説明

圧電振動子

【課題】圧電振動片の特性に悪影響を及ぼす外的応力を回避させる。
【解決手段】水晶振動子1は、水晶振動片2と、この水晶振動片2を保持するベース3と、ベース3に保持した水晶振動片2を気密封止するためのキャップ4と、水晶振動片2への外的応力を軽減させるサポート材5とからなる。この水晶振動子1では、ベース3とキャップ4とが接合されて筐体が構成され、筐体の内部のベース3上にサポート材5を介して水晶振動片2が保持されるとともに、筐体の内部が気密封止される。サポート材5は、脆性材である水晶片からなるZ板であり、水晶振動片2と接合するための水晶振動片用接合部511,512と、ベース3と接合するためのベース用接合部521,522と、外的応力を軽減するためのスプリング部53とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動子に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電振動子は、ベースとキャップとから筐体が構成されている。この筐体の内部には、圧電振動片がベース上に保持されている。そして、ベースとキャップとが接合されることで、筐体の内部の圧電振動片が気密封止されている。
【0003】
ところで、ベース上に圧電振動片を保持する際、圧電振動片は接合材を用いてベースに接合される。この接合の際、接合材(支持系)からの外的応力(ベースへの圧電振動片の接合の際に発生する熱応力)などが圧電振動片に直接かかってしまい、圧電振動片の特性(周波数等)に悪影響を及ぼす。この悪影響は、圧電振動片の高周波化及び小型化にともなって著しくなる。
【0004】
そこで、現在、ベース上に圧電振動片を保持する際、接合材からの外的応力が圧電振動片に直接かかるのを回避する技術が開示されている(例えば、下記する特許文献1ご参照。)。
【0005】
この下記する特許文献1に開示の技術では、ベース上に接合材を用いて直方体からなる一枚板の水晶片が接合される。そして、水晶片上に接合材を用いて圧電振動片が接合されて、ベース上に圧電振動片が保持される。すなわち、ベースと圧電振動片との間に水晶素片が介在している。この水晶素片が介在することで、接合材からの外的応力を、水晶素片で緩衝し、圧電振動片に外的応力が直接かかるのを防止している。
【特許文献1】特開2000−278079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1に開示の水晶素片をベースと圧電振動片との接合に介在させた場合であっても、その効果は顕著には表れない。すなわち、水晶素片が一枚板であるために接合材からの外的応力は、緩衝しきれずに水晶素片を通って圧電振動片にまでかかり、圧電振動片の特性に影響が及ぶ。
【0007】
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、圧電振動片の特性に悪影響を及ぼす外的応力を回避させる圧電振動子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる圧電振動子は、ベースとキャップとが接合されて筐体が構成され、前記筐体の内部の前記ベース上に圧電振動片が保持されるとともに、前記筐体の内部が気密封止された圧電振動子において、前記圧電振動片は、脆性材からなるサポート材を介して前記ベース上に保持され、前記圧電振動片と前記サポート材が接合されるとともに、前記ベースと前記サポート材が接合され、前記サポート材は、前記圧電振動片と接合するための圧電振動片用接合部と、前記ベースと接合するためのベース用接合部とが、外的応力を軽減するためのスプリング部を介して連結された構成からなることを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる圧電振動子によれば、前記圧電振動片は、脆性材からなるサポート材を介して前記ベース上に保持され、前記圧電振動片と前記サポート材が接合されるとともに、前記ベースと前記サポート材が接合され、前記サポート材は、前記圧電振動片と接合するための圧電振動片用接合部と、前記ベースと接合するためのベース用接合部とが、外的応力を軽減するためのスプリング部を介して連結された構成からなるので、前記スプリング部により前記圧電振動片の製造の際、各部材の接合にかかる支持系からの外的圧力を軽減させることが可能となり、圧電振動片の特性に悪影響を及ぼす外的応力を緩衝させることが可能となる。その結果、当該圧電振動子に与える支持系の外的応力を軽減することが可能となり、等価定数(CI値)特性,スプリアス特性,温度特性,エージング特性などの前記圧電振動子の特性の改善を図ることが可能となる。なお、ここでいう各部材の接合とは、前記支持系を前記ベースと前記サポート材との接合だけでなく、前記ベースと前記キャップとの接合において生じる外的応力も含まれる。
【0010】
また、本発明にかかる圧電振動子によれば、前記サポート材が、脆性材からなっているので、前記サポート材の膨張係数が前記圧電振動片の膨張係数に近似する。そのため、前記ベースと前記圧電振動片との間に前記サポート材を設けることによる前記圧電振動片の特性の悪化はなく、外的応力を緩衝させることが可能となる。
【0011】
前記構成において、前記スプリング部には、複数の自由端部が設けられ、前記圧電振動片用接合部及び前記ベース用接合部が、それぞれ個別の前記自由端部と連結されてもよい。
【0012】
