説明

地上デジタル放送受信装置

【課題】放送画面が表示されずユーザが音声のみを聴いている間、音声の不連続によるユーザの不快感を防止できる地上デジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】映像切替部8から表示部12に映像信号を出力させず表示部12に放送画面を表示させない間、切替制御部8は1セグ放送の音声信号を出力するよう音声切替部9に切替制御信号を送り、音声切替部9からオーディオCPU11を介してスピーカ13に音声信号が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタル放送受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用ナビゲーション装置の性能は飛躍的に向上し、多機能化が進んでいる。特に、出発地と目的地とを最適ルートで結ぶ誘導経路を自動的に検索し、LCD等の表示装置に表示する経路探索機能に加えて、近年になって普及し始めた地上デジタル放送を受信し、LCD等の表示装置を用いて表示するテレビ放送受信機能を備えた車載用ナビゲーション装置も広く普及している。
【0003】
地上デジタル放送は、一つのチャンネルが13のセグメントに分割されて、一つ或いは複数のセグメントを用いて、映像および音声等のデータを送信することが可能であり、その放送形態の違いによって区別することができる。例えば、高画質のハイビジョン放送は同時に12のセグメントを必要とするため、一般に12セグ放送(12セグメント放送)と呼ばれている。また、低画質な移動体向け放送(携帯電話等向けの放送)は1セグメントのみで送信可能なため、一般に1セグ放送(1セグメント放送)と呼ばれている。1セグ放送はその変調方式の違いから、12セグ放送よりも受信エリアが広くなっている。
【0004】
車載用ナビゲーション装置には、12セグ放送と1セグ放送の両方を受信可能なものが開発されている。例えば、特許文献1には、12セグ放送と1セグ放送の両方を受信可能なデジタル放送受信装置であって、12セグ放送の受信状態が悪化した場合に、受信装置の移動速度が規定値以下であれば、1セグ放送の受信に切替えるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−284039号公報(第5頁−第6頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のデジタル放送受信装置を車載用ナビゲーション装置に適用した場合、12セグ放送の受信状態が悪化すると、車両の速度が低速である場合は、1セグ放送に切替えられる。
【0007】
ここで、車載用ナビゲーション装置では通常、車両が走行時は安全のため、放送画面は表示させずに地図画面等を表示させるようにしており、運転者は放送の音声のみを聴いている状態であるが、12セグ放送の受信状態が悪化した場合に1セグ放送に切替えられると、12セグ放送と1セグ放送では同じ番組でも放送時間に若干ズレがあるため、音声が不連続となり、運転者に不快感を与えてしまう。
【0008】
上記問題点を鑑み、本発明は、放送画面が表示されずユーザが音声のみを聴いている間、音声の不連続によるユーザの不快感を防止できる地上デジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、地上デジタル放送信号を受信し選局を行う少なくとも1つのチューナと、選局された信号に基づき生成される1セグ放送、12セグ放送それぞれの映像信号を切替えて出力する映像切替部と、選局された信号に基づき生成される1セグ放送、12セグ放送それぞれの音声信号を切替えて出力する音声切替部と、前記映像切替部および前記音声切替部に切替制御信号を送り切替を制御する切替制御部と、表示部と、音声発生部と、を備えた地上デジタル放送受信装置において、
前記映像切替部から前記表示部に映像信号を出力させず前記表示部に放送画面を表示させない間、前記切替制御部は1セグ放送の音声信号を出力するよう前記音声切替部に切替制御信号を送り、前記音声切替部から前記音声発生部に音声信号が出力される構成としている。
【0010】
このような構成によれば、表示部に放送画面が表示されない間、ユーザは音声のみを聴くことになるが、1セグ放送の音声が常時音声発生部から発生するので、音声の不連続は発生せず、ユーザに不快感を与えることもない。また、1セグ放送の受信エリアは12セグ放送よりも広いので、広範囲にわたり安定して良好な状態の音声を聴くことができる。
【0011】
また、上記構成において、地上デジタル放送信号を受信し選局を行う少なくとも1つの第2のチューナを備え、
