説明

圧縮機

【課題】省電力化および長寿命化を図ることができる圧縮機の提供。
【解決手段】接続された接続部材13Aに高圧側取出圧で圧縮気体を送出可能な高圧側継手部22と、接続された接続部材12Aに高圧側取出圧よりも低い低圧側取出圧で圧縮気体を送出可能な低圧側継手部21と、圧力検出手段18の検出結果に基づいてモータ16を制御する制御部20と、高圧側継手部22への接続部材13Aの接続および非接続を検出する接続検出手段27とを備え、高圧側継手部22への接続部材13Aの接続が検出されると、タンク内圧力を、高圧側取出圧よりも高い高圧側制御圧に維持するようにモータ16を制御する高圧運転モードを実行する一方、高圧側継手部22への接続部材13Aの非接続が検出されると、タンク内圧力を高圧側制御圧よりも低く且つ低圧側取出圧よりも高い低圧側制御圧に維持するようにモータ16を制御する低圧運転モードを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体を圧縮する圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
気体を圧縮してタンクに貯留すると共に、タンクに貯留した圧縮気体を外部に供給可能とする圧縮機において、タンクに貯留した圧縮気体を高圧および低圧の二段階で供給可能なものがある。つまり、この圧縮機では、供給先である釘打ち機等のホースを接続させる継手部が二箇所設けられ、一方の継手部にホースが接続されると、減圧弁で減圧した高圧の圧縮気体をこのホースに供給する一方、他方の継手部にホースが接続されると、減圧弁でさらに低圧に減圧した圧縮気体をこのホースに供給するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−254242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような圧縮機においては、高圧の圧縮気体を供給可能とするために、タンク内の圧力を常に高圧に維持するようにその運転が制御される。このため、例えば、低圧の圧縮気体の使用頻度が高い使用環境下においては、タンク内が無駄に高圧に維持されることになってしまう。その結果、無駄な電力を消費することになる。また、タンク内が高圧に維持されることで、気体を圧縮する圧縮部や圧縮部を駆動するモータ等への負荷が大きくなり、製品寿命が短くなってしまう。
【0004】
したがって、本発明は、省電力化および長寿命化を図ることができる圧縮機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、気体を圧縮する圧縮部と、該圧縮部を駆動するモータと、前記圧縮部により生成された圧縮気体を貯留するタンクと、該タンク内の圧縮気体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記タンクに貯留された圧縮気体を取り出すための接続部材が着脱可能とされ、接続された該接続部材に高圧側取出圧で圧縮気体を送出可能な高圧側継手部と、前記タンクに貯留された圧縮気体を取り出すための接続部材が着脱可能とされ、接続された該接続部材に前記高圧側取出圧よりも低い低圧側取出圧で圧縮気体を送出可能な低圧側継手部と、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて前記モータを制御する制御部と、を備えてなる圧縮機において、前記高圧側継手部への前記接続部材の接続および非接続を検出する接続検出手段を備え、前記制御部は、前記接続検出手段で前記高圧側継手部への前記接続部材の接続が検出されると、前記タンク内圧力を、前記高圧側取出圧よりも高い高圧側制御圧に維持するように前記モータを制御する高圧運転モードを実行する一方、前記接続検出手段で前記高圧側継手部への前記接続部材の非接続が検出されると、前記タンク内圧力を前記高圧側制御圧よりも低く且つ前記低圧側取出圧よりも高い低圧側制御圧に維持するように前記モータを制御する低圧運転モードを実行することを特徴としている。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記接続検出手段は、前記タンクと前記高圧側継手部との間に設けられて該高圧側継手部への前記接続部材の接続時に生じる気体の流れを検出するフローセンサであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、制御部が、接続検出手段で高圧側継手部への接続部材の接続が検出されると、タンク内圧力を、高圧側継手部からの送出圧力である高圧側取出圧よりも高い高圧側制御圧に維持するようにモータを制御する高圧運転モードを実行する一方、接続検出手段で高圧側継手部への接続部材の非接続が検出されると、タンク内圧力を、高圧側制御圧よりも低く且つ低圧側継手部からの送出圧力である低圧側取出圧よりも高い低圧側制御圧に維持するようにモータを制御する低圧運転モードを実行する。つまり、高圧を使用する状況下においては高圧運転モードで運転を実行するものの、高圧を使用する状況下になければ低圧運転モードで運転を実行することになる。したがって、無駄に高圧運転モードで運転されることがないため、無駄な電力消費を抑制でき、無駄に各部に負荷が加わることも防止できる。よって、省電力化および長寿命化を図ることができる。
