説明

圧電振動片及び圧電デバイス

【課題】本発明は振動部への応力の影響を抑える圧電振動片及び圧電デバイスを提供する。
【解決手段】圧電振動片は、長さWSの第1辺及び長さLSの第2辺を有する振動部と、長さWAの第1枠と長さLAの第2枠とを有し振動部を取り囲む枠部と、振動部の第1辺と枠部の第1枠とを第1辺と第1枠との中央で、幅WR及び長さLRで連結する一本の連結部と、を備え、式1、式2、式3、又は式4の少なくとも1つを満たす。(0.1471×LS―0.004)×0.75<LR<(0.1471×LS―0.004)×1.25…式1、(0.3545×WS+0.044)×0.8<WR<(0.3545×WS+0.044)×1.2…式2、(0.85×LA−0.3125)×0.94<LS<(0.85×LA−0.3125)×1.06…式3、(0.7237×WA−0.272)×0.88<WS<(0.7237×WA−0.272)×1.12…式4

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動部への応力の影響が抑えられた圧電振動片又は圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の周波数で振動する振動部と振動部の周りを囲む枠部とを有する圧電振動片が知られている。このような圧電振動片には枠部の表裏面にリッド板及びベース板が接合されて圧電デバイスが形成され、圧電デバイスはプリント基板などに実装されて用いられる。このような圧電デバイスはプリント基板にかかる応力を受ける場合があり、圧電デバイスにかかる応力は、圧電振動片に影響を与え、振動部の振動周波数の特性を変化させる。
【0003】
このような振動部の振動周波数に影響を及ぼすような応力を振動部が受けないようにするための方法として、例えば特許文献1には、圧電振動片の振動部と接着部とを切欠き部により分けることにより振動部に応力が伝わることを妨げ、振動周波数の特性の変化が抑えられた圧電振動片が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−66779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1においても圧電振動片の振動周波数の特性の変化を抑えることは十分ではない。また、特許文献1の圧電振動片は枠部を有していない。圧電振動片は、さらに振動部へ応力がかからないようにし、振動周波数の特性の変化が抑えられることが望まれている。
【0006】
本発明は、振動部、枠部、及び連結部の寸法の関係が適切な関係になるように形成することにより振動部への応力の影響が抑えられた圧電振動片及び圧電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点の圧電振動片は、第1方向に伸びた長さWSの第1辺及び第1方向に直交する第2方向に伸びる長さLSの第2辺を有する四角形状の振動部と、第1方向に伸びる長さWAの第1枠と第2方向に伸びる長さLAの第2枠とを有し振動部を取り囲む枠部と、振動部の第1辺と枠部の第1枠とを第1辺と第1枠との中央で、第1方向の幅WR及び第2方向の長さLRで連結する一本の連結部と、を備え、数式1、数式2、数式3、又は数式4の少なくとも1つを満たす。
(0.1471×LS―0.004)×0.75<LR<(0.1471×LS―0.004)×1.25 …数式1
(0.3545×WS+0.044)×0.8<WR<(0.3545×WS+0.044)×1.2 …数式2
(0.85×LA−0.3125)×0.94<LS<(0.85×LA−0.3125)×1.06 …数式3
(0.7237×WA−0.272)×0.88<WS<(0.7237×WA−0.272)×1.12 …数式4
【0008】
第2観点の圧電振動片は、第1観点において、振動部がメサ領域とメサ領域の周囲に形成されメサ領域よりも薄い周辺領域とを有し、メサ領域には励振電極が形成され、連結部及び枠部には励振電極から引き出された引出電極が形成されている。
【0009】
第3観点の圧電振動片は、第2観点において、振動部の周辺領域及び連結部が同じ厚さである。
【0010】
第4観点の圧電デバイスは、第1観点から第3観点の圧電振動片と、枠部の一方の面に接続されるリッド板と、枠部の他方の面に接続され、外部電極を有するベース板と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の圧電振動片によれば、振動部、枠部、及び連結部の寸法の関係が適切な関係になるように形成することにより振動部への応力の影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】圧電デバイス100の分解斜視図である。
【図2】(a)は、図1のA−A断面の断面図である。 (b)は、圧電振動片130の平面図である。
【図3】(a)は、電極が形成されていない圧電振動片130の平面図である。 (b)は、図2(b)のB−B断面図である。
【図4】(a)は、連結部133の幅WRが0.32mmの圧電振動片のシミュレーション結果である。 (b)は、連結部133の幅WRが0.35mmの圧電振動片のシミュレーション結果である。 (c)は、連結部133の幅WRが0.45mmの圧電振動片のシミュレーション結果である。 (d)は、連結部133の幅WRが0.55mmの圧電振動片のシミュレーション結果である。
