説明

圧送システム

【課題】空気溜を大量に含む非流動性のスラリーをフィルタープレスへ圧送することを可能にする圧送システムを提供する。
【解決手段】本発明の圧送システムは、圧送装置と、当該圧送装置とフィルタープレスとの間を接続する圧送管を有している。圧送装置から延出する圧送管は、複数の円筒部材を分離可能に継合することにより構成されている。継合した円筒部材の間には、微小間隙(スリット)が形成されている。油圧シリンダーを作動させて圧送室内のスラリーを加圧すると、該スラリーに含まれる空気は、圧送管の微小間隙を介して外部へ排気される。その結果、圧送管内のスラリーから空気を十分に取り除いて、スラリーの全体に対して圧力を確実に伝えることが可能になる。したがって、脱水処理すべきスラリーが空気を大量に含有する場合(例えばオカラ)であっても、十分な圧力でフィルタープレスに打ち込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタープレスに被濾過物を圧送するための圧送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、様々な有機性の廃水の処理に伴って発生する汚泥の量が、大きく増加する傾向にある。このような汚泥をそのままの状態で廃棄すると、地下水や河川等が著しく汚染される。そこで、環境汚染を防止する観点から、汚泥を固形状の脱水ケーキと濾過液に分離することが試みられている。
【0003】
分離することによって得られた脱水ケーキについては、たとえば回収して有効に再利用するか、或いは、焼却した上で埋立て処理される。一方、濾過液については、たとえば無害化した上で河川等に放流される。そして、汚泥等の被濾過物を脱水処理するための装置として、図16に示すようなフィルタープレス(加圧式濾過装置/固液分離装置)が用いられている。
【0004】
以下、図16及び図17に基づいてフィルタープレスについて説明する。
図16は、一般的なフィルタープレス60の外観を示す図である。
図17は、図16のフィルタープレス60が備える濾板を示す断面図である。
【0005】
図16に示すフィルタープレス60において、ベース62の上には、一対のスタンド63,64が立設されている。スタンド63,64の間には、複数の濾板71が対向して設けられている。これらの濾板71は、ガイドレール65に沿って近接方向および離隔方向にスライド自在に設けられている。各濾板71は、図17に示すように、ガイド溝72及び排液口73が形成された濾板本体74を有している。濾板本体74には、図示するように、汚泥を濾過するための濾布75が被せてある。
【0006】
汚泥を濾過する際には、まず、スタンド64の側に設けた油圧シリンダ66を利用して、複数の濾板71を重ね合わせ、さらに該濾板同士を圧締する。次いで、隣接する濾板71間に形成される濾室76に対して、供給口67を介して汚泥を高圧で圧送する。濾室76に充填された汚泥に対しては供給口67を介して高圧が加えられるため、濾室内の汚泥は濾布75によって濾過される。これにより、汚泥は脱水ケーキと濾過液に分離される。
【0007】
濾布76を通過した濾過液は、濾板本体74のガイド溝72を通って排液口73に導かれる。排液口73から排気された濾過液は、シュート68を介して所定箇所に収容される。一方、濾板71間の濾室76に残留した脱水ケーキは、複数の濾板71を離隔させることによって、濾布75から剥離され自重により落下する。
【0008】
次に、図18に基づいて、上述したフィルタープレスに汚泥を圧送するための従来の圧送装置について説明する。図18は、従来の圧送装置の圧力容器100を示す断面図である。
【0009】
従来の圧送装置の圧力容器100は、外筒101と、該外筒の一端にパッキングを介して取り付けられたエンドプレート103と、外筒101とエンドプレート103との間で挟持された弾性膜105と、汚泥を吸入するための吸入口107と、該汚泥をフィルタープレス60へ向けて圧送するための吐出口109とを有している。吸入口107は、吸入弁及び管路を介して、汚泥を収容したタンクに接続されている。また、吐出口109は、吐出弁及び管路を介して、上述したフィルタープレスに接続されている。
【0010】
圧力容器100内の密閉空間は、弾性膜105によって、駆動流体室111と圧送室113とに仕切られている。圧送室113には、フィルタープレス60へ向けて圧送される汚泥が流入する。また、駆動流体室111には、弾性膜105を膨張させるための駆動流体が流入する。なお、駆動流体は、図示しない油圧シリンダの動作に連動して、駆動流体室111に流入又は駆動室から流出するようになっている。
【0011】