前記表示部に放送画面を表示させない間、前記第2のチューナが前記チューナの受信周波数と放送内容が同じで周波数が異なる受信周波数で選局を行い、前記チューナの受信状態が前記第2のチューナの受信状態と同等以上であると判定されれば、前記第2のチューナの受信周波数を切替え、前記第2のチューナの受信状態が前記チューナの受信状態より良好であると判定されれば、前記第2のチューナの受信周波数に前記チューナの受信周波数を切替える構成としてもよい。
【0012】
このような構成によれば、チューナの受信状態が悪化した場合でも、第2のチューナによるバックグランドサーチによりチューナの受信周波数を受信状態の良好な受信周波数に切替えるので、良好な状態の音声を聴くことができる。
【0013】
また、本構成において、前記チューナは複数備えられ、前記第2のチューナは前記チューナの数以下だけ備えられることが望ましい。
【0014】
また、上記いずれかの構成において、前記地上デジタル放送受信装置は車両搭載用であり、車両のパーキングブレーキが入っていない間、前記映像切替部から前記表示部に映像信号を出力させず前記表示部に放送画面を表示させない構成としてもよい。
【0015】
このような構成によれば、パーキングブレーキが入っておらず車両が移動中、放送画面が表示されないと、運転者は音声のみを聴くことになるが、1セグ放送の音声が常時音声発生部から発生するので、音声の不連続は発生せず、運転者に不快感を与えることもない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の地上デジタル放送受信装置によれば、放送画面が表示されずユーザが音声のみを聴いている間、音声の不連続によるユーザの不快感を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車載用ナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】第1実施形態におけるパーキングブレーキが入っている場合の処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態におけるパーキングブレーキが入っていない場合の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る車載用ナビゲーション装置のブロック図である。
【図5】第2実施形態における受信周波数切替制御部が行う処理を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態におけるパーキングブレーキが入っている場合の処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態におけるパーキングブレーキが入っていない場合の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。ここでは、本発明に係る地上デジタル放送受信装置として、地上デジタル放送を受信可能な車載用ナビゲーション装置を一例に挙げて説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る車載用ナビゲーション装置100の特に地上デジタル放送受信機能に関する構成を示す。
【0020】
図1に示すように、車載用ナビゲーション装置100は、チューナ2と、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調部3と、受信エラー検知部4と、1セグデコーダ5と、12セグデコーダ6と、1セグ/12セグ切替制御部7と、映像切替部8と、音声切替部9と、ナビCPU10と、オーディオCPU11と、表示部12と、スピーカ13と、を備え、車両に搭載される。チューナ2には、車両に取り付けられたアンテナ1が接続されている。
【0021】
アンテナ1は、地上デジタル放送波を受信し、放送波信号をチューナ2に出力する。チューナ2は、放送局を選局し、選局された放送局のOFDM信号を検出してOFDM復調部3に出力する。
【0022】
OFDM復調部3は、1セグ放送、12セグ放送それぞれのOFDM信号の復調およびエラー訂正を行い、1セグ放送、12セグ放送それぞれのTSパケット(トランスポートパケット)を取り出す。また、OFDM復調部3は、エラー訂正の際に、TSパケット内のビットエラーの有無を検出し、TSパケット内のエラーインジケータのフラグ値を決定する。訂正不可能なエラーが少なくとも1ビット有る場合、フラグ値は1となる。
【0023】
受信エラー検知部4は、1セグ放送、12セグ放送それぞれのTSパケットをOFDM復調部3から受け取り、それぞれのTSパケット内のエラーインジケータのフラグ値を参照し、フラグ値の組み合わせに応じたエラー検出信号を1セグ/12セグ切替制御部7に出力する。
【0024】