【図5】圧電振動片のX軸方向の応力値の分布を示したグラフである。
【図6】圧電振動片の振動部のX軸方向の長さLSと、連結部のX軸方向の長さLRとの関係が示されたグラフである。
【図7】圧電振動片の振動部のZ’軸方向の幅WSと、連結部のZ’軸方向の幅WRとの関係が示されたグラフである。
【図8】圧電振動片の振動部のX軸方向の長さLSと、枠部のX軸方向の長さLAとの関係が示されたグラフである。
【図9】圧電振動片の振動部のZ’軸方向の幅WSと、枠部のZ’軸方向の幅WAとの関係が示されたグラフである。
【図10】(a)は、圧電振動片230の平面図である。 (b)は、図10(a)のC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0014】
(第1実施形態)
<圧電デバイス100の構成>
図1は、圧電デバイス100の分解斜視図である。圧電デバイス100は、リッド板110と、ベース板120と、圧電振動片130と、により構成されている。圧電振動片130には例えばATカットの水晶振動片が用いられる。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。以下の説明では、ATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、圧電デバイス100においては圧電デバイス100の長辺方向をX軸方向、圧電デバイス100の高さ方向をY’軸方向、X及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
【0015】
圧電振動片130は、所定の振動周波数で振動する振動部131と、振動部131を囲む枠部132と、振動部131と枠部132とを連結する連結部133と、により構成されている。励振電極134は、振動部131の+Y’軸側の面及び−Y’軸側の面に形成されている。各励振電極134からは、連結部133を通り枠部132にまでそれぞれ引出電極135が引き出されている。
【0016】
ベース板120は、圧電振動片130の−Y’軸側に配置される。ベース板120はX軸方向に長辺、Z’軸方向に短辺を有する矩形形状に形成されている。ベース板120の−Y’軸側の面には一対の外部電極124が形成されている。この外部電極124がハンダを介してプリント基板等に固定され電気的に接続されることにより、圧電デバイス100がプリント基板等に実装される。また、ベース板120の四隅の側面にはキャスタレーション126が形成されており、キャスタレーション126にはキャスタレーション電極125が形成されている。ベース板120の+Y’軸側の面には凹部121が形成されており、凹部121の周りには接合面122が形成されている。また、接合面122の四隅でありキャスタレーション126の周りには接続電極123が形成されている。この接続電極123は、キャスタレーション126に形成されるキャスタレーション電極125を介して外部電極124に電気的に接続されている。ベース板120は、接合面122において封止材141(図2参照)を介して圧電振動片130の枠部132の−Y’軸側の面に接合される。また、接続電極123と圧電振動片130の引出電極135とが電気的に接続される。
【0017】
リッド板110は、圧電振動片130の+Y’軸側に配置される。リッド板110の−Y’軸側の面には凹部111が形成されており、凹部111の周りには接合面112が形成されている。リッド板110は、接合面112において封止材141(図2参照)を介して圧電振動片130の枠部132の+Y’軸側の面に接合される。
【0018】
図2(a)は、図1のA−A断面の断面図である。圧電デバイス100は、圧電振動片130の枠部132の+Y’軸側の面にリッド板110の接合面112が封止材141を介して接合され、枠部132の−Y’軸側の面にベース板120の接合面122が封止材141を介して接合されている。圧電振動片130とベース板120とが接合される際には、枠部132の−Y’軸側の面に形成されている引出電極135とベース板120の接合面122に形成されている接続電極123とが電気的に接続される。これによりメサ領域131aの+Y’軸側及び−Y’軸側に形成されている各励振電極134は、引出電極135、接続電極123、及びキャスタレーション電極125を介して外部電極124に電気的に接続される。
【0019】
