説明

均一な共単量体分布を有するエチレン−オクテン共重合体

本発明は、狭い分子量分布を有し、均一な共単量体分布を有するエチレン−オクテン共重合体に関するものである。本発明によるエチレン−オクテン共重合体は、従来の通常のエチレン−オクテン共重合体より共単量体の分布が均一であるだけでなく、さらに低い密度を具現することができ、さらい低い融点を有する特性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、均一な共単量体分布を有するエチレン−オクテン共重合体に関するものである。具体的に、本発明は、狭い分子量分布を有し、エチレンと共重合される共単量体の分布が均一であり、同一の共単量体含有量で低い密度を有するエチレン−オクテン共重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン製造において、メタロセン触媒は0.860〜0.950g/cmの密度範囲を有する幅広い製品を生産可能にした。メタロセン触媒を用いて製造されたポリエチレンは、重合体の主な鎖の大きさ及び構造が比較的に均一であるという特徴を有している。その物理化学的特徴は、共単量体の種類、含有量、分子量と分子量分布、主鎖内の共単量体の分布及び結晶構造などによって決められ、言い換えれば、高分子化合物の複雑な構造をなす全ての要素が影響を与えて、総合した形態で表される結果であるといえる。
【0003】
エチレンとα−オレフィンの共重合は、主鎖内に分枝鎖を形成させて、ポリオレフィンの結晶化度と密度を調節する方法である。分枝鎖がほとんどない構造である場合には、結晶構造をよく形成するため密度が高いが、分枝鎖が多く存在する場合には、結晶構造をよく形成できないため比較的低い密度を示すようになる。したがって、密度が低い共重合体であるほど融点が低くなる。
【0004】
ポリオレフィン共重合体の融点に最も大きい影響を与える要因は、共単量体(α−オレフィン)の含有量と主鎖内の共単量体の分布である。主鎖内の共単量体の分布は、高分子の融点、結晶化度、及び、物理的性質の弾性モジュラス、引張強度、光透過度に影響を与える。
【0005】
ランダム共重合体で共単量体が融点の減少にどんな影響を与えるかは、Floryの文献[Trans Faraday Soc 1955、51、848]に、下記のように記述されている。
【0006】
【数1】

【0007】
上記式において、Tmは、共重合体の融点であり、Tmは、エチレン単独重合体の融点である。Rは、気体定数であり、△Huは、100%PEのモル当りエンタルピーであり、pは、共重合体の分布においてエチレン単量体の次にエチレンがくる確率である。
【0008】
Allegraの文献[J Polym Sci Part B:Polym Phys 1992、30、809]によると、下記のように、pは共単量体の分布に依存する。
【0009】
【数2】

【0010】
上記式において、Xは、高分子内のエチレンのモル分率であり、r、rは、共重合体において、それぞれ、エチレン、共単量体の反応性を示すものであって、触媒システムの特徴を説明するのに用いられる。rは、その積であって、共重合体において高分子主鎖内にモノマーの分布を示す。単量体に対する反応性比であるr、r値は、13C NMRスペクトルをRandallの方法によって解釈することができ、Kakugoの方法[Macromolecules 1982,15,1150]によって計算できる。
【0011】
【数3】

【0012】
Eは、エチレンであり、Cは、共単量体であり、Xは、反応器に注入される単量体であるエチレンと共単量体のモル分率である。この値は、反応器に投入される単量体の量と13C NMR解釈によって共重合体の微細構造を想像することができる手段である。
【0013】
共単量体の分布がブロック分布(blocky、r*r>1)を示すと、融点が高く、均一な分布(代替分布:alternative、r*r<1)を示すと、融点が低く、ランダム分布(無作為分布:random、r*r=1)を示すと、融点はその中間に位置する。このような特徴は、Mirabellaの文献[J Polym Sci Part B:Polym Phys 2004,42,3416〜3427]にも詳しく記述されている。
【0014】
したがって、フィルムの製造時、低い温度でも十分なシーリング現象が現れることができ、優れたシーリング強度を確保できるように、狭い分子量分布を有し、エチレンと共重合される共単量体の分布が均一であり、同一の共単量体含有量で低い密度を有するエチレン−オクテン共重合体に対する研究が必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Flory、Trans Faraday Soc 1955、51、848
【非特許文献2】Allegra、J Polym Sci Part B:Polym Phys 1992、30、809
【非特許文献3】Kakugo、Macromolecules 1982,15,1150
【非特許文献4】Mirabella、J Polym Sci Part B:Polym Phys 2004,42,3416〜3427
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明では、メタロセン触媒を用いて超低密度のエチレンオクテン共重合体の製造時、オクテンの分布が均一であって、同一のオクテン含有量で低い密度と低い融点を有する新規なエチレン−オクテン共重合体を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、触媒組成物の存在下で製造され、密度が0.857〜0.91g/cmのエチレン−オクテン共重合体であって、
