説明

埋設中空コンクリートパイル破砕方法、及び使用する土木基礎機械

【課題】 地中埋設中空コンクリートパイルを、座屈破損の有無に係らず、上端から下端まで地中で完全に細かく破砕する。

【解決手段】 土木基礎機械1のオーガ機1aにオーガスクリュー2を接続し、オーガスクリュー下端に破砕爪32を羽根下端面Sbに突出した破砕スクリュー3を接続し、破砕スクリュー3の下端には、削孔爪52を先端に備えた長尺のガイドロッドGRを接続し、地中埋設コンクリートパイルPの上端PTからコンクリートパイルPのセンターホールPHにガイドロッドGRを挿入し、オーガスクリュー2の回転降下によって、ガイドロッドGRのセンターホールPH内での削孔案内の下に、破砕スクリュー3によって、コンクリートパイルPを上端から下端まで、順次小片に破砕する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物、構造物等建造物の基礎杭として用いられた埋設コンクリート中空パイルの解体撤去に関するものであり、埋設コンクリート中空パイルを地表に引抜かずに、地中で細かく破砕する工法、及び該工法に使用する土木基礎機械に関するものであって、土木基礎工事の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、埋設コンクリート中空パイルの地中での破砕処理技術の好適な手法として、図9に示す従来例1、及び図10に示す従来例2が提案されている。
従来例1は、特許文献1として挙げたものであって、図9に示す如く、アースオーガのスクリュー軸先端に掘削刃を備えたオーガヘッドを装着し、オーガヘッドの中心部からガイド部材を突出させたものであり、埋設コンクリートパイルのセンターホールにガイド部材を挿入して、スクリュー軸を回転下降させ、オーガヘッドの掘削刃によりコンクリートパイルを破砕するものである。
【0003】
また、従来例2の図10に示すものは、特許文献2として挙げたものであって、ケーシング内でオーガ軸を作動させるものであって、オーガ軸先端には鉄筋切断カッターを備えたスクリュー羽根、及びスクリュー刃を装着し、破砕されたコンクリート破片や鉄筋の切屑等をスクリュー羽根で排出可能とし、且つ、スクリュー羽根の下端にはロッドを着脱自在に取付け、ロッド下端側面には、オーガ軸の下降を案内する一対のガイド部材9,9を固着したものであり、スクリュー刃は、先端の最小外径部から順次外径の拡大する形態であって、先端の最小外径部をコンクリート杭の中空孔の内径より小径で中空孔への嵌入容易とし、刃上部の最大外径部をコンクリート杭の外周の内側にあってコンクリート外径より小径としている。
【0004】
そして、オーガ軸の回転下降によって、スクリュー刃の先端の小径部から漸次コンクリート杭中空孔内に押し入れられて、コンクリート杭の周壁に対し遠心方向の押圧力を与えて周壁を割り、破砕コンクリート片を上部の最大外径部によって更に砕くものである。
また、スクリュー刃の反対側のカッターにより、コンクリート杭の破砕時に露出する鉄筋の切断を容易としている。
【特許文献1】実開平3−119039号公報
【特許文献2】特開平6−41959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来例1の埋設杭処理用掘削機にあっては、コンクリートパイルが耐用中の負荷応力や地震等の横方向応力で座屈破損した老朽杭に対しては、コンクリートパイル最下端までの完全な破砕は不可能である。
即ち、老朽杭にあっては、下方で座屈破損して座屈部が横ずれ変位している場合が多く、従来例1の如き、オーガヘッドをコンクリートパイル上に位置決めするための短寸のガイド部材では、老朽杭の座屈横ずれ部でのオーガヘッドの座屈変位対応ガイドが十分でなく、埋設杭のセンターホール内に、セメントミルクや硬化した充満土砂等が存在する場合には、耐用年数が短くて、座屈破損の無い杭に対してすら、ガイド部材に削孔機能が存在しないため、オーガヘッドの十分なガイドが出来なく、埋設コンクリートパイルの破砕の作業性が悪い。
【0006】
また、従来例2にあっては、埋設コンクリート杭の外周にケーシングを嵌合摺動しながらの破砕作用であるため、コンクリート杭がケーシング案内機能を果す状態の下では満足な破砕作用が達成出来るが、老朽コンクリート杭で、座屈破断により杭表面が連続面でない場合には、作業が困難となる。
そして、機械は、ケーシングを備えた複雑、且つ大型機械であり、しかも、杭の破砕作用が中空孔の内周面からの遠心押圧力による破砕であるため、コンクリート杭周壁の、所望の小片コンクリート塊への破砕作用すら困難である。
【0007】
