説明

圧着端子、端子付き電線および端子付き電線の製造方法

【課題】電線の導体線に水分が付着することを抑制して、導体線の電食発生を減少させることが可能な圧着端子を提供する。
【解決手段】圧着端子1は、複数の導体線4が絶縁体で被覆される被覆部分3と、端末において導体線4が露出する露出部分とを有する電線2の該端末に圧着される圧着端子であって、電線2が載置される底壁9と、底壁9から立ち上がり、電線2の露出部分に圧着されるように曲げ加工されるワイヤバレル11と、底壁9から立ち上がり、電線2の被覆部分3に圧着されるように曲げ加工されるインシュレーションバレル13と、ワイヤバレル11とインシュレーションバレル13との間に設けられ、ワイヤバレル11およびインシュレーションバレル13の曲げ加工に伴い、ワイヤバレル11とインシュレーションバレル13との間の部分を覆うように塑性変形する形状を有する覆い部14とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体線を絶縁体で被覆した電線に圧着される圧着端子、そのような圧着端子を備えた端子付き電線、および端子付き電線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の導体線を絶縁体で被覆し、端末において導体線が露出する電線と、該端末に圧着される圧着端子とを有する端子付き電線が知られている(例えば特許文献1)。端子付き電線の圧着端子60は、図7に示すように、電線の端末における導体線の露出部分に圧着されるワイヤバレル71と、このワイヤバレル71とは所定の距離離間して配置され、導体線が絶縁体で被覆された被覆部分に圧着されるインシュレーションバレル73とを含む。図8は、ワイヤバレル71が電線75の露出部分76に圧着されると共に、インシュレーションバレル73が電線75の被覆部分77に圧着された状態、つまり圧着端子60が電線75に圧着されて製造された端子付き電線70を示している。
【特許文献1】実開平5−72053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような端子付き電線70では、図8から明らかなように、ワイヤバレル71およびインシュレーションバレル73の圧着加工後、ワイヤバレル71とインシュレーションバレル73との間で導体線76が露出した状態となっている。したがって、この導体線76がイオン化傾向の強い材料(特にアルミニウムやアルミニウム合金)からなる場合、導体線76に水分が付着すると、導体線76は、端子60を構成する金属(例えば銅)との間で電食してしまうおそれがある。例えば、塩分を含む砂埃(特にNa、Caのアルカリ金属、アルカリ土類金属を含むもの)が導体線76に付着しやすい環境では、砂埃は、周囲から吸湿することにより導体線76を腐食させる。
【0004】
その一方、端子付き電線70の端子60を防水コネクタハウジングに挿入することにより、導体線76の腐食を防止することができるが、コネクタハウジングに防水機能を持たせる分、コスト高になる。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、電線の導体線に水分が付着することを抑制して、導体線の電食発生を減少させることが可能な圧着端子を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような圧着端子を有する端子付き電線、およびその圧着端子を電線に圧着して端子付き電線を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る圧着端子は、複数の導体線が絶縁体で被覆される被覆部分と、端末において前記導体線が露出する露出部分とを有する電線の該端末に圧着される圧着端子であって、前記電線が載置される底壁と、前記底壁から立ち上がり、前記電線の前記露出部分に圧着されるように曲げ加工されるワイヤバレルと、前記底壁から立ち上がり、前記電線の前記被覆部分に圧着されるように曲げ加工されるインシュレーションバレルと、前記ワイヤバレルと前記インシュレーションバレルとの間に設けられ、前記ワイヤバレルおよび前記インシュレーションバレルの曲げ加工に伴い、前記ワイヤバレルと前記インシュレーションバレルとの間の部分を覆うように塑性変形する形状を有する覆い部とを含む。
【0007】
また、本発明に係る端子付き電線は、複数の導体線が絶縁体で被覆される被覆部分と、端末において前記導体線が露出する露出部分とを有する電線、および前記電線の前記端末に圧着される上記構成の圧着端子を含み、前記圧着端子が前記電線の前記端末に圧着された圧着状態において、ワイヤバレルは、前記電線の前記露出部分の一部分に圧着されており、インシュレーションバレルは、前記電線の前記被覆部分に圧着されており、覆い部は、前記ワイヤバレルと前記インシュレーションバレルとの間で前記露出部分の残り部分を覆うように塑性変形している。
