説明

基板の表面平坦化方法

【課題】近接場光によるエッチングが困難なサイズの凸部でも光の照射により選択的にエッチングすることを可能とする。
【解決手段】基板の表面に形成された凸部をエッチングするための基板の表面平坦化方法である。凸部3が露出するように基板2の表面2aにレジスト5を被覆させる。続いて、エッチングガス雰囲気中において当該エッチングガスのガス分子6の吸収端波長より長波長の伝搬光を基板2に照射する。このとき、凸部2のレジスト5からの露出部4の表面において、照射した伝搬光によりガス分子4を断熱過程を経て解離させることによって露出部4がエッチングされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体用基板等の基板の表面に形成された凸部をエッチングするための基板の表面平坦化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、記録媒体用基板等の基板の表面を研磨するための方法として、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。CMPでは、円板状の定盤上に表面に研磨布が貼り付けられた研磨体を設置し、研磨体を回転させておき、研磨対象となる基板を回転させながら研磨体に押し付けることとしており、このときの研磨体と基板との間での相対運動により基板の表面の機械的研磨が行われる。また、このとき、研磨体と基板との間には研磨剤が供給されており、研磨剤の化学的作用により基板の表面の化学的研磨が行われる。この研磨剤は、一般に、酸化セリウムを主成分とするものが用いられている。このCMPにより、基板の表面に形成された凸部のサイズを、例えば、ナノスケールにまで平坦化させることが可能となる。
【0003】
また、従来より、基板の表面に形成されたナノスケールの凸部を平坦化するための方法として、近接場光を利用したエッチング方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この近接場光を利用したエッチング方法では、エッチングガス雰囲気中においてエッチングガス分子の吸収端波長より長波長の光を基板に照射することにより、その基板の表面に形成されたナノスケールの凸部に近接場光を発生させ、その近接場光により非断熱過程を経てエッチングガスのガス分子を解離させ、これによって、そのナノスケールの凸部を選択的にエッチングすることを特徴としている。これにより、ナノスケールの凸部を原子スケールまで平坦化することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-129155号公報
【特許文献2】特開2009-94345号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】大津元一、小林潔"ナノフォトニクスの基礎"オーム社、P141、P206〜P208(2006年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のCMPは、研磨剤としていわゆるレアメタルとして知られる酸化セリウムを用いる必要がある。酸化セリウムは、その産出国が限られている等の理由により非常に高価なものであり、製造コストを低減させる観点からは、ナノスケール以上のサイズの凸部をCMPによることなく平坦化できるような方法の提案が望まれる。
【0007】
このような方法として、上述のような近接場光を利用したエッチング方法を利用する方法も考えられる。しかしながら、近接場光は、ナノスケールの物体や部分の表面においてのみ強い電場強度を有するものとして局在するものである。このため、エッチング対象となる凸部のサイズがある程度大きい場合においては、近接場光によるガス分子の解離速度が極端に遅くなり、そのようなサイズの凸部を近接場光により選択的にエッチングすること自体が困難となる。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、近接場光によるエッチングが困難なサイズの凸部でも光の照射により選択的にエッチングすることを可能とする基板の表面平坦化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上述した課題を解決するために、鋭意検討の末、下記の基板の表面平坦化方法を発明した。
