説明

基本波/オーバートーン水晶発振器

【課題】 1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる基本波/オーバートーン水晶発振器を提供する。
【解決手段】 基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子1と、水晶振動子1からの励振電流を増幅して発振周波数を出力する発振回路30とを備え、発振回路30のトランジスタTr31のベースにコンデンサCfとコンデンサCoが並列接続されて、エミッタに接続され、エミッタにコンデンサC32と抵抗R32が並列接続され、切替信号によってコンデンサCfを回路に接続又は切り離すためのスイッチSW31を設け、スイッチSW31が基本波で発振させる場合にはオンとなり、オーバートーンで発振させる場合にはオフするよう動作する基本波/オーバートーン水晶発振器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶発振器に係り、特に、一つの水晶発振器を基本波モード又はオーバートーンモードで発振させることができる基本波/オーバートーン水晶発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の水晶振動子では、同じ仕様で、基本波モード又はオーバートーンモードで発振させることができるものである。
しかしながら、基本波モード又はオーバートーンモードでは、それぞれ最適条件で回路を構成する必要があり、更に、用途、振動子の仕様に応じて、励振電流は最適に設定するのが望ましいため、同一の装置で基本波とオーバートーンの複数信号を得たい場合には、各々の振動子と回路を対にして構成する必要があった。
【0003】
[基本波水晶発振器:図7]
従来の基本波水晶発振器について図7を参照しながら説明する。図7は、従来の基本波水晶発振器の回路図である。
従来の基本波水晶発振器は、図7に示すように、基本波で振動する水晶振動子1aと、発振回路10とを備えている。
発振器10は、基本波に最適化された素子により構成されている。
【0004】
発振回路10は、コルピッツ型の発振回路であり、水晶振動子1aの励振電流がコンデンサC13を介してトランジスタTr11のベースに与えられ、電源電圧VccがトランジスタTr11のコレクタ供給されると共に抵抗R11を介してベースに供給されている。
また、トランジスタTr11のコレクタにはコンデンサC14の一端が接続し、他端が接地されている。
【0005】
更に、トランジスタTr11のベースには、直列接続のコンデンサC11とコンデンサC12が接続され、コンデンサC12の他端が接地されている。
トランジスタTr11のエミッタには、抵抗R12を介して接地されている。
また、コンデンサC11とコンデンサC12の間の点とエミッタが接続し、エミッタから基本波の発振周波数が出力されるようになっている。
【0006】
[オーバートーン水晶発振器:図8]
従来のオーバートーン水晶発振器について図8を参照しながら説明する。図8は、従来のオーバートーン水晶発振器の回路図である。
従来のオーバートーン水晶発振器は、図8に示すように、オーバートーンで振動する水晶振動子1bと、発振回路20とを備えている。
発振器20は、オーバートーンに最適化された素子により構成されている。
【0007】
発振回路20は、コルピッツ型の発振回路であり、水晶振動子1bの励振電流がコンデンサC23を介してトランジスタTr21のベースに与えられ、電源電圧VccがトランジスタTr21のコレクタ供給されると共に抵抗R21を介してベースに供給されている。
また、トランジスタTr21のコレクタにはコンデンサC24の一端が接続し、他端が接地されている。
【0008】
更に、トランジスタTr21のベースには、直列接続のコンデンサC21とコンデンサC22が接続され、コンデンサC22の他端が接地されている。
トランジスタTr21のエミッタには、抵抗R22を介して接地されている。
また、コンデンサC21とコンデンサC22の間の点とエミッタが接続し、エミッタからオーバートーンの発振周波数が出力されるようになっている。
【0009】
[負性抵抗特性:図9,図10]
次に、水晶発振器における負性抵抗特性例について図9、図10を参照しながら説明する。図9は、基本波における発振回路の負性抵抗例を示す図であり、図10は、オーバートーンにおける発振回路の負性抵抗例を示す図である。
振動子から見た回路側が振動子の共振周波数にて負性抵抗となっていることが発振の条件である。
【0010】
基本波周波数帯で負性抵抗を持つ回路では、基本波で発振する。図9では、26MHzの水晶振動子に対応して基本波周波数帯で負性抵抗を持つ例を示している。
また、オーバートーン帯で負性抵抗を持つ回路では、オーバートーンで発振する。図10では、26MHzの水晶振動子に対応してオーバートーン周波数帯で負性抵抗を持つ例を示している。
【0011】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開昭64−051806号公報「水晶発振器用IC」(出願人:日本電波工業株式会社/特許文献1)、特開2004−128593号公報「発振回路」(出願人:キンセキ株式会社/特許文献2)、特開2009−177393号公報「3次オーバートーン用発振回路」(出願人:日本電気株式会社/特許文献3)がある。
【0012】
特許文献1には、水晶発振器用ICにおいて、入力端と出力端との間に第1の抵抗器と、それよりも抵抗値が低い第2の抵抗器とを設け、基本波発振の場合は第1の抵抗を選択し、3次オーバートーンの場合は第2の抵抗をスイッチ7で選択して、基本波又は3次オーバートーン発振の切り換えを自在に行うことが示されている。
【0013】
特許文献2には、発振回路において、インバータに並列に接続された2つの帰還抵抗と、インバータの入出力端子間に設けられた圧電振動子を備え、スイッチング素子によりいずれかの帰還抵抗を選択することで、基本波発振又はオーバートーン発振を切り換えることが示されている。
【0014】
特許文献3は、3次オーバートーン用発振回路において、インバータに並列に水晶発振子が接続され、入力端子と出力端子の各々に複数のコンデンサと選択用のスイッチを設け、基板の浮遊容量値によって発振回路の負性抵抗が変化しても、スイッチの切り換えによってコンデンサ容量を調整し、負性抵抗を調整することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開昭64−051806号公報
【特許文献1】特開2004−128593号公報
【特許文献1】特開2009−177393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、従来の発振器では、基本波で発振する発振器は発振回路における素子を基本波用に最適化し、オーバートーンで発振する発振器は発振回路における素子をオーバートーン用に最適化する必要があり、一つの水晶振動子を基本波又はオーバートーンとして容易に発振させる構成とすることが難しいという問題点があった。
【0017】
特許文献1,2には、抵抗を切り換えることにより、基本波又はオーバートーンのいずれかを発振させることが記載されているが、抵抗の切り替えだけでは励振電流を最適化させるのは難しいものとなっていた。
また、特許文献3では、オーバートーン発振を安定化させるもので、基本波又はオーバートーン発振を実現する先行技術ではない。