1セグデコーダ5は、1セグ放送のTSパケットをOFDM復調部3から受け取り、受け取ったTSパケットから映像ストリームおよび音声ストリームを作成する。そして、1セグデコーダ5は、作成された映像ストリームをデコードしてデジタル映像信号に変換し、デジタル映像信号をさらに表示部12に適した形式の映像信号に変換し、変換された映像信号を映像切替部8に出力する。また、1セグデコーダ5は、作成された音声ストリームをデコードしてデジタル音声信号に変換し、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、変換されたアナログ音声信号を音声切替部9に出力する。
【0025】
12セグデコーダ6は、12セグ放送のTSパケットをOFDM復調部3から受け取り、受け取ったTSパケットから映像ストリームおよび音声ストリームを作成する。そして、12セグデコーダ6は、作成された映像ストリームをデコードしてデジタル映像信号に変換し、デジタル映像信号をさらに表示部12に適した形式の映像信号に変換し、変換された映像信号を映像切替部8に出力する。また、12セグデコーダ6は、作成された音声ストリームをデコードしてデジタル音声信号に変換し、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、変換されたアナログ音声信号を音声切替部9に出力する。
【0026】
1セグ/12セグ切替制御部7は、映像切替部8および音声切替部9に切替制御信号を出力し、映像切替部8からの1セグ放送または12セグ放送の映像出力を切替え、音声切替部9からの1セグ放送または12セグ放送の音声出力を切替えることができる。
【0027】
映像切替部8が出力する映像信号は、ナビCPU10を介して、表示部12に入力され、表示部12に放送画面が表示される。表示部12は、LCD等で構成され、タッチパネルとしても機能する。また、音声切替部9が出力する音声信号は、オーディオCPU11を介して、スピーカ13に入力され、スピーカ13から放送音声が発生される。
【0028】
ナビCPU10には、車両のパーキングブレーキが入っているか否かを示すパーキング信号が入力される。また、ナビCPU10には、GPS部や自立航法部(いずれも不図示)が接続され、ナビCPU10は、自車位置を特定することができる。また、ナビCPU10には、地図データが記憶された記憶部(不図示)が接続され、ナビCPU10は、地図データに基づき経路探索を行い、自車位置、その周辺の地図および探索された経路を表示する地図表示画面を表示部12に表示させることができる。
【0029】
このような構成の車載用ナビゲーション装置100の地上デジタル放送受信処理について次に説明する。
【0030】
表示部12にメニュー画面が表示された状態でタッチパネルの操作により地上デジタル放送受信機能が選択されると、ナビCPU10がパーキングブレーキが入っている旨のパーキング信号を検出するか、パーキングブレーキが入っていない旨のパーキング信号を検出するかに応じた処理が順次行われる。
【0031】
図2は、パーキングブレーキが入っている旨のパーキング信号をナビCPU10が検出した場合の処理を示すフローチャートである。
【0032】
まず、ステップS21で、ナビCPU10は、1セグ/12セグ切替制御部7にパーキングブレーキが入っている旨の信号を出力する。
【0033】
すると、ステップS22で、1セグ/12セグ切替制御部7は、受信エラー検知部4からのエラー検出信号に応じた切替制御信号を映像切替部8および音声切替部9に出力する。そして、映像切替部8が出力する映像信号は、ナビCPU10を介して表示部12に入力され、表示部12に放送画面が表示されると共に、音声切替部9が出力する音声信号が、オーディオCPU11を介してスピーカ13に入力され、スピーカ13から放送音声が発生される。
【0034】
より具体的には、1セグ放送のTSパケット内のエラーインジケータのフラグ値(以下、1セグ放送のフラグ値)が0で、12セグ放送のTSパケット内のエラーインジケータのフラグ値(以下、12セグ放送のフラグ値)が0であることを示すエラー検出信号であれば、12セグ放送の映像音声を出力するよう切替制御信号を出力する。また、1セグ放送のフラグ値が0で、12セグ放送のフラグ値が1であることを示すエラー検出信号であれば、1セグ放送の映像音声を出力するよう切替制御信号を出力する。また、1セグ放送のフラグ値が1で、12セグ放送のフラグ値が0であることを示すエラー検出信号であれば、12セグ放送の映像音声を出力するよう切替制御信号を出力する。また、1セグ放送のフラグ値が1で、12セグ放送のフラグ値が1であることを示すエラー検出信号であれば、1セグ放送の映像音声を出力するよう切替制御信号を出力する。
【0035】
これにより、パーキングブレーキが入っており車両が停車している場合、受信状態に応じて1セグ放送または12セグ放送の適切な方の放送画面および放送音声を運転者は視聴することができる。
【0036】
一方、図3は、パーキングブレーキが入っていない旨のパーキング信号をナビCPU10が検出した場合の処理を示すフローチャートである。
【0037】