【0008】
請求項2に係る発明によれば、接続検出手段は、タンクと高圧側継手部との間に設けられてこの高圧側継手部への接続部材の接続時に生じる気体の流れを検出するフローセンサであるため、容易且つ確実に、高圧側継手部への接続部材の接続および非接続を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の一実施形態の圧縮機を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の図1に示す圧縮機11は、気体として空気を圧縮するものであり、圧縮空気の圧力で釘打ちを行う釘打ち機等の空気工具に圧縮空気を供給するものである。しかも、この圧縮機11は、一般圧で駆動される一般圧空気工具(空気使用装置)12およびこれより高圧で駆動される高圧空気工具(空気使用装置)13の両方兼用の空気源として使用されるものである。
【0010】
この圧縮機11は、機外から空気を吸引して圧縮するレシプロ型あるいはスクロール型の圧縮機本体(圧縮部)15と、圧縮機本体15を駆動する電動モータ16と、圧縮機本体15により圧縮生成された圧縮空気を貯留する空気タンク(タンク)17と、空気タンク17内の圧縮空気の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)18と、圧力センサ18の検出結果に基づいて電動モータ16を制御する制御部20とを有している。
【0011】
また、この圧縮機11は、一般圧空気工具12の接続ホースからなる接続部材12Aが着脱可能に接続される低圧側継手部21と、高圧空気工具13の接続ホースからなる接続部材13Aが着脱可能に接続される高圧側継手部22とを有している。
【0012】
低圧側継手部21は、接続部材12Aが押し込まれることでワンタッチで接続部材12Aを接続状態とし、高圧側継手部22は、接続部材13Aが押し込まれることでワンタッチで接続部材13Aを接続状態とするもので、いずれにも接続部材12A,13Aが接続されると開状態となり接続部材12A,13Aが取り外されると閉状態となる図示略の弁が内蔵されている。よって、低圧側継手部21および高圧側継手部22は、いずれも接続部材12A,13Aが接続されると接続部材12A,13Aに圧縮空気を供給することになり、接続部材12A,13Aが取り外されると外への圧縮空気の放出を規制する。
【0013】
ここで、高圧側継手部22には、空気タンク17に貯留された圧縮空気を、予め設定された高圧側取出圧Pa0(例えば2.2MPa)に減圧する高圧側減圧弁24が設けられている。よって、高圧側継手部22は、これに接続された接続部材13Aに高圧側取出圧Pa0の圧縮空気を送出可能となっている。また、低圧側継手部21には、空気タンク17に貯留された圧縮空気を高圧側取出圧Pa0よりも低い、予め設定された低圧側取出圧Pb0(例えば0.8MPa)に減圧する低圧側減圧弁25が設けられている。よって、低圧側継手部21は、これに接続された接続部材12Aに低圧側取出圧Pb0の圧縮空気を送出可能となっている。
【0014】
そして、本実施形態の圧縮機11には、空気タンク17と高圧側継手部22との間の流路に、圧縮空気の流通を検出するフローセンサ(接続検出手段)27が設けられている。このフローセンサ27の目的は、高圧側継手部22への接続部材13Aの接続時に生じる圧縮空気の流れを検出することであり、この流れがあると、高圧側継手部22へ接続部材13Aが接続されたことを検出し、この流れがなければ高圧側継手部22へ接続部材13Aが接続されていないこと(非接続)を検出する。つまり、フローセンサ27は、高圧側継手部22への接続部材13Aの接続および非接続を検出する。
【0015】
なお、フローセンサ27を設ける以外にも、高圧側継手部22に、接続される接続部材13Aで押圧されるスイッチを設け、このスイッチのオンオフで接続部材13Aの接続および非接続を検出しても良い。また、高圧側継手部22に、接続される接続部材13Aでオンされる近接スイッチを設け、この近接スイッチのオンオフで接続部材13Aの接続および非接続を検出しても良い。また、高圧側継手部22の金属部分の電気的特性(例えば抵抗値)を検出するセンサを設け、この高圧側継手部22に金属部において接続される接続部材13Aの接続および非接続を電気的特性の変化で検出しても良い。また、高圧側継手部22に光学センサを設け、接続部材13Aの接続および非接続を光学センサの遮光および透光で検出しても良い。