1)分子量分布(Mw/Mn)は、3.5以下であり、
2)エチレンの触媒に対する反応性比(r)とオクテンの前記触媒に対する反応性比(r)の積は、0.5〜0.8であり、
3)前記エチレン−オクテン共重合体の密度とエチレン−オクテン共重合体内のオクテンの含有量(α、mol%)は、下記数式1を満たすことを特徴とするエチレン−オクテン共重合体を提供する。
【0018】
[数式1]
0.9190−0.0043α<密度<0.9205−0.0040α
【0019】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明によるエチレン−オクテン共重合体は、触媒組成物の存在下で製造され、密度が0.857〜0.91g/cmのエチレン−オクテン共重合体であって、1)分子量分布(Mw/Mn)は、3.5以下であり、2)エチレンの触媒に対する反応性比(r)とオクテンの前記触媒に対する反応性比(r)の積は、0.5〜0.8であり、3)前記エチレン−オクテン共重合体の密度とエチレン−オクテン共重合体内のオクテンの含有量(α、mol%)は、上記数式1を満たすことを特徴とする。
【0021】
本発明によるエチレン−オクテン共重合体において、エチレンの触媒に対する反応性比(r)とオクテンの前記触媒に対する反応性比(r)の積は、0.5〜0.8であることを特徴とする。
【0022】
前記エチレンの触媒に対する反応性比(r)とオクテンの前記触媒に対する反応性比(r)の積、すなわち、r*rは、エチレン−オクテン共重合体で高分子主鎖内に単量体の分布を示す。単量体の触媒に対する反応性比であるr、r値は、13C NMRスペクトルをRandallの方法によって解釈することができ、Kakugoの方法[Macromolecules 1982、15、1150]によって下記のように計算できる。
【0023】
【数4】

【0024】
ここで、Eは、エチレンであり、Cは、共単量体であるオクテンであり、Xは、反応器に注入される単量体であるエチレンとオクテンのモル分率である。また、EEEは、エチレン−オクテン共重合体内のエチレン−エチレン−エチレンの順に配列されたもののモル%であり、EECは、エチレン−オクテン共重合体内のエチレン−エチレン−オクテンの順に配列されたもののモル%であり、ECEは、エチレン−オクテン共重合体内のエチレン−オクテン−エチレンの順に配列されたもののモル%であり、CCEは、エチレン−オクテン共重合体内のオクテン−オクテン−エチレンの順に配列されたもののモル%であり、CCCは、エチレン−オクテン共重合体内のオクテン−オクテン−オクテンの順に配列されたもののモル%である。
【0025】
前記単量体の触媒に対する反応性比であるr、r値は、反応器に投入される単量体の量と13C NMR解釈によって共重合体の微細構造を想像することができる手段である。
【0026】
共単量体の分布がブロック分布(r*r>1)を示すと、融点が高く、均一な分布(代替分布、r*r<1)を示すと、融点が低く、ランダム分布(無作為分布、r*r=1)を示すと、融点はその中間に位置する。
【0027】
本発明によるエチレン−オクテン共重合体は、エチレンの触媒に対する反応性比(r)とオクテンの前記触媒に対する反応性比(r)の積が、0.5〜0.8であって、共単量体であるオクテンが共重合体内に均一な分布を形成することができる。
【0028】
また、本発明によるエチレン−オクテン共重合体において、前記エチレン−オクテン共重合体の密度とエチレン−オクテン共重合体内のオクテンの含有量(α、mol%)は、上記数式1を満たす。本発明のエチレン−オクテン共重合体は、同一の共単量体含有量で、既存のエチレン−オクテン共重合体に比べてはるかに低い密度を示す。また、本発明のエチレン−オクテン共重合体は、製造工程で用いられる共単量体の含有量を最小化することができ、費用節減の効果も得ることができる。例えば、前記エチレン−オクテン共重合体の密度は、0.857ないし0.91g/cmであり、好ましくは、0.859ないし0.91g/cmであってもよく、さらに好ましくは、0.861ないし0.91g/cmであってもよい。
【0029】
また、本発明のエチレン−オクテン共重合体は、GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比になる分子量分布(Mw/Mn)は、3.5以下、または、2.0ないし3.5であり、好ましくは、3.4以下、または、2.0ないし3.4であってもよく、好ましくは、3.3以下、または2.0ないし3.3であってもよい。このとき、前記エチレン−オクテン共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30,000ないし300,000であってもよく、好ましくは、30,000ないし250,000であってもよく、さらに好ましくは、30,000ないし200,000であってもよい。ただし、前記エチレン−オクテン共重合体は、フィルムの用途によって多様な範囲で重量平均分子量(Mw)を調整して用いることができる。
【0030】
本発明によるエチレン−オクテン共重合体において、前記エチレン−オクテン共重合体の融点(Tm、℃)と前記エチレン−オクテン共重合体内のオクテンの含有量(α、mol%)は、下記数式2を満たすことが好ましい。
