説明

在庫管理システム、管理装置、その管理方法、及びプログラム

【課題】出力パターンにより消耗品の記録剤(トナー、インクなど)の消費量が大きく異なる印刷処理を実行可能な画像形成装置の消耗品の在庫管理においては、消耗品の在庫減算処理の誤りを抑制し、適切な在庫管理を実施することが困難である。
【解決手段】管理装置102の消耗品在庫減算処理部503が、画像形成装置101から取得した残量通知に含まれるカウンタ50〜52の値から、消耗品の在庫減算の判断に用いるカウンタを算出し(S1103)、過去の残量通知を受けて算出した判断用カウンタと、新たな残量通知を受けて算出した判断用カウンタとの差が規定値以上であるか判断し(S1104)、前記差が規定値以上であると判断された場合、消耗品の在庫減算処理を行う(S1105)構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置で利用される消耗品の在庫管理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の消耗品在庫管理システムでは、消耗品の記録剤(トナー、インクなど)の残量が少なくなった、又は、無くなったことを示す通知情報を用いて消耗品の在庫減算を行うものがあった。消耗品の記録剤の残量が少なくなったことを示す通知(トナーロー通知)、無くなったことを示す通知(トナーエンプティ通知)などを、以下、残量通知という。
【0003】
しかし、印刷装置が持つ記録剤の残量の検知方法によっては、記録剤の残量が通知の閾値に達する前後において、印刷装置内で残量少信号が複数回上がることがある。そのため、1回の残量通知に対して、管理装置側で1個の消耗品の在庫減算を行う場合、正確な消耗品在庫管理が行えない場合があった。
【0004】
例えば、消耗品をカートリッジタイプで供給する画像形成装置では、ユーザがカートリッジを印刷装置から取り出して振ることにより、再度印刷が可能になる場合がある。この場合、短期間の間に装置内で複数回の残量少信号が発生し、1個のカートリッジ(消耗品)に関して結果的に複数回の残量通知が行われ、正確な在庫管理ができないという課題があった。
【0005】
この課題を解決するために、特許文献1のような提案がなされている。印刷枚数を元に、信号発生してから次回信号が発生するまでの間の印刷枚数が規定値より少ない場合、或いは、通知を一定時間以内に受け取った場合は、在庫減算の対象としない方法等が提案されている。
【特許文献1】特開2003−159854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記誤検知回避を行う従来の方法では、次のような問題がある。一例として、記録剤をトナーとして説明する。
【0007】
複数の特殊な出力パターンを有する色のトナーの場合、出力パターンにより、印刷枚数と実際のトナー消費量に大きくバラツキを生じることがある。
【0008】
例えば、透明なクリアトナーをカラー印刷物などの用紙に施すことで、写真のような光沢を出す場合がある。このクリアトナーの印刷においては、用紙全面にクリアトナーの印刷を施し、1度に大量にクリアトナーを消費する出力パターンがある(用紙全面印刷)。また、別のトナーによる印刷物の一部分のみクリアトナー印刷を行い、画像部分のみ光沢を出すなど、従来のカラートナーによる印刷などの消費量に近い印刷を行う出力パターンもある。
【0009】
なお、部分的な出力パターンとしては、予めフォームなどで登録している文字やデータ(社名ロゴなど)をクリアトナーで印刷する、ウォーターマークのように用いるなども考えられる。
【0010】
ここで、上述の用紙全面印刷では、1枚に対する1度の印刷において、カウンタを1つアップしてもトナー消費量が大きいため、他の部分的な印刷に比べて何枚分ものトナー消費量に相当する。つまり、用紙全面印刷では、通常のようにカウントするだけでは他の出力パターンでの印刷とのトナー消費量と釣り合いがとれない。このため、従来のように色情報(カラー/モノクロ)に応じて印刷枚数のカウント値を計測するといっただけでは、クリアトナーに関して言えばカウンタ値と実際のトナー消費量との間の従来のような相関がとれない。
【0011】
このような特殊色の記録剤の使用量が大きく異なる複数の出力パターンを実現できる装置では、従来の判断方法において以下のような課題が発生する。
【0012】
例えば、特殊な利用方法に偏って印刷を行った場合、印刷枚数のカウンタ値による消費量予測と実際の消費量に大きな差が生じる。
【0013】
上述の先行技術のように誤通知の検出するための信号間の印刷枚数の既定値は、消耗品ごとに規定されている印刷可能枚数に基づき設定されている。例えば、印刷可能枚数の「1/10」を既定値に設定するなどしている。
【0014】
ここで、ベタ印刷(前面印刷)を繰り返す場合、その他の出力パターンに比べ何倍もの記録剤が消費され、少ない印刷枚数でも実際に消耗品における記録剤がなくなってしまう場合がある。トナー消費量の少ない出力パターンでの印刷を繰り返す場合も、それら複数の出力パターンを使い分けるといった場合も、ユーザによってはあり得る用い方になる。したがって、従来の方法では、正しい残量通知を誤通知として判断し、在庫減算を行わないなどといった誤った制御が発生し、適切な在庫管理を実施することができないおそれがある。
【0015】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。
本発明の目的は、出力パターンにより消耗品の記録剤の消費量が大きく異なる印刷処理が可能な画像形成装置の消耗品の在庫管理においても、消耗品の在庫減算処理の誤りを抑制し、適切な在庫管理を実施する仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の画像形成装置で用いる消耗品の在庫を管理する管理システムは、前記画像形成装置は、特定の記録剤を用いて第1モードで画像形成した枚数をカウントする第1カウンタと、前記記録剤を用いて第1モードより記録剤を多く用いる第2モードで画像形成した枚数をカウントする第2カウンタと、前記消耗品における記録剤の残量を検知する検知手段と、前記検知手段が検知した前記記録剤の残量に従う残量通知を、前記第1カウンタのカウンタ値と前記第2カウンタのカウンタ値とともに、前記管理装置に通知する通知手段とを有し、前記管理装置は、前記画像形成装置から前記残量通知を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記残量通知とともに通知された前記第1カウンタ値と前記第2カウンタ値から、前記消耗品の在庫減算の判断に用いるカウンタ値を決定する決定手段と、過去の残量通知を受けて前記決定手段が決定したカウンタ値と、新たな残量通知を受けて前記決定手段が決定したカウンタ値との差が規定値以上であるか判断する判断手段と、前記判断手段により前記差が規定値以上であると判断された場合、前記消耗品の在庫減算処理を行う処理手段とを有する、ことを特徴とする。
【0017】
本発明の管理装置は、画像形成装置で利用される消耗品の在庫を管理する管理装置であって、前記画像形成装置に装着された消耗品における特定の記録剤の残量に従う残量通知を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記残量通知とともに通知された、前記画像形成装置が前記記録剤を用いて第1モードで画像形成した枚数を示す第1カウンタ値と、前記画像形成装置が前記記録剤を用いて前記第1モードより記録剤を多く用いる第2モードで画像形成した枚数を示す第2カウンタ値から、前記消耗品の在庫減算の判断に用いるカウンタ値を決定する決定手段と、過去の残量通知を受けて前記決定手段が決定したカウンタ値と、新たな残量通知を受けて前記決定手段が決定したカウンタ値との差が規定値以上であるか判断する判断手段と、前記判断手段により前記差が規定値以上であると判断された場合、前記消耗品の在庫減算処理を行う処理手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、出力パターンにより消耗品の記録剤の消費量が大きく異なる印刷処理が可能な画像形成装置の消耗品の在庫管理においても、消耗品の在庫減算処理の誤りを抑制し、適切な在庫管理を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0020】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態における消耗品在庫管理システムの構成を表すブロック図である。
図1に示すように、管理対象となる画像形成装置101の消耗品状態を管理する管理装置102がネットワーク104を介して画像形成装置101に接続されている。画像形成装置101は、画像形成装置101の消耗品の状態をネットワーク104を介して管理装置102に通知することが可能になっている。
ネットワーク104は、ローカルLAN、又は専用線、インターネットのいずれでも良い。
【0021】