【0018】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる基本波/オーバートーン水晶発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、基本波/オーバートーン水晶発振器において、基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、水晶振動子からの励振電流を増幅して発振周波数を出力する発振回路とを備え、発振回路は、励振電流を増幅するトランジスタを備え、トランジスタの励振電流を入力するベースに一端が接続する第1のコンデンサと、ベースに一端が接続する第2のコンデンサが並列に接続され、第1のコンデンサの他端と第2のコンデンサの他端がトランジスタのエミッタに接続され、エミッタに一端が接続する第3のコンデンサと、エミッタに一端が接続する第1の抵抗が並列に接続され、第3のコンデンサの他端と第1の抵抗の他端が接地され、入力される信号によって第1のコンデンサを回路から切り離すためにオフし、又は第1のコンデンサを回路に接続するためにオンする第1のスイッチを設け、第1のスイッチが基本波で発振させる場合にはオンとなり、オーバートーンで発振させる場合にはオフするよう動作することを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記基本波/オーバートーン水晶発振器において、水晶振動子と発振回路との間にスイッチ回路を設け、スイッチ回路は、第2の抵抗と第2のスイッチとを備え、第2のスイッチは、基本波で発振させる場合には、水晶振動子から入力された励振電流を、第2の抵抗を介して発振回路に出力するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、水晶振動子から入力された励振電流を、第2の抵抗を介さずに出力するよう切り替わることを特徴とする。
【0021】
本発明は、基本波/オーバートーン水晶同時発振器において、基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、水晶振動子からの励振電流を分離する周波数分離器と、周波数分離器からの出力を増幅して基本波の発振周波数を出力する第1の発振回路と、周波数分離器からの出力を増幅してオーバートーンの発振周波数を出力する第2の発振回路とを備え、第1の発振回路は、基本波での発振を行うために素子が最適化されており、第2の発振回路は、オーバートーンでの発振を行うために素子が最適化されており、周波数分離器は、水晶振動子からの励振電流を入力し、オーバートーン帯を遮断し、基本波帯を通過させて第1の発振回路に出力する第1のフィルタと、水晶振動子からの励振電流を入力し、基本波帯を遮断し、オーバートーン帯を通過させて第2の発振回路に出力する第2のフィルタとを有することを特徴とする。
【0022】
本発明は、基本波/オーバートーン水晶発振器において、基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、水晶振動子からの励振電流を切り替えて出力するスイッチ回路と、スイッチ回路からの出力を増幅して基本波の発振周波数を出力する第1の発振回路と、スイッチ回路からの出力を増幅してオーバートーンの発振周波数を出力する第2の発振回路とを備え、第1の発振回路は、基本波での発振を行うために素子が最適化されており、第2の発振回路は、オーバートーンでの発振を行うために素子が最適化されており、スイッチ回路は、基本波で発振させる場合には、水晶振動子から入力された励振電流を第1の発振回路に出力するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、水晶振動子から入力された励振電流を第2の発振回路に出力するよう切り替わることを特徴とする。
【0023】
本発明は、基本波/オーバートーン水晶発振器において、第1のインバータICと第2のインバータICとが直列に接続され、第1のインバータICの入力側と出力側が第1の抵抗を介して接続され、第1のインバータICの入力側に水晶振動子の一端が接続され、第1のインバータICの出力側に水晶振動子の他端が第2の抵抗を介して接続され、水晶振動子の一端には、第1のコンデンサの一端が接続され、第1のコンデンサの他端が接地され、水晶振動子の他端には、基本波発振コンデンサ又はオーバートーン発振コンデンサに接続を切り替えるスイッチが接続され、スイッチには、基本波発振コンデンサの一端が接続され、基本波発振コンデンサの他端が接地され、スイッチには、オーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、オーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、スイッチは、基本波で発振させる場合には、水晶振動子の他端を基本波発振コンデンサに接続するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、水晶振動子の他端をオーバートーン発振コンデンサに接続するよう切り替わることを特徴とする。
【0024】
本発明は、基本波/オーバートーン水晶発振器において、第1のインバータICと第2のインバータICとが直列に接続され、第1のインバータICの入力側と出力側が第1の抵抗を介して接続され、第1のインバータICの入力側に第1のスイッチが接続され、第1のインバータICの出力側に第2のスイッチが接続され、水晶振動子の一端に第3のスイッチが接続されると共に、第1のオーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、第1のオーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、水晶振動子の他端に第4のスイッチが接続されると共に、第2のオーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、第2のオーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、第1のスイッチは、第1のインバータICの入力側を第1の基本波発振抵抗の一端、又は第1のオーバートーン発振抵抗の一端のいずれかに接続し、第1の基本波発振抵抗の他端が第1の基本波発振コンデンサの一端に接続され、第1の基本波発振コンデンサの他端が接地され、第2のスイッチは、第1のインバータICの出力側を第2の基本波発振抵抗の一端、又は第2のオーバートーン発振抵抗の一端のいずれかに接続し、第2の基本波発振抵抗の他端が第2の基本波発振コンデンサの一端に接続され、第2の基本波発振コンデンサの他端が接地され、第3のスイッチは、水晶振動子の一端を第1の基本波発振抵抗の他端と第1の基本波発振コンデンサの一端の間の点、又は第1のオーバートーン発振抵抗の他端のいずれかに接続し、第4のスイッチは、水晶振動子の他端を第2の基本波発振抵抗の他端と第2の基本波発振コンデンサの一端の間の点、又は第2のオーバートーン発振抵抗の他端のいずれかに接続し、基本波で発振させる場合には、第1のスイッチが、インバータICの入力側を第1の基本波発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、第2のスイッチが、インバータICの出力側を第2の基本波発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、第3のスイッチが、水晶振動子の一端を第1の基本波発振抵抗の他端と第1の基本波発振コンデンサの一端の間の点に接続するよう切り替わり、第4のスイッチが、水晶振動子の他端を第2の基本波発振抵抗の他端と第2の基本波発