この場合、前記スプリング部には、複数の前記自由端部が設けられ、前記圧電振動片用接合部及び前記ベース用接合部が、それぞれ個別の前記自由端部と連結されるので、前記圧電振動片用接合部から前記自由端部に伝わる外的応力を前記自由端部を含む前記スプリング部のおいて分散させるとともに、前記自由端部から前記ベース用接合部に伝わる外的応力を前記自由端部を含む前記スプリング部において分散させて、前記圧電振動片に伝わる外的応力を軽減させることが可能となる。
【0013】
前記構成において、前記圧電振動片用接合部は、前記スプリング部に対して厚みを有してもよい。
【0014】
この場合、前記圧電振動片用接合部は、前記スプリング部に対して厚みを有するので、例えば、接合の際に接合材を用いる場合、前記スプリング部に付する前記接合材を前記スプリング部の壁面へ回り込ませて他の構成部材への前記接合材の付着を防止することが可能となる。
【0015】
前記構成において、前記ベース用接合部における接合位置と、前記圧電振動片用接合部における接合位置とは、前記スプリング部を介した前記サポート材上の前記ベース用接合部における接合位置から前記圧電振動片用接合部における接合位置までの距離が遠くなるように設定されてもよい。
【0016】
この場合、前記ベース用接合部における接合位置と、前記圧電振動片用接合部における接合位置とは、前記スプリング部を介した前記サポート材上の前記ベース用接合部における接合位置から前記圧電振動片用接合部における接合位置までの距離が遠くなるように設定されるので、前記ベースから前記圧電振動片へ外的応力を伝える経路を長くすることが可能となる。そのため、前記ベースから前記圧電振動片に伝わる外的応力を経路途中で分散軽減させて、最終的に圧電振動片に伝わる外的応力を効率よく軽減させることが可能となる。
【0017】
前記構成において、前記サポート材の外形は、前記圧電振動片の外形と略同等もしくは小さくなるように設定されてもよい。
【0018】
この場合、前記サポート材の外形は、前記圧電振動片の外形と略同等もしくは小さくなるように設定されるので、前記サポート材の設置により当該圧電振動子の小型化を妨げることはなく、当該圧電振動子の小型化を図ることが可能となる。
【0019】
前記構成において、前記圧電振動片は、水晶片であり、前記サポート材は、異方性の影響を受けにくい材料であってもよい。
【0020】
この場合、前記圧電振動片は水晶片であり、前記サポート材は異方性の影響を受けにくい材料(例えば、水晶片からなるZ板)であるので、前記サポート材を成形する際のエッチング時、異方性の影響を受けにくく、前記サポート材の形状を任意の形状に容易に成形することが可能となる。これは、異方性の影響を受けにくい材料の場合、前記サポート材を成形する際のエッチングの時、予め設定した軸方向に対して斜め方向にエッチングするため、前記サポート材の形状を任意の形状に成形することが難しくなるためである。また、前記サポート材が異方性の影響を受けにくい材料であるので、前記圧電振動片の振動の影響を受けることがなく、前記サポート材の設置により前記圧電振動片の特性を悪化させることを防止することが可能となる。また、異方性の影響を受けにくい材料に水晶片からなるZ板を適用した場合、前記圧電振動片と前記サポート材が同一の水晶片であるので、膨張係数が同じとなり、前記ベースと前記圧電振動片との間に前記サポート材を設けることによる外的応力の緩衝に好ましい。
【0021】
前記構成において、前記圧電振動片の前記サポート材との接合位置が、Z’軸に対して30度傾いた位置であってもよい。
【0022】
この場合、前記圧電振動片の前記サポート材との接合位置が、Z’軸に対して30度傾いた位置であるので、前記圧電振動片への前記サポート材の接合による外的応力がかからない。
【0023】
前記構成において、前記サポート材は、複数個設けられるとともに、これら複数個のサポート材は積層され、下方に前記サポート材が配された前記サポート材のベース用接合部は、前記下方のサポート材との接合部として用いられ、かつ、上方に前記サポートが配された前記サポート材の圧電振動片用接合部は、前記上方のサポート材との接合部として用いられてもよい。
【0024】
この場合、前記サポート材が複数個設けられるとともに、これら複数個のサポート材は積層され、前記下方にサポート材が配された前記サポート材のベース用接合部は、前記下方のサポート材との接合部として用いられ、かつ、前記上方にサポートが配された前記サポート材の圧電振動片用接合部は、前記上方のサポート材との接合部として用いられるので、前記ベースから前記圧電振動片へ外的応力を伝える経路を長くすることが可能となる。そのため、前記ベースから前記圧電振動片に伝わる外的応力を経路途中で分散軽減させて、最終的に圧電振動片に伝わる外的応力を効率よく軽減させることが可能となる。
【0025】
前記構成において、前記ベースにバンプが形成され、前記バンプ上に前記サポート材が接合されてもよい。
【0026】
この場合、前記ベースにバンプが形成され、前記バンプ上に前記サポート材が接合されるので、接合の際に接合材を用いない場合、例えば、金属材料による超音波接合やワイヤ接合により前記バンプ上に前記サポート材が接合される場合、前記ベース上の非接合領域への接合材の付着がなくなり、前記ベースの各部材の搭載領域を有効利用することが可能となる。また、接合の際に接合材を用いる場合、前記バンプ上に付する前記接合材を前記バンプの壁面へ回り込ませて他の構成部材への前記接合材の付着を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかる圧電振動子によれば、圧電振動片の特性に悪影響を及ぼす外的応力を緩衝させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態では、圧電振動子として水晶振動子に本発明を適用した場合を示す。
〔実施の形態1〕
【0029】
