説明

地物情報提供システム及び地籍情報提供システム

【課題】現地においてより簡便に地籍情報を取得可能とする。
【解決手段】移動電話機2のGISクライアント26は、ユーザ操作に応じてGPS受信機29から現在位置の緯度経度座標を取得する。そして、データ通信制御部22、無線通信部21を介して地籍情報提供サーバ111にアクセスし、現在位置が含まれる筆の地籍簿上の情報や地籍図上の情報を表す地籍データを地籍情報提供サーバ111から取得し、制御部20を介して表示装置27に表示する。そして、ユーザ操作に応じて、取得した地籍データの、ユーザ所望の送信先へのメール送信を地籍情報提供サーバ111に要求する。要求を受けた地籍情報提供サーバ111は、メール送信部116を介して、要求された地籍データを添付ファイルとする電子メールを、要求された送信先に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地籍情報などの地物情報をユーザに提供する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地物情報をユーザに提供する技術としては、地籍図や地籍簿の情報を蓄積したサーバと、ネットワークを介してサーバに接続するユーザ端末とから構成されるシステムにおいて、ユーザ端末を介してユーザが指定した地域や筆の地籍図や地籍簿の情報を、サーバからユーザ端末に配信し、ユーザ端末において配信された地籍図や地籍簿の情報を表示する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、地物情報を蓄積したサーバと、移動電話網を介してサーバに接続する移動電話機から構成されるシステムにおいて、移動電話機を介してユーザから指定した地物の情報を、サーバから移動電話機に配信し、移動電話機において配信された地物の情報を表示する技術も知られている(たとえば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2002-215757号公報
【特許文献2】特開2004-287254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、地籍上の筆などの地物の状況を現地で調査などする場合、調査員が現地において、当該地物の情報を簡便に確認できることが好ましい。一方で、前記移動電話機にサーバから地物情報を配信する技術によれば、現地に携帯した移動電話機で調査しようとする地物の地物情報を入手することができるが、この地物情報を入手するためには、その地物を特定する情報を調査員自身が指定する必要があるため、必ずしも簡便に所望の地物情報を取得することができない。
【0005】
また、このように現地において地物の調査を行った場合、調査後に、調査員は自身のオフィスに戻り、自身のパーソナルコンピュータを用いて、調査した地物情報を用いた作業を行う場合がある。たとえば、地籍調査などにおいて、現地で調査した筆の現況が、サーバから取得した地籍図や地籍簿の情報と異なっていた場合には、この筆についての地籍図や地籍簿の情報を現況に応じて編集等する場合がある。そして、このような調査した地物情報を用いた作業を行う場合には、まず、自身のパーソナルコンピュータに、作業を行おうとする地物情報を取り込ませる必要がある。そして、上記した従来のシステムでは、この地物情報のパーソナルコンピュータへの取り込みは、サーバから地物情報をパーソナルコンピュータに取得することにより行うことになるが、このためには、地物情報に対する作業を行う作業員が、地物を特定して地物情報をサーバから取得する煩雑な操作を行う必要が生じる。また記した従来のシステムでは、サーバを利用できないパーソナルコンピュータでは、地物情報を用いた作業を行うことができないという問題も生じる。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザが、現地においてより簡便に地物情報を取得することのできる地物情報提供システムを提供することを課題とする。また、併せて、現地で現況と地物情報を確認した地物についての地物情報の、他の装置におけるその後の入手作業を容易化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために本発明は、ユーザによって携帯される端末装置と、当該端末装置が無線通信を介して接続可能な地物情報サーバとを備えた地物情報提供システムにおいて、前記端末装置に、現在位置を算出する現在位置算出手段と、前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を示す現在位置情報を伴う地物情報要求を、前記地物情報サーバに送信する地物情報要求手段と、前記送信した地物情報要求の応答として前記地物情報サーバから受信した、地物に関する情報を表す地物情報を表示する地物情報表示手段と、前記受信した地物情報の、指定したメールアドレスへのメール送信要求を前記地物情報サーバに送信するメール送信要求手段とを備え、前記地物情報サーバに、複数の地物について、前記地物情報と当該地物の位置と対応づけて記憶した地物情報データベースと、前記地物情報要求を前記端末装置より受信した場合に、当該端末装置に、当該地物情報要求に伴う前記現在位置情報が示す位置に対応づけて前記地物情報サーバに記憶されている前記地物情報を送信する地物情報提供手段と、前記メール送信要求を前記端末装置より受信した場合に、当該端末装置に送信した地物情報もしくは当該地物情報が提供されるURLを含めた電子メールを、指定されたメールアドレスに送信するメール送信手段とを備えたものである。
【0008】
このような地物情報提供システムによれば、端末装置によって現在位置に対応する地物の情報を地物情報サーバから取得して表示することができるので、地物の状況を現地で調査などする場合に、調査員が一々地物を指定する必要がなくなる。また、調査員は、地物情報サーバに、このような地物情報または地物情報のURLを、所望の宛先に電子メールによって送信させることができるので、たとえば、宛先として自身のオフィスのパーソナルコンピュータを指定して電子メールを送信するようにすれば、調査後に自身のオフィスのパーソナルコンピュータを用いて、調査した地物情報を用いた作業を行う場合などに改めて当該地物情報を自身のパーソナルコンピュータに取り込ませる特段の作業を行う必要がない。
【0009】
また、地物情報を、端末装置から電子メールの宛先とした装置に直接送信するのではなく、地物情報サーバから送信する構成としているので、端末装置に課せられている電子メール容量の制限などに関わらず地物情報を確実に所望の装置に送信することができる。また、これにより、端末装置の処理負荷や通話料金の負担の増大を抑制することもできる。
【0010】
ここで、このような地物情報提供システムは、前記端末装置に、当該端末装置のユーザからの、地物情報表示手段が地物情報を表示した地物に対する情報である付加情報の入力を受け付ける付加情報入力手段と、付加情報入力手段が入力を受け付けた前記付加情報を伴う付加情報登録要求を前記地物情報サーバに送信する付加情報登録要求送信手段とを設けると共に、前記地物情報サーバに、前記付加情報登録要求を前記端末装置より受信した場合に、当該付加情報登録要求に伴う前記付加情報を保持する付加情報保持手段とを設けた上で、前記地物情報サーバの前記メール送信手段において、前記メール送信要求を前記端末装置より受信した場合に、前記電子メールに、前記付加情報保持手段が保持している、当該端末装置より送信された付加情報もしくは当該付加情報が提供されるURLを含めるようにしてもよい。
【0011】
このようにすることにより地物情報またはそのURLと併せて、現地で入力した付加情報またはそのURLを電子メールで送信することができるようになる。