【0031】
[数式2]
120−6.2α<Tm<129−5.7α
【0032】
例えば、前記エチレン−オクテン共重合体の融点(Tm)は、30ないし120℃であってもよく、好ましくは、40ないし115℃であってもよく、さらに好ましくは、40ないし110℃であってもよい。特に、本発明のエチレン−オクテン共重合体は、同一の共単量体含有量で顕著に低い融点(Tm)を有することを特徴とする。
【0033】
本発明によるエチレン−オクテン共重合体において、前記触媒組成物はメタロセン触媒を含んでもよい。また、前記触媒組成物は、下記化学式1で表される遷移金属化合物を含んでもよい。
【0034】
【化1】

【0035】
上記[化学式1]において、
、R、R及びRは、互いに同一であるかまたは異なり、それぞれ独立して、水素原子;炭素数1ないし20のアルキル、アリールまたはシリルラジカル;炭素数1ないし20のアルケニル、アルキルアリールまたはアリールアルキルラジカル;またはヒドロカルビルで置換された14族金属のメタロイドラジカルであり;前記R、R、R及びRは、炭素数1ないし20のアルキルまたはアリールラジカルを含むアルキリジンラジカルによって互いに連結されて、環を形成することができ;
、R及びRは、互いに同一であるかまたは異なり、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲンラジカル;または炭素数1ないし20のアルキル、アリールラジカル、アルコキシ、アリールオキシ、アミドラジカルであり;前記R、R及びRのうち、2つ以上が互いに連結されて、脂肪族または芳香族環を形成することができ;
は、水素原子、炭素数1ないし20のアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルラジカルであり;
Cyは、置換または非置換の脂肪族または芳香族環であり;
Mは、4族遷移金属であり;
、Q、及びQは、それぞれ独立に、ハロゲンラジカル;炭素数1ないし20のアルキルまたはアリールアミドラジカル;炭素数1ないし20のアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルラジカル;または炭素数1ないし20のアルキリデンラジカルである。
【0036】
上記[化学式1]の化合物は、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(1)に1当量のn−BuLi及び過量のCOガスを投入して、下記反応式1のうち、2のようなリチウムカーバメイト(lithium carbamate)化合物を製造し(ステップ1)、ここに、t−BuLi及び置換されたシクロペンテノン化合物を加えて、下記反応式1のうち、3のようなシクロペンタジエニル系化合物が製造される(ステップ2)。得られた化合物の窒素原子に、メチル基のようなアルキル基を置換(N−alkylation)して、フェニレン基と連結された環状のアミン機能基を導入したリガンドを得る(ステップ3)。このリガンドに連続的に1当量のn−BuLiを加えて得られたリチウム化合物(4)とMCl(M=Ti、Zr、Hf)化合物を反応させて、下記反応式1のうち、5のような金属化合物が得られる(ステップ4)。
【0037】
上記製造方法は、下記のような反応式1で表される。
【0038】
【化2】

【0039】
本発明によるエチレン−オクテン共重合体において、前記触媒組成物は、下記化学式2、化学式3または化学式4で表される化合物のうち選択される1種以上の助触媒を追加的に含むことができる。
【0040】
[化学式2]
−[Al(R)−O]
【0041】
上記化学式2において、Rは、それぞれ独立に、ハロゲンラジカル;炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカル;またはハロゲンで置換された炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカルであり;aは、2以上の整数であり;
【0042】
[化学式3]
Al(R10
【0043】
上記化学式3において、R10は、それぞれ独立に、ハロゲンラジカル;炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカル;またはハロゲンで置換された炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカルであり;aは、2以上の整数であり;
【0044】
[化学式4]
[L−H][ZAまたは[L][ZA
【0045】
上記化学式4において、Lは、中性または陽イオン性ルイス酸であり;Hは、水素原子であり;Zは、13族元素であり;Aは、それぞれ独立に、1以上の水素原子が、ハロゲン、炭素数1ないし20のヒドロカルビル、アルコキシまたはフェノキシラジカルで置換された炭素数6ないし20のアリールまたはアルキルラジカルである。
【0046】
本発明による触媒組成物を用いたエチレン−オクテン共重合体の製造方法は、前述した[化学式1]で表される4族遷移金属化合物を用いることを除き、当該技術分野において知られた一般的な方法を用いることができる。
【0047】
前記エチレン−オクテン共重合体の重合工程で用いられる反応器は、連続攪拌式反応器(CSTR)または連続流れ式反応器(PFR)であることが好ましい。
【0048】