本発明は、これら従来のガイド部材を備えたコンクリートパイル破砕手段の問題点を一挙に解決、又は改善するものであり、ケーシングによる複雑な案内手段を必要とせず、削孔機能を備えたガイドロッドによって老朽杭の座屈横ずれにも対応可能で、且つ、埋設コンクリートを地中放置に適した破砕小片と出来るコンクリートパイル破砕手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の破砕施工方法は、例えば、図1(A)に示す如く、土木基礎機械1のオーガ機1aに装着したオーガ軸2,2´の下端に、破砕爪32を羽根下端面Sbに備えた破砕スクリュー3を接続し、破砕スクリュー3の下端には、削孔爪52を先端に備えた長尺のガイドロッドGRを接続し、地中埋設コンクリートパイルPの上端PTからコンクリートパイルPのセンターホールPHにガイドロッドGRを挿入し、オーガ軸2の回転降下によって、ガイドロッドGRのセンターホールPH内での削孔案内の下に、破砕スクリュー3によって、コンクリートパイルPを上端から下端まで順次小片に破砕する、埋設中空コンクリートパイル破砕施工方法である。
【0009】
この場合、土木基礎機械は、小型のリーダーレス基礎機械でも、大型のリーダー式基礎機械でも、オーガ軸に回転力と押圧降下力の付与出来る機械であれば良く、また破砕対象コンクリートパイルは、普通の中空部(センターホール)を備えたコンクリートパイルでも、センターホールを備えた摩擦杭でも、先端に根固めを有するセンターホールを備えた根固め杭でも、先端が閉塞されている中空パイルでも破砕処理可能である。
【0010】
また、ガイドロッドGRは、老朽杭の座屈破損に対応するものであるため長尺物とする必要があり、長尺のガイドロッドGRは、1.5m〜2.5m長が好ましく、コンクリートパイルPの老朽状態に応じて使い分け可能であるが、本発明の目的を達成するためには、少なくとも1.5m長が好ましい。
また、オーガ軸2への付与回転応力は、大であれば、破砕コンクリート片が20cm径程度の大塊となるため、押圧力の大(標準:約5t)の下に、小さな回転応力(標準:約1t)を付与すれば、コンクリート破砕片は、地中に埋設状態で放置しても、土砂化に支障の無い小片(約5cm径程度)と出来る。
尚、本発明に於ける「オーガ軸」は、オーガ機1aと破砕スクリュー3とを連結する長尺軸体を意味し、軸体の外周に羽根を備えたもの(図5(B))も、軸体のみのロッド(図5(D))をも含むものである。
【0011】
本発明によれば、長尺のガイドロッドGRが破砕スクリュー3を先導案内するため、座屈を生じているパイルが各所に散在する老朽コンクリートパイルP群に対しても、各パイルPの上端から下端まで確実に破砕スクリュー3で破砕出来、長尺ガイドロッドGRも先端に削孔爪52を備えているため、センターホールPHに硬化土砂が詰まっていても、或いは、センターホールPHがセメントミルクで硬化していても、コンクリートパイルPのセンターホールPH内の貫通が可能であり、長尺のガイドロッドGRは、破砕スクリュー3のコンクリートパイルPに対する確実な破砕作用を保証する。
【0012】
しかも、破砕スクリュー3は、図1(B)に示す如く、羽根31の下端面Sbに破砕爪32を備えているため、破砕爪32によるパイル破砕作用は、パイル上端PTからの回転剪断作用となり、回転応力の調整で、コンクリートパイルPを好みの大きさの破砕コンクリート片に破砕出来る。
従って、本発明は、あらゆるタイプの埋設中空コンクリートパイルに対して、コンクリートパイルPの老朽破損の程度を問わず、確実に、しかも、小片に破砕出来ることとなり、コンクリートパイルの地中での埋設破砕に関する実施効果の高い、有効な工法を提供する。
【0013】
また、破砕方法の発明にあっては、ガイドロッドGRは、削孔爪52を先端に備えた削孔ロッド5と、調整ロッド4とで構成し、埋設コンクリートパイルPの老化状況に応じて、調整ロッド4の長さの変更、又は調整ロッド4の除去により、ガイドロッドGRの長さを調整して施工するのが好ましい。
この場合、破砕スクリュー3に対する調整ロッド4の着脱、調整ロッド4に対する削孔ロッド5の着脱は、慣用のオーガスクリューとスクリューヘッドの着脱同様、取付ピンジョイントとすれば良い。
【0014】
そして、削孔ロッド5は、図4に示す如く、削孔ロッド本体50に削孔爪52を突設するため、長さL5は標準0.5m長であり、調整ロッド4は単にガイドロッドGRの長さを調整するためであるから、長さ1mのものと長さ2mのものとを準備しておけば良い。
また、破砕対象の埋設コンクリートパイルPは、上部の建物の解体時に、その老朽化の情報は入手出来るので、破砕対象コンクリートパイル群の座屈破損の有無、破損程度は、施工前に予知可能である。
従って、調整ロッド4の使い分け、又は省略により、現場施工に合理的に対処可能となり、生産性(作業性)を高めることが出来る。
【0015】
また、破砕スクリュー3は、複数の破砕爪32を、羽根下端面Sbから下方に、且つ、略同一レベルLeまで突出させて施工するのが好ましい。
破砕スクリュー3は、図2に示す如く、オーガスクリュー同様のスクリュー羽根31を備えたものであり、羽根下端面Sbは緩傾斜面であるため、各破砕爪32を、溶接又はボルト締着固定時に、取付用台座32aを介して、破砕爪32の下方への突出長を調整すれば良い。
【0016】
この場合、図2(A)に示す如く、破砕スクリュー3の最下端の羽根B31の略半周長に180°対向して略半周長の羽根片31´を軸パイプ30に固定付設すれば、各破砕爪32の、略同一レベルLeまでの突出配置に有利である。