また、本発明は、併せて、ユーザによって携帯される端末装置と、当該端末装置が無線通信を介して接続可能な地物情報サーバとを備えた地物情報提供システムとして、以下の構成を有する地物情報提供システムを提供する。すなわち、本地物情報提供システムにおいて、前記端末装置は、現在位置を算出する現在位置算出手段と、前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を示す現在位置情報を伴う地物地図要求を、前記地物情報サーバに送信する地物地図要求手段と、前記送信した地物地図要求の応答として前記地物情報サーバから受信した、地物の位置を示す地物地図を表示する地物地図表示手段と、当該端末装置のユーザからの、地物に対するフラグ情報の設定操作を受け付け、当該地物に対するフラグ情報の設定を要求するフラグ情報設定要求を、前記地籍情報サーバに送信するフラグ情報設定要求手段とを備えており、前記地物情報サーバは、前記地物の地図を表す地物地図情報を記憶した地物地図データベースと、前記フラグ情報設定要求を前記端末装置より受信した場合に、フラグ情報の設定を要求された地物に対しフラグ情報を登録するフラグ情報登録手段と、前記地物地図要求を前記端末装置より受信した場合に、前記地物地図データベースに記録された地物地図情報を参照して、当該地物地図要求に伴う前記現在位置情報が示す位置にある地物を含む所定の範囲の地物地図を生成し、当該地物地図要求を送信した前記端末装置に送信する地物地図提供手段とを備えている。そして、前記地物地図提供手段は、前記フラグ情報登録手段によってフラグ情報が登録された地物を他の地物と区別可能な形態で表現した前記地物地図を生成する。
【0012】
このような地物情報提供システムによれば、端末装置によって現在位置に対応する地物を含む地物地図を地物情報サーバから取得して表示することができるので、地物の状況を現地で調査などする場合に、調査員が一々地物地図を取得するための地物を指定する必要がない。また、この地物地図において、端末装置のユーザによってフラグ情報が登録された地物は他の地物と区別可能な形態で表現されるので、たとえば、端末装置を使用する調査員が、調査を完了した地物についてフラグ情報を設定するようにすれば、地物地図より調査の進捗状況を直ちに把握することができる。また、複数の調査員によって調査を分担して行うような場合に、他の調査員の作業分を含めた調査の進捗状況を地物地図より把握可能とすることもできる。
【0013】
また、前記課題達成のために、本発明は、ユーザによって携帯される端末装置と、当該端末装置が無線通信を介して接続可能な地籍情報サーバとを備えた地籍情報提供システムにおいて、前記端末装置に、現在位置を算出する現在位置算出手段と、前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を示す現在位置情報を伴う筆情報要求を、前記地籍情報サーバに送信する筆情報要求手段と、前記送信した筆情報要求の応答として前記地籍情報サーバから受信した筆情報に含まれる一筆図もしくは集成図と筆属性情報を表示する筆情報表示手段と、前記受信した筆情報の、指定したメールアドレスへのメール送信要求を前記地籍情報サーバに送信するメール送信要求手段とを備え、前記地籍情報サーバに、各筆の区画地図を表す地籍図情報と各筆の地籍簿登録事項の少なくとも一部を表す筆属性情報とを記憶した地籍情報データベースと、前記筆情報要求を前記端末装置より受信した場合に、前記地籍情報データベースに記憶されている地籍図情報を参照して、当該筆情報要求に伴う前記現在位置情報が示す位置にある筆を特定し、特定した筆の一筆図もしくは当該筆を含む所定範囲の集成図を生成し、生成した一筆図もしくは集成図を、前記地籍情報データベースに記憶されている特定した筆の筆属性情報と共に含めた前記筆情報を作成し、当該筆情報要求を送信した前記端末装置に送信する筆情報提供手段と、前記メール送信要求を前記端末装置より受信した場合に、当該端末装置に送信した筆情報もしくは当該筆情報が提供されるURLを含めた電子メールを、指定されたメールアドレスに送信するメール送信手段とを備えたものである。
【0014】
このような地籍情報提供システムによれば、端末装置によって現在位置に対応する筆の一筆図もしくは集成図や筆の属性情報などの筆情報を地籍情報サーバから取得して表示することができるので、地籍の現地調査を行う場合に、調査員が一々現地において筆を指定する必要がなくなる。また、調査員は、地籍情報サーバにこのような筆情報または筆情報のURLを、所望の宛先に電子メールによって送信させることができるので、たとえば、宛先として自身のオフィスのパーソナルコンピュータを指定して電子メールを送信するようにすれば、調査後に自身のオフィスのパーソナルコンピュータを用いて、調査した筆情報を用いた作業を行う場合などに、改めて当該筆情報を自身のパーソナルコンピュータに取り込ませる特段の作業を行う必要がない。
【0015】
また、筆情報を、端末装置から電子メールの宛先とした装置に直接送信するのではなく、地物情報サーバから送信する構成としているので、端末装置に課せられている電子メール容量の制限などに関わらず筆情報を確実に所望の装置に送信することができる。また、これにより、端末装置の処理負荷や通話料金の負担の増大を抑制することもできる。
【0016】
ここで、このような地籍情報提供システムは、前記端末装置に、当該端末装置のユーザからの、前記筆情報表示手段が筆情報を表示した筆に対する情報である付加情報の入力を受け付ける付加情報入力手段と、付加情報入力手段が入力を受け付けた前記付加情報を伴う付加情報登録要求を前記地籍情報サーバに送信する付加情報登録要求送信手段とを設けると共に、前記地籍情報サーバに、前記付加情報登録要求を前記端末装置より受信した場合に、当該付加情報登録要求に伴う前記付加情報を保持する付加情報保持手段とを設けた上で、前記地籍情報サーバの前記メール送信手段において、前記メール送信要求を前記端末装置より受信した場合に、前記電子メールに、前記付加情報保持手段が保持している、当該端末装置より送信された付加情報もしくは当該付加情報が提供されるURLを含めるようにしてもよい。
【0017】
このようにすることにより現地で確認した筆の状況を付加情報として端末装置に入力することにより、この付加情報またはそのURLを筆情報またはそのURLと併せて電子メールで送信することができるようになる。
また、本発明は、併せて、ユーザによって携帯される端末装置と、当該端末装置が無線通信を介して接続可能な地籍情報サーバとを備えた地籍情報提供システムであって、以下の構成を有する地籍情報提供システムを提供する。すなわち、本地籍情報提供システムにおいて、前記端末装置は、現在位置を算出する現在位置算出手段と、前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を示す現在位置情報を伴う筆情報要求を、前記地籍情報サーバに送信する筆情報要求手段と、前記送信した筆情報要求の応答として前記地籍情報サーバから受信した筆情報に含まれる一筆図もしくは集成図と筆属性情報を表示する筆情報表示手段と、当該端末装置のユーザからの、前記筆情報表示手段が筆情報を表示した筆に対するフラグ情報の設定操作を受け付け、当該筆に対するフラグ情報の設定を要求するフラグ情報設定要求を、前記地籍情報サーバに送信するフラグ情報設定要求手段とを備え、前記地籍情報サーバは、各筆の区画地図を表す地籍図情報と各筆の地籍簿登録事項の少なくとも一部を表す筆属性情報とを記憶した地籍情報データベースと、前記筆情報要求を前記端末装置より受信した場合に、前記地籍情報データベースに記憶されている地籍図情報を参照して、当該筆情報要求に伴う前記現在位置情報が示す位置にある筆を特定し、特定した筆の一筆図もしくは当該筆を含む所定範囲の集成図を生成し、生成した一筆図もしくは集成図を、前記地籍情報データベースに記憶されている特定した筆の筆属性情報と共に含めた前記筆情報を作成し、当該筆情報要求を送信した前記端末装置に送信する筆情報提供手段と、前記フラグ情報設定要求を前記端末装置より受信した場合に、フラグ情報の設定を要求された筆に対しフラグ情報を登録するフラグ情報登録手段とを備えている。そして、前記筆情報提供手段は、前記フラグ情報登録手段によってフラグ情報が登録された筆を他の筆と判別可能な形態で表現した前記一筆図もしくは集成図を生成する。
【0018】