【0008】
本発明に係る圧着端子およびこの圧着端子を有する端子付き電線によれば、圧着端子の覆い部は、圧着端子が電線の端末に圧着された圧着状態において、ワイヤバレルとインシュレーションバレルとの間で電線の導体線を覆うように構成されている。したがって、端子付き電線を、例えば砂埃が多い環境において使用しても、覆い部により、砂埃が導体線に付着することを抑制できる。その結果、ワイヤバレルとインシュレーションバレルとの間で導体線が露出する従来の端子付き電線と比較して、付着した砂埃の吸湿に起因する導体線の電食を抑制することができる。このように、本発明に係る圧着端子および端子付き電線は、ワイヤバレルとインシュレーションバレルとの間に覆い部を設けるという簡単な構造で導体線の電食を抑制することができる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、前記覆い部は、前記ワイヤバレルから前記インシュレーションバレルにかけて連続して一体に形成された連続壁からなる。
【0010】
本発明の他の好ましい実施形態では、前記インシュレーションバレルは、前記底壁の長手方向に平行な先端部を有している。この構成によれば、圧着端子のインシュレーションバレルの先端部は、底壁の長手方向に平行に設定されているので、インシュレーションバレルが、例えば圧着金型によって電線の被覆部分に圧着されるとき、インシュレーションバレルの圧着金型内における位置を安定させることができる。
【0011】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記導体線はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。アルミニウムおよびアルミニウム合金がイオン化傾向の強い材料であり、水分の付着により異種金属との間で電食し易いことを考慮すると、導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合、本発明に係る端子付き電線の圧着端子は、アルミ電線の電食を抑制するのに有効である。
【0012】
さらに、本発明に係る端子付き電線の製造方法は、複数の導体線が絶縁体で被覆される被覆部分と、端末において前記導体線が露出する露出部分とを有する電線に圧着端子を圧着して端子付き電線を製造する方法であって、上記構成の圧着端子を用意するステップと、前記電線の前記端末を前記圧着端子の底壁に載置するステップと、前記圧着端子のワイヤバレルおよびインシュレーションバレルを前記底壁に向けて曲げ加工することにより、前記ワイヤバレルを前記電線の前記露出部分の一部分に圧着すると共に、前記インシュレーションバレルを前記電線の前記被覆部分に圧着し、かつ前記圧着端子の覆い部を、前記ワイヤバレルおよび前記インシュレーションバレルの曲げ加工に伴い、前記ワイヤバレルと前記インシュレーションバレルとの間で前記露出部分の残り部分を覆うように塑性変形させるステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る圧着端子およびその圧着端子を有する端子付き電線によれば、圧着端子の覆い部は、電線の導体線に水分が付着することを抑制するので、導体線の電食発生を減少させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る端子付き電線の斜視図である。端子付き電線30は、電線2と、電線2に圧着された圧着端子1とを含む。電線2は、撚り線状に配置された複数本の導体線4と、導体線4を絶縁体で被覆する絶縁被覆3とを有しており、端末において、絶縁被覆3が部分的に除去されて導体線4が露出した状態となっている。その端末に、圧着端子1が圧着されている。導体線4は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。
【0016】
図2は、電線2の端末に圧着される前の圧着端子1を示す斜視図である。圧着端子1は、従来の圧着端子と同様に、電気接触部7と電線圧着部9とを前後に有する。この実施形態では、電気接触部7は、雌型であって図略の雄型端子が嵌入可能な箱型に形成されている。電線圧着部9は、電気接触部7から圧着端子1の長手方向に延びる底壁10と、底壁10から立ち上がる一対のワイヤバレル11と、ワイヤバレル11を挟んで電気接触部7とは反対側の位置で、かつワイヤバレル11とは所定の距離離間した位置で底壁10から立ち上がる一対のインシュレーションバレル13と、一対のワイヤバレル11から一対のインシュレーションバレル13にかけて連続して一体に形成されて一対のワイヤバレル11と一対のインシュレーションバレル13とを連結する連続壁14とを有する。ワイヤバレル11、インシュレーションバレル13および連続壁14は、U字形の正面形状を有している。圧着端子1は、1枚の金属板を図3に示す所定形状に打ち抜き、曲げ加工によって図2に示す形状に成形されている。