本発明によるエチレン−オクテン共重合体において、前記エチレン−オクテン共重合体内のオクテンの含有量は、2ないし20mol%であってもよく、3ないし20mol%であることが好ましく、3ないし17mol%であることがより好ましい。
【0049】
一方、本発明によるエチレン−オクテン共重合体は、フィルムの製造時に用いることができる。
【0050】
前記フィルムは、同一のオクテン含有量で従来の通常のエチレン−オクテン共重合体よりもさらに低い密度を具現することができ、よって、さらに低い融点を有することができるエチレン−オクテン共重合体を用いるため、低温シーリング現象が現れる場合があり、シーリング強度に優れている。
【0051】
本発明において、上記記載された内容以外の事項は必要に応じて加減が可能であるため、本発明では特に限定しない。
【発明の効果】
【0052】
本発明は、狭い分子量分布を有し、均一な共単量体分布を有するエチレン−オクテン共重合体に関するものである。本発明によるエチレン−オクテン共重合体は、同一のオクテン含有量で従来の通常のエチレン−オクテン共重合体よりもさらに低い密度を具現することができ、さらに低い融点を有することができる。これにより、本発明によるエチレン−オクテン共重合体を用いて、フィルムの製造時、低温シーリング現象が現れる場合があり、シーリング強度に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のエチレン−オクテン共重合体の重合工程の一具体例を示す図である。
【図2】本発明の実施例1及び比較例3によるエチレン−オクテン共重合体のオクテン含有量と密度を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例1及び比較例3によるエチレン−オクテン共重合体のオクテン含有量と融点を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例9及び比較例7によるエチレン−オクテン共重合体を用いて製造されたフィルムのヒートシール温度に応じた剥離強度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に、本発明の理解のために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するものであるだけであって、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるのではない。
【0055】
製造例1:触媒組成物の製造
まず、有機試薬及び溶媒はアルドリッチ社とメルク社で購入して、標準方法で精製して使用した。合成の全てのステップにおいて空気と水分の接触を遮断して、実験の再現性を高めた。化合物の構造を立証するために400MHz核磁気共鳴機(NMR)及びX−ray分光器を用いて、それぞれスペクトルと図式を得ることができた。
【0056】
1)リチウムカーバメイト化合物の製造
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(13.08g、98.24mmol)とジエチルエーテル(150mL)をシュレンクフラスコに入れた。ドライアイスとアセトンで形成した−78℃低温槽にフラスコを浸漬して30分間攪拌した後、n−ブチルリチウム(39.3mL、2.5Mヘキサン溶液、98.24mmol)を、窒素雰囲気下で、注射器で投入した。薄い黄色のスラリーが形成された。2時間攪拌した後に、形成されたブタンガスを除去しながら常温に上げた。フラスコを再び−78℃低温槽に浸漬して温度を下げた後、COガスを投入した。二酸化炭素ガスを投入することによってスラリーがなくなり、透明な溶液になった。フラスコをバブラーに連結して、二酸化炭素ガスを除去しながら温度を常温に上げた後、真空を行い、余分のCOガスと溶媒を除去した。ドライボックスにフラスコを移し、ペンタンを加えて攪拌した後、濾過して、白い固体化合物を得た。ジエチルエーテルが配位結合している。このときの収率は100%であった。
【0057】
H NMR(C、CN):δ8.35(d,J=8.4Hz,1H,CH),δ6.93−6.81(m,2H,CH)、δ6.64(t,J=7.4Hz,1H、CH)、δ3.87(br,s,2H,quin−CH)、δ3.25(q,J=7.2Hz,4H,ether)、δ2.34(br s,2H,quin−CH)、δ1.50(br s,2H,quin−CH)、δ1.90(t,J=7.2Hz,6H,ether)ppm。
【0058】
2)8−(2,3,4,5−テトラメチル−1,3−シクロペンタジエチル)−1,2,3,4−テトラ−ヒドロキノリンの製造
リチウムカーバメイト化合物(8.47g、42.60mmol)をシュレンクフラスコに入れた。テトラヒドロフラン(4.6g、63.9mmol)とジエチルエーテル45mLを順に入れた。アセトンと少量のドライアイスで作った−20℃低温槽にフラスコを浸漬して30分間攪拌した後、tert−BuLi(25.1mL、1.7M、42.60mmol)を入れた。このとき、赤色に変わった。−20℃を維持し続けながら、6時間攪拌した。テトラヒドロフランに溶けているCeCl・2LiCl溶液(129mL、0.33M、42.60mmol)とテトラメチルシクロペンテノン(5.89g、42.60mmol)を注射器の中で混合した後、窒素雰囲気下でフラスコに投入した。温度を常温にゆっくり上げながら、1時間後に恒温槽を取り除き、温度を常温に上げた。水(15mL)を添加した後、酢酸エチルを入れて、濾過し、濾液を得た。その濾液を分別漏斗に移した後、塩酸(2N、80mL)を入れ、12分間振った。そして、飽和された炭酸水素ナトリウム水溶液(160mL)を入れて中和した後、有機層を抽出した。この有機層に無水黄酸マグネシウムを入れて水分を除去し、濾過した後、その濾液を取り、溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーで黄色オイルを得た。ヘキサン:トルエン(v/v、10:1)。ヘキサン:酢酸エチル(v/v、10:1)。収率は40%であった。