従って、羽根31の下面から下方に、且つ、略同一レベルLeまで突出した破砕爪32群は、コンクリートパイルPの上端面に略均斉の剪断破砕力が付与出来るため、コンクリートパイルPの破砕がスムーズに実施出来、破砕爪32群に付与する回転応力(回転剪断力)の調整操作により、コンクリートパイルPを、土砂化に好適な小片塊で均斉な破砕片に処理出来る。
【0017】
また、破砕スクリュー3は、図8(B)に示す如く、破砕爪32の回転破砕域Zbが埋設コンクリートパイルPの外側域Zoを包含する形態で施工するのが好ましい。
この場合、破砕スクリュー3として、例えばφ700、φ500等複数サイズのものを準備しておき、例えば、φ500のコンクリートパイルPに対しては、φ700の破砕スクリュー3を適用すれば良い。
また、破砕爪32群も、図8(B)に示す如く、外周の破砕爪32群と内周の破砕爪32群として配置すれば良く、処理コンクリートパイルPの各種サイズに対処可能に、破砕爪32の取付本数、破砕スクリュー羽根径、等の異なるものを準備しておき、適宜、破砕スクリュー3を使い分ければ良い。
【0018】
従って、破砕スクリュー3の破砕爪32群の回転破砕域Zbが破砕対象コンクリートパイルPの外側域Zoを包含する形態で施工すれば、コンクリートパイルPは、破砕小片化と同時に外周部の土砂と混合され、コンクリートパイルPの破砕処理跡は、コンクリートパイル径Dpより大きな径D1の、コンクリート片やコンクリートくずと土砂の混じった柱状形態の土砂となる。
そして、コンクリートパイルPを、コンクリート片と土砂の混じった柱状土質とすることにより、新たな現場打ち杭や、コンクリートパイルの打込みに適切な状態の地層となる。
【0019】
また、図1(B)に示す如く、削孔爪52は、ガイドロッドGRの外径DGの範囲内で下方に突出しておき、オーガ機1aからガイドロッドGR下端まで内部空気孔HAを連通し、適宜、ガイドロッドGR先端の逆止弁53を介して空気噴射しながら施工するのが好ましい。
ガイドロッドGRは、破砕スクリュー3をコンクリートパイルPの下端まで適正に案内するものであり、図1(B)に示す如く、ガイドロッドGRの下方に突出した削孔爪52の配置外径D52が、ガイドロッド径DGと同一か小であれば、削孔爪52で形成する案内孔は、ガイドロッドGRの降下時の左右ぶれが抑制出来て、コンクリートパイルPの内面の損傷も抑制出来、ガイドロッドGRが長尺(標準:1.5m以上)であることと相俟って、図6に示す如く、コンクリートパイルPの座屈Cr部の貫通案内も可能となる。
【0020】
また、先端の逆止弁(標準:ゴム弁)からの、適宜の空気噴射によって、コンクリートパイルPのセンターホールPH内のセメントミルクや固化土砂に対する削孔爪52の削孔詰り現象が解除出来る。
従って、どのような状態の地中埋設コンクリートパイルでも、センターホールPH内でのガイドロッドGRの適正、且つ必要な削孔貫通による案内作用が期待出来、破砕スクリュー3によるコンクリートパイルPの上端から下端までの地中破砕が達成出来る。
【0021】
また、破砕施工に際しては、オーガ軸として、図5(B)に示す、慣用のオーガスクリュー2と、図5(D)に示す、ロッド2´とを使い分けて施工実施するのが好ましい。
オーガ軸として、オーガスクリュー2を適用施工すれば、スクリューの羽根に乗って破砕したコンクリート破片や鉄筋屑が地盤上に多量に出て、産業廃棄物を出すが、コンクリートパイル跡は、均斉な土砂化が出来る。
また、オーガ軸として、ロッド2´を適用施工すれば、破砕したコンクリート破片や鉄筋屑の大半は地盤中に取残した状態となって、産業廃棄物がほとんど出ない。
従って、埋設コンクリートパイルの地中破砕施工に関し、施工終了後の土地再利用に応じて、施工が合理化出来る。
【0022】
本発明の破砕施工方法に使用する土木基礎機械は、例えば図1に示す如く、オーガ機1aにオーガスクリュー2を接続し、オーガスクリュー2の下端には、羽根下端面Sbから下方に突出した破砕爪32を備えた破砕スクリュー3を接続し、破砕スクリュー3の下端には、調整ロッド4を接続し、調整ロッド4の下端には、先端に削孔爪52を突設した削孔ロッド5を接続した土木基礎機械である。
この場合、オーガ機1a、オーガスクリュー2、破砕スクリュー3、調整ロッド4、及び削孔ロッド5相互のJ1,J2,J3,J4での長手方向接続は、慣用のオーガ機とオーガスクリュー、スクリューヘッドの接続と同様の、取付ピンによる着脱自在接続とすれば良い。
また、調整ロッド4は、長さの異なるタイプを予め準備(標準:1m長と2m長のセットで準備)して作業を実施すれば良い。
【0023】
従って、本発明土木基礎機械は、地中に埋設されたコンクリートパイルPの老化破損状況を、上屋建物の解体時に、施工現場毎に予見把握しておき、耐用年数が長くてコンクリートパイルPにかなりの座屈破損の予想される現場では、調整ロッド4に長さL4が2m長の長尺タイプを採用すれば、削孔ロッド長L5(標準長さ:50cm)に調整ロッド長が付加され、調整ロッド長L4+削孔ロッド長L5の合計長さが破砕スクリュー3の先導ガイドロッドGRとなるため、コンクリートパイルPの座屈破損部CrもガイドロッドGRが確実にコンクリートパイル内を貫通し、破砕スクリュー3による、所期のコンクリートパイルPの上端から下端までの破砕作用が保証される。
