基地局装置、無線通信システム及び無線送信方法
【課題】他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する場合に、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えること。
【解決手段】サブキャリアマッピング部102が単一のアンテナ108−1から全送信帯域の信号が送信されるような帯域割当を行い、サブキャリアマッピング部103が他のアンテナ108−2〜108−nから特定帯域の信号が送信されるような帯域割当を行い、かつ、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106が他システムの無線局が存在する方向にヌル指向性が向くようにアンテナ間での重み付け処理を施す。これにより、他システムの無線局と自システムの端末が同じ方向に存在する場合でも、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えることができる。
【解決手段】サブキャリアマッピング部102が単一のアンテナ108−1から全送信帯域の信号が送信されるような帯域割当を行い、サブキャリアマッピング部103が他のアンテナ108−2〜108−nから特定帯域の信号が送信されるような帯域割当を行い、かつ、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106が他システムの無線局が存在する方向にヌル指向性が向くようにアンテナ間での重み付け処理を施す。これにより、他システムの無線局と自システムの端末が同じ方向に存在する場合でも、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の無線通信システムの送信局が第2の無線通信システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する場合に、第2の無線通信システムの無線局への干渉を抑圧することで、複数の無線通信システム間での周波数共用を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高速伝送を行う移動通信システム(例えば携帯電話システム)においては、広い無線通信周波数帯域幅が必要となる。よって、このような移動通信システムを構築する場合には、広い周波数帯域を確保する必要がある。
【0003】
一般的に、移動通信においては、端末が移動することが前提となっているため、マイクロ波帯以下の周波数帯が候補となる。ところが、マイクロ波帯以下の周波数は、一般的に既に固定マイクロ波通信システムや衛星通信システムのような既存のシステムに使用されている場合が多い。従って、広い周波数帯域を確保するためには、これらの既存の無線通信システムに干渉を与えないようにシステムを構成しなければならない。
【0004】
複数システムが共存する周波数帯域の例としては、例えば2.45GHz帯に代表されるISMバンドが挙げられる。この周波数帯では、一般的にキャリアセンスが用いられる。共存する他の無線通信システムが所望の周波数帯を使用していないことがキャリアセンスによって判明されれば、当該システムでその周波数帯を用いて無線通信を行うことができる。
【0005】
しかし、携帯電話システムにおいては、常時かつ面的にサービスを提供することが必要なため、ISMバンドのように時間的に周波数帯域を共有することはできない。また、TDMA、CDMAも互いに異種のシステムであるため導入は困難である。
【0006】
これらのことより、アンテナ指向性を用いた空間多重(SDMA)は、こうした異種のシステム間における周波数共用技術の有力な候補である。
【0007】
例えば、基地局(以下BTSと呼ぶこともある)と移動局(以下MSと呼ぶこともある)とからなる移動通信システムの通信エリア内に、この移動通信システムの帯域の一部と重なる帯域を用いる衛星システム地上局(以下ESと呼ぶこともある)が存在する場合について説明する。
【0008】
衛星システム地上局ESでは、パラボラアンテナ等の高利得開口面アンテナが衛星に向けられる。実際には、衛星方向に鋭いビーム(通常半値角2〜3°程度)が向けられる。他の方向では、サイドローブ又はヌル指向性により、ビームのピーク方向に比して、受信レベルが50dB程度減衰される。
【0009】
この衛星通信システムの帯域を含んだ帯域を用いて、衛星通信システムとは異種のシステムである携帯電話システム等の移動通信システムを運用した場合を考える。移動通信システムの基地局は、現在の技術を用いる場合、例えば、オムニ指向性、又は120°、90°等のセクタ指向性にて送信する。
【0010】
しかし、このような指向性送信技術を用いて、衛星システム地上局ESを避けた方向に指向性送信を行ったとしても、衛星システム地上局ESにおける衛星からの受信電力は非常に小さいので、移動通信システムの基地局からの干渉は大きな問題となる。前述のように、衛星システム地上局ESでは、ビーム方向以外は低い利得となるように設計されているが、宇宙局からの受信信号強度は非常に低いため、サイドローブ方向に移動通信システムの基地局があった場合でも、この基地局からの信号が干渉となる。
【0011】
そこで、移動通信システムの基地局において、衛星システム地上局ESで使用される所定のサブキャリアに対して、アダプティブアレイアンテナ制御又は基地局間で振幅・位相重み付けを行うことで、衛星システム地上局ESが使用している帯域への干渉電力を所定値以下とするヌル点制御を行うこと、つまり干渉軽減のためにSDMA技術を適用することが考えられる。
【0012】
なお、ここまでの説明では、衛星通信システムが代替できる他の通信システムが無い点で典型的な例のため、移動通信システムと共存する無線通信システムの例として衛星通信システムを挙げたが、他の異種の無線通信システム間でも同様のことが考えられる。
【0013】
従来のSDMAとしては、例えば、非特許文献1に記載されている、アレイアンテナによる指向性制御が挙げられる。同文献では、図14Aに示すように、送信信号(送信データ)に所定のウエイトW0、W1を乗じて複数のアンテナで送信することで、図14Bに示すような指向性制御を行う。これにより、図15に示すように、移動局MSの方向に指向性を向けかつ衛星システム地上局ESの方向にヌル指向性を向けることを実現している。この方法を用いることにより、移動通信システムの基地局BTSから衛星システム地上局ESへの干渉を抑圧することができる。
【非特許文献1】菊間信良 「アレーアンテナによる適応信号処理」 (株)科学技術出版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前記従来の方法では、図16に示すように、移動通信システムの基地局BTSから見て、衛星システム地上局ESの方向に移動局MSが存在した場合、移動局MSにもヌル指向性が向くことになるので、移動通信システムの通信(すなわち移動通信システムの基地局BTSと移動局MSとの通信)が劣化してしまう。
【0015】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決するもので、他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する場合に、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の基地局装置の一つの態様は、他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する基地局装置であって、第1及び第2のアンテナと、前記第1のアンテナに前記送信帯域の信号を割り当て、前記第2のアンテナに前記特定帯域の信号を割り当てる帯域割当手段と、前記帯域割当手段によって前記第1及び第2のアンテナに割り当てられた信号を、アンテナ間で重み付けする重み付け手段と、を具備する構成を採る。
【0017】
本発明の無線送信方法の一つの態様は、第1の帯域の信号を単一のアンテナから送信すると共に、前記第1の帯域の一部を形成している第2の帯域の信号を、前記単一のアンテナを含む複数のアンテナから送信するステップと、前記第1の帯域の信号と、前記第2の帯域の信号とをアンテナ間で重み付けすることで、前記第2の帯域の信号の指向性を制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、非常に簡易な構成で、特定帯域については、他システムの無線局が存在する方向にヌルが向けられた指向性信号を形成し、特定帯域を除く自システムの送信帯域については、無指向性の信号を形成することができる。換言すれば、他システムの無線局が使用している帯域のみ指向性制御することができる。この結果、基地局から見て、他システムの無線局と自システムの端末が同じような方向にあった場合でも、自システムの端末は他システムの無線局が使用していない帯域の信号を良好に受信できる。つまり、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