【0016】
そして、本実施形態の圧縮機11は、制御部20が以下の制御を行う。
圧縮機11の主電源がオンされると、制御部20は、図2に示すように、圧縮機11の運転開始時に操作される運転スイッチがオンであるかオフであるかを確認する(ステップSA1)。運転スイッチがオフである場合にはステップSA1の判断に戻る。
【0017】
一方、ステップSA1で運転スイッチがオンである場合には、空気タンク17内の圧力を圧力センサ18で検出し(ステップSA2)、空気タンク17内の圧力が大気圧を超えているか否かを判定する(ステップSA3)。大気圧を超えていなければ、電動モータ16をオンして(ステップSA4)、ステップSA3に戻る。
【0018】
ステップSA3で、大気圧を超えていたら、フローセンサ27により空気タンク17と高圧側継手部22との間の流路の圧縮空気の流通、つまり高圧側継手部22への接続部材13Aの接続を検出する(ステップSA5)。そして、圧縮空気の流通によってフローセンサ27がオン状態にあること(接続部材13Aの接続有り)を検出すると高圧運転モードを実行する一方(ステップSA6)、圧縮空気の流通がなくフローセンサ27がオフ状態にあること(接続部材13Aの接続なし)を検出すると低圧運転モードを実行する(ステップSA7)。
【0019】
高圧運転モードでは、図3に示すように、まず、空気タンク17内の圧力を圧力センサ18で確認し(ステップSB1)、空気タンク17内の圧力が、予め設定された高圧側下限値PaL(例えば3.5MPa)以下であるか否かを判定する(ステップSB2)。高圧側下限値PaL以下でなければ、ステップSB1に戻る。
【0020】
ステップSB2で、高圧側下限値PaL以下であると、電動モータ16がオン状態にあるか否かを判定し(ステップSB3)、オン状態になければ、電動モータ16をオンする(ステップSB4)。そして、ステップSB3で電動モータ16がオン状態にある場合とステップSB4で電動モータ16がオンされた場合との両方において、空気タンク17内の圧力を圧力センサ18で確認し(ステップSB5)、空気タンク17内の圧力が、予め設定された高圧側上限値PaH(例えば4.0MPa)以上であるか否かを判定する(ステップSB6)。高圧側上限値PaH以上でなければ、ステップSB5に戻り、高圧側上限値PaH以上であれば、電動モータ16をオフして(ステップSB7)、ステップSB1に戻る。
【0021】
以上により、フローセンサ27で高圧側継手部22への接続部材13Aの接続が検出された高圧運転モードでは、制御部20が、空気タンク17内の圧力を、高圧側取出圧Pa0(例えば2.2MPa)よりも高い、高圧側下限値PaL(例えば3.5MPa)から高圧側上限値PaH(例えば4.0MPa)の間の高圧側制御圧に維持するように電動モータ16を制御する。ただし、接続された高圧空気工具13の空気使用量によっては、空気タンク17内の圧力が、上記のような電動モータ16の制御にかかわらず高圧側制御圧PaL〜PaHを下回ることもある。
【0022】
低圧運転モードでは、図4に示すように、まず、空気タンク17内の圧力を圧力センサ18で確認し(ステップSC1)、空気タンク17内の圧力が、予め設定された低圧側下限値PbL(例えば1.5MPa)以下であるか否かを判定する(ステップSC2)。低圧側下限値PbL以下でなければ、ステップSC1に戻る。
【0023】
ステップSC2で、低圧側下限値PbL以下であると、電動モータ16がオン状態にあるか否かを判定し(ステップSC3)、オン状態になければ、電動モータ16をオンする(ステップSC4)。そして、ステップSC3で電動モータ16がオン状態にある場合とステップSC4で電動モータ16がオンされた場合との両方において、空気タンク17内の圧力を圧力センサ18で確認し(ステップSC5)、空気タンク17内の圧力が、予め設定された低圧側上限値PbH(例えば2.0MPa)以上であるか否かを判定する(ステップSC6)。低圧側上限値PbH以上でなければ、ステップSC5に戻り、低圧側上限値PbH以上であれば、電動モータ16をオフして(ステップSC7)、ステップSC1に戻る。
【0024】
以上により、フローセンサ27で高圧側継手部22への接続部材13Aの非接続が検出された低圧運転モードでは、制御部20が、空気タンク17内の圧力を、上記した高圧側制御圧PaL〜PaH(例えば3.5〜4.0MPa)よりも低く且つ低圧側取出圧Pb0(例えば0.8MPa)よりも高い、低圧側下限値PbL(例えば1.5MPa)から低圧側上限値PbH(例えば2.0MPa)の間の低圧側制御圧に維持するように電動モータ16を制御する。ただし、接続された一般圧空気工具12の空気使用量によっては、空気タンク17内の圧力が、上記のような電動モータ16の制御にかかわらず低圧側制御圧PbL〜PbHを下回ることもある。
