説明

基地局装置、リレー局装置、接続処理方法

【課題】リレー局装置を介した接続処理方法を行なう通信システムにおいて、リレー局装置を介した場合でも低遅延の接続処理方法を可能にする。
【解決手段】移動局装置は、接続要求のために前記リレー局装置に対してランダムアクセスチャネルを送信し、リレー局装置は、前記移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルに対応するランダムアクセス応答にリソース割当て情報を含めて前記移動局装置に送信し、また、前記基地局装置に対して前記リレー局装置とのリレーリンク接続要求情報を送信し、前記基地局装置は、前記リレーリンク接続要求情報からリレーリンク接続要求の許可を判断し、リレーリンク接続要求の判断結果を前記リレー局装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、リレー局装置、接続処理方法に関し、特にリレー局装置を介した接続処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)において第3世代の移動通信方式を進化させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以降EUTRAと称する)、更にその発展形であるAdvanced EUTRA(LTE−Advancedとも呼ばれる)の検討が進められている(非特許文献1)。
【0003】
Advanced EUTRAでは、EUTRAとの互換性を維持しつつ、セルエッジユーザーのデータスループットの改善やカバレッジの拡張を目指すリレー局装置(Relay−Node、Relay Stationとも呼ばれる)の導入が検討されている(非特許文献2)。リレー局装置とは、基地局装置からの信号を移動局装置へ伝送、または、逆に移動局装置からの信号を基地局装置に伝送する無線中継装置(無線中継局)である。リレー局装置を配置することで信号を中継(転送、リレー)することができるため、セルエッジユーザーのパフォーマンスの向上、カバレッジの拡張が可能となる。また、一時的なトラフィックの増大に対応する場合や、基地局装置が停波した場合の一時的な代替手段としてリレー局装置を使用することも可能である。
【0004】
非特許文献3では、リレー局装置を次のように種別に分類している。(1)レイヤ1(L1)リレー:受信データに対して送信電力制御などの単純な制御のみを行うリレー局装置、(2)レイヤ2(L2)リレー:受信データの復調・復号、再変調と再符号化を行うリレー局装置、(3)レイヤ3(L3)リレー:受信データを上位レイヤのプロトコルデータ(例えばIP(Internet Protocol)パケット)まで再構築し、リレー局装置独自のスケジューリングを行なうリレー局装置。
【0005】
ここで、L3リレーを行なうリレー局装置は、無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)機能の一部または全部を備えており、リレー局装置固有のセルIDや報知情報を持ち、移動局装置からは通常の基地局装置として認識させることも可能である。そのため、リレー局装置は、移動局装置に対する制御手順を備える必要がある。例えば、最良セルを選択するためのハンドオーバー、初期アクセス時や再接続時に移動局装置の上り同期タイミングずれを補正するために使用されるランダムアクセス手順(非特許文献4)などの制御処理方法をリレー局装置が備える必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TR36.913,Requirements for Further Advancements for E−UTRA.V8.0.0http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html−info/36913.htm
【非特許文献2】3GPP TR36.814,Further Advancements for E−UTRA Physical Layer Aspects.V0.2.0http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html−info/36814.htm
【非特許文献3】Ericsson,R1−082024,3GPP TSG−RAN1 Meeting #53,Kansas City,MO,USA,May 5−9,2008
【非特許文献4】3GPP TS36.321,Medium Access Control(MAC);Protocol specification.V8.4.0http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html−info/36321.htm
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、L3リレーを行なうリレー局装置(以後、リレー局装置と略す)を介した接続処理方法について今まで検討されてはいなかった。更に、移動局装置と基地局装置の間でリレー局装置が信号を中継するため、リレー局装置において中継のための処理時間が必要となり、リレー局装置を介さない場合よりも接続処理を完了するまでの時間が長くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動局装置でリレー局装置を介した接続処理が発生した場合において、低遅延でランダムアクセスを処理することが可能なリレー局装置、基地局装置、および接続処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の接続処理方法は、移動局装置と基地局装置とでリレー局装置を介したリレー局装置通信を行い、前記移動局装置で、接続要求のために前記リレー局装置に対してランダムアクセスチャネルを送信するステップと、前記リレー局装置で、前記移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに対応するランダムアクセス応答に接続要求に必要なリソース割当て情報を含めて前記移動局装置に送信するステップと、前記リレー局装置で、前記基地局装置に対してリレー局装置とのリレーリンク接続要求情報を送信するステップと、前記基地局装置で、前記リレーリンク接続要求情報を受信し、前記リレーリンク接続要求情報からリレーリンク接続要求の許可を判断し、リレーリンク接続要求の判断結果を前記リレー局装置に送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
(2)また、本発明の接続処理方法は、前記リレーリンク接続要求情報を前記移動局装置から接続設定完了情報を受信した後に前記リレー局装置から前記基地局装置に送信するステップを含むことを特徴とする。
【0011】
(3)また、本発明の接続処理方法は、前記リレーリンク接続要求情報を前記移動局装置から接続要求情報を受信した後に前記リレー局装置から前記基地局装置に送信するステップを含むことを特徴とする。
【0012】
(4)また、本発明の接続処理方法は、前記リレーリンク接続要求の判断結果が非許可の場合に、接続設定解放情報を前記リレー局装置から前記移動局装置に送信するステップを含むことを特徴とする。
【0013】
(5)また、本発明の接続処理方法は、前記リレーリンク接続要求の判断結果が非許可の場合に、接続要求拒否情報を前記リレー局装置から前記移動局装置に送信するステップを含むことを特徴とする。
【0014】
(6)また、本発明のリレー局装置は、移動局装置と基地局装置との間の接続処理を介するリレー局装置であって、前記移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに対応するランダムアクセス応答に接続要求に必要なリソース割当て情報を含めて前記移動局装置に送信する送信手段と、前記移動局装置から接続設定完了情報を受信した後に前記基地局装置に対してリレー局装置とのリレーリンク接続要求情報を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
(7)また、本発明のリレー局装置は、移動局装置と基地局装置との間の接続処理を介するリレー局装置であって、前記移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに対応するランダムアクセス応答に接続要求に必要なリソース割当て情報を含めて前記移動局装置に送信する送信手段と、前記移動局装置から接続要求情報を受信した後に前記基地局装置に対してリレー局装置とのリレーリンク接続要求情報を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