先ず、本実施の形態の構成を説明する前に、本実施の形態で想定する異種システム間での使用帯域の例について説明する。
【0021】
図1は、異種システム間での使用帯域の例を示すもので、次世代移動通信システムとして検討されているIMT−Advancedの通信帯域と、固定衛星サービス(FSS)の使用帯域との関係を示すものである。図1から分かるように、IMT−Advancedの通信帯域のうち、特定帯域が固定衛星サービスFSSに干渉を与えてしまう。
【0022】
本実施の形態は、例えば図1に示すような関係にある異種の無線通信システム間において、第1の無線通信システム(例えばIMT−Advanced)の通信を確保しつつ、第2の無線通信システム(例えば固定衛星サービスFSS)への干渉を抑制し得るシステムを提示する。
【0023】
図2に、本発明の実施の形態1に係る移動通信システムの基地局の構成例を示す。図2は、本発明をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式に適用した場合の例である。
【0024】
図2において、移動通信システムの基地局100は、送信データ生成部101と、サブキャリアマッピング部(全帯域)102と、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103と、高速逆フーリエ変換(IFFT)部104とCP(Cyclic Prefix)挿入部105と、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106と、RF送信部107と送信アンテナ108とを有する。
【0025】
送信データ生成部101は、送信データを生成し、生成した送信データをサブキャリアマッピング部(全帯域)102及びサブキャリアマッピング部(特定帯域)103に送出する。これにより、サブキャリアマッピング部(全帯域)102と、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103には、同一の送信データが入力される。
【0026】
サブキャリアマッピング部(全帯域)102は、送信データを全帯域にマッピングする。その様子を、図3Aに示す。サブキャリアマッピング部(全帯域)102は、図3Aに示す全サブキャリア(つまり全帯域)に送信データをマッピングする。
【0027】
サブキャリアマッピング部(特定帯域)103は、サブキャリアマッピング部(全帯域)102と同じ送信データを同じマッピング方法でマッピングする。ただし、他システム端末が使用している帯域(つまり特定帯域)以外は強制的に0とする。その様子を、図3Bに示す。図3Bの「指向性サブキャリア」と記された特定帯域は、図3Aの「指向性サブキャリア」と記された帯域と同一帯域である。サブキャリアマッピング部(特定帯域)103は、図3Bの「指向性サブキャリア」と記された特定帯域に、図3Aの「指向性サブキャリア」と記された帯域に配置された送信データと同一の送信データを配置する。
【0028】
IFFT部104は、IFFT部104−1及びIFFT部104−2を有する。IFFT部104−1は、サブキャリアマッピング部(全帯域)102にて形成されたデータに高速逆フーリエ変換を施すことで、OFDM信号を形成する。IFFT部104−2は、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103にて形成されたデータに高速逆フーリエ変換を施すことで、OFDM信号を形成する。
【0029】
CP挿入部105は、CP挿入部105−1及びCP挿入部105−2を有する。CP挿入部105−1は、IFFT部104−1から出力されたOFDM信号にCP(Cyclic Prefix)を挿入する。CP挿入部105−2は、IFFT部104−2から出力されたOFDM信号にCP(Cyclic Prefix)を挿入する。
【0030】
指向性制御ウエイト生成及び乗算部106は、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106−1〜106−nを有する。指向性制御ウエイト生成及び乗算部106−1には、CP挿入部105−1から出力されたOFDM信号が入力される。一方、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106−2〜106−nには、CP挿入部105−2から出力されたOFDM信号が入力される。
【0031】
指向性制御ウエイト生成及び乗算部106は、他システム端末設置時に、移動通信システムの基地局100から見た他システム端末の方向を求めておき、この他システム端末の方向を設定することによって、他システム端末の方向へヌルが向くような指向性制御ウエイトを生成し、このウエイトをCP挿入部105にてCPが挿入されたOFDM信号に乗算する。なお、指向性制御ウエイトの生成は、非特許文献1に記載されているような一般的な方法で行えばよい。
【0032】
RF送信部107は、RF送信部107−1〜107−nを有する。RF送信部107−1〜107−nは、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106−1〜nにて指向性制御ウエイトが乗じられた信号に、ディジタルアナログ変換処理、無線周波数帯域へのアップコンバート処理などの無線送信処理を施す。
【0033】
送信アンテナ部108は、送信アンテナ108−1〜108−nを有する。送信アンテナ108−1〜108−nは、RF送信部107−1〜107−nにより得られた信号を送信する。
【0034】
図4に、基地局100により得られた送信信号の指向性を示す。図中の実線は、他システムが使用している帯域(すなわち特定帯域)の指向性を示し、図中の一点鎖線は、他システムが使用している帯域(すなわち特定帯域)を除く帯域の指向性を示す。
【0035】
図4から分かるように、特定帯域の信号は他システムの端末が存在する方向にヌルが向くような指向性が形成されるので、他システムの端末は、基地局100からの信号による干渉が抑制される。
【0036】
一方、特定帯域を除く帯域の信号は、無指向性とされるので、移動通信システムの端末が、他システムの端末が存在する方向と同じ方向に位置していたとしても、移動通信システムの端末は、特定帯域以外の帯域の信号を十分な電力で受信できるので、基地局100との通信を確保できる。
【0037】
図5に、その具体的様子を示す。図5は、基地局100から見て、他システム端末(例えば衛星システム地上局)300の方向に、移動通信システムの移動局200が位置する場合を示している。
【0038】
基地局100は、他システム端末300が使用している帯域については、他システム端末300の方向にヌル指向性が向くように指向性制御しているので、他システム端末300は、基地局100からの干渉を受けない。
【0039】
一方、基地局100は、他システム端末300が使用している帯域以外の帯域については、無指向性制御しているので、移動局200は、この帯域の信号を基地局100から良好に受信することができる。因みに、無指向性制御された帯域の信号は、他システム端末300にとっては使用している帯域外の信号なので、干渉とはならない。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態によれば、他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する場合に、単一のアンテナから前記送信帯域の信号を送信し、他のアンテナから特定帯域の信号を送信し、かつ、他システムの無線局が存在する方向にヌル指向性が向くようにアンテナ間で重み付け処理を施すようにした。
【0041】
これにより、非常に簡易な構成で、特定帯域については、他システムの無線局が存在する方向にヌルが向けられた指向性信号を形成し、特定帯域を除く自システムの送信帯域については、無指向性の信号を形成することができる。この結果、非常に簡易な構成で、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えることができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、特定帯域の信号を複数のアンテナ108−2〜108−nから送信する場合を例に説明したが、特定帯域の信号を単一のアンテナから送信してもよい。