図2(b)は、圧電振動片130の平面図である。圧電振動片130は、矩形形状に形成された振動部131と、振動部131を囲む枠部132と、振動部131と枠部132とを連結する1本の連結部133と、により構成されている。振動部131は、振動部131の−X軸側の辺である第1辺138aと、振動部131の+Z’軸側及び−Z’軸側の辺である第2辺138bと、を有している。また枠部132は、Z’軸方向に伸びる第1枠132aと、X軸方向に伸びる第2枠132bと、により形成されている。第1枠132aは、振動部131の+X軸側及び−X軸側に配置され、第2枠132bは、振動部131の+Z’軸側及び−Z’軸側に配置されている。連結部133は、振動部131の第1辺138aの中央に連結され、そこから−X軸方向に伸びて−X軸側の第1枠132aの中央に連結されている。また、振動部131と枠部132との間の連結部133以外の領域は、圧電振動片130をY’軸方向に貫通する貫通孔136となっている。振動部131は、励振電極134が形成されているメサ領域131aと、メサ領域131aの周囲に形成される周辺領域131bと、連結部133に直接連結される連結領域131cと、により構成されている。メサ領域131a及び連結領域131cの間には周辺領域131bが形成されており、メサ領域131aと連結領域131cとは互いに接触していない。メサ領域131aの+Y’軸側の面に形成されている励振電極134からは、周辺領域131b、連結領域131c、連結部133の+Y’軸側の面、連結部133の+Z’軸側の側面133a、及び連結部133の−Y’軸側の面を介し、枠部132の−Y’軸側の面の−X軸側の+Z’軸側の角部にまで引出電極135が引き出されている。また、メサ領域131aの−Y’軸側の面に形成されている励振電極134(図2(a)参照)からは、周辺領域131b、連結領域131c、及び連結部133の−Y’軸側の面を介して枠部132に引出電極135が引き出され、引出電極135はさらに枠部132の−Y’軸側の面を−Z’軸方向及び+X軸方向に伸びて枠部132の−Y’軸側の面の+X軸側の−Z’軸側の角部にまで引き出されている。−Y’軸側の面に形成されている励振電極134から引き出されている引出電極135は枠部132の+X軸側まで引き出されているため、+Y’軸側の面に形成されている励振電極134から引き出されている引出電極135よりも形成距離が長く形成されている。
【0020】
図3(a)は、電極が形成されていない圧電振動片130の平面図である。振動部131の第1辺138aの長さは長さWSであり、第2辺138bは長さLSに形成されている。また、圧電振動片130の枠部132の第1枠132aの全体のZ’軸方向の長さを長さWA、枠部132の第2枠132bのX軸方向の全体の長さを長さLA、連結部133のZ’軸方向の幅を幅WR、連結部133のX軸方向の長さを長さLRとする。
【0021】
図3(b)は、図2(b)のB−B断面図である。圧電振動片130は、枠部132のY’軸方向への厚さが厚さT1、連結部133、振動部131の連結領域131c及びメサ領域131aのY’軸方向の厚さが厚さT2、振動部131の周辺領域131bのY’軸方向の厚さが厚さT3に形成されている。すなわち、連結部133と連結領域131cとは互いに厚さT2で直接連結されている。圧電振動片130では、厚さT1は厚さT2及び厚さT3よりも厚く形成されており、厚さT2は厚さT3より厚く形成されている。
【0022】
<<圧電振動片の応力特性の測定>>
シミュレーションによる圧電振動片にかかる応力の予測、及び圧電デバイスを作製して圧電振動片の特性を測定することにより、圧電振動片の振動部にかかる応力が抑えられる圧電振動片の適切な寸法を求めるための実験を行った。以下に、圧電振動片のシミュレーション結果及び圧電振動片の特性の測定結果について説明する。
【0023】
<シミュレーション結果>
圧電デバイスがプリント基板に実装された状態において、プリント基板を曲げた場合に圧電振動片にかかる応力を求めるためのシミュレーションを行った。図4及び図5を参照して、シミュレーションの結果を説明する。また、以下のシミュレーションでは、圧電振動片の寸法を、長さLAが2.0mm、長さWAが1.6mm、長さLSが1.4mm、長さWSが1.375mm、長さLRが0.15mmとし、連結部133の幅WRを変えた場合の圧電振動片にかかる応力の違いを調べている。
【0024】
図4(a)は、連結部133の幅WRが0.32mmである圧電振動片のシミュレーション結果である。図4(a)では、シミュレーション結果が振動部131及び連結部133の平面図に示されている。シミュレーション結果では、灰色の領域は圧電振動片にX軸方向の応力がほぼかかっていないことを示しており、灰色から黒色に色が濃くなるにつれて圧電振動片のX軸方向の引っ張り応力が強くなり、灰色から白色に色が薄くなるにつれて圧電振動片のX軸方向の圧縮応力が強くなる状態を示している。図4(a)に示された圧電振動片では、振動部131の連結部133が接続されている付近の領域に応力かかっていることが分かる。また、メサ領域131aはほぼ灰色の領域となっているため、メサ領域131aには殆ど応力がかかっていないことが分かる。
【0025】
図4(b)は、連結部133の幅WRが0.35mmである圧電振動片のシミュレーション結果である。図4(b)に示された圧電振動片では、連結部133の+Z’軸側、−Z’軸側、及び中心付近の色が灰色よりも濃く又は薄くなっており、これらの領域に応力がかかることが分かる。また、メサ領域131aはほぼ灰色の領域となっているため、メサ領域131aには殆ど応力がかかっていないことが分かる。
【0026】
図4(c)は、連結部133の幅WRが0.45mmである圧電振動片のシミュレーション結果である。図4(c)に示された圧電振動片では、連結部133とメサ領域131aとの間の領域が灰色よりも濃くなっており、この領域に強い応力がかかることが分かる。また、メサ領域131aにおいては、灰色よりも薄い色が見られるため、メサ領域131aにも多少の応力がかかる。
