体部材の最小径より小さいか、或いは最小径の半分に等しい、理想的にはその最小径の五分の一より小さいことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項7】
各セグメントが隣接セグメントと独立して一つ以上の処理流体を供給され得ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項8】
一つ或いは幾つかの混合要素が少なくとも一つのセグメントに据え付けられ、それらが固体部材のベットに侵入され得るか、或いは固体部材のベットの外に持ち上げられるように自由に移動できることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項9】
先行請求項1乃至8のいずれか一項に記載の塗布装置を使用するドラッグ、タブレット、錠剤或いはそのようなもののような固体部材を塗布する方法において、第一工程では、固体部材が第一セグメントに充填されていて、第二工程では、固体部材が特殊な要件によって流体によって湿めらされ、第三工程では、搬送要素がせいぜい一完全回転を受けて、第一セグメントが空らにされ、固体部材が次に軸方向に移動され、第四工程では、第一セグメントが第一工程当たりとして再充填され、特殊な要件に依存して、第二セグメントの固体部材が流体により再び湿めらされ、冷却され、或いは加熱され、空気或いはガスは直接にセグメントに導入されて、或いはドラム壁の穿孔を通して吸引され、固体部材を横切って分布されていて、第五工程では、固体部材の搬送要素がせいぜい一完全回転を受けて、それで第二セグメントの固体部材が第三工程に運搬され、第一工程のそれらのものが第二工程に運搬され、第一から第四までの工程が必要だけ多くの時間に繰り返され、塗布装置の最終セグメントの固体部材はドラムから放出され、ドラムが処理中に回転し、ガス真空排気ラインが塗布装置の内部とドラムに供給することを特徴とする固体部材を塗布する方法。
【請求項10】
塗布装置は医薬製品の製造のための処理に使用されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の塗布装置の使用方法。
【請求項11】
塗布装置は食品製品の製造のための処理に使用されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の塗布装置の使用方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−540072(P2008−540072A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509314(P2008−509314)
【出願日】平成18年4月1日(2006.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002993
【国際公開番号】WO2006/117046
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(390035460)ウーデ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (21)
【Fターム(参考)】