このような地籍情報提供システムによれば、端末装置によって現在位置に対応する筆を含む一筆図もしくは集成図を地籍情報サーバから取得して表示することができるので、現地で地籍調査などする場合に、調査員が一々筆を自身で指定する必要がない。また、この集成図において、端末装置のユーザによってフラグ情報が登録された筆は他の筆と判別可能な形態で表現されるので、たとえば、端末装置を使用する調査員が、調査を完了した筆についてフラグ情報を設定するようにすれば、集成図より調査の進捗状況を直ちに把握することができる。また、複数の調査員によって調査を分担して行うような場合に、他の調査員の作業分を含めた調査の進捗状況を集成図より把握可能とすることもできる。
【0019】
なお、以上の地物情報提供システム及び地籍情報提供システムにおいて、前記端末装置は、移動電話機であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、ユーザが、現地においてより簡便に地物情報を取得することのできる地物情報提供システムを提供することができる。また、現地で現況と地物情報を確認した地物についての地物情報の、他の装置におけるその後の入手作業を容易化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る地物情報提供システムの全体構成を示す。
図示するように、本実施形態はGISサーバ1と、移動電話網4とインターネット5を介してGISサーバ1に接続する、ユーザによって携帯される移動電話機2と、インターネット5を介してGISサーバ1に接続する、ユーザのオフィスに配置されたコンピュータ3とを含んで構成される。
【0022】
次に、図2に、GISサーバ1と移動電話機2の内部構成を示す。
図示するように、GISサーバ1は、地籍に関する情報を提供する地籍情報提供システム11や、下水道に関する情報を提供する下水道情報提供システム12や、その他の地物に関する情報を提供するサーバを含んでいる。そして、地籍情報提供システム11は、地籍情報提供サーバ111、地籍情報処理部112、座標変換テーブル113、地籍データベース114、ワークデータ保持部115、メール送信部116を備えて構成される。
【0023】
次に、移動電話機2は、移動電話網4に無線通信を介して接続する無線通信部21、無線通信部21を介した無線通信を用いて行うデータ通信を制御するデータ通信制御部22、無線通信部21を介した無線通信を用いて行う音声通信で送受する音声を処理する音声処理部23、音声通信で送信する音声をピックアップするマイク24、音声通信で受信した音声を出力するスピーカ25、GISサーバ1に対するクライアントとして機能するGISクライアント26、LCDなどである表示装置27、テンキーその他の各種操作キーを備えた操作部28、GPS衛星を用いた衛星測位によって現在位置を測位するGPS受信機29、以上、各部を制御する制御部20とを備えている。
【0024】
次に、GISサーバ1の地籍情報提供システム11の地籍データベース114に格納される情報について説明する。
図3a、bに示すように、地籍データベース114には地籍簿データと地籍図データとが格納されている。
地籍簿データは、図3aに示すように、各々が一筆に対応して設けられた地籍簿レコードの集合である。そして、各地籍簿レコードには、地籍簿レコードの識別子である地籍簿ID、対応する筆が含まれる公図を示す地籍図番号、地籍調査の調査年度、対応する筆が含まれる調査地区を登録する他、対応する筆の大字、対応する筆の小字、対応する筆の地番、対応する筆の現況地目、対応する筆の登記上の地目、対応する筆の地積、対応する筆の所有者の氏名や住所などを表す所有者情報、対応する筆の管理者の氏名や住所を表す管理者情報などが登録される。
【0025】
次に、地籍図データは、図3bに示すように、地籍図の識別子である地籍図番号と、地籍図の図形データである地籍図図形データと、地籍図内の各図形要素に与えた属性の集合である地籍図属性データが含まれる。
そして、地籍図図形データは、地籍図上で筆を構成する区画を表す多角形であるポリゴンを規定するポリゴンレイヤデータと、地籍図中に表す地番文字列や筆界点図形を規定するシンボルレイヤデータとより構成される。そして、ポリゴンレイヤデータは、地籍図中に描画したポリゴン毎に設けたポリゴンデータの集合であり、各ポリゴンデータには、ポリゴンの識別子であるポリゴン識別子と、ポリゴンの形状や配置を表すポリゴン図形データが記述される。また、シンボルレイヤデータは、地籍図中に描画したシンボル毎に設けたシンボルデータの集合であり、シンボルデータには、シンボルの識別子であるシンボル識別子と、シンボルの形状や配置を表すシンボル図形データが記述される。
【0026】
そして、地籍図属性データは、地籍図中に描画したポリゴン毎に設けられた、ポリゴンに対して与えた属性のデータであるポリゴン属性データと、地籍図中に描画したシンボル毎に設けた属性のデータであるシンボル属性データ等を含む。
そして、地籍図属性データのポリゴン属性データには、対応するポリゴンのポリゴン識別子を示す対応ポリゴン識別子と、対応するポリゴンが区画を表す筆の情報を表す筆情報が格納される。筆情報には、対応するポリゴンが表す区画が含まれる筆の地籍簿レコードの地籍簿IDの他、対応するポリゴンが区画を表す筆の道路や水路といった種別などを筆属性として記述することができる。
【0027】
以上、地籍データベース114に格納される地籍簿データと地籍図データについて説明した。
次に、地籍情報提供システム11の座標変換テーブル113には、緯度経度座標と、地籍図データが示す地籍図において採用している座標系(日本測地系もしくは世界測地系)との対応関係が予め登録されている。
また、地籍情報提供システム11のワークデータ保持部115には、図3cに示すように、ワーク毎に設けたワークレコードを保持することができる。そして、各ワークレコードには、ワークの識別を表すワークIDと1以上のユーザワークデータを登録することができる。そして、各ユーザワークデータには、ユーザの識別を表すユーザIDと、1以上の作業情報を登録することができる。また、各作業情報には、地籍簿レコードの地籍簿IDと、作業データと、登録日時と、処理済フラグを登録することができる。
【0028】
ここで、ワークとは、ユーザが属する事業体が管理する業務の単位であり、たとえば、事業体において、地区毎に地籍調査を管理するのであれば、一つの地区の地籍調査が一つのワークとなり、この地区の各筆の地籍調査作業が、このワークに属する作業となる。なお、一つのワークの作業は複数のユーザが分担して、これを行うこともできる。
【0029】
以下、このような地物情報提供システムの動作を、地物情報提供システムを利用して地籍の現況確認調査を行う場合を例にとり説明する。
まず、調査員は、現況確認調査を行う筆に対応する区画内に赴き、移動電話機2の操作部28を操作して、GISクライアント26の処理を起動する。ここで、処理を起動されたGISクライアント26は、制御部20を介して、表示装置27と操作部28を用いた入出力をユーザとの間で行う。さて、処理を起動したGISクライアント26は、まず、図4aに示すシステム選択メニューウインドウを表示装置27に表示し、ユーザから利用するシステムの選択を受け付ける。ここでは、ユーザは、地籍調査を行うので、操作部28を介して「1.地籍情報」を選択する。GISクライアント26は、「1.地籍情報」が選択されたならば、図4bに示すログインウインドウを表示し、ユーザが行っている地籍調査作業の属するワークのワークIDの入力と、地籍情報提供システム11を利用するためのパスワードの入力をユーザから受け付ける。そして、ログインウインドウに設けた送信ボタン421が操作されたならば、予め、GISクライアント26に設定されているユーザIDと入力されたワークIDとパスワードを含めたログイン要求をデータ通信制御部22、無線通信部21を介して、地籍情報提供システム11の地籍情報提供サーバ111に送信する。そして、地籍情報提供サーバ111から、ログイン成功が応答されたならば、図5に示す地籍情報処理を開始する。なお、地籍情報提供サーバ111は、ログイン要求を受けたならば、予め保持しているユーザ認証情報を用いて、ログイン要求と共に受け取ったユーザIDとパスワードの組み合わせより、ログイン要求を発行したユーザの真正性を認証し、認証が成功したならば、ログイン要求発行元のGISクライアント26にログイン成功を応答する。また、ログイン成功を応答したGISクライアント26との間のセッションを設定し、設定したセッションに対応づけてログイン要求と共に受け取ったユーザIDとワークIDを管理する。