油圧シリンダを作動させて駆動流体室111に駆動流体を流入させると、弾性膜105は膨張し、その結果、圧送室113内の被濾過物が吐出口109を介してフィルタープレス60へ向けて送出される。一方、駆動流体室111内の駆動流体を流出させると、弾性膜105は収縮し、その結果、吸入口107を介してスラリータンクから被濾過物が吸引される。
【0012】
ところで、脱水処理が必要とされる被濾過物には、各種の汚泥・残土等の流動性のあるスラリーの他に、空気を多量に含有しほとんど流動性のないスラリーがある。そのような非流動性スラリーの具体例としては、たとえば、食品工業界において生じる澱粉,オカラ処理物,食パンくず等が挙げられる。
【0013】
しかしながら、そのような非流動性スラリーをフィルタープレスへ圧送するにあたっては、以下に述べる問題があった。
【0014】
(1) オカラ等の非流動性スラリーは団塊状の形態を有し、その内部に空気溜を大量に含んでおり、しかも、ほとんど流動性がない。そのため、従来の圧送装置で吸引しても、スラリータンクからはスラリー内の空気だけが流れ込み、肝心のスラリーはタンク内に停滞して圧送装置内にほとんど入ってこない。
【0015】
(2) また、仮に非流動性スラリーが圧送装置内に吸引されたとしても、吸引されたスラリーを圧送する際に、スラリー内の空気溜が、弾性膜による圧送作用を吸収してしまう。そのため、非流動性スラリーを圧送装置内に吸引できたとしても、該スラリーが圧送装置とフィルタープレスの間に停滞してしまうので、送出したスラリーをフィルタープレス側で十分に脱水することができない。
【0016】
(3) オカラ等の非流動性スラリーに対し予め多量の水分を加え、さらに、混合,攪拌することによって、当該スラリーに対して流動性を与えることも検討された。しかし、流動性を与えればフィルタープレスへの圧送は可能になるが、含水率が著しく高まるために、フィルタープレスによる脱水効率が低下する。
【0017】
(4) 上記(1)〜(3)の問題点を解決すべく、圧力容器に排気チャンバーを設けることも実施された。しかしながら、オカラ等の非流動性スラリーに含まれる空気量が極めて膨大であるために、排気チャンバーだけでは、十分に空気を排気することができなかった。よって、圧力容器に排気チャンバーを設けただけでは、フィルタープレスに非流動性スラリーを良好に圧送することができなかった。
【0018】
(5) また、別の観点から上記(1)〜(3)の問題点を解決すべく、圧送装置とフィルタープレスとの間の脱気装置を設けることも検討された。しかしながら、オカラ等の非流動性スラリーの場合は、大量の空気溜が圧力を吸収するために、スラリーを外付けの脱気装置に十分に送り込むことができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
そこで上述した問題点に鑑み、本発明の目的は、空気溜を大量に含む非流動性のスラリーをフィルタープレスへ圧送することを可能にする圧送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
このような目的は、特許請求の範囲記載の本発明によって達成される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の圧送システムによれば、圧送室内の圧力の上昇に伴って、圧送室に流入した被濾過物に含まれる気体は、圧送管に形成された切れ込み(微小間隙/脱気手段)を介して外部へ排気されるようになっている。その結果、圧送管内の被濾過物から空気を十分に取り除いて、被濾過物の全体に対して加圧体による圧力を確実に伝えることが可能になる。したがって、本発明によれば、脱水処理すべき被濾過物が空気を大量に含有する場合であっても、十分な圧力でフィルタープレスに打ち込むことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は下記(1)〜(21)の特徴を有する圧送システムであり、その具体的実施形態は添付図面に図示するとおりである。
【0023】
(1) 脱水すべき被濾過物を収容する容器から送給された該被濾過物を、フィルタープレスに圧送するための圧送システムであって、
被濾過物を一時的に収容するための圧送室を備え、当該圧送室に収容された被濾過物を加圧するための加圧手段(例えば油圧シリンダ)を有する圧送装置と;
一端が前記圧送装置に接続されており、前記容器からの被濾過物を前記圧送室に投入させるための送給管と;
一端が前記圧送装置に接続されており、前記圧送装置によって圧送された被濾過物が前記フィルタープレスへ向けて流動するようになっている圧送管と;
一端が前記圧送装置に接続されており、排気口を有し、圧送室内にある被濾過物の気体成分をシステム外部へ放出させるための脱気管と;
前記送給管に設けられ、該送給管における被濾過物の流れを制御するための第1の制御弁と;