【0027】
図4(d)は、連結部133の幅WRが0.55mmである圧電振動片のシミュレーション結果である。図4(d)に示された圧電振動片では、連結部133とメサ領域131aとの間、及び振動部131のX軸に平行な辺の−X軸側に強い応力がかかることが分かる。メサ領域131aにも灰色よりも濃い及び薄い色が見られるため、メサ領域131aにも多少の応力がかかる。
【0028】
図5は、圧電振動片のX軸方向の応力値の分布を示したグラフである。グラフの横軸は、圧電振動片の連結部133の中央を通り、X軸に平行な直線142(図4(a)参照)の上の位置が示されている。さらに図4(a)を参照して説明すると、図5には、−X軸側の枠部132の−X軸側の端を0mmとし、そこから+X軸方向に進んだ位置が示されている。また図5の縦軸は、圧電振動片のX軸方向にかかる応力が示されている。この応力が正の値である場合は引っ張り応力がかかり、負の値である場合は圧縮応力がかかる場合を示す。図5において、黒塗りの菱形は幅WRが0.32mmの圧電振動片を示し、白抜きの三角形は幅WRが0.35mmの圧電振動片を示し、白抜きの円形は幅WRが0.45mmの圧電振動片を示し、黒塗りの四角形は幅WRが0.55mmの圧電振動片を示している。
【0029】
幅WRが0.55mmの圧電振動片は、X軸方向に0.67mm進んだところで応力値が約0.19MPaとなり最大値をとる。幅WRが0.45mmの圧電振動片は、X軸方向に0.48mm進んだところで応力値が約0.16MPaとなり最大値をとる。幅WRが0.35mmの圧電振動片は、X軸方向に0.40mm進んだところで応力値が約0.09MPaとなり最大値をとる。幅WRが0.32mmの圧電振動片はX軸方向に0.48mm進んだところで応力値が約0.07MPaとなり最大値をとる。
【0030】
圧電振動片にかかる応力は、圧電振動片の振動周波数の変化を考えると0.1MPa以下であることが望ましい。図5によれば、幅WRが0.55mm及び0.45mmの圧電振動片は、圧電振動片にかかる最大応力値が0.1MPaを超えている。これに対して、幅WRが0.35mm及び0.32mmの圧電振動片は、圧電振動片にかかる最大応力が0.1MPaより小さく、好ましいことが分かる。すなわち、圧電振動片の幅WRは、最大応力値が0.1MPaを超える0.45mmと、最大応力値が0.1MPa以下である0.35mmとの中間値である0.40mm以下であることが好ましいと考えられる。
【0031】
<圧電振動片の特性の測定結果>
圧電デバイスを作製し、この圧電デバイスをプリント基板に実装して、圧電振動片の振動周波数及びクリスタルインピーダンス(CI)値などの特性を測定した。この特性の測定結果を元にして好ましい圧電振動片の寸法を求める。以下の説明において、圧電振動片の特性が悪くなるとは、圧電振動片の振動周波数が変動又はCI値が高くなることを示す。また作製された圧電デバイスは、シミュレーションの結果により好ましいと考えられる幅WRが0.4以下の圧電振動片を用いている。以下に、図6から図9を参照して、圧電振動片の特性の測定結果を説明する。
【0032】
図6は、圧電振動片の振動部131のX軸方向の長さLSと、連結部133のX軸方向の長さLRとの関係が示されたグラフである。図6では、圧電振動片の寸法が、長さLAが2.0mm、長さWAが1.6mm、長さWSが1.375mm、長さLRが0.15mm、幅WRが0.32mmの圧電振動片AS1と、長さLAが2.0mm、長さWAが1.6mm、長さWSが0.872mm、長さLRが0.2mm、幅WRが0.37mmの圧電振動片AS2と、において、振動部131の長さLSを変えて圧電振動片の特性を測定している。図6のグラフでは、横軸に長さLS、縦軸に長さLRが設定されている。また、図6では、黒塗りの菱形及び黒塗りの円が実測値を示し、黒塗りの三角形が黒塗りの菱形の実測値を元に計算された平均値を示している。
【0033】
圧電振動片AS1では、振動部131の長さLSが0.99mm(図6の点AS1a)、及び1.105mm(図6の点AS1b)において、圧電振動片の特性が調べられ、両方の圧電振動片において良好な特性が得られている。そのため、圧電振動片AS1では、振動部131の長さLSがこの2点の中間値である1.0475mm(図6の点AS1c)において好ましい特性を有すると考えられる。また、圧電振動片AS2では、振動部131の長さLSが1.375mm(図6の点AS2a)、及び1.4mm(図6の点AS2b)において、圧電振動片の特性が調べられ、両方の圧電振動片において良好な特性が得られている。そのため、圧電振動片AS2では、振動部131の長さLSがこの2点の中間値である1.3875mm(図6の点AS2c)において好ましい特性を有すると考えられる。すなわち圧電振動片は、長さLRと長さLSとが図6の点AS1cと点AS2cとを通る直線LN1で表される関係を満たすことが良いと考えられる。この直線LN1は、以下の数式1で示される。
LR=0.1471×LS−0.004 … 数式1
【0034】