(8)また、本発明の基地局装置は、リレー局装置を介して移動局装置と接続処理を行う基地局装置であって、前記リレー局装置が送信したリレーリンク接続要求情報を受信し、前記リレーリンク接続要求情報から判断されたリレーリンク接続要求の判断結果を前記リレー局装置に送信する送信手順を備えることを特徴とする。
【0017】
(9)また、本発明の基地局装置は、前記リレーリンク接続要求の判断結果を少なくともリレー局装置識別子でスクランブルされた無線リソースを用いて前記リレー局装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、リレー局装置を介したリレー局装置通信において、効率的な接続処理方法を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態で利用する無線フレームの構造について説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態1における基地局装置の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるリレー局装置の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1における移動局装置の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1における接続処理方法について示したシーケンスチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1における接続処理方法について示した別のシーケンスチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2における接続処理方法について示したシーケンスチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2における接続処理方法について示した別のシーケンスチャートである。
【図9】従来のリレー局装置通信の方法の一例を示した図である。
【図10】従来のリレー局装置通信における基地局装置とリレー局装置との位置関係について示した図である。
【図11】従来のリレー局装置通信における基地局装置とリレー局装置との位置関係について示した別の図である。
【図12】従来のContention based Random Accessのランダムアクセス手順を示したシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
各実施の形態の具体的な説明に入る前に、本発明で用いられる通信技術の概要について簡単に説明する。
(1)リレー局装置通信
図9は、従来のリレー局装置通信の一例を示した図である。基地局装置は、移動局装置と相互に通信する以外に、リレー局装置を中継してリレー局装置の配下の移動局装置とも相互に通信を行なう。基地局装置とリレー局装置との間には、互いの状態通知、およびリレー制御に関する情報をやり取りするための無線インタフェース(リレーリンク)がある。リレー局装置がL3リレーであれば、リレー局装置は固有のセルIDや報知情報を持つ。リレー局装置は、移動局装置から受信した信号を基地局装置に対して中継する。または、基地局装置から受信した信号を移動局装置に対して中継する。中継する際に、リレー局装置でスケジューリングを行なう(信号の復調・復号を行い、変調方式や符号方式、送信電力、リソース割当て方式を変える)ことも可能である。
【0021】
図10は、リレー局装置通信における基地局装置とリレー局装置との位置関係について示した図である。リレー局装置がカバーするエリア(セル)の多くは、基地局装置がカバーするエリア(セル)の外にある。つまり、リレー局装置は通信エリアの拡大に寄与する目的で配置される。図11は、リレー局装置通信における基地局装置とリレー局装置との位置関係について示した別の図である。リレー局装置がカバーするエリア(セル)は、基地局装置がカバーするエリア(セル)の中にある。つまり、リレー局装置はデータスループットの向上に寄与する目的で配置される。図10と図11のリレー局装置は、リレーリンクを通して接続される基地局装置(donor eNBとも呼ばれる)と異なる固有のセルIDを持つ。移動局装置は、リレー局装置と基地局装置を判別しなくても良い。ただし、セルIDをグループ別に分けたり、報知情報に識別情報を含めたりすることでリレー局装置と基地局装置を判別可能な状態にすることも可能である。
【0022】
(2)物理チャネル
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される物理チャネルは、物理報知情報チャネル、上りデータチャネル、下りデータチャネル、下り共用制御チャネル、上り共用制御チャネル、ランダムアクセスチャネル、同期シグナル、下りリファレンスシグナル、上りリファレンスシグナルなどがある。物理チャネルはEUTRA、およびAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、チャネル構造が変更される可能性もあるが、変更された場合でも本発明の各実施の形態の説明には影響しない。
【0023】
同期シグナル(Synchronization Signal)は、移動局装置が基地局装置(またはリレー局装置)を高速に検出するために使用される。同期シグナルは、3種類のプライマリ同期シグナルと31種類の符号を互い違いに配置したセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセルIDと、無線同期のためのフレームタイミングを示す。移動局装置は、セルサーチによって受信したセルIDを特定する。
【0024】
物理報知情報チャネル(PBCH:Physical Bloadcast Channel)は、セル内の移動局装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、下り共用制御チャネルで無線リソースが通知され、下りデータチャネルを用いて送信される。報知情報として、システムでユニークなセルグローバルIDや、上り周波数帯域情報などがある。
【0025】
下りリファレンスシグナルは、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルである。また、下りリファレンスシグナルは、所定の時間間隔(例えば1フレーム)で周期的に繰り返される信号であり、移動局装置は、所定の時間間隔において下りリファレンスシグナルを受信し、受信品質を測定することによって、セル毎の受信品質の判断に用いる。また、下りリファレンスシグナルと同時に送信される下りデータの復調のための参照用の信号として用いる。下りリファレンスシグナルに使用される系列は、セル毎に一意に識別可能な系列であれば、任意の系列を用いても良い。なお、下りリファレンスシグナルはDL−RS(Downlink Reference signal)と記載される場合もあるが、その用途と意味は同じである。
【0026】
下り共用制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Common Channel)は、各サブフレームの先頭数シンボルで送信され、移動局装置に対して基地局装置(またはリレー局装置)のスケジューリングに従ったリソース割当て情報や、送信電力の調整量を指示する目的で使用される。移動局装置は、トラフィックデータ(ユーザデータ)や制御メッセージを送受信する前に下り共用制御チャネルを受信し、送信時には上りリソース割当てを、受信時には下りリソース割当ての情報を取得する必要がある。
【0027】
下りデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)は、トラフィックデータの他、ページング情報、報知情報の一部を送信するためにも使用される。
【0028】
上りデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)は、主にトラフィックデータを送信し、下り品質やACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。
【0029】
ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を送信するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。ランダムアクセルチャネルは、上り送信タイミングが非同期状態における基地局装置(またはリレー局装置)へのアクセス手順として用いられ、リソース要求や上り送信タイミングの調整に用いられる。なお、それ以外の物理チャネルは、本発明の各実施の形態に関わらないため詳細な説明は省略する。