振コンデンサの一端の間の点に接続するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、第1のスイッチが、インバータICの入力側を第1のオーバートーン発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、第2のスイッチが、インバータICの出力側を第2のオーバートーン発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、第3のスイッチが、水晶振動子の一端を第1のオーバートーン発振抵抗の他端に接続するよう切り替わり、第4のスイッチが、水晶振動子の他端を第2のオーバートーン発振抵抗の他端に接続するよう切り替わることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、水晶振動子からの励振電流を増幅して発振周波数を出力する発振回路とを備え、発振回路は、励振電流を増幅するトランジスタを備え、トランジスタの励振電流を入力するベースに一端が接続する第1のコンデンサと、ベースに一端が接続する第2のコンデンサが並列に接続され、第1のコンデンサの他端と第2のコンデンサの他端がトランジスタのエミッタに接続され、エミッタに一端が接続する第3のコンデンサと、エミッタに一端が接続する第1の抵抗が並列に接続され、第3のコンデンサの他端と第1の抵抗の他端が接地され、入力される信号によって第1のコンデンサを回路から切り離すためにオフし、又は第1のコンデンサを回路に接続するためにオンする第1のスイッチを設け、第1のスイッチが基本波で発振させる場合にはオンとなり、オーバートーンで発振させる場合にはオフするよう動作する基本波/オーバートーン水晶発振器としているので、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる効果がある。
【0026】
本発明によれば、基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、水晶振動子からの励振電流を分離する周波数分離器と、周波数分離器からの出力を増幅して基本波の発振周波数を出力する第1の発振回路と、周波数分離器からの出力を増幅してオーバートーンの発振周波数を出力する第2の発振回路とを備え、第1の発振回路は、基本波での発振を行うために素子が最適化されており、第2の発振回路は、オーバートーンでの発振を行うために素子が最適化されており、周波数分離器は、水晶振動子からの励振電流を入力し、オーバートーン帯を遮断し、基本波帯を通過させて第1の発振回路に出力する第1のフィルタと、水晶振動子からの励振電流を入力し、基本波帯を遮断し、オーバートーン帯を通過させて第2の発振回路に出力する第2のフィルタとを有する基本波/オーバートーン水晶同時発振器としているので、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる効果がある。
【0027】
本発明によれば、基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、水晶振動子からの励振電流を切り替えて出力するスイッチ回路と、スイッチ回路からの出力を増幅して基本波の発振周波数を出力する第1の発振回路と、スイッチ回路からの出力を増幅してオーバートーンの発振周波数を出力する第2の発振回路とを備え、第1の発振回路は、基本波での発振を行うために素子が最適化されており、第2の発振回路は、オーバートーンでの発振を行うために素子が最適化されており、スイッチ回路は、基本波で発振させる場合には、水晶振動子から入力された励振電流を第1の発振回路に出力するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、水晶振動子から入力された励振電流を第2の発振回路に出力するよう切り替わる基本波/オーバートーン水晶発振器としているので、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる効果がある。
【0028】
本発明によれば、第1のインバータICと第2のインバータICとが直列に接続され、第1のインバータICの入力側と出力側が第1の抵抗を介して接続され、第1のインバータICの入力側に水晶振動子の一端が接続され、第1のインバータICの出力側に水晶振動子の他端が第2の抵抗を介して接続され、水晶振動子の一端には、第1のコンデンサの一端が接続され、第1のコンデンサの他端が接地され、水晶振動子の他端には、基本波発振コンデンサ又はオーバートーン発振コンデンサに接続を切り替えるスイッチが接続され、スイッチには、基本波発振コンデンサの一端が接続され、基本波発振コンデンサの他端が接地され、スイッチには、オーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、オーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、スイッチは、基本波で発振させる場合には、水晶振動子の他端を基本波発振コンデンサに接続するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、水晶振動子の他端をオーバートーン発振コンデンサに接続するよう切り替わる基本波/オーバートーン水晶発振器としているので、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる効果がある。
【0029】
本発明によれば、第1のインバータICと第2のインバータICとが直列に接続され、第1のインバータICの入力側と出力側が第1の抵抗を介して接続され、第1のインバータICの入力側に第1のスイッチが接続され、第1のインバータICの出力側に第2のスイッチが接続され、水晶振動子の一端に第3のスイッチが接続されると共に、第1のオーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、第1のオーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、水晶振動子の他端に第4のスイッチが接続されると共に、第2のオーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、第2のオーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、第1のスイッチは、第1のインバータICの入力側を第1の基本波発振抵抗の一端、又は第1のオーバートーン発振抵抗の一端のいずれかに接続し、第1の基本波発振抵抗の他端が第1の基本波発振コンデンサの一端に接続され、第1の基本波発振コンデンサの他端が接地され、第2のスイッチは、第1のインバータICの出力側を第2の基本波発振抵抗の一端、又は第2のオーバートーン発振抵抗の一端のいずれかに接続し、第2の基本波発振抵抗の他端が第2の基本波発振コンデンサの一端に接続され、第2の基本波発振コンデンサの他端が接地され、第3のスイッチは、水晶振動子の一端を第1の基本波発振抵抗の他端と第1の基本波発振コンデンサの一端の間の点、又は第1のオーバートーン発振抵抗の他端のいずれかに接続し、第4のスイッチは、水晶振動子の他端を第2の基本波発振抵抗の他端と第2の基本波発振コンデンサの一端の間の点、又は第2のオーバートーン発振抵抗の他端のいずれかに接続し、基本波で発振させる場合には、第1のスイッチが、インバータICの入力側を第1の基本波発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