一方、圧電振動片AS1に関して、長さLSが1.0475mm(図6の点AS1c)の場合に長さLRの値を1.5mmから上昇させると、長さLRの値が0.19mm(図6の点AS1d)となるときに圧電デバイスの落下試験において圧電振動片が破損した。同様に、圧電振動片AS2に関して、長さLSが1.3875mm(図6の点AS2c)の場合に長さLRの値を0.2mmから上昇させると、長さLRの値が0.25mm(図6の点AS2d)となるときに圧電デバイスの落下試験において圧電振動片が破損した。すなわち、圧電振動片の長さLRは、点AS1d及び点AS2dを通る直線LN1aから導かれる長さLRよりも小さいことが好ましい。この直線LN1aから導かれる長さLRは、直線LN1から導かれる長さLRの約+25%となっている。
【0035】
また、圧電振動片に関して基板折り曲げ試験を行った。基板折り曲げ試験は、圧電デバイスをプリント基板に実装した状態で、プリント基板を折り曲げて、圧電振動片の振動周波数の変化を調べる試験である。圧電振動片AS1に関して、長さLSが1.0475mm(図6の点AS1c)の場合に長さLRの値を1.5mmから減少させると、長さLRの値が1.125mm(図6の点AS1e)となるときに、圧電振動片の振動周波数が大きく変化した。同様に、圧電振動片AS2に関して、長さLSが1.3875mm(図6の点AS2c)の場合に長さLRの値を0.2mmから減少させると、長さLRの値が0.15mm(図6の点AS2e)となるときに、圧電振動片の振動周波数が大きく変化した。この圧電振動片の振動周波数の変化は、連結部133の長さLRを短くなることにより、プリント基板から枠部132を介してメサ領域131aに伝わる応力が大きくなるためであると考えられる。すなわち、圧電振動片は点AS1e及び点AS2eを通る直線LN1bから導かれる長さLRよりも大きいことが好ましい。この直線LN1bから導かれる長さLRは、直線LN1から導かれる長さLRの約−25%となっている。
【0036】
以上より、圧電振動片の長さLSと長さLRとの関係は、直線LN1から導かれる長さLRの+25%より小さく、−25%よりも大きいことが望ましい。すなわち、圧電振動片の長さLSと長さLRとの関係は、以下の数式2を満たすことが望ましい。
(0.1471×LS―0.004)×0.75<LR<(0.1471×LS―0.004)×1.25 …数式2
【0037】
図7は、圧電振動片の振動部131のZ’軸方向の長さWSと、連結部133のZ’軸方向の幅WRとの関係が示されたグラフである。図7では、圧電振動片の寸法が、長さLAが2.0mm、長さWAが1.6mm、長さLSが0.9mm、長さLRが0.2mm、幅WRが0.35mmの圧電振動片AS3と、長さLAが1.6mm、長さWAが1.2mm、長さLSが0.668mm、長さLRが0.14mm、幅WRが0.25mmの圧電振動片AS4と、において、振動部131の長さWSを変えて圧電振動片の特性を測定している。図7のグラフでは、横軸に長さWS、縦軸に幅WRが設定されている。また、図7では、黒塗りの菱形及び黒塗りの円が実測値を示し、黒塗りの三角形が黒塗りの菱形の実測値を元に計算された平均値を示している。
【0038】
圧電振動片AS3では、振動部131の長さWSが0.525mm(図7の点AS3a)、及び0.668mm(図7の点AS3b)において、圧電振動片の特性が調べられ、両方の圧電振動片において良好な特性が得られている。そのため、圧電振動片AS3では、振動部131の長さWSがこの2点の中間値である0.5965mm(図7の点AS3c)において好ましい特性を有すると考えられる。また、圧電振動片AS4では、振動部131の長さWSが0.872mm(図7の点AS4a)、及び0.9mm(図7の点AS4b)において、圧電振動片の特性が調べられ、両方の圧電振動片において良好な特性が得られている。そのため、圧電振動片AS4では、振動部131の長さWSがこの2点の中間値である0.886mm(図7の点AS4c)において好ましい特性を有すると考えられる。すなわち圧電振動片は、幅WRと長さWSとが図7の点AS3cと点AS4cとを通る直線LN2で表される関係を満たすことが良いと考えられる。この直線LN2は、以下の数式3で示される。
WR=0.3545×WS+0.044 … 数式3
【0039】
一方、圧電振動片AS3に関して、長さWSが0.5965mm(図7の点AS3c)の場合に幅WRの値を0.25mmから上昇させると、幅WRの値が0.3mm(図7の点AS3d)となるときに、基板折り曲げ試験において圧電振動片の振動周波数が大きく変化した。同様に、圧電振動片AS4に関して、長さWSが0.886mm(図7の点AS4c)の場合に幅WRの値を0.35mmから上昇させると、幅WRの値が0.42mm(図7の点AS4d)となるときに、基板折り曲げ試験において圧電振動片の振動周波数が大きく変化した。この圧電振動片の振動周波数の変化は、連結部133の幅WRを長くすることにより、プリント基板から枠部132を介してメサ領域131aに伝わる応力が大きくなるためであると考えられる。すなわち、圧電振動片の幅WRは、点AS3d及び点AS4dを通る直線LN2aから導かれる幅WRよりも小さいことが好ましい。この直線LN2aから導かれる幅WRは、直線LN2から導かれる幅WRの約+20%となっている。
【0040】