【0024】
この場合、パイル破砕片のうち、鉄筋屑はオーガスクリュー2の羽根によって地表に出て来るため、廃棄物として処理する必要があるが、地中はコンクリート破片のみとなり、新たな工事の容易な地盤となる。
また、地下埋設コンクリートパイルPに老化損傷の全く存在しない施工現場では、調整ロッド4を外して破砕スクリュー3の先端に50cm(0.5m)長の削孔ロッド5を接続して用いても、座屈の全く存在しないコンクリートパイルPのセンターホールPH内を、削孔ロッド5がガイドロッドGRとして削孔先導機能を奏し、所期のコンクリートパイルの地中での確実な破砕施工が可能となる。
【0025】
また、土木基礎機械の発明に於いて、図1のオーガスクリュー2に代えて、図5(C),(D)に示す長尺のロッド2´を接続使用すれば、ロッド2´は羽根が存在しないため、破砕鉄筋やコンクリート破砕片等の、コンクリートパイル破砕片の地上への持上げ作用は破砕スクリュー3の羽根のみとなり、地面上に持上げる破砕片の量は、オーガスクリュー2を用いた機械より遥かに少なくなり、施工場所によっては、後片付けの必要すらなくなる。
従って、産業廃棄物として除去する作業が省略、又は軽減出来、土木基礎機械に於いて、コンクリートパイル破砕施工場所に応じて、オーガスクリュー2とロッド2´を使い分けることにより、破砕施工の効率化、合理化が出来る。
【0026】
また、破砕スクリュー3は、図2に示す如く、軸パイプ30の下端に、略半周長の羽根片31´を下端の羽根B31の半周長に対向付設し、下端の羽根B31と羽根片31´とを介して複数の破砕爪32を下方に突設するのが好ましい。
この場合、略半周長の羽根片31´は、下端の羽根B31の半周長と軸パイプ30の軸線対称形態、即ち、下端の羽根B31が軸パイプ30対称に2枚存在する形態となり、例えば、2個又は4個の破砕爪32を固定する場合は、軸パイプ30対称位置に同様の形状で固定出来、破砕爪32の準備及び固定作業が容易となる。
従って、複数の破砕爪32を備えて、コンクリートパイルPのスムーズな破砕作用を奏する破砕スクリュー3の製作も容易となる。
【0027】
また、破砕爪32群は、図8に示す如く、略同一レベルLeまで突出させ、且つ、破砕対象パイルPの外側域Zoを含む形態に配置するのが好ましい。
この場合、破砕爪32は、図8(B)に示す如く、スクリュー羽根31の外径D1をコンクリートパイル外径DPより大径とし、外周側の破砕爪32群と内周側の破砕爪32群とで、破砕域ZbがパイルPの肉厚Ptの内側から外側に及ぶ形態に配置すれば良い。
そして、図8(A)に示す如く、同一形態で対向している下端の羽根B31と付設羽根片31´とを介して、外側破砕爪32は、羽根外周面の切欠部C31に嵌合溶接し、内側破砕爪32は、羽根中間部に穿設した嵌入孔H31に嵌入し、外側の破砕爪32と下端が略同一レベルとなるように溶接固着すれば良い。
【0028】
従って、破砕スクリュー3に押圧応力(標準:5t)と回転応力(標準:1t)を付与してコンクリートパイルPの上端に破砕作用を加えれば、破砕爪32群は回転破砕域Zbで回転剪断力による破砕作用を生じ、破砕スクリュー3の軸心が、削孔ロッド5及び調整ロッド4の案内の下に、例え若干横ずれを生じても、破砕スクリュー3の回転の破砕域Zbは、コンクリートパイルPの上端を完全にカバーし、その結果、コンクリートパイルPを、破砕コンクリート片とパイルP周囲の土砂の混合した状態に破砕処理する。
また、各破砕爪32群が略同一レベルLeまで下方突出しているため、破砕爪32群は、コンクリートパイルPの上端複数個所での同一レベルLeでのスムーズな回転切削破砕となり、コンクリートパイルPを略均等サイズの小片群と土砂との混合状態に処理出来、破砕処理後の土地再利用に有利な地盤に処理出来る。
【0029】
また、オーガ機1aから削孔ロッド5のパイプ先端50Tまで空気孔HAを連通し、パイプ先端50Tに逆止弁53を配置しておくのが好ましい。
この場合、逆止弁53は、それ自体慣用のゴム弁を用いれば良い。
本発明土木基礎機械にあっては、削孔ロッド5は、コンクリートパイルPの中空孔(センターホール)PH内を削孔先導するため、中空孔PH内のセメントミルク、硬化土砂、粘性土等で削孔爪52に詰り現象が生じて削孔作用低下を生ずるが、削孔ロッド5のパイプ先端50Tから、適宜、間歇的にエアー噴射を繰返せば、削孔爪52は、削孔片による詰り現象が解除出来、スムーズな削孔先導が可能となる。
【0030】
また、削孔ロッドのパイプ径D5は調整ロッド径D4と同一であり、削孔爪52は、パイプ50の下端から下方に、且つ、パイプ径D5内に収まる形態に突出させるのが好ましい。
一般に、破砕対象の埋設中空コンクリートパイルPにあっては、中空孔(センターホール)PH内に土砂やセメントミルクが詰まっている。