【0043】
図6に、本実施の形態の基本構成図を示す。同一の送信データが帯域割当部1及び帯域割当部2に入力される。帯域割当部1は、送信データを、全帯域(例えば図1のIMT−Advancedの通信帯域)に割り当てる。帯域割当部2は、送信データを、特定帯域(例えば図1の固定衛星サービスが利用している帯域)に割り当てる。帯域割当部1及び帯域割当部2によって帯域が割り当てられた信号は、重み付け部120によって、重み付け係数W0、W1を用いてアンテナ間で重み付けられた後に、アンテナAN1、AN2に供給される。
【0044】
図6の構成により、特定帯域の信号は、アンテナAN1、AN2から重み付け送信されるので、所望の方向にヌル指向性が形成された信号とされる。一方、特定帯域を除く帯域の信号は、アンテナAN1のみから送信されるので、重み付けとは無関係に無指向性の信号とされる。よって、上述した実施の形態と同様の操作を行うことができる。
【0045】
因みに、本発明は、図7に示すように、既存部分130に、後付部分140の構成を加えるだけで、簡単に実現することも可能である。後付部分140は、特定帯域のみを通過させるバンドパスフィルタ(BPF)141と、重み付け部142と、アンテナ143とを備えていればよい。
【0046】
(実施の形態2)
図2との対応部分に同一符号を付して示す図8に、実施の形態2の移動通信システムのシステム構成を示す。図8の移動通信システムは、基地局400と、ビーコン送信局500とを有する。
【0047】
基地局400は、実施の形態1の基地局100の構成に加えて、受信アンテナ401と、RF受信部402と、他システム端末方向推定部403とを有し、これらによって指向性制御ウエイト生成及び乗算部106に入力する、他システム端末の方向を求める。
【0048】
ビーコン送信局500は、他システム端末300(図5)の近傍に設置され、ビーコン生成部501と、RF送信部502と、送信アンテナ503とを有する。
【0049】
ビーコン生成部501は、基地局400で方向推定するためのビーコン信号を生成する。RF送信部502は、ビーコン生成部501で生成されたビーコン信号にディジタルアナログ変換処理、無線周波数帯域へのアップコンバート処理等の無線送信処理を施し、無線処理後の信号を送信アンテナ503を介して送信する。
【0050】
基地局400は、RF受信部402において、受信アンテナ401より受信した信号に対して、ベースバンド帯域へのダウンコンバート処理及びアナログディジタル変換処理等の所定の無線処理を行い、処理後の信号を他システム端末方向推定部403に送出する。
【0051】
他システム端末方向推定部403は、受信したビーコン信号を用いて、ビーコン送信局500の方向、すなわち、他システム端末300(図5)の方向を推定し、その結果を指向性制御ウエイト生成及び乗算部106へ出力する。方向の推定は、例えば非特許文献1に記載されているような一般的な方法で行えばよい。
【0052】
本実施の形態の構成を用いることによって、他システム端末300の設置時に方向の情報が得られなくても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(実施の形態3)
図2との対応部分に同一符号を付して示す図9に、実施の形態3の移動通信システムのシステム構成を示す。図9の移動通信システムは、基地局600と、位置推定局700とを有する。
【0054】
基地局600は、実施の形態1の構成に加えて、受信アンテナ601と、RF受信部602と、GPS情報復調部603と、端末方向推定部604とを有し、これらによって指向性制御ウエイト生成及び乗算部106に入力する、他システム端末の方向を求める。
【0055】
位置推定局700は、他システム端末300(図5)の近傍に設置され、GPSアンテナ701と、GPS情報生成部702と、RF送信部703と、送信アンテナ704とを有する。
【0056】
GPS情報生成部702は、GPSアンテナ701から受信した信号を基に、位置を表すGPS情報を生成する。RF送信部703は、GPS情報生成部702で生成されたGPS情報にディジタルアナログ変換処理、無線周波数帯域へのアップコンバート処理等の無線送信処理を施し、無線処理後の信号を送信アンテナ704を介して送信する。
【0057】
基地局600は、RF受信部602において、受信アンテナ601より受信した信号に対して、ベースバンド帯域へのダウンコンバート処理及びアナログディジタル変換処理等の所定の無線処理を行い、処理後の信号をGPS情報復調部603に送出する。
【0058】
GPS情報復調部603は、GPS情報から位置推定局700の位置、すなわち、他システム端末300(図5)の位置情報を生成する。
【0059】
GPS情報に基づく他システム端末方向推定部604は、GPS情報復調部603にて生成された他システム端末の位置情報と、基地局600の位置関係から、他システム端末300(図5)の方向を推定し、その結果を指向性制御ウエイト生成及び乗算部106に送出する。
【0060】
本実施の形態の構成を用いることによって、他システム端末300の設置時に方向の情報が得られない場合、あるいは、他システム端末300が移動する場合でも、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0061】
(実施の形態4)
図2との対応部分に同一符号を付して示す図10に、実施の形態4の基地局の構成を示す。図10は、本発明をシングルキャリア方式に適用した場合の構成例である。
【0062】
基地局800は、実施の形態1の基地局100と比較して、サブキャリアマッピング部(全帯域)102、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103、IFFT部104、及びCP挿入部105が削除され、他システム端末が使用している帯域(特定帯域)のみを通過させるバンドパスフィルタ(BPF)部801が追加されている。
【0063】
BPF部801は、送信データ生成部101から出力された送信データの全帯域うち、他システム端末が使用している帯域(特定帯域)のみを通過させ、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106へ送出する。
【0064】
指向性制御ウエイト生成及び乗算部106の入力である他システム端末の方向は、実施の形態1〜3のいずれかの方法により決定する。
【0065】
本実施の形態の構成を用いることによって、シングルキャリア方式においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0066】
なお、BPF部801の通過帯域を変化さることにより、指向性制御する帯域を調整することができる。
【0067】
(実施の形態5)
図10との対応部分に同一符号を付して示す図11に、実施の形態5の基地局の構成を示す。図11は、本発明をシングルキャリア方式に適用した場合の構成例である。
【0068】
基地局900は、実施の形態4の基地局800のBPF部801が通過域切替可能BPF部901に変更されている。
【0069】
通過域切替可能BPF部901は、送信データ生成部101から出力された送信データの全帯域のうち、特定帯域のみを通過させ、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106へ送出する。通過域切替可能BPF部901は、図12のように、通過域が異なる複数のバンドパスフィルタ(BPF1〜BPFM)を有し、その中から使用するバンドパスフィルタを選択するようになっているため、通過域を切り替えることができる。
【0070】
指向性制御ウエイト生成及び乗算部106の入力である他システム端末の方向は、実施の形態1〜3のいずれかの方法により決定する。
【0071】
本実施の形態の構成を用いることによって、シングルキャリア方式においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、加えて、指向性制御したい帯域を切り替えることができる。
【0072】
(実施の形態6)
図2との対応部分に同一符号を付して示す図13に、実施の形態6の移動通信システムのシステム構成を示す。図13の移動通信システムは、基地局1000と、センサ局1100とを有する。
【0073】