【0059】
H NMR(C):δ1.00(br d,3H,Cp−CH)、1.63−1.73(m,2H,quin−CH)、1.80(s,3H,Cp−CH)、1.81(s,3H,Cp−CH)、1.85(s,3H,Cp−CH)、2.64(t,J=6.0Hz,2H,quin−CH)、2.84−2.90(br,2H,quin−CH)、3.06(br s,1H,Cp−H)、3.76(br s,1H,N−H)、6.77(t,J=7.2Hz,1H,quin−CH)、6.92(d,J=2.4Hz,1H,quin−CH)、6.94(d,J=2.4Hz,1H,quin−CH)ppm。
【0060】
3)リチウム1−(N−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル)−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニルの製造
8−(2,3,4,5−テトラメチル−1,3−シクロペンタジエニル)−1,2,3,4−テトラ−ヒドロキノリン(2g、7.89mmol)をメタノール(42mL)に溶かした溶液に、ホルムアルデヒド37%水溶液(0.88mL、11.8mmol)を入れて、常温で30分間攪拌した。この混合物にデカボラン(decaborane、0.29g、2.37mmol)を入れて、常温で1時間さらに攪拌した。生成された化合物をヘキサン及びエチルアセテート(v/v、10:1)溶媒を用いてシリカパッドを通じて濾過した。濾過した溶液の溶媒を除去して得られた化合物をフラスコに移し、ペンタン(50mL)を入れた後、温度を−78℃に下げた。−78℃でノマルブチルリチウム(3.2mL、2.5Mヘキサン溶液、7.89mmol)を、窒素雰囲気下で、注射器で投入した。常温にゆっくり昇温した後、常温で3時間さらに攪拌した。反応物を窒素雰囲気下で濾過し、ペンタン(10mL)で2回洗浄した後、真空下で乾燥した。黄色固体のリチウム塩を得た(0.837g、収率39%)。
【0061】
H NMR(pyr−d5):δ7.31(br s,1H,CH)、δ7.10−6.90(m,1H,CH)、δ6.96(s,1H,CH)、δ3.09(m,2H,quinoline−CH)、δ2.77(t,J=6Hz,2H,quinoline−CH)、δ2.51−2.11(m,15H,Cp−CH,N−CH)、δ1.76(m,2H,quinoline−CH)ppm。
【0062】
4)1−(N−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル)−2,3,4,5−テトラ−メチルシクロペンタジエニルチタニウム(IV)トリクロライドの製造
ドライボックス内で、TiCl・DME(429mg、1.53mmol)とジエチルエーテル(25mL)をフラスコに入れて−30℃で攪拌しながら、MeLi(2.9mL、1.6Mジエチルエーテル溶液、4.60mmol)をゆっくり入れた。15分間攪拌した後に、上記から得られたリチウム塩化合物(419mg、1.53mmol)をフラスコに入れた。温度を常温に上げながら、3時間攪拌した。反応が終わった後、真空を行って溶媒を除去し、ペンタンで溶かして、濾過し、濾液を抽出した。真空を行ってペンタンを除去すると、チタニウム錯化合物(titanium complex)が得られた(431mg、収率75%)。
【0063】
H NMR(C):δ6.83(d,J=7.2Hz,1H,CH)、δ6.78(d,J=7.6Hz,1H,CH)、δ6.73(t,J=7.4Hz,1H,CH)、δ2.80(m,2H,quin−CH)、δ2.52(t,J=6.4Hz,2H,quin−CH)、δ2.26(s,3H,N−CH)、δ1.96(s,6H,Cp−CH)、δ1.85(s,6H,Cp−CH)、δ1.50(m,2H,quin−CH)、δ1.26(s,9H,Ti−CH)ppm。
【0064】
実施例1〜9:エチレン−オクテン共重合体の製造
上記製造例1から得られた、1−(N−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル)−2,3,4,5−テルラメチル−シクロペンタジエニルチタニウム(IV)トリクロライドを含む触媒組成物の存在下で、エチレンと1−オクテンをモノマーとして用いて、次のように、連続溶液工程で重合反応を行った。
【0065】
このとき、トリイソブチルアルミニウムで処理された1−(N−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル)−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニルチタニウム(IV)トリクロライド化合物は、ヘキサン溶媒下で、1.0×10−4で触媒貯蔵タンクに準備した。助触媒は、トルエン溶媒あるいは炭化水素溶媒内にスラリー化(2.4×10−4M)されて、助触媒貯蔵タンクに準備した。この二つの成分は個別的にポンピングし、反応器の温度は反応器壁のジャケットを通過するオイルの温度を調整することによって反応器の温度を調節した。重合体密度は、供給物内のエチレン/コモノマー重量比を調整することによって調節した。
