説明

基板への塗料塗布又は/及び充填方法と塗料塗布又は/及び充填装置

【課題】 従来の基板への塗料の塗布又は/及び充填装置は、連続作業が難しかったり、塗膜の厚さが不均一となったりすることがあった。
【解決手段】 基板を横向き或は縦向きで搬送し、横向きで搬送された基板は縦向きに起立させてから吊り具で吊り下げ、縦向きで搬送された基板はそのまま吊り具で吊り下げ、吊るした基板を降下させてから引き上げ、引き上げ中に回転塗布ロールで塗料を基板に塗布したり基板のホールに充填したりし、基板の余分な塗料をスキージで掻き落としたり均したりする。スキージの接触面を幅広くして、基板の塗料を均一に均すことができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエポキシ樹脂、アクリル樹脂といった各種塗料を、フィルムとか基板(以下両者を合わせて「基板」という)の表裏面の片面又は両面に塗布することができる基板への塗料の塗布又は/及び充填方法と塗料塗布又は/及び充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板の材質は用途によっても異なるが、たとえば、通信機用、事務機用、家電機器用といった各種電子機器用の基板には、ベークライト製、フェノール製、ガラスとエポキシからなるガラエポ製、ポリアミドイミド製といった各種材質製のものがある。また、基板には単層のものや積層のもの、リジッドのものやフレキシブルなもの等もある。電子機器用基板の場合、そのスルーホール、有底ホール、微細なピンホール等に塗料を充填してそれらホールを埋めたり、基板に絶縁膜(レジスト膜)を形成したりするために塗料を基板に塗布したりすることが従来から行なわれている。
【0003】
基板への塗料塗布、充填装置としては従来から様々な装置が開発されている。例えば、図7(a)に示すように、回転機構Rと、補助コンベヤーFと、一対のロールP、Qとが設けられた塗料塗布装置がある。この塗布装置は、搬送された基板Aが回転機構Rに送り込まれると、シリンダEにより搬送コンベヤーBが組み込まれたベースCを軸Dを中心に横向きから縦向きへ90°起立させ、起立させた基板Aを補助コンベヤーFとの間に挟着し、両コンベヤーB、Fの回転により基板Aを対向する二つ一対の回転塗布ロールP、Q間に上昇させると共に吊り具Kによって引き上げ、その上昇中に回転塗布ロールP、Qで基板Aの表裏両面に塗料を塗布するようにしてある。補助コンベヤーFはシリンダGの作動により矢印方向に往復移動可能とし、ロールPは固定され、ロールQはシリンダHの作動により水平方向に往復移動可能としてある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第3093971号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7(a)に示す塗料塗布装置には次のような課題がある。
(1)二つのロールP、Qのうち、一方のロールPが固定で、他方のロールQだけが動作可能であるため、基板Aを上昇させて両ロールP、Q間に送り込むときに、図7(b)のように両ロールP、Qの中間に送り込んでから、可動ロールQを固定ロールPに押し付けると基板Aが湾曲してしまい、基板Aの表裏両面に塗料を均一に塗布することができない。
(2)前記湾曲を防止するためには図7(c)のように基板Aを固定ロールPに沿って上昇させればよいが、そのようにすると、基板Aの先端角部が固定ロールPの底面或いは側面に突き当たることがあり、固定ロールPが損傷する一因となる。
(3)図7(a)のように、塗料塗布後の基板Aを吊り具Kによって吊り上げて、その吊り具Kで吊ったまま次の乾燥工程まで基板Aを搬送するので、その搬送中、次の塗料塗布を行なうことができず、作業効率が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は基板の両面に同時に塗料の塗布ができ、塗料の厚さムラがほとんど無い塗膜を形成でき、基板の有底ホールやスルーホールに塗料を充填することもでき、塗料の塗布、充填時に基板が湾曲しにくく、塗布ロールが傷つかず、多くの工程を自動的に連続作業ができ、効率の良い基板への塗料の塗布、充填方法と、塗料の塗布又は/及び充填装置を提供するものである。
【0007】
請求項1記載の基板への塗料塗布又は/及び充填方法は、基板を引き上げるか降下させるかし、前記引き上げ又は降下中に基板の表裏面の片面側又は両面側に配置された回転塗布ロールで基板の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填し、その基板の余分な塗料を基板の表裏面の片面側又は両面側に配置されたスキージで掻き落とすか又は/及び均すかする方法である。
【0008】
請求項2の基板への塗料塗布又は/及び充填方法は、基板を搬送し、搬送した基板を引き上げるか降下させるかし、前記引き上げ又は降下中に基板の表裏面の片面側又は両面側に配置された回転塗布ロールで基板の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填し、その基板の余分な塗料を基板の表裏面の片面側又は両面側に配置されたスキージで掻き落とすか又は/及び均すかする方法である。
【0009】