本実施の形態1にかかる水晶振動子1は、図1,2に示すように、水晶振動片2(本発明でいう圧電振動片)と、この水晶振動片2を保持するベース3と、ベース3に保持した水晶振動片2を気密封止するためのキャップ4と、水晶振動片2への外的応力を軽減させるサポート材5とからなる。
【0030】
この水晶振動子1では、ベース3とキャップ4とが接合されて筐体が構成され、筐体の内部のベース3上にサポート材5を介して水晶振動片2が保持されるとともに、筐体の内部が気密封止される。この際、図2に示すように、ベース3と水晶振動片2とサポート材5とは、それぞれ導電性接合材6(以下、接合材という)を用いて接合されている(熱接合処理)。次に、この水晶振動子1の各構成について説明する。
【0031】
水晶振動片2は、図1,2に示すように、ATカットの水晶片(図示省略)からなり、平面視矩形上の一枚板の直方体に成形されている。この水晶振動片2の表裏面には、それぞれ励振電極(図示省略)と、これらの励振電極を外部電極(本実施の形態では、下記するベース3の電極パッド32,33)と電気的に接続するために励振電極から引き出された引出電極(図示省略)とが形成されている。これらの励振電極及び引出電極は、例えば、水晶振動板側からクロム、金の順に、あるいはクロム、金、クロムの順に、あるいはクロム、銀、クロムの順に積層して形成されている。
【0032】
ベース3は、例えば、セラミック材料からなり、図1,2に示すように、平面視矩形上の一枚板の直方体に成形されている。このベース3の表面31の外周縁は、キャップ4との接合領域であり、この接合領域には、ガラス層(図示省略)が焼き付け加工等の手法により形成されている。なお、ガラス層を形成しなくてもベース3とキャップ4の気密接合を行うことが可能であるが、ガラス層を形成することにより接合強度を向上させることができる。また、このベース3の表面31には、水晶振動片2の励振電極(下記参照)と電気的に接続する電極パッド32,33が形成されている。この電極パッド32,33は、それぞれに対応した接続電極34,35を介して、ベース3の裏面に形成される端子電極(図示省略)に電気的に接続されている。この端子電極から外部部品や外部機器と接続される。なお、これらの端子電極、電極パッド32,33、接続電極34,35は、タングステン、モリブデン等のメタライズ材料を印刷した後にベースと一体的に焼成して形成される。そして、これらの端子電極、電極パッド32,33、接続電極34,35のうち一部のものについては、メタライズ上部にニッケルメッキが形成され、その上部に金メッキが形成されて構成される。
【0033】
キャップ4は、セラミック材料からなり、図1に示すように、下部が開口した形状であって、垂直方向の断面が逆凹状に成形されている。
【0034】
サポート材5は、図1,2に示すように、脆性材である水晶片からなるZ板である。このサポート材5の外形は、図1,2に示すように、水晶振動片2の外形と略同等もしくは小さくなるように設定されている。
【0035】
サポート材5は、図1,2に示すように、水晶振動片2と接合するための水晶振動片用接合部511,512と、ベース3と接合するためのベース用接合部521,522と、外的応力を軽減するためのスプリング部53とから構成される。
【0036】
水晶振動片用接合部511,512は、図1,2に示すように、直方体からなり、内部が垂直方向に貫通して中空状態に形成されている。また、スプリング部53に対して厚みを有する。さらに、水晶振動片用接合部511,512の一側面において下記するスプリング部53の自由端部5A,5Bが連結される。
【0037】
ベース用接合部521,522は、図1,2に示すように、短冊状の直方体からなり、スプリング部53と同等の厚みを有する。また、ベース用接合部521,522の一側面において下記するスプリング部53の自由端部5C,5Dが連結される。
【0038】
スプリング部53には、図1,2に示すように、直方体からなり、中心部54が垂直方向に貫通して中空状態に形成されている。また、スプリング部53の外周側面から、図1,2に示すように、4つの自由端部5A,5B,5C,5Dが設けられている。これらの自由端部5A,5B,5C,5Dは、それぞれ順に水晶振動片用接合部511,512、及びベース用接合部521,522と連結するために設けられている。
【0039】
上記した水晶振動片用接合部511,512とベース用接合部521,522とは、図1,2に示すように、スプリング部53を介して連結されている。また、ベース3と水晶振動片2の位置関係に関して、図2に示すように、ベース用接合部521,522における接合材6の接合位置55と、水晶振動片用接合部511,512における接合材6の接合位置56とは、スプリング部53を介したサポート材5上のベース用接合部521,522における接合位置55から水晶振動片用接合部511,512における接合位置56までの距離が遠くなるように設定されている。
【0040】
ところで、通常、ベース3へのサポート材5の接合及び、サポート材5への水晶振動片2の熱接合の際に各部材において外形変形もしくは歪みが生じる。この外形変形もしくは歪みによって外的応力が生じ、この外的応力がサポート材5を介して水晶振動片2にかかる。
【0041】
