説明

固形材料から形成された機械部品を製造するための鋼

本発明は、主にベイナイト構造を有する、特に乗り物の建造のための、固形材料から成形された機械部品を製造するための鋼及び加工法において、該鋼の化学組成が、以下の質量パーセントでの含分:0.10%≦C≦0.25%、0.15%≦Si≦0.40%、1.00%≦Mn≦1.50%、1.00%≦Cr≦2.00%、0.20%≦Ni≦0.40%、0.05%≦Mo≦0.20%、0.010%≦Nb≦0.040%、0.05%≦V≦0.25%、0.01%≦Al≦0.05%、0.005%≦N≦0.025%、0%≦B≦0.0050%を有し、その際、残分は鉄及び製鋼に起因する随伴元素及び残物質からなることを特徴とする、鋼及び加工法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にベイナイト構造を有する、特に乗り物の建造のための、固形材料から成形された機械部品を製造するための鋼及び加工法に関する。
【0002】
この場合、本発明によれば、化学組成が、以下の質量パーセントでの含分:
【化1】

を有し、その際、残分は鉄及び製鋼に起因する随伴元素及び残物質からなることが予定されている。
【0003】
鋼の特に有利な組成は請求項2に記載されており、その際:
【化2】

であり、その際、残分は鉄及び製鋼に起因する随伴元素及び残物質からなる。
【0004】
前記鋼の本発明による使用は、特に乗り物の建造のための機械部品の製造であり、その際、この種の部品は、型中での鍛造及び制御急冷の後に、特殊炭化物ないし窒化物の析出物を含有する十分なベイナイト構造を有する。
【0005】
そのように製造された部品の場合、請求項4によれば、変形熱からの制御急冷後の降伏点が620N/mm2を上回ることが予定されている。
【0006】
この場合、請求項5による変形熱からの制御急冷後の引張り強さは、800N/mm2〜1100N/mm2であることが予定されている。
【0007】
有利には、変形熱からの制御急冷後の降伏比は70%を上回る。
【0008】
請求項7によれば、変形熱からの制御急冷後の破断点伸びが10%を上回ることが予定されている。
【0009】
請求項8によれば、変形熱からの制御急冷後の破断時の断面積減少が40%を上回ることが予定されている。
【0010】
請求項9によれば、変形熱からの制御急冷後のノッチ付き衝撃曲げの仕事量(DVMノッチ、室温)は25Jを上回ることが予定されている。
【0011】
請求項10によれば、靭性値を、まず第一に高い冷却速度及びベイナイト領域での保持段階を有する段階的な冷却によって、又は、後続の時効処理によって調節することができることが予定されている。
【0012】
前記部品は、請求項11によれば肌焼き及び浸炭窒化に好適であることが予定されている。
【0013】
最後に、打ち延ばされた鍛造前駆材料における機械的特性、及び、鍛造された部品における機械的特性を、熱機械的処理により調節することができることが予定されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主にベイナイト構造を有する、特に乗り物の建造のための、固形材料から成形された機械部品を製造するための鋼及び加工法において、該鋼の化学組成が、以下の質量パーセントでの含分:
【化1】

を有し、その際、残分は鉄及び製鋼に起因する随伴元素及び残物質からなることを特徴とする、鋼及び加工法。
【請求項2】
化学組成が以下の通り:
【化2】

であり、その際、残分は鉄及び製鋼に起因する随伴元素及び残物質からなる、請求項1記載の鋼。
【請求項3】
型中での鍛造及び制御急冷の後に、特殊炭化物ないし窒化物の析出物を含有する十分なベイナイト構造を有する、特に乗り物の建造のための機械部品を製造するための、請求項2記載の鋼の使用。
【請求項4】
変形熱からの制御急冷後の降伏点が620N/mm2を上回る、請求項3記載の部品。
【請求項5】
変形熱からの制御急冷後の引張り強さが800N/mm2〜1100N/mm2である、請求項4記載の部品。
【請求項6】
変形熱からの制御急冷後の降伏比が70%を上回る、請求項5記載の部品。
【請求項7】
変形熱からの制御急冷後の破断点伸びが10%を上回る、請求項6記載の部品。
【請求項8】
変形熱からの制御急冷後の破断時の断面積減少が40%を上回る、請求項7記載の部品。
【請求項9】
変形熱からの制御急冷後のノッチ付き衝撃曲げの仕事量(DVMノッチ、室温)が25Jを上回る、請求項8記載の部品。
【請求項10】
靭性値を、まず第一に高い冷却速度及びベイナイト領域での保持段階を有する段階的な冷却によって、又は、後続の時効処理によって調節することができる、請求項9記載の部品。
【請求項11】
肌焼き及び浸炭窒化に好適な、請求項10記載の部品。
【請求項12】
打ち延ばされた鍛造前駆材料における機械的特性、及び、鍛造された部品における機械的特性を、熱機械的処理により調節することができる、請求項11記載の部品。

【公表番号】特表2010−537054(P2010−537054A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522179(P2010−522179)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【国際出願番号】PCT/DE2008/001319
【国際公開番号】WO2009/026881
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(599102631)ゲオルクスマリーエンヒュッテ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (3)
【氏名又は名称原語表記】Georgsmarienhuette GmbH
【住所又は居所原語表記】Neue Huettenstr. 1, D−49124 Georgsmarienhuette, Germany
【Fターム(参考)】