、第2のスイッチが、インバータICの出力側を第2の基本波発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、第3のスイッチが、水晶振動子の一端を第1の基本波発振抵抗の他端と第1の基本波発振コンデンサの一端の間の点に接続するよう切り替わり、第4のスイッチが、水晶振動子の他端を第2の基本波発振抵抗の他端と第2の基本波発振コンデンサの一端の間の点に接続するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、第1のスイッチが、インバータICの入力側を第1のオーバートーン発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、第2のスイッチが、インバータICの出力側を第2のオーバートーン発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、第3のスイッチが、水晶振動子の一端を第1のオーバートーン発振抵抗の他端に接続するよう切り替わり、第4のスイッチが、水晶振動子の他端を第2のオーバートーン発振抵抗の他端に接続するよう切り替わる基本波/オーバートーン水晶発振器としているので、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係る回路切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るコンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る別のコンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る抵抗・コンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る別の抵抗・コンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る基本波/オーバートーン水晶同時発振器の回路図である。
【図7】従来の基本波水晶発振器の回路図である。
【図8】従来のオーバートーン水晶発振器の回路図である。
【図9】基本波における発振回路の負性抵抗例を示す図である。
【図10】オーバートーンにおける発振回路の負性抵抗例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る基本波/オーバートーン水晶発振器は、スイッチの切り替え動作により、基本波で発振させる場合には、基本波発振させる回路構成が選択され、オーバートーンで発振させる場合には、オーバートーン発振させる回路構成が選択されて、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できるものである。
【0032】
[第1の水晶発振器:図1]
本発明の実施の形態に係る第1の基本波/オーバートーン水晶発振器について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る回路切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
本発明の実施の形態に係る第1の基本波/オーバートーン水晶発振器(第1の水晶発振器)は、図1に示すように、回路切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器であり、水晶振動子1と、スイッチ回路2と、基本波用の発振回路10と、オーバートーン用の発振回路20とを基本的に有している。
【0033】
[第1の水晶発振器の各部]
第1の水晶発振器の各部について具体的に説明する。
水晶振動子1は、一端がスイッチ回路2に接続され、他端が接地され、電圧が印加されて発振する。
スイッチ回路2は、外部からの制御信号により水晶振動子の一端を発振回路10又は発振回路20のいずれかに接続するよう切り替わる。尚、スイッチ回路2は、ダイオード等で構成される。
具体的には、水晶振動子1側の端子2aと、発振回路10に接続する端子2bと、発振回路20に接続する端子2cとを備え、制御信号により、基本波発振の場合は、端子2aを端子2bに接続し、オーバートーン発振の場合は、端子2aを端子2cに接続するよう切り替え動作を行う。
【0034】
発振回路10は、基本波発振を行わせるために、抵抗、コンデンサの値が最適化されて設定されている。
発振回路10は、コルピッツ型の発振回路であり、スイッチ回路2を介して水晶振動子1の励振電流が入力され、その励振電流がコンデンサC13を介してトランジスタTr11のベースに与えられ、電源電圧VccがトランジスタTr11のコレクタ供給されると共に抵抗R11を介してベースに供給されている。尚、トランジスタTr11は、ベースに入力された励振電流を増幅する。
また、トランジスタTr11のコレクタにはコンデンサC14の一端が接続し、他端が接地されている。
【0035】
更に、トランジスタTr11のベースには、直列接続のコンデンサC11とコンデンサC12が接続され、コンデンサC12の他端が接地されている。
トランジスタTr11のエミッタには、抵抗R12を介して接地されている。
また、コンデンサC11とコンデンサC12の間の点とエミッタが接続し、エミッタに設けられた出力端子から基本波の発振周波数が出力されるようになっている。
【0036】
発振回路20は、オーバートーン発振を行わせるために、抵抗、コンデンサの値が最適化されて設定されている。
発振回路20は、コルピッツ型の発振回路であり、スイッチ回路2を介して水晶振動子1の励振電流が入力され、その励振電流がコンデンサC23を介してトランジスタTr21のベースに与えられ、電源電圧VccがトランジスタTr21のコレクタ供給されると共に抵抗R21を介してベースに供給されている。
また、トランジスタTr21のコレクタにはコンデンサC24の一端が接続し、他端が接地されている。
【0037】
更に、トランジスタTr21のベースには、直列接続のコンデンサC21とコンデンサC22が接続され、コンデンサC22の他端が接地されている。
トランジスタTr21のエミッタには、抵抗R22を介して接地されている。
また、コンデンサC21とコンデンサC22の間の点とエミッタが接続し、エミッタに設けられた出力端子からオーバートーンの発振周波数が出力されるようになっている。
【0038】
尚、請求項におけるスイッチ回路がスイッチ回路2に、第1の発振回路が発振回路10に、第2の発振回路が発振回路20に相当している。
【0039】
[第1の水晶発振器の動作]
第1の水晶発振器の動作は、外部から基本波発振又はオーバートーン発振のいずれかを選択する制御信号をスイッチ回路2に出力すると、スイッチ回路2が端子2aを端子2b又は端子2cに接続するよう動作する。
スイッチ回路2で、端子2aを端子2bに接続する動作が為されれば、発振回路10から基本波の周波数が発振され、端子2aを端子2cに接続する動作が為されれば、発振回路20からオーバートーンの周波数が発振されることになる。
尚、スイッチ回路2でのスイッチングを制御する制御信号は、制御回路等から出力されるようになっている。
【0040】
[第2の水晶発振器:図2]
本発明の実施の形態に係る第2の基本波/オーバートーン水晶発振器について図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るコンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
