説明

基板、および電気光学装置の製造方法

【課題】スピンエッチング等を確実に行うことのできる基板、および当該基板を用いた電気光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】電気光学装置用基板10sは、第1基板面10t側に第1面取り面10e、第1円弧面10fを備え、第2基板面10u側に、第2面取り面10i、および第2円弧面10hを有している。第1円弧面10fの曲率半径Raは第2円弧面10hの曲率半径Rbより大であり、第1基板面10tと第1面取り面10eとが成す第1面取り角度θaは、第2基板面10uと第2面取り面10iとが成す第2面取り角度θbより大きい。平面視における第1面取り面10eの幅寸法と平面視における第1円弧面10fの幅寸法との和daは、平面視における第2面取り面10iの幅寸法と平面視における第2円弧面10hの幅寸法との和dbより大である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端部が面取りされた基板、および当該基板を用いた電気光学装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置の製造に用いられる基板は、基板を取り扱う際の角部分の破損を防止する等の目的で、図9(a)に示すように、第1基板面10tの側の角部分、および第2基板面10uの側の角部分が各々、斜めに面取りされた形状になっている(特許文献1参照)。
【0003】
また、半導体装置の製造に用いられる半導体基板に関しては、不純物拡散を行った後の研磨量を考慮して、図9(b)に示すように、第1基板面の側での面取り角度θa(第1基板面10tと第1面取り面10eとが成す角度)と、第2基板面の側での面取り角度θb(第2基板面10uと第2面取り面10iとが成す角度)を相違させた構成も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−266046号公報
【特許文献2】特開平2−291126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図9(a)、(b)に示すいずれの基板10pにおいても、第1面取り面10eと外周端面10gとの境界部分の曲率半径R1が小さいため、例えば、図9(c)を参照して説明するようなウエットエッチング工程を行った際、外周端面10gに未エッチング部分が発生するという問題点がある。
【0006】
より具体的には、第1基板面10tの側に成膜すると、外周端面10gに周り込むように膜が形成されるので、エッチングによって膜をパターニングする際、外周端面10gに形成された膜も除去する必要がある。その際、基板10pを回転させながら第1基板面10tの中央付近にエッチング液Lを供給するスピンエッチングを行えば、遠心力によって、エッチング液Lが第1基板面10t全面に行き渡る。しかしながら、従来の基板10pでは、第1面取り面10eと外周端面10gとの境界部分の曲率半径R1が小さいので、エッチング液Lが遠心力で飛び散ってしまい、外周端面10gにエッチング液Lが到達しない。その結果、外周端面10gでは、エッチングが行われず、外周端面10gに膜が残ってしまうことになる。このような状態で、第1基板面10tの側に別の膜を成膜すると、新たな膜が外周端面10gで剥離し、かかる剥離が第1基板面10tに形成された膜まで進行してしまうという問題を発生させる。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、スピンエッチング等を確実に行うことのできる基板、および当該基板を用いた電気光学装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る基板は、第1基板面と、該第1基板面に対して反対側に位置する第2基板面と、前記第1基板面の端部と前記第2基板面の端部との間に位置する側端部において前記第1基板面側で傾斜する第1面取り面と、該第1面取り面と前記側端部の外周端との間で湾曲した第1円弧面と、前記側端部において前記第2基板面側で傾斜する第2面取り面と、前記第2面取り面と前記外周端との間で湾曲した第2円弧面と、を有し、前記第1基板面と前記第1面取り面とが成す第1面取り角度は、前記第2基板面と前記第2面取り面とが成す第2面取り角度より大であり、前記第1円弧面の曲率半径は、前記第2円弧面の曲率半径より大であり、平面視における前記第1面取り面の幅寸法と平面視における前記第1円弧面の幅寸法との和は、平面視における前記第2面取り面の幅寸法と平面視における前記第2円弧面の幅寸法との和より大であることを特徴とする。
【0009】
本発明では、第1基板面側で第1面取り面に連接する第1円弧面の曲率半径が、第2基板面側で第2面取り面に連接する第2円弧面の曲率半径より大であるため、スピンエッチングの際、遠心力を受けたエッチング液が第1円弧面を伝って側端部の外周端に到達する。それ故、外周端でも確実にエッチングが行われる。それ故、外周端に膜が残ってしまうことを防止することができるので、スピンエッチングの後、新たな膜を成膜した際、外周端で新たな膜が剥離するという事態の発生を回避することができる。
【0010】
また、本発明では、第1基板面と第1面取り面とが成す第1面取り角度が、第2基板面と第2面取り面とが成す第2面取り角度より大であるため、第1円弧面の曲率半径を過剰に大きくしなくても、第1面取り面と第1円弧面とを連続した形状とすることができる。それ故、スピンエッチングの際、遠心力を受けたエッチング液が第1面取り面と第1円弧面との境界部分で飛び散るのを防止することができる。また、平面視における前記第1面取り面の幅寸法と平面視における前記第1円弧面の幅寸法との和が、平面視における前記第2面取り面の幅寸法と平面視における前記第2円弧面の幅寸法との和より大である。このため、第1円弧面の曲率半径を大きくすることができるので、スピンエッチングの際、遠心力を受けたエッチング液が第1円弧面を伝って側端部の外周端に到達しやすい。
【0011】
本発明において、前記第1面取り面の基板厚方向の寸法と前記第1円弧面の基板厚方向の寸法との和は、前記第2面取り面の基板厚方向の寸法と前記第2円弧面の基板厚方向の寸法との和より大であることが好ましい。かかる構成によれば、第1円弧面の曲率半径を大きくした場合でも、第1円弧面と外周端とを連続した形状とすることができる。それ故、スピンエッチングの際、遠心力を受けたエッチング液が第1円弧面を伝って側端部の外周端に到達しやすい。
【0012】
本発明において、前記外周端は、前記第1基板面および前記第2基板面に対して直交する外周端面になっていることが好ましい。かかる構成によれば、基板の外周を保持するのが容易である。
【0013】
本発明に係る基板は、半導体基板として構成できる他、電気光学装置用の基板等として構成することができ、本発明に係る基板を電気光学装置用の基板等として構成する場合、基板は、ガラスや石英基板等、透光性材料からなる構成とされる。
【0014】
本発明を適用した基板は、電気光学装置等の製造に用いられる。かかる電気光学装置の製造方法では、少なくとも、前記第1基板面側に第1膜を成膜する第1成膜工程と、前記基板を回転させながら前記第1基板面側にエッチング液を供給して前記第1膜をエッチングするスピンエッチング工程と、前記第1基板面側に第2膜を成膜する第2成膜工程と、を有していることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した液晶装置に用いた液晶パネルの説明図である。