また、圧電振動片AS3に関して、長さWSが0.5965mm(図7の点AS3c)の場合に幅WRの値を0.25mmから減少させると、幅WRの値が0.2mm(図7の点AS3e)となるときに、圧電デバイスの落下試験において圧電振動片が破損した。同様に、圧電振動片AS4に関して、長さWSが0.886mm(図7の点AS4c)の場合に幅WRの値を0.35mmから減少させると、幅WRの値が0.28mm(図7の点AS4e)となるときに、圧電デバイスの落下試験において圧電振動片が破損した。すなわち、圧電振動片は点AS3e及び点AS4eを通る直線LN2bから導かれる幅WRよりも大きいことが好ましい。この直線LN2bから導かれる幅WRは、直線LN2から導かれる幅WRの約−20%となっている。
【0041】
以上より、圧電振動片の長さWSと幅WRとの関係は、直線LN2から導かれる幅WRの+20%より小さく、−20%よりも大きいことが望ましい。すなわち、圧電振動片の長さWSと幅WRとの関係は、以下の数式4を満たすことが望ましい。
(0.3545×WS+0.044)×0.8<WR<(0.3545×WS+0.044)×1.2 … 数式4
【0042】
図8は、圧電振動片の振動部131のX軸方向の長さLSと、枠部132のX軸方向の長さLAとの関係が示されたグラフである。図8では、圧電振動片の寸法が、長さLAが2.0mm、長さWAが1.6mm、長さWSが1.375mm、長さLRが0.15mm、幅WRが0.32mmである圧電振動片AS5と、長さLAが1.6mm、長さWAが1.2mm、長さWSが0.99mm、長さLRが0.12mm、幅WRが0.22mmである圧電振動片AS6とにおいて、振動部131の長さLSを変えて圧電振動片の特性を測定している。図8のグラフでは、横軸に長さLA、縦軸に長さLSが設定されている。また、図8では、黒塗りの菱形及び黒塗りの円形が実測値を示し、黒塗りの三角形が黒塗りの菱形の実測値を元に計算された平均値を示している。
【0043】
圧電振動片AS5では、振動部131の長さLSが1.105mm(図8の点AS5a)、及び0.99mm(図8の点AS5b)において、圧電振動片の特性が調べられ、両方の圧電振動片において良好な特性が得られている。そのため、圧電振動片AS5では、振動部131の長さLSがこの2点の中間値である1.0475mm(図8の点AS5c)において好ましい特性を有すると考えられる。また、圧電振動片AS6では、振動部131の長さLSが1.4mm(図8の点AS6a)、及び1.375mm(図8の点AS6b)において、圧電振動片の特性が調べられ、両方の圧電振動片において良好な特性が得られている。そのため、圧電振動片AS6では、振動部131の長さLSがこの2点の中間値である1.3875mm(図8の点AS6c)において好ましい特性を有すると考えられる。すなわち圧電振動片は、長さLAと長さLSとが図8の点AS5cと点AS6cとを通る直線LN3で表される関係を満たすことが良いと考えられる。この直線LN3は、以下の数式5で示される。
LS=0.85×LA−0.3125 … 数式5
【0044】
一方、圧電振動片AS5に関して、長さLSの値を1.0475mm(図8の点AS5c)から上昇させると、長さLSの値が1.1104mm(図8の点AS5d)より大きくなると貫通孔136(図2(b)参照)の幅が狭くなるため、ウエットエッチングによる貫通孔136の形成が困難になる。同様に、圧電振動片AS6に関して、長さLSの値を1.3875mm(図8の点AS6c)から上昇させると、長さLSの値が1.4708mm(図8の点AS6d)より大きくなると貫通孔136(図2(b)参照)の幅が狭くなるため、ウエットエッチングによる貫通孔136の形成が困難になる。すなわち、圧電振動片の長さLSは、点AS5d及び点AS6dを通る直線LN3aから導かれる長さLSよりも小さいことが好ましい。この直線LN3aから導かれる長さLSは、直線LN3から導かれる長さLSの約+6%となっている。
【0045】
また、圧電振動片AS5に関して、長さLSの値を1.0475mm(図8の点AS5c)から減少させると、長さLSの値が0.9846mm(図8の点AS5e)よりも小さくなる場合に製品として好ましい範囲のCI値を超えてしまう。同様に、圧電振動片AS6に関して、長さLSの値を1.3875mm(図8の点AS6c)から減少させると、長さLSの値が1.3042mm(図8の点AS6e)より小さくなる場合に製品として好ましい範囲のCI値を超えてしまう。すなわち、圧電振動片の長さLSは、点AS5d及び点AS6dを通る直線LN3bから導かれる長さLSよりも大きいことが好ましい。この直線LN3bから導かれる長さLSは、直線LN3から導かれる長さLSの約−6%となっている。
【0046】
以上より、圧電振動片の長さLSと長さLAとの関係は、直線LN3から導かれる長さLSの+6%より小さく、−6%よりも大きいことが望ましい。すなわち、圧電振動片の長さLSと長さLAとの関係は、以下の数式6を満たすことが望ましい。
(0.85×LA−0.3125)×0.94<LS<(0.85×LA−0.3125)×1.06 … 数式6
【0047】