しかしながら、上記した本実施の形態1にかかる水晶振動子1によれば、図1,2に示すように、水晶振動片2が、脆性材からなるサポート材5を介してベース3上に保持され、水晶振動片2とサポート材5とベース3とは、それぞれ接合材6を用いて接合され、サポート材5が、水晶振動片2と接合するための水晶振動片用接合部511,512と、ベース3と接合するためのベース用接合部521,522とが、外的応力を軽減するためのスプリング部53を介して連結された構成からなる。そのため、スプリング部53により水晶振動片2の製造の際、各部材の接合にかかる支持系(例えば、接合材6など)からの外的圧力を軽減させることができ、水晶振動片2の特性に悪影響を及ぼす外的応力を緩衝させることができる。その結果、水晶振動子1に与えるベース3や接合材6などの支持系の外的応力を軽減することができ、等価定数(CI値)特性,スプリアス特性,温度特性,エージング特性などの水晶振動子1の特性の改善を図ることができる。なお、本実施の形態1では、支持系をベース3とサポート材5との接合に用いる接合材6に関連つけているが、外的応力には、ベース3とキャップ4との接合において生じる外的応力などの他の支持系の外的応力も含まれる。
【0042】
また、サポート材5が、脆性材からなっているので、サポート材5の膨張係数が水晶振動片2の膨張係数に近似する。そのため、ベース3と水晶振動片2との間にサポート材5を設けることによる水晶振動片2の特性の悪化はなく、外的応力を緩衝させることができる。
【0043】
また、スプリング部53には、4つの自由端部5A,5B,5C,5Dが設けられ、水晶振動片用接合部511,512及びベース用接合部521,522が、それぞれ個別の自由端部5A,5B,5C,5Dと連結されるので、水晶振動片用接合部511,512から自由端部5A,5Bに伝わる外的応力を自由端部5A,5Bを含むスプリング部53において分散させるとともに、自由端部5C,5Dからベース用接合部521,522に伝わる外的応力を自由端部5C,5Dを含むスプリング部53において分散させて、水晶振動片2に伝わる外的応力を軽減させることができる。
【0044】
また、水晶振動片用接合部511,512は、スプリング部53に対して厚みを有するので、スプリング部53に付する接合材6をスプリング部53の壁面へ回り込ませて他の構成部材への接合材6の付着を防止することができる。
【0045】
また、ベース用接合部521,522における接合位置55と、水晶振動片用接合部511,512における接合位置56とは、スプリング部53を介したサポート材5上のベース用接合部521,522における接合位置55から水晶振動片用接合部511,512における接合位置56までの距離が遠くなるように設定されるので、ベース3から水晶振動片2へ外的応力を伝える経路を長くすることができる。そのため、ベース3から水晶振動片2に伝わる外的応力を経路途中で分散軽減させて、最終的に水晶振動片2に伝わる外的応力を効率よく軽減させることができる。
【0046】
また、サポート材5の外形は、図1,2に示すように、水晶振動片2の外形と略同等もしくは小さくなるように設定されるので、サポート材5の設置により水晶振動子1の小型化を妨げることはなく、水晶振動子1の小型化を図ることができる。
【0047】
また、水晶振動片2は水晶片であり、サポート材5は水晶片からなるZ板であり、異方性の影響を受けにくい材料であるので、サポート材5を成形する際のエッチング時、異方性の影響を受けにくく、サポート材5の形状を任意の形状に容易に成形することができる(下記する実施の形態参照)。なお、サポート材5に水晶振動片と同様のATカット板を用いた場合、Z板と比較してサポート材5を成形する際のエッチングの影響を受け易く、予め設定した軸に対して垂直方向にエッチングしたい場合であっても斜め方向にエッチングするため、サポート材5の形状を任意の形状に成形することが難しい。そのため、サポート材5にZ板を用いることが好ましい。また、サポート材5が異方性の影響を受けにくい材料であるので、水晶振動片2の振動の影響を受けることがなく、サポート材5の設置により水晶振動片2の特性を悪化させることを防止することができる。また、水晶振動片2とサポート材5が同一の水晶片であるので、膨張係数が同じとなり、ベース3と水晶振動片2との間にサポート材5を設けることによる外的応力の緩衝に好ましい。
【0048】
なお、本実施の形態1では、サポート材5として水晶片を適用しているが、これに限定されるものではなく、脆性材であれば他の形態であってもよく、例えば、異方性材料ではないガラス材からなってもよい。
【0049】
また、本実施の形態1では、サポート材5に4つの自由端部5A,5B,5C,5Dを設けているが、これに限定されるものではなく、連結する水晶振動片用接合部及びベース用接合部に対応させて自由端部の数を任意に設定してもよい。
【0050】
また、本実施の形態1では、図1,2に示すように、平面視矩形上の一枚板の直方体に成形されたベース3と、下部が開口した垂直方向の断面が逆凹状に成形されたキャップ4とを用いているが、これに限定されるものではない。ベース3とキャップ4とにより水晶振動片2を気密封止できれば、ベースとキャップの形状は任意に設定してもよい。例えば、下記する実施の形態2に示す形態であってもよい。
〔実施の形態2〕
【0051】
次に、本実施の形態2にかかる水晶振動子を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態2にかかる水晶振動子は、上記した実施の形態1に対して、ベース、キャップ及びサポート材の形状が異なる。そこで、本実施の形態2では、上記した実施の形態1と異なる構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。そのため、同一構成による作用効果及び変形例は、上記した第1の実施形態と同様の作用効果及び変形例を有する。
【0052】
本実施の形態2にかかる水晶振動子1は、図3,4に示すように、水晶振動片2とベース3とキャップ4とサポート材5とからなる。
【0053】