第1発明に係る基板の表面平坦化方法は、基板の表面に形成された凸部をエッチングするための基板の表面平坦化方法において、前記凸部が露出するように前記基板の表面にレジストを被覆させるレジスト被覆工程と、エッチングガス雰囲気中において当該エッチングガスのガス分子の吸収端波長より長波長の伝搬光を前記基板に照射し、前記凸部のレジストからの露出部の表面において、前記照射した伝搬光により前記ガス分子を解離させることによって前記露出部をエッチングするエッチング工程とを有することを特徴とする。
第2発明に係る基板の表面平坦化方法は、第1発明において、前記エッチング工程では、前記ガス分子の吸収端波長より長波長であり、前記ガス分子の解離エネルギーをEbとしたときに、0.5×Eb以上の光エネルギーを有する波長の光を前記基板に照射することを特徴とする。
第3発明に係る基板の表面平坦化方法は、第1発明において、前記エッチング工程では、前記ガス分子の吸収端波長をλ1としたときに、λ1超(λ1+λ1/10)以下の波長の光を前記基板に照射することを特徴とする。
第4発明に係る基板の表面平坦化方法は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記凸部は少なくとも5nm以上のサイズであることを特徴とする。
第5発明に係る基板の表面平坦化方法は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記レジスト被覆工程では、スピンコート法により前記凸部が露出するように前記基板の表面にレジストを被覆させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明〜第5発明によれば、近接場光によるエッチングが困難なサイズの凸部でも光の照射により選択的にエッチングすることが可能となる。また、そのようなサイズの凸部をCMPを利用することなく光の照射により選択的にエッチングすることが可能となるので、CMPを利用するときに必要となる酸化セリウムが不要となり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るエッチング処理を行なううえで用いられる表面平坦化装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】本発明の適用の対象となる基板の形状について説明するための断面図である。
【図3】本発明に係る表面平坦化方法の工程について説明するための断面図である。
【図4】(a)は基板の表面に形成された凸部を模式的に示す斜視図であり、(b)はその凸部が露出するようにレジストを被覆させた状態を模式的に示す斜視図である。
【図5】エッチングガスのガス分子のポテンシャルエネルギーを示す図である。
【図6】断熱過程及び非断熱過程のメカニズムについて説明するための図である。
【図7】基板の表面にガス分子が吸着したときのガス分子のポテンシャルエネルギーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した基板の表面平坦化方法を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
本発明の適用の対象となる基板2は、例えば、ガラス、アルミニウム、シリコンや、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:polymenthyl methacrylate)のようなプラスチック等から構成される。基板2は、例えば、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板等の記録媒体用基板として用いられる。
【0014】
本発明においては、基板2の表面に形成された凸部3をエッチング処理することにより平坦化することを目的としているが、そのエッチング処理の対象となる凸部3は、少なくとも5nm以上のサイズのものが対象となる。5nm未満では、基板2の表面2aに後述のレジスト5を被覆させたときに凸部3がレジスト5内に埋まってしまい、レジスト5から凸部3を露出させることができなくなる恐れがある。凸部3をレジスト5から露出させる観点からは、凸部3のサイズが10nm以上であることがより好ましい。基板2の凸部3をレジスト5から露出させることにより、後述のように、そのレジスト5からの露出部4を選択的にエッチングすることが可能となる。因みに、凸部3は、そのサイズの上限値について特に限定するものではない。凸部3のサイズの一例を挙げると、例えば、50nm〜200nmのものが挙げられる。基板2が磁気ディスク用基板から構成される場合、このようなサイズの凸部3を有する基板2は、例えば、ガラス基板を粗研磨するラッピング工程をすることにより得られる。なお、ここでいう凸部3のサイズとは、基板2の底部からの凸部3の高さのことをいう。