まず、ステップS31で、ナビCPU10は、1セグ/12セグ切替制御部7にパーキングブレーキが入っていない旨の信号を出力する。また、ナビCPU10は、地図表示画面を表示部12に表示させることを開始する。
【0038】
そして、ステップS32で、1セグ/12セグ切替制御部7は、1セグ放送の映像音声を出力させるような切替制御信号を映像切替部8および音声切替部9に常時出力する。そして、ナビCPU10は、映像切替部8からの映像信号は表示部12には出力せず、音声切替部9からオーディオCPU11を介してスピーカ13に音声信号が入力され、放送映像は表示されず放送音声のみが発生する。
【0039】
これにより、パーキングブレーキが入っておらず、車両が移動可能な状態の場合、放送画面は表示されずに地図表示画面が表示部12に表示され、1セグ放送の音声が常時スピーカ13から発生し、音声の不連続は発生しないので、音声を聴いている運転者に不快感を与えることもない。また、1セグ放送は12セグ放送よりも受信エリアが広いので、広範囲のエリアで安定して良好な状態の音声を聴くことができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の別実施形態について説明する。図4は、本発明の別実施形態に係る車載用ナビゲーション装置200の特に地上デジタル放送受信機能に関する構成を示す。なお、先に説明した車載用ナビゲーション装置100(図1)と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省く。
【0041】
車載用ナビゲーション装置200は、4つのチューナを備えたダイバー受信システムであり、第1チューナ18と、第2チューナ19と、第3チューナ20と、第4チューナ21と、OFDM復調部22と、受信周波数切替制御部23と、4ダイバー/2ダイバー切替制御部24と、を備えている。そして、車両に設けられた第1アンテナ14、第2アンテナ15、第3アンテナ16、第4アンテナ17がそれぞれ第1チューナ18、第2チューナ19、第3チューナ20、第4チューナ21に接続される。
【0042】
4チューナによるダイバー受信の場合は、第1チューナ18、第2チューナ19、第3チューナ20、第4チューナ21の全てのチューナをメイン受信用に用いる。また、2チューナによるダイバー受信の場合は、第1チューナ18、第2チューナ19をメイン受信用に、第3チューナ20、第4チューナ21をバックグランドサーチ用に用いる。
【0043】
また、4ダイバー/2ダイバー切替制御部24には、タッチパネル12の操作により4チューナによるダイバー受信か、2チューナによるダイバー受信かが選択されて設定される。
【0044】
4ダイバー/2ダイバー切替制御部24から、4チューナによるダイバー受信を選択する切替制御信号がOFDM復調部22へ出力されると、OFDM復調部22は、第1チューナ18、第2チューナ19、第3チューナ20、第4チューナ21に同一受信周波数で選局をさせる。そして、OFDM復調部22は、第1チューナ18、第2チューナ19、第3チューナ20、第4チューナ21が検出したOFDM信号を復調しデジタル信号を取り出し、取り出したデジタル信号を合成し、エラー訂正を行い、TSパケットを取り出す。TSパケットの取り出しは1セグ放送、12セグ放送それぞれについて行う。OFDM復調部22は、1セグ放送、12セグ放送それぞれのTSパケットを受信エラー検知部4へ送り、1セグ放送のTSパケットを1セグデコーダ5へ送り、12セグ放送のTSパケットを12セグデコーダ6へ送る。
【0045】
また、4ダイバー/2ダイバー切替制御部24から、2チューナによるダイバー受信を選択する切替制御信号がOFDM復調部22へ出力されると、OFDM復調部22は、メイン受信用である第1チューナ18および第2チューナ19に同一受信周波数で選局させる。そして、OFDM復調部22は、第1チューナ18および第2チューナ19が検出したOFDM信号を復調しデジタル信号を取り出し、取り出したデジタル信号を合成し、エラー訂正を行い、TSパケットを取り出す。TSパケットの取り出しは1セグ放送、12セグ放送それぞれについて行う。OFDM復調部22は、1セグ放送、12セグ放送それぞれのTSパケットを受信エラー検知部4へ送り、1セグ放送のTSパケットを1セグデコーダ5へ送り、12セグ放送のTSパケットを12セグデコーダ6へ送ると共に、1セグ放送、12セグ放送それぞれのTSパケットを受信周波数切替制御部23へ送る。
【0046】
また、このとき、OFDM復調部22は、バックグランドサーチ用である第3チューナ20および第4チューナ21に、メイン受信用受信周波数と同じ放送内容のメイン受信用受信周波数とは異なる受信周波数で選局させる。そして、OFDM復調部22は、第3チューナ20および第4チューナ21が検出したOFDM信号を復調しデジタル信号を取り出し、取り出したデジタル信号を合成し、エラー訂正を行い、TSパケットを取り出す。TSパケットの取り出しは1セグ放送、12セグ放送それぞれについて行う。そして、OFDM復調部22は、1セグ放送、12セグ放送それぞれのTSパケットを受信周波数切替制御部23へ送る。