そして、削孔ロッド5は、同一外径の調整ロッド4と共にガイドロッドGRを構成し、下端から下方に突出した削孔爪52によって削孔しながら破砕スクリュー3を先導案内するものであるから、削孔爪52が、ガイドロッドGR部(削孔ロッド5+調整ロッド4)の外径GDより大径の案内穴を先導掘削すれば、ガイドロッドGRの案内が不安定となり、コンクリートパイルPの内側面からの削孔破壊を生ずる危険があり、破砕スクリュー3の適正位置での案内が不可能となる。
【0031】
従って、本発明にあっては、削孔爪52がパイプ径D5、即ち、ガイドロッド径DG、の範囲内で下方に突出しているため、削孔爪52がガイドロッドGRに横ぶれを生ずるような大径の案内孔を先導削孔することも、パイルPに内側から破壊、破損を起こすこともなく、ガイドロッドGRに横ぶれの生じない形態での先導案内を保証し、破砕スクリュー3の案内も、横ぶれを最小限に抑制した案内となり、コンクリートパイルPは、上端から下端まで、破砕スクリュー3によって適切に、且つ、確実に破砕小片化出来る。
【発明の効果】
【0032】
本発明の破砕施工方法にあっては、長尺のガイドロッドGRがコンクリートパイルPの中空孔(センターホール)PH内を貫通して破砕スクリュー3を先導案内するため、座屈を生じているパイルPが各所に散在する老朽コンクリートパイルP群に対しても、パイルPの上端から下端まで、各パイルPを確実に破砕スクリュー3で破砕出来、長尺ガイドロッドGRも、先端に削孔爪52を備えているため、センターホールPH内に硬化土砂が詰まっていても、或いは、センターホールPHがセメントミルクで硬化していても、ガイドロッドGRは、コンクリートパイルPのセンターホールPH内の削孔貫通案内が可能であり、長尺のガイドロッドGRは、リーダー式基礎機械では勿論、小型のリーダーレス基礎機械にあっても、破砕スクリュー3のコンクリートパイルPに対する確実な案内及び破砕作用を保証する。
【0033】
また、破砕スクリュー3は、羽根31の下端面Sbに破砕爪32を備えているため、破砕爪32によるパイル破砕作用は、パイル上端PTからの回転剪断破砕作用となり、回転応力の調整で、コンクリートパイルPを好みの大きさのコンクリート片に破砕出来る。
従って、本発明は、あらゆるタイプの埋設中空コンクリートパイルに対し、コンクリートパイルPの老朽破損の程度に関係なく適用出来、コンクリートパイルPを確実に、しかも、小片に破砕出来ることとなり、地中埋設コンクリートパイルの、地中での埋設破砕に関する実施効果の高い、有効な工法を提供する。
【0034】
また、コンクリートパイルの破砕施工方法の実施に使用する土木基礎機械は、破砕スクリュー3の下端に、調整ロッド4を介して削孔ロッド5を接続し、調整ロッド4と、削孔ロッド5とで破砕スクリュー3のガイドロッドGRを構成しているため、調整ロッド4の差し換え変更により、ガイドロッドGRの長さが調整出来、コンクリートパイルPの老朽破損程度が大と予知された現場では、2.5m程度のガイドロッドGRを、座屈の全く存在しないと予知された現場では、調整ロッド4を省略した削孔ロッド5のみのガイドロッドGRとし、施工現場のコンクリートパイルPの老朽化破損の程度に応じた機械に準備出来、ガイドロッドGRでの確実な先導案内の下に、破砕スクリュー3によって、コンクリートパイルPは、上端から下端まで確実に破砕コンクリート小片に処理出来る。
従って、第1の発明の、埋設中空コンクリートパイル破砕施工方法が好適に実施出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
〔破砕スクリュー〕
例1(図2):
破砕スクリュー3は、図1(A)に示す如く、オーガ軸2の下端に接続する部材であって、下端の羽根の下面から下方に破砕爪32を突設した部材である。
図2(A)に示す如く、上端に取付凸部30aを、下端に取付凹部30bを備え、中央に空気孔HAを貫通した軸パイプ30の外周には、2周するスクリュー羽根31を配置し、スクリュー羽根31の最下端の半周部の羽根B31の対向位置には略半周長のスクリュー羽根片31´を付設し、スクリュー羽根B31とスクリュー羽根片31´とを軸パイプ30の軸心対称形態に構成する。
【0036】
そして、羽根片31´と羽根B31の軸パイプ30対称位置には、外周部に爪32嵌入用の切欠部C31を切込んで形成し、該切欠部C31には、台座32aを嵌入して溶接固定し、台座32aに爪32をボルト32bで着脱自在に固定する。
この場合、爪32は作用先端に超硬金属チップt32(標準:ダングステン鋼)を備えたものであって、爪32は、破砕作用回転方向にθ(標準:10°)傾斜固定する。
【0037】
寸法関係は、上端の取付凸部30aがオーガ軸2の下端の取付凹部(図示せず)に嵌入して、取付ピンにより着脱自在のピン接続部J2を構成し、下端の取付凹部30bが下方の調整ロッド4と、取付ピンにより着脱自在のピン接続部J3を構成し、軸パイプ30外径はオーガスクリュー2の軸20と同径(標準:152mm)であり、外径400mmの普通杭(コンクリートパイル)処理用の、図1の破砕スクリュー3の標準は、羽根31の外径D31が500mm、破砕スクリュー長さL3が1m(1000mm)とすれば良い。
【0038】
例2(図8):