前記圧送管に設けられ、該圧送管における被濾過物の流れを制御するための第2の制御弁と;
前記脱気管に設けられており、一方と他方の間で脱気チャンバーを構成するための一組の制御弁であって、圧送装置寄りに配置された第3の制御弁と、排気口寄りに配置された第4の制御弁とを含むものと;を有しており、
前記圧送装置の加圧手段が加圧方向に作動する際(及び作動している間)には、
第1の制御弁を閉弁して、圧送室内の被濾過物が容器へ向けて逆流しないようにし、
第2の制御弁を開弁して、加圧された被濾過物が圧送管へ送出されるようにし、
第3の制御弁を開弁して、被濾過物の気体成分が第3の制御弁と第4の制御弁との間の脱気チャンバーに進入できるようにし、
第4の制御弁を閉弁して、第3の制御弁を通過した気体成分を脱気チャンバー内に閉じ込めるようにし;
前記圧送装置の加圧手段が反加圧方向に作動する際(及び作動している間)には、
第1の制御弁を開弁して、容器からの被濾過物が圧送室に進入できるようにし、
第2の制御弁を閉弁して、圧送管内の被濾過物が圧送室へ向けて逆流しないようにし、
第3の制御弁を閉弁して、脱気チャンバー内に閉じ込められた気体成分が圧送室へ向けて逆流しないようにし、
第4の制御弁を開弁して、脱気チャンバー内にある気体成分をシステム外に放出させる
ことを特徴とする圧送システム。
【0024】
(2) 前記脱気管の一部であって前記第3の制御弁と前記圧送装置の間の部分が、
前記送給管の一部であって前記第1の制御弁と前記圧送装置の間の部分と、
1の経路を共有していることを特徴とする上記(1)記載の圧送システム。
【0025】
(3) 前記圧送管には、その内部と外部との間を連通する切れ込み(スリット)が形成されており、
当該切れ込みには、前記被濾過物を濾過するための濾過部材(例えば濾布,スポンジなど)が埋設されており、
前記圧送装置によって圧送された被濾過物は、前記圧送管内を流動し、
当該被濾過物に含まれる気体成分は、前記圧送装置によって加えられる圧力によって、前記切れ込み内の濾過部材を介して圧送管の外部へ排気されるようになっている
ことを特徴とする上記(1)記載の圧送システム。
【0026】
(4) 前記圧送管には、管内を流動する被濾過物に含まれる気体成分を外部へ排気するための脱気手段が形成されており、
当該脱気手段は、前記被濾過物を濾過するための濾過部材(例えば濾布,スポンジなど)を含んで構成されており、
前記圧送装置によって圧送された被濾過物は、前記圧送管内を流動し、
当該被濾過物に含まれる気体成分は、前記圧送装置によって加えられる圧力によって、前記脱気手段の濾過部材を介して圧送管の外部へ排気されるようになっている
ことを特徴とする上記(1)記載の圧送システム。
【0027】
(5) 前記圧送管は、複数の管構成部材を分離可能に継合して構成されており、
前記脱気手段は、隣接する管構成部材間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする上記(4)記載の圧送システム。
【0028】
(6) 前記複数の管構成部材は、リング状部材及び筒状部材の1種以上を含むことを特徴とする上記(5記載の圧送装置。
【0029】
(7) 前記複数の管構成部材は、それぞれフランジを有しており、該フランジを介して継合されていることを特徴とする上記(5)記載の圧送システム。
【0030】
(8) 前記微小間隙に埋設された濾過部材は、当該微小間隙から管内部に突き出るように形成された突出部を有していることを特徴とする上記(5)記載の圧送システム。
【0031】
(9) 前記濾過部材の突出部は、当該濾過部材が微小間隙から押し出されることを防止するためのアンカー部を含んでいることを特徴とする上記(8)記載の圧送システム。
【0032】
(10) 前記圧送システムは、さらに、
被濾過物に含まれる気体成分が脱気手段を介して圧送管の外部へ排気されることを許容するが、脱気手段を介して外部から圧送管内に気体が進入することを防止するための逆止弁を有していることを特徴とする上記(5)記載の圧送システム。
【0033】
(11) 前記逆止弁は、帯状の弾性材料から成り、前記微小間隙を閉塞するように継ぎ目に沿って前記圧送管に巻きつけられており、
前記加圧手段が加圧方向に作動する過程において、
前記微小間隙から気体成分が排気される際には、帯状の逆止弁は、排気圧によって弾性変形して当該微小間隙を開放し、
前記微小間隙からの気体成分の排気が完了した際には、帯状の逆止弁は、弾性力によって再び当該微小間隙を遮蔽することを特徴とする上記(10)記載の圧送システム。
【0034】
(12) 前記圧送管は、複数の筒状部材を分離可能に継合してなる流路を含んでおり、