【0030】
(3)ランダムアクセス手順
ランダムアクセスには、Contention based Random AccessとNon−contention based Random Accessの2つの方法がある。Contention based Random Accessは、移動局装置間で衝突する可能性のあるランダムアクセスであり、接続処理時に通常行われるランダムアクセスである。また、Non−contention based Random Accessは、移動局装置間で衝突が発生しないランダムアクセスであり、迅速に移動局装置−基地局装置間の上り同期を取るために用いられるランダムアクセスであり、ハンドオーバー等の特別な場合に基地局装置主導で行われる。
【0031】
Contention based Random Accessでは、上り同期を取る(上り同期タイミングを補正する)ためにランダムアクセスプリアンブル(単にプリアンブルとも呼ばれる)をランダムアクセスチャネルで送信する。プリアンブルには、情報を表す信号パターンであるシグネチャが含まれ、数十種類のシグネチャを用意して数ビットの情報を表現することができる。EUTRAでは、6ビットの情報を送信することが想定され、64種類のシグネチャが用意されることが想定されている。6ビットの情報は、5ビットがランダムID、残りの1ビットが下りリンクのパスロスとランダムアクセスチャネルの後に送信する上りデータ量に基づき決定される。
【0032】
ここで、Contention based Random AccessおよびNon−Contention based Random Accessの通信手順の概略について説明する。
【0033】
図12は、Contention based Random Accessの手順例について示したシーケンスチャートである。Contention based Random Accessは、初期アクセス時、再接続時、Inter−RATハンドオーバー時などに用いられる。
【0034】
移動局装置は、ステップS1で基地局装置から報知情報を受信し、送信するシグネチャを選択するためのシグネチャ情報(ランダムアクセスチャネルの無線リソース情報、シグネチャのグループ情報など)を取得する。そして、ランダムアクセス要求が発生した場合(ステップS2)、シグネチャ情報に基づいてシグネチャを選択し、ランダムアクセスチャネルを用いて選択したプリアンブルを基地局装置へ送信する(ステップS3)。
【0035】
基地局装置は、移動局装置からランダムアクセスチャネルを受信すると、送信されたプリアンブルから移動局装置と基地局装置間の上り同期タイミングずれ(Timing Advance)を算出し、ランダムアクセス応答(ランダムアクセスレスポンス)を送信するためにスケジューリングを行い、移動局装置に対して仮の識別子であるTemporary C−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identity)を割り当て、下り共用制御チャネル(PDCCH)にプリアンブルを送信した移動局装置宛の応答を示す識別子であるRA−RNTI(Random Access-Radio Network Temporary Identity)と下りデータチャネルのリソース割当て情報を配置し、下りデータチャネル(PDSCH)に上り同期タイミングずれ情報、上りスケジューリング情報、Tempolary C−RNTIおよび受信したプリアンブルのシグネチャID番号(またはランダムID)を配置し、ランダムアクセス応答として前記下り共用制御チャネルと前記下りデータチャネルを送信する(ステップS4)。
【0036】
移動局装置は、下り共用制御チャネル(PDCCH)にRA−RNTIがあることを確認すると、下りデータチャネル(PDSCH)に配置されたランダムアクセス応答の中身を確認し、送信したプリアンブルのシグネチャID番号(またはランダムID)が含まれる応答を抽出する。そして、上り同期タイミングずれを補正し、スケジューリングされた無線リソースでTempolary C−RNTIを含む上りスケジューリングデータを送信する(ステップS5)。なお、移動局装置は、基地局装置からのランダムアクセス応答を一定期間待ち続け、送信したプリアンブルのシグネチャID番号を含んだランダムアクセス応答を受信しない場合は、再度、プリアンブルを送信する。
【0037】
基地局装置は、移動局装置からの上りスケジューリングデータを受信すると、受信した上りスケジューリングデータに含まれるTempolary C−RNTIを使用して移動局装置間で衝突が起こっているかどうかを移動局装置に判断させるための下りスケジューリングデータを移動局装置に送信する(ステップS6)。前記下りスケジューリングデータは、コンテンションレゾリューションとも呼ばれる。移動局装置は、下りスケジューリングデータを制限時間内に正しく受信することにより、ランダムアクセスが成功したと判断し、ランダムアクセス手順を終了する。そして、Tempolary C−RNTIを一時的なものでなく、当該セルにおいて移動局装置を識別するための識別子(C−RNTI)として使用する。
【0038】
一方、Non−contentioned based Random Accessでは、基地局装置がシグネチャID番号を選択して移動局装置に通知する。移動局装置は、通知されたシグネチャを使用し、ランダムアクセスチャネルでプリアンブルを送信する。
【0039】
基地局装置は、移動局装置からのプリアンブルを受信すると、プリアンブルから移動局装置−基地局装置間の上り同期タイミングずれを算出し、下り共用制御チャネル(PDCCH)に、ランダムアクセスチャネルを送信した移動局装置宛の応答を示すためにC−RNTIを配置し、上り同期タイミングずれ情報を含んだランダムアクセス応答を送信する。移動局装置は、受信したランダムアクセス応答から上り同期タイミングずれを補正し、ランダムアクセスが正しく完了したと判断する。
【0040】
以下の実施の形態では、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)通信方式におけるリレー局装置の制御方式の現実的場面を具体的に想定し、ランダムアクセス手順を伴う接続処理が行われる条件を設定する。そして、その条件設定の下で、移動局装置とリレー局装置、基地局装置の間の遅延量を短縮可能な最適な接続処理方法(ランダムアクセス方法)を決定する。以下に、本発明の実施の形態で共通的に想定する各条件を説明する。
【0041】
(条件1)リレー局装置はL3リレー機能を持つ。すなわち、RRCの一部または全ての機能を有する
(条件2)リレー局装置と基地局装置は無線フレーム同期している
(条件3)移動局装置は、リレー局装置と基地局装置を判別する必要が無い。つまり、リレー局装置向けにEUTRAと異なる接続処理方法は必要ない
(条件4)EUTRAの無線フレーム構造は変更しない
【0042】
条件1について、より厳密的には、リレー局装置が基地局装置(donor eNB)と異なるセルIDや報知情報を送信しており、かつ、ランダムアクセス手順におけるプリアンブル送信とランダムアクセス応答をリレー局装置と移動局装置との間で行なうリレー局装置は条件1に含まれる。すなわち、本条件1に合致するリレー局装置は、受信したプリアンブルやランダムアクセス応答を基地局装置または移動局装置に中継しない。
【0043】
条件2について、リレー局装置と基地局装置は、移動局装置がランダムアクセス手順を開始するよりも前に、リレーリンクを通して互いに情報をやり取りしていることを想定する。この情報のやり取りによって、リレー局装置と基地局装置は位置関係や伝播路情報を十分に把握しており、互いに無線フレーム同期が取れている。無線フレーム同期が取れているとは、リレー局装置と基地局装置のそれぞれの受信アンテナ端においてOFDMシンボルの受信タイミングのずれがガードタイム以内に収まることを意味する。このことは、ランダムアクセス手順によって、移動局装置が基地局装置と上り同期タイミングを補正する必要が無いことを意味する。すなわち、リレー局装置は移動局装置が送信したプリアンブルを基地局装置に中継する必要は無い。
【0044】
条件3について、本条件3は、EUTRAの移動局装置がリレー局装置経由で通信するために必要な条件(トランスペアレント通信)である。移動局装置がEUTRAと同じ接続処理方法を用いることで、後方互換性(Backward Compatibility)を持たせることが可能となり、移動局装置に追加の機能を要求する必要が無くなる。本条件3により、移動局装置は、接続処理を開始したときに、ランダムアクセスチャネルを送信するのが基地局装置とリレー局装置のどちらであっても、同じランダムアクセス手順を行なう。