また、画像形成装置101に管理装置102への通知機能を有していない場合は、同じネットワーク104内に監視装置103を接続する。そして、この監視装置103が画像形成装置101の消耗品状態を監視し、該消耗品状態をネットワーク104を介して管理装置102に通知する構成であってもよい。なお、監視装置103については後述する第3実施形態で説明する。
【0022】
[画像形成装置]
図2は、本発明の実施の一形態に係わる情報処理装置を備えた画像形成装置101の構成を示す図である。
【0023】
画像形成装置101は、例えば、デジタル複合機、ファクシミリ装置、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタ、スキャナー装置などの画像形成装置に適用することができる。
【0024】
図2に示すように、画像形成装置101は、ROM203に格納されているプログラム(後述する図4の各処理を実現するためのプログラムも含む)を実行するCPU201を備える。CPU201は、内部バス206を介して各デバイスを総括的に制御する。
【0025】
画像形成装置101では、CPU201、RAM202、ROM203、記憶装置204、デバイス制御部207、印刷部208、ネットワークインターフェース205の各デバイスが内部バス206を介して接続されている。なお、記憶装置204は、例えば、ハードディスク装置(HDD)や不揮発性メモリ等である。
【0026】
RAM202は、CPU201のメモリやワークエリアとして機能する。なお、RAM202は、バックアップRAMであり、画像形成装置101の電源停止後も、後述するカウンタ情報、システム情報及びステータス情報等を保存することが可能である。
【0027】
デバイス制御部207は、印刷部208を制御する。ネットワークインターフェース(NW I/F)205は、ネットワーク104を介して、外部のネットワーク機器或いはパーソナルコンピュータ(PC)と双方向にデータをやりとりする。
【0028】
記憶装置204は、外部記憶装置として機能し、画像データ等を記憶するほか、前記バックアップRAM202に代えて、後述するカウンタ情報、システム情報及びステータス情報等を保存することも可能である。また、CPU201は、記憶装置204等の記録媒体に画像データを記録する処理を行う。
【0029】
デバイス制御部207、印刷部208は、画像形成装置101で使用する消耗品の状態を監視制御する。例えば、印刷部208は、不図示のセンサを有し、画像形成装置101にセットされているトナーなどの記録剤の残量を検知することができる。そして、トナー残量が少なくなった、又は、無くなった場合、その旨を示す信号をデバイス制御部207を介してCPU201に通知する。
【0030】
そして、CPU201は、デバイス制御部207から受け取った消耗品の状態をネットワークインターフェース205からネットワーク104を介して、管理装置102に通知する。
【0031】
また、印刷部208は、光沢度調整用の記録剤(クリアトナー)を備え、印刷ジョブに応じて後述する図8に示すような出力パターンの印刷を行うことができる。
【0032】
なお、消耗品在庫減算処理部403、設定処理部404については後述する第4実施形態で説明する。
【0033】
[管理装置]
図3は、本発明の実施の一形態に係わる情報処理装置を備えた管理装置102の構成を示す図である。
【0034】
管理装置102は、画像形成装置101を監視、管理する装置であり、例えばPC、サーバなどの情報処理装置に適用することができる。
【0035】
図3に示すように、管理装置102は、ROM303に格納されているプログラム(後述する図5の各処理を実現するためのプログラムも含む)を実行するCPU301を備え、内部バス306を介して各デバイスを総括的に制御する。
【0036】
管理装置102では、CPU301、RAM302、ROM303、ハードディスク装置や不揮発メモリ304(以後、記憶装置という)、ネットワークインターフェース305の各デバイスが、内部バス306を介して接続されている。
【0037】
ネットワークインターフェース305は、ネットワーク104を介して、画像形成装置101を含む外部のネットワーク機器或いはパーソナルコンピュータ(PC)と双方向にデータをやりとりする。
【0038】
記憶装置304は、外部記憶装置として機能し、画像形成装置101の登録情報を記憶するほか、後述するカウンタ情報、システム情報及びステータス情報等も保存する。
【0039】
また、管理装置102には、管理装置の設定や管理を行うための入出力インターフェース307、それに接続するディスプレイやキーボード、マウス等の入出力装置308を設けている。また、管理装置102は、入出力装置308以外にもネットワーク104を介して別の情報処理装置などにも同じUI機能を提供することもできる。例えば、管理装置102は、プログラムによりHTTP等のプロトコルを用いて外部装置と通信することにより、外部からも設定や管理を行うことを可能とする。
【0040】
[消耗品の管理]
次に、図4、図5を用いて、画像形成装置101で使用する消耗品の情報を、管理装置102にて管理する方法について説明する。
【0041】
図4は、画像形成装置101の処理モジュール群(以後、処理部とする)を示す機能ブロック図であり、図2と同一のものには同一の符号を付してある。
【0042】
図5は、管理装置102の処理モジュール群を示す機能ブロック図であり、図3と同一のものには同一の符号を付してある。なお、管理装置102はパーソナルコンピュータやサーバ等の情報処理装置で構成することが多いため、図5に示す処理モジュール群501〜504はプログラムにて実現が容易であり監視装置103(第3実施形態)にも同じ構成のまま適用することができる。
【0043】
画像形成装置101において、401は通信処理部である。通信処理部401は、画像形成装置101内のネットワークインターフェース205を制御して、ネットワーク104を介して画像形成装置101と管理装置102又は監視装置103とを接続する。また、通信処理部401は、デバイス管理部402の指示に従い、外部の管理装置102や監視装置103(第3実施形態)と必要な情報をやり取りする処理を行う。なお、デバイス管理部402は、画像形成装置101の全体を制御するものである。
【0044】
通信処理部401は、一般的な通信プロトコルを用いて画像形成装置101の状態を管理装置102や監視装置103(第3実施形態)に通知したり、逆に、管理装置102や監視装置103からデータを受信したりすることができる。例えば、通信プロトコルは、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やHTTP(Hypertext Transfer Protocol)といったプロトコルとする。
【0045】
次に、デバイス管理部402について説明する。
デバイス管理部402は、前述のように画像形成装置101全体の動作を管理、制御する。デバイス管理部402は、デバイス制御部207を介して、印刷部208に指示を行ったり、印刷部208で発生する情報を取得する。これらの情報の例として、印刷終了や、印刷用紙切れ、印刷に必要な消耗品の装着状況、消耗品の残量などの情報がある。また、デバイス管理部402は、これらの情報を元に印刷を取りやめたり、消耗品の交換を促したりといった制御を行う。
【0046】
また、デバイス管理部402は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置から受信した印刷ジョブに含まれる印刷モード(後述する図8に示す)を解析し、該印刷モードに応じたカウンタをカウントアップさせる。なお、このカウンタは、上記印刷モード毎に設けられ、バックアップRAM202又は記憶装置204に記憶されている。
【0047】
また、デバイス管理部402は、印刷部208からデバイス制御部207を介して通知される消耗品における記録剤の残量少、又は残量無しを示す信号に基づく残量通知を通信処理部401を介して、管理装置102に通知する。なお、クリアトナーの残量通知を通信処理部401に送信する際、デバイス管理部402は、上述した印刷モード毎のカウンタのカウンタ値をクリアトナーの残量通知に含めて、通信処理部401に送信する。ここでは、残量通知にカウンタ値を含めるものとしているが、それぞれを連続して時間や識別情報で関連付けるように通知してもよい。
【0048】
これらの処理を行う為に、通信処理部401、デバイス管理部402を実現するためのプログラムが図2に示したROM203、記憶装置204等に格納されている。このプログラムは、CPU201にて実行され、必要に応じてROM203、記憶装置204などに情報を書き込んだり、逆に情報を読み出したりする。
【0049】
デバイス管理部402は、予め定義された情報だけで動作するのではなく、消耗品在庫減算処理部403(第4実施形態)や、ネットワーク104経由で画像形成装置の設定を変更、管理することを行う設定処理部404(第4実施形態)ともやり取りを行う。そして、デバイス管理部402は、設定や消耗品の状態について管理装置102、監視装置103(第3実施形態)に対して通知を行ったり、逆に要求に応じて設定や状態を返すことができる。
【0050】