【図3】本発明を適用した液晶装置の画素の説明図である。
【図4】本発明を適用した液晶装置の製造工程を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した液晶装置の製造に用いられる電気光学装置用基板の説明図である。
【図6】本発明を適用した電気光学装置用基板の詳細構成を示す説明図である。
【図7】本発明を適用した液晶装置の製造工程の一部を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明を適用した液晶装置を用いた投射型表示装置の概略構成図である。
【図9】従来の基板の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、電気光学装置の素子基板を製造するための電気光学装置用基板に本発明を適用した場合を説明し、電気光学装置として、液晶装置を製造する場合を説明する。
【0017】
また、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、図9を参照して説明した構成との対応が分かりやすいように、対応する部分には同一の符号を付して説明する。また、画素トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、本説明では、画素電極が接続されている側(画素側ソースドレイン領域)をドレインとし、データ線が接続されている側(データ線側ソースドレイン領域)をソースとする。また、素子基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは素子基板の基板本体が位置する側とは反対側(対向基板が位置する側)を意味し、下層側とは素子基板の基板本体が位置する側を意味する。
【0018】
[電気光学装置の構成]
(液晶装置(電気光学装置)の電気的構成)
図1は、本発明を適用した液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。なお、図1は、あくまで電気的な構成を示すブロック図であるため、容量線(容量電極層/第1電極層5a)等が延在している方向等、レイアウトについては模式的に示してある。
【0019】
図1において、本形態の液晶装置100は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画像表示領域10a(画素領域)を備えている。液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10(図2等を参照)では、画像表示領域10aの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスターからなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
【0020】
素子基板10において、画像表示領域10aより外周側には走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101が設けられている。データ線駆動回路101は各データ線6aに電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0021】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板20(図2等を参照)に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に蓄積容量55が付加されている。本形態では、蓄積容量55を構成するために、複数の画素100aに跨る第1電極層5aが容量電極層として形成されている。本形態において、第1電極層5aは、共通電位Vcomが印加された共通電位線5cに導通している。
【0022】
(液晶パネル100pの構成)
図2は、本発明を適用した液晶装置100に用いた液晶パネル100pの説明図であり、図2(a)、(b)は各々、液晶パネル100pを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0023】
図2(a)、(b)に示すように、液晶パネル100pでは、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。
【0024】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、図1を参照して説明した画像表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、シール材107の内周縁と画像表示領域10aの外周縁との間には、略四角形の周辺領域10bが額縁状に設けられている。素子基板10において、画像表示領域10aの外側では、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0025】
詳しくは後述するが、素子基板10の第1基板面10tおよび第2基板面10uのうち、第1基板面10t側では、画像表示領域10aに、図1を参照して説明した画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0026】
また、素子基板10の第1基板面10t側において、周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9b(図2(b)参照)が形成されている。ダミー画素電極9bについては、ダミーの画素トランジスターと電気的に接続された構成、ダミーの画素トランジスターが設けられずに配線に直接、電気的に接続された構成、あるいは電位が印加されていないフロート状態にある構成が採用される。かかるダミー画素電極9bは、素子基板10において配向膜16が形成される面を研磨により平坦化する際、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。また、ダミー画素電極9bを所定の電位に設定すれば、画像表示領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止することができる。
【0027】
対向基板20において素子基板10と対向する一方面側には共通電極21が形成されており、共通電極21の上層には配向膜26が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。また、対向基板20において素子基板10と対向する一方面側には、共通電極21の下層側に遮光層108が形成されている。本形態において、遮光層108は、画像表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁状に形成されており、見切りとして機能する。ここで、遮光層108の外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にあり、遮光層108とシール材107とは重なっていない。なお、対向基板20において、遮光層108は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域と重なる領域等にブラックマトリクス部として形成されることもある。
【0028】