基地局1000は、実施の形態1の基地局100の指向性制御ウエイト生成及び乗算部106が指向性制御ウエイト乗算部1002に変更され、既知信号多重部1001と、受信アンテナ1003と、RF受信部1004と、指向性制御ウエイト復調部1005とが追加されている。また、既知信号多重部1001では、アンテナ108(108−1、108−2−1〜108−2−M)ごとに異なる信号パターンが多重されるため、基地局100と比べ、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103−1〜103−M、IFFT部104−2−1〜104−2−M、CP挿入部105−2−1〜105−2−Mが送信アンテナ108−2−1〜108−2−Mの数だけ用意されている。
【0074】
既知信号多重部1001は、送信アンテナ108−1、108−2−1〜108−2−Mごとに異なるパターンを生成して、送信データに多重する。例えば、時分割多重の場合は、あるタイミングのOFDMシンボルが既知信号とされる。
【0075】
指向性制御ウエイト乗算部1002は、指向性制御ウエイト復調部1005より指定されたウエイト修正値を現在のウエイトに乗じ、それを新しいウエイトとしてCP挿入部105より入力された信号に乗算する。
【0076】
RF受信部1004は、受信アンテナ1003より受信したセンサ局1100からの信号に対して、ベースバンド帯域へのダウンコンバート処理及びアナログディジタル変換処理等の所定の無線処理を行い、処理後の信号を指向性制御ウエイト復調部1005に送出する。
【0077】
指向性制御ウエイト復調部1005は、センサ局1100から受信した指向性制御ウエイト修正値を復調し、指向性制御ウエイト乗算部1002に通知する。
【0078】
センサ局1100は、他システム端末300(図5)の近傍に設置され、受信アンテナ1101と、既知信号復調部1103と、指向性制御ウエイト生成部1104と、指向性制御ウエイト変調部1105と、RF送信部1106と送信アンテナ1107とを有する。
【0079】
RF受信部1102は、受信アンテナ1101より受信した基地局1000からの信号に対して、ベースバンド帯域へのダウンコンバート処理及びアナログディジタル変換処理等の所定の無線処理を行い、処理後の信号を既知信号復調部1103に送出する。
【0080】
既知信号復調部1103は、基地局1000で多重された既知信号を復調し、基地局1000の各送信アンテナ108−1、108−2−1〜108−2−Mに対する複素チャネル値を、復調した既知信号に基づいて推定する。
【0081】
指向性制御ウエイト生成部1104は、既知信号復調部1103から入力される複素チャネル値を用いて、指向性制御ウエイト修正値を求める。指向性制御ウエイト修正値の求め方の例を説明する。簡単のため、基地局1000の送信アンテナ数を2とする。送信アンテナの1番目と2番目の複素チャネル値C1、C2が、次の式(1)及び式(2)で表されると仮定する。
【0082】
C1=A1×exp(jθ1) ………(1)
C2=A2×exp(jθ2) ………(2)
【0083】
送信アンテナの1番目と2番目の指向性制御ウエイト修正値W1、W2とし、送信アンテナの1番目の指向性制御ウエイト修正値は固定、すなわち、W1=1とする。このとき、W2は次の式(3)が成り立つような値とすればよく、これより式(4)を得ることができる。
【0084】
C2×W2=−C1 ………(3)
W2=−A1/A2×exp{j(θ1―θ2)} ………(4)
【0085】
この値によって基地局1000の指向性制御ウエイトを修正することにより、センサ局1100における、基地局1000からの特定帯域の信号レベルを小さくすることができる。すなわち、他システム端末300(図5)への干渉を低減させることができる。
【0086】
指向性制御ウエイト変調部1105は、指向性制御ウエイト生成部1104で求められた指向性制御ウエイト修正値を、基地局1000へ送信するために変調する。
【0087】
RF送信部1106は、指向性制御ウエイト変調部1105で変調されたデータにディジタルアナログ変換処理、無線周波数帯域へのアップコンバート処理等の無線送信処理を施す。無線処理後の信号は、送信アンテナ1107を介して送信する。
【0088】
本実施の形態の構成を用いることによって、基地局1000の送信アンテナ108の配置が不規則のために非特許文献1に記載されているような一般的な方法での指向性制御ウエイトの生成が困難な場合でも、的確な指向性制御ウエイトを生成することができるので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、例えば、移動通信規格であるIMT−Advancedシステムと、固定衛星サービスシステムとの関係のように、一部の帯域を異種のシステム間で共用する無線システムに適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】移動通信システムの規格であるIMT−Advancedの通信帯域と、固定衛星サービス(FSS)の使用帯域との関係を示す図
【図2】実施の形態1の基地局の構成例を示すブロック図
【図3】帯域割当の説明に供する図であり、図3Aは全帯域割当の様子を示す図、図3Bは特定帯域割当の様子を示す図
【図4】実施の形態1の基地局による指向性制御の様子を示す図
【図5】実施の形態1の基地局による指向性制御の様子を示す図
【図6】実施の形態1の基地局の基本構成を示す図
【図7】実施の形態1による他の構成例を示す図
【図8】実施の形態2のシステム構成を示すブロック図
【図9】実施の形態3のシステム構成を示すブロック図
【図10】実施の形態4の基地局の構成を示すブロック図
【図11】実施の形態5の基地局の構成を示すブロック図
【図12】通過域切替可能BPF部の周波数特性を示す図
【図13】実施の形態6のシステム構成を示すブロック図
【図14】従来のアレイアンテナによる指向性制御を示す図であり、図14Aは構成例を示す図、図14Bは指向性を示す図
【図15】従来のアレイアンテナによる指向性制御を示す図
【図16】従来の課題の説明に供する図
【符号の説明】
【0091】
100、400、600、800、900、1000 基地局
102、103 サブキャリアマッピング部
106 指向性制御ウエイト生成及び乗算部
108、AN1、AN2 アンテナ
120 重み付け部
500 ビーコン送信局
700 位置推定局
1100 センサ局
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の無線通信システムの送信局が第2の無線通信システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する場合に、第2の無線通信システムの無線局への干渉を抑圧することで、複数の無線通信システム間での周波数共用を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高速伝送を行う移動通信システム(例えば携帯電話システム)においては、広い無線通信周波数帯域幅が必要となる。よって、このような移動通信システムを構築する場合には、広い周波数帯域を確保する必要がある。
【0003】
一般的に、移動通信においては、端末が移動することが前提となっているため、マイクロ波帯以下の周波数帯が候補となる。ところが、マイクロ波帯以下の周波数は、一般的に既に固定マイクロ波通信システムや衛星通信システムのような既存のシステムに使用されている場合が多い。従って、広い周波数帯域を確保するためには、これらの既存の無線通信システムに干渉を与えないようにシステムを構成しなければならない。
【0004】
複数システムが共存する周波数帯域の例としては、例えば2.45GHz帯に代表されるISMバンドが挙げられる。この周波数帯では、一般的にキャリアセンスが用いられる。共存する他の無線通信システムが所望の周波数帯を使用していないことがキャリアセンスによって判明されれば、当該システムでその周波数帯を用いて無線通信を行うことができる。
【0005】
しかし、携帯電話システムにおいては、常時かつ面的にサービスを提供することが必要なため、ISMバンドのように時間的に周波数帯域を共有することはできない。また、TDMA、CDMAも互いに異種のシステムであるため導入は困難である。
【0006】
これらのことより、アンテナ指向性を用いた空間多重(SDMA)は、こうした異種のシステム間における周波数共用技術の有力な候補である。
【0007】
例えば、基地局(以下BTSと呼ぶこともある)と移動局(以下MSと呼ぶこともある)とからなる移動通信システムの通信エリア内に、この移動通信システムの帯域の一部と重なる帯域を用いる衛星システム地上局(以下ESと呼ぶこともある)が存在する場合について説明する。