前記脱気手段は、隣接するリング状部材間又は隣接する筒状部材間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする上記(4)記載の圧送システム。
【0035】
(13) 前記圧送管は、複数の筒状部材と少なくとも1のリング状部材を分離可能に継合してなる流路を含んでおり、
前記脱気手段は、隣接するリング状部材と筒状部材との間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする上記(4)記載の圧送システム。
【0036】
(14) 前記圧送管は、さらに、管内を流動する濾過部材に含まれる気体を回収するための気体回収機構を有しており、
前記気体回収機構は、複数の容器構成部材を分離可能に容器状に継合してなり、その内側空間が前記圧送管の内部に通ずるように設けられ、
前記脱気手段は、隣接する容器構成部材間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする上記(4)記載の圧送システム。
【0037】
(15) 前記濾過部材は、前記微小間隙から前記気体回収機構の内側空間に突き出るように形成された突出部を有していることを特徴とする上記(14)記載の圧送システム。
【0038】
(16) 前記濾過部材の突出部は、当該濾過部材が微小間隙から押し出されることを防止するためのアンカー部を含んでいることを特徴とする上記(15)記載の圧送システム。
【0039】
(17) 前記圧送システムは、さらに、
被濾過物に含まれる気体成分が脱気手段を介して圧送管の外部へ排気されることを許容するが、脱気手段を介して外部から圧送管内に気体が進入することを防止するための逆止弁を有していることを特徴とする上記(14)記載の圧送システム。
【0040】
(18) 前記逆止弁は、帯状の弾性材料から成り、前記微小間隙を閉塞するように継ぎ目に沿って前記容器状の気体回収機構に巻きつけられており、
前記加圧手段が加圧方向に作動する過程において、
前記微小間隙から気体成分が排気される際には、帯状の逆止弁は、排気圧によって弾性変形して当該微小間隙を開放し、
前記微小間隙からの気体成分の排気が完了した際には、帯状の逆止弁は、弾性力によって再び当該微小間隙を遮蔽することを特徴とする上記(17)記載の圧送システム。
【0041】
(19) 前記圧送管は、さらに、管内を流動する濾過部材に含まれる気体を回収するための気体回収機構を有しており、
前記気体回収機構は、複数のリング状部材又は複数の筒状部材を分離可能に継合してなるケーシングを含んでおり、
前記脱気手段は、隣接する複数のリング状部材又は隣接する複数の筒状部材の継ぎ目である微小間隙から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする上記(4)記載の圧送システム。
【0042】
(20) 前記圧送管は、さらに、管内を流動する濾過部材に含まれる気体を回収するための気体回収機構を有しており、
前記気体回収機構は、少なくとも1のリング状部材と少なくとも1の筒状部材を分離可能に継合してなるケーシングを含んでおり、
前記脱気手段は、隣接するリング状部材と筒状部材との間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする上記(4)記載の圧送システム。
【0043】
(21) 前記圧送管は、さらに、管内を流動する濾過部材に含まれる気体を回収するための気体回収機構を有しており、
前記気体回収機構は、ケーシングと、該ケーシングに分離可能に接合されたエンドボディ(蓋体,エンドプレート,器状の蓋等)とを含んでおり、
前記脱気手段は、隣接するケーシングとエンドプレートとの間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする上記(4)記載の圧送システム。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の実施形態を示す図である。
【図12】本発明の実施形態を示す図である。
【図13】本発明の実施形態を示す図である。
【図14】本発明の実施形態を示す図である。
【図15】本発明の実施形態を示す図である。
【図16】一般的なフィルタープレスの外観を示す図である。
【図17】図16のフィルタープレスが備える濾板を示す断面図である。
【図18】従来の圧送装置の圧力容器を示す断面図である。
【図19】従来の圧送システムを示す断面図であって、図18に示す圧力容器を含んでいる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水すべき被濾過物を収容する容器から送給された該被濾過物を、フィルタープレスに圧送するための圧送システムであって、