このように構成した液晶パネル100pにおいて、素子基板10には、シール材107より外側において対向基板20の角部分と重なる領域に、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。かかる基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられている。このため、シール材107は、略四角形である。但し、シール材107は、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極109を避けて内側を通るように設けられており、シール材107の角部分は略円弧状である。
【0029】
かかる構成の液晶装置100において、画素電極9aおよび共通電極21をITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透光性の導電膜により形成すると、透過型の液晶装置を構成することができる。これに対して、共通電極21をITO膜やIZO膜等の透光性導電膜により形成し、画素電極9aをアルミニウム等の反射性導電膜により形成すると、反射型の液晶装置を構成することができる。液晶装置100が反射型である場合、対向基板20の側から入射した光が素子基板10の側の基板で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。液晶装置100が透過型である場合、素子基板10および対向基板20のうち、一方側の基板から入射した光が他方側の基板を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0030】
液晶装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)や保護膜が形成される。また、液晶装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差フィルムや偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、液晶装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各液晶装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0031】
本形態において、液晶装置100が、後述する投射型表示装置においてRGB用のライトバルブとして用いられる透過型の液晶装置であって、対向基板20から入射した光が素子基板10を透過して出射される場合を中心に説明する。また、本形態において、液晶装置100は、液晶層50として、誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を用いたVAモードの液晶パネル100pを備えている場合を中心に説明する。
【0032】
(画素の具体的構成)
図3は、本発明を適用した液晶装置100の画素の説明図であり、図3(a)、(b)は各々、素子基板10において隣り合う画素の平面図、および図3(a)のF−F′線に相当する位置で液晶装置100を切断したときの断面図である。なお、図3(a)では、各領域を以下の線で表してある。
走査線3a=太い実線
半導体層1a=細くて短い点線
データ線6aおよびドレイン電極6b=一点鎖線
第1電極層5aおよび中継電極5b=細くて長い破線
第2電極層7a=二点鎖線
画素電極9a=太くて短い破線
【0033】
図3(a)に示すように、素子基板10には、複数の画素100aの各々に矩形状の画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた縦横の画素間領域と重なる領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。データ線6aおよび走査線3aは各々、直線的に延びており、データ線6aと走査線3aとが交差する領域に画素トランジスター30が形成されている。素子基板10には、データ線6aと重なるように、図1を参照して説明した第1電極層5a(容量電極層)が形成されている。
【0034】
図3(a)、(b)に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10w、基板本体10wの液晶層50側の表面(第1基板面10t側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されている。対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面側)に形成された共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0035】
素子基板10において、基板本体10wの一方面側には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなる走査線3aが形成されている。本形態において、走査線3aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光性導電膜から構成されており、画素トランジスター30に対する遮光膜としても機能している。本形態において、走査線3aは、厚さが200nm程度のタングステンシリサイドからなる。なお、基板本体10wと走査線3aとの間には、シリコン酸化膜等の絶縁膜が設けられることもある。
【0036】
基板本体10wの第1基板面10t側において、走査線3aの上層側には、シリコン酸化膜等の絶縁膜12が形成されており、かかる絶縁膜12の表面に、半導体層1aを備えた画素トランジスター30が形成されている。本形態において、絶縁膜12は、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC254)を用いた減圧CVD法やテトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜と、高温CVD法により形成したシリコン酸化膜(HTO(High Temperature Oxide)膜)との2層構造を有している。
【0037】
画素トランジスター30は、走査線3aとデータ線6aとの交差領域において走査線3aの延在方向に長辺方向を向けた半導体層1aと、半導体層1aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3cとを備えている。また、画素トランジスター30は、半導体層1aとゲート電極3cとの間に透光性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3cに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。本形態において、画素トランジスター30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域1b1、1c1を備え、低濃度領域1b1、1c1に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域1b2、1c2を備えている。
【0038】
半導体層1aは、多結晶シリコン膜等によって構成されている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2aと、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜等からなる第2ゲート絶縁層2bとの2層構造からなる。ゲート電極3cは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなり、半導体層1aの両側において、ゲート絶縁層2および絶縁膜12を貫通するコンタクトホール12a、12bを介して走査線3aに導通している。本形態において、ゲート電極3cは、膜厚が100nm程度の導電性のポリシリコン膜と、膜厚が100nm程度のタングステンシリサイド膜との2層構造を有している。