【0008】
衛星システム地上局ESでは、パラボラアンテナ等の高利得開口面アンテナが衛星に向けられる。実際には、衛星方向に鋭いビーム(通常半値角2〜3°程度)が向けられる。他の方向では、サイドローブ又はヌル指向性により、ビームのピーク方向に比して、受信レベルが50dB程度減衰される。
【0009】
この衛星通信システムの帯域を含んだ帯域を用いて、衛星通信システムとは異種のシステムである携帯電話システム等の移動通信システムを運用した場合を考える。移動通信システムの基地局は、現在の技術を用いる場合、例えば、オムニ指向性、又は120°、90°等のセクタ指向性にて送信する。
【0010】
しかし、このような指向性送信技術を用いて、衛星システム地上局ESを避けた方向に指向性送信を行ったとしても、衛星システム地上局ESにおける衛星からの受信電力は非常に小さいので、移動通信システムの基地局からの干渉は大きな問題となる。前述のように、衛星システム地上局ESでは、ビーム方向以外は低い利得となるように設計されているが、宇宙局からの受信信号強度は非常に低いため、サイドローブ方向に移動通信システムの基地局があった場合でも、この基地局からの信号が干渉となる。
【0011】
そこで、移動通信システムの基地局において、衛星システム地上局ESで使用される所定のサブキャリアに対して、アダプティブアレイアンテナ制御又は基地局間で振幅・位相重み付けを行うことで、衛星システム地上局ESが使用している帯域への干渉電力を所定値以下とするヌル点制御を行うこと、つまり干渉軽減のためにSDMA技術を適用することが考えられる。
【0012】
なお、ここまでの説明では、衛星通信システムが代替できる他の通信システムが無い点で典型的な例のため、移動通信システムと共存する無線通信システムの例として衛星通信システムを挙げたが、他の異種の無線通信システム間でも同様のことが考えられる。
【0013】
従来のSDMAとしては、例えば、非特許文献1に記載されている、アレイアンテナによる指向性制御が挙げられる。同文献では、図14Aに示すように、送信信号(送信データ)に所定のウエイトW0、W1を乗じて複数のアンテナで送信することで、図14Bに示すような指向性制御を行う。これにより、図15に示すように、移動局MSの方向に指向性を向けかつ衛星システム地上局ESの方向にヌル指向性を向けることを実現している。この方法を用いることにより、移動通信システムの基地局BTSから衛星システム地上局ESへの干渉を抑圧することができる。
【非特許文献1】菊間信良 「アレーアンテナによる適応信号処理」 (株)科学技術出版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前記従来の方法では、図16に示すように、移動通信システムの基地局BTSから見て、衛星システム地上局ESの方向に移動局MSが存在した場合、移動局MSにもヌル指向性が向くことになるので、移動通信システムの通信(すなわち移動通信システムの基地局BTSと移動局MSとの通信)が劣化してしまう。
【0015】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決するもので、他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する場合に、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の基地局装置の一つの態様は、他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する基地局装置であって、第1及び第2のアンテナと、前記第1のアンテナに前記送信帯域の信号を割り当て、前記第2のアンテナに前記特定帯域の信号を割り当てる帯域割当手段と、前記帯域割当手段によって前記第1及び第2のアンテナに割り当てられた信号を、アンテナ間で重み付けする重み付け手段と、を具備する構成を採る。
【0017】
本発明の無線送信方法の一つの態様は、第1の帯域の信号を単一のアンテナから送信すると共に、前記第1の帯域の一部を形成している第2の帯域の信号を、前記単一のアンテナを含む複数のアンテナから送信するステップと、前記第1の帯域の信号と、前記第2の帯域の信号とをアンテナ間で重み付けすることで、前記第2の帯域の信号の指向性を制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、非常に簡易な構成で、特定帯域については、他システムの無線局が存在する方向にヌルが向けられた指向性信号を形成し、特定帯域を除く自システムの送信帯域については、無指向性の信号を形成することができる。換言すれば、他システムの無線局が使用している帯域のみ指向性制御することができる。この結果、基地局から見て、他システムの無線局と自システムの端末が同じような方向にあった場合でも、自システムの端末は他システムの無線局が使用していない帯域の信号を良好に受信できる。つまり、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
先ず、本実施の形態の構成を説明する前に、本実施の形態で想定する異種システム間での使用帯域の例について説明する。
【0021】
図1は、異種システム間での使用帯域の例を示すもので、次世代移動通信システムとして検討されているIMT−Advancedの通信帯域と、固定衛星サービス(FSS)の使用帯域との関係を示すものである。図1から分かるように、IMT−Advancedの通信帯域のうち、特定帯域が固定衛星サービスFSSに干渉を与えてしまう。
【0022】
本実施の形態は、例えば図1に示すような関係にある異種の無線通信システム間において、第1の無線通信システム(例えばIMT−Advanced)の通信を確保しつつ、第2の無線通信システム(例えば固定衛星サービスFSS)への干渉を抑制し得るシステムを提示する。
【0023】
図2に、本発明の実施の形態1に係る移動通信システムの基地局の構成例を示す。図2は、本発明をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式に適用した場合の例である。
【0024】
図2において、移動通信システムの基地局100は、送信データ生成部101と、サブキャリアマッピング部(全帯域)102と、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103と、高速逆フーリエ変換(IFFT)部104とCP(Cyclic Prefix)挿入部105と、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106と、RF送信部107と送信アンテナ108とを有する。
【0025】
送信データ生成部101は、送信データを生成し、生成した送信データをサブキャリアマッピング部(全帯域)102及びサブキャリアマッピング部(特定帯域)103に送出する。これにより、サブキャリアマッピング部(全帯域)102と、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103には、同一の送信データが入力される。
【0026】
サブキャリアマッピング部(全帯域)102は、送信データを全帯域にマッピングする。その様子を、図3Aに示す。サブキャリアマッピング部(全帯域)102は、図3Aに示す全サブキャリア(つまり全帯域)に送信データをマッピングする。
【0027】
サブキャリアマッピング部(特定帯域)103は、サブキャリアマッピング部(全帯域)102と同じ送信データを同じマッピング方法でマッピングする。ただし、他システム端末が使用している帯域(つまり特定帯域)以外は強制的に0とする。その様子を、図3Bに示す。図3Bの「指向性サブキャリア」と記された特定帯域は、図3Aの「指向性サブキャリア」と記された帯域と同一帯域である。サブキャリアマッピング部(特定帯域)103は、図3Bの「指向性サブキャリア」と記された特定帯域に、図3Aの「指向性サブキャリア」と記された帯域に配置された送信データと同一の送信データを配置する。
【0028】
IFFT部104は、IFFT部104−1及びIFFT部104−2を有する。IFFT部104−1は、サブキャリアマッピング部(全帯域)102にて形成されたデータに高速逆フーリエ変換を施すことで、OFDM信号を形成する。IFFT部104−2は、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103にて形成されたデータに高速逆フーリエ変換を施すことで、OFDM信号を形成する。
【0029】