【0066】
実験に用いた触媒化合物は、1−(N−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−8−イル)−2,3,4,5−テルラメチルシクロペンタジエニルチタニウム(IV)トリクロライドであり、活性化剤としては、ジメチルアニリニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用い、スカベンジャー(scavenger)としてはトリイソブチルアルミニウムが用いられた。
【0067】
<連続高温溶液工程>
120℃で予熱された1.5L連続攪拌式反応器にヘキサン溶媒と1−オクテン及びエチレン単量体を90ないし100barの高圧で供給し、89barの反応器圧力で溶液重合を実施した。重合工程の代表的な反応図式は図1に示した。
【0068】
水素(6)が混合されたエチレン(5)を1−オクテン(4)が混合されたヘキサン溶媒(3)に供給した。これは、一つのストリームで反応器(8)に連続的に供給された。スカベンジャーとして用いられたTIBAL(7)は反応器の前端の単一ストリームに供給された。触媒(1)及び助触媒(2)は反応器(8)に直接連続的に注入された。
【0069】
重合後、反応器から排出ストリーム(9)を通じて溶融された重合体が分離機(10)を通過した後、未反応の1−オクテン、未反応のエチレン、未反応の水素及び稀釈混合物ストリーム(11)に分離された。溶融した重合体を連続的にペレット化(12)した後、固形ペレット(13)を回収した。
【0070】
上記実施例1〜9によるエチレンと1−オクテン共重合体の重合条件は、下記表1に示す通りである。
【0071】
【表1】

【0072】
上記実施例1〜9によるエチレンと1−オクテン共重合体の物性特性の結果を下記表2に示した。
【0073】
【表2】

【0074】
上記表1に示したように、実施例2は、155℃、89barで、溶媒であるヘキサンを時間当り3.32kgを連続注入しながら、エチレン及び1−オクテンを、それぞれ、0.63kg/h及び0.48kg/hの速度で反応器に連続的に供給した。この場合、1−オクテン/エチレンのモル比は0.19であった。ヘキサンで溶解された触媒を24μmol/hr、トルエンで溶解された活性化剤を48〜72μmol/hrを反応器に連続的に供給して、7分間の反応器の滞留時間を経た後、740.1gのエチレン/1−オクテン共重合体を得た。この実験の結果、MI2 4.8g/10min、密度0.870g/cc、共単量体(NMR)64.4wt%を含有するエチレン/1−オクテン共重合体を得た。
【0075】
一定の反応器の温度及び供給物組成で、重合体分子量は、触媒流動速度によって反応器内のエチレン変換率を調節し、供給される水素量をよって調節することができる。一般に、エチレン変換率を上昇させると、重合体Mwが低くなり、MIは高くなる。また、供給されるエチレン/オクテンのモル比を調節して、重合体の密度が調節できる。
【0076】
比較例1〜7
ダウ(Dow)社で商業的に生産されて出るエチレンと1−オクテン共重合体を求めて用いた。
【0077】
上記実施例1〜9及び比較例1〜7によるエチレン−オクテン共重合体に対し、次のような方法で主要物性を測定した。
【0078】
<単量体分布の測定>
エチレン−オクテン共重合体内のそれぞれの単量体分布は、600MHzのBruker DRX600機器による13C−NMRスペクトルによって分析し、Randallの方法[Journal of Polymer Science:Polymer Physics edition、1973、11、275〜287]によって計算された。テトラクロロエタン−d2溶媒によって高分子は溶解され、120℃で測定された。
【0079】
<溶融指数の測定>
高分子の溶融指数(Melt Index、MI)は、ASTM D−1238(条件 E、190℃、2.16Kg荷重)で測定した。
【0080】
<融点の測定>
高分子の融点(Tm)は、TA社で製造した示差走査熱量計(DSC:Differential Scanning Calorimeter 2920)を用いて得た。DSCは、温度0℃で平衡に達するようにした後、分当り20℃ずつ増加させて180℃まで上げた後、分当り20℃ずつ減少させて−60℃まで下げた後、分当り10℃ずつ増加させて180℃まで温度を増加させる方法で測定した。融点は第2温度が上昇する間の吸熱曲線のピーク領域を取って得られる。
【0081】
<密度の測定>
また、高分子の密度(Density)は、酸化防止剤(1,000ppm)で処理したサンプルを、180℃プレスモールド(Press Mold)で厚さ3mm、半径2cmのシートを製作し、10℃/minで冷却して、メトラー(Mettler)天秤で測定した。
【0082】
<結晶化度の測定>
高分子の結晶化度は、Thermo Electron社のDispersive Ramanを用いてスペクトルを得た。780nmレーザを用い、パワーは10mW、100μmピンホールを用いた。各試料のラマンスペクトルで、ポリオレフィンの結晶化領域に該当するバンド(1,418cm−1)と無結晶領域に該当するバンド(1,310cm−1)がよく現れ、文献[Colloid&Polymer Sci 1982、260、182−192]に出ている方法に基づいて結晶化度は計算された。