【0039】
なお、本形態では、液晶装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、かかる反射光が半導体層1aに入射して画素トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止することを目的に、走査線3aを遮光膜により形成してある。但し、走査線をゲート絶縁層2の上層に形成し、その一部をゲート電極3cとしてもよい。この場合、図3に示す走査線3aは、遮光のみを目的として形成されることになる。
【0040】
ゲート電極3cの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成されており、層間絶縁膜41の上層には、データ線6aおよびドレイン電極6bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜41は、例えば、シランガス(SH4)と亜酸化窒素(N2O)とを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜等からなる。
【0041】
データ線6aおよびドレイン電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよびドレイン電極6bは、膜厚が20nmのチタン(Ti)膜、膜厚が50nmの窒化チタン(TiN)膜、膜厚が350nmのアルミニウム(Al)膜、膜厚が150nmのTiN膜をこの順に積層してなる4層構造を有している。データ線6aは、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41aを介してソース領域1b(データ線側ソースドレイン領域)に導通している。ドレイン電極6bは、走査線3aと重なる領域において、半導体層1aのドレイン領域1c(画素電極側ソースドレイン領域)と一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41bを介してドレイン領域1cに導通している。
【0042】
データ線6aおよびドレイン電極6bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜42が形成されている。層間絶縁膜42は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜等からなる。
【0043】
層間絶縁膜42の上層側には、第1電極層5aおよび中継電極5bが同一の導電膜によって形成されている。第1電極層5aおよび中継電極5bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなる。本形態において、第1電極層5aおよび中継電極5bは、膜厚が200nm程度のAl膜と、膜厚が100nm程度のTiN膜との2層構造を有している。第1電極層5aは、データ線6aと同様、データ線6aと重なる領域に沿って延在している。中継電極5bは、走査線3aと重なる領域において、ドレイン電極6bと一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42aを介してドレイン電極6bに導通している。
【0044】
第1電極層5aおよび中継電極5bの上層側にはシリコン酸化膜等の層間絶縁膜44がエッチングストッパー層として形成されており、かかる層間絶縁膜44には、第1電極層5aと重なる領域に開口部44bが形成されている。本形態において、層間絶縁膜44は、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜等からなる。ここで、開口部44bは、図3(a)では図示を省略するが、データ線6aと走査線3aとの交差領域を起点として走査線3aと重なる領域に沿って延在する部分と、データ線6aと走査線3aとの交差領域を起点としてデータ線6aと重なる領域に沿って延在する部分とを備えたL字形状に形成されている。
【0045】
層間絶縁膜44の上層側には透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側には第2電極層7aが形成されている。第2電極層7aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属膜化合物等の導電膜からなる。本形態において、第2電極層7aは、膜厚が100nm程度のTiN膜からなる。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。第2電極層7aは、データ線6aと走査線3aとの交差領域を起点として走査線3aと重なる領域に沿って延在する部分と、データ線6aと走査線3aとの交差領域を起点としてデータ線6aと重なる領域に沿って延在する部分とを備えたL字形状に形成されている。従って、第2電極層7aのうち、データ線6aと重なる領域に沿って延在する部分は、層間絶縁膜44の開口部44bにおいて、誘電体層40を介して第1電極層5aに重なっている。このようにして、本形態では、第1電極層5a、誘電体層40、および第2電極層7aは、走査線3aと重なる領域に蓄積容量55を構成している。
【0046】
また、第2電極層7aにおいて、走査線3aと重なる領域に沿って延在する部分は、中継電極5bと部分的に重なっており、誘電体層40および層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極5bに導通している。
【0047】
第2電極層7aの上層側には透光性の層間絶縁膜45が形成されており、層間絶縁膜45の上層側には、厚さが140nm程度のITO膜等の透光性導電膜からなる画素電極9aが形成されている。画素電極9aは、データ線6aと走査線3aとの交差領域の近傍で第2電極層7aと部分的に重なっており、層間絶縁膜45を貫通するコンタクトホール45aを介して第2電極層7aに導通している。層間絶縁膜45は、例えば、シランガスと亜酸化窒素(N2O)とを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜等からなる。
【0048】
画素電極9aの表面には配向膜16が形成されている。配向膜16は、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)である。
【0049】
対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20wの液晶層50側の表面(素子基板10に対向する側の面)に、ITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように配向膜26が形成されている。配向膜26は、配向膜16と同様、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜26は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。
【0050】