図8は、外径500mmのコンクリートパイル用の破砕スクリュー例であって、スクリュー羽根径D31を700mmとし、破砕爪32を羽根外周部と羽根内部とに計4個配置するものである。
即ち、羽根外周上の2個の破砕爪32は、例1同様に取付け、羽根内部の破砕爪32は、外周部の対向する2個の破砕爪32と径方向同一線上に2個の嵌入孔H31を穿孔し、台座付き破砕爪32を嵌入孔H31に嵌入して溶接固着すれば良い。
この羽根内部の破砕爪32も外周の破砕爪32同様に、作用回転方向に同じθ角傾斜取付ける。
【0039】
〔調整ロッド(図3(A))〕
調整ロッド4は、図1(A)に示す如く、破砕スクリュー3と削孔ロッド5間に介在する単なる連結ロッドであり、削孔ロッド5に継ぎ足して、ガイドロッドGRの長さを規定するものである。
即ち、図3(A)に示す如く、ロッド本体40の上端には取付凸部40aを、下端には取付凹部40bを備え、中央には鞘管41で空気孔H4を確保した長尺パイプ40であり、パイプ40の肉厚は20mm、外径は152mmであり、長さL4は、典型的には、0.5mと1mと2mのサイズを準備しておけば良い。
【0040】
〔削孔ロッド(図3(B))〕
削孔ロッド5は、図1(A)に示す如く、調整ロッド4の先端に接続して、調整ロッド4と共にガイドロッドGRを構成し、ガイドロッドGRの先端での削孔貫入作用を保証するものである。
削孔ロッド5の全体形状は、図3(B)に示す如く、本体のパイプ50が長さL50が400mm、外径D5が152mm、肉厚20mmの鋼管であって、上部には、調整ロッド4の下端の取付凹部40b、又は破砕スクリュー3の下端の取付凹部30bに、着脱自在にピン接合するための取付凸部50aを備え、内部には空気孔HAを形成する鞘管51が貫通し、パイプ50下端の鞘管下端口にはゴム弁の逆止弁53を付設したものであり、そして、パイプ50の下端50Tの対称両側から100mm下方まで、削孔爪52を突設し、パイプ上端から削孔爪先端までの寸法L5、即ち、削孔ロッド長L5が500mmである。
【0041】
削孔爪52は、断面方形で、先端にダングステン鋼の如き超硬金属の先端チップt52を備えた長さL52が200mmであり、パイプ50への取付けは、図4(A)に示す如く、パイプ下端の両側の軸対称位置に切込みC52を形成し、図4(B)に示す如く、ボルト孔bhを備えた台座52aを切込みC52に溶接固定し、図4(C)に示す如く、台座52aに削孔爪52を当接し、ボルト52bで締着すれば良い。
この場合、切欠部(切込み)C52の深さは、削孔爪52の外側面がパイプ50の外径D5の範囲内に収まる形態とし、先端チップt52は、図4(D)に示す如く、回転作用方向での切削作用を奏する先端エッジEを構成するように削孔爪52を取付ける。
【0042】
〔土木基礎機械の組立て(図5)〕
図5(A),(B)は、オーガ軸としてオーガスクリュー2を採用する場合を示すものであり、図1(A)の如く、オーガ機1aにピン接続部J1でオーガスクリューを連結し、図5(A)の如く、オーガスクリュー2の軸パイプ20の下端のピン接続部J2で、取付凹部20bに、破砕スクリュー上端の取付凸部30aを嵌入して取付ピンにより連結し、破砕スクリュー3の下端凹部30bには調整ロッド4の上端の取付凸部を、調整ロッド4の取付凹部40bには削孔ロッド上端の取付凸部50aを、順次ピン連結して、図5(B)の如く、連結すれば良い。
【0043】
また、図5(C),(D)は、オーガ軸としてロッド2´を採用する場合を示すものであり、図5(C)に示すロッド2´上端の取付凸部20aを、図1(A)に示すオーガ機1aのピン接続部J1に嵌合止着し、次いで、図5(C)に示す如く、ロッド2´の下端には破砕スクリュー3を、破砕スクリュー3の下端には調整ロッド4を、調整ロッド54の下端には削孔ロッド5を、順次ピン接続部J2,j3,J4で着脱自在に連結すれば、図5(D)の如く、作業軸AXが組立て出来る。
尚、オーガスクリュー2もロッド2´も貫通空気孔HAを備えたものであり、図5(B)、図5(C)各タイプの組立て作業軸AX共、オーガ機1aから削孔ロッド5に空気供給出来るものである。
【0044】
〔破砕施工(図6、図7)〕
図6は、先端閉塞中空コンクリートパイルPに対する施工概略図であって、オーガ軸としてオーガスクリュー2を適用し、オーガスクリュー2及び破砕スクリュー3が500mm径であり、パイルPは、径が400mm、中空孔径270mm、即ちパイル肉厚Ptが65mmの場合である。
また、調整ロッド4として1m長サイズを適用し、削孔ロッド5の長さL5(標準:50cm)と一体化したガイドロッドGRの長さLRが1.5mで実施する例である。
まず、図6(A)の如く、土木基礎機械の操作により、作業軸AXの先端のガイドロッドGRをコンクリートパイルPの中空孔(センターホール)PHに位置決めして作業軸AXを降下し、図6(B)の如く、コンクリートパイルPの上端に破砕スクリュー3が当接すれば、押圧応力(標準:5t)と回転応力(標準:1t)を付与して破砕作業を実施する。
【0045】