【0045】
条件4について、本条件4を満たす下り無線フレームの構造の一例について図1を用いて説明する。図1は、リレー局装置および基地局装置で共通の無線フレーム構造である。通信方式としては、OFDM通信方式が好適である。無線フレームは、複数サブキャリア(例えば12サブキャリア)からなるリソースブロック帯域幅と一定時間(例えば1ミリ秒)のサブフレームによる2次元の複数のリソースブロック(Resource Block)により構成されている。
【0046】
1フレームは10サブフレームから構成される。また、リソースブロックの先頭数OFDMシンボル時間を下り共用制御チャネルとして使用し、残りのOFDMシンボルを下りデータチャネル、マルチキャストチャネル、またはリレー局制御データが使用する。移動局装置はリレー局制御データを受信する必要はない。マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast Channel)とは、非特定の複数の移動局装置に対する同報データを送信するためのチャネルである。基地局装置またはリレー局装置は、マルチキャストチャネルまたはリレー局制御データが送信されるサブフレームを予め予約する。
【0047】
基地局装置およびリレー局措置は、マルチキャストチャネルまたはリレー局制御データを区別するための異なる識別情報を設定し、前記識別情報を報知情報で移動局装置に通知しても良い。
以上の事項を考慮しつつ、以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0048】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について以下に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1による基地局装置100の概略を示すブロック図である。基地局装置100は、受信部101、復調部102、復号部103、ランダムアクセス処理部104、上位レイヤ105、制御部106、符号部107、参照信号生成部108、変調部109、多重部110、送信部111、受信アンテナAN11、送信アンテナAN12から構成される。図2において、基地局装置100のその他の構成要素は本実施の形態に関係ないため省略してある。
【0049】
上位レイヤ105は、リレー局制御のためのリレー局制御データを符号部107へ入力する。また、移動局装置向けのトラフィックデータと制御信号を符号部107へ入力する。移動局装置向けとは、リレー局装置経由の通信も含まれる。符号部107は、入力されたデータを符号化し、変調部109へ入力する。変調部109は、符号化した信号の変調を行なう。また、変調部109から出力される信号と参照信号生成部108で生成される下りリファレンスシグナルは、多重部110にて周波数領域にマッピングされる。多重部110からの出力信号は、送信部111に入力される。送信部111は、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部111から出力された信号は送信アンテナAN12から送信される。
【0050】
また、受信アンテナAN11で受信された信号は、受信部101へ入力される。受信部101は、移動局装置またはリレー局装置から受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換し、変換後の信号は復調部102へ入力されて復調される。復調部102で復調された信号は続いて復号部103へ入力されて復号され、正しく復号された制御データやトラフィックデータを上位レイヤ105へと出力する。受信した信号が移動局装置から送信されたランダムアクセスチャネル、または上り共用制御チャネルで送信されたランダムアクセス応答に対する上りスケジューリングデータである場合、復号部103はランダムアクセスデータをランダムアクセス処理部104へ出力する。
【0051】
ランダムアクセス処理部104では、ランダムアクセス手順が正しく実施されているかを判断し、その結果を上位レイヤ105へと出力する。上位レイヤ105はランダムアクセス処理部104の結果を基にランダムアクセス手順の継続の有無を判断する。同様に、リレー局装置から送信されたリレー局制御データは、上位レイヤ105へ出力される。これら各ブロックの制御に必要な制御情報は、上位レイヤ105より制御部106へ入力され、制御部106より送信に関連する制御情報は送信制御情報として、符号部107、参照信号生成部108、変調部109、多重部110、送信部111の各ブロックに、受信に関連する制御情報は受信制御情報として、受信部101、復調部102、復号部103の各ブロックに適切に入力される。
【0052】
図3は、本発明の実施の形態1によるリレー局装置200の概略を示すブロック図である。リレー局装置200は、受信部201、復調部202、復号部203、ランダムアクセス処理部204、上位レイヤ205、制御部206、符号部207、参照信号生成部208、変調部209、多重部210、送信部211、制御情報選択部212、受信アンテナAN21、送信アンテナAN22から構成される。図3において、リレー局装置200のその他の構成要素は本実施の形態に関係ないため省略してある。
【0053】
上位レイヤ205は、基地局装置へ送信するリレー局制御のためのリレー局制御データを符号部207へ入力する。また、トラフィックデータと制御信号を符号部207へ入力する。トラフィックデータと制御信号は、基地局装置向けであれば、移動局装置から送信された各データを受信部201で受信したものが上位レイヤ205経由で送信される。一方、移動局装置向けであれば、基地局装置から送信された各データを受信部201で受信したものが上位レイヤ205経由で送信される。符号部207は、入力されたデータを符号化し、変調部209へ入力する。変調部209は、符号化した信号の変調を行なう。また、変調部209から出力される信号と参照信号生成部208で生成されるリファレンスシグナルは、多重部210にて周波数領域にマッピングされる。
【0054】
リファレンスシグナルは、移動局装置向けであれば下りリファレンスシグナルが、基地局装置向けであれば上りリファレンスシグナルがマッピングされる。多重部210からの出力信号は、送信部211に入力される。送信部211は、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部211から出力された信号は送信アンテナAN22から送信される。
【0055】
また、受信アンテナAN21で受信された信号は、受信部201へ入力される。受信部201は、移動局装置または基地局装置から受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換し、変換後の信号は復調部202へ入力されて復調される。復調部202で復調された信号は続いて復号部203へ入力されて復号され、正しく復号された制御データやトラフィックデータを上位レイヤ205へと出力する。受信した信号が移動局装置から送信されたランダムアクセスチャネル、または上り共用制御チャネルで送信されたランダムアクセス応答に対する上りスケジューリングデータである場合、復号部203はランダムアクセスデータをランダムアクセス処理部204へ出力する。
【0056】
ランダムアクセス処理部204では、ランダムアクセス手順が正しく実施されているかを判断し、その結果を上位レイヤ205へと出力する。上位レイヤ205はランダムアクセス処理部204の結果を基にランダムアクセス手順の継続の有無を判断する。基地局装置から送信されたリレー局制御データは、上位レイヤ205へ出力される。これら各ブロックの制御に必要な制御情報は、各局との送受信に先立って制御情報選択部212で選択され、制御部206へ入力される。リレー局制御データの送受信を行なう場合、制御部206へはリレー局制御情報が入力される。また、基地局装置と制御データ、トラフィックデータの送受信を行なう場合、制御部206へは基地局装置制御情報が入力される。
【0057】
また、移動局装置と制御データ、トラフィックデータの送受信を行なう場合、制御部206へは移動局装置制御情報が入力される。上述した各制御情報に関し、送信に関連する制御情報は送信制御情報として、符号部207、参照信号生成部208、変調部209、多重部210、送信部211の各ブロックに、受信に関連する制御情報は受信制御情報として、受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力される。