なお、図1および図2を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104には、nチャネル型の駆動用トランジスターとpチャネル型の駆動用トランジスターとを備えた相補型トランジスター回路等が構成されている。ここで、駆動用トランジスターは、画素トランジスター30の製造工程の一部を利用して形成されたものである。このため、素子基板10においてデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている領域も、図3(b)に示す断面構成と略同様な断面構成を有している。
【0051】
(液晶装置100の製造方法)
図4は、本発明を適用した液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図5は、本発明を適用した液晶装置100の製造に用いられる電気光学装置用基板の説明図であり、図5(a)、(b)、(c)、(d)は、単品サイズの素子基板10と同一サイズの電気光学装置用基板の説明図、単品サイズの素子基板10よりやや大きめの電気光学装置用基板の説明図、半導体ウェーハ状の大型の電気光学装置用基板の説明図、および四角形の大型の電気光学装置用基板の説明図である。
【0052】
本形態の液晶装置100を製造するには、図2、図3および図4に示すように、素子基板10に対して画素電極9a等の形成工程S1を行った後、斜方蒸着法、印刷法やスピンコート等により配向膜16を形成する配向膜形成工程S2を行う。なお、配向膜16がポリイミド膜からなる場合には、素子基板10の配向膜16に対するラビング工程S3を行う。次に、シール材107を塗布するシール印刷工程S4を行う。かかるシール材107の塗布は、ノズルからシール材を吐出しながら、ノズルと素子基板10とを相対移動させて、シール材107を矩形枠状に描画する。一方、対向基板20に対しては、共通電極21等の形成工程S11を行った後、斜方蒸着法、印刷法やスピンコート等により配向膜26を形成する配向膜形成工程S12を行う。なお、配向膜26がポリイミド膜からなる場合には、対向基板20の配向膜26に対するラビング工程S13を行う。
【0053】
次に、重ね合わせ工程S21においては、シール材107を間に挟んで素子基板10と対向基板20とを重ね合わせる。次に、シール硬化工程S22においてシール材107を硬化させる。かかるシール硬化工程では、対向基板20側からUV光等を照射してシール材107を硬化させる。
【0054】
次に、液晶封入工程S23では、シール材107の途切れ部分107aからシール材107の内側に液晶を注入した後、途切れ部分107aを封止材105で封止する(図2参照)。なお、素子基板10にシール材107を形成した後、シール材107の内側に液晶を滴下し、その後、シール材107を間に挟んで素子基板10と対向基板20とを重ね合わせた後、シール材107を硬化させることもある。かかる方法の場合、シール材107に対しては、途切れ部分や封止材105を設ける必要がない。
【0055】
かかる方法により液晶装置100を製造する場合、図5(a)に示すように、素子基板10の基板本体10wとして、単品サイズの電気光学装置用基板10s(液晶装置用基板)を用い、かかる単品サイズの電気光学装置用基板10sの状態で上記の工程を行って液晶パネル100pを形成する場合がある。また、図5(b)に示すように、電気光学装置用基板10sとして、素子基板10の基板本体10wより大きな基板を用いてパネルを形成した後、電気光学装置用基板10sを切断することもある。また、図5(c)、(d)に示すように、素子基板10を多数取りできる大型の電気光学装置用基板10sの状態で上記の工程を行って大型のパネル構造体を形成した後、大型のパネル構造体から単品サイズの液晶パネル100pを複数、切り出すこともある。図5(b)〜(d)に示す構成の場合、大型の電気光学装置用基板10sのうち、素子基板10が切り出される領域(図5(b)、(c)、(d)に一点鎖線で示す領域)が有効領域10yであり、その周りの部分は、電気光学装置用基板10sを切断される際に除去される除材領域10zである。なお、図5(c)に示す大型の電気光学装置用基板10sは、半導体ウェーハと同様、円盤状の基板にオリエンテーションフラットが形成された形状を有し、図5(d)に示す大型の電気光学装置用基板10sは、四角形状を有している。以下の説明では、サイズや、得られる基板のサイズにかかわらず、電気光学装置用基板10sとして説明する。
【0056】
(電気光学装置用基板10sの構成)
図6は、本発明を適用した電気光学装置用基板10sの詳細構成を示す説明図であり、図6(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明を適用した電気光学装置用基板10sの側面図、電気光学装置用基板10sの拡大側面図、その端部を拡大して示す説明図、およびスピンエッチングの様子を示す説明図である。図7は、本発明を適用した電気光学装置用基板10sを用いて液晶装置100の素子基板10を製造する様子を模式的に示す工程断面図である。なお、以下の説明では、電気光学装置用基板10sにおいて、素子基板10の第1基板面10tを構成する方を「第1基板面10t」とし、素子基板10の第2基板面10uを構成する方を「第2基板面10u」として説明する。
【0057】
図6(a)、(b)、(c)に示すように、本発明を適用した電気光学装置用基板10sは、ガラスあるいは石英基板等、透光性材料からなる基板である。かかる電気光学装置用基板10sは、第1基板面10tと、第1基板面10tに対して反対側に位置する第2基板面10uとを有しており、第1基板面10tの側に、図2および図3を参照して説明した画素電極9a等が形成される。
【0058】
電気光学装置用基板10sは、第1基板面10tの端部と第2基板面10uの端部との間に位置する側端部10cに、第1基板面10t側で傾斜する第1面取り面10eと、第1面取り面10eと側端部10cの外周端面10gとの間で外側に向けて膨らむように湾曲した第1円弧面10fとを全周に有している。ここで、第1基板面10tと第1面取り面10eとは連接し、第1円弧面10fは、第1面取り面10eおよび外周端面10gと連接している。また、電気光学装置用基板10sは、側端部10cに、第2基板面10u側で傾斜する第2面取り面10iと、第2面取り面10iと側端部10cの外周端面10gとの間で外側に向けて膨らむように湾曲した第2円弧面10hとを全周に有している。ここで、第2基板面10uと第2面取り面10iとは連接し、第2円弧面10hは、第2面取り面10iおよび外周端面10gと連接している。また、側端部10cの外周端は、第1基板面10tおよび第2基板面10uに対して直交する外周端面10gになっている。
【0059】
このように構成した電気光学装置用基板10sにおいて、本形態では、側端部10cの形状が第1基板面10tの側と第2基板面10uの側とにおいて非対称になっている。より具体的には、第1円弧面10fの曲率半径Raは、第2円弧面10hの曲率半径Rbより大である。また、第1基板面10tと第1面取り面10eとが成す第1面取り角度θaは、第2基板面10uと第2面取り面10iとが成す第2面取り角度θbより大きい。
【0060】
また、平面視における第1面取り面10eの幅寸法は、平面視における第2面取り面10iの幅寸法より大であり、平面視における第1面取り面10eの幅寸法と平面視における第1円弧面10fの幅寸法との和daは、平面視における第2面取り面10iの幅寸法と平面視における第2円弧面10hの幅寸法との和dbより大になっている。
【0061】