続いて、管理装置102の各処理部について図5を用いて説明する。
管理装置102において、501は通信処理部である。通信処理部501は、ネットワークインターフェース305を制御することにより、ネットワーク104を介して管理装置102と画像形成装置101や監視装置103とを接続する。
【0051】
通信処理部501は、管理システム処理部502の指示に従い、外部の監視装置103や監視対象とする画像形成装置101と必要な情報をやり取りする処理を行う。なお、管理システム処理部502は、管理装置102の全体を制御するものである。
【0052】
通信処理部501は、上述したSMTPやHTTPといった一般的な通信プロトコルを用いて、画像形成装置101からの通知を受信したり、逆に、画像形成装置101にデータを送信したりすることができる。
【0053】
なお、消耗品在庫減算処理部503は、画像形成装置101から通知される消耗品の情報に従って消耗品の管理を行う。
【0054】
設定処理部504は、各種システムの設定や前述の消耗品を管理するために必要な情報を設定するためのものである。設定処理部504は、設定した情報や消耗品の在庫情報を処理したり保存するために、記憶領域(RAM302、ROM303、HDD304等)と連携する。
【0055】
また、設定処理部504は、管理システム処理部502、入出力処理部(入出力I/F)307を介して、ディスプレイやキーボード、マウスといった入出力装置308を利用し、設定情報を登録、更新したり、設定状態を表示させたりすることができる。
【0056】
以上、説明したように各処理部はプログラムにて動作することを説明したが、一部機能をコントローラに用意し処理することも可能である。
【0057】
次に、図6〜図11の画面例やフローチャートを用いて、設定処理部504及び消耗品在庫減算処理部503の実現方法について説明する。
【0058】
図6は、消耗品基本情報画面の一例を示す図である。
図6において、601は消耗品基本情報画面である。この消耗品基本情報画面601は、入出力装置308を介して入力されるユーザ指示に応じて、設定処理部504の制御により入出力装置308を介して表示される。この消耗品基本情報画面601から消耗品基本情報の設定を行うことができる。
【0059】
この消耗品基本情報画面601では、消耗品在庫処理で用いる最低の単位で消耗品の管理をすることが可能である。これは、消耗品管理において在庫が1つ減少することに対し、新しい消耗品を1つ補給するためである。なお、通常は1つの消耗品に対し1つの型名が定義される。
【0060】
以下、消耗品基本情報画面601の構成と消耗品基本情報の設定方法について説明する。
消耗品基本情報画面601において、ユーザは入出力装置308を介して、機種の情報602をリストで選択する。次に、ユーザは入出力装置308を介して、機種の情報602に紐付く消耗品の型名603をリストで選択する。
【0061】
消耗品の型名603の選択機能により消耗品604が特定されると、設定処理部504の制御により、選択した消耗品604に用意される印刷可能枚数が印刷可能枚数フィールド605に適用(表示)される。なお、印刷可能枚数とは、消耗品をある特定の出力パターンにおいて印刷した際、使い切るまでにどれだけの枚数を印刷可能であるかを示す数値である。特定の出力パターンでの数値であるため、印刷可能枚数は公称印刷枚数とも呼ばれる。なお、印刷可能枚数605は、入力フィールドで構成され、変更することが可能である。
【0062】
入出力装置308を介して更新ボタン607を指示することにより、消耗品基本情報画面601上で選択又は指定した各情報により、記憶装置304に記憶される消耗品基本情報を更新することができる。
【0063】
また、入出力装置308を介してリセットボタン608を指示することにより、消耗品基本情報画面601上で選択又は指定した各情報を更新前の状態にリセットすることができる。
【0064】
消耗品基本情報画面601には、詳細設定ボタン606が設けられている。入出力装置308を介して詳細設定ボタン606が指示されると、設定処理部504は、消耗品型名603にて指定した消耗品について詳細な設定を行う消耗品詳細情報画面701(図7)を入出力装置308に表示させる。
【0065】
図7は、消耗品詳細情報画面の一例を示す図である。
消耗品詳細情報画面701は、指定されている消耗品の減算処理に使用する情報の設定を行うためのものである。
【0066】
消耗品詳細情報画面701には、設定処理部504の制御により、前の画面(消耗品基本情報画面601)で選択している機種名、消耗品型名に紐付く消耗品の処理用情報が表示される。
【0067】
カウンタ番号702は、画像形成装置101を利用した際、用紙サイズや印刷の様式に合わせて画像形成装置101内でカウントアップされるカウンタを意味している。例えば、図中のカウンタ番号51は、クリア色トナーを第1モードを用いてA4サイズ用紙に1枚印刷した際にカウントアップされるカウンタを示している。本実施形態で示す例では、この消耗品の在庫管理を3個のカウンタ番号50、51、52を用いて行うものとする。
【0068】
703はチェックボックスであり、カウンタ番号702で示されるカウンタ番号のカウンタを使用するか否かを選択するためのものである。このチェックボックス703を指定したカウンタ番号が消耗品在庫管理の対象となる。
【0069】
パラメータ704には、数値を入力することができ、初期値は予め各カウンタ番号のカウントアップ時の使用量に基づき算出されたパラメータが適用される。
【0070】
なお、カウンタ番号51に対しカウンタ番号50のパラメータが小さいのは、カウンタ番号50のカウントアップ条件での使用量が、カウンタ番号51のときに比べて約1/5であることを意味している。
【0071】
また、カウンタ番号51に対しカウンタ番号52のパラメータが大きいのは、カウンタ番号52のカウントアップ条件での使用量が、カウンタ番号51のときに比べて約15倍であることを意味している。
【0072】
ただし、ユーザの利用状況により、消耗品消費量には、ばらつきが発生するため、カウンタ番号50〜52の各パラメータは変更可能に構成されている。ここで、カウンタ番号50〜52に対応する出力パターン例について説明する。
【0073】
図8は、カウンタ番号50〜52に対応する出力パターン(トナー消費量のパターン)例を示す図である。
【0074】
図8に示す出力パターン例A801、出力パターン例B802、出力パターン例C803は、画像形成装置101がクリアトナー(透明色)を使用する場合に利用できる出力のパターンの一例を示している。
【0075】
まず出力パターン例B802について説明する。
出力パターン例B802は、一般的な文字印刷などの出力パターンに近い出力例(第1モードで画像形成した際の出力パターン例)である。B802は、用紙上に色が出力されている箇所にのみクリアトナー(透明色)を出力するパターン例で、他の色の消耗品が使用されることに応じてクリアトナー(透明色)の使用量も増加するものである。第1モードは、用紙に対して部分的にクリアトナーを出力するモードである。
【0076】
次に、出力パターン例C803について説明する。
出力パターン例C803は、用紙全面にクリアトナー(透明色)を出力するパターン例(第2モードで画像形成した際の出力パターン例)である。このパターン例において、文字”あ”は文字や図などの出力パターンを示し、用紙全面にある格子状の範囲は全てクリアトナー(透明色)を出力することを示している。ここで、用紙全面に対するクリアトナーの出力とは、画像形成装置で用紙に対して画像形成可能な範囲全体に対してクリアトナーを塗布するといったことを示す。つまり、装置の構成上、印字不可能な用紙のフチ部分があっても、実質的に用紙全面に対する出力とする。
【0077】
この出力パターン例C803は、印刷例804で表すようなグラフィック印刷領域全てにクリアトナー(透明色)を出力することで、光沢感や艶消し、又は印刷していない用紙部分と印刷部を均一な出力結果にするための出力パターンである。この出力パターン例C803においては、クリアトナーの消費量は通常の印刷枚数で定義されている出力パターンに比べて非常に多くなる。
【0078】
最後に、出力パターン例A801について説明する。
出力パターン例A801は、ヘッダー、フッターに対してのみクリアトナー(透明色)を適用する出力パターン例(第3モードで画像形成した際の出力パターン例)を示している。この時、クリアトナー(透明色)は、印刷用紙1枚に対してごく少量しか使用されない。これは通常の印刷枚数で定義されている出力パターンに比べても少なく、複数ページ印刷することで始めて他の色の消耗品が1枚の印刷に費やす使用量と並ぶものである。
【0079】
なお、上述の第1〜3モード等の印刷モードは、印刷ジョブを生成した情報処理装置のプリンタドライバにて設定されるものである。例えば、ユーザが、プリンタドライバの設定画面から上記第1〜3モードのいずれかの印刷モードを選択して印刷実行する。これにより、情報処理装置上で、上記第1〜3モードのいずれかの印刷モードの印刷ジョブが生成され、画像形成装置101に送信される。
【0080】