【0030】
さて、図5に示すように、地籍情報処理においてGISクライアント26は、まず、図4cに示すメインメニューを表示する(ステップ500)。図示するように、このメインメニューには、「1.現在座標取得」メニューと、終了ボタン431が設けられている。そして、終了ボタンがユーザによって操作されたならば、(ステップ502)、地籍情報処理を終了する。一方、「1.現在座標取得」メニューが、ユーザによって選択された場合には(ステップ504)、制御部20を介してGPS受信機29から現在位置の緯度経度座標を取得し、取得した緯度経度座標の表示を含めた図4dに示す座標表示ウインドウを表示する(ステップ506)。ここで、図示するように、この座標表示ウインドウには、緯度経度座標の表示の他、「1.位置情報取得」メニューと、前メニュー要求を受け付けるための戻るボタン441が設けられている。
【0031】
次に、この座標表示ウインドウにおいて、戻るボタン441のユーザの操作により前メニュー要求が発生したならば(ステップ508)、ステップ500に戻り図4cに示すメインメニューの表示からの処理を行う。一方、「1.位置情報取得」メニューが選択されたならば(ステップ510)、GPS受信機29から取得した現在位置の緯度経度座標を伴う位置情報要求を地籍情報提供サーバ111に発行することにより、現在位置の位置情報を取得する(ステップ512)。ここで、地籍情報提供サーバ111は、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で位置情報要求を受信すると、地籍情報処理部112に位置情報の生成を要求する。地籍情報処理部112は、要求を受けると、座標変換テーブル113を参照して、位置情報要求と共にGISクライアント26から送信された緯度経度座標を日本測地系の座標に変換し、変換した日本測地系の座標を含む筆の番地と当該筆の地籍簿レコードの地籍簿IDを地籍データベース114の地籍図データと地籍簿データを参照して取得する。そして、変換した日本測地系の座標と取得した番地と地籍簿IDを含めた位置情報を生成する。そして、地籍情報提供サーバ111は、地籍情報処理部112が生成した位置情報を、位置情報要求を発行したGISクライアント26に送信する。なお、位置情報に含める地籍簿IDは、変換した日本測地系の座標を含むポリゴンを規定するポリゴンデータのポリゴン識別子を含むポリゴン属性データの筆情報の地籍簿IDとして、位置情報に含める番地は、当該地籍簿IDが示す地籍簿レコードに登録されている地番として求められる。
【0032】
さて、GISクライアント26は、位置情報を地籍情報提供サーバ111から取得したならば(ステップ512)、図4eに示す処理メニューウインドウを表示装置27に表示する(ステップ514)。ここで、図示するように、この処理メニューウインドウには、地籍情報提供サーバ111から取得した位置情報に含まれる日本測地系による現在位置の座標と、現在位置が含まれる筆の地番の表示が含まれる。また、この処理メニューウインドウには、「1.集成図表示」メニューと、「2.筆情報表示」メニューと、「3.作業データ登録」メニューと、「4.処理済登録」メニューと、「5.メール送信」メニューと、前メニュー要求を受け付けるための戻るボタン451が設けられている。ここで、調査員は、処理メニューウインドウの日本測地系による座標や地番の表示から、取得した位置情報が調査しようとする筆のものであるかどうかを確認することができる。
【0033】
さて、GISクライアント26は、このような処理メニューを表示したならば、戻るボタン451のユーザの操作による前メニュー要求の発生(ステップ516)と、1から5のいずれかのメニューの選択の発生(ステップ518、520、522、524、526)とを監視する。
【0034】
そして、戻るボタン451のユーザの操作による前メニュー要求が発生したならば(ステップ516)、ステップ500に戻り図4cに示すメインメニューの表示からの処理を行う。
一方、調査員は、たとえば、処理メニューウインドウの日本測地系による座標や地番で確認した筆の集成図を必要とする場合には、「1.集成図表示」メニューを選択する。そして、「1.集成図表示」メニューが選択された場合には(ステップ518)、最後にステップ512で取得した位置情報が示す地籍簿IDが示す筆についての地籍データを既に地籍情報提供サーバ111から取得しているかどうかを調べ(ステップ536)、取得している場合にはステップ540に進む。一方、取得していない場合には、地籍情報提供サーバ111に、最後にステップ512で取得した位置情報に含まれる地籍簿IDを指定した地籍データ要求を発行することにより、当該地籍データを取得した上で、ステップ540に進む。ここで、地籍情報提供サーバ111は、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で地籍データ要求を受信すると地籍データの生成を地籍情報処理部112に要求する。地籍情報処理部112は、要求を受けると、地籍データ要求と共に受け取った地籍簿IDが示す地籍簿レコードに登録されている筆属性と、当該地籍簿IDが筆情報に登録されているポリゴン属性データの対応ポリゴン識別子が示すポリゴンデータと、当該ポリゴンデータが示すポリゴンの周辺の所定範囲の地域内に含まれるポリゴンとシンボルについてのポリゴンデータとシンボルデータとを含めた地籍データを生成する。ただし、地籍データ要求と共に受け取った地籍簿IDが筆情報に登録されているポリゴン属性データの対応ポリゴン識別子が示すポリゴンデータについては、ポリゴン内の塗りつぶし色を所定の強調色に変更する加工を行った上で地籍データに含めるようにする。また、地籍データ要求と共に受け取った地籍簿IDが筆情報に登録されているポリゴン属性データの対応ポリゴン識別子を、対象筆対応ポリゴン識別子として地籍データに含めるようにする。そして、地籍情報提供サーバ111は、地籍情報処理部112が生成した地籍データを、地籍データ要求で指定された地籍簿IDが示す筆についての地籍データとして地籍データ要求を発行したGISクライアント26に送信する。
【0035】
さて、ステップ540では、図4fに示す集成図の表示を含めた集成図表示ウインドウを表示装置27に表示する。図示するように、集成図表示ウインドウは、最後に取得した地籍データに含まれるポリゴンデータとシンボルデータが示す、所定縮尺の集成図を含む。また、この集成図表示ウインドウには、「1.メモ」メニューと「2.作図」メニューと、縮小ボタン461と、前メニュー要求を受け付けるための戻るボタン462と、拡大ボタン463とが設けられている。ここで、図示するように、以上の処理によって、調査員が位置している筆とその周辺の筆を表す集成図が、調査員が位置している筆を表すポリゴンが他のポリゴンと異なる強調色で塗りつぶした形態で表示されることになる。
【0036】
さて、集成図表示ウインドウを表示したならば、GISクライアント26は、「1.メモ」メニューまたは「2.作図」メニューの選択による情報付加要求の発生(ステップ542)と戻るボタン462のユーザの操作による前メニュー要求の発生(ステップ544)を監視する。
【0037】