【0015】
本発明に係る表面平坦化方法では、次に説明するような表面平坦化装置1を利用して後述のエッチング処理を行なう。
【0016】
表面平坦化装置1は、図1に示すように、第1実施形態において、チャンバ11と、チャンバ11内に配設されたステージ13と、チャンバ11に接続されたガス供給管12と、チャンバ11外に配設された光源14とを備えている。
【0017】
ステージ13は、その上面に基板2が載置されるものである。ステージ13は、基板2の位置、向きを調整するための位置調整機構や、基板2を加熱するための加熱機構等が設けられていてもよく、これらを制御することにより、基板の表面をエッチング処理するときの反応速度をコントロールすることが可能となる。
【0018】
ガス供給管12からは、基板2の表面をエッチング処理するためのエッチングガスが供給される。エッチングガスとしては、例えば、Cl2(塩素)、BCl3(三塩化ホウ素)、CCl4(四塩化炭素)等の塩素系ガス、SiH4(モノシラン)、Si26(ジシラン)等のシラン系ガスが挙げられる。ガス供給管12からは、上述のエッチングガスと混合してN2、He、Ar等の不活性ガスが供給されていてもよい。
【0019】
光源14は、図示しない駆動電源による制御に基づき、所定の波長を有する光を射出するものである。光源14は、射出された光がチャンバ11の外面に設けられた窓15を透過してステージ13上の基板2に照射されるようにその位置が調整されている。光源14は、例えば、レーザーダイオード等から構成される。光源14は、基板2に照射される光の照射範囲を制御するため、偏光レンズ、集束レンズ等を有する光学系を備えていてもよい。光源14から射出される光の波長は後述する。
【0020】
また、表面平坦化装置1は、第1実施形態において、チャンバ11内の気体を吸引するポンプ16と、チャンバ11内の圧力を検出する圧力センサ17と、圧力センサ17により検出されたチャンバ内圧に基づいて開閉するバタフライバルブ18とを備えており、これらにより、チャンバ11内の内圧の自動制御が実現可能とされている。
【0021】
次に、本発明に係る表面平坦化方法について説明する。
【0022】
本発明に係る表面平坦化方法は、レジスト被覆工程S1と、エッチング工程S2とを有する。
【0023】
レジスト被覆工程S1では、図3(a)、図4に示すように、基板2の表面2aにレジスト5を被覆させる。このとき、基板2の表面2aの凸部3が露出するようにレジスト5を被覆させる。このように基板2の凸部3が露出するようにレジスト5を被覆させるうえでは、例えば、スピンコート法が用いられる。スピンコート法では、基板2の表面2aに液状のレジスト5を滴下し、基板2を回転させることで遠心力により基板2の表面2aの全体にレジスト5が塗布される。このとき、基板2の回転数、液状のレジストの粘度等を調整することにより、凸部3が露出するようなレジスト5の膜厚に調整する。レジスト5の膜厚は、例えば、3nm〜10nm程度に調整される。これにより、基板2の表面2aの全面に亘り均一な膜厚のレジスト5を被覆させつつ、レジスト5の膜厚以上のサイズの凸部3を露出させることが可能となる。レジスト5は、エッチングガスによりエッチングされない材料を選定し、例えば、Si含有レジスト等が用いられる。
【0024】
また、基板2の凸部3が露出するようにレジスト5を被覆させるうえでは、スピンコート法とともに蒸着法を利用して、Cr等の金属膜を蒸着させることとしてもよい。この場合、まず、スピンコート法により基板2の凸部3が露出するようにレジスト5を被覆させ、続いて、真空蒸着等によりレジスト5の表面及び基板2の露出部4の表面にCr等の金属膜を堆積させる。最後に、レジスト5に対して不溶かつ基板2を溶解する溶液(フッ酸緩衝溶液)等により基板2の露出部4に堆積された金属膜のみ除去する。これにより、Cr等の金属膜から基板2の凸部3を露出させることが可能となる。
【0025】
エッチング工程S2では、まず、エッチング処理すべき基板2をステージ13に載置する。続いて、チャンバ11内を密閉状態に保持し、所定圧力、所定温度に制御する。続いて、ガス供給管12からエッチングガスを供給する。
【0026】
ここで、エッチング工程S2では、図3(b)に示すように、エッチングガス雰囲気中において次に説明するような二つの条件を満足する波長の伝搬光を光源14から基板2の表面2aに照射する。
【0027】
伝搬光の波長は、まず第一の条件として、エッチングガスのガス分子6の吸収端波長より長波長とする。これは、基板2の表面2aから離れた気相中でのエッチングガスのガス分子6の解離を防止しつつ、光源14から射出された伝搬光を基板2の表面2aにまで到達させるためである。