【0047】
ここで、図5に、受信周波数切替制御部23が行う処理のフローチャートを示す。まず、ステップS51で、受信周波数切替制御部23は、メイン受信側の1セグ放送、12セグ放送それぞれのTSパケット内のエラーインジケータのフラグ値と、バックグランドサーチ側の1セグ放送、12セグ放送それぞれのTSパケット内のエラーインジケータのフラグ値とを比較し、バックグランドサーチ側の方が0のフラグ値の数が多いか判定する。
【0048】
そして、バックグランドサーチ側の方が0のフラグ値の数が多ければ、つまり、バックグランドサーチ側の受信状態の方がメイン受信側よりも良好であれば(ステップS51のY)、ステップS52に進み、受信周波数切替制御部23は、バックグランドサーチ側の受信周波数にメイン受信側の受信周波数を切替えるよう第1チューナ18および第2チューナ19とOFDM復調部22に指示する。すると、OFDM復調部22は、第1チューナ18および第2チューナ19にバックグランドサーチ側の受信周波数(新たなメイン受信側受信周波数)で選局させると共に、第3チューナ20および第4チューナ21には新たなメイン受信側受信周波数と同じ放送内容の新たなメイン受信側受信周波数とは異なる受信周波数で選局させる。
【0049】
一方、メイン受信側の0のフラグ値の数がバックグランドサーチ側以上であれば、つまり、メイン受信側の受信状態がバックグランドサーチ側と同等以上であれば(ステップS51のN)、ステップS53に進み、受信周波数切替制御部23は、メイン受信側の受信周波数は維持し、バックグランドサーチ側の受信周波数は同じ放送内容の異なる受信周波数に切替えるようOFDM復調部22に指示する。すると、OFDM復調部22は、第3チューナ20および第4チューナ21に受信周波数を切替えて選局させる。
【0050】
次に、車載用ナビゲーション装置200の地上デジタル放送受信処理について説明する。
【0051】
表示部12にメニュー画面が表示された状態でタッチパネルの操作により地上デジタル放送受信機能が選択されると、ナビCPU10がパーキングブレーキが入っている旨のパーキング信号を検出するか、パーキングブレーキが入っていない旨のパーキング信号を検出するかに応じた処理が順次行われる。
【0052】
図6は、パーキングブレーキが入っている旨のパーキング信号をナビCPU10が検出した場合の処理を示すフローチャートである。
【0053】
まず、ステップS61で、ナビCPU10は、4ダイバー/2ダイバー切替制御部24および1セグ/12セグ切替制御部7に、パーキングブレーキが入っている旨の信号を出力する。
【0054】
すると、ステップS62で、4ダイバー/2ダイバー切替制御部24は、設定されているダイバー受信方式(2チューナまたは4チューナ)に応じた切替制御信号をOFDM復調部22に出力する。これにより、OFDM復調部22は先に説明した処理を行う。
【0055】
それと共に、1セグ/12セグ切替制御部7は、受信エラー検知部4からのエラー検出信号に応じた切替制御信号を映像切替部8および音声切替部9に出力する。そして、映像切替部8が出力する映像信号は、ナビCPU10を介して表示部12に入力され、表示部12に放送画面が表示されると共に、音声切替部9が出力する音声信号が、オーディオCPU11を介してスピーカ13に入力され、スピーカ13から放送音声が発生される。
【0056】
これにより、パーキングブレーキが入っており車両が停車している場合、運転者が選択したダイバー受信方式で、受信状態に応じて1セグ放送または12セグ放送の適切な方の放送画面および放送音声を運転者は視聴することができる。
【0057】
一方、図7は、パーキングブレーキが入っていない旨のパーキング信号をナビCPU10が検出した場合の処理を示すフローチャートである。
【0058】
まず、ステップS71で、ナビCPU10は、4ダイバー/2ダイバー切替制御部24および1セグ/12セグ切替制御部7にパーキングブレーキが入っていない旨の信号を出力する。また、ナビCPU10は、地図表示画面を表示部12に表示させることを開始する。
【0059】
すると、ステップS72で、4ダイバー/2ダイバー切替制御部24は、設定内容に関わらず2チューナによるダイバー受信を選択する切替制御信号をOFDM復調部22に出力する。これにより、OFDM復調部22は先に説明した処理を行う。
【0060】
それと共に、1セグ/12セグ切替制御部7は、1セグ放送の映像音声を出力させるような切替制御信号を映像切替部8および音声切替部9に常時出力する。そして、ナビCPU10は、映像切替部8からの映像信号は表示部12には出力せず、音声切替部9からオーディオCPU11を介してスピーカ13に音声信号が入力され、放送映像は表示されず放送音声のみが発生する。