さて、調査員は、集成図表示ウインドウが表示されている状態において、現地調査の結果をメモとして記録したい場合には「1.メモ」メニューを選択し、現地調査の結果を集成図上の図形として記録したい場合には、「2.作図」メニューを選択する。そして、「1.メモ」メニューまたは「2.作図」メニューが選択されたならば、GISクライアント26は情報付加要求発生と判定し(ステップ542)、ユーザの情報付加作業を受け付け、受け付けた情報付加作業によって入力された内容を作業データとして保持する(ステップ546)。すなわち、GISクライアント26は、集成図表示ウインドウで、「1.メモ」メニューが選択された場合には、図4hに示すように、メモ入力ボックス471を表示し、ユーザから文字列の入力を受け付け、メモ入力ボックス471と共に表示した「9.メモ終了」メニューが選択されたならば、メモ入力ボックス471に入力された文字列のデータを作業データとして、最後にステップ512で取得した位置情報が示す地籍簿IDに対応づけて保存し、メモ入力ボックス471を閉じ、表示を「1.メモ」メニューが選択される前の集成図表示ウインドウの表示状態に戻す。
【0038】
また、GISクライアント26は、集成図表示ウインドウで、「2.作図」メニューが選択された場合には、図4jに示すように、表示した集成図上での線図の描画を受け付け、表示した「9.作図終了」メニューが選択されたならば描画を受け付けた線図のデータを作業データとして、最後にステップ512で取得した位置情報が示す地籍簿IDに対応づけて保存し、表示を「2.作図」メニューが選択される前の集成図表示ウインドウの表示状態に戻す。
【0039】
一方、GISクライアント26は、集成図表示ウインドウにおいて、戻るボタン462のユーザの操作による前メニュー要求が発生した場合には(ステップ544)、ステップ514に戻り、図4eの処理メニューウインドウ表示からの処理を行う。なお、GISクライアント26は、集成図表示ウインドウの表示中、以上のような処理の他、縮小ボタン461が操作された場合に表示する集成図の縮尺を小さくしたり、拡大ボタン463が操作された場合に対象筆対応ポリゴン識別子が示すポリゴン(調査員が位置している筆のポリゴン)を図4gに示すように集成図表示領域いっぱいに拡大表示する処理なども行う。
【0040】
次に、処理メニューウインドウを表示している状態において、調査員は、たとえば、処理メニューウインドウの日本測地系による座標や地番で確認した筆の地籍簿上の情報を必要とする場合には、「2.筆情報表示」メニューを選択する。そして、GISクライアント26は、処理メニューウインドウを表示している状態において、「2.筆情報表示」メニューが選択された場合には(ステップ520)、最後にステップ512で取得した位置情報が示す地籍簿IDが示す筆についての地籍データを既に地籍情報提供サーバ111から取得しているかどうかを調べ(ステップ548)、取得している場合にはステップ552に進む。一方、取得していない場合には、前述のように地籍情報提供サーバ111に、最後にステップ512で取得した位置情報に含まれる地籍簿IDを指定した地籍データ要求を発行することにより、当該地籍データを取得した上で(ステップ550)、ステップ552に進む。
【0041】
そして、ステップ552では、図4kに示す筆属性の表示を含めた筆情報表示ウインドウを表示装置27に表示する。図示するように、集成図表示ウインドウは、最後に取得した地籍データに含まれる筆属性の表示(調査員が位置している筆の筆属性の表示)を含む。また、この筆情報表示ウインドウには、前メニュー要求を受け付けるための戻るボタン481が設けられている。
【0042】
さて、筆情報表示ウインドウを表示したならば、GISクライアント26は、戻るボタン481のユーザの操作による前メニュー要求の発生を待って(ステップ554)、ステップ514に戻り、図4eの処理メニューウインドウ表示からの処理を行う。
次に、処理メニューウインドウを表示している状態において、調査員は、処理メニューウインドウの日本測地系による座標や地番で確認した筆について、作業データとして保存されている図4hや図4jのようにして入力したメモや描画した線図のデータを地籍情報提供システム11に登録したい場合には「3.作業データ登録」メニューを選択する。そして、GISクライアント26は、処理メニューウインドウを表示している状態において、「3.作業データ登録」メニューが選択された場合には(ステップ522)、保存している作業データと当該作業データが対応づけられて保存されている地籍簿IDを伴う作業データ登録要求を地籍情報提供サーバ111に送信することにより、当該作業データを地籍情報提供システム11のワークデータ保持部115に登録して(ステップ556)、ステップ514に戻り、図4eの処理メニューウインドウ表示からの処理を行う。ただし、保存している作業データのうち、過去にステップ556で既に地籍情報提供システム11のワークデータ保持部115に登録した作業データについては、作業データ登録要求を地籍情報提供サーバ111に発行しない。ここで、地籍情報提供サーバ111は、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で作業データ登録要求を受信すると、当該セッションに対応づけて管理しているワークIDを持つ、ワークデータ保持部115に保持されているワークレコードの、当該セッションに対応づけて管理しているユーザIDを持つユーザワークデータに、新たな作業情報を作成し、作成した作業情報に、作業データ登録要求と共に受信した地籍簿IDと作業データを登録する。また、作成した作業データに、現在日時を登録日時として登録する。なお、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で作業データ登録要求を受信したときに、ワークデータ保持部115に当該セッションに対応づけて管理しているワークIDを持つワークレコードや当該セッションに対応づけて管理しているユーザIDを持つユーザワークデータが存在しない場合には、そのようなワークレコードやユーザワークデータを作成した上で、作業情報の作成と地籍簿IDや作業データや登録日時の登録を行う。
【0043】
さて、次に、処理メニューウインドウを表示している状態において、調査員は、処理メニューウインドウの日本測地系による座標や地番で確認した筆についての現地調査作業が完了したならば、「4.処理済登録」メニューを選択する。そして、GISクライアント26は、処理メニューウインドウを表示している状態において、「4.処理済登録」メニューが選択された場合には(ステップ524)、最後にステップ512で取得した位置情報に含まれる地籍簿IDを指定した処理済登録要求を、地籍情報提供サーバ111に送信することにより、当該地籍簿IDの筆の処理の完了を地籍情報提供システム11のワークデータ保持部115に登録して(ステップ558)、ステップ514に戻り、図4eの処理メニューウインドウ表示からの処理を行う。ここで、地籍情報提供サーバ111は、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で処理済登録要求を受信すると、ワークデータ保持部115に保持されている、当該セッションに対応づけて管理しているワークIDを持つワークレコードの、当該セッションに対応づけて管理しているユーザIDを持つユーザワークデータに、新たな作業情報を作成し、作成した作業情報に処理済を示す値の処理済フラグを登録する。また、作成した作業データに、現在日時を登録日時として登録する。また、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で作業データ登録要求を受信したときに、ワークデータ保持部115に当該セッションに対応づけて管理しているワークIDを持つワークレコードや当該セッションに対応づけて管理しているユーザIDを持つユーザワークデータが存在しない場合には、そのようなワークレコードやユーザワークデータを作成した上で、作業情報の作成と処理済フラグの設定や登録日時の登録を行う。
【0044】
次に、処理メニューウインドウを表示している状態において、調査員は、作業した筆の地籍データや当該筆について地籍情報提供システム11に登録されている作業データや処理済の状況や、自身と同じワークに属する作業を行っている調査員が作業した筆の地籍データや当該筆について地籍情報提供システム11に登録されている作業データや作業の処理済の状況を、オフィスに配置された自身のコンピュータ3に転送したい場合には、「5.メール送信」メニューを選択する。