【0028】
また、伝搬光の波長は、第二の条件として、基板2の露出部4の表面において、照射している伝搬光によりエッチングガスのガス分子を断熱過程を経て解離させることのできるような波長とする。この点について更に説明する。
【0029】
図5は、エッチングガスのガス分子の原子核間距離に対するポテンシャルエネルギーの関係について示している。
【0030】
エッチングガスにより基板2の表面をエッチングするうえでは、エッチングガスのガス分子を構成する複数の原子を解離させてラジカルを生成する必要がある。このガス分子を構成する複数の原子を十分に引き離すためのエネルギーが解離エネルギーEbに相当する。
【0031】
ここで、光の照射によりガス分子を解離させるうえでは、断熱過程、非断熱過程(フォノン援用過程)の何れかを経ることになる。
【0032】
断熱過程とは、ガス分子の電子の基底準位と励起準位とのエネルギー差Ea以上の光エネルギーをもつ伝搬光を照射することにより、ガス分子の電子を基底準位から励起準位に直接励起させる過程をいう。電子が励起準位に励起されたガス分子は、図に示すような方向Pに解離させることが可能となる。
【0033】
非断熱過程とは、近接場光によりガス分子を振動準位へ励起させて、これにより、ガス分子を解離させる過程をいう。このとき、非断熱過程は、ガス分子が複数の振動準位を介して励起準位にまで多段階的に励起される過程S1と、解離エネルギーEb以上のエネルギー準位の振動準位まで直接又は多段階的に励起される過程S2との何れかに分類される。解離エネルギーEb以上のエネルギー準位又は励起準位まで励起されたガス分子は、解離させることが可能となる。
【0034】
断熱過程と非断熱過程とは、図6に示すような、原子同士の結合をバネで置き換えたモデルにより考えることができる。
【0035】
一般に、伝搬光の波長は分子の寸法に比べると遥かに大きいため、分子レベルでは、伝搬光の照射により空間的に一様な電場が発生するものと考えることができる。このとき、ガス分子中の複数の電子は、図6(a)に示すように、伝搬光の照射により同振幅、同位相で振動することになる。また、ガス分子中の原子核は電子と比べて重いため、この電子の振動には追従することがない。この結果、伝搬光の照射により、電子のみが振動して原子核が振動しないことになる。このような、ガス分子の励起過程に分子振動が関わらないものが断熱過程に相当する(非特許文献1参照。)。
【0036】
一方、近接場光はその空間的な電場勾配が物体表面から離れるにつれて急峻に低下するため、分子レベルでは、空間的に不均一な電場が発生するものと考えることができる。このとき、ガス分子中の複数の電子は、図6(b)に示すように、近接場光の照射により異なる振動をすることになる。また、この複数の電子の振動により、原子核も振動することになる。この結果、ガス分子を振動準位に励起させることが可能となる。これが非断熱過程に相当する。このような、ガス分子の励起過程に分子振動に関わるものが非断熱過程に相当する。
【0037】
本発明に係る表面平坦化方法では、エッチング処理の対象となる凸部3のサイズが少なくとも10nm以上とされており、凸部3の表面に伝搬光を照射することにより発生する近接場光の電場強度が比較的小さい。このため、エッチングガスにより基板2の表面をエッチングするうえで、エッチングガスのガス分子を非断熱過程を経て解離させていたのでは、処理時間の過度の増大を招いてしまう。そこで、本発明においては、断熱過程を経てガス分子を解離させることとしている。
【0038】
このとき、光源14からは、上述の通り、ガス分子の吸収端波長より長波長の光を照射しているので、気相中ではガス分子が解離しない。しかしながら、基板2の表面にガス分子が吸着した場合、図7に示すように、基板2とガス分子との相互作用によりガス分子にエネルギーが与えられ、ガス分子の励起準位が方向Qに示すように小さくなり、基底準位から励起準位までのエネルギー差が小さくなる。このため、基板2の表面においては、ガス分子の吸収端波長より長波長の伝搬光を照射していても、基板2の表面に吸着しているガス分子を断熱過程を経て解離させることが可能となる。
【0039】