また、第1面取り面10eの基板厚方向の寸法は、第2面取り面10iの基板厚方向の寸法より大であり、第1円弧面10fの基板厚方向の寸法は、第2円弧面10hの基板厚方向の寸法より大である。従って、第1面取り面10eの基板厚方向の寸法と第1円弧面10fの基板厚方向の寸法との和taは、第2面取り面10iの基板厚方向の寸法と第2円弧面10hの基板厚方向の寸法tbとの和より大である。それ故、側端部10cの外周端面10gは、第1基板面10tおよび第2基板面10uのうち、第2基板面10uの側に位置している。
【0062】
例えば、厚さが2mmの電気光学装置用基板10sの場合、上記の角度や寸法は、以下の値
Ra≠Rb
0.35mm<Ra<0.45mm
Rb≦0.35mm
θa>θb
θa=25°±2°
θb=21°±2°
に設定されている。それ故、図7を参照して後述する工程において、図6(d)に示すように、電気光学装置用基板10sを回転させながら第1基板面10tの中央付近にエッチング液Lを供給するスピンエッチングを行えば、遠心力によって、エッチング液Lが第1基板面10t全面に行き渡る。また、第1面取り面10eと外周端面10gとの境界部分(第1円弧面10f)の曲率半径Raが大きいので、遠心力が加わったエッチング液Lは、第1面取り面10eで飛び散らず、第1円弧面10fを伝って側端部10cの外周端面10gに到達する。それ故、外周端面10gでも確実にエッチングが行われる。それ故、図7を参照して後述する工程を好適に行うことができる。
【0063】
(液晶装置100の製造工程)
図7は、本発明を適用した液晶装置100の製造工程の一部を模式的に示す説明図である。なお、以下に説明する工程は、図2および図3を参照して説明したいずれの層を形成する場合にも適用できるが、以下の説明では、第1膜として層間絶縁膜44を構成する膜を例示し、第2膜として誘電体層40を構成する膜を例示する。
【0064】
本形態において、電気光学装置用基板10sを用いて液晶装置100の素子基板10を製造する場合、まず、図7(a)に示す第1成膜工程において、第1基板面10t側に、層間絶縁膜44を構成するシリコン酸化膜等の第1膜44sを成膜する。
【0065】
次に、図7(b)に示すマスク形成工程において、第1膜44sの表面に、第1面取り面10eおよび第1円弧面10fと重なる部分や、図3を参照して説明した開口部44bと重なる部分等が開口部440aになっているレジストマスク等のエッチングマスク440を形成する。
【0066】
次に、図7(c)に示すスピンエッチング工程では、図6(d)を参照して説明したように、電気光学装置用基板10sを回転させながら第1基板面10t側にエッチング液Lを供給して第1膜44sをウエットエッチングする。その結果、第1膜44sがパターニングされて層間絶縁膜44が形成される。その際、図6(d)を参照して説明したように、第1面取り面10eと外周端面10gとの境界部分(第1円弧面10f)の曲率半径Raが大きいので、遠心力が加わったエッチング液Lは、第1面取り面10eで飛び散らず、第1円弧面10fを伝って側端部10cの外周端面10gに到達する。それ故、外周端面10gでも確実にエッチングが行われ、図7(f)に示すように、外周端面10gから第1膜44sが確実に除去される。
【0067】
次に、図7(d)に示すように、エッチングマスク440を除去した後、図7(e)に示す第2成膜工程では、第1基板面10t側に誘電体層40を形成するためのシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物、あるいはアルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率膜からなる第2膜40sを形成する。その際、第1面取り面10e、第1円弧面10f、および外周端面10gには、第1膜44sが残っていないので、図7(g)に示すように、第2膜40sは、第1面取り面10e、第1円弧面10f、および外周端面10gでも高い密着性をもって形成される。それ故、外周端面10g等で第2膜40sが剥離し、かかる剥離が第2膜40sの全体で進行する等の問題が発生するのを回避することができる。特に、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率膜(第2膜40s)を積層すると、下地への密着力が弱いので、外周端面10gに異物が残っていると剥離しやすいという問題があるが、本形態によれば、かかる剥離の発生を防止することができる。
【0068】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本発明を適用した電気光学装置用基板10sは、第1円弧面10fの曲率半径Raが、第2円弧面10hの曲率半径Rbより大であるため、図6(d)を参照して説明したスピンエッチングの際、遠心力を受けたエッチング液Lが第1円弧面10fを伝って側端部10cの外周端面10gに到達する。それ故、外周端面10gでも確実にエッチングが行われる。それ故、外周端面10gに膜が残ってしまうことを防止することができるので、スピンエッチングの後、新たな膜を成膜した際、外周端面10gで新たな膜が剥離するという事態の発生を回避することができる。
【0069】
また、第1基板面10tと第1面取り面10eとが成す第1面取り角度θaは、第2基板面10uと第2面取り面10iとが成す第2面取り角度θbより大きい。このため、第1円弧面10fの曲率半径を過剰に大きくしなくても、第1面取り面10eと第1円弧面10fとを連続した形状とすることができる。それ故、スピンエッチングの際、遠心力を受けたエッチング液Lが第1面取り面10eと第1円弧面10fとの境界部分で飛び散るのを防止することができる。
【0070】
また、平面視における第1面取り面10eの幅寸法と平面視における第1円弧面10fの幅寸法との和daは、平面視における第2面取り面10iの幅寸法と平面視における第2円弧面10hの幅寸法との和dbより大である。このため、第1円弧面10fの曲率半径Raを大きくすることができるので、スピンエッチングの際、遠心力を受けたエッチング液Lが第1円弧面10fを伝って外周端面10gに到達しやすい。
【0071】
さらに、第1面取り面10eの基板厚方向の寸法と第1円弧面10fの基板厚方向の寸法との和taは、第2面取り面10iの基板厚方向の寸法と第2円弧面10hの基板厚方向の寸法tbとの和より大である。それ故、側端部10cの外周端面10gは、第1基板面10tおよび第2基板面10uのうち、第2基板面10uの側に位置している。従って、第1円弧面10fの曲率半径Raを大きくした場合でも、第1円弧面10fと外周端面10gとを連続した形状とすることができる。それ故、スピンエッチングの際、遠心力を受けたエッチング液Lが第1円弧面10fを伝って外周端面10gに到達しやすい。
【0072】
また、側端部10cの外周端は、第1基板面10tおよび第2基板面10uに対して直交する外周端面10gになっている。このため、電気光学装置用基板10sの外周に対して、周方向の複数個所で治具等を当接させて電気光学装置用基板10sを保持する際、電気光学装置用基板10sを確実に保持することができる。
【0073】
(他の実施の形態)
上記実施の形態では、蓄積容量55を形成する際にスピンエッチングを適用した例を説明したが、他の層をエッチングする際にスピンエッチングを用いてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態では、パターニングの際にスピンエッチングを適用した例を説明したが、レジストマスク等のエッチングマスクの除去にスピンエッチングを用いてもよく、この場合、エッチングマスクが「第1膜」となる。