【0061】
これにより、パーキングブレーキが入っておらず、車両が移動可能な状態の場合、放送画面は表示されずに地図表示画面が表示部12に表示され、1セグ放送の音声が常時スピーカ13から発生し、音声の不連続は発生しないので、音声を聴いている運転者に不快感を与えることもない。また、1セグ放送は12セグ放送よりも受信エリアが広いので、広範囲のエリアで安定して良好な状態の音声を聴くことができる。
【0062】
さらに、車両の移動によりメイン受信側の受信状態が悪化した場合でも、バックグランドサーチにより受信状態の良い受信周波数にメイン受信側を切替えるので、良好な状態の音声を聴くことができる。
【0063】
なお、本実施形態では、2チューナでメイン受信し、2チューナでバックグランドサーチを行うようにしたが、3チューナでメイン受信し、1チューナでバックグランドサーチを行うようにしてもよい。また、4つのチューナでなく、2つのチューナを備えるようにし、1チューナでメイン受信し、1チューナでバックグランドサーチを行うようにしてもよい。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は様々に変更可能である。
【0065】
例えば、本発明は、地上デジタル放送が受信可能な携帯電話機や携帯テレビ受信機などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0066】
100、200 車載用ナビゲーション装置
1 アンテナ
2 チューナ
3 OFDM復調部
4 受信エラー検知部
5 1セグデコーダ
6 12セグデコーダ
7 1セグ/12セグ切替制御部
8 映像切替部
9 音声切替部
10 ナビCPU
11 オーディオCPU
12 表示部(タッチパネル)
13 スピーカ
14 第1アンテナ
15 第2アンテナ
16 第3アンテナ
17 第4アンテナ
18 第1チューナ
19 第2チューナ
20 第3チューナ
21 第4チューナ
22 OFDM復調部
23 受信周波数切替制御部
24 4ダイバー/2ダイバー切替制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタル放送信号を受信し選局を行う少なくとも1つのチューナと、選局された信号に基づき生成される1セグ放送、12セグ放送それぞれの映像信号を切替えて出力する映像切替部と、選局された信号に基づき生成される1セグ放送、12セグ放送それぞれの音声信号を切替えて出力する音声切替部と、前記映像切替部および前記音声切替部に切替制御信号を送り切替を制御する切替制御部と、表示部と、音声発生部と、を備えた地上デジタル放送受信装置において、
前記映像切替部から前記表示部に映像信号を出力させず前記表示部に放送画面を表示させない間、前記切替制御部は1セグ放送の音声信号を出力するよう前記音声切替部に切替制御信号を送り、前記音声切替部から前記音声発生部に音声信号が出力されることを特徴とする地上デジタル放送受信装置。
【請求項2】
地上デジタル放送信号を受信し選局を行う少なくとも1つの第2のチューナを備え、
前記表示部に放送画面を表示させない間、前記第2のチューナが前記チューナの受信周波数と放送内容が同じで周波数が異なる受信周波数で選局を行い、前記チューナの受信状態が前記第2のチューナの受信状態と同等以上であると判定されれば、前記第2のチューナの受信周波数を切替え、前記第2のチューナの受信状態が前記チューナの受信状態より良好であると判定されれば、前記第2のチューナの受信周波数に前記チューナの受信周波数を切替えることを特徴とする請求項1に記載の地上デジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記チューナは複数備えられ、前記第2のチューナは前記チューナの数以下だけ備えられることを特徴とする請求項2に記載の地上デジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記地上デジタル放送受信装置は車両搭載用であり、車両のパーキングブレーキが入っていない間、前記映像切替部から前記表示部に映像信号を出力させず前記表示部に放送画面を表示させないことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の地上デジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−139265(P2011−139265A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297618(P2009−297618)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】