このとき、基板2の露出部4の表面に吸着しているガス分子を断熱過程を経て解離させるうえでは、エッチングガスのガス分子の解離エネルギーをEbとしたときに、0.5×Eb以上の光エネルギーを有する波長の光を照射することが好ましい。これにより、基板2の露出部4の表面に吸着しているガス分子を断熱過程を経て解離させることが可能となる。ただし、この場合、基板2の露出部4の表面において断熱過程を経て解離されるガス分子は確率的に僅かなものであるので、エッチング速度を増大させるうえでは、照射する伝搬光の光強度を増大させておく。また、基板2の表面に吸着しているガス分子を断熱過程を経て解離させるうえでは、エッチングガスの吸収端波長をλ1としたときに、λ1超(λ1+λ1/10)以下の波長の光を照射するようにすれば、エッチング速度を更に増大させることが可能となる。
【0040】
このような現象を実現するための波長の一例を挙げると、例えば、エッチングガスのガス分子としてCl2を用いる場合、Cl2のガス分子の吸収端波長が400nmであることから、これより長波長である403nm、408nm等の波長の伝搬光を照射すればよい。このような波長は、InGaNレーザ等から射出される。
【0041】
エッチング工程S2において、露出部4のエッチングをある程度進めたら、光源14からの光の照射を終了する。続いて、基板2の表面のレジスト5を剥離液等により除去して、一連の作業を終了する。
【0042】
以上によれば、近接場光によるエッチングが困難なサイズの凸部3でも光の照射により選択的にエッチングすることが可能となる。また、そのようなサイズの凸部3をCMPを利用することなく光の照射により選択的にエッチングすることが可能となるので、CMPを利用するときに必要となる酸化セリウムが不要となり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0043】
このような効果は、CMPを利用することが必要となっていた記録媒体用基板の製造工程において特に顕著に発揮される。即ち、記録媒体用基板の製造工程では、基板表面を粗研磨するラッピング工程と、基板の内周面及び外周面を研削して面取りするチャンファ加工工程と、基板の表面をCMPする研磨工程とを実行することとしていた。しかし、CMPを利用する研磨工程の代替として上述の方法を利用することにより、記録媒体用基板の製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0044】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【符号の説明】
【0045】
1 表面平坦化装置
2 基板
3 凸部
4 露出部
5 レジスト
6 ガス分子





【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に形成された凸部をエッチングするための基板の表面平坦化方法において、
前記凸部が露出するように前記基板の表面にレジストを被覆させるレジスト被覆工程と、
エッチングガス雰囲気中において当該エッチングガスのガス分子の吸収端波長より長波長の伝搬光を前記基板に照射し、前記凸部のレジストからの露出部の表面において、前記照射した伝搬光により前記ガス分子を解離させることによって前記露出部をエッチングするエッチング工程とを有すること
を特徴とする基板の表面平坦化方法。
【請求項2】
前記エッチング工程では、前記ガス分子の吸収端波長より長波長であり、前記ガス分子の解離エネルギーをEbとしたときに、0.5×Eb以上の光エネルギーを有する波長の光を前記基板に照射すること
を特徴とする請求項1記載の基板の表面平坦化方法。
【請求項3】
前記エッチング工程では、前記ガス分子の吸収端波長をλ1としたときに、λ1超(λ1+λ1/10)以下の波長の光を前記基板に照射すること
を特徴とする請求項1記載の基板の表面平坦化方法。
【請求項4】
前記凸部は少なくとも5nm以上のサイズであること
を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の基板の表面平坦化方法。
【請求項5】
前記レジスト被覆工程では、スピンコート法により前記凸部が露出するように前記基板の表面にレジストを被覆させること
を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の基板の表面平坦化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−160487(P2012−160487A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17123(P2011−17123)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(511026223)特定非営利活動法人ナノフォトニクス工学推進機構 (4)
【Fターム(参考)】