本発明の実施の形態に係る第2の基本波/オーバートーン水晶発振器(第2の水晶発振器)は、図2に示すように、コンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器であり、水晶振動子1と、発振回路30とを基本的に有している。
【0041】
[第2の水晶発振器の各部]
第2の水晶発振器の各部について具体的に説明する。
水晶振動子1は、図1で説明した水晶振動子と同様のものである。
発振回路30は、コルピッツ型の発振回路であり、水晶振動子1の励振電流がコンデンサC33を介してトランジスタTr31のベースに与えられ、電源電圧VccがトランジスタTr31のコレクタ供給されると共に抵抗R31を介してベースに供給されている。尚、トランジスタTr31は、ベースに入力された励振電流を増幅する。
また、トランジスタTr31のコレクタにはコンデンサC34の一端が接続し、他端が接地されている。
【0042】
更に、トランジスタTr31のベースには、直列接続のコンデンサCoとコンデンサC32が接続され、コンデンサC32の他端が接地されている。
トランジスタTr31のエミッタには、抵抗R32を介して接地されている。
また、トランジスタTr31のベースには、コンデンサCfの一端が接続し、他端がスイッチSW31の一端に接続し、スイッチSW31の他端がコンデンサCoとコンデンサC32の間の点に接続し、更にコンデンサCoとコンデンサC32の間の点がエミッタに接続し、エミッタに設けられた出力端子から基本波/オーバートーンの発振周波数が出力されるようになっている。
【0043】
スイッチSW31は、外部からの切替信号によってオン/オフするものであり、オンの状態で、コンデンサCoとコンデンサCfの並列接続に、コンデンサC32が接続された状態となり、この接続状態が基本波発振に最適なコンデンサの容量となっている。
また、スイッチSW31は、オフの状態で、コンデンサCoとコンデンサC32の直列接続状態となり、オーバートーン発振に最適なコンデンサの容量となっている。
従って、スイッチSW31がオンの時に基本波発振を行い、オフの時にオーバートーン発振を行うものである。
【0044】
尚、請求項における第1のコンデンサがコンデンサCfに、第2のコンデンサがコンデンサCoに、第3のコンデンサがコンデンサC32に、第1の抵抗が抵抗R32に、第1のスイッチがスイッチSW31に相当している。
【0045】
[第2の水晶発振器の動作]
第2の水晶発振器の動作は、外部から基本波発振又はオーバートーン発振のいずれかを選択する切替信号がスイッチSW31に入力されると、当該切替信号が基本波発振を選択するものであれば、スイッチSW31がオンとなり、コンデンサCoとコンデンサCfの並列接続に、コンデンサC32に接続された状態で、基本波発振に最適なコンデンサの容量となり、出力端子から基本波発振の周波数が出力される。
【0046】
また、切替信号がオーバートーン発振を選択するものであれば、スイッチSW31がオフとなり、コンデンサCoとコンデンサC32の直列接続状態で、オーバートーン発振に最適なコンデンサの容量となり、出力端子からオーバートーン発振の周波数が出力される。
尚、スイッチSW31のオン/オフを制御する切替信号は、制御回路等から出力されるようになっている。
【0047】
[第3の水晶発振器:図3]
本発明の実施の形態に係る第3の基本波/オーバートーン水晶発振器について図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る別のコンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
本発明の実施の形態に係る第3の基本波/オーバートーン水晶発振器(第3の水晶発振器)は、図3に示すように、別のコンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器であり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータの発振器となっている。
【0048】
[第3の水晶発振器の具体的構成]
第3の水晶発振器の構成について具体的に説明する。
第3の水晶発振器は、図3に示すように、水晶振動子Xの一端がインバータIC5の入力側(ゲート)に接続し、更に、水晶振動子Xの一端にコンデンサC1の一端が接続し、その他端が接地されている。インバータIC5の出力側(ドレイン)がインバータIC6の入力側(ゲート)に接続し、インバータIC5とインバータIC6との間の点が抵抗R2を介して水晶振動子Xの他端に接続している。
そして、インバータIC6の出力側(ドレイン)が発振周波数の出力端子に接続している。
【0049】
また、インバータIC5のゲートとドレインとは抵抗R1を介して接続され、水晶振動子Xの他端に、スイッチSW32が設けられている。
スイッチSW32は、切替信号によって、基本波発振コンデンサCfの一端、又はオーバートーン発振コンデンサCoの一端のいずれかに接続するようになっている。そして、コンデンサCfとコンデンサCoの他端は、各々接地されている。
【0050】
尚、請求項における第1のインバータICがインバータIC5に、第2のインバータICがインバータIC6に、第1の抵抗が抵抗R1に、第2の抵抗が抵抗R2に、第1のコンデンサがコンデンサC1に、スイッチがスイッチSW32に、基本波発振コンデンサが基本波発振コンデンサCfに、オーバートーン発振コンデンサがオーバートーン発振コンデンサCoに相当している。
【0051】
[第3の水晶発振器の動作]
第3の水晶発振器の動作について説明する。
第3の水晶発振器は、基本波発振を行わせる場合には、切替信号が基本波発振コンデンサCfを選択するようスイッチSW32に出力され、スイッチSW32が基本波発振コンデンサCfを選択することにより、インバータIC6のドレインから基本波発振の周波数が出力される。
【0052】
また、第3の水晶発振器は、オーバートーン発振を行わせる場合には、切替信号がオーバートーン発振コンデンサCoを選択するようスイッチSW32に出力され、スイッチSW32がオーバートーン発振コンデンサCoを選択することにより、インバータIC6のドレインからオーバートーン発振の周波数が出力される。
【0053】
[第4の水晶発振器:図4]
本発明の実施の形態に係る第4の基本波/オーバートーン水晶発振器について図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る抵抗・コンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
本発明の実施の形態に係る第4の基本波/オーバートーン水晶発振器(第4の水晶発振器)は、図4に示すように、抵抗・コンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器であり、水晶振動子1と、スイッチ回路3と、発振回路40とを基本的に有している。
【0054】
[第4の水晶発振器の各部]
第4の水晶発振器の各部について具体的に説明する。
水晶振動子1は、第1及び第2の水晶発振器における水晶振動子1と同様のものである。
スイッチ回路3は、スイッチSW1と抵抗R3とを有し、切替信号によって、スイッチSW1が水晶振動子1からの励振電流を、抵抗R3を介して、若しくは抵抗R3を介さないで発振回路40に出力する。
【0055】
発振回路40は、コルピッツ型の発振回路であり、水晶振動子1の励振電流がコンデンサC43を介してトランジスタTr41のベースに与えられ、電源電圧VccがトランジスタTr41のコレクタ供給されると共に抵抗R41を介してベースに供給されている。尚、トランジスタTr41は、ベースに入力された励振電流を増幅する。