【0045】
そして、GISクライアント26は、処理メニューウインドウを表示している状態において、「5.メール送信」メニューが選択された場合には(ステップ526)、まず、ステップ556で地籍情報提供システム11のワークデータ保持部115にまだ登録していない作業データが存在するかどうかを調べ(ステップ532)、存在しない場合にはステップ534に進む。一方、そのような作業データが存在する場合には、存在した作業データを、前述のように作業データ登録要求を地籍情報提供サーバ111に発行することにより、地籍情報提供システム11のワークデータ保持部115に登録した上で(ステップ560)、ステップ534に進む。そして、ステップ534では、ユーザから選択された地籍データと作業データのメール送信要求を地籍情報提供サーバ111に発行し、ステップ514に戻り、図4eの処理メニューウインドウ表示からの処理を行う。
【0046】
ここで、ステップ534では、図4mに示すメール送信メニューウインドウを表示装置27に表示し、メール送信要求を発行する地籍データと作業データの選択を受け付ける。すなわち、図示するように、「1.現在の筆のデータ」メニュー、「2.今日作業した筆のデータ」メニュー、「3.ワークグループが今日作業した筆のデータ」メニューなどのメール送信要求を発行する地籍データと作業データの選択を受け付けるためのメニューと、前メニュー要求を受け付けるための戻るボタン491を設けている。
【0047】
さて、調査員は、現在位置している筆の地籍データや当該筆について地籍情報提供システム11に登録されている作業データや処理済の状況を、オフィスに配置された自身のコンピュータ3に転送したい場合には、「1.現在の筆のデータ」メニューを選択する。そして、「1.現在の筆のデータ」メニューが選択された場合には、予めGISクライアント26に設定されている自身のコンピュータ3のメールアドレスをメール宛先アドレスとして指定した、最後にステップ512で取得した位置情報に含まれる地籍簿IDを含むメール送信要求を、地籍情報提供サーバ111に送信する。また、調査員は、今日作業した全ての筆の地籍データや当該筆について地籍情報提供システム11に登録されている作業データや処理済の状況を、オフィスに配置された自身のコンピュータ3に転送したい場合には、「2.今日作業した筆のデータ」メニューを選択する。そして、「2.今日作業した筆のデータ」メニューが選択された場合には、GISクライアント26は、予めGISクライアント26に設定されている自身のコンピュータ3のメールアドレスをメール宛先アドレスとして指定した、本日取得した地籍データについて発行した地籍データ要求で指定した地籍簿IDの全てを含めたメール送信要求を地籍情報提供サーバ111に送信する。また、調査員は、自身と同じワークに属する作業を行っている調査員が今日作業した筆の地籍データや当該筆について地籍情報提供システム11に登録されている作業データや作業の処理済の状況を、オフィスに配置された自身のコンピュータ3に転送したい場合には、「3.ワークグループが今日作業した筆のデータ」メニューを選択する。そして、GISクライアント26は、「3.ワークグループが今日作業した筆のデータ」メニューが選択された場合には、予めGISクライアント26に設定されているたとえば、自身のコンピュータ3のメールアドレスをメール宛先アドレスとして指定した、ワークグループ本日処理データのメール送信要求を地籍情報提供サーバ111に送信する。
【0048】
なお、メール送信メニューウインドウで戻るボタン491のユーザの操作による前メニュー要求が発生した場合には、GISクライアント26は、ステップ514に戻り、図4eの処理メニューウインドウ表示からの処理を行うようにする。
さて、地籍情報提供サーバ111は、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で一つの地籍簿IDを含むメール送信要求を受け取った場合、当該地籍簿IDと同じ地籍簿IDを指定した地籍データ要求を受け取ったときの処理と同様にして地籍情報処理部112に地籍データを生成させる。また、ワークデータ保持部115から、当該セッションに対応づけて管理しているワークIDを持つワークレコードの、当該セッションに対応づけて管理しているユーザIDを持つユーザワークデータの、受け取った地籍簿IDが登録されている作業情報を抽出する。そして、生成された地籍データと抽出した作業情報をファイル化し、当該ファイルの、メール送信要求でメール宛先アドレスとして指定メールアドレスへの電子メールの送信をメール送信部116に要求する。要求を受けたメール送信部116は、送信を要求されたファイルを添付ファイルとして添付した、送信を要求されたメールアドレス宛の電子メールを作成し、インターネット5に送信する。なお、この電子メールのタイトルは、たとえば、受け取った地籍簿IDの地籍データを送信するメールであることを示す文字列とする。
【0049】
また、地籍情報提供サーバ111は、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で複数の地籍簿IDを含むメール送信要求を受け取った場合、受け取った各地籍簿IDについて、それぞれ、一つの地籍簿IDを含むメール送信要求を受け取った場合と同様の処理を行って、各地籍簿ID毎に地籍データの生成と作業情報の抽出を行う。そして、生成した地籍データと抽出した作業情報をファイル化し、当該ファイルの、メール送信要求でメール宛先アドレスとして指定メールアドレスへの電子メールの送信をメール送信部116に要求する。要求を受けたメール送信部116は、送信を要求されたファイルを添付ファイルとして添付した、送信を要求されたメールアドレス宛の電子メールを作成し、インターネット5に送信する。なお、この電子メールのタイトルは、たとえば、本日作業した地籍データを送信するメールであることを示す文字列とする。
【0050】
一方、地籍情報提供サーバ111は、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で、ワークグループ本日処理データのメール送信要求を受け取った場合、当該セッションに対応づけて管理しているワークIDを持つワークレコードの、各ユーザワークデータの作業情報のうち、登録日時として本日の日時が登録されている作業情報を抽出する。そして、抽出した各作業情報に登録されている各地籍簿IDについて、それぞれ、一つの地籍簿IDを含むメール送信要求を受け取った場合と同様の処理を行って、各地籍簿ID毎に地籍データの生成と作業情報の抽出を行う。そして、生成した地籍データと抽出した作業情報をファイル化し、当該ファイルの、メール送信要求でメール宛先アドレスとして指定メールアドレスへの電子メールの送信をメール送信部116に要求する。要求を受けたメール送信部116は、送信を要求されたファイルを添付ファイルとして添付した、送信を要求されたメールアドレス宛の電子メールを作成し、インターネット5に送信する。なお、この電子メールのタイトルは、たとえば、本日同ワーク内で作業された地籍データを送信するメールであることを示す文字列とする。
【0051】
以上、地物情報提供システムの動作について説明した。
ところで、以上の実施形態では、地籍情報提供システム11において、GISクライアント26との間に設定しているセッション中で地籍データ要求を受信した場合に生成する地籍データに含めるポリゴンデータのうち、地籍データ要求と共に受け取った地籍簿IDが筆情報に登録されているポリゴン属性データの対応ポリゴン識別子が示すポリゴンデータについてのみ、ポリゴン内の塗りつぶし色を所定の強調色に変更する加工を行った上で地籍データに含めるようにした。しかし、これは、生成する地籍データに含めるポリゴンデータのうちの、当該セッションに対応づけて管理しているワークIDを持つワークレコードの、当該セッションに対応づけて管理しているユーザIDを持つユーザワークデータの、処理済を示す値の処理済フラグが設定されている作業情報に登録されている地籍簿IDが筆情報に登録されているポリゴン属性データの対応ポリゴン識別子が示すポリゴンデータのうちの、塗りつぶし色を強調色としたポリゴンデータ以外のポリゴンについても、ポリゴン内の塗りつぶしパターンを所定の塗りつぶしパターンに変更する加工を行った上で地籍データに含めるようにしてもよい。