図6(C)は、コンクリートパイルPの座屈Cr部をガイドロッドGRが通過した状態であり、図6(D)は、ガイドロッドGR先端がパイル閉塞部CPを貫通した状態であり、図6(E)は、破砕スクリュー3がパイル下端まで破砕した状態である。
即ち、作業軸AXは、先端の削孔ロッド5のガイドロッドGRの外径の範囲内での削孔先導と、1.5m長(調整ロッド1m、削孔ロッド0.5m)のガイドロッドGRの案内により作業軸AXをぶれ無くスムーズに案内し、座屈Cr部の存在するコンクリートパイルPであっても上端から下端まで完全に、且つコンクリート小片Pfに破砕出来る。
【0046】
図7は、破砕作用説明図であって、(A)は破砕スクリュー3のコンクリートパイル上面への当接状態を、(B)は高押圧力と高回転力を付与した破砕を、(C)は高押圧力と低回転力を付与した破砕を示す図である。
即ち、65mm肉厚で400mm径程度のコンクリートパイルPに対しては、押圧力FVが5t、回転力FRも5tで破砕すれば、強大な回転破砕力によってコンクリート破砕片は200mm程度の大きな破砕片Pfとなり、押圧力FVが5t、回転力FRが1tで実施すれば、コンクリート破砕片は50mm程度の小さな破砕片Pfとなる。
【0047】
図8は、大径コンクリートパイルPに好適な実施方法を示すものであり、図8(A)は、破砕スクリュー3の説明図、図8(B)は、破砕スクリュー3と破砕対象パイルPとの寸法関係説明図、図8(C)は作業状態説明図である。
即ち、図8(B)に示す如く、破砕スクリュー3は、外径D1がパイル径DPより大で、内側2本、外側2本の破砕爪32を同一レベルLeへの突出で備え、内側破砕爪32と外側破砕爪32とで回転破砕域Zbを形成し、回転破砕域Zbは、コンクリートパイル肉厚Ptを包含し、且つパイル外周面の外側の外側域Zoをも含むものである。
【0048】
コンクリートパイルPと破砕スクリュー3とを図8(B)の関係寸法で破砕施工すれば、図8(C)の如く、破砕爪32群は、コンクリートパイルPの破砕と共に、コンクリートパイル外周の土砂も掘削して、コンクリートパイルPを、コンクリート破砕片Pfと土砂Soの混ざった状態の地盤にする。
この場合、各破砕爪32は同一レベルLeに突出し、従って、先端チップt32によるパイル上面への回転剪断作用が同一レベルで遂行出来るため、コンクリートパイルPを均斉な破砕片Pfに剪断破砕出来る。
【0049】
〔その他〕
破砕スクリュー3の形成に際し、破砕爪32の羽根下端面Sbへの固定は、羽根に溶接固定した台座32aに対し、ボルト32bの着脱可能締着に代えて溶接固定しても良い。
また、削孔ロッド5の削孔爪52のロッド本体50への取付けも、切込み部C52に溶接した台座52aに対し、ボルト52bの着脱可能締着に代えて溶接固定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の説明図であって、(A)は全体概略側面図であり、(B)は要部拡大側面図である。
【図2】本発明の破砕スクリュー側面図であって、(A)は破砕爪取付前の状態を、(B)は破砕爪取付途中の状態を、(C)は破砕爪取付完了の状態を示す図である。
【図3】本発明のガイドロッドの説明図であって、(A)は調整ロッド4の縦断面図、(B)は削孔ロッド5の縦断面図である。
【図4】本発明の削孔ロッドの製作説明図であって、(A)は各構成部材の取付前の状態を、(B)は台座のみを取付けた状態を、(C)は完成状態を示す図である。
【図5】本発明に用いる作業軸の説明図であって、(A)は、オーガ軸としてオーガスクリューを採用する場合の分解状態を、(B)は、オーガスクリューを採用した作業軸の完成状態を、(C)は、オーガ軸としてロッドを採用する場合の分解状態を、(D)は、ロッドを採用した作業軸の完成状態を示す図である。
【図6】本発明の施工状態説明図であって、(A)は、ガイドロッドのパイル上端への位置合せ状態を、(B)は、破砕スクリューがパイル上端に当接した状態を、(C)は、ガイドロッドがパイル座屈部を貫通した状態を、(D)は、ガイドロッドがパイル先端の閉塞部を貫通した状態を、(E)は、破砕スクリューがパイル下端まで完全破砕した状態を示す図である。
【図7】本発明の破砕作用説明図であって、(A)は、破砕スクリューがパイル上端に当接寸前状態を、(B)は、破砕スクリューに高押圧力と高回転力を付与して破砕する状態を、(C)は、破砕スクリューに高押圧力と低回転力を付与して破砕する状態を示す図である。
【図8】本発明の破砕スクリューに破砕爪を4本取付けた例の説明図であって、(A)は、破砕スクリュー製作説明図、(B)は、破砕スクリューのパイルへの適用状態説明図、(C)は、(B)の適用状態でのパイルの破砕状態説明図である。
【図9】従来例1の説明図である。
【図10】従来例2の説明図であって、(A)は、全体構成図、(B)は、スクリュー刃の正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 土木基礎機械
1a オーガ機
2 オーガスクリュー(オーガ軸)
2´ ロッド(オーガ軸)
3 破砕スクリュー
4 調整ロッド
5 削孔ロッド
20 軸
30,40 軸パイプ(パイプ)
31 羽根(オーガ羽根)