ベース3は、例えばアルミナセラミック材料からなり、平面視矩形上の一枚板のベース基体36と、中央部分が大きく開口されるとともに外形サイズがベース基体36とほぼ等しい枠体37とからなり、図3,4に示すように、これらベース基体36と枠体37とが積層されて一体的に焼成されている。この枠体37の上面は、キャップ4との接合領域であり、この接合領域には、焼成成形後にガラス層が焼き付け加工等の手法により形成されている。
【0054】
キャップ4は、セラミック材料からなり、図3に示すように、平面視矩形上の一枚板の直方体に成形されている。
【0055】
サポート材5は、図3,4に示すように、脆性材である水晶片からなるZ板である。また、図3,4に示すように、サポート材5の外形は、水晶振動片2の外形と略同等もしくは小さくなるように設定されている。
【0056】
サポート材5は、図3,4に示すように、水晶振動片2と接合するための水晶振動片用接合部511,512と、ベース3と接合するためのベース用接合部521,522が、外的応力を軽減するためのスプリング部53とから構成されている。
【0057】
水晶振動片用接合部511,512は、図3,4に示すように、直方体からなり、スプリング部53に対して厚みを有する。また、水晶振動片用接合部511,512の一側面において下記するスプリング部53の自由端部5A,5Bが連結される。
【0058】
ベース用接合部521,522は、図3,4に示すように、短冊状の直方体からなり、スプリング部53と同等の厚みを有する。また、ベース用接合部521,522の一側面において下記するスプリング部53の自由端部5C,5Dが連結される。
【0059】
スプリング部53には、図3,4に示すように、円柱からなり、中心部54が垂直方向に貫通して中空状態に形成されている。また、スプリング部53の外周側面から、図3,4に示すように、4つの自由端部5A,5B,5C,5Dが設けられている。これらの自由端部5A,5B,5C,5Dは、それぞれ順に水晶振動片用接合部511,512、及びベース用接合部521,522と連結するために設けられている。
【0060】
上記した水晶振動片用接合部511,512とベース用接合部521,522とは、図3,4に示すように、スプリング部53を介して連結されている。また、ベース3と水晶振動片2の位置関係に関して、図4に示すように、水晶振動片用接合部511,512における接合材6の接合位置55と、ベース用接合部521,522における接合材6の接合位置56とは、スプリング部53を介したサポート材5上のベース用接合部521,522における接合位置56から水晶振動片用接合部511,512における接合位置55までの距離が遠くなるように設定されている。
【0061】
なお、本実施の形態2では、上記した図3,4に示すサポート材5を用いているが、これに限定されるものではなく、これらの形態は任意に設定してもよい。例えば、下記する図5〜12に示す水晶振動子1であってもよい。
【0062】
図5に示す水晶振動子1は、水晶振動片2を一端で保持する片保持型の水晶振動子1である。サポート材5は、図5に示すように、中心部の直方体のスプリング部53と、このスプリング部53に連結された水晶振動片用接合部511,512及びベース用接合部521,522と、から構成される。スプリング部53には、その直方体の長手方向両側面であってその長手方向の端部に4つの自由端部5A,5B,5C,5Dが設けられ、これらの自由端部5A,5B,5C,5Dに水晶振動片用接合部511,512及びベース用接合部521,522が連結されている。また、図5に示す水晶振動子1では、サポート材5の一端部をベース用接合部521及び水晶振動片用接合部511とし、他端部をベース用接合部522及び水晶振動片用接合部512とする。
【0063】
そして、図5に示す水晶振動子1では、サポート材5のベース用接合部521,522においてサポート材5がベース3に接合材6を用いて接合され、サポート材5の水晶振動片用接合部511,512においてサポート材5が水晶振動片2に接合材6を用いて接合される。なお、水晶振動片2のサポート材5との接合位置は、図5に示すように、サポート材5のスプリング部53の中心部からZ’軸に対して夫々30度傾いた位置に設定され、水晶振動片用接合部511,512の接合位置(接合材6参照)において水晶振動片2とサポート材5が接合される。この接合構成によれば、接合材6による水晶振動片2へのサポート材5の接合による外的応力がかからない。
【0064】
図6に示す水晶振動子1は、水晶振動片2を両端で保持する両保持型の水晶振動子1である。サポート材5は、図6に示すように、中心部の直方体のスプリング部53と、このスプリング部53に連結された水晶振動片用接合部511,512及びベース用接合部521,522と、から構成される。スプリング部53には、その直方体の長手方向両側面であってその長手方向の端部に4つの自由端部5A,5B,5C,5Dが設けられ、これらの自由端部5A,5B,5C,5Dに水晶振動片用接合部511,512及びベース用接合部521,522が連結されている。また、図6に示すように、水晶振動片用接合部511,512が対角位置に配されるとともに、ベース用接合部521,522が対角位置に配されている。
【0065】
そして、図6に示す水晶振動子1では、サポート材5のベース用接合部521,522においてサポート材5がベース3に接合材6を用いて接合され、サポート材5の水晶振動片用接合部511,512においてサポート材5が水晶振動片2に接合材6を用いて接合される。なお、水晶振動片2のサポート材5との接合位置は、図5に示すように、サポート材5のスプリング部53の中心部からZ’軸に対して夫々30度傾いた位置に設定され、水晶振動片用接合部511,512の接合位置(接合材6参照)において水晶振動片2とサポート材5が接合される。この接合構成によれば、接合材6による水晶振動片2へのサポート材5の接合による外的応力がかからない。