【0017】
一対のインシュレーションバレル13のそれぞれは、底壁10とは反対側に位置する第1先端部15を有している。第1先端部15は、圧着端子1の長手方向(つまり、底壁10が延びる方向)に平行、かつ互いに平行に形成されている。また、一対のワイヤバレル11のそれぞれも、底壁10とは反対側に位置する第2先端部16を有している。第2先端部16は、圧着端子1の長手方向に平行、かつ互いに平行に形成されている。
【0018】
ワイヤバレル11からインシュレーションバレル13にかけて連続して形成された連続壁14は、インシュレーションバレル13の第1先端部15とワイヤバレル11の第2先端部16とを繋ぐ第3先端部17を有している。インシュレーションバレル13およびワイヤバレル11は、底壁10から見た高さが異なっているため、第3先端部17は、図2では、斜めに延びる直線形状を有している。
【0019】
次に、圧着端子1を電線2に圧着して端子付き電線30を製造する工程について説明する。この製造工程では、図4に示す圧着金型40が用いられる。圧着金型40は、上下動可能に構成された上型41と、上型41の下方に配置され、図略の支持体に固定された下型42とを含む。下型42は、圧着工程の際に圧着端子1のインシュレーションバレル13が載置される第1載置部45と、ワイヤバレル11が載置される第2載置部46とを有している。一方、上型41は、第1載置部45に対して上下動可能に構成され、第1載置部45に載置されたインシュレーションバレル13に対して曲げ加工を行う第1曲げ加工部43と、第2載置部46に対して上下動可能に構成され、第2載置部46に載置されたワイヤバレル11に対して曲げ加工を行う第2曲げ加工部44とを有している。
【0020】
第1曲げ加工部43には、インシュレーションバレル13を所定の形状に曲げ加工することが可能な形状を有する第1加工凹部43aが形成されている。第2曲げ加工部44には、ワイヤバレル11を所定の形状に曲げ加工することが可能な形状を有する第2加工凹部44aが形成されている。また、第1加工凹部43aの頂面43bは、インシュレーションバレル13に対して曲げ加工を行うときにインシュレーションバレル13の第1先端部15と平行に当接するように設定されており、第2加工凹部44aの頂面44bも、ワイヤバレル11に対して曲げ加工を行うときにワイヤバレル11の第2先端部16と平行に当接するように設定されている。なお、第1曲げ加工部43、第2曲げ加工部44、第1載置部45および第2載置部46は、圧着端子1の長手方向に沿って配置されている。
【0021】
圧着端子1を電線2に圧着するにあたり、まず、インシュレーションバレル13が第1載置部45の第1載置面45aに載置され、ワイヤバレル11が第2載置部46の第2載置面46aに載置されるように圧着端子1を下型42にセットする。そして、絶縁被覆3を除去して導体線4を露出させた電線2の端末を圧着端子1の底壁10にセットする。次に、圧着金型40の第1曲げ加工部43および第2曲げ加工部44を、対応するインシュレーションバレル13およびワイヤバレル11に向けて下方に移動させる。この下方移動により、インシュレーションバレル13は、第1曲げ加工部43の第1加工凹部43a内に受容されつつ、第1加工凹部43aの表面から押圧力を受けて曲げ加工が施され、また、ワイヤバレル11は、第2曲げ加工部44の第2加工凹部44a内に受容されつつ、第2加工凹部44aの表面から押圧力を受けて曲げ加工が施される。このとき、インシュレーションバレル13およびワイヤバレル11間の連続壁14には、インシュレーションバレル13およびワイヤバレル11の曲げ加工に伴い、連続壁14を圧着端子1の底壁10に向けて曲げようとする力が作用する。この力により、連続壁14にも曲げ加工が施される。
【0022】
端子付き電線30は、図4に示す圧着金型40に代えて、図5に示す圧着金型50を用いて製造してもよい。圧着金型50は、第1載置部45と第2載置部46との間に配置され、連続壁14が載置される第3載置面48aを有する第3載置部48と、第1曲げ加工部43と第2曲げ加工部44との間に配置され、第3載置部48に載置された連続壁14に対して曲げ加工を行う第3曲げ加工部47とを有している点で圧着金型40とは異なる。第3曲げ加工部47には、連続壁14を所定の形状に曲げ加工することが可能な形状を有する第3加工凹部47aが形成されている。第3加工凹部47aは、図6に示すように、第1加工凹部43aの頂面43bから連続するように、かつ第2加工凹部44aの頂面44bとは段差を成すように形成された頂面47bを有している。なお、第2加工凹部44aの頂面44bおよび第3加工凹部47aの頂面47bは互いに連続するように形成してもよい。