CP挿入部105は、CP挿入部105−1及びCP挿入部105−2を有する。CP挿入部105−1は、IFFT部104−1から出力されたOFDM信号にCP(Cyclic Prefix)を挿入する。CP挿入部105−2は、IFFT部104−2から出力されたOFDM信号にCP(Cyclic Prefix)を挿入する。
【0030】
指向性制御ウエイト生成及び乗算部106は、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106−1〜106−nを有する。指向性制御ウエイト生成及び乗算部106−1には、CP挿入部105−1から出力されたOFDM信号が入力される。一方、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106−2〜106−nには、CP挿入部105−2から出力されたOFDM信号が入力される。
【0031】
指向性制御ウエイト生成及び乗算部106は、他システム端末設置時に、移動通信システムの基地局100から見た他システム端末の方向を求めておき、この他システム端末の方向を設定することによって、他システム端末の方向へヌルが向くような指向性制御ウエイトを生成し、このウエイトをCP挿入部105にてCPが挿入されたOFDM信号に乗算する。なお、指向性制御ウエイトの生成は、非特許文献1に記載されているような一般的な方法で行えばよい。
【0032】
RF送信部107は、RF送信部107−1〜107−nを有する。RF送信部107−1〜107−nは、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106−1〜nにて指向性制御ウエイトが乗じられた信号に、ディジタルアナログ変換処理、無線周波数帯域へのアップコンバート処理などの無線送信処理を施す。
【0033】
送信アンテナ部108は、送信アンテナ108−1〜108−nを有する。送信アンテナ108−1〜108−nは、RF送信部107−1〜107−nにより得られた信号を送信する。
【0034】
図4に、基地局100により得られた送信信号の指向性を示す。図中の実線は、他システムが使用している帯域(すなわち特定帯域)の指向性を示し、図中の一点鎖線は、他システムが使用している帯域(すなわち特定帯域)を除く帯域の指向性を示す。
【0035】
図4から分かるように、特定帯域の信号は他システムの端末が存在する方向にヌルが向くような指向性が形成されるので、他システムの端末は、基地局100からの信号による干渉が抑制される。
【0036】
一方、特定帯域を除く帯域の信号は、無指向性とされるので、移動通信システムの端末が、他システムの端末が存在する方向と同じ方向に位置していたとしても、移動通信システムの端末は、特定帯域以外の帯域の信号を十分な電力で受信できるので、基地局100との通信を確保できる。
【0037】
図5に、その具体的様子を示す。図5は、基地局100から見て、他システム端末(例えば衛星システム地上局)300の方向に、移動通信システムの移動局200が位置する場合を示している。
【0038】
基地局100は、他システム端末300が使用している帯域については、他システム端末300の方向にヌル指向性が向くように指向性制御しているので、他システム端末300は、基地局100からの干渉を受けない。
【0039】
一方、基地局100は、他システム端末300が使用している帯域以外の帯域については、無指向性制御しているので、移動局200は、この帯域の信号を基地局100から良好に受信することができる。因みに、無指向性制御された帯域の信号は、他システム端末300にとっては使用している帯域外の信号なので、干渉とはならない。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態によれば、他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する場合に、単一のアンテナから前記送信帯域の信号を送信し、他のアンテナから特定帯域の信号を送信し、かつ、他システムの無線局が存在する方向にヌル指向性が向くようにアンテナ間で重み付け処理を施すようにした。
【0041】
これにより、非常に簡易な構成で、特定帯域については、他システムの無線局が存在する方向にヌルが向けられた指向性信号を形成し、特定帯域を除く自システムの送信帯域については、無指向性の信号を形成することができる。この結果、非常に簡易な構成で、他システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムを構成する基地局と端末との間の通信の劣化を抑えることができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、特定帯域の信号を複数のアンテナ108−2〜108−nから送信する場合を例に説明したが、特定帯域の信号を単一のアンテナから送信してもよい。
【0043】
図6に、本実施の形態の基本構成図を示す。同一の送信データが帯域割当部1及び帯域割当部2に入力される。帯域割当部1は、送信データを、全帯域(例えば図1のIMT−Advancedの通信帯域)に割り当てる。帯域割当部2は、送信データを、特定帯域(例えば図1の固定衛星サービスが利用している帯域)に割り当てる。帯域割当部1及び帯域割当部2によって帯域が割り当てられた信号は、重み付け部120によって、重み付け係数W0、W1を用いてアンテナ間で重み付けられた後に、アンテナAN1、AN2に供給される。
【0044】
図6の構成により、特定帯域の信号は、アンテナAN1、AN2から重み付け送信されるので、所望の方向にヌル指向性が形成された信号とされる。一方、特定帯域を除く帯域の信号は、アンテナAN1のみから送信されるので、重み付けとは無関係に無指向性の信号とされる。よって、上述した実施の形態と同様の操作を行うことができる。
【0045】
因みに、本発明は、図7に示すように、既存部分130に、後付部分140の構成を加えるだけで、簡単に実現することも可能である。後付部分140は、特定帯域のみを通過させるバンドパスフィルタ(BPF)141と、重み付け部142と、アンテナ143とを備えていればよい。
【0046】
(実施の形態2)
図2との対応部分に同一符号を付して示す図8に、実施の形態2の移動通信システムのシステム構成を示す。図8の移動通信システムは、基地局400と、ビーコン送信局500とを有する。
【0047】
基地局400は、実施の形態1の基地局100の構成に加えて、受信アンテナ401と、RF受信部402と、他システム端末方向推定部403とを有し、これらによって指向性制御ウエイト生成及び乗算部106に入力する、他システム端末の方向を求める。
【0048】
ビーコン送信局500は、他システム端末300(図5)の近傍に設置され、ビーコン生成部501と、RF送信部502と、送信アンテナ503とを有する。
【0049】
ビーコン生成部501は、基地局400で方向推定するためのビーコン信号を生成する。RF送信部502は、ビーコン生成部501で生成されたビーコン信号にディジタルアナログ変換処理、無線周波数帯域へのアップコンバート処理等の無線送信処理を施し、無線処理後の信号を送信アンテナ503を介して送信する。
【0050】
基地局400は、RF受信部402において、受信アンテナ401より受信した信号に対して、ベースバンド帯域へのダウンコンバート処理及びアナログディジタル変換処理等の所定の無線処理を行い、処理後の信号を他システム端末方向推定部403に送出する。
【0051】
他システム端末方向推定部403は、受信したビーコン信号を用いて、ビーコン送信局500の方向、すなわち、他システム端末300(図5)の方向を推定し、その結果を指向性制御ウエイト生成及び乗算部106へ出力する。方向の推定は、例えば非特許文献1に記載されているような一般的な方法で行えばよい。
【0052】
本実施の形態の構成を用いることによって、他システム端末300の設置時に方向の情報が得られなくても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(実施の形態3)
図2との対応部分に同一符号を付して示す図9に、実施の形態3の移動通信システムのシステム構成を示す。図9の移動通信システムは、基地局600と、位置推定局700とを有する。
【0054】
基地局600は、実施の形態1の構成に加えて、受信アンテナ601と、RF受信部602と、GPS情報復調部603と、端末方向推定部604とを有し、これらによって指向性制御ウエイト生成及び乗算部106に入力する、他システム端末の方向を求める。
【0055】