【0075】
上記実施の形態では、電気光学装置として液晶装置を例示したが、透光性を有する基板(電気光学装置用基板)を備えていれば、液晶装置に限らず、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出を用いた装置(Field Emission Display)、DLP(Digital Light Processing)等の電気光学装置の製造方法に本発明を適用してもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、基板として、透光性を有する基板(電気光学装置用基板)を例示したが、シリコンウエーハ等の半導体基板に本発明を適用してもよい。
【0077】
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る液晶装置100を備えた電子機器について説明する。図8は、本発明を適用した液晶装置100を用いた投射型表示装置の概略構成図であり、図8(a)、(b)は各々、透過型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図である。
【0078】
(投射型表示装置の第1例)
図8(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117(液晶装置100)と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119と、リレー系120とを備えている。
【0079】
光源112は、赤色光、緑色光及び青色光を含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光を透過させると共に緑色光及び青色光を反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光及び青色光のうち青色光を透過させると共に緑色光を反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光と緑色光と青色光とに分離する色分離光学系を構成する。
【0080】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121及び偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0081】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、液晶パネル115c及び第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光は、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0082】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル115cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光を変調し、変調した赤色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0083】
なお、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0084】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、液晶パネル116c及び第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光は、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、液晶パネル116cは、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光を変調し、変調した緑色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0085】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、液晶パネル117c及び第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光は、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0086】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル117cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光を変調し、変調した青色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a及び第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0087】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光の光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光をリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光を液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0088】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光を反射して緑色光を透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光を反射して緑色光を透過する膜である。したがって、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117のそれぞれで変調された赤色光と緑色光と青色光とを合成し、投射光学系118に向けて出射するように構成されている。
【0089】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を有効に合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光及び青色光をs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光をp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0090】
(投射型表示装置の第2例)
図8(b)に示す投射型表示装置1000は、光源光を発生する光源部1021と、光源部1021から出射された光源光を赤、緑、青の3色に分離する色分離導光光学系1023と、色分離導光光学系1023から出射された各色の光源光によって照明される光変調部1025とを有している。また、投射型表示装置1000は、光変調部1025から出射された各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム1027(合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム1027を経た像光をスクリーン(不図示)に投射するための投射光学系である投射光学系1029とを備えている。