【0066】
図7に示す水晶振動子1は、水晶振動片2を一端で保持する片保持型の水晶振動子1である。なお、図7(b)では、水晶振動板2の記載を省略している。サポート材5は、図7に示すように、中心部のスプリング部53と、このスプリング部53に連結された水晶振動片用接合部511,512及びベース用接合部521,522と、から構成される。水晶振動片用接合部511,512は、平面視矩形状体からなり、その一側面においてスプリング部53の自由端部5A,5Bと連結されている。ベース用接合部521,522は、平面視矩形状体からなり、その一側面においてスプリング部53の自由端部5C,5Dと連結されている。スプリング部53は、平面視凸形状体(T字形状体)からなり、それぞれの突起端に自由端部5A,5B,5Cが設けられ、これらの自由端部5A,5B,5Cに水晶振動片用接合部511,512及びベース用接合部521,522が連結されている。
【0067】
そして、図7に示す水晶振動子1では、サポート材5のベース用接合部521,522においてサポート材5がベース3に接合材6を用いて接合され、サポート材5の水晶振動片用接合部511,512においてサポート材5が水晶振動片2に接合材6を用いて接合される。
【0068】
図8に示す水晶振動子1は、水晶振動片2を両端で保持する両保持型の水晶振動子1である。なお、図8(b)では、水晶振動板2の記載を省略している。サポート材5は、図8に示すように、自由端部5A,5B,5C,5Dを先端とする十字状体のスプリング部53と、スプリング部53の自由端部5A,5Bに連結された水晶振動片用接合部511,512と、スプリング部53の自由端部5C,5Dに連結されたベース用接合部521,522と、から構成される。具体的に、図8に示すように、水晶振動片用接合部511,512は、平面視長方形状体からなり、その側面のおいてスプリング部53の十字状体の自由端部5A,5Bと連結される。ベース用接合部521,522は、平面視長方形状体からなり、その側面のおいてスプリング部53の十字状体の自由端部5C,5Dと連結される。
【0069】
そして、図8に示す水晶振動子1では、サポート材5のベース用接合部521,522においてサポート材5がベース3に接合材6を用いて接合され、サポート材5の水晶振動片用接合部511,512においてサポート材5が水晶振動片2に接合材6を用いて接合される。
【0070】
図9に示す水晶振動子1は、水晶振動片2を両端で保持する両保持型の水晶振動子1である。なお、図9(b)では、水晶振動板2の記載を省略している。サポート材5は、図9に示すように、自由端部5A,5B,5C,5Dを先端とする十字状体のスプリング部53と、スプリング部53の自由端部5A,5Bに連結された水晶振動片用接合部511,512と、スプリング部53の自由端部5C,5Dに連結されたベース用接合部521,522と、から構成される。図9に示すように、ベース用接合部521,522は十字状体の一辺上に位置し、水晶振動片用接合部511,512は十字状体の他辺上に位置する。
【0071】
そして、図9に示す水晶振動子1では、サポート材5のベース用接合部521,522においてサポート材5がベース3に接合材6を用いて接合され、サポート材5の水晶振動片用接合部511,512においてサポート材5が水晶振動片2に接合材6を用いて接合される。
【0072】
なお、図9に示す水晶振動子1では、サポート材を1つ用いているが、これに限定されるものではない。このことは、上記した図1〜8に示す水晶振動子1においても同様である。そこで、次に、図9に示すサポート材5と同形状である2つのサポート材57,58を用いた水晶振動子1を図10に示す。
【0073】
図10に示す水晶振動子1は、水晶振動片2を両端で保持する両保持型の水晶振動子1であり、2つのサポート材57,58が用いられている。なお、図10(b)では、水晶振動板2の記載を省略している。
【0074】
具体的に、図10に示すように、これら2つのサポート材57,58は接合材6を用いて積層されている。図10に示す水晶振動子1では、下方のサポート材をサポート材58(以下、下層サポート材58とする)とし、上方のサポート材をサポート材57(以下、上層サポート材57とする)と設定する。上層サポート材57のベース用接合部572,573は、下層サポート材58との接合部として用いられ、かつ、下層サポート材58の水晶振動片用接合部584,585は、上層サポート材57との接合部として用いられている。
【0075】
また、2つのサポート材57,58は、同一の形状からなる。下層サポート材58を例にして、図10に示すように、自由端部58A,58B,58C,58D(上層サポート材57の場合は符号57A,57B,57C,57D、以下同様)を先端とする十字状体のスプリング部581(571)と、このスプリング部581(571)の自由端部58A,58B(57A,57B)に連結されたベース用接合部582,583(572,573)と、スプリング部581(571)の自由端部58C,58D(57C,57D)に連結された水晶振動片用接合部584,585(574,575)と、から構成される。また、図10に示すように、ベース用接合部582,583(572,573)は十字状体の一辺上に位置し、水晶振動片用接合部584,585(574,575)は十字状体の他辺上に位置する。
【0076】