また、トランジスタTr41のコレクタにはコンデンサC44の一端が接続し、他端が接地されている。
【0056】
更に、トランジスタTr41のベースには、直列接続のコンデンサCoとコンデンサC42が接続され、コンデンサC42の他端が接地されている。
トランジスタTr41のエミッタには、抵抗R42を介して接地されている。
また、トランジスタTr41のベースには、コンデンサCfの一端が接続し、他端がスイッチSW2の一端に接続し、スイッチSW2の他端がコンデンサCoとコンデンサC42の間の点に接続し、更にコンデンサCoとコンデンサC42の間の点がエミッタに接続し、エミッタに設けられた出力端子から基本波/オーバートーンの発振周波数が出力されるようになっている。
【0057】
スイッチSW2は、外部からの切替信号によってオン/オフするものであり、オンの状態で、コンデンサCoとコンデンサCfの並列接続に、コンデンサC42が接続された状態となり、この接続状態が基本波発振に最適なコンデンサの容量となっている。
また、スイッチSW41は、オフの状態で、コンデンサCoとコンデンサC42の直列接続状態となり、オーバートーン発振に最適なコンデンサの容量となっている。
従って、スイッチSW41がオンの時に基本波発振を行い、オフの時にオーバートーン発振を行うものである。
【0058】
尚、請求項におけるスイッチ回路がスイッチ回路3に、第2の抵抗が抵抗R3に、第2のスイッチがスイッチSW1に相当している。
【0059】
[第4の水晶発振器の動作]
第4の水晶発振器の動作は、外部から基本波発振又はオーバートーン発振のいずれかを選択する切替信号がスイッチSW1及びスイッチSW2に入力されると、当該切替信号が基本波発振を選択するものであれば、スイッチSW1が抵抗R3側に接続して励振電流が抵抗R3を介して発振回路40に出力され、スイッチSW2がオンとなり、コンデンサCoとコンデンサCfの並列接続に、コンデンサC42に接続された状態で、基本波発振に最適なコンデンサの容量となり、出力端子から基本波発振の周波数が出力される。
【0060】
また、切替信号がオーバートーン発振を選択するものであれば、スイッチSW1が水晶振動子1からの励振電流を直接に発振回路40に出力し、スイッチSW41がオフとなり、コンデンサCoとコンデンサC42の直列接続状態で、オーバートーン発振に最適なコンデンサの容量となり、出力端子からオーバートーン発振の周波数が出力される。
尚、スイッチSW1の切替の制御、スイッチSW2のオン/オフの制御を指示する切替信号は、制御回路等から出力されるようになっている。
【0061】
[第5の水晶発振器:図5]
本発明の実施の形態に係る第5の基本波/オーバートーン水晶発振器について図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る別の抵抗・コンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器の回路図である。
本発明の実施の形態に係る第5の基本波/オーバートーン水晶発振器(第5の水晶発振器)は、図5に示すように、別の抵抗・コンデンサ切替型の基本波/オーバートーン水晶発振器であり、CMOSインバータの発振器となっている。
【0062】
[第5の水晶発振器の具体的構成]
第5の水晶発振器の構成について具体的に説明する。
第5の水晶発振器は、図5に示すように、水晶振動子Xの一端は、オーバートーン発振コンデンサCo1の一端に接続すると共に、スイッチSW53に接続し、水晶振動子Xの他端は、オーバートーン発振コンデンサCo2の一端に接続すると共に、スイッチSW54に接続し、オーバートーン発振コンデンサCo1,Co2の他端は接地されている。
インバータIC5の入力側(ゲート)にはスイッチSW51が接続され、インバータIC5の出力側(ドレイン)がインバータIC6の入力側(ゲート)に接続し、インバータIC5とインバータIC6との間の点がスイッチSW52に接続している。
そして、インバータIC6の出力側(ドレイン)が発振周波数の出力端子に接続している。
【0063】
また、インバータIC5のゲートとドレインとは抵抗R1を介して接続されている。
スイッチSW51は、切替信号によって、基本波発振抵抗Rf1の一端、又はオーバートーン発振抵抗Ro1の一端のいずれかに接続するようになっている。そして、基本波発振抵抗Rf1の他端は、基本波発振コンデンサCf1の一端に接続し、当該コンデンサCf1の他端は接地されている。また、オーバートーン発振抵抗Ro1の他端はスイッチSW53に接続している。
【0064】
スイッチSW52は、切替信号によって、基本波発振抵抗Rf2の一端、又はオーバートーン発振抵抗Ro2の一端のいずれかに接続するようになっている。そして、基本波発振抵抗Rf2の他端は、基本波発振コンデンサCf2の一端に接続し、当該コンデンサCf2の他端は接地されている。また、オーバートーン発振抵抗Ro2の他端はスイッチSW54に接続している。
【0065】
また、スイッチSW53は、切替信号によって、基本波発振抵抗Rf1の他端と基本波発振コンデンサCf1の一端との間の点、又はオーバートーン発振抵抗Ro1の他端のいずれかに接続するようになっている。
また、スイッチSW54は、切替信号によって、基本波発振抵抗Rf2の他端と基本波発振コンデンサCf2の一端との間の点、又はオーバートーン発振抵抗Ro2の他端のいずれかに接続するようになっている。
【0066】
尚、スイッチSW51が基本波発振抵抗Rf1の一端に接続すると共に、スイッチSW52が基本波発振抵抗Rf2の一端に接続するとき、スイッチSW53は基本波発振抵抗Rf1の他端と基本波発振コンデンサCf1の一端との間の点に接続すると共に、スイッチSW54は基本波発振抵抗Rf2の他端と基本波発振コンデンサCf2の一端との間の点に接続するようになっている。
つまり、基本波発振を行わせる場合には、オーバートーン発振抵抗Ro1,Ro2が除外された構成となる。
【0067】
また、スイッチSW51がオーバートーン発振抵抗Ro1の一端に接続すると共に、スイッチSW52がオーバートーン発振抵抗Ro2の一端に接続するとき、スイッチSW53はオーバートーン発振抵抗Ro1の他端に接続すると共に、スイッチSW54はオーバートーン発振抵抗Ro2の他端に接続するようになっている。
つまり、オーバートーン発振を行わせる場合には、基本波発振抵抗Rf1,Rf2と基本波発振コンデンサCf1,Cf2が除外された構成となる。
【0068】
尚、請求項における第1のインバータICがインバータIC5に、第2のインバータICがインバータIC6に、第1の抵抗が抵抗R1に、第1の基本波発振抵抗が基本波発振抵抗Rf1に、第2の基本波発振抵抗が基本波発振抵抗Rf2に、第1のオーバートーン発振抵抗がオーバートーン発振抵抗Ro1に、第2のオーバートーン発振抵抗がオーバートーン発振抵抗Ro2に、第1の基本波発振コンデンサが基本波発振コンデンサCf1に、第2の基本波発振コンデンサが基本波発振コンデンサCf2に、第1のオーバートーン発振コンデンサがオーバートーン発振コンデンサCo1に、第2のオーバートーン発振コンデンサがオーバートーン発振コンデンサCo2に、第1のスイッチがスイッチSW51に、第2のスイッチがスイッチSW52に、第3のスイッチがスイッチSW53に、第4のスイッチがスイッチSW54に相当している。
【0069】
[第5の水晶発振器の動作]
第5の水晶発振器の動作について説明する。