【0058】
図4は、本発明の実施の形態1による移動局装置300の一例を示すブロック図である。移動局装置300は、受信部301、復調部302、復号部303、上位レイヤ304、制御部305、ランダムアクセス生成部306、符号部307、変調部308、送信部309、受信アンテナAN31、送信アンテナAN32から構成される。受信に先立ち、上位レイヤ304より制御部305へ制御情報が入力され、受信に関する制御情報が受信制御情報として、受信部301、復調部302、復号部303へ適切に入力される。受信制御情報は、受信周波数帯域の情報の他に、各チャネルに関する受信タイミング、多重方法、リソース配置情報などの情報が含まれている。図4において、移動局装置300のその他の構成要素は本実施の形態に関係ないため省略してある。
【0059】
受信アンテナAN31で受信された信号は(基地局装置またはリレー局装置からの送信信号)は、受信部301において受信される。受信された信号は復調部302へと入力される。復調部302は、入力された受信信号の復調を行い、復号部303へと信号を入力して下りトラフィックデータと下り制御データとを正しく復号し、復号された各データを上位レイヤ304へと入力する。
【0060】
また、送信に先立ち、上位レイヤ304より制御部305へ制御情報が入力され、送信に関する制御情報が送信制御情報として、ランダムアクセス生成部306、符号部307、変調部308、送信部309へ適切に入力される。送信制御情報は、送信信号の上りスケジューリング情報として、符号情報、変調情報、各チャネルに関する送信タイミング、多重方法、リソース配置情報などの情報が含まれている。ランダムアクセス情報はランダムアクセス生成部306に入力され、ランダムアクセスデータが生成される。ランダムアクセス情報には、プリアンブル情報や無線リソース情報などが含まれる。
【0061】
上位レイヤ304は、初期アクセス時や再接続時にランダムアクセス情報をランダムアクセス生成部306に入力する。符号部307には、前記ランダムアクセスデータのほか、上位レイヤ304より上りトラフィックデータと上り制御データとが入力される。符号部307は送信制御情報に従い、各データを適切に符号化し、変調部308に出力する。変調部308は、符号部307からの出力を変調する。送信部309は、変調部308の出力を周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部309から出力された信号は送信アンテナAN32から送信される。
【0062】
図5は、本発明の実施の形態1における接続処理方法の一例を示すシーケンスチャートであり、Contention based Random Accessを使用する。移動局装置は、リレー局装置と通信可能な範囲に位置し、リレー局装置に対してランダムアクセスチャネルを送信する。リレー局装置と基地局装置の位置関係は、図10または図11に示した位置関係のどちらでも良い。リレー局装置と基地局装置は移動局装置のランダムアクセス手順の開始に先立って、予め無線接続(リレーリンク)が確立されており、互いに無線フレーム同期が取れている。
【0063】
本実施の形態の移動局装置は、基地局装置ではなく、リレー局装置と上り同期を取る。また、リレー局装置は移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルを基地局装置にリレーリンク経由で送信せず、更に、上りスケジューリングデータ(接続要求メッセージ)を基地局装置にリレーリンク経由で送信しないことを特徴とする。移動局装置が送信した前記上りスケジューリングデータは、接続(再接続)手順を要求するための制御メッセージであり、低遅延での処理が要求されている。リレー局装置は、基地局装置に対して前記上りスケジューリングデータを送信することで遅延が発生することを防ぐため、リレー局装置で接続(再接続)処理を完了させることを特徴とする。
【0064】
移動局装置はリレー局装置がカバーするエリア(セル)に位置し、セルサーチ手順を用いてリレー局装置の同期シグナルを同定し、待ち受け(キャンプ)状態にある。このとき、移動局装置は、ステップS10でリレー局装置から報知情報を受信し、送信するシグネチャを選択するためのシグネチャ情報(ランダムアクセスチャネルの無線リソース情報、シグネチャのグループ情報など)を取得する。
【0065】
そして、初期アクセス、再接続、またはInter−RATハンドオーバーなどの理由で、ランダムアクセス要求が発生した場合(ステップS11)、シグネチャ情報に基づいてシグネチャを選択し、ランダムアクセスチャネルを用いて選択したプリアンブルをリレー局装置へ送信する(ステップS12)。
【0066】
リレー局装置は、移動局装置から送信されたランダムアクセスチャネルを受信すると、送信されたプリアンブルから移動局装置とリレー局装置間の上り同期タイミングずれを算出し、ランダムアクセス応答(ランダムアクセスレスポンス)を送信するためにスケジューリングを行い、移動局装置に対して仮の識別子であるTemporary C−RNTIを割り当て、下り共用制御チャネル(PDCCH)にプリアンブルを送信した移動局装置宛の応答を示す識別子であるRA−RNTIと下りデータチャネルのリソース割当て情報を配置し、下りデータチャネル(PDSCH)に上り同期タイミングずれ情報、上りスケジューリング情報、Tempolary C−RNTIおよび受信したプリアンブルのシグネチャID番号(またはランダムID)を配置し、ランダムアクセス応答として前記下り共用制御チャネルと前記下りデータチャネルを送信する(ステップS13)。
【0067】
移動局装置は、下り共用制御チャネル(PDCCH)にRA−RNTIがあることを確認すると、下りデータチャネル(PDSCH)に配置されたランダムアクセス応答の中身を確認し、送信したプリアンブルのシグネチャID番号(またはランダムID)が含まれる応答を抽出する。そして、上り同期タイミングずれを補正し、スケジューリングされた無線リソースでTemporary C−RNTIを含む接続要求情報を接続要求メッセージに配置して送信する(ステップS14)。なお、移動局装置は、リレー局装置からのランダムアクセス応答を一定期間待ち続け、送信したプリアンブルのシグネチャID番号を含んだランダムアクセス応答を受信しない場合は、ステップS12に戻り、再度プリアンブルを送信する。
【0068】
接続要求メッセージを受信したリレー局装置は、前記接続要求メッセージに含まれる接続要求情報を確認し、接続を許可するかどうかの判定を行なう。そして、接続を許可する場合、接続設定メッセージを移動局装置へ送信する(ステップS15)。リレー局装置は、接続設定メッセージに移動局装置が使用する接続設定情報(無線リソース設定:RadioResourceConfiguration)などを配置する。
【0069】
接続設定メッセージを受信した移動局装置は、接続設定情報で指示された無線リソース設定を適用し、接続設定完了情報を含めて接続設定完了メッセージをリレー局装置へ送信する(ステップS16)。また、以後はTemporary C−RNTIを通常のC−RNTIとして使用する。
【0070】
すなわち、本実施の形態のリレー局装置は、移動局装置から送信されたランダムアクセスチャネルを受信する機能と、受信したランダムアクセスチャネルに含まれるプリアンブルから上り同期タイミングずれを算出する機能と、下り共用制御チャネル(PDCCH)にRA−RNTIと下りデータチャネルのリソース割当て情報を配置し、下りデータチャネル(PDSCH)に上り同期タイミングずれ情報、上りスケジューリング情報、Tempolary C−RNTIおよび受信したプリアンブルのシグネチャID番号(またはランダムID)を配置し、ランダムアクセス応答として送信する機能を有する。
【0071】
また、ランダムアクセス応答で指示した上りスケジューリング情報に基づく接続要求メッセージ(上りスケジューリングデータ)を受信し、受信した接続要求メッセージの接続要求情報を確認し、接続を許可するかどうかの判定機能を有する。そして、接続を許可する場合、接続設定メッセージに接続設定情報(無線リソース設定)などを配置し、移動局装置へ送信する機能を有する。また、前記接続設定メッセージに対する応答メッセージである接続設定完了メッセージを受信する機能を有する。
【0072】
接続設定完了メッセージを受信したリレー局装置は、基地局装置(donor eNB)に対してリレーリンクを用いてリレーリンク接続要求メッセージを送信する(ステップS17)。リレーリンク接続要求メッセージは、基地局装置からリレー局装置に対して事前に割り当てられた無線リソースを用いて送信する。リレーリンク接続要求メッセージは、移動局装置とリレー局装置の間でランダムアクセス手順が終了したときに基地局装置に送信され、それ以外のタイミングでは送信しない。