図9は、圧電振動片の振動部131のZ’軸方向の長さWSと、枠部132のZ’軸方向の長さWAとの関係が示されたグラフである。図9では、圧電振動片の寸法が、長さLAが2.0mm、長さWAが1.6mm、長さLSが0.9mm、長さLRが0.2mm、幅WRが0.37mmである圧電振動片AS7と、長さLAが1.6mm、長さWAが1.2mm、長さLSが0.668mm、長さLRが0.14mm、幅WRが0.24である圧電振動片AS8とにおいて、振動部131の長さWSを変えて圧電振動片の特性を測定している。図9のグラフでは、横軸に長さWA、縦軸に長さWSが設定されている。また、図9では、黒塗りの菱形及び白抜きの円形が実測値を示し、黒塗りの三角形が黒塗りの菱形の実測値を元に計算された平均値を示している。
【0048】
圧電振動片AS7では、振動部131の長さWSが0.668mm(図9の点AS7a)、及び0.525mm(図9の点AS7b)において、圧電振動片の特性が調べられ、両方の圧電振動片において良好な特性が得られている。そのため、圧電振動片AS7では、振動部131の長さWSがこの2点の中間値である0.597mm(図9の点AS7c)において好ましい特性を有すると考えられる。また、圧電振動片AS8では、振動部131の長さWSが0.9mm(図9の点AS8a)、及び0.872mm(図9の点AS8b)において、圧電振動片の特性が調べられ、両方の圧電振動片において良好な特性が得られている。そのため、圧電振動片AS8では、振動部131の長さWSがこの2点の中間値である0.886mm(図9の点AS8c)において好ましい特性を有すると考えられる。すなわち圧電振動片は、長さWAと長さWSとが図9の点AS7cと点AS8cとを通る直線LN4で表される関係を満たすことが良いと考えられる。この直線LN4は、以下の数式7で示される。
WS=0.7237×WA−0.272 … 数式7
【0049】
一方、圧電振動片AS7に関して、長さWSの値を0.597mm(図9の点AS7c)から上昇させると、長さWSの値が0.6687mm(図9の点AS7d)より大きくなると貫通孔136(図2(b)参照)の幅が狭くなるため、ウエットエッチングによる貫通孔136の形成が困難になる。同様に、圧電振動片AS8に関して、長さWSの値を0.886mm(図9の点AS8c)から上昇させると、長さWSの値が0.9924mm(図9の点AS8d)より大きくなると貫通孔136(図2(b)参照)の幅が狭くなるため、ウエットエッチングによる貫通孔136の形成が困難になる。すなわち、圧電振動片の長さWSは、点AS7d及び点AS8dを通る直線LN4aから導かれる長さWSよりも小さいことが好ましい。この直線LN4aから導かれる長さWSは、直線LN4から導かれる長さWSの約+12%となっている。
【0050】
また、圧電振動片AS7に関して、長さWSの値を0.597mm(図9の点AS7c)から減少させると、長さWSの値が0.525mm(図9の点AS7e)よりも小さくなる場合に製品として好ましい範囲のCI値を超えてしまう。同様に、圧電振動片AS8に関して、長さWSの値を0.886mm(図9の点AS8c)から減少させると、長さWSの値が0.7796mm(図9の点AS8e)よりも小さくなる場合に製品として好ましい範囲のCI値を超えてしまう。すなわち、圧電振動片の長さWSは、点AS7e及び点AS8eを通る直線LN4bから導かれる長さWSよりも大きいことが好ましい。この直線LN4bから導かれる長さWSは、直線LN4から導かれる長さWSの約−12%となっている。
【0051】
以上より、圧電振動片の長さWSと長さWAとの関係は、直線LN4から導かれる長さWSの+12%より小さく、−12%よりも大きいことが望ましい。すなわち、圧電振動片の長さWSと長さWAとの関係は、以下の数式8を満たすことが望ましい。
(0.7237×WA−0.272)×0.88<WS<(0.7237×WA−0.272)×1.12 … 数式8
【0052】
(第2実施形態)
圧電振動片は、連結部の厚さが振動部の周辺領域と同じ厚さに形成されていてもよい。以下に、連結部の厚さが振動部の周辺領域と同じ厚さに形成された圧電振動片230について説明する。また、以下の説明では、第1実施形態と同様の部分は第1実施形態と同じ符号を用いて表し、その説明を省略する。
【0053】
<圧電振動片230の構成>
図10(a)は、圧電振動片230の平面図である。圧電振動片230は、所定の振動周波数で振動し四角形状に形成された振動部231と、振動部231を囲む枠部132と、振動部231と枠部132とを連結する1本の連結部233と、により構成されている。振動部231と枠部132との間の連結部233以外の領域は、圧電振動片230をY’軸方向に貫通する貫通孔136となっている。振動部231は、励振電極134が形成されるメサ領域231aと、メサ領域231aの周囲に形成されメサ領域231aよりもY’軸方向の厚さが薄い周辺領域231bと、により形成されている。振動部131は、振動部131の短辺であり振動部131の−X軸側の辺である第1辺138aと、振動部131の長辺であり振動部131の+Z’軸側及び−Z’軸側の辺である第2辺138bと、を有している。また枠部132は、Z’軸方向に伸びる第1枠132aと、X軸方向に伸びる第2枠132bと、により形成されている。連結部233は、振動部231の第1辺138aの中央に連結され、そこから−X軸方向に伸びて−X軸側の第1枠132aの中央に連結されている。