位置推定局700は、他システム端末300(図5)の近傍に設置され、GPSアンテナ701と、GPS情報生成部702と、RF送信部703と、送信アンテナ704とを有する。
【0056】
GPS情報生成部702は、GPSアンテナ701から受信した信号を基に、位置を表すGPS情報を生成する。RF送信部703は、GPS情報生成部702で生成されたGPS情報にディジタルアナログ変換処理、無線周波数帯域へのアップコンバート処理等の無線送信処理を施し、無線処理後の信号を送信アンテナ704を介して送信する。
【0057】
基地局600は、RF受信部602において、受信アンテナ601より受信した信号に対して、ベースバンド帯域へのダウンコンバート処理及びアナログディジタル変換処理等の所定の無線処理を行い、処理後の信号をGPS情報復調部603に送出する。
【0058】
GPS情報復調部603は、GPS情報から位置推定局700の位置、すなわち、他システム端末300(図5)の位置情報を生成する。
【0059】
GPS情報に基づく他システム端末方向推定部604は、GPS情報復調部603にて生成された他システム端末の位置情報と、基地局600の位置関係から、他システム端末300(図5)の方向を推定し、その結果を指向性制御ウエイト生成及び乗算部106に送出する。
【0060】
本実施の形態の構成を用いることによって、他システム端末300の設置時に方向の情報が得られない場合、あるいは、他システム端末300が移動する場合でも、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0061】
(実施の形態4)
図2との対応部分に同一符号を付して示す図10に、実施の形態4の基地局の構成を示す。図10は、本発明をシングルキャリア方式に適用した場合の構成例である。
【0062】
基地局800は、実施の形態1の基地局100と比較して、サブキャリアマッピング部(全帯域)102、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103、IFFT部104、及びCP挿入部105が削除され、他システム端末が使用している帯域(特定帯域)のみを通過させるバンドパスフィルタ(BPF)部801が追加されている。
【0063】
BPF部801は、送信データ生成部101から出力された送信データの全帯域うち、他システム端末が使用している帯域(特定帯域)のみを通過させ、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106へ送出する。
【0064】
指向性制御ウエイト生成及び乗算部106の入力である他システム端末の方向は、実施の形態1〜3のいずれかの方法により決定する。
【0065】
本実施の形態の構成を用いることによって、シングルキャリア方式においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0066】
なお、BPF部801の通過帯域を変化さることにより、指向性制御する帯域を調整することができる。
【0067】
(実施の形態5)
図10との対応部分に同一符号を付して示す図11に、実施の形態5の基地局の構成を示す。図11は、本発明をシングルキャリア方式に適用した場合の構成例である。
【0068】
基地局900は、実施の形態4の基地局800のBPF部801が通過域切替可能BPF部901に変更されている。
【0069】
通過域切替可能BPF部901は、送信データ生成部101から出力された送信データの全帯域のうち、特定帯域のみを通過させ、指向性制御ウエイト生成及び乗算部106へ送出する。通過域切替可能BPF部901は、図12のように、通過域が異なる複数のバンドパスフィルタ(BPF1〜BPFM)を有し、その中から使用するバンドパスフィルタを選択するようになっているため、通過域を切り替えることができる。
【0070】
指向性制御ウエイト生成及び乗算部106の入力である他システム端末の方向は、実施の形態1〜3のいずれかの方法により決定する。
【0071】
本実施の形態の構成を用いることによって、シングルキャリア方式においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、加えて、指向性制御したい帯域を切り替えることができる。
【0072】
(実施の形態6)
図2との対応部分に同一符号を付して示す図13に、実施の形態6の移動通信システムのシステム構成を示す。図13の移動通信システムは、基地局1000と、センサ局1100とを有する。
【0073】
基地局1000は、実施の形態1の基地局100の指向性制御ウエイト生成及び乗算部106が指向性制御ウエイト乗算部1002に変更され、既知信号多重部1001と、受信アンテナ1003と、RF受信部1004と、指向性制御ウエイト復調部1005とが追加されている。また、既知信号多重部1001では、アンテナ108(108−1、108−2−1〜108−2−M)ごとに異なる信号パターンが多重されるため、基地局100と比べ、サブキャリアマッピング部(特定帯域)103−1〜103−M、IFFT部104−2−1〜104−2−M、CP挿入部105−2−1〜105−2−Mが送信アンテナ108−2−1〜108−2−Mの数だけ用意されている。
【0074】
既知信号多重部1001は、送信アンテナ108−1、108−2−1〜108−2−Mごとに異なるパターンを生成して、送信データに多重する。例えば、時分割多重の場合は、あるタイミングのOFDMシンボルが既知信号とされる。
【0075】
指向性制御ウエイト乗算部1002は、指向性制御ウエイト復調部1005より指定されたウエイト修正値を現在のウエイトに乗じ、それを新しいウエイトとしてCP挿入部105より入力された信号に乗算する。
【0076】
RF受信部1004は、受信アンテナ1003より受信したセンサ局1100からの信号に対して、ベースバンド帯域へのダウンコンバート処理及びアナログディジタル変換処理等の所定の無線処理を行い、処理後の信号を指向性制御ウエイト復調部1005に送出する。
【0077】
指向性制御ウエイト復調部1005は、センサ局1100から受信した指向性制御ウエイト修正値を復調し、指向性制御ウエイト乗算部1002に通知する。
【0078】
センサ局1100は、他システム端末300(図5)の近傍に設置され、受信アンテナ1101と、既知信号復調部1103と、指向性制御ウエイト生成部1104と、指向性制御ウエイト変調部1105と、RF送信部1106と送信アンテナ1107とを有する。
【0079】
RF受信部1102は、受信アンテナ1101より受信した基地局1000からの信号に対して、ベースバンド帯域へのダウンコンバート処理及びアナログディジタル変換処理等の所定の無線処理を行い、処理後の信号を既知信号復調部1103に送出する。
【0080】
既知信号復調部1103は、基地局1000で多重された既知信号を復調し、基地局1000の各送信アンテナ108−1、108−2−1〜108−2−Mに対する複素チャネル値を、復調した既知信号に基づいて推定する。
【0081】
指向性制御ウエイト生成部1104は、既知信号復調部1103から入力される複素チャネル値を用いて、指向性制御ウエイト修正値を求める。指向性制御ウエイト修正値の求め方の例を説明する。簡単のため、基地局1000の送信アンテナ数を2とする。送信アンテナの1番目と2番目の複素チャネル値C1、C2が、次の式(1)及び式(2)で表されると仮定する。
【0082】
C1=A1×exp(jθ1) ………(1)
C2=A2×exp(jθ2) ………(2)
【0083】
送信アンテナの1番目と2番目の指向性制御ウエイト修正値W1、W2とし、送信アンテナの1番目の指向性制御ウエイト修正値は固定、すなわち、W1=1とする。このとき、W2は次の式(3)が成り立つような値とすればよく、これより式(4)を得ることができる。
【0084】
C2×W2=−C1 ………(3)
W2=−A1/A2×exp{j(θ1―θ2)} ………(4)
【0085】
この値によって基地局1000の指向性制御ウエイトを修正することにより、センサ局1100における、基地局1000からの特定帯域の信号レベルを小さくすることができる。すなわち、他システム端末300(図5)への干渉を低減させることができる。
【0086】
指向性制御ウエイト変調部1105は、指向性制御ウエイト生成部1104で求められた指向性制御ウエイト修正値を、基地局1000へ送信するために変調する。
【0087】
RF送信部1106は、指向性制御ウエイト変調部1105で変調されたデータにディジタルアナログ変換処理、無線周波数帯域へのアップコンバート処理等の無線送信処理を施す。無線処理後の信号は、送信アンテナ1107を介して送信する。