被濾過物を一時的に収容するための圧送室を備え、当該圧送室に収容された被濾過物を加圧するための加圧手段(例えば油圧シリンダ)を有する圧送装置と;
一端が前記圧送装置に接続されており、前記容器からの被濾過物を前記圧送室に投入させるための送給管と;
一端が前記圧送装置に接続されており、前記圧送装置によって圧送された被濾過物が前記フィルタープレスへ向けて流動するようになっている圧送管と;
一端が前記圧送装置に接続されており、排気口を有し、圧送室内にある被濾過物の気体成分をシステム外部へ放出させるための脱気管と;
前記送給管に設けられ、該送給管における被濾過物の流れを制御するための第1の制御弁と;
前記圧送管に設けられ、該圧送管における被濾過物の流れを制御するための第2の制御弁と;
前記脱気管に設けられており、一方と他方の間で脱気チャンバーを構成するための一組の制御弁であって、圧送装置寄りに配置された第3の制御弁と、排気口寄りに配置された第4の制御弁とを含むものと;を有しており、
前記圧送装置の加圧手段が加圧方向に作動する際(及び作動している間)には、
第1の制御弁を閉弁して、圧送室内の被濾過物が容器へ向けて逆流しないようにし、
第2の制御弁を開弁して、加圧された被濾過物が圧送管へ送出されるようにし、
第3の制御弁を開弁して、被濾過物の気体成分が第3の制御弁と第4の制御弁との間の脱気チャンバーに進入できるようにし、
第4の制御弁を閉弁して、第3の制御弁を通過した気体成分を脱気チャンバー内に閉じ込めるようにし;
前記圧送装置の加圧手段が反加圧方向に作動する際(及び作動している間)には、
第1の制御弁を開弁して、容器からの被濾過物が圧送室に進入できるようにし、
第2の制御弁を閉弁して、圧送管内の被濾過物が圧送室へ向けて逆流しないようにし、
第3の制御弁を閉弁して、脱気チャンバー内に閉じ込められた気体成分が圧送室へ向けて逆流しないようにし、
第4の制御弁を開弁して、脱気チャンバー内にある気体成分をシステム外に放出させる
ことを特徴とする圧送システム。
【請求項2】
前記脱気管の一部であって前記第3の制御弁と前記圧送装置の間の部分が、
前記送給管の一部であって前記第1の制御弁と前記圧送装置の間の部分と、
1の経路を共有していることを特徴とする請求項1記載の圧送システム。
【請求項3】
前記圧送管には、その内部と外部との間を連通する切れ込み(スリット)が形成されており、
当該切れ込みには、前記被濾過物を濾過するための濾過部材(例えば濾布,スポンジなど)が埋設されており、
前記圧送装置によって圧送された被濾過物は、前記圧送管内を流動し、
当該被濾過物に含まれる気体成分は、前記圧送装置によって加えられる圧力によって、前記切れ込み内の濾過部材を介して圧送管の外部へ排気されるようになっている
ことを特徴とする請求項1記載の圧送システム。
【請求項4】
前記圧送管には、管内を流動する被濾過物に含まれる気体成分を外部へ排気するための脱気手段が形成されており、
当該脱気手段は、前記被濾過物を濾過するための濾過部材(例えば濾布,スポンジなど)を含んで構成されており、
前記圧送装置によって圧送された被濾過物は、前記圧送管内を流動し、
当該被濾過物に含まれる気体成分は、前記圧送装置によって加えられる圧力によって、前記脱気手段の濾過部材を介して圧送管の外部へ排気されるようになっている
ことを特徴とする請求項1記載の圧送システム。
【請求項5】
前記圧送管は、複数の管構成部材を分離可能に継合して構成されており、
前記脱気手段は、隣接する管構成部材間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする請求項4記載の圧送システム。
【請求項6】
前記複数の管構成部材は、リング状部材及び筒状部材の1種以上を含むことを特徴とする請求項5記載の圧送装置。
【請求項7】
前記複数の管構成部材は、それぞれフランジを有しており、該フランジを介して継合されていることを特徴とする請求項5記載の圧送システム。
【請求項8】
前記微小間隙に埋設された濾過部材は、当該微小間隙から管内部に突き出るように形成された突出部を有していることを特徴とする請求項5記載の圧送システム。
【請求項9】
前記濾過部材の突出部は、当該濾過部材が微小間隙から押し出されることを防止するためのアンカー部を含んでいることを特徴とする請求項8記載の圧送システム。
【請求項10】
前記圧送システムは、さらに、
被濾過物に含まれる気体成分が脱気手段を介して圧送管の外部へ排気されることを許容するが、脱気手段を介して外部から圧送管内に気体が進入することを防止するための逆止弁を有していることを特徴とする請求項5記載の圧送システム。
【請求項11】
前記逆止弁は、帯状の弾性材料から成り、前記微小間隙を閉塞するように継ぎ目に沿って前記圧送管に巻きつけられており、
前記加圧手段が加圧方向に作動する過程において、