請求項3記載の基板への塗料塗布又は/及び充填方法は、基板をその表裏面を上下にした横向きで搬送し、搬送された基板を縦向きに起立させ、起立させた基板を吊り下げ、吊り下げた基板を水平回転させて向きを変えて、又は向きを変えずに、基板の表裏面の片面側に配置された回転塗布ロールの横を降下させ又は両面側に配置された回転塗布ロール間を降下させ、降下させた基板を引き上げながら、その基板の片面または両面に回転塗布ロールで塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填し基板の表裏面の片面側又は両面側で回転塗布ロールの上方に配置されたスキージにより、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかする方法である。
【0010】
請求項4記載の基板への塗料塗布又は/及び充填方法は、基板をその表裏面を側方に向けた縦向きで搬送し、搬送された基板を吊り下げ、吊り下げた基板をその表裏面の片面側に配置された回転塗布ロールの横を降下させ、又は両面側に配置された回転塗布ロール間を降下させ、降下させた基板を引き上げながら、その基板の片面または両面に回転塗布ロールで塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填し、基板の表裏面の片面側又は両面側で回転塗布ロールの上方に配置されたスキージにより、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかする方法である。
【0011】
請求項5記載の基板への塗料塗布又は/及び充填方法は、前記いずれかに記載の基板への塗料塗布又は/及び充填方法において、スキージの幅のある平面状の接触面を基板に当てる方法である。
【0012】
請求項6記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、基板を吊り下げて引き上げることのできる吊り具と、吊り具の下方に設けられて引き上げ中の基板に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、回転塗布ロールの上方に設けられて基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、回転塗布ロールは基板の表裏両面側又は片面側に設けられ、表裏両面側に設けられた回転塗布ロールは基板を挟むように基板に接近したり戻ったりし、スキージも基板の表裏両面側又は片面側に設けたものである。
【0013】
請求項7記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、基板を搬送する搬送体と、搬送された基板の上端部を保持して基板を吊り下げる吊り具と、吊り具を水平方向に回転させて吊り下げた基板の向きを変えて、又は向きを変えずに、基板を回転塗布ロールの上方まで移動させる吊り具移送体と、吊り具から前記基板を引き継いで当該基板を降下させてから上昇させる昇降装置と、基板の表裏面の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、回転塗布ロールの上方に配置されて、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、前記回転塗布ロールとスキージとは基板に接近する方向と基板から離れる方向に往復移動可能としたものである。
【0014】
請求項8記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、基板をその表裏面を上下にした横向きで搬送する搬送体と、搬送された基板を引き継いで縦向きに起立させ、起立させてから起立前の倒伏状態に戻る起立装置と、起立させた前記基板の上端部を保持して基板を吊り下げる吊り具と、吊り具を水平方向に回転させて吊り下げた基板の向きを変えて、又は向きを変えずに、基板を回転塗布ロールの上方まで移動させる吊り具移送体と、吊り具から前記基板を引き継いで当該基板を降下させて引き戻す昇降装置と、基板の表裏面の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、回転塗布ロールの上方に配置されて、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、前記回転塗布ロールとスキージとは基板に接近する方向と基板から離れる方向に往復移動可能とした。
【0015】
請求項9記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、基板をその表裏面を側方に向けた縦向きで搬送する搬送体と、搬送された基板の上端部を保持して基板を吊り下げる吊り具と、基板を回転塗布ロールの上方まで移動させる吊り具移送体と、吊り具から前記基板を引き継いで当該基板を降下させて引き戻す昇降装置と、基板の表裏面の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、回転塗布ロールの上方に配置されて、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、前記回転塗布ロールとスキージとは基板に接近する方向と基板から離れる方向に往復移動可能とした。
【0016】