【0073】
リレー局装置は、リレーリンク接続要求メッセージに少なくとも以下のリレーリンク接続要求情報を含める。(1)接続された移動局装置のC−RNTI(またはTemporary C−RNTI)、(2)接続要求メッセージで通知される接続要求情報、(3)接続設定完了メッセージで通知される接続設定完了情報、である。(2)で通知される接続要求情報とは、例えば接続要求理由などである。また、(3)で通知される接続設定完了情報とは、例えば選択したPLMN(Public Land Moblie Network)−IDなどである。なお、リレーリンク接続要求メッセージに、接続要求メッセージと接続設定完了メッセージをそのまま含めることで、リレー局装置の当該制御を簡略化することも可能である。
【0074】
リレーリンク接続要求メッセージを受信した基地局装置は、リレーリンク接続要求メッセージで通知された移動局装置とリレー局装置との間で無線リンク接続が完了したと判断する。そして、前記移動局装置がネットワークへ参加可能かを基地局装置の負荷状況などから判断し、参加可能と判断した場合、リレーリンク接続完了メッセージをリレー局装置に対して送信する(ステップS18)。
【0075】
リレーリンク接続完了メッセージは、基地局装置からリレー局装置に対して事前に割り当てられた無線リソースを用いて送信しても良いし、リレー局装置毎に異なるリレー局装置識別子(リレー局装置ID、Relay−RNTI)を割り当て、リレー局装置が下り共用制御チャネル(PDCCH)を監視し、リレー局装置識別子が配置された下り共用制御チャネルで示される無線リソース(少なくともリレー局装置識別子でスクランブルされた下りデータチャネル)で送信しても良い。
【0076】
基地局装置は、接続設定完了メッセージ後の制御メッセージをリレーリンク接続要求メッセージで通知された情報を基に生成し、リレー局装置に対して送信する(ステップS19)。ステップS19で送信される制御メッセージは、先に説明したように、基地局装置からリレー局装置に対して事前に割り当てた無線リソースを用いて送信しても良いし、リレー局装置識別子が配置された下り共用制御チャネルで示される無線リソース(少なくともリレー局装置識別子でスクランブルされた下りデータチャネル)で送信しても良い。ステップS19で送信される制御メッセージは、例えばセキュリティ設定メッセージや無線接続再設定メッセージである。
【0077】
制御メッセージを受信したリレー局装置は、制御メッセージを復調・復号化し、基地局装置とリレー局装置間で発生したデータ誤りを誤り訂正によって回復し、負荷状態や隣接セル間干渉などを考慮した最適なスケジューリングを決定し、前記スケジューリングに基づいて制御メッセージの再符号化・再変調を行なう。そして、誤り訂正された制御メッセージを移動局装置へ送信する(ステップS20)。リレー局装置からの前記制御メッセージの送信方法は、通常のEUTRAの方法と同じである。すなわち、リレー局装置は、C−RNTIが配置された下り共用制御チャネルで示される無線リソースを用いて制御メッセージを移動局装置に送信する。
【0078】
なお、図5のステップS20で送信される制御メッセージの情報をステップS18のリレーリンク接続完了メッセージに含めることでステップS19を省略することも可能である。
【0079】
図6は、本発明の実施の形態1における接続処理方法の別の一例を示すシーケンスチャートであり、Contention based Random Accessの手順後、基地局装置でリレーリンク接続要求が却下された例を示す。ランダムアクセス手順の開始時における条件は図5と同じである。
【0080】
移動局装置の接続設定完了メッセージを受信したリレー局装置が、基地局装置(donor eNB)に対してリレーリンクを用いてリレーリンク接続要求メッセージを送信するまでは、図5と同じであるため説明を略す。
【0081】
リレーリンク接続要求メッセージを受信した基地局装置は、リレーリンク接続要求メッセージで通知された移動局装置とリレー局装置との間でランダムアクセス手順が完了したと判断する。そして、前記移動局装置がネットワークへ参加可能かを、基地局装置の負荷状況などから判断し、参加不可(非許可)と判断した場合、リレーリンク接続要求拒否メッセージをリレー局装置に対して送信する(ステップS21)。
【0082】
リレーリンク接続要求拒否メッセージは、基地局装置からリレー局装置に対して事前に割り当てられた無線リソースを用いて送信しても良いし、リレー局装置毎に異なるリレー局装置識別子(リレー局装置ID、Relay−RNTI)を割り当て、リレー局装置が下り共用制御チャネル(PDCCH)を監視し、リレー局装置識別子が配置された下り共用制御チャネルで示される無線リソース(少なくともリレー局装置識別子でスクランブルされた下りデータチャネル)でリレーリンク接続要求拒否メッセージを送信しても良い。
【0083】
リレーリンク接続要求拒否メッセージを受信したリレー局装置は、リレーリンク接続要求が失敗したと判断し、移動局装置に対し、確立していた無線リソース情報を解放させるため、接続設定解放メッセージに接続設定解放情報を含めて送信する(ステップS22)。接続設定解放情報とは、例えば制御停止時間(wait time)である。そして、接続処理中に前記移動局装置から通知された情報と、前記移動局装置に対して割り振ったC−RNTI(またはTemporary−RNTI)の情報を削除し、ランダムアクセス手順を終了する。
【0084】
図5または図6で示した移動局装置とリレー局装置間の制御メッセージはそれぞれEUTRAで用いられる制御メッセージ(RRCシグナリング)を利用することが可能である。例えば、接続要求メッセージは、RRCConnectionRequest、またはRRCConnectionReestablishmentRequestを利用することが出来る。また、接続設定メッセージは、RRCConnectionSetup、または、RRCConnectionReestablishmentを利用することが出来る。
【0085】
また、接続設定完了メッセージは、RRCConnectionSetupComplete、またはRRCConnectionReestablishmentCompleteを利用することが出来る。セキュリティ設定メッセージはSecurityModeCommandを利用することが出来る。無線接続再設定メッセージは、RRCConnectionReconfigurationを使用することが出来る。接続設定解放メッセージは、RRCConnectionReleaseを利用することが出来る。
【0086】
また、図5または図6で示した基地局装置とリレー局装置間の制御メッセージはリレー局制御データを送信するために予約されたサブフレームで送信するのが好適である。
【0087】
本実施の形態によれば、リレー局装置は、基地局装置と同じランダムアクセス手順を処理する機能を持つ。また、リレー局装置は、接続設定完了メッセージを受信した場合に基地局装置に対してリレーリンク接続要求メッセージを送信し、移動局装置が新たにネットワークへ参加を要求していることを通知する。そして、リレーリンク接続要求完了メッセージを受信した場合、基地局装置から送信される制御メッセージを移動局装置に対して中継する。
【0088】
本実施の形態により、Advanced EUTRAにおいてリレー局装置が導入されたネットワークにおいても、移動局装置は、従来のEUTRAの接続処理方法と同じ制御を行うことが可能となる。そのため、移動局装置は、新規の機能追加を必要とせず、ハードウェア回路規模またはソフトウェアが使用するメモリ容量の増加を抑制できる。
【0089】
また、リレー局装置は、ランダムアクセス手順を処理する機能を持つため、基地局装置へランダムアクセスに関わる各情報を中継する必要が無くなり、遅延時間が短縮される。そのため、リレー局装置を経由した場合であっても、接続処理に必要な処理時間を最小とすることが可能となる。
【0090】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1では、リレー局装置は、接続設定完了メッセージを受信してから基地局装置にリレーリンク接続要求メッセージを送信していた。しかしながら、リレー局装置と移動局装置間で接続設定が完了した後で基地局装置との接続を図るため、例えば、リレーリンク接続要求が却下された場合、それまでの処理時間が無駄になるという場合があった。
【0091】