メサ領域231aに形成されている励振電極134は、メサ領域231aの+Y’軸側の面及び−Y’軸側の面に形成されている。メサ領域231aの+Y’軸側の面に形成されている励振電極134からは、周辺領域231b、連結部233の+Y’軸側の面、連結部233の+Z’軸側の側面233a、及び連結部233の−Y’軸側の面を介し、枠部132の−Y’軸側の面の−X軸側の+Z’軸側の角部にまで引出電極135引き出されている。また、メサ領域231aの−Y’軸側の面に形成されている励振電極134(図10(b)参照)からは、周辺領域231b、及び連結部233の−Y’軸側の面を介して枠部132に引出電極135が引き出され、引出電極135はさらに枠部132の−Y’軸側の面を−Z’軸方向及び+X軸方向に伸びて枠部132の−Y’軸側の面の+X軸側の−Z’軸側の角部にまで引き出されている。−Y’軸側の面に形成されている励振電極134から引き出されている引出電極135は枠部132の+X軸側まで引き出されているため、+Y’軸側の面に形成されている励振電極134から引き出されている引出電極135よりも、形成距離が長く形成されている。
【0054】
図10(b)は、図10(a)のC−C断面図である。圧電振動片230は、枠部132のY’軸方向への厚さが厚さT1、メサ領域231aのY’軸方向の厚さが厚さT2、連結部233及び振動部231の周辺領域231bのY’軸方向の厚さが厚さT3に形成されている。すなわち、連結部233と周辺領域231bとは互いに厚さT3で直接連結されて接続されている。圧電振動片230では、厚さT1は厚さT2及び厚さT3よりも厚く形成されており、厚さT2は厚さT3より厚く形成されている。
【0055】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0056】
例えば、上記の実施形態では圧電振動片にATカットの水晶振動片である場合を示したが、同じように厚みすべりモードで振動するBTカット、又は音叉型水晶振動片などであっても同様に適用できる。さらに圧電振動片は水晶材のみならず、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムあるいは圧電セラミックを含む圧電材に基本的に適用できる。
【符号の説明】
【0057】
100 … 圧電デバイス
110 … リッド板
111、121 … 凹部
112 … 接合面
120 … ベース板
122 … 接合面
123 … 接続電極
124 … 外部電極
125 … キャスタレーション電極
126 … キャスタレーション
130、230 … 圧電振動片
131、231 … 振動部
131a、231a … メサ領域
131b、231b … 周辺領域
131c … 連結領域
132 … 枠部
132a … 第1枠
132b … 第2枠
133、233 … 連結部
133a … 連結部133の+Z’軸側側面
134 … 励振電極
135 … 引出電極
136 … 貫通孔
138a … 第1辺
138b … 第2辺
141 … 封止材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に伸びた長さWSの第1辺及び前記第1方向に直交する第2方向に伸びる長さLSの第2辺を有する四角形状の振動部と、
前記第1方向に伸びる長さWAの第1枠と前記第2方向に伸びる長さLAの第2枠とを有し前記振動部を取り囲む枠部と、
前記振動部の前記第1辺と前記枠部の第1枠とを前記第1辺と前記第1枠との中央で、前記第1方向の幅WR及び前記第2方向の長さLRで連結する一本の連結部と、を備え、
数式1、数式2、数式3、又は数式4の少なくとも1つを満たす圧電振動片。
(0.1471×LS―0.004)×0.75<LR<(0.1471×LS―0.004)×1.25 …数式1
(0.3545×WS+0.044)×0.8<WR<(0.3545×WS+0.044)×1.2 …数式2
(0.85×LA−0.3125)×0.94<LS<(0.85×LA−0.3125)×1.06 …数式3
(0.7237×WA−0.272)×0.88<WS<(0.7237×WA−0.272)×1.12 …数式4
【請求項2】
前記振動部は、メサ領域と前記メサ領域の周囲に形成され前記メサ領域よりも薄い周辺領域とを有し、
前記メサ領域には励振電極が形成され、前記連結部及び前記枠部には前記励振電極から引き出された引出電極が形成されている請求項1に記載の圧電振動片。
【請求項3】
前記振動部の周辺領域及び前記連結部が同じ厚さである請求項2に記載の圧電振動片。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項の圧電振動片と、
前記枠部の一方の面に接続されるリッド板と、
前記枠部の他方の面に接続され、外部電極を有するベース板と、
を備えた圧電デバイス。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−42388(P2013−42388A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178365(P2011−178365)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】