請求項10記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は前記スキージの基板への接触面を幅のある平面にしてある。請求項11記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は前記吊り具移送体の吊り具を前後に往復移動可能とすることもできるようにしてある。請求項12記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は前記吊り具移送体を水平方向に所望角度ずつ間欠回転可能とすることもできる。請求項13記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は回転塗布ロールよりも下方に、降下する基板を支持する支持具を設けることもできる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1〜請求項5記載の基板への塗料塗布又は/及び充填方法は次のような効果がある。
(1)基板を引き上げるときに塗料を回転塗布ロールで塗布したり、基板のホールに充填したりするので、基板の表裏両面に同時に確実に塗料の塗布、充填ができる。
(2)塗料塗布時、充填時に基板が湾曲しにくいため、塗料を均一厚に塗布し、ホールに確実に充填することができ、塗布ロールが傷付くこともほとんど無い。
(3)基板を吊り下げて搬送するので、吊り下げたまま他の工程に引き継ぐことができ、コンベアで搬送する場合よりも基板の方向転換が容易になり、各種作業を連続して行い易くなり、作業効率が向上する。
(4)基板を吊り下げて搬送するので、搬送コンベアを設置する必要が無く、空中での作業ができるので、作業や装置の設置場所が狭くてすみ、省スペース化ができる。
(5)基板に塗布された余分な塗料をスキージで掻き落とすか均すかするため、基板に均一厚の塗膜を形成することができる。また、塗料を基板のホールに確実に充填することもできる。
(6)基板を横向きで搬送する場合は、搬送されてくる基板を縦向きに起立させてから吊り下げることができるので、吊り下げ後は前記(1)〜(5)と同様の効果がある。
(7)基板を縦向きで搬送する場合は、搬送されてくる基板をそのまま吊り下げることができるので、基板を横向きで搬送する場合のように基板を起立させる工程が不要になり、作業が簡略化され、吊り下げ後は前記(1)〜(5)と同様の効果がある。
(8)スキージの幅のある平面状の接触面を基板に当てる場合は、基板に形成される塗膜が、スキージの幅のない尖鋭なエッジで塗料を掻き落とす場合よりも、基板全面に均一厚の塗膜を形成し易い。
【0018】
請求項6〜請求項13記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は次のような効果がある。
(1)基板を吊り下げて引き上げることのできる吊り具と、吊り具の下方に設けられて引き上げ中の基板に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、回転塗布ロールの上方に設けられて基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、回転塗布ロールは基板の表裏両面側又は片面側に設けられたので、吊り具で基板を吊り下げて引き上げる間に塗料を基板の表裏両面又は片面に塗布したり、塗布と同時に基板のホールに充填することができる。このため、基板を搬送するコンベア等の搬送体が不要となり、簡易なシステムで塗料の塗布、充填を行うことができる。
(2)前記回転塗布ロールとスキージは、基板を挟む方向と基板から離れる方向に往復移動可能としたので、回転塗布ロールの間及びスキージの間で基板を通過させる位置の調節がし易くなり、基板を強く挟み過ぎて基板が湾曲することがない。また、二本一対の回転塗布ロール及びスキージを基板の表裏面に均一に当てることができるため、均一な厚さの塗膜を基板の両面に形成することもできる。また、基板を回転塗布ロール間に送り込む際に、基板の端部が回転塗布ロールに当たることがなく、回転塗布ロールを傷つけることもないため、基板に均一な厚さの塗膜を形成することができる。
(3)回転塗布ロールの上方で基板の表裏両面側又は片面側にスキージが設けられているので、基板に塗布された余分な塗料をスキージで掻き落として基板の塗料膜の厚さを均一にすることができる。
【0019】
(4)請求項7記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、基板を搬送する搬送体と、搬送された基板の上端部を保持して基板を吊り下げる吊り具を備えているので、前記効果の他に、搬送体で搬送してきた基板を吊り具で吊り下げて前記の場合と同様に塗料の塗布、基板のホールへの塗料の充填ができる、という効果もある。
(5)請求項8記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、横向きで搬送されてきた基板を縦向きに起立させ、起立させてから起立前の倒伏状態に戻る起立装置を備えているので、前記効果の他に、基板を横向きで搬送しても吊り下げて塗料の塗布、充填を行なうことができる。また、狭いスペースで基板の搬送や方向転換を行なうことができるので、搬送体、回転塗布ロール、スキージ等を小さい室内、ケース内等に配置して装置を小型化することもできる、という効果もある。
(6)請求項9記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、搬送体が基板をその表裏面を側方に向けた縦向きで搬送できるようにしたので、前記効果の他に、搬送体で搬送されてきた基板を、そのまま吊り具で吊り下げることができるため、基板を横向きで搬送する搬送体の場合の起立装置が不要となるため、装置の構成が簡潔になり、小型化できる、という効果もある。
(7)請求項10記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、スキージの基板への接触面を幅のある平面にしたので、前記効果の他に、基板に塗布された塗料を均一に均し易く、基板に均一厚の塗膜を形成し易い、という効果もある。