第5の水晶発振器は、基本波発振を行わせる場合には、切替信号が基本波発振コンデンサCf1,Cf2を選択するようスイッチSW51,SW52に出力され、スイッチSW51が基本波発振コンデンサCf1を選択し、スイッチSW52が基本波発振コンデンサCf2を選択することにより、インバータIC5のゲート側に基本波発振抵抗Rf1と基本波発振コンデンサCf1の直列回路が接続し、インバータIC5のドレインとインバータ6のゲートの間の点に基本波発振抵抗Rf2と基本波発振コンデンサCf2の直列回路が接続する。
【0070】
更に、スイッチSW53が、基本波発振抵抗Rf1と基本波発振コンデンサCf1の間の点をオーバートーン発振コンデンサCo1に接続させると共に水晶振動子Xの一端に接続させる。また、スイッチSW54が、基本波発振抵抗Rf2と基本波発振コンデンサCf2の間の点をオーバートーン発振コンデンサCo2に接続させると共に水晶振動子Xの他端に接続させる。
以上のスイッチSW51〜SW54の動作により、インバータIC6のドレインから基本波発振の周波数が出力される。
【0071】
また、第5の水晶発振器は、オーバートーン発振を行わせる場合には、切替信号がオーバートーン発振抵抗Ro1,Ro2を選択するようスイッチSW51,SW52に出力され、スイッチSW51がオーバートーン発振抵抗Ro1を選択し、スイッチSW52がオーバートーン発振抵抗Ro2を選択する。
また、切替信号がオーバートーン発振抵抗Ro1,Ro2を選択するようスイッチSW53,SW54に出力され、スイッチSW53がオーバートーン発振抵抗Ro1を選択し、スイッチSW54がオーバートーン発振抵抗Ro2を選択する。
【0072】
これにより、インバータ5のゲートにはオーバートーン発振抵抗Ro1とオーバートーン発振コンデンサCo1が直列接続され、オーバートーン発振抵抗Ro1とオーバートーン発振コンデンサCo1の間の点を水晶振動子Xの一端に接続させる。
また、インバータ5のドレインとインバータ6のゲートとの間の点にはオーバートーン発振抵抗Ro2とオーバートーン発振コンデンサCo2が直列接続され、オーバートーン発振抵抗Ro2とオーバートーン発振コンデンサCo2の間の点を水晶振動子Xの他端に接続させる。
以上のスイッチSW51〜SW54の動作により、インバータIC6のドレインからオーバートーン発振の周波数が出力される。
【0073】
[第6の水晶発振器:図6]
本発明の実施の形態に係る第6の基本波/オーバートーン水晶発振器について図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る基本波/オーバートーン水晶同時発振器の回路図である。
本発明の実施の形態に係る第6の基本波/オーバートーン水晶発振器(第6の水晶発振器)は、図6に示すように、基本波/オーバートーン水晶同時発振器であり、水晶振動子1と、デュプレクサ(周波数分離器)4と、発振回路10と、発振回路20とを基本的に有している。
【0074】
[第6の水晶発振器の各部]
第6の水晶発振器の各部について具体的に説明する。
尚、水晶振動子1、発振回路10及び発振回路20は、図1の第1の水晶発振器における構成と同様である。
デュプレクサ(周波数分離器)4は、水晶振動子1からの励振電流を入力し、分岐して、分岐した一方の励振電流を、基本波帯を通過(オーバートーン帯を遮断)させて、発振回路10に出力し、分岐した他方の励振電流を、オーバートーン帯を通過(基本波帯を遮断)させて、発振回路20に出力する。
【0075】
[デュプレクサ(周波数分離器)4の具体的構成]
デュプレクサ4は、具体的には、低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)と高域通過フィルタ(HPF:High Pass Filter)を組み合わせたものである。
図6で示した構成は、一例であって、LPFとHPFであれば、他のフィルタの構成であってもよい。
【0076】
デュプレクサ4におけるLPF部分として、直列接続のコイルL41とコイルL42を備え、コイルL41とコイルL42との間の点にコンデンサC42の一端が接続し、他端が接地し、コイルL42の後段にコンデンサC43の一端が接続し、他端が接地している。
そして、コイルL42の後段が発振回路10の入力に接続している。
【0077】
デュプレクサ4におけるHPF部分として、直列接続のコンデンサC41とコンデンサC44を備え、コンデンサC41とコンデンサC44との間の点にコイルL43の一端が接続し、他端が接地し、コンデンサC44の後段にコイルL44の一端が接続し、他端が接地している。
そして、コンデンサC44の後段が発振回路20の入力に接続している。
尚、水晶振動子1の一端は、コイルL41とコンデンサC41との間の点に接続している。
【0078】
尚、請求項における周波数分離器がデュプレクサ4に、第1の発振回路が発振回路10に、第2の発振回路が発振回路20に、第1のフィルタがLPFに、第2のフィルタがHPFに相当している。
【0079】
[第6の水晶発振器の動作]
第6の水晶発振器は、水晶振動子1の励振電流がデュプレクサ4に入力されると、LPF部分でオーバートーン帯を遮断して基本波帯を通過させ、発振回路10に出力し、HPF部分で基本波帯を遮断してオーバートーン帯を通過させ、発振回路20に出力する。
発振回路10では、基本波で発振が為され、基本波発振の周波数が出力される。
また、発振回路20では、オーバートーンで発振が為され、オーバートーン発振の周波数が出力される。
【0080】
[実施の形態の効果]
第1〜6の水晶発振器によれば、発振回路における素子を基本波用に最適化できると共に、発振回路における素子をオーバートーン用に最適化できるため、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる効果がある。
【0081】
また、第1〜5の水晶発振器では、最適化された基本波発振又はオーバートーン発振を実現でき、第6の水晶発振器では、最適化された基本波発振とオーバートーン発振を同時に実現できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、1つの水晶振動子で基本波発振とオーバートーン発振を実現すると共に、励振電流を基本波発振とオーバートーン発振に応じて最適化できる基本波/オーバートーン水晶発振器に好適である。
【符号の説明】
【0083】
1,1a,1b…水晶振動子、 2…スイッチ回路、 3…スイッチ回路、 4…デュプレクサ(周波数分離器)、 5…インバータIC、 6…インバータIC、 10…発振回路、 20…発振回路、 30…発振回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、前記水晶振動子からの励振電流を増幅して発振周波数を出力する発振回路とを備え、
前記発振回路は、前記励振電流を増幅するトランジスタを備え、
前記トランジスタの前記励振電流を入力するベースに一端が接続する第1のコンデンサと、前記ベースに一端が接続する第2のコンデンサが並列に接続され、前記第1のコンデンサの他端と前記第2のコンデンサの他端が前記トランジスタのエミッタに接続され、
前記エミッタに一端が接続する第3のコンデンサと、前記エミッタに一端が接続する第1の抵抗が並列に接続され、前記第3のコンデンサの他端と前記第1の抵抗の他端が接地され、
入力される信号によって前記第1のコンデンサを回路から切り離すためにオフし、又は前記第1のコンデンサを回路に接続するためにオンする第1のスイッチを設け、
前記第1のスイッチが基本波で発振させる場合にはオンとなり、オーバートーンで発振させる場合にはオフするよう動作することを特徴とする基本波/オーバートーン水晶発振器。