なお、出力パターン例A801を実行した(第3モードで画像形成した)場合に増加するカウンタを50とする。また、出力パターン例B802を実行した(第1モードで画像形成した)場合に増加するカウンタを51(第1カウンタ)とする。また、出力パターン例C803を実行した(第2モードで画像形成した)場合に増加するカウンタを52(第2カウンタ)とする。また、出力パターン例A801を実行した(第3モードで画像形成した)場合に増加するカウンタを50(第3カウンタ)とする。
【0081】
即ち、画像形成装置101のデバイス管理部402は、印刷ジョブに含まれる印刷モードを解析し、第1モードの場合はカウンタ51、第2モードの場合はカウンタ52、第3モードの場合はカウンタ50をカウントアップさせる。
【0082】
なお、管理装置102の消耗品在庫減算処理部503では、画像形成装置101から通知された各カウンタの増加に対し通常の印刷枚数で定義されている出力パターンで増加するカウンタと近似させるため、各カウンタに対し補正をかける。
【0083】
例えば、カウンタ番号50ではヘッダーに対してのみ消耗品が使用されるため、通常の印刷枚数で定義されている出力パターンで使用する消耗品量の20%程度しか使用しないことから、パラメータ設定フィールド704に「0.2」を適用する。これにより、カウンタ50が5増加することで、通常の用紙1枚に印刷したときと同等のカウンタ増加があったものとみなすことができる。なお、20%という数値は一般的なものではなく、機種や消耗品の種類により値が前後することは言うまでもない。
【0084】
また、カウンタ番号51は、通常に印刷されるパターンに極めて近いため例ではパラメータに「1」を適用し、他の色の消耗品と同じ量だけカウンタが増加する。ある機種ではクリアトナー(透明色)は他の色の消耗品に比べ薄く適用される。このような場合は、パラメータに「1」ではなく、「0.8」とか「0.7」などの値を適用すればよい。
【0085】
カウンタ番号52は、消耗品のトナーを大量に消費するため、カウンタが1増加することは通常の印刷を行ったときよりも何倍もトナーを使用しているものとして、パラメータに「15」を適用する。なお、カウンタ番号52もカウンタ番号51と同様に、他のトナーに対して適用される量に応じてパラメータの値を「15」から前後させればよい。
【0086】
前述しているがパラメータ704の設定に対し、実際に消耗品の減算処理にそのカウンタ番号及びパラメータ適用を行うか否かを703の使用するチェックボックス703にて決定する。
【0087】
チェックボックス703をチェックすると、其のチェックボックスに対応するカウンタ番号702のカウンタは、消耗品減算処理の情報として使用され、かつ使用する際にパラメータ704の値を乗算したものを補正したカウンタ値として扱われる。
【0088】
図7の例では、カウンタ番号50、51、52に対応するチェックボックスの全てにチェックがされているため、3つのカウンタの値を用いて消耗品の減算処理を行う。
【0089】
一方、出力パターン例に応じて、各カウンタは個々に独立して増加するため、複数のパターンを一消耗品のカウンタとするためには、各カウンタ番号を補正した後に、合算することで全体の消耗品消費量を求めることができる。
【0090】
なお、図8の印刷パターン例は一例であって、例えば、透明色だけでなく、銀色や金色のトナーやCMY等のカラートナーにおいても、複数の出力パターンを用意する際には適用可能である。
【0091】
以下、各カウンタの補正値合算方法について図9を用いて説明する。
図9は、各カウンタの補正値合算方法を示す図である。図9に示す式において、各々の記号を以下のように定義する。
【0092】
Cnt:消耗品在庫減算判断処理に使用するカウンタ(在庫減算処理判断用カウンタ)。
CntA、CntB、CntC:印刷様式毎にデバイスに用意されるカウンタ。
【0093】
図9の例では、
CntA:カウンタ番号50の値(第3カウンタ値)。
CntB:カウンタ番号51の値(第1カウンタ値)。
CntC:カウンタ番号52の値(第2カウンタ値)。
【0094】
α:印刷様式毎にデバイスに用意されるカウンタを補正するパラメータ値(図7では「0.2」)(第3パラメータ)。
β:印刷様式毎にデバイスに用意されるカウンタを補正するパラメータ値(図7では「1」)(第1パラメータ)。
γ:印刷様式毎にデバイスに用意されるカウンタを補正するパラメータ値(図7では「15」)(第2パラメータ)。
【0095】
合算値Cntは以下のように求められる。
まず、カウンタ番号50の値にカウンタ番号50のパラメータ「0.2」を乗算した値をカウンタ番号50の補正値とする。また、カウンタ番号51はパラメータ「1」なのでカウンタ番号51の値をそのままをカウンタ番号51の補正値とする。また、カウンタ番号52の値にカウンタ番号52のパラメータ「15」を乗算した値をカウンタ番号52の補正値とする。
【0096】
そして、上述したカウンタ番号50の補正値、カウンタ番号51の補正値、カウンタ番号52の補正値を合算した値を合算値Cntとする。以上のように、消耗品詳細情報画面701で設定した値は扱われる。
【0097】
以下、図7の説明に戻る。消耗品詳細情報画面701で設定した値を決定する場合は、ユーザは、更新ボタン705を押下する。これにより、設定処理部504が、消耗品詳細情報画面701で設定された値で記憶領域302〜304に記憶される消耗品詳細情報を更新し、消耗品基本情報画面601に画面を戻す。
【0098】
なお、消耗品詳細情報画面701で設定した値を適用しない場合は、更新しないボタン706を押下する。これにより、設定処理部504は、消耗品詳細情報画面701で設定された値を無効にし(変更する前の状態に戻した後)、消耗品基本情報画面601に画面を戻す。
【0099】
[消耗品の在庫管理]
次に図10を用いて、消耗品在庫管理について説明する。
図10は、消耗品在庫管理情報画面の一例を示す図である。
図10において、1001は消耗品在庫管理情報画面である。この消耗品在庫管理情報画面1001は、入出力装置308を介して入力されるユーザ指示に応じて、設定処理部504の制御により入出力装置308を介して表示される。
【0100】
この消耗品在庫管理情報画面1001では、管理装置102で管理している消耗品について、画像形成装置101を利用しているユーザが保有する消耗品の在庫管理情報を設定可能である。詳細には、消耗品在庫管理情報として、消耗品の型名1002、消耗品の在庫保管場所1003、消耗品の在庫数1004、通知在庫数1005等を設定できる。
【0101】
また、消耗品在庫管理情報画面1001は、消耗品管理者指定フィールド1006、消耗品管理者メールアドレス指定フィールド1007を有する。
【0102】
消耗品管理者指定フィールド1006は、画像形成装置101にて消耗品の補充交換が必要になった際、画像形成装置の消耗品管理を担当しているユーザ名又は部署を指定するものである。また、消耗品管理者メールアドレス指定フィールド1007は、消耗品管理者1006に通知する消耗品管理者メールアドレス指定するものである。
【0103】
なお、消耗品在庫管理情報画面1001は、ユーザの利用状況により以下のような指定が可能である。
消耗品在庫管理情報画面1001で、特定の一画像形成装置に対する消耗品の消耗品在庫管理情報を扱うことで、画像形成装置1台ごとに消耗品を管理する肌理細かい設定ができる。また、消耗品在庫管理情報画面1001で、同じ消耗品を使用する複数の同一画像形成装置又は異なる画像形成装置の消耗品在庫管理情報を扱うことで、複数台の画像形成装置をまとめて管理できる。この場合、複数台の画像形成装置のいずれかで消耗品補充が発生する際にも一消耗品管理者に通知することも可能である。ユーザは、このような消耗品在庫管理情報画面1001の管理対象を不図示の画面から選択することができるものとする。
【0104】
ここで、消耗品在庫管理情報画面1001で設定された消耗品在庫管理情報と、実際に消耗品が減算されたときの管理装置102の処理の関係について説明する。
【0105】
在庫数1004には、現時点でユーザの消耗品管理場所にて在庫として存在している消耗品の数量が登録されている。通知在庫数1005は、消耗品の在庫を補充する必要がある場合の在庫数を指定するフィールドである。
【0106】
通常、在庫数1004が通知在庫数1005に達した時点で、消耗品在庫減算処理部503の制御により、消耗品を補充する消耗品販売会社や消耗品取り扱い業者より消耗品の発送処理が行われる。このため、通知在庫数1005を「1」にすることでユーザ側において交換するための消耗品がないということを防ぐことができる。
【0107】
なお、同じ消耗品を使用する画像形成装置を複数台使用しているユーザの場合、通知在庫数1005を多めに設定することで複数台の画像形成装置において同時に消耗品補充が必要となった場合にも対応できる。
【0108】
消耗品の在庫数1004が通知在庫数1005に達した場合、消耗品在庫減算処理部503は、上述した消耗品の発送処理を実行するとともに、消耗品管理者メールアドレス1007に対してメールを送信する。このメールには、消耗品補充が必要なデバイスの情報、例えば製造番号や管理上登録している名称と、交換が必要な消耗品型名、又は、必要に応じて色情報等が含まれる。消耗品管理者は、このメール情報に基づき、どの画像形成装置の消耗品を交換すれば良いかを容易に把握できる。