そこで、実施の形態2では、接続設定の完了前にリレーリンク接続要求メッセージを基地局装置に送信することで、接続要求が基地局装置で却下された場合を考慮したリレー局装置の最適な接続処理方法について示す。本実施形態における移動局装置、リレー局装置、および基地局装置は実施の形態1と同じでよい。
【0092】
図7は、本発明の実施の形態2における接続処理方法の一例を示すシーケンスチャートであり、Contention based Random Accessを使用する。移動局装置は、リレー局装置と通信可能な範囲に位置し、リレー局装置に対してランダムアクセスチャネルを送信する。リレー局装置と基地局装置の位置関係は、図10または図11に示した位置関係のどちらでも良い。リレー局装置と基地局装置は移動局装置のランダムアクセス手順の開始に先立って、予め無線接続(リレーリンク)が確立されており、互いに無線フレーム同期が取れている。
【0093】
本実施の形態の移動局装置は、基地局装置ではなく、リレー局装置と上り同期を取る。また、リレー局装置は移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルを基地局装置にリレーリンク経由で送信しない。ただし、本実施の形態では、上りスケジューリングデータ(接続要求メッセージ)を受信したときに、基地局装置にリレーリンク経由での送信を開始することを特徴とする。リレー局装置は、基地局装置に対して前記上りスケジューリングデータをランダムアクセス手順中に送信することで、基地局装置に接続要求の発生を通知し、基地局装置と協調してランダムアクセスを処理することを特徴とする。
【0094】
図7において、移動局装置がランダムアクセス応答で指示された無線リソースを使用して接続要求メッセージを送信するまでは、図5と同じであるため説明を略す。
【0095】
すなわち、本実施の形態のリレー局装置は、移動局装置から送信されたランダムアクセスチャネルを受信する機能と、受信したランダムアクセスチャネルに含まれるプリアンブルから上り同期タイミングずれを算出する機能と、下り共用制御チャネル(PDCCH)にRA−RNTIと下りデータチャネルのリソース割当て情報を配置し、下りデータチャネル(PDSCH)に上り同期タイミングずれ情報、上りスケジューリング情報、Tempolary C−RNTIおよび受信したプリアンブルのシグネチャID番号(またはランダムID)を配置し、ランダムアクセス応答として送信する機能を有する。
【0096】
また、ランダムアクセス応答で指示した上りスケジューリング情報に基づく接続要求メッセージ(上りスケジューリングデータ)を受信する機能を有する。接続要求メッセージを受信したリレー局装置は、基地局装置(donor eNB)に対してリレーリンクを用いてリレーリンク接続要求メッセージを送信する(ステップS23)。リレーリンク接続要求メッセージは、基地局装置からリレー局装置に対して事前に割り当てられた無線リソースを用いて送信する。リレーリンク接続要求メッセージは、移動局装置から接続要求メッセージを受信したときに基地局装置に送信され、それ以外のタイミングでは送信しない。
【0097】
リレー局装置は、リレーリンク接続要求メッセージに少なくとも以下のリレーリンク接続要求情報を含める。(1)接続要求を行った移動局装置のC−RNTI(またはTemporary C−RNTI)、(2)接続要求メッセージで通知される接続要求情報、である。(2)で通知される接続要求情報とは、例えば接続要求理由などである。なお、リレーリンク接続要求メッセージに、接続要求メッセージをそのまま含めることで、リレー局装置の当該制御を簡略化することも可能である。
【0098】
リレーリンク接続要求メッセージを受信した基地局装置は、リレーリンク接続要求メッセージで通知された移動局装置とリレー局装置との間で接続処理が進行中であると判断する。そして、前記移動局装置がネットワークへ参加可能かを基地局装置の負荷状況などから判断し、参加可能と判断した場合、リレーリンク接続完了メッセージをリレー局装置に対して送信する(ステップS24)。
【0099】
また、基地局装置は、接続設定メッセージに接続設定情報(無線リソース設定)などを配置し、リレー局装置へ送信する(ステップS25)。リレー局装置は、受信した接続設定メッセージを移動局装置に送信する(ステップS15)。
【0100】
接続設定メッセージを受信した移動局装置は、接続設定情報で指示された無線リソース設定を適用し、接続設定完了情報を含めて接続設定完了メッセージをリレー局装置へ送信する(ステップS16)。また、以後はTemporary C−RNTIを通常のC−RNTIとして使用する。接続設定完了メッセージを受信したリレー局装置は、基地局装置に対して前記接続設定完了メッセージを送信する(ステップS26)。
【0101】
接続設定完了メッセージを受信した基地局装置は、接続設定完了メッセージ後の続く制御メッセージを接続設定完了メッセージで通知された情報を基に生成し、リレー局装置に対して送信する(ステップS27)。制御メッセージを受信したリレー局装置は、移動局装置に対して前記制御メッセージを送信する(ステップS20)。ステップS27で送信される制御メッセージは、例えばセキュリティ設定メッセージや無線接続再設定メッセージである。
【0102】
基地局装置からリレー局装置への各メッセージの送信方法(ステップS24、ステップS25、ステップS27)は、基地局装置からリレー局装置に対して事前に割り当てた無線リソースを用いて送信しても良いし、リレー局装置識別子が配置された下り共用制御チャネルで示される無線リソース(少なくともリレー局装置識別子でスクランブルされた下りデータチャネル)で送信しても良い。リレー局装置から移動局装置への各メッセージの送信方法(ステップS15、ステップS20)は、通常のEUTRAの方法と同じである。すなわち、リレー局装置は、C−RNTIが配置された下り共用制御チャネルで示される無線リソースを用いて各メッセージを移動局装置に送信する。
【0103】
リレー局装置は、受信した制御メッセージを復調・復号化し、基地局装置とリレー局装置間、または移動局装置とリレー局装置間で発生したデータ誤りを誤り訂正によって回復し、負荷状態や隣接セル間干渉などを考慮した最適なスケジューリングを決定し、前記スケジューリングに基づいて制御メッセージの再符号化・再変調を行なう。
【0104】
なお、図7のステップS15で送信される接続設定メッセージの情報、またはS20で送信される制御メッセージの情報、またはその両方の情報を、ステップS24のリレーリンク接続完了メッセージに含めることでステップS25〜ステップS27を省略することも可能である。同様に、ステップS25の接続設定メッセージに含めることでステップS27を省略することも可能である。
【0105】
図8は、本発明の実施の形態2における接続処理方法の別の一例を示すシーケンスチャートであり、Contention based Random Accessの手順中に、基地局装置でリレーリンク接続要求が却下された例を示す。ランダムアクセス手順の開始時における条件は図5と同じである。
【0106】
移動局装置の接続要求メッセージを受信したリレー局装置が、基地局装置(donor eNB)に対してリレーリンクを用いてリレーリンク接続要求メッセージを送信するまでは、図7と同じであるため説明を略す。
【0107】
リレーリンク接続要求メッセージを受信した基地局装置は、リレーリンク接続要求メッセージで通知された移動局装置とリレー局装置との間でランダムアクセス手順が進行中であると判断する。そして、前記移動局装置がネットワークへ参加可能かを、基地局装置の負荷状況などから判断し、参加不可(非許可)と判断した場合、リレーリンク接続要求拒否メッセージをリレー局装置に対して送信する(ステップS28)。
【0108】
リレーリンク接続要求拒否メッセージは、基地局装置からリレー局装置に対して事前に割り当てられた無線リソースを用いて送信しても良いし、リレー局装置毎に異なるリレー局装置識別子(リレー局装置ID、Relay−RNTI)を割り当て、リレー局装置が下り共用制御チャネル(PDCCH)を監視し、リレー局装置識別子が配置された下り共用制御チャネルで示される無線リソース(少なくともリレー局装置識別子でスクランブルされた下りデータチャネル)でリレーリンク接続要求拒否メッセージを送信しても良い。
【0109】
リレーリンク接続要求拒否メッセージを受信したリレー局装置は、リレーリンク接続要求が失敗したと判断し、移動局装置に対し、接続要求の失敗を通知するために、接続要求拒否メッセージに接続要求拒否情報を含めて送信する(ステップS29)。接続要求拒否情報とは、例えば接続要求拒否理由である。そして、前記移動局装置から通知された情報と、前記移動局装置に対して割り振ったC−RNTI(またはTemporary−RNTI)の情報を削除し、ランダムアクセス手順を終了する。