【0025】
また、制御部20は、低圧運転モードでの運転中、上記と並行制御で、図5に示すように、常に、フローセンサ27によって圧縮空気の流通つまり高圧側継手部22への接続部材13Aの接続を監視している。つまり、低圧運転モードでの運転中であるか否かを判定し(ステップSD1)、低圧運転モードでの運転中である場合には、フローセンサ27により空気タンク17と高圧側継手部22との間の流路の圧縮空気の流通、つまり高圧側継手部22への接続部材13Aの接続を検出する(ステップSD2)。そして、圧縮空気の流通が有りフローセンサ27がオンされた状態(接続部材13Aの接続有り)を検出しなければ、ステップSD2に戻り、フローセンサ27がオンされた状態(接続部材13Aの接続有り)を検出すると、高圧運転モードに切り替えステップSB1〜SB7を実行する(ステップSD3)。
【0026】
例えば、空気タンク17内が大気圧であり且つ低圧側継手部21に接続部材12Aが接続され且つ高圧側継手部22に接続部材13Aが接続されていない状態で、運転開始にともない運転スイッチがオンされると(ステップSA1)、空気タンク17内の圧力が大気圧であるため(ステップSA3)、制御部20は、電動モータ16をオンして圧縮機本体15を駆動する(ステップSA4)。これにより、図6に例示するタイミングチャートのように、空気タンク17内の圧力が上昇する(t1時点以降)。そして、フローセンサ27により圧縮空気の流通なし(接続部材13Aの接続なし)を検出すると(ステップSA5)、制御部20は、低圧運転モードを実行する(ステップSA7)。つまり、空気タンク17内の圧力が低圧側下限値PbL(例えば1.5MPa)以下であるため(ステップSC2)、空気タンク17内の圧力が低圧側上限値PbH(例えば2.0MPa)以上になるまで(ステップSC6)、電動モータ16を駆動し続け、低圧側上限値PbH以上になると、電動モータ16をオフする(ステップSC7)。これにより、空気タンク17内の圧力が低圧側上限値PbHとなる(t2時点以降)。
【0027】
一方、低圧側継手部21に接続された接続部材12Aを介して圧縮空気の消費が開始されると、空気タンク17内の圧力が下がる(t3時点以降)。そして、低圧運転モード中、空気タンク17内の圧力が低圧側下限値PbL(例えば1.5MPa)以下になると(ステップSC2)、制御部20は、電動モータ16をオンする(ステップSC4)。これにより、圧縮空気の消費のみであった状態に対して圧縮空気の生成が行われるため、空気タンク17内の圧力の低下率が緩やかになる(t4時点以降)。そして、圧縮空気の消費が停止すると(t5時点)、空気タンク17内の圧力が上昇する(t5時点以降)。そして、空気タンク17内の圧力が低圧側上限値PbH以上になる(ステップSC6:t6時点)と、制御部20は、電動モータ16をオフする(ステップSC7)。
【0028】
そして、このような低圧運転モードでの運転中に、フローセンサ27により圧縮空気の流通有り(接続部材13Aの接続有り)を検出すると(ステップSD2)、制御部20は、高圧運転モードに切り替える(ステップSD3)。つまり、この時点では空気タンク17内の圧力が高圧側下限値PaL(例えば3.5MPa)以下であるため(ステップSB2)、制御部20は電動モータ16をオンし(ステップSB4)、空気タンク17内の圧力が高圧側上限値PaH(例えば4.0MPa)以上になるまで(ステップSB6)、電動モータ16を駆動し続ける。これにより、空気タンク17内の圧力が上昇する(t7時点以降)。そして、空気タンク17内の圧力が高圧側上限値PaH(例えば4.0MPa)以上になると(ステップSB6)、制御部20は、電動モータ16をオフする(ステップSB7)。これにより、空気タンク17内の圧力が高圧側上限値PaHとなる(t8時点以降)。
【0029】
一方、高圧側継手部22に接続された接続部材13Aを介して圧縮空気の消費が開始されると(t9時点)、空気タンク17内の圧力が下がる(t9時点以降)。そして、高圧運転モード中、空気タンク17内の圧力が高圧側下限値PaL(例えば3.5MPa)以下になると(ステップSB2)、制御部20は、電動モータ16をオンする(ステップSB4)。これにより、圧縮空気の消費のみであった状態に対して圧縮空気の生成が行われるため、空気タンク17内の圧力の低下率が緩やかになる(t10時点以降)。
【0030】