【0109】
なお、消耗品在庫減算処理部503は、消耗品の在庫数1004が1つ減少する毎に、消耗品管理者メールアドレス1007に対して上記メールを送信するものとする。
【0110】
また、消耗品在庫管理情報画面1001において、1008は更新ボタンであり、ユーザは、消耗品在庫管理情報画面1001での設定を更新したい場合に押下する。更新ボタン1008が押下されると、設定処理部504は、消耗品在庫管理情報画面1001による設定を反映して、記憶領域302〜304に記憶される消耗品在庫管理情報を更新する。
【0111】
さらに、1009は戻るボタンであり、ユーザは、消耗品在庫管理情報画面1001での設定を取り消したい場合に押下する。戻るボタン1009が押下されると、設定処理部504は、設定変更を反映しない状態で消耗品在庫管理情報画面1001での設定を終了する。
【0112】
本実施形態では、消耗品の在庫補充を行う在庫数を、通知在庫数1005に設定する構成としている。しかし、通知在庫数1005が未設定の時、例えばデフォルトをゼロとした場合においても、消耗品在庫減算処理部503は上述した発送処理や通知処理を行うものとする。また、通知在庫数1005に数値を指定しなくても、消耗品在庫減算処理部503は自動で上述した発送処理や通知処理を行うように構成してもよい。また、逆に通知在庫数1005が「0」のままでは通知は行わないように構成してもよい。
【0113】
[消耗品の在庫減算に関する処理]
上記説明してきた設定情報、処理情報を元に本発明における消耗品の在庫減算処理を図11のフローチャートを用いて説明する。
【0114】
図11は、本発明の消耗品の在庫減算に関する処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで実行される処理は、第1実施形態では管理装置102の消耗品在庫減算処理部503にて実行される。すなわち、このフローチャートの処理は、管理装置102のRAM302、ROM303、記憶装置304のいずれかの記憶手段に記録されたプログラムをCPU301が実行することにより実現されるものである。
【0115】
なお、在庫減算処理に使用する判断情報、残量通知時のカウンタ値、在庫数、通知在庫数、消耗品の基本情報は、管理装置102の電源が切れても消失しないよう記憶装置304において記録するものとする。ただし、上記各情報を、ROM303に記録するようにしてもよいし、RAM302をバックアップRAMとして、RAM302に記録するようにしてもよい。
【0116】
また、この在庫減算処理は、一消耗品単位での処理を表している。そして、同一の画像形成装置において各消耗品に対する在庫減算処理は独立しているものとする。
【0117】
なお、ここでは、消耗品の記録剤をクリアトナーとして説明する。
【0118】
まず、ステップS1101では、消耗品在庫減算処理部503は、記憶装置304に記憶される前回残量通知時のカウンタに初期値としてNULLを設定する。画像形成装置101から1度も消耗品の残量通知がない状態においては、前回残量通知時のカウンタが存在しないためである。
【0119】
なお、残量通知とは、画像形成装置101において消耗品のクリアトナーの残量がゼロ又は画像形成装置101にて設定されているロー条件を満たした時に画像形成装置101から管理装置102に送信される通知である。この残量通知には次の情報も一緒に含まれている。
【0120】
画像形成装置を特定する情報(例えば製造番号や管理用にユニークで指定するデバイス管理情報)と、消耗品を特定する情報(例えば消耗品の型名)、消耗品の商品コード、消耗品の残量ゼロなどを表す番号等の固有の通知コードが含まれる。さらに、残量通知には、通知時のカウンタ値(クリアトナーの場合はクリアトナー使用時にカウントアップするカウンタ50,51,52の各カウンタ値)などが含まれる。このクリアトナーのカウンタ値は、従来、1つであったが、本実施形態では複数のカウンタ値(上述したカウンタ番号50,51,52の各カウンタ値)を印刷パターンにより設けている。
【0121】
次に、ステップS1102では、消耗品在庫減算処理部503は、画像形成装置101からの残量通知を受信するまで待機する。そして、残量通知を受信すると、消耗品在庫減算処理部503は、ステップS1103に処理を進める。
【0122】
ステップS1103では、消耗品在庫減算処理部503は、残量通知に含まれるカウンタ値を用いて、消耗品の減算処理で判断に用いるカウンタの値を決定する。この際、前述した予め消耗品の減算処理の対象とするカウンタ番号に対して処理を実行する。ここでは、カウンタ番号50,51,52の各カウンタ値を、図9に示したように、夫々のパラメータα,β,γにて補正し、かつそれら補正値を合算し、在庫減算処理で用いる判断用カウンタ(Cnt)の値を算出している。算出後ステップS1104に処理を進める。なお、補正パラメータを用いた算出以外にも、所定のテーブルを用いて判断用カウンタを決定してもよい。
【0123】
次に、消耗品在庫減算処理部503は、今回の残量通知に対し消耗品の在庫減算処理を実行するか、又は、誤通知とみなして在庫減算処理を実行しないかを判断する。なお、上記誤通知とは、ユーザが消耗品の取り出して再装着したことによる通知や、画像形成装置自体の通知ロジック制限による通知等を含む。
【0124】
具体的には、ステップS1104で、消耗品在庫減算処理部503は、前回残量通知時の判断用カウンタ値と、今回通知された判断用カウンタ値の差を求め、該求めた差が規定値(例えば2000)以上であるか否かを判断する。
【0125】
そして、ステップS1104において、前回残量通知時の判断用カウンタ値と、今回通知された判断用カウンタ値との差が規定値以上であると判断した場合、消耗品在庫減算処理部503は減算処理を実行すると判断する。一方、前回残量通知時の判断用カウンタ値と今回通知された判断用カウンタ値との差が規定値未満であると判断した場合、消耗品在庫減算処理部503は減算処理を実行しないと判断する。なお、本実施形態では、消耗品に定義されている印刷可能枚数の1割を上記の規定値とし、前記差が規定値未満であった場合は減算処理の対象としないものとする。
【0126】
ステップS1104で減算処理を実行しないと判断した場合、消耗品在庫減算処理部503は、ステップS1108へ処理を進める。
【0127】
一方、ステップS1104で減算処理を実行すると判断した場合、消耗品在庫減算処理部503は、ステップS1105に処理を進め、在庫数の減算処理(消耗品在庫減算処理)を実行する。この処理フローは、残量通知1通知ごとの処理であり、消耗品在庫減算処理では、記憶装置304に記憶される消耗品の在庫数Xを1だけ減算する。
【0128】
減算処理を実行するとステップS1106に処理を進め、消耗品在庫減算処理部503は、消耗品の減算処理により消耗品の補充が必要になったか否かを判断する。具体的には、消耗品在庫減算処理部503は、予め図10の消耗品在庫情報画面にて設定され記憶装置304に記憶されている通知在庫数1005の値と、今回ステップS1105で減算した在庫数Xを比較する。そして、該在庫数Xが前記通知在庫数1005の値以下である場合、消耗品在庫減算処理部503は、消耗品の補充が必要であると判断する。一方、今回ステップS1105で減算した在庫数Xが消耗品在庫情報画面にて設定されている通知在庫数1005の値より大きい場合、消耗品在庫減算処理部503は、消耗品の補充は必要でないと判断する。
【0129】
ステップS1106で消耗品の補充は必要ないと判断した場合、消耗品在庫減算処理部503は、ステップS1108へ処理を進める。
【0130】
一方、ステップS1106で消耗品の補充が必要であると判断した場合、消耗品在庫減算処理部503は、ステップS1107に処理を進め、消耗品補充の通知処理を実行する。消耗品補充の通知処理は、在庫減算処理の結果、消耗品の在庫数が閾値以下(通知在庫数1005の値以下)になった場合、消耗品を予め設定された配送先(不図示)に配送する指示を、予め設定された配送指示の通知先に通知する(手配する)。即ち、予め設定されている消耗品を補充する販売会社や代理店、物流センタ等に、消耗品補充の通知(配送指示)を行うものである。なお、この通知は、予め設定されている消耗品を補充する販売会社や代理店、物流センタ等の都合にあわせ、メールやSOAPなどの通信手段を用いる。この通信を行う手段は、管理装置102におけるRAM302、ROM303、記憶装置304のいずれかの記憶手段と、CPU301にて実行可能な手段であればどのようなものでもよい。また、この通知には、消耗品型名や、補充数(予め設定されている)、補充先(予め設定されている)等が含まれているものとする。なお、消耗品在庫減算処理部503は、消耗品補充通知処理を行った後、記憶装置304に記憶される消耗品の在庫数Xを上述の補充数だけインクリメントする。
【0131】