そして、下層サポート材58のベース用接合部582,583において下層サポート材58がベース3に接合材6を用いて接合され、下層サポート材58の水晶振動片用接合部584,585において下層サポート材58が上層サポート材57のベース用接合部572,573に接合材6を用いて接合され、上層サポート材57の水晶振動片用接合部574,575において上層サポート材57が水晶振動片2に接合材6を用いて接合される。
【0077】
なお、図10に示す水晶振動子1では、サポート材57,58を用いているが、サポート材の個数は2つに限定されるものではなく、サポート材の個数が3つ以上であってもよく、任意に設定できる。
【0078】
図11に示す水晶振動子1は、水晶振動片2を両端で保持する両保持型の水晶振動子1である。なお、図11(b)では、水晶振動板2の記載を省略している。サポート材5は、図11に示すように、平面視H形状体であって、断面視H形状体からなる。このサポート材5のスプリング部53は、平面視長方形状体であって断面視長方形状体からなる直方体からなる。この直方体の断面視四隅から自由端部5A,5B,5C,5Dが設けられ、これら自由端部5A,5B,5C,5Dの先端にそれぞれ水晶振動片用接合部511,512及びベース用接合部521,522が連結されている。
【0079】
そして、図11に示す水晶振動子1では、サポート材5のベース用接合部521,522においてサポート材5がベース3に接合材6を用いて接合され、サポート材5の水晶振動片用接合部511,512においてサポート材5が水晶振動片2に接合材6を用いて接合される。
【0080】
図12に示す水晶振動子1は、水晶振動片2を両端で保持する両保持型の水晶振動子1である。この水晶振動子1では、図5に示すサポート材5をベース3上に2つ用いている。そのため、ここでの説明を省略する。なお、図12(b)では、水晶振動板2の記載を省略している。
【0081】
図12に示す水晶振動子1は、水晶振動片2の中央下方が中空状態になっているので、水晶振動片2の振動弊害を回避するのに好ましい形態である。
【0082】
なお、図12に示す水晶振動子1では、サポート材5をベース上に2つ設けているが、サポート材の個数は2つに限定されるものではなく、サポート材をベース上に3つ以上設けてもよく、任意に設定できる。
【0083】
上記したように、本実施の形態1,2にかかるサポート材5は、図1〜12に示すように、振動片用接合部,ベース用接合部及びスプリング部を構成すれば、任意の形態に設定可能である。そのため、例えば、上記した図1〜12に示すサポート材5の形状をさらに可変させることも可能である。例えば、図7に示すサポート材5に類似したサポート材5を用いて以下に変形例を説明する(図13参照)。なお、基本的な構成は、図7に示すサポート材5と同一の構成からなるので、同一構成の説明は省略する。
【0084】
図13に示すサポート材5には、ハーフエッチング部59が形成されている。このハーフエッチング部59は、スプリング部53に形成されており、平面視凸形状体の底部から突起部にかけて形成されている。スプリング部53にハーフエッチング部59が形成されることで、柔軟性を向上させ、外的応力を軽減するために好適である。なお、ハーフエッチング部59の形状や位置は、スプリング部53上であれば限定されるものではなく、任意に設定可能である。
【0085】
また、上記した図1〜13に示す水晶振動子1では、ベース3上に接合材6を設けているが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示す水晶振動片1を例にして、バンプ上に下層サポート材58が接合材6を用いて接合されてもよい。このバンプは、電極パッドの少なくとも一部を凸状に盛り上がらせて形成される。この場合、ベース3にバンプが形成され、バンプ3上に下層サポート材58が接合材6を用いて接合されるので、バンプ上に付する接合材6をバンプの壁面へ回り込ませて他の構成部材への接合材6の付着を防止することができる。さらに、バンプ上に接着剤6を用いず下層サポート材58が接合されてもよい。具体的に、バンプとして金属材料(例えば,Au)が用いられ、金属材料による超音波接合やワイヤ接合によりバンプ上に下層サポート材58が接合されてもよい。この場合、ベース3上の非接合領域への接合材の付着がなくなり、ベース1の各部材の搭載領域を有効利用することができる。
【0086】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、水晶振動子などの圧電振動子に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる水晶振動子の概略分解斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1のY1−Y1線上におけるサポート材の概略断面図であり、実施の形態1にかかるキャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図2(b)は、その概略平面図である。
【図3】図3は、実施の形態2にかかる水晶振動子の概略分解斜視図である。
【図4】図4(a)は、図3のY2−Y2線上におけるサポート材の概略断面図であり、実施の形態2にかかるキャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図3(b)は、その概略平面図である。
【図5】図5(a)は、本実施の他の形態にかかる、キャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図5(b)は、その概略平面図である。