31´ 羽根片(スクリュー羽根片)
B31 羽根(下端の羽根)
H31 嵌入孔
20a,30a,40a,50a 取付凸部
20b,30b,40b 取付凹部
32 破砕爪(爪)
32a,52a 台座
32b,52b ボルト
t32,t52 先端チップ(チップ)
40,50 ロッド本体(パイプ)
41,51 鞘管
50T パイプ先端(パイプ下端)
52 削孔爪(爪)
53 逆止弁
AX 作業軸
bh ボルト孔
C31,C52 切欠部(切込み)
CP 閉塞部
GR ガイドロッド
H4,H5,HA 空気孔
J1,J2,J3,J4 ピン接続部
P コンクリートパイル(中空パイル、パイル)
PH 中空部(中空孔、センターホール)
Pf コンクリート破砕片(コンクリート片、破砕片)
PT パイル上端
Pt パイル肉厚
S 空洞
So 土砂
Sb 羽根下端面(下端面、下面)
Zb 破砕域
Zo 外側域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木基礎機械(1)のオーガ機(1a)に装着したオーガ軸(2,2´)の下端に、破砕爪(32)を羽根下端面(Sb)に備えた破砕スクリュー(3)を接続し、破砕スクリュー(3)の下端には、削孔爪(52)を先端に備えた長尺のガイドロッド(GR)を接続し、地中埋設コンクリートパイル(P)の上端(PT)からコンクリートパイル(P)のセンターホール(PH)にガイドロッド(GR)を挿入し、オーガ軸(2)の回転降下によって、ガイドロッド(GR)のセンターホール(PH)内での削孔案内の下に、破砕スクリュー(3)によって、コンクリートパイル(P)を上端から下端まで順次小片に破砕する、埋設中空コンクリートパイル破砕施工方法。
【請求項2】
ガイドロッド(GR)は、削孔爪(52)を先端に備えた削孔ロッド(5)と、調整ロッド(4)とで構成し、埋設コンクリートパイル(P)の老化状況に応じて、調整ロッド(4)の長さの変更、又は調整ロッド(4)の除去により、ガイドロッド(GR)の長さを調整して施工する、請求項1の破砕施工方法。
【請求項3】
破砕スクリュー(3)は、複数の破砕爪(32)を、羽根下端面(Sb)から下方に、且つ、略同一レベル(Le)まで突出させて施工する、請求項1又は2の破砕施工方法。
【請求項4】
破砕スクリュー(3)は、破砕爪(32)群の回転破砕域(Zb)が埋設コンクリートパイル(P)の外側域(Zo)を包含する形態で施工する、請求項1、又は2、又は3の破砕施工方法。
【請求項5】
削孔爪(52)は、ガイドロッド(GR)の外径(DG)の範囲内で下方に突出しておき、オーガ機(1a)からガイドロッド(GR)下端まで内部空気孔(HA)を連通し、適宜、ガイドロッド(GR)先端の逆止弁(53)を介して空気噴射しながら施工する、請求項1乃至4のいずれか1項の破砕施工方法。
【請求項6】
オーガ軸として、慣用のオーガスクリュー(2)と、ロッド(2´)とを使い分けて施工する、請求項1乃至5のいずれか1項の破砕施工方法。
【請求項7】
オーガ機(1a)にオーガスクリュー(2)を接続し、オーガスクリュー(2)の下端には、羽根下端面(Sb)から下方に突出した破砕爪(32)を備えた破砕スクリュー(3)を接続し、破砕スクリュー(3)の下端には、調整ロッド(4)を接続し、調整ロッド(4)の下端には、先端に削孔爪(52)を突設した削孔ロッド(5)を接続した、地中埋設中空コンクリートパイル(P)の破砕施工に用いる土木基礎機械。
【請求項8】
請求項7記載の土木基礎機械に於いて、オーガスクリュー(2)に代えて、長尺のロッド(2´)を接続した、土木基礎機械。
【請求項9】
破砕スクリュー(3)は、軸パイプ(30)の下端に、略半周長の羽根片(31´)を下端の羽根(B31)の半周長に対向付設し、下端の羽根(B31)と羽根片(31´)とを介して複数の破砕爪(32)を下方に突設した、請求項7又は8の土木基礎機械。
【請求項10】
破砕爪(32)群は、略同一レベル(Le)まで突出させ、且つ、破砕対象パイル(P)の外側域(Zo)を含む形態に配置した、請求項7乃至9のいずれか1項の土木基礎機械。
【請求項11】
オーガ機(1a)から削孔ロッド(5)のパイプ先端(50T)まで空気孔(HA)を連通し、パイプ先端(50T)に逆止弁(53)を配置した、請求項7乃至10のいずれか1項の土木基礎機械。
【請求項12】
削孔ロッド径(D5)は調整ロッド径(D4)と同一であり、削孔爪(52)は、パイプ(50)の下端から下方に、且つ、パイプ径(D5)内に収まる形態に突出した請求項7乃至11のいずれか1項の土木基礎機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−39933(P2007−39933A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−223873(P2005−223873)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(596117902)
【出願人】(304013803)
【Fターム(参考)】