次に、ステップS1108で、消耗品在庫減算処理部503は、消耗品補充通知の実行の有無に係らず、画像形成装置101において消耗品の交換が必要な旨を設定された通知先(消耗品管理者メールアドレス1007)に通知する。そして、ステップS1109へ処理を進める。
【0132】
ステップS1109では、消耗品在庫減算処理部503は、画像形成装置101で発生していた残量無し状態又は残量少状態が解消されることを示す、解消通知を受信するまで待機する。
【0133】
画像形成装置101では、消耗品の交換を判断したなどの時点で、管理装置102に対してこの解消通知を送信する。
【0134】
そして、ステップS1109において、解消通知を受信すると、消耗品在庫減算処理部503は、ステップS1110に処理を進め、次回残量通知を受信する準備を行う。
【0135】
ステップ1110では、消耗品在庫減算処理部503は、今回の解消通知に含まれるカウンタ50,51,52の各カウンタ値を元にステップS1103と同じ方法で消耗品の在庫減算処理の判断に用いるカウンタを決定する。即ち、残量通知時と同じように、通知されたカウンタ値を元に判断用カウンタを算出する。
【0136】
次に、ステップS1111において、消耗品在庫減算処理部503は、前述のように算出された消耗品の在庫減算処理の判断用カウンタ値を前回残量通知時のカウンタとして記憶装置304に記録し、ステップS1102に処理を戻す。以降、これを繰り返し、条件を満たすたびに消耗品の在庫減算処理を実行する。
【0137】
なお、本実施形態では、カウンタ番号50,51,52の各カウンタ値を用いて消耗品の在庫減算処理の判断用カウンタ値を算出した。しかし、カウンタ番号51のカウンタ値とカウンタ番号52のカウンタ値とを用いて消耗品減算処理判断用カウンタ値を算出するようにしてもよい。この場合、算出式は「Cnt=CntB×β+CntC×γ」となる。
【0138】
また、本実施形態では、消耗品をクリアトナー(透明色)として説明したが、クリアトナーと同様な出力パターンを有する記録剤において本発明が適用されることは言うまでもない。
【0139】
例えば従来のカラートナー(CMY等)においても、印刷時のトナー使用量の応じた複数のカウンタを画像形成装置に備えることで、上述したクリアトナーの場合と同じ減算処理判断を実施することが可能である。
【0140】
また、本実施形態では、消耗品をトナーとして説明を行った。しかし、同様にインクジェット方式の画像形成装置や、昇華型の画像形成装置等の他の印刷方式の画像形成装置であっても、本発明を適用可能である。即ち、画像形成装置で用いる記録剤(インクやインクシート等)を消耗品として、記録剤の使用量に応じて複数のカウンタを用意することで、トナーの場合と同じ減算処理判断を実施することが可能である。
【0141】
さらに、本実施形態では、消耗品の残量無しを示す残量通知の取得に応じて、判断用カウンタの算出や在庫減算処理の制御等を行う構成について説明した。しかし、消耗品の残量無しなどの解消を示す解消通知の取得に応じて、判断用カウンタの算出や在庫減算処理の制御等を行うように構成してもよい。
以上説明したように、印刷モード(図8に示したトナー消費量のパターン)により記録剤の使用量が大きくばらつくため、印刷モード毎にカウンタを設け、各カウンタ値から消耗品の在庫減算処理判断用カウンタを決定する構成とした。これにより、消耗品の在庫管理における誤った在庫減算処理を抑制し、適切な在庫管理を実施することができる。
【0142】
したがって、通常出力と異なるのり量の出力パターンでの印刷可能な画像形成装置の消耗品の在庫管理において、在庫減算処理に用いるべき消耗品の記録剤の残量に従う通知を適切に判断することができる。
【0143】
なお、本実施形態では、カウンタ番号50,51,52の各カウンタ値を用いて消耗品減算処理判断用カウンタ値を算出した。しかし、カウンタの数や印刷モードの数は、2つや3つに限られるものではなく、いくつあっても本発明を同様に適用可能である。
【0144】
なお、本実施形態では、画像形成装置101のデバイス管理部402が、印刷ジョブに含まれる印刷モード(後述する図8に示す)を解析し、該印刷モードに応じたカウンタをカウントアップさせる構成について説明した。しかし、デバイス管理部402が、印刷ジョブ毎又は印刷ページ毎にトナー使用量を算出し、該算出したトナー使用量に対応するカウンタをカウントアップするように構成してもよい。この構成の場合、予め、カウンタ毎に、対応するトナー使用量範囲を設定しておくものとする。
【0145】
また、本実施形態では、図11のS1104において、前回の残量通知時の判断用カウンタ値と、今回新たに通知された判断用カウンタ値の差を求め、該求めた差が規定値以上であるか否かを判断する構成を示した。しかし、前回の残量通知時の判断用カウンタ値の変わりに、過去の残量通知時の判断用カウンタ値(例えば、前回消耗品の在庫を減算した際のカウント値)を用いてもよい。この場合、図11のS1104において、過去の残量通知時の(前回消耗品の在庫を減算した際の)判断用カウンタ値と、今回新たに通知された判断用カウンタ値の差を求め、該求めた差が規定値以上であるか否かを判断する。
【0146】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では各カウンタのパラメータを手動で設定する構成について説明したが、第2実施形態では各カウンタのパラメータを自動設定可能な構成について説明する。
【0147】
以下、本発明の第2実施形態について図12を用いて説明する。
図12は、本発明の第2実施形態における消耗品詳細情報画面の一例を示す図である。
図12において、1201は消耗品詳細情報画面である。消耗品詳細情報画面1201は、第1実施形態(図7)で説明した消耗品詳細情報画面701と異なり、一度設定したパラメータを動作状況に応じて自動的に補正するか否かを選択可能なチェックボックス1203を設けたものである。
【0148】
チェックボックス1203をチェックすると、チェックされたカウンタ番号のパラメータ1202がグレーアウトとなり、手動でパラメータを変更できなくなる。
【0149】
パラメータの初期値としては、予め管理装置102にて消耗品情報として持っていても良いし、パラメータ補正のチェックをはずした状態でパラメータを設定してから、パラメータ補正をチェックしても良い。
【0150】
パラメータ補正を自動的に行う方法は次の通りである。
【0151】
残量通知、及び、管理装置102で管理している消耗品印刷可能枚数、印刷パラメータ値を用いて図9に示した式を用いて算出したCntの値が、消耗品印刷枚数を極端に超える場合が考えられる。この時、明らかにパラメータの値が実際の印刷において使用されている消耗品の使用量と合致していないことが分かる。
【0152】
例えば、印刷可能枚数20,000枚に対し、算出した結果Cntが25,000枚だった場合、カウンタCntA、CntB、CntCのいずれかを補正した値が実際の印刷にそぐわないことになる。
【0153】
この場合、一例として各カウンタの補正値において算出結果に対する割合が一定以上、例えば9割を占めるなどしている場合、そのカウンタのパラメータを補正し、Cntを20,000枚に近づけるよう変更する。例えば、Cntが20,000枚を大きく超える場合(そのうち、例えばCnt3が20,000枚を大きく超える場合)には、そのカウンタのパラメータ(γ)に「0.8」を乗算をする。また、Cntが20,000枚を大きく下回る場合(そのうち、例えばCnt1が20,000枚を大きく超える場合)には、そのカウンタのパラメータ(α)に「1.2」を乗算をする等する。このように補正されたパラメータ値は次回から適用され、印刷可能枚数に対して極端に超える場合に、再度、この処理を行う。
【0154】
また、特定のカウンタに偏らずに、前記のようにCntの算出結果が極端に印刷可能枚数を上回った場合、該当するカウンタ全てに対し現在設定している各パラメータ値を例えば「0.8」乗算し、次回のパラメータとして設定する。
【0155】
また、特定のカウンタに偏らず、Cntの算出結果が極端に印刷可能枚数を下回った場合(例えばCnt=17000)、全てのカウンタに対し現在設定している各パラメータ値を例えば「1.2」乗算し、次回のパラメータとして設定する。
【0156】
また、予めパラメータの組みを複数組用意しておき(記憶装置204等に記憶しておき)、段階的にパラメータの組みを変更するように構成してもよい。例えば、第1組(α1、β1、γ1)、第2組(α2、β2、γ2)、・・・、第5組(α5、β5、γ5)、第6組(α6、β6、γ6)、・・・、第10組(α10、β10、γ10)と10組のパラメータを記憶装置204に記憶しておく。なお、α1<α2<・・・<α5<・・・<α10、β1<β2<・・・<β5<・・・<β10、γ1<γ2<・・・<γ5<・・・<γ10とする。そして、デフォルトとして、第5組のパラメータを採用し、Cntが20,000枚を大きく超える場合には、第4組、第3組、第2組、第1組の順に段階的にパラメータの組を変更するように構成する。また、Cntが20,000枚を大きく下回る場合には、第6組、第7組、第8組、第9組、第10組の順に段階的にパラメータの組を変更するように構成する。
【0157】