【0083】
<分子量の測定>
高分子の分子量は、3個の線形混合されたベッドカラムが装着されたPolymer Laboratory社のPL−GPC 220によって測定される。温度160℃で、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として用い、1.0mL/minの流速で測定した。
【0084】
上記実施例1〜9及び比較例1〜7による共重合体の1−オクテン含有量、溶融指数、密度、融点、結晶化度、分子量、分子量分布に対する測定結果を、下記表3に示した。
【0085】
【表3】

【0086】
エチレンとオクテン含有量は13C NMRによって測定し、融点はDSCの第2温度上昇によって測定し、結晶化度はRamanスペクトル解釈によって得られた。
【0087】
オクテン含有量が類似する実施例1(C8 12.7mol%)と比較例3(C8 12.6mol%)を比較してみると、密度が、それぞれ、0.868及び0.871g/cm、融点は、それぞれ、50.0及び62.8℃、結晶化度は、それぞれ、16%及び20%を有する。つまり、同じオクテン含有量であるが、本発明の実施例1では比較例3に比べて低い密度、低い融点、低い結晶化度を有することが分かる。
【0088】
また、図2及び図3にこのような結果を示した。FloryとAllegraは、共重合体の融点に最も大きい影響を与えるものは共単量体の含有量と共重合体内の共単量体の分布であると説明した。実施例1と比較例3は、共単量体の含有量が同一であるとき、融点と密度が変わる現象を示している(図2及び図3)。したがって、共単量体の分布に応じた物性の差をみるために、13C NMRスペクトルに基づいてTriad Sequence分析とKakugoの方法を用いてr*rを計算した。その結果を下記表4に示した。
【0089】
【表4】

【0090】
Kakugo方法によってr*rを求めてみると、実施例1〜9のエチレン−オクテン共重合体は0.51〜0.67の分布を示し、比較例1〜7の共重合体は1.09〜1.35の分布を示すことが分かる。つまり、実施例1〜9の高分子の場合、共単量体の分布が均一(slightly alternative)であるのに対し、比較例1〜7の高分子の場合には、無作為分布(random)または多少ブロック(slightly blocky)分布を有することが分かる。
【0091】
特に、本発明における独特の触媒構造は共重合体内の共単量体が均一に分布することができるようにし、これは、同じ含有量で低い密度と低い融点を具現することができるようにしたことが分かる。また、融点が低くなると、可塑化温度が低くて、他の樹脂と混合するとき、低い温度及び低い剪断応力の条件でも容易に分散され、混練性が増加する。このような混練性の増加によって樹脂の物性がより安定して向上するようになる。さらに、低い温度で熱接着性に優れており、LDPE、MDPE、HDPE、PPの低温ヒートシール改善剤として優れた特徴を有することが分かる。
【0092】
実験例1
上記実施例9及び比較例7によるエチレン−オクテン共重合体を用い、次のようにフィルムを製造した後に、ヒートシール性を評価した。
【0093】
<フィルムの製造>
上記実施例9及び比較例7によるエチレン−オクテン共重合体を用いたフィルムを、空気吹込成形法を用いて製造した。スクリューの直径がそれぞれ30φ、40φ、30φmmである三層押出機を用い、フィルムの外層と中層は低密度ポリエチレン(LDPE)と線形低密度ポリエチレン(LLDPE)を用い、ヒートシール層である内層には密度0.900g/cmのLG社とDow社製品を用いた。フィルムの膨張比(Blow up ratio)は2.3に調節し、全体フィルムの厚さは100μmであり、内層の厚さは20μmであった。
【0094】
<ヒートシール強度の測定>
上述のように製造したフィルムに対し、Swiss Management社のJ&B Hot Tack Tester機を用いてヒートシール強度(Heat Sealing Strength)を測定した。ヒートシール条件は、以下の通りである。
【0095】
−シール(seal)時間:1秒
−クール(cool)時間:30秒
−シール(seal)圧力:0.1N/mm
−シール(seal)面積:25mm×5mm
−シール(seal)温度:80〜150℃範囲で、5℃単位でシーリング
−剥離(peel)速度:100mm/s
【0096】
ヒートシール強度の測定実験は、一定の温度でシールした後、十分な時間(30sec)を与えてから、上下に引きながらシール強度を測定した。サンプルは各温度別5個ずつ測定して、平均値を求めた。
【0097】
図4に、上記実施例9及び比較例7のエチレン−オクテン共重合体を用いて製造されたフィルムのヒートシール温度に応じた剥離強度を示した。
【0098】
図4に示したように、実施例9のエチレン−オクテン共重合体を用いて製造されたフィルムは、比較例7に比べてさらに低い温度でヒートシールが始まっていて剥離強度が大きいことを示している。特に、実施例9の場合には、85℃でヒートシールが始まり、比較例7に比べて相対的に大きい剥離強度を示し始め、そのような傾向は90℃、95℃ヒートシール温度でも持続的に現れる。
【0099】
したがって、本発明のエチレン−オクテン共重合体は、フィルムの製造時、低い温度で十分なシーリング現象が現れ、包装材やコーティング剤として用いる際に、非常に有利であることが分かる。
【符号の説明】
【0100】
1 触媒
2 助触媒
3 ヘキサン溶媒