【0052】
このようにすることにより、図6aに示すように、集成図表示ウインドウにおいて、現在調査員が位置している筆601及び当該調査員が処理済を登録した筆602を、他の筆と区別可能に表現した集成図を移動電話機2において表示することができるようになり、調査員は、この集成図より直ちに作業済みの筆を認知できるようになる。
【0053】
または、生成する地籍データに含めるポリゴンデータのうちの、当該セッションに対応づけて管理しているワークIDを持つワークレコードのユーザワークデータの、処理済を示す値の処理済フラグが設定されている作業情報に登録されている地籍簿IDが筆情報に登録されているポリゴン属性データの対応ポリゴン識別子が示すポリゴンデータのうちの、塗りつぶし色を強調色としたポリゴンデータ以外のポリゴンについても、ポリゴン内の塗りつぶしパターンを所定の塗りつぶしパターンに変更する加工を行った上で地籍データに含めるようにしてもよい。
【0054】
このようにすることにより図6bに示すように、集成図表示ウインドウにおいて、現在調査員が位置している筆601及び当該調査員と同じワークの作業している調査員が処理済を登録した筆603を、他の筆と区別可能に表現した集成図を移動電話機2において表示することができるようになり、調査員は、この集成図より直ちにワークにおいて作業済みの筆を認知できるようになる。
【0055】
ただし、この場合には、図6cに示すように、集成図表示ウインドウにおいて、当該調査員が処理済を登録した筆604については、他の調査員が処理済を登録した筆605と異なる塗りつぶしパターンで塗りつぶすように地籍データに含めるポリゴンデータを加工するようにしてもよい。
【0056】
また、以上の実施形態では、移動電話機2のGISクライアント26において、予めGISクライアント26に設定されている移動電話機2を携帯している調査員のコンピュータ3のメールアドレスをメール宛先アドレスとして指定したメール送信要求を発行したが、メール宛先アドレスとして指定するメールアドレスは、任意のコンピュータ3や任意の移動電話機2のアドレスであってよい。
【0057】
また、以上の実施形態は、メール送信要求を発行する際に、ユーザから、メール宛先アドレスとするメールアドレスの指定を、メールアドレスの入力またはアドレスブックからの選択などによって受け付け、指定を受け付けたメールアドレスを、メール宛先アドレスとして指定してメール送信要求を発行するようにしてもよい。このようにすることにより調査員は、任意のコンピュータ3や他の作業員が携帯している移動電話機2などの任意の装置に地籍データや作業情報を送信することができるようになる。
【0058】
また、以上の実施形態は、移動電話機2に代えて、無線通信機能を備えた携帯端末を用いる場合についても同様に適用することができる。
また、以上の実施形態では、地籍情報提供システム11のメール送信部116において、メールに地籍データや作業情報をファイル化したファイルを添付して送信したが、このようなファイルを添付ファイルとして電子メールで送信する代わりに、FTPなどの適当なファイル転送プロトコルでファイルの配信を行うファイルサーバ上に、このようなファイルを配置し、送信する電子メールには、ファイルを添付せずに、このようなファイルをファイルサーバからダウンロードするためのURLを本文中などに含めるのみとするようにしてもよい。この場合には、電子メールを受信したコンピュータ3などにおいて、電子メールで通知されたURLにアクセスするだけの簡易な操作によって、ファイルをファイルサーバからダウンロードすることになる。
【0059】
また、以上では、地籍情報を扱う地籍情報システムへの適用を例にとり説明したが、本実施形態は、土地区画、上/下水等の各種ライフライン、建造物、家屋その他の任意の地物の情報を扱う任意のシステムに同様に適用可能である。
以上のように、本実施形態によれば、移動電話機2において、当該移動電話機2で算出した現在位置に対応する筆などの地物の情報をGISサーバ1から取得して表示することができるので、地物の状況を現地で調査などする場合に、調査員が一々情報を取得する地物を指定する必要がない。また、調査員は、GISサーバ1にこのような地物の情報または地物の情報のURLを、所望の宛先に電子メールによって送信させることができるので、たとえば、宛先として自身のオフィスのパーソナルコンピュータを指定して電子メールを送信するようにすれば、調査後に自身のオフィスのパーソナルコンピュータを用いて、調査した地物の情報を用いた作業を行う場合などに改めて当該地物の情報を自身のパーソナルコンピュータに取り込ませる特段の作業を行う必要がない。
【0060】
また、現地で確認した筆などの地物の状況を作業情報として移動電話機2に入力することにより、この作業情報またはそのURLを地物の情報またはそのURLと併せて電子メールで送信することができるようになる。
また、移動電話機2から地物の情報や作業情報を、電子メールの宛先とした装置に送信するのではなく、GISサーバ1やファイルサーバから送信する構成としているので、移動電話機2に課せられている電子メール容量の制限などに関わらず地物の情報や作業情報を確実に所望の装置に送信することができる。また、これにより、移動電話機2の処理負荷や通話料金の負担の増大を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態に係る地物情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るGISサーバと移動電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る地籍情報提供システムが保持するデータを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る移動電話機の表示画面例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る移動電話機のGISクライアントが行う地籍情報処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る移動電話機の表示画面例を示す図である
【符号の説明】
【0062】
1…GISサーバ、2…移動電話機、3…コンピュータ、4…移動電話網、5…インターネット、11…地籍情報提供システム、12…下水道情報提供システム、20…制御部、21…無線通信部、22…データ通信制御部、23…音声処理部、24…マイク、25…スピーカ、26…GISクライアント、27…表示装置、28…操作部、29…GPS受信機、111…地籍情報提供サーバ、112…地籍情報処理部、113…座標変換テーブル、114…地籍データベース、115…ワークデータ保持部、116…メール送信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって携帯される端末装置と、当該端末装置が無線通信を介して接続可能な地物情報サーバとを備えた地物情報提供システムであって、
前記端末装置は、
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を示す現在位置情報を伴う地物情報要求を、前記地物情報サーバに送信する地物情報要求手段と、
前記送信した地物情報要求の応答として前記地物情報サーバから受信した、地物に関する情報を表す地物情報を表示する地物情報表示手段と、
前記受信した地物情報の、指定したメールアドレスへのメール送信要求を前記地物情報サーバに送信するメール送信要求手段とを有し、
前記地物情報サーバは、
複数の地物について、前記地物情報と当該地物の位置と対応づけて記憶した地物情報データベースと、