以上に述べた本実施形態の圧縮機11によれば、制御部20は、フローセンサ27で高圧側継手部22への接続部材13Aの接続が検出されると、空気タンク17内の圧力を、高圧側継手部22からの送出圧力である高圧側取出圧Pa0よりも高い高圧側制御圧PaL〜PaHに維持するように電動モータ16を制御する高圧運転モードを実行する一方、フローセンサ27で高圧側継手部22への接続部材13Aの非接続が検出されると、空気タンク17内の圧力を、高圧側制御圧PaL〜PaHよりも低く且つ低圧側継手部21からの送出圧力である低圧側取出圧Pb0よりも高い低圧側制御圧PbL〜PbHに維持するように電動モータ16を制御する低圧運転モードを実行する。つまり、高圧を使用する状況下においては高圧運転モードで運転を実行するものの、高圧を使用する状況下になければ低圧運転モードで運転を実行することになる。したがって、無駄に高圧運転モードで運転されることがないため、無駄な電力消費を抑制でき、無駄に各部に負荷が加わることも防止できる。よって、省電力化および長寿命化を図ることができる。
【0031】
また、空気タンク17と高圧側継手部22との間に設けられてこの高圧側継手部22への接続部材13Aの接続時に生じる圧縮空気の流れを検出するフローセンサ27であるため、容易且つ確実に、高圧側継手部22への接続部材13Aの接続および非接続を検出することができる。
【0032】
しかも、高圧側継手部22への接続部材13Aの接続で低圧運転モードを高圧運転モードにするため、高圧側の空気を使用する際に必要とされる高圧側継手部22への接続部材13Aの接続動作で、自動的に低圧運転モードを高圧運転モードにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態の圧縮機を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態の圧縮機における運転スイッチオン時の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態の圧縮機における高圧運転モードの制御内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態の圧縮機における低圧運転モードの制御内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態の圧縮機における低圧運転モードから高圧運転モードへの切替の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態の圧縮機における作動の一例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0034】
11 圧縮機
12A,13A 接続部材
15 圧縮機本体(圧縮部)
16 電動モータ(モータ)
17 空気タンク(タンク)
18 圧力センサ(圧力検出手段)
20 制御部
21 低圧側継手部
22 高圧側継手部
27 フローセンサ(接続検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を圧縮する圧縮部と、
該圧縮部を駆動するモータと、
前記圧縮部により生成された圧縮気体を貯留するタンクと、
該タンク内の圧縮気体の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記タンクに貯留された圧縮気体を取り出すための接続部材が着脱可能とされ、接続された該接続部材に高圧側取出圧で圧縮気体を送出可能な高圧側継手部と、
前記タンクに貯留された圧縮気体を取り出すための接続部材が着脱可能とされ、接続された該接続部材に前記高圧側取出圧よりも低い低圧側取出圧で圧縮気体を送出可能な低圧側継手部と、
前記圧力検出手段の検出結果に基づいて前記モータを制御する制御部と、
を備えてなる圧縮機において、
前記高圧側継手部への前記接続部材の接続および非接続を検出する接続検出手段を備え、
前記制御部は、前記接続検出手段で前記高圧側継手部への前記接続部材の接続が検出されると、前記タンク内圧力を、前記高圧側取出圧よりも高い高圧側制御圧に維持するように前記モータを制御する高圧運転モードを実行する一方、前記接続検出手段で前記高圧側継手部への前記接続部材の非接続が検出されると、前記タンク内圧力を前記高圧側制御圧よりも低く且つ前記低圧側取出圧よりも高い低圧側制御圧に維持するように前記モータを制御する低圧運転モードを実行することを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記接続検出手段は、前記タンクと前記高圧側継手部との間に設けられて該高圧側継手部への前記接続部材の接続時に生じる気体の流れを検出するフローセンサであることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−8044(P2009−8044A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171919(P2007−171919)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】