【0110】
図7または図8で示した移動局装置とリレー局装置間の制御メッセージはそれぞれEUTRAで用いられる制御メッセージ(RRCシグナリング)を利用することが可能である。例えば、接続要求メッセージは、RRCConnectionRequest、またはRRCConnectionReestablishmentRequestを利用することが出来る。また、接続設定メッセージは、RRCConnectionSetup、または、RRCConnectionReestablishmentを利用することが出来る。
【0111】
また、接続設定完了メッセージは、RRCConnectionSetupComplete、またはRRCConnectionReestablishmentCompleteを利用することが出来る。セキュリティ設定メッセージはSecurityModeCommandを利用することが出来る。接続要求拒否メッセージは、RRCConnectionReject、またはRRCConnectionReestablishmentRejectを利用することが出来る。
【0112】
また、図7または図8で示した基地局装置とリレー局装置間の制御メッセージはリレー局制御データを送信するために予約されたサブフレームで送信するのが好適である。
【0113】
本実施の形態によれば、リレー局装置は、ランダムアクセス応答を送信するまでは基地局装置と同じランダムアクセス手順を処理する機能を持つ。また、リレー局装置は、接続要求メッセージを受信した場合に基地局装置に対してリレーリンク接続要求メッセージを送信し、移動局装置が新たにネットワークへ参加を要求していることを通知する。そして、リレーリンク接続要求完了メッセージを受信した場合、基地局装置から送信される接続設定メッセージを移動局装置に対して中継する。
【0114】
本実施の形態により、Advanced EUTRAにおいてリレー局装置が導入されたネットワークにおいても、移動局装置は、従来のEUTRAの接続処理方法と同じ制御を行うことが可能となる。そのため、移動局装置は、新規の機能追加を必要とせず、ハードウェア回路規模またはソフトウェアが使用するメモリ容量の増加を抑制できる。
【0115】
また、リレー局装置は、ランダムアクセス手順を処理する機能の一部を持つため、基地局装置へランダムアクセスに関わる各情報を全て中継する場合と比較して、遅延時間が短縮される。そのため、リレー局装置を経由した場合であっても、接続処理に必要な処理時間を短縮とすることが可能となる。また、基地局装置に対して移動局装置の接続要求をランダムアクセス手順の処理中に通知することが可能であるため、基地局装置が接続要求を却下した場合、その後の接続処理を即座に停止することが可能となる。そして、移動局装置ならびにリレー局装置は、不要な接続処理を実施する必要がなくなるため、無線リソースの利用効率が改善するとともに消費電力が削減される。
【0116】
なお、以上説明した実施の形態において、移動局装置および基地局装置の各部の機能又はこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより移動局装置や基地局装置の制御を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0117】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0118】
以上、この発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
100…基地局装置
200…リレー局装置
300…移動局装置
101、201、301…受信部
102、202、302…復調部
103、203、303…復号部
104、204…ランダムアクセス処理部
105、205、304…上位レイヤ
106、206、305…制御部
107、207、307…符号部
108、208…参照信号生成部
109、209、308…変調部
110、210…多重部
111、211、309…送信部
212…制御情報選択部
306…ランダムアクセス生成部
AN11、AN21、AN31…受信アンテナ
AN12、AN22、AN32…送信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレー局装置を介した移動局装置と基地局装置との間の接続処理方法であって、
前記移動局装置で、接続要求のために前記リレー局装置に対してランダムアクセスチャネルを送信するステップと、
前記リレー局装置で、前記移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに対応するランダムアクセス応答に接続要求に必要なリソース割当て情報を含めて前記移動局装置に送信するステップと、
前記リレー局装置で、前記基地局装置に対してリレー局装置とのリレーリンク接続要求情報を送信するステップと、
前記基地局装置で、前記リレーリンク接続要求情報を受信し、前記リレーリンク接続要求情報からリレーリンク接続要求の許可を判断し、リレーリンク接続要求の判断結果を前記リレー局装置に送信するステップと、
を含むことを特徴とする接続処理方法。
【請求項2】
前記リレーリンク接続要求情報は、前記移動局装置から接続設定完了情報を受信した後に前記リレー局装置から前記基地局装置に送信するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の接続処理方法。
【請求項3】
前記リレーリンク接続要求情報は、前記移動局装置から接続要求情報を受信した後に前記リレー局装置から前記基地局装置に送信するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の接続処理方法。
【請求項4】
前記リレーリンク接続要求の判断結果が非許可の場合に、接続設定解放情報を前記リレー局装置から前記移動局装置に送信するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の接続処理方法。
【請求項5】
前記リレーリンク接続要求の判断結果が非許可の場合に、接続要求拒否情報を前記リレー局装置から前記移動局装置に送信するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の接続処理方法。
【請求項6】
移動局装置と基地局装置との間の接続処理を介するリレー局装置であって、
前記移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに対応するランダムアクセス応答に接続要求に必要なリソース割当て情報を含めて前記移動局装置に送信する送信手段と、
前記移動局装置から接続設定完了情報を受信した後に前記基地局装置に対してリレー局装置とのリレーリンク接続要求情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするリレー局装置。
【請求項7】
移動局装置と基地局装置との間の接続処理を介するリレー局装置であって、
前記移動局装置が送信したランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに対応するランダムアクセス応答に接続要求に必要なリソース割当て情報を含めて前記移動局装置に送信する送信手段と、
前記移動局装置から接続要求情報を受信した後に前記基地局装置に対してリレー局装置とのリレーリンク接続要求情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするリレー局装置。
【請求項8】
リレー局装置を介して移動局装置と接続処理を行う基地局装置であって、
前記リレー局装置が送信したリレーリンク接続要求情報を受信し、前記リレーリンク接続要求情報から判断されたリレーリンク接続要求の判断結果を前記リレー局装置に送信する送信手順を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項9】
前記リレーリンク接続要求の判断結果は、少なくともリレー局装置識別子でスクランブルされた無線リソースを用いて前記リレー局装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−74757(P2012−74757A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15042(P2009−15042)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】