前記地物情報要求を前記端末装置より受信した場合に、当該端末装置に、当該地物情報要求に伴う前記現在位置情報が示す位置に対応づけて前記地物情報サーバに記憶されている前記地物情報を送信する地物情報提供手段と、
前記メール送信要求を前記端末装置より受信した場合に、当該端末装置に送信した地物情報もしくは当該地物情報が提供されるURLを含めた電子メールを、指定されたメールアドレスに送信するメール送信手段とを有することを特徴とする地物情報提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の地物情報提供システムであって、
前記端末装置は、
当該端末装置のユーザからの、地物情報表示手段が地物情報を表示した地物に対する情報である付加情報の入力を受け付ける付加情報入力手段と、
付加情報入力手段が入力を受け付けた前記付加情報を伴う付加情報登録要求を前記地物情報サーバに送信する付加情報登録要求送信手段とを有し、
前記地物情報サーバは、
前記付加情報登録要求を前記端末装置より受信した場合に、当該付加情報登録要求に伴う前記付加情報を保持する付加情報保持手段とを有し、
前記地物情報サーバの前記メール送信手段は、前記メール送信要求を前記端末装置より受信した場合に、前記電子メールに、前記付加情報保持手段が保持している、当該端末装置より送信された付加情報もしくは当該付加情報が提供されるURLを含めることを特徴とする地物情報提供システム。
【請求項3】
ユーザによって携帯される端末装置と、当該端末装置が無線通信を介して接続可能な地物情報サーバとを備えた地物情報提供システムであって、
前記端末装置は、
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を示す現在位置情報を伴う地物地図要求を、前記地物情報サーバに送信する地物地図要求手段と、
前記送信した地物地図要求の応答として前記地物情報サーバから受信した、地物の位置を示す地物地図を表示する地物地図表示手段と、
当該端末装置のユーザからの、地物に対するフラグ情報の設定操作を受け付け、当該地物に対するフラグ情報の設定を要求するフラグ情報設定要求を、前記地物情報サーバに送信するフラグ情報設定要求手段とを有し、
前記地物情報サーバは、
前記地物の地図を表す地物地図情報を記憶した地物地図データベースと、
前記フラグ情報設定要求を前記端末装置より受信した場合に、フラグ情報の設定を要求された地物に対しフラグ情報を登録するフラグ情報登録手段と、
前記地物地図要求を前記端末装置より受信した場合に、前記地物地図データベースに記録された地物地図情報を参照して、当該地物地図要求に伴う前記現在位置情報が示す位置にある地物を含む所定の範囲の地物地図を生成し、当該地物地図要求を送信した前記端末装置に送信する地物地図提供手段とを有し、
前記地物地図提供手段は、前記フラグ情報登録手段によってフラグ情報が登録された地物を他の地物と区別可能な形態で表現した前記地物地図を生成することを特徴とする地物情報提供システム。
【請求項4】
ユーザによって携帯される端末装置と、当該端末装置が無線通信を介して接続可能な地籍情報サーバとを備えた地籍情報提供システムであって、
前記端末装置は、
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を示す現在位置情報を伴う筆情報要求を、前記地籍情報サーバに送信する筆情報要求手段と、
前記送信した筆情報要求の応答として前記地籍情報サーバから受信した筆情報に含まれる一筆図もしくは集成図と筆属性情報を表示する筆情報表示手段と、
前記受信した筆情報の、指定したメールアドレスへのメール送信要求を前記地籍情報サーバに送信するメール送信要求手段とを有し、
前記地籍情報サーバは、
各筆の区画地図を表す地籍図情報と各筆の地籍簿登録事項の少なくとも一部を表す筆属性情報とを記憶した地籍情報データベースと、
前記筆情報要求を前記端末装置より受信した場合に、前記地籍情報データベースに記憶されている地籍図情報を参照して、当該筆情報要求に伴う前記現在位置情報が示す位置にある筆を特定し、特定した筆の一筆図もしくは当該筆を含む所定範囲の集成図を生成し、生成した一筆図もしくは集成図を、前記地籍情報データベースに記憶されている、特定した筆の筆属性情報と共に含めた前記筆情報を作成し、当該筆情報要求を送信した前記端末装置に送信する筆情報提供手段と、
前記メール送信要求を前記端末装置より受信した場合に、当該端末装置に送信した筆情報もしくは当該筆情報が提供されるURLを含めた電子メールを、指定されたメールアドレスに送信するメール送信手段とを有することを特徴とする地籍情報提供システム。
【請求項5】
請求項4記載の地籍情報提供システムであって、
前記端末装置は、
当該端末装置のユーザからの、前記筆情報表示手段が筆情報を表示した筆に対する情報である付加情報の入力を受け付ける付加情報入力手段と、
付加情報入力手段が入力を受け付けた前記付加情報を伴う付加情報登録要求を前記地籍情報サーバに送信する付加情報登録要求送信手段とを有し、
前記地籍情報サーバは、
前記付加情報登録要求を前記端末装置より受信した場合に、当該付加情報登録要求に伴う前記付加情報を保持する付加情報保持手段とを有し、
前記地籍情報サーバの前記メール送信手段は、前記メール送信要求を前記端末装置より受信した場合に、前記電子メールに、前記付加情報保持手段が保持している、当該端末装置より送信された付加情報もしくは当該付加情報が提供されるURLを含めることを特徴とする地籍情報提供システム。
【請求項6】
ユーザによって携帯される端末装置と、当該端末装置が無線通信を介して接続可能な地籍情報サーバとを備えた地籍情報提供システムであって、
前記端末装置は、
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記現在位置算出手段が現在位置として算出した位置を示す現在位置情報を伴う筆情報要求を、前記地籍情報サーバに送信する筆情報要求手段と、
前記送信した筆情報要求の応答として前記地籍情報サーバから受信した筆情報に含まれる一筆図もしくは集成図と筆属性情報を表示する筆情報表示手段と、
当該端末装置のユーザからの、前記筆情報表示手段が筆情報を表示した筆に対するフラグ情報の設定操作を受け付け、当該筆に対するフラグ情報の設定を要求するフラグ情報設定要求を、前記地籍情報サーバに送信するフラグ情報設定要求手段とを有し、
前記地籍情報サーバは、
各筆の区画地図を表す地籍図情報と各筆の地籍簿登録事項の少なくとも一部を表す筆属性情報とを記憶した地籍情報データベースと、
前記筆情報要求を前記端末装置より受信した場合に、前記地籍情報データベースに記憶されている地籍図情報を参照して、当該筆情報要求に伴う前記現在位置情報が示す位置にある筆を特定し、特定した筆の一筆図もしくは当該筆を含む所定範囲の集成図を生成し、生成した一筆図もしくは集成図を、前記地籍情報データベースに記憶されている特定した筆の筆属性情報と共に含めた前記筆情報を作成し、当該筆情報要求を送信した前記端末装置に送信する筆情報提供手段と、
前記フラグ情報設定要求を前記端末装置より受信した場合に、フラグ情報の設定を要求された筆に対しフラグ情報を登録するフラグ情報登録手段とを有し、
前記筆情報提供手段は、前記フラグ情報登録手段によってフラグ情報が登録された筆を他の筆と判別可能な形態で表現した前記一筆図もしくは集成図を生成することを特徴とする地籍情報提供システム。
【請求項7】
請求項4、5または6記載の地籍情報提供システムであって、
前記端末装置は移動電話機であることを特徴とする地籍情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−86241(P2007−86241A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273036(P2005−273036)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000125978)株式会社きもと (167)
【Fターム(参考)】