【0020】
(8)請求項11記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、吊り具移送体の吊り具が前後に往復移動可能であるため、前記効果の他に、吊り具移送体は固定でも、吊り具で吊り下げた基板を前後に移動することができ、小型、簡潔な構成で基板の移動を行なうことができる、という効果もある。
(9)請求項12記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、吊り具移送体が水平方向に所望角度ずつ間欠回転可能であるため、前記効果の他に、吊り具移送体は固定でも、吊り具で吊り下げた基板を回転させることができ、小型、簡潔な構成で基板の向きの変更を手軽に行なうことができる、という効果もある。
(10)請求項13記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、回転塗布ロールよりも下方に、降下する基板を支持する支持具を備えたので、前記効果の他に、降下する基板の降下位置決めができる。また、吊り具から基板を離して基板を回転塗布ロールの間に降下させても基板が必要以上に降下せずに所定位置で停止するので、基板の上端部まで回転塗布ロール間に降下させて、基板の上端部まで回転塗布ロールで塗料を塗布することができる。吊り具から基板が離れた場合は、基板を吊り具で引き上げることができないが、基板は回転塗布ロールの回転で押し上げ可能であるため、基板が回転塗布ロールの上方まで送り出されてから基板の上部を吊り具で挟着して引き上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施形態1)
本発明の基板への塗料塗布又は/及び充填方法及びその塗布又は/及び充填装置の一例を図1〜図3に基づいて説明する。この実施形態の塗布又は/及び充填装置は、搬送体2と、起立装置3と、吊り具4を備えた吊り具移送体5と、昇降装置6と、一対の回転塗布ロール7と、一対のスキージ8と、支持具9とを備えたものである。この装置によって基板1の両面にエポキシ樹脂、アクリル樹脂といった各種塗料を塗布することができる。また、基板1の両面のスルーホール、有底ホール、微細な穴(ピンホール)に塗料を充填してそれらの穴を埋めることもできる。前記基板1は、薄いフィルムや基板を積層した積層基板であっても、一枚の単層基板であっても、フレキシブルなものでも、リジットなものでもよい。
【0022】
前記搬送体2は、図1、図2に示すように、多数本のローラーを所定間隔で配置してなるローラーコンベアであって、図中矢印A方向に向かって、基板1をその表裏面が上下になる横向きにして搬送するものである。本発明の搬送体2はローラーコンベアに限られず、ベルトコンベア、チェーンコンベア等、任意の搬送体を用いることができる。搬送体2は運転と停止を自在に切り換えられるようにしてある。搬送体2の終端部分にはそれで搬送された基板1を係止するためのストッパーを備えることができる。また、搬送体2には、サイドストッパー等の位置決め機構を備えて搬送された基板1の位置決めを行うこともできる。
【0023】
前記起立装置3は、図1、図2に示すように、柱11と、柱11に備えられた複数本の支持体12と、クランプ13とを備え、搬送体2に埋め込まれている倒伏状態から、90°起立することができるものである。倒伏状態の起立装置3は、図中の搬送体2の終端部に埋め込まれて収容されている。搬送体2中、柱11が埋められた部分のローラーは、切り欠いてあり、柱11を収容できるようにしてある。支持体12は、各ローラー間の隙間に収容されている。起立装置3には、搬送された基板1を引き継いで縦向きに起立させるために保持するクランプ13が備えられている。起立装置3は、クランプ13が基板1を保持すると、柱11を90°起立させることができるようにしてある(図中矢印B参照)。起立状態の起立装置3は、クランプ13によって基板1を縦向きにした状態で保持できるようにしてある。また、起立装置3には、搬送された基板1を係止するためのストッパーを設けて、ストッパーによって係止された基板1をクランプ13によって保持するようにすることもできる。また、起立装置3は、起立させた基板1を、クランプ13による保持を解除して取り外すと、起立前の倒伏状態に戻るようにしてある。起立装置3の形状は、図に示す柱11と支持体12に拠るものには限られず、搬送された基板1を起立させられれば、任意の形状とすることができる。
【0024】
前記吊り具移送体5は、図1、図2に示すように、四組の吊り具4を、移送体の本体の外周面に90°間隔で水平方向に備えている。本実施形態の吊り具移送体5は水平方向に90°ずつ間欠回転し、各吊り具4の向きを90°ずつ変えることができる(図中矢印C、H参照)。吊り具移送体5に備えられる吊り具4の組数や、一回での回転角度や、回転の速度等は任意とすることができる。
【0025】
前記吊り具4は、図1、図2に示すように、アーム部14とクランプ部15とからなる。クランプ部15は、基板1を挟んで保持することができるようにしてある。クランプ部15によって、前記起立装置3によって縦向きに起立させた基板1の上端部を保持して吊り下げることができる。また、アーム部14は水平方向前後に伸縮させてクランプ部15を前後移動させることができ、クランプ具15によって保持した基板1を送り出したり、引き戻したりすることができる(図中矢印D、G、I参照)。また、アーム部14を、上下左右に揺動可能とすることもできる。