【0088】
本実施の形態の構成を用いることによって、基地局1000の送信アンテナ108の配置が不規則のために非特許文献1に記載されているような一般的な方法での指向性制御ウエイトの生成が困難な場合でも、的確な指向性制御ウエイトを生成することができるので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、例えば、移動通信規格であるIMT−Advancedシステムと、固定衛星サービスシステムとの関係のように、一部の帯域を異種のシステム間で共用する無線システムに適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】移動通信システムの規格であるIMT−Advancedの通信帯域と、固定衛星サービス(FSS)の使用帯域との関係を示す図
【図2】実施の形態1の基地局の構成例を示すブロック図
【図3】帯域割当の説明に供する図であり、図3Aは全帯域割当の様子を示す図、図3Bは特定帯域割当の様子を示す図
【図4】実施の形態1の基地局による指向性制御の様子を示す図
【図5】実施の形態1の基地局による指向性制御の様子を示す図
【図6】実施の形態1の基地局の基本構成を示す図
【図7】実施の形態1による他の構成例を示す図
【図8】実施の形態2のシステム構成を示すブロック図
【図9】実施の形態3のシステム構成を示すブロック図
【図10】実施の形態4の基地局の構成を示すブロック図
【図11】実施の形態5の基地局の構成を示すブロック図
【図12】通過域切替可能BPF部の周波数特性を示す図
【図13】実施の形態6のシステム構成を示すブロック図
【図14】従来のアレイアンテナによる指向性制御を示す図であり、図14Aは構成例を示す図、図14Bは指向性を示す図
【図15】従来のアレイアンテナによる指向性制御を示す図
【図16】従来の課題の説明に供する図
【符号の説明】
【0091】
100、400、600、800、900、1000 基地局
102、103 サブキャリアマッピング部
106 指向性制御ウエイト生成及び乗算部
108、AN1、AN2 アンテナ
120 重み付け部
500 ビーコン送信局
700 位置推定局
1100 センサ局
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する基地局装置であって、
第1及び第2のアンテナと、
前記第1のアンテナに前記送信帯域の信号を割り当て、前記第2のアンテナに前記特定帯域の信号を割り当てる帯域割当手段と、
前記帯域割当手段によって前記第1及び第2のアンテナに割り当てられた信号を、アンテナ間で重み付けする重み付け手段と、
を具備する基地局装置。
【請求項2】
前記重み付け手段は、前記特定帯域の信号が、前記他システムの無線局が存在する方向にヌルが向くように重み付けを行う、
請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
第1及び第2のアンテナと、
前記第1のアンテナに送信帯域の信号を割り当て、前記第2のアンテナに前記送信帯域中の一部の帯域の信号を割り当てる帯域割当手段と、
前記帯域割当手段によって前記第1及び第2のアンテナに割り当てられた信号を、アンテナ間で重み付けする重み付け手段と、
を有する基地局装置と、
前記基地局装置が属する無線通信システムと異なる異種の無線通信システムの無線局の近傍に設けられた送信無線局と、
を具備し、
前記基地局装置の前記重み付け手段は、前記送信無線局からの信号に基づいて、前記前記特定帯域の信号が、前記他システムの無線局が存在する方向にヌルが向くように重み付けを行う、
無線通信システム。
【請求項4】
前記送信無線局は、ビーコン信号を送信するビーコン送信局である、
請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記送信無線局は、GPS情報を送信する、
請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項6】
第1及び第2のアンテナと、
前記第1のアンテナに送信帯域の信号を割り当て、前記第2のアンテナに前記送信帯域中の一部の帯域の信号を割り当てる帯域割当手段と、
前記帯域割当手段によって前記第1及び第2のアンテナに割り当てられた信号を、アンテナ間で重み付けする重み付け手段と、
を有する基地局装置と、
前記基地局装置が属する無線通信システムと異なる異種の無線通信システムの無線局の近傍に設けられ、前記基地局装置から送信された信号の受信信号レベルを測定するセンサ局と、
を具備し、
前記基地局装置の前記重み付け手段は、前記センサ局からの信号に基づいて、前記特定帯域の信号が、前記他システムの無線局が存在する方向にヌルが向くように重み付けを行う、
無線通信システム。
【請求項7】
第1の帯域の信号を単一のアンテナから送信すると共に、前記第1の帯域の一部を形成している第2の帯域の信号を、前記単一のアンテナを含む複数のアンテナから送信するステップと、
前記第1の帯域の信号と、前記第2の帯域の信号とをアンテナ間で重み付けすることで、前記第2の帯域の信号の指向性を制御するステップと、
を含む無線送信方法。
【請求項1】
他システムで使用される特定帯域が含まれる送信帯域の信号を送信する基地局装置であって、
第1及び第2のアンテナと、
前記第1のアンテナに前記送信帯域の信号を割り当て、前記第2のアンテナに前記特定帯域の信号を割り当てる帯域割当手段と、
前記帯域割当手段によって前記第1及び第2のアンテナに割り当てられた信号を、アンテナ間で重み付けする重み付け手段と、
を具備する基地局装置。
【請求項2】
前記重み付け手段は、前記特定帯域の信号が、前記他システムの無線局が存在する方向にヌルが向くように重み付けを行う、
請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
第1及び第2のアンテナと、
前記第1のアンテナに送信帯域の信号を割り当て、前記第2のアンテナに前記送信帯域中の一部の帯域の信号を割り当てる帯域割当手段と、
前記帯域割当手段によって前記第1及び第2のアンテナに割り当てられた信号を、アンテナ間で重み付けする重み付け手段と、
を有する基地局装置と、
前記基地局装置が属する無線通信システムと異なる異種の無線通信システムの無線局の近傍に設けられた送信無線局と、
を具備し、
前記基地局装置の前記重み付け手段は、前記送信無線局からの信号に基づいて、前記前記特定帯域の信号が、前記他システムの無線局が存在する方向にヌルが向くように重み付けを行う、
無線通信システム。
【請求項4】
前記送信無線局は、ビーコン信号を送信するビーコン送信局である、
請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記送信無線局は、GPS情報を送信する、
請求項3に記載の無線通信システム。
【請求項6】
第1及び第2のアンテナと、
前記第1のアンテナに送信帯域の信号を割り当て、前記第2のアンテナに前記送信帯域中の一部の帯域の信号を割り当てる帯域割当手段と、
前記帯域割当手段によって前記第1及び第2のアンテナに割り当てられた信号を、アンテナ間で重み付けする重み付け手段と、
を有する基地局装置と、
前記基地局装置が属する無線通信システムと異なる異種の無線通信システムの無線局の近傍に設けられ、前記基地局装置から送信された信号の受信信号レベルを測定するセンサ局と、
を具備し、
前記基地局装置の前記重み付け手段は、前記センサ局からの信号に基づいて、前記特定帯域の信号が、前記他システムの無線局が存在する方向にヌルが向くように重み付けを行う、
無線通信システム。
【請求項7】
第1の帯域の信号を単一のアンテナから送信すると共に、前記第1の帯域の一部を形成している第2の帯域の信号を、前記単一のアンテナを含む複数のアンテナから送信するステップと、
前記第1の帯域の信号と、前記第2の帯域の信号とをアンテナ間で重み付けすることで、前記第2の帯域の信号の指向性を制御するステップと、
を含む無線送信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−159292(P2009−159292A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334968(P2007−334968)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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