【0023】
圧着金型50により圧着端子1を電線2に圧着するにあたり、まず、インシュレーションバレル13が第1載置部45の第1載置面45aに載置され、ワイヤバレル11が第2載置部46の第2載置面46aに載置され、連続壁14が第3載置部48の第3載置面48aに載置されるように圧着端子1を下型42にセットする。そして、絶縁被覆3を除去して導体線4を露出させた電線2の端末を圧着端子1の底壁10にセットする。次に、圧着金型50の第1曲げ加工部43、第2曲げ加工部44および第3曲げ加工部47を、対応するインシュレーションバレル13、ワイヤバレル11および連続壁14に向けて下方に移動させる。この下方移動により、インシュレーションバレル13は、第1曲げ加工部43の第1加工凹部43a内に受容されつつ、第1加工凹部43aの表面から押圧力を受けて曲げ加工が施され、ワイヤバレル11は、第2曲げ加工部44の第2加工凹部44a内に受容されつつ、第2加工凹部44aの表面から押圧力を受けて曲げ加工が施され、連続壁14は、第3曲げ加工部47の第3加工凹部47a内に受容されつつ、第3加工凹部47aの表面から押圧力を受けて曲げ加工が施される。
【0024】
圧着金型40または圧着金型50を用いた上述の曲げ加工により、図1に示すように、一対のワイヤバレル11は、電線2の端末における導体線4が露出した露出部分の一部を抱き込むように前記露出部分の一部に圧着され、また、一対のインシュレーションバレル13は、電線2の前記露出部分の直ぐ後側の絶縁被覆(被覆部分)3を抱き込むように絶縁被覆3に圧着される。そして、連続壁14は、ワイヤバレル11とインシュレーションバレル13との間で、電線2の前記露出部分の残り部分、つまり電線2の前記露出部分におけるワイヤバレル11が圧着されない部分を覆うように塑性変形される。このように塑性変形された連続壁14は、電線2の露出部分を覆う覆い部として作用する。以上説明した、圧着金型40,50を用いる曲げ加工により、端子付き電線30が製造される。
【0025】
なお、端子付き電線30の製造は、図略の自動製造機を用いて行われる。自動製造機は、電線2の端末において絶縁被覆3を自動的に除去して導体線4を所定寸法だけ露出させ、圧着金具により電線2の端末に圧着端子1を圧着するように構成されている。前記所定寸法は、ワイヤバレル11および連続壁14の各寸法を考慮して決定されているので、圧着端子1が電線2の端末に圧着された状態における、ワイヤバレル11および連続壁14の導体線4に対する各圧着位置が適切に保たれる。
【0026】
上述した実施形態では、圧着端子1の連続壁14は、圧着端子1が電線2に圧着された圧着状態において、ワイヤバレル11とインシュレーションバレル13との間で電線2の導体線4を覆う覆い部として作用する。したがって、端子付き電線30を、例えば砂埃が多い環境において使用しても、覆い部14により、砂埃が導体線4に付着することを抑制できる。その結果、端子付き電線30は、ワイヤバレルとインシュレーションバレルとの間で導体線が露出する従来の端子付き電線と比較して、付着した砂埃の吸湿に起因する導体線4の電食を抑制することができる。このように、本実施形態の圧着端子1および端子付き電線30は、ワイヤバレル11とインシュレーションバレル13との間に覆い部14を設けるという簡単な構造で導体線4の電食を抑制することができる。
【0027】
また、アルミニウムが結露に起因する電食が発生し易い材料であることを考慮すると、導体線4がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合、本実施形態の圧着端子1は、アルミ電線の電食を抑制するのに有効である。
【0028】
また、圧着端子1のインシュレーションバレル13の第1先端部15は、底壁10の長手方向に平行に設定されているので、インシュレーションバレル13が圧着金型40,50の第1曲げ加工部43によって押圧されたとき、インシュレーションバレル13の圧着金型40,50内での位置を安定させることができる。これに対し、インシュレーションバレル13の第1先端部15が、底壁10の長手方向に平行に設定されていない場合、例えば斜めに設定されている場合、インシュレーションバレル13は、第1曲げ加工部43によって押圧されたときに第1曲げ加工部43からずれ易くなる。
【0029】