【0026】
前記昇降装置6は、図1、図2に示すように、基板1を挟んで保持可能なクランプ部材である。昇降装置6は、前記一対の回転塗布ロール7の間及び一対のスキージ8の間を鉛直方向に自在に昇降させることができる(図中矢印E、F参照)。従って、前記アーム部14を伸ばした吊り具4に保持された基板1の上端部を保持して、吊り具4から基板1を引き継ぎ、昇降させることができる。
【0027】
前記回転塗布ロール7は塗料を基板1に塗布するためのロールであり、図1〜図3(a)(b)に示すように、基板1を表側と裏側から挟着できるように二本を一組として、前記昇降装置6の下方に配置されている。図に示すように、二本の回転塗布ロール7は、お互いに接近又は離間する方向に動作可能に設けられ、基板1を両側から挟むことができるようにしてある。図3(a)に示すように、基板1を保持した昇降装置6が下降する時は、二本の回転塗布ロール7は互いに離され、二本の回転塗布ロール7間に基板1を通過させる。その後、図3(b)に示すように、二本の回転塗布ロール7は互いに接近して最下部まで下降した基板1を挟着し、矢印方向に回転してその回転によって上昇させるとともに塗料を基板1の両面に塗布することができる。上端部への塗料の塗布が完了した基板1は、回転塗布ロール7の回転によって上昇させると同時に、その上端部を前記昇降装置6によって保持して上昇させることができる。また、二本の回転塗布ロール7中の一本を固定して、他の一本を、回転塗布ロール7同士が接近又は離間する方向に動作可能に設けることもできる。また、二本の回転塗布ロールを、上下方向にずらして配置することも可能である。また、回転塗布ロール7は、図に示す一対には限られず、複数対備えることも可能である。回転塗布ロール7はその表面に例えば断面がV形又はU形の螺旋溝や単溝を設けた溝有りタイプ、又は溝のない溝無しタイプのいずれのタイプのものを用いても良い。回転塗布ロール7は弾力のあるゴムロールを用いるのが適しているが、素材はゴムに限らず樹脂や金属など任意に選択しても良い。回転塗布ロール7に加える圧力としては1〜100kg/cm2程度が好ましいが、この範囲に限定されることなく任意に選択することができる。回転塗布ロール7は基板1の表裏面のいずれか一方の面(塗料塗布面)側にだけ配置することもできる。その場合は、基板と反対側の回転塗布ロール7と対向する位置に支持材(図示せず)を配置して、基板1に塗料を塗布するときに回転塗布ロール7と支持材とで基板を挟むことができるようにしておく。
【0028】
前記スキージ8は基板1の両面に塗布された余分な塗料を掻き落としたり、均一厚に均したりするものであって、図3(a)(b)に示すように基板1を挟着できるように二本を一組として、前記回転塗布ロール7の直上に配置されている。二本のスキージ8はお互いに接近又は離間する方向に動作可能に設けられ、基板1を両側から挟むことができるようにしてある。図3(a)に示すように基板1を保持した昇降装置6が下降する時は、二本のスキージ8は互いに離され、二本のスキージ8間に基板1を通過させる。その後、図3(b)に示すように、基板1を保持した昇降装置6が上昇し、二本の回転塗布ロール7が基板を挟着して塗料を基板1の両面に塗布する時は、二本のスキージ8は互いに接近して基板1を挟着し、基板の両面に塗布された塗料を均すことができる。また、塗料を基板の両面のスルーホール、有底ホール、微細な穴に充填してそれらの穴を埋めることもできる。スキージ8は薄板を斜めに配置してその先端角部(エッジ)が基板1に接触(線接触)するようにしてあるが、図3(c)に示すように肉厚の板にして接触面8aを幅のある平面状にし、その接触面8aが基板1に直交状に接触(面接触)するようにすることもできる。面接触の場合は線接触の場合よりも、基板1の余分な塗料を均一厚に均すことができる。スキージ8の形状は図示した以外の任意形状とすることができる。スキージ8は金属製、樹脂製、ウレタン製、セラミックス製等とするのが適しているが、これらに限定されずに任意の材質とすることができる。また、二本のスキージ8中の一本を固定して、他の一本を、スキージ8同士が接近又は離間する方向に動作可能に設けることもできる。また、二本のスキージ8を、上下方向にずらして配置することも可能である。また、スキージ8は図に示す一対には限られず複数対備えることも可能である。また、基板1の表裏面のいずれか一方の面(塗料を掻き落としたり、均したりする面)側にだけ配置することもできる。その場合は、基板と反対側のスキージ8と対向する位置に支持材(図示せず)を配置して、基板の余分な塗料を掻き落としたり均したりするときにスキージ8と支持材とで基板を挟むことができるようにしておく。
【0029】
前記支持具9は、図1、図2に示すように、前記回転塗布ロール7の間を降下する基板1を支持するものであり、回転塗布ロール7の下方に備えられている。本実施形態の支持具9は、図に示すように、基板1を支持可能な樋状に形成されているが、支持具9の形状は、基板1の下端部を支持可能であれば、これには限られず任意の形状とすることができる。支持具9によって回転塗布ロール7の間を降下する基板1を支持するため、基板1が最下部まで降下した時、前記昇降装置6による保持を解除して、基板1の上端部から回転塗布ロール7を挟着させて塗料を塗布することができる。
【0030】
(使用例1)
本実施形態の基板への塗料塗布又は/及び充填装置を用いて基板1の両面に塗料を塗布するには、次のようにする。
1.搬送体2上に基板1を載せて、基板1を横向きにして搬送する(図1、図2中矢印A参照)。