【請求項2】
水晶振動子と発振回路との間にスイッチ回路を設け、
前記スイッチ回路は、第2の抵抗と第2のスイッチとを備え、
前記第2のスイッチは、基本波で発振させる場合には、前記水晶振動子から入力された励振電流を、前記第2の抵抗を介して前記発振回路に出力するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、前記水晶振動子から入力された励振電流を、前記第2の抵抗を介さずに出力するよう切り替わることを特徴とする請求項1記載の基本波/オーバートーン水晶発振器。
【請求項3】
基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、前記水晶振動子からの励振電流を分離する周波数分離器と、前記周波数分離器からの出力を増幅して基本波の発振周波数を出力する第1の発振回路と、前記周波数分離器からの出力を増幅してオーバートーンの発振周波数を出力する第2の発振回路とを備え、
前記第1の発振回路は、基本波での発振を行うために素子が最適化されており、
前記第2の発振回路は、オーバートーンでの発振を行うために素子が最適化されており、
前記周波数分離器は、前記水晶振動子からの励振電流を入力し、オーバートーン帯を遮断し、基本波帯を通過させて前記第1の発振回路に出力する第1のフィルタと、前記水晶振動子からの励振電流を入力し、基本波帯を遮断し、オーバートーン帯を通過させて前記第2の発振回路に出力する第2のフィルタとを有することを特徴とする基本波/オーバートーン水晶同時発振器。
【請求項4】
基本波発振又はオーバートーン発振が可能な水晶振動子と、前記水晶振動子からの励振電流を切り替えて出力するスイッチ回路と、前記スイッチ回路からの出力を増幅して基本波の発振周波数を出力する第1の発振回路と、前記スイッチ回路からの出力を増幅してオーバートーンの発振周波数を出力する第2の発振回路とを備え、
前記第1の発振回路は、基本波での発振を行うために素子が最適化されており、
前記第2の発振回路は、オーバートーンでの発振を行うために素子が最適化されており、
前記スイッチ回路は、基本波で発振させる場合には、前記水晶振動子から入力された励振電流を前記第1の発振回路に出力するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、前記水晶振動子から入力された励振電流を前記第2の発振回路に出力するよう切り替わることを特徴とする基本波/オーバートーン水晶発振器。
【請求項5】
第1のインバータICと第2のインバータICとが直列に接続され、
前記第1のインバータICの入力側と出力側が第1の抵抗を介して接続され、
前記第1のインバータICの入力側に水晶振動子の一端が接続され、前記第1のインバータICの出力側に前記水晶振動子の他端が第2の抵抗を介して接続され、
前記水晶振動子の一端には、第1のコンデンサの一端が接続され、前記第1のコンデンサの他端が接地され、
前記水晶振動子の他端には、基本波発振コンデンサ又はオーバートーン発振コンデンサに接続を切り替えるスイッチが接続され、
前記スイッチには、前記基本波発振コンデンサの一端が接続され、前記基本波発振コンデンサの他端が接地され、
前記スイッチには、前記オーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、前記オーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、
前記スイッチは、基本波で発振させる場合には、前記水晶振動子の他端を前記基本波発振コンデンサに接続するよう切り替わり、オーバートーンで発振させる場合には、前記水晶振動子の他端を前記オーバートーン発振コンデンサに接続するよう切り替わることを特徴とする基本波/オーバートーン水晶発振器。
【請求項6】
第1のインバータICと第2のインバータICとが直列に接続され、
前記第1のインバータICの入力側と出力側が第1の抵抗を介して接続され、
前記第1のインバータICの入力側に第1のスイッチが接続され、
前記第1のインバータICの出力側に第2のスイッチが接続され、
水晶振動子の一端に第3のスイッチが接続されると共に、第1のオーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、前記第1のオーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、
前記水晶振動子の他端に第4のスイッチが接続されると共に、第2のオーバートーン発振コンデンサの一端が接続され、前記第2のオーバートーン発振コンデンサの他端が接地され、
前記第1のスイッチは、前記第1のインバータICの入力側を第1の基本波発振抵抗の一端、又は第1のオーバートーン発振抵抗の一端のいずれかに接続し、
前記第1の基本波発振抵抗の他端が第1の基本波発振コンデンサの一端に接続され、前記第1の基本波発振コンデンサの他端が接地され、
前記第2のスイッチは、前記第1のインバータICの出力側を第2の基本波発振抵抗の一端、又は第2のオーバートーン発振抵抗の一端のいずれかに接続し、
前記第2の基本波発振抵抗の他端が第2の基本波発振コンデンサの一端に接続され、前記第2の基本波発振コンデンサの他端が接地され、
前記第3のスイッチは、前記水晶振動子の一端を前記第1の基本波発振抵抗の他端と前記第1の基本波発振コンデンサの一端の間の点、又は前記第1のオーバートーン発振抵抗の他端のいずれかに接続し、
前記第4のスイッチは、前記水晶振動子の他端を前記第2の基本波発振抵抗の他端と前記第2の基本波発振コンデンサの一端の間の点、又は前記第2のオーバートーン発振抵抗の他端のいずれかに接続し、
基本波で発振させる場合には、前記第1のスイッチが、前記インバータICの入力側を前記第1の基本波発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、前記第2のスイッチが、前記インバータICの出力側を前記第2の基本波発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、前記第3のスイッチが、前記水晶振動子の一端を前記第1の基本波発振抵抗の他端と前記第1の基本波発振コンデンサの一端の間の点に接続するよう切り替わり、前記第4のスイッチが、前記水晶振動子の他端を前記第2の基本波発振抵抗の他端と前記第2の基本波発振コンデンサの一端の間の点に接続するよう切り替わり、
オーバートーンで発振させる場合には、前記第1のスイッチが、前記インバータICの入力側を前記第1のオーバートーン発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、前記第2のスイッチが、前記インバータICの出力側を前記第2のオーバートーン発振抵抗の一端に接続するよう切り替わり、前記第3のスイッチが、前記水晶振動子の一端を前記第1のオーバートーン発振抵抗の他端に接続するよう切り替わり、前記第4のスイッチが、前記水晶振動子の他端を前記第2のオーバートーン発振抵抗の他端に接続するよう切り替わることを特徴とする基本波/オーバートーン水晶発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−176393(P2011−176393A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36906(P2010−36906)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】