【図6】図6(a)は、本実施の他の形態にかかる、キャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図6(b)は、その概略平面図である。
【図7】図7(a)は、本実施の他の形態にかかる、キャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図7(b)は、その概略平面図である。
【図8】図8(a)は、本実施の他の形態にかかる、キャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図8(b)は、その概略平面図である。
【図9】図9(a)は、本実施の他の形態にかかる、キャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図9(b)は、その概略平面図である。
【図10】図10(a)は、本実施の他の形態にかかる、キャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図10(b)は、その概略平面図である。
【図11】図11(a)は、本実施の他の形態にかかる、キャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図11(b)は、その概略平面図である。
【図12】図12(a)は、本実施の他の形態にかかる、キャップを除いた水晶振動子の概略内部断面図である。図12(b)は、その概略平面図である。
【図13】図13は、本実施の他の形態にかかるサポート材の概略平面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 水晶振動子(圧電振動子)
2 水晶振動片(圧電振動片)
3 ベース
4 キャップ
5,57,58 サポート材
51,574,575,584,585 水晶振動片用接合部(圧電振動片用接合部)
521,522,572,573,582,583 ベース用接合部
53,571,581 スプリング部
5A〜5D,57A〜57D,58A〜58D 自由端
6 接合材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースとキャップとが接合されて筐体が構成され、前記筐体の内部の前記ベース上に圧電振動片が保持されるとともに、前記筐体の内部が気密封止された圧電振動子において、
前記圧電振動片は、脆性材からなるサポート材を介して前記ベース上に保持され、
前記圧電振動片と前記サポート材が接合されるとともに、前記ベースと前記サポート材が接合され、
前記サポート材は、前記圧電振動片と接合するための圧電振動片用接合部と、前記ベースと接合するためのベース用接合部とが、外的応力を軽減するためのスプリング部を介して連結された構成からなることを特徴とする圧電振動子。
【請求項2】
前記スプリング部には、複数の自由端部が設けられ、
前記圧電振動片用接合部及び前記ベース用接合部が、それぞれ個別の前記自由端部と連結されたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。
【請求項3】
前記圧電振動片用接合部は、前記スプリング部に対して厚みを有することを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動子。
【請求項4】
前記ベース用接合部における接合位置と、前記圧電振動片用接合部における接合位置とは、前記スプリング部を介した前記サポート材上の前記ベース用接合部における接合位置から前記圧電振動片用接合部における接合位置までの距離が遠くなるように設定されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の圧電振動子。
【請求項5】
前記サポート材の外形は、前記圧電振動片の外形と略同等もしくは小さくなるように設定されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の圧電振動子。
【請求項6】
前記圧電振動片は、水晶片であり、
前記サポート材は、異方性の影響を受けにくい材料であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の圧電振動子。
【請求項7】
前記圧電振動片の前記サポート材との接合位置が、Z‘軸に対して30度傾いた位置であることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の圧電振動子。
【請求項8】
前記サポート材は、複数個設けられるとともに、これら複数個のサポート材は積層され、
下方に前記サポート材が配された前記サポート材のベース用接合部は、前記下方のサポート材との接合部として用いられ、かつ、上方に前記サポートが配された前記サポート材の圧電振動片用接合部は、前記上方のサポート材との接合部として用いられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の圧電振動子。
【請求項9】
前記ベースにバンプが形成され、前記バンプ上に前記サポート材が接合されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の圧電振動子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−262100(P2006−262100A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−76966(P2005−76966)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)
【Fターム(参考)】