【0091】
かかる投射型表示装置1000において、光源部1021は、光源1021aと、一対のフライアイ光学系1021d、1021eと、偏光変換部材1021gと、重畳レンズ1021iとを備えている。本形態においては、光源部1021は、放物面からなるリフレクタ1021fを備えており、平行光を出射する。フライアイ光学系1021d、1021eは、システム光軸と直交する面内にマトリックス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材1021gは、フライアイ光学系1021eから出射した光源光を、例えば図面に平行なp偏光成分のみに変換して光路下流側光学系に供給する。重畳レンズ1021iは、偏光変換部材1021gを経た光源光を全体として適宜収束させることにより、光変調部1025に設けた複数の液晶装置100を各々均一に重畳照明可能とする。
【0092】
色分離導光光学系1023は、クロスダイクロイックミラー1023aと、ダイクロイックミラー1023bと、反射ミラー1023j、1023kとを備える。色分離導光光学系1023において、光源部1021からの略白色の光源光は、クロスダイクロイックミラー1023aに入射する。クロスダイクロイックミラー1023aを構成する一方の第1ダイクロイックミラー1031aで反射された赤色(R)の光は、反射ミラー1023jで反射されダイクロイックミラー1023bを透過して、入射側偏光板1037r、p偏光を透過させ、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032r、および光学補償板1039rを介して、p偏光のまま、赤色(R)用の液晶装置100に入射する。
【0093】
また、第1ダイクロイックミラー1031aで反射された緑色(G)の光は、反射ミラー1023jで反射され、その後、ダイクロイックミラー1023bでも反射されて、入射側偏光板1037g、p偏光を透過させ、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032g、および光学補償板1039gを介して、p偏光のまま、緑色(G)用の液晶装置100に入射する。
【0094】
これに対して、クロスダイクロイックミラー1023aを構成する他方の第2ダイクロイックミラー1031bで反射された青色(B)の光は、反射ミラー1023kで反射されて、入射側偏光板1037b、p偏光を透過させ、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032b、および光学補償板1039bを介して、p偏光のまま、青色(B)用の液晶装置100に入射する。
【0095】
なお、光学補償板1039r、1039g、1039bは、液晶装置100への入射光および出射光の偏光状態を調整することで、液晶層の特性を光学的に補償している。
【0096】
このように構成した投射型表示装置1000において、光学補償板1039r、1039g、1039bを経て入射した3色の光は各々、各液晶装置100において変調される。その際、液晶装置100から出射された変調光のうち、s偏光の成分光は、ワイヤーグリッド偏光板1032r、1032g、1032bで反射し、出射側偏光板1038r、1038g、1038bを介してクロスダイクロイックプリズム1027に入射する。クロスダイクロイックプリズム1027には、X字状に交差する第1誘電体多層膜1027aおよび第2誘電体多層膜1027bが形成されており、一方の第1誘電体多層膜1027aはR光を反射し、他方の第2誘電体多層膜1027bはB光を反射する。従って、3色の光は、クロスダイクロイックプリズム1027において合成され、投射光学系1029に出射される。そして、投射光学系1029は、クロスダイクロイックプリズム1027で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(図示せず。)投射する。
【0097】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0098】
(他の電子機器)
本発明を適用した液晶装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【符号の説明】
【0099】
9a・・画素電極、10・・素子基板、16・・配向膜(素子基板側配向膜)、20・・対向基板、21・・共通電極、26・・配向膜(対向基板側配向膜)50・・液晶層、100・・液晶装置、107・・シール材、10t・・第1基板面、10e・・第1面取り面、10u・・第2基板面、10f・・第1円弧面、10i・・第2面取り面、10h・・第2円弧面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板面と、
該第1基板面に対して反対側に位置する第2基板面と、
前記第1基板面の端部と前記第2基板面の端部との間に位置する側端部において前記第1基板面側で傾斜する第1面取り面と、
該第1面取り面と前記側端部の外周端との間で湾曲した第1円弧面と、
前記側端部において前記第2基板面側で傾斜する第2面取り面と、
前記第2面取り面と前記外周端との間で湾曲した第2円弧面と、
を有し、
前記第1基板面と前記第1面取り面とが成す第1面取り角度は、前記第2基板面と前記第2面取り面とが成す第2面取り角度より大であり、
前記第1円弧面の曲率半径は、前記第2円弧面の曲率半径より大であり、
平面視における前記第1面取り面の幅寸法と平面視における前記第1円弧面の幅寸法との和は、平面視における前記第2面取り面の幅寸法と平面視における前記第2円弧面の幅寸法との和より大であることを特徴とする基板。
【請求項2】
前記第1面取り面の基板厚方向の寸法と前記第1円弧面の基板厚方向の寸法との和は、前記第2面取り面の基板厚方向の寸法と前記第2円弧面の基板厚方向の寸法との和より大であることを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記外周端は、前記第1基板面および前記第2基板面に対して直交する外周端面になっていることを特徴とする請求項1または2に記載に記載の基板。
【請求項4】
透光性材料からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の基板。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の基板を用いた電気光学装置の製造方法であって、
少なくとも、
前記第1基板面側に第1膜を成膜する第1成膜工程と、
前記基板を回転させながら前記第1基板面側にエッチング液を供給して前記第1膜をエッチングするスピンエッチング工程と、
前記第1基板面側に第2膜を成膜する第2成膜工程と、
を有していることを特徴とする電気光学装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図6】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−198255(P2012−198255A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60466(P2011−60466)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】