以上のように、本実施形態では、算出した消耗品の在庫減算処理の判断用カウンタCntの値が不適切である場合に、その判断用カウンタ算出用のパラメータ(α、β、γ)を変更するように構成する。この構成により、消耗品の在庫管理を適切に実施することが可能となる。
【0158】
なお、本実施形態のパラメータ補正は、図11のS1103で判断用カウンタ値を算出した際に即座に行ってもよいし、S1110で判断用カウンタ値を算出する前等に行ってもよい。
【0159】
〔第3実施形態〕
以下、本発明を実施するための第3実施形態について図13を用いて説明する。
上記第1実施形態、第2実施形態では、管理装置102において消耗品情報の管理を行う構成について説明したが、本実施形態では、図1に示した監視装置103を設ける構成とする。
【0160】
[監視装置]
図13は、本発明の実施の一形態に係わる情報処理装置を備えた監視装置103の構成を示す図である。
【0161】
監視装置103は、画像形成装置101を監視する装置であり、例えばPC、サーバなどの情報処理装置に適用することができる。
【0162】
監視装置103は、ROM1304に格納されているプログラムを実行するCPU1302を備え、内部バス1307を介して各装置を総括的に制御する。内部バス1307には、RAM1303、ROM1304、記憶装置1305、ネットワークインターフェース1306の各装置が接続されている。
【0163】
ネットワークインターフェース1306は、ネットワーク104を介して、外部のネットワークに接続されている画像形成装置101、及び管理装置102と双方向にデータをやりとりが可能である。記憶装置1305は外部記憶装置として機能する。記憶装置1305は、監視対象の画像形成装置101の登録情報を記憶するほか、上述したカウンタ情報、システム情報及びステータス情報、第1実施形態で説明した消耗品情報、詳細情報なども保存することも可能である。
【0164】
また、監視装置103は、第1実施形態で示した管理装置102の設定や管理を行うためのプログラムを備え、監視装置103にネットワーク104を介して、第1実施形態で説明した消耗品管理に必要な設定機能を提供する。例えば、監視装置103は、HTTP等による外部の情報処理装置から設定や管理を行える機能を提供する。
【0165】
また、監視装置103では、第1実施形態で説明した管理装置102が行っていた処理を全てを行うようにしてもよい。即ち、監視装置103が、画像形成装置の消耗品状態の管理、及び、消耗品の減算処理に使用するカウンタの算出、及び、減算処理の判断に基づき消耗品補充通知、消耗品交換通知までを行っても良い。この場合、監視装置103は、図5に示した管理装置102と同一の処理部を有することとなる。
【0166】
又は、監視装置103は、上記の一部の処理を管理装置102に任せることも可能である。例えば、監視装置103が、前記判断処理(S1101〜S1104等)により消耗品が交換されたことを管理装置102に伝え、管理装置102において消耗品管理者に通知したり、消耗品を補充する販売会社などへの通知を行っても良い。
【0167】
また、監視装置103は、画像形成装置101からLANやUSB等を介して残量通知を受け取り、該受け取った残量通知を、インターネット等を介して外部の管理装置102に送信するようにしてもよい。
【0168】
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態について説明する。
上述した第1,2実施形態では管理装置102において消耗品の管理を行い、第3実施形態では監視装置103又は監視装置103と管理装置102を用いて消耗品管理を行う構成について示した。
【0169】
本実施形態では、管理装置102や監視装置103にて行っている処理を、画像形成装置101において行うように構成する。即ち、本実施形態の画像形成装置101は、第1,2実施形態や第3実施形態で示した管理装置102や監視装置103と同様の構成を有する。画像形成装置101は、第1実施形態の図2で説明したように、管理装置102や監視装置103と同様にプログラムを実行できる構成である。
【0170】
本実施形態の画像形成装置101は、図4に示す消耗品在庫減算処理部403、設定処理部404を有する。
【0171】
消耗品在庫減算処理部403は、図5に示した消耗品在庫減算処理部503と同様の処理を実行する。すなわち、消耗品在庫減算処理部403は、図11に示したフローチャートの処理を実行するものである。
【0172】
また、設定処理部404は、図5に示した設定処理部504と同様の処理を実行する。即ち、設定処理部404は、図6、図7、図10、図12に示したような画面を、画像形成装置101の図示しない操作パネル上に表示して各種設定を実行可能に制御する構成を有する。
【0173】
このような構成により、第1〜3実施形態で説明した管理装置102、監視装置103の処理全てを画像形成装置101において実現できることはいうまでもない。また、本実施形態の画像形成装置101は、第3実施形態の場合と同様に一部処理を管理装置102や監視装置103に任せることも可能である。
【0174】
以上説明したように、本実施形態でも、出力パターンにより消耗品の消耗量が大きく異なる印刷処理を実行可能な画像形成装置の消耗品在庫管理においても、消耗品の在庫減算処理の誤り(重複)を抑制し、適切な在庫管理を実施することができる。
【0175】
即ち、特殊な出力パターン(トナー消費量パターン)を有するクリアトナー等の在庫管理を行う場合でも、消耗品(クリアトナー等)の在庫減算処理の誤り(重複)を抑制できる。
【0176】
なお、上述の各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0177】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0178】
なお、上記第1実施形態〜第4実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
また、本実施形態における図4、図5、図11に示す機能が外部からインストールされるプログラム(コンピュータ読取り可能なプログラム)によって、コンピュータ(又はCPUやMPU)により遂行されていてもよい。そして、その場合、CD-ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0179】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0180】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0181】
したがって、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0182】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0183】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0184】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のプログラムそのものをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、該ホームページから圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやFTPサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0185】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する。さらに、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。さらに、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0186】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、以下のような構成も含まれることは言うまでもない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0187】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードを、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込む。そして、該メモリに書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0188】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0189】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0190】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【0191】