前記微小間隙から気体成分が排気される際には、帯状の逆止弁は、排気圧によって弾性変形して当該微小間隙を開放し、
前記微小間隙からの気体成分の排気が完了した際には、帯状の逆止弁は、弾性力によって再び当該微小間隙を遮蔽することを特徴とする請求項10記載の圧送システム。
【請求項12】
前記圧送管は、複数の筒状部材を分離可能に継合してなる流路を含んでおり、
前記脱気手段は、隣接するリング状部材間又は隣接する筒状部材間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする請求項4記載の圧送システム。
【請求項13】
前記圧送管は、複数の筒状部材と少なくとも1のリング状部材を分離可能に継合してなる流路を含んでおり、
前記脱気手段は、隣接するリング状部材と筒状部材との間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする請求項4記載の圧送システム。
【請求項14】
前記圧送管は、さらに、管内を流動する濾過部材に含まれる気体を回収するための気体回収機構を有しており、
前記気体回収機構は、複数の容器構成部材を分離可能に容器状に継合してなり、その内側空間が前記圧送管の内部に通ずるように設けられ、
前記脱気手段は、隣接する容器構成部材間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする請求項4記載の圧送システム。
【請求項15】
前記濾過部材は、前記微小間隙から前記気体回収機構の内側空間に突き出るように形成された突出部を有していることを特徴とする請求項14記載の圧送システム。
【請求項16】
前記濾過部材の突出部は、当該濾過部材が微小間隙から押し出されることを防止するためのアンカー部を含んでいることを特徴とする請求項15記載の圧送システム。
【請求項17】
前記圧送システムは、さらに、
被濾過物に含まれる気体成分が脱気手段を介して圧送管の外部へ排気されることを許容するが、脱気手段を介して外部から圧送管内に気体が進入することを防止するための逆止弁を有していることを特徴とする請求項14記載の圧送システム。
【請求項18】
前記逆止弁は、帯状の弾性材料から成り、前記微小間隙を閉塞するように継ぎ目に沿って前記容器状の気体回収機構に巻きつけられており、
前記加圧手段が加圧方向に作動する過程において、
前記微小間隙から気体成分が排気される際には、帯状の逆止弁は、排気圧によって弾性変形して当該微小間隙を開放し、
前記微小間隙からの気体成分の排気が完了した際には、帯状の逆止弁は、弾性力によって再び当該微小間隙を遮蔽することを特徴とする請求項17記載の圧送システム。
【請求項19】
前記圧送管は、さらに、管内を流動する濾過部材に含まれる気体を回収するための気体回収機構を有しており、
前記気体回収機構は、複数のリング状部材又は複数の筒状部材を分離可能に継合してなるケーシングを含んでおり、
前記脱気手段は、隣接する複数のリング状部材又は隣接する複数の筒状部材の継ぎ目である微小間隙から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする請求項4記載の圧送システム。
【請求項20】
前記圧送管は、さらに、管内を流動する濾過部材に含まれる気体を回収するための気体回収機構を有しており、
前記気体回収機構は、少なくとも1のリング状部材と少なくとも1の筒状部材を分離可能に継合してなるケーシングを含んでおり、
前記脱気手段は、隣接するリング状部材と筒状部材との間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする請求項4記載の圧送システム。
【請求項21】
前記圧送管は、さらに、管内を流動する濾過部材に含まれる気体を回収するための気体回収機構を有しており、
前記気体回収機構は、ケーシングと、該ケーシングに分離可能に接合されたエンドボディ(蓋体,エンドプレート,器状の蓋等)とを含んでおり、
前記脱気手段は、隣接するケーシングとエンドプレートとの間の継ぎ目である微小間隙(スリット)から成り、
前記微小間隙は、圧送管の内部と外部との間を連通し、
当該微小間隙には、前記濾過部材が埋設されている
ことを特徴とする請求項4記載の圧送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−119646(P2008−119646A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308540(P2006−308540)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(500277467)東福商事有限会社 (11)
【Fターム(参考)】