4 1−オクテン
5 エチレン
6 水素
7 TIBAL
8 反応器
9 排出ストリーム
10 分離機
11 稀釈混合物ストリーム
12 ペレット化
13 固形ペレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒組成物の存在下で製造され、密度が0.857ないし0.91g/cmのエチレン−オクテン共重合体であって、
1)分子量分布(Mw/Mn)は、3.5以下であり、
2)エチレンの触媒に対する反応性比(r)と、オクテンの前記触媒に対する反応性比(r)の積は、0.5ないし0.8であり、
3)前記エチレン−オクテン共重合体の密度と、エチレン−オクテン共重合体内のオクテンの含有量(α、mol%)は、下記数式1を満たすことを特徴とするエチレン−オクテン共重合体。
[数式1]
0.9190−0.0043α<密度<0.9205−0.0040α
【請求項2】
前記エチレン−オクテン共重合体の融点(Tm、℃)と、前記エチレン−オクテン共重合体内のオクテンの含有量(α、mol%)は、下記数式2を満たすことを特徴とする請求項1に記載のエチレン−オクテン共重合体。
[数式2]
120−6.2α<Tm<129−5.7α
【請求項3】
前記触媒組成物は、メタロセン触媒を含むものであることを特徴とする請求項1に記載のエチレン−オクテン共重合体。
【請求項4】
前記触媒組成物は、下記化学式1で表される遷移金属化合物を含むものであることを特徴とする請求項1に記載のエチレン−オクテン共重合体:
【化1】

上記[化学式1]において、
、R、R及びRは、互いに同一であるかまたは異なり、それぞれ独立して、水素原子;炭素数1ないし20のアルキル、アリールまたはシリルラジカル;炭素数1ないし20のアルケニル、アルキルアリールまたはアリールアルキルラジカル;またはヒドロカルビルで置換された14族金属のメタロイドラジカルであり;前記R、R、R及びRは、炭素数1ないし20のアルキルまたはアリールラジカルを含むアルキリジンラジカルによって互いに連結されて、環を形成することができ;
、R及びRは、互いに同一であるかまたは異なり、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲンラジカル;または炭素数1ないし20のアルキル、アリールラジカル、アルコキシ、アリールオキシ、アミドラジカルであり;前記R、R及びRのうち2つ以上が互いに連結されて、脂肪族または芳香族環を形成することができ;
は、水素原子、炭素数1ないし20のアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルラジカルであり;
Cyは、置換または非置換の脂肪族または芳香族環であり;
Mは、4族遷移金属であり;
、Q、及びQは、それぞれ独立に、ハロゲンラジカル;炭素数1ないし20のアルキルまたはアリールアミドラジカル;炭素数1ないし20のアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルラジカル;または炭素数1ないし20のアルキリデンラジカルである。
【請求項5】
前記触媒組成物は、下記化学式2、化学式3及び化学式4で表される化合物のうち選択される1種以上の助触媒を追加的に含むものであることを特徴とする請求項4に記載のエチレン−オクテン共重合体:
[化学式2]
−[Al(R)−O]
上記化学式2において、Rは、それぞれ独立に、ハロゲンラジカル;炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカル;またはハロゲンで置換された炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカルであり;aは、2以上の整数であり;
[化学式3]
Al(R10
上記化学式3において、R10は、それぞれ独立して、ハロゲンラジカル;炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカル;またはハロゲンで置換された炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカルであり;aは、2以上の整数であり;
[化学式4]
[L−H][ZAまたは[L][ZA
上記化学式4において、Lは、中性または陽イオン性ルイス酸であり;Hは、水素原子であり;Zは13族元素であり;Aは、それぞれ独立に、1以上の水素原子が、ハロゲン、炭素数1ないし20のヒドロカルビル、アルコキシまたはフェノキシラジカルで置換された炭素数6ないし20のアリールまたはアルキルラジカルである。
【請求項6】
前記エチレン−オクテン共重合体内のオクテンの含有量は、2ないし20mol%であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン−オクテン共重合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−517367(P2013−517367A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549947(P2012−549947)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000445
【国際公開番号】WO2011/090346
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】