2.搬送体2上を搬送された基板1を、起立装置3のクランプ13で保持する。
3.基板1を保持した起立装置3を90°起立させて、基板1を縦向きにする(図1、図2中矢印B参照)。
4.起立装置3の正面に位置した吊り具4によって、縦向きにされた基板1の上端部を保持して吊り下げ、吊り具移送体5によって、基板1を保持した吊り具4を水平方向に90°回転させて、基板1の向きを変える(図1、図2中矢印C参照)。
5.吊り具4のアーム部14を前方に伸ばして、向きを変えた基板1を回転塗布ロール7の上方へ送り出す(図1、図2中矢印D参照)。
6.送り出された基板1は、昇降装置6によって上端部を保持されて引き継がれる。
7.基板1を保持した昇降装置6を下降させ、互いに離された二本の回転塗布ロール7及びスキージ8の間に基板1を通過させる(図3(a)中矢印E参照)。
8.基板1を最下部まで下降させ、支持具9によって基板1を支持させ、昇降装置6の基板1の上端部の保持を解除する。
9.支持具9上に支持された基板1を、二本の回転塗布ロール7によって挟持する。このとき、二本の回転塗布ロール7は互いに接近して基板1を挟着し、矢印方向に回転しながら、その回転で基板1を上昇させると共に、塗料を基板1の両面に塗布する。また、回転塗布ロール7によって塗料を両面に塗布された基板1が回転塗布ロール7の回転によって上昇する時に、二本のスキージ8を互いに接近させて基板1を挟着し、基板の両面に塗布された塗料を均すことができる。また、塗料を基板の両面のスルーホール、有底ホール、微細な穴に充填してそれらの穴を埋めることもできる(図3(b)中矢印F参照)。上端部への塗料の塗布が完了した基板1は、回転塗布ロール7の回転によって上昇させると同時に、その上端部を昇降装置6によって保持して上昇させる。
10.もとの位置まで上昇した基板1は、再び吊り具4によって上端部を保持されて引き継がれる。
11.吊り具4のアーム部14を吊り具移送体5側に縮めて、基板1を引き戻す(図1、図2中矢印G参照)。
12.吊り具移送体5によって、基板1を保持した吊り具4を更に水平方向に90°回転させて、基板1の向きを変える(図1、図2中矢印H参照)。
13.吊り具4のアーム部14を前方に伸ばして、向きを変えた基板1を乾燥装置内に送り出し(図1、図2中矢印I参照)、乾燥装置内で基板1を引き渡す。
再度別の基板に塗料を塗布する場合は、前記1〜12の工程を繰り返し行う。
【0031】
(実施形態2)
本発明の基板への塗料塗布又は/及び充填装置の実施形態の他の一例について説明する。本実施形態の基板への塗料塗布又は/及び充填装置も、その基本的な構成態様は前記実施形態1に記載のものと共通するが、起立装置3が図4に示すような略風車形の形状である点において実施形態1とは異なる。本実施形態の起立装置3は、図4に示すように、複数本の支持体12が備えられた柱11が四本、夫々90°間隔で軸20に取付けられているものである。本実施形態の起立装置3は、軸20を中心に90°ずつ図中矢印方向に間欠回転されるものであって、搬送されてくる基板1を連続して起立させることができる。前記実施形態1と同様に、起立装置3には、搬送された基板1を引き継いで縦向きに起立させるために保持するクランプ13が備えられている。
【0032】
(実施形態3)
本発明における搬送体2は、図5のように、基板1をその表裏面が側方を向く縦向きにして搬送できるものであって、吊り具移送体5の側方を搬送させるものであってもよい。このようにすれば図1のように基板1を縦向きに直す工程や、縦向きにした基板を吊り具4で保持して吊り下げた後に吊り具4を水平方向に90°回転させる作業工程が必要無く、その作業工程を省くことができる。基板1を縦向きにして搬送する場合は基板1が倒れないようにするための支持材30を基板1の両側に配置しておく。この場合、支持材30は横倒しできるようにしてあり、横倒しにすれば、搬送体2で搬送されてきた基板1を吊り具4で吊り下げて、アーム部14を前方に伸ばしても支持材30が邪魔にならないため、アーム部14を前方に伸ばして基板1を次工程に移動する(搬送する)ことができる。この場合は、吊り具4を図5のように搬送体の前側方に配置して、搬送体2で搬送されてきた基板1を吊り具4でそのまま吊り下げ、アーム部14を前方に伸ばして、基板1を搬送体2と直交方向に搬送することができるようにしておく。
【0033】
(実施形態4)
本発明における搬送体2は、図6に示すように、基板1をその表裏面が上下になる横向きにして搬送できるものであって、吊り具移送体5の側方を搬送させるものであってもよい。この場合、搬送体2には起立装置(図示せず)が設けられ、搬送された基板1を縦向きに起立させることができるようにしてある。このようにすれば図1のように縦向きにした基板を吊り具4で保持して吊り下げた後に吊り具4を水平方向に90°回転させる作業工程が必要無く、その作業工程を省くことができる。また、この場合は、吊り具4を図6のように搬送体2の側方に配置して、搬送体2で搬送されて、起立装置によって縦向きに起立させられた基板1を吊り具4で吊り下げ、アーム部14を前方に伸ばして、基板1を搬送体2と直交方向に搬送することができるようにしてある。
【0034】
(実施形態5)