なお、上述した端子付き電線30では、連続壁14の第3先端部17を、インシュレーションバレル13の第1先端部15とワイヤバレル11の第2先端部16との間で斜めに延びる直線形状とした場合につき説明したが、第3先端部17の形状は、これに限定されるものではなく、連続壁14が塑性変形されたときに導体線4を覆うことが可能な形状であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る端子付き電線の斜視図である。
【図2】電線に圧着される前の圧着端子を示す斜視図である。
【図3】圧着端子が曲げ加工される前の状態を示す平面図である。
【図4】端子付き電線を製造するために用いられる圧着金型の斜視図である。
【図5】他の圧着金型を示す斜視図である。
【図6】図5のV−V線に沿って切断した断面図である。
【図7】従来の圧着端子を示す斜視図である。
【図8】図7の圧着端子が電線に圧着されて製造された従来の端子付き電線を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 圧着端子
2 電線
3 絶縁被覆
4 導体線
7 電気接触部
9 電線圧着部
10 底壁
11 ワイヤバレル
13 インシュレーションバレル
14 連続壁(覆い部)
40,50 圧着金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導体線が絶縁体で被覆される被覆部分と、端末において前記導体線が露出する露出部分とを有する電線の該端末に圧着される圧着端子であって、
前記電線が載置される底壁と、
前記底壁から立ち上がり、前記電線の前記露出部分に圧着されるように曲げ加工されるワイヤバレルと、
前記底壁から立ち上がり、前記電線の前記被覆部分に圧着されるように曲げ加工されるインシュレーションバレルと、
前記ワイヤバレルと前記インシュレーションバレルとの間に設けられ、前記ワイヤバレルおよび前記インシュレーションバレルの曲げ加工に伴い、前記ワイヤバレルと前記インシュレーションバレルとの間の部分を覆うように塑性変形する形状を有する覆い部と、
を備えた圧着端子。
【請求項2】
請求項1に記載の圧着端子において、前記覆い部は、前記ワイヤバレルから前記インシュレーションバレルにかけて連続して一体に形成された連続壁からなる圧着端子。
【請求項3】
請求項1または2に記載の圧着端子において、前記インシュレーションバレルは、前記底壁の長手方向に平行な先端部を有している圧着端子。
【請求項4】
複数の導体線が絶縁体で被覆される被覆部分と、端末において前記導体線が露出する露出部分とを有する電線、および
前記電線の前記端末に圧着される請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧着端子、
を備え、
前記圧着端子が前記電線の前記端末に圧着された圧着状態において、ワイヤバレルは、前記電線の前記露出部分の一部分に圧着されており、インシュレーションバレルは、前記電線の前記被覆部分に圧着されており、覆い部は、前記ワイヤバレルと前記インシュレーションバレルとの間で前記露出部分の残り部分を覆うように塑性変形している端子付き電線。
【請求項5】
請求項4に記載の端子付き電線において、前記導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる端子付き電線。
【請求項6】
複数の導体線が絶縁体で被覆される被覆部分と、端末において前記導体線が露出する露出部分とを有する電線に圧着端子を圧着して端子付き電線を製造する方法であって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧着端子を用意するステップと、
前記電線の前記端末を前記圧着端子の底壁に載置するステップと、
前記圧着端子のワイヤバレルおよびインシュレーションバレルを前記底壁に向けて曲げ加工することにより、前記ワイヤバレルを前記電線の前記露出部分の一部分に圧着すると共に、前記インシュレーションバレルを前記電線の前記被覆部分に圧着し、かつ前記圧着端子の覆い部を、前記ワイヤバレルおよび前記インシュレーションバレルの曲げ加工に伴い、前記ワイヤバレルと前記インシュレーションバレルとの間で前記露出部分の残り部分を覆うように塑性変形させるステップと、
を含む製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の端子付き電線の製造方法において、前記導体線がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−15915(P2010−15915A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176494(P2008−176494)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】