なお、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】本実施形態における消耗品在庫管理システムの構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係わる情報処理装置を備えた画像形成装置101の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係わる情報処理装置を備えた管理装置102の構成を示す図である。
【図4】画像形成装置101の処理モジュール群(以後、処理部とする)を示す機能ブロック図である。
【図5】管理装置102の処理モジュール群を示す機能ブロック図である。
【図6】消耗品基本情報画面の一例を示す図である。
【図7】消耗品詳細情報画面の一例を示す図である。
【図8】カウンタ番号50〜52に対応する出力パターン(トナー消費量のパターン)例を示す図である。
【図9】各カウンタの補正値合算方法を示す図である。
【図10】消耗品在庫管理情報画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の消耗品の在庫減算に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態における消耗品詳細情報画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の一形態に係わる情報処理装置を備えた監視装置103の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0193】
101 画像形成装置
102 管理装置
103 監視装置
104 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、前記画像形成装置で利用される消耗品の在庫を管理し、在庫数に応じて消耗品の配送を手配するための管理装置とを有する在庫管理システムであって、
前記画像形成装置は、
特定の記録剤を用いて第1モードで画像形成した枚数をカウントする第1カウンタと、
前記記録剤を用いて第1モードより記録剤を多く用いる第2モードで画像形成した枚数をカウントする第2カウンタと、
前記消耗品における記録剤の残量を検知する検知手段と、
前記検知手段が検知した前記記録剤の残量に従う残量通知を、前記第1カウンタのカウンタ値と前記第2カウンタのカウンタ値とともに、前記管理装置に通知する通知手段とを有し、
前記管理装置は、
前記画像形成装置から前記残量通知を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記残量通知とともに通知された前記第1カウンタ値と前記第2カウンタ値から、前記消耗品の在庫減算の判断に用いるカウンタ値を決定する決定手段と、
過去の残量通知を受けて前記決定手段が決定したカウンタ値と、新たな残量通知を受けて前記決定手段が決定したカウンタ値との差が規定値以上であるか判断する判断手段と、
前記判断手段により前記差が規定値以上であると判断された場合、前記消耗品の在庫減算処理を行う処理手段とを有する、
ことを特徴とする在庫管理システム。
【請求項2】
画像形成装置で利用される消耗品の在庫を管理する管理装置であって、
前記画像形成装置に装着された消耗品における特定の記録剤の残量に従う残量通知を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記残量通知とともに通知された、前記画像形成装置が前記記録剤を用いて第1モードで画像形成した枚数を示す第1カウンタ値と、前記画像形成装置が前記記録剤を用いて前記第1モードより記録剤を多く用いる第2モードで画像形成した枚数を示す第2カウンタ値から、前記消耗品の在庫減算の判断に用いるカウンタ値を決定する決定手段と、
過去の残量通知を受けて前記決定手段が決定したカウンタ値と、新たな残量通知を受けて前記決定手段が決定したカウンタ値との差が規定値以上であるか判断する判断手段と、
前記判断手段により前記差が規定値以上であると判断された場合、前記消耗品の在庫減算処理を行う処理手段と、
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項3】
前記残量通知は、前記消耗品における記録剤の残量少、残量無し、残量少の解消、又は残量無しの解消を示すことを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記第1カウンタ値に第1パラメータを乗算した値と、前記第2カウンタ値に第2パラメータを乗算した値とを合算した値を、前記在庫減算の判断に用いるカウンタ値として決定することを特徴とする請求項2又は3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記第1パラメータと、前記第2パラメータを設定する設定手段を有することを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記決定手段が決定したカウンタ値に基づいて、前記第1パラメータと前記第2パラメータを補正する補正手段を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記記録剤は、光沢度調整用の記録剤であり、
前記第1モードは、用紙に対して部分的に前記記録剤を出力するモードであり、
前記第2モードは、用紙の全面に前記記録剤を出力するモードであることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
前記第1モードは、用紙上に記録されている画像に対して重なるように前記記録剤を出力するモードであることを特徴とする請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記処理手段が前記消耗品の在庫減算処理を行った結果、前記消耗品の在庫数が閾値以下になった場合、前記消耗品を予め設定された配送先に配送する指示を、予め設定された通知先に通知する配送指示手段を有することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項10】
画像形成装置で利用される消耗品の在庫を管理する管理装置における管理方法であって、
前記画像形成装置に装着された消耗品における特定の記録剤の残量に従う残量通知を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記残量通知とともに通知された、前記画像形成装置が前記記録剤を用いて第1モードで画像形成した枚数を示す第1カウンタ値と、前記画像形成装置が前記記録剤を用いて前記第1モードより記録剤を多く用いる第2モードで画像形成した枚数を示す第2カウンタ値から、前記消耗品の在庫減算の判断に用いるカウンタ値を決定する決定ステップと、
過去の残量通知を受けて前記決定ステップで決定したカウンタ値と、新たな残量通知を受けて前記決定ステップで決定したカウンタ値との差が規定値以上であるか判断する判断ステップと、
前記判断ステップで前記差が規定値以上であると判断された場合、前記消耗品の在庫減算処理を行う処理ステップと、
を有することを特徴とする管理方法。
【請求項11】
前記残量通知は、前記消耗品における記録剤の残量少、残量無し、残量少の解消、又は残量無しの解消を示すことを特徴とする請求項10に記載の管理方法。
【請求項12】
前記決定ステップにおいては、前記第1カウンタ値に第1パラメータを乗算した値と、前記第2カウンタ値に第2パラメータを乗算した値とを合算した値を、前記在庫減算の判断に用いるカウンタ値として決定することを特徴とする請求項10又は11に記載の管理方法。
【請求項13】
前記第1パラメータと、前記第2パラメータを設定する設定ステップを有することを特徴とする請求項12に記載の管理方法。
【請求項14】
前記決定ステップで決定したカウンタ値に基づいて、前記第1パラメータと前記第2パラメータを補正する補正ステップを有することを特徴とする請求項12又は13に記載の管理方法。
【請求項15】
前記記録剤は、光沢度調整用の記録剤であり、
前記第1モードは、用紙に対して部分的に前記記録剤を出力するモードであり、
前記第2モードは、用紙の全面に前記記録剤を出力するモードであることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項16】
前記第1モードは、用紙上に記録されている画像に対して重なるように前記記録剤を出力するモードであることを特徴とする請求項15に記載の管理方法。
【請求項17】
請求項10乃至16のいずれか1項に記載された管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−176183(P2010−176183A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15319(P2009−15319)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】