図示した実施形態はいずれも、吊り下げた基板を降下させてから引き上げ、その引き上げ中に基板に塗料を塗布したり、掻き落としたりするものであるが、本発明では吊り下げた基板を降下させる間に基板に塗料を塗布したり、掻き落としたりすることもできる。その場合は回転塗布ロールをスキージの上方に配置して、基板の降下中に回転塗布ロールで基板に塗料を塗布し、基板が更に降下すると、スキージにより基板の塗料が掻き落とされたり、均されたりする。基板がフレキシブルである場合は、基板の上端部を吊り下げると共に基板の下端部をクランプで把持して基板に張りをもたせなら(テンションを付与しながら)基板を降下させると、フレキシブルな基板でも変形しにくくなり、降下がスムースになり、基板への塗料の塗布や、塗料の均しや掻き落としが均一になり易い。塗料の塗布、掻き落とし、均し等の作業が終了したら基板を引き上げる。このとき、回転塗布ロール、スキージを基板から離して基板がスムースに引き上げられるようにするのは勿論である。
【0035】
(実施形態6)
図示した実施形態はいずれも、搬送体によって基板を搬送し、搬送された基板を吊り具が保持して吊り下げるものであるが、本発明の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、基板を吊り具に手で直接取り付けるようにすることも勿論可能である。
【0036】
(その他の実施形態)
基板の搬送体、回転装置、吊り具、吊り具移送体、昇降装置、塗布ロール、スキージ、支持具の各部品は、前記各図に示す形状のものには限られず、任意の形状とすることができる。それらの配置位置、向き、動き等も本発明の目的を達成できるように任意に変えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の基板への塗料塗布又は/及び充填装置は、基板への塗料塗布の他にも、種々の板状体への塗料等の塗布や、各種部品等への塗料等の塗布等に応用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の基板への塗料塗布又は/及び充填装置の実施形態の一例を示す斜視説明図。
【図2】図1に示す基板への塗料塗布又は/及び充填装置を他の角度から示した斜視説明図。
【図3】(a)〜(c)は、図1に示す基板への塗料塗布又は/及び充填装置によって基板に塗料を塗布する様子を示した説明図。
【図4】本発明の基板への塗料塗布又は/及び充填装置の実施形態の他の一例の一部を示す斜視説明図。
【図5】本発明の基板への塗料塗布又は/及び充填装置の実施形態の異なる例の一部を示す斜視説明図。
【図6】本発明の基板への塗料塗布又は/及び充填装置の実施形態の異なる例の一部を示す斜視説明図。
【図7】(a)〜(c)は、従来の基板への塗料塗布又は/及び充填装置を示す説明図。
【符号の説明】
【0039】
1 基板
2 搬送体
3 起立装置
4 吊り具
5 吊り具移送体
6 昇降装置
7 回転塗布ロール
8 スキージ
8a スキージの接触面
9 支持具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を吊るして引き上げるか降下させるかし、
前記引き上げ中又は降下中に、基板の表裏面の片面側又は両面側に配置された回転塗布ロールで基板の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填し、
前記基板の余分な塗料を基板の表裏面の片面側又は両面側に配置されたスキージで掻き落とすか又は/及び均すかすることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填方法。
【請求項2】
基板を搬送し、
搬送された基板を吊るして引き上げるか降下させるかし、
前記引き上げ中又は降下中に、基板の表裏面の片面側又は両面側に配置された回転塗布ロールで基板の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填し、
前記基板の余分な塗料を基板の表裏面の片面側又は両面側に配置されたスキージで掻き落とすか又は/及び均すかすることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填方法。
【請求項3】
基板をその表裏面を上下にした横向きで搬送し、
搬送された基板を縦向きに起立させ、
起立させた基板を吊り下げ、
吊り下げた基板を水平回転させて向きを変えて、又は向きを変えずに、基板の表裏面の片面側に配置された回転塗布ロールの横を降下させ又は両面側に配置された回転塗布ロール間を降下させ、
降下させた基板を引き上げながら、その基板の片面または両面に回転塗布ロールで塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填し、
基板の表裏面の片面側又は両面側で回転塗布ロールの上方に配置されたスキージで、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかすることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填方法。
【請求項4】
基板をその表裏面を側方に向けた縦向きで搬送し、
搬送された基板を吊り下げ、
吊り下げた基板をその表裏面の片面側に配置された回転塗布ロールの横を降下させ、又は両面側に配置された回転塗布ロール間を降下させ、
降下させた基板を引き上げながら、その基板の片面または両面に回転塗布ロールで塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填し、
基板の表裏面の片面側又は両面側で回転塗布ロールの上方に配置されたスキージで、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかすることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の基板への塗料塗布又は/及び充填方法において、スキージの幅のある平面状の接触面を基板に当てることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填方法。
【請求項6】
基板を吊り下げて引き上げることのできる吊り具と、
吊り具の下方に設けられて引き上げ中の基板に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、回転塗布ロールの上方に設けられて基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、
回転塗布ロールは基板の表裏両面側又は片面側に設けられ、
表裏両面側に設けられた回転塗布ロールは基板を挟むように基板に接近したり戻ったりし、
スキージも基板の表裏両面側又は片面側に設けられたことを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填装置。
【請求項7】
基板を搬送する搬送体と、
搬送されてくる基板の上端部を保持して基板を吊り下げる吊り具と、
吊り具により吊り下げられた基板を回転塗布ロールの上方まで移動させる吊り具移送体と、
吊り具から前記基板を引き継いで当該基板を降下させてから上昇させる昇降装置と、
基板の表裏面の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、
回転塗布ロールの上方に配置されて、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、
前記回転塗布ロールとスキージとは基板に接近する方向と基板から離れる方向に往復移動可能であることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填装置。
【請求項8】
基板をその表裏面を上下にした横向きで搬送する搬送体と、
搬送された基板を縦向きに起立させ、起立させてから起立前の倒伏状態に戻る起立装置と、
起立させた前記基板の上端部を保持して基板を吊り下げる吊り具と、
吊り具を水平方向に回転させて吊り下げた基板の向きを変えて、又は向きを変えずに、基板を回転塗布ロールの上方まで移動させる吊り具移送体と、
吊り具から前記基板を引き継いで当該基板を降下させて引き戻す昇降装置と、
基板の表裏面の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、
回転塗布ロールの上方に配置されて、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、
前記回転塗布ロールとスキージとは基板に接近する方向と基板から離れる方向に往復移動可能であることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填装置。
【請求項9】
基板をその表裏面を側方に向けた縦向きで搬送する搬送体と、
搬送された基板の上端部を保持して基板を吊り下げる吊り具と、
基板を回転塗布ロールの上方まで移動させる吊り具移送体と、
吊り具から前記基板を引き継いで当該基板を降下させて引き戻す昇降装置と、
基板の表裏面の片面又は両面に塗料を塗布又は/及び基板のホールに充填する回転塗布ロールと、
回転塗布ロールの上方に配置されて、基板に塗布された余分な塗料を掻き落とすか又は/及び均すかするスキージを備え、
前記回転塗布ロールとスキージとは基板に接近する方向と基板から離れる方向に往復移動可能であることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填装置。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置において、スキージの基板への接触面が幅のある平面であることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填装置。
【請求項11】
請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置において、吊り具移送体の吊り具が前後に往復移動可能であることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填装置。
【請求項12】
請求項6乃至請求項11のいずれかに記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置において、吊り具移送体が水平方向に所望角度ずつ間欠回転可能であることを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填装置。
【請求項13】
請求項6乃至請求項12のいずれかに記載の基板への塗料塗布又は/及び充填装置において、回転塗布ロールよりも下方に、降下する基板を支持する支持具を備えたことを特徴とする基板への塗料塗布又は/及び充填装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−846(P2006−846A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144187(P2005−144187)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(391052622)株式会社都ローラー工業 (19)
【Fターム(参考)】