説明

基板をコーティングするための蒸発装置

【課題】壁や他のスクリーンの設置を必要とすることなく、飛散が少しも基板に到達しない蒸発装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも1つの物質で複数の基板をコーティングするための蒸発装置であって、溶融区域と、蒸発区域と、溶融区域および蒸発区域の間に設けられ、両者を連結する加熱区域と、溶融区域および蒸発区域の各々を異なる温度に加熱する加熱装置とを有する少なくとも1つの坩堝を具備する蒸発装置である。加熱区域を介して溶融物質が溶融区域から蒸発区域内へ流入するようになっていて、加熱区域の温度は溶融区域の温度および蒸発区域の温度の間である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、少なくとも1つの物質で基板をコーティングするための蒸発装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気分解による方法とは別に、ある物質で基板をコーティングすることはスパッタリングまたは蒸発沈殿(蒸着)によってもなされ得る。この方法において生成される陰極層は、しばしばカソード物質を保護する役割を果たすが、単に装飾的または機能的な関連性を持つこともある。
【0003】
蒸着によって陰極層を形成することは、特に金属で基板をコーティングする際に非常に重要である。この方法において、金属がガス状に変化し、コーティングされる基板方向に移動して凝縮するように選択された温度でもって、その金属は坩堝内において溶融する。
【0004】
基板をコーティングするために、幾つかの蒸発ボートが退避スペースに配置された蒸発装置が知られている。これらの蒸発ボート内には、しばしば連続する工程において、蒸発させられる線状物質が導入される。この蒸気はコーティングされる基板上を上昇し、濃縮される。基板は、しばしば帯状で、蒸発ボート上に案内される。この蒸発装置の欠点は、不純物およびガス状成分により異なる蒸発圧力が生じるため、直接蒸発中に飛散が発生することである。この飛散は蒸発ボートの熱領域における溶融物の速い動きによっても発生する。さらに、ある程度不連続である線状物質の溶融は異なる蒸発速度を導く、何故なら異なる蒸発速度は線状物質のターゲット場所に依存するからである。
【0005】
特許文献1は、真空コーティング室内での帯状基板をコーティングするための蒸発装置を開示している。この蒸発装置に利用される複数の蒸発ボートは蒸発バンクを形成している。その蒸発ボートは帯状基板の走行方向に対して縦側に、そして互いに対して平行に、かつ、ほぼ等間隔で置かれている。
【0006】
通電によって加熱され、金属が蒸発せしめられる複数の坩堝からの蒸発速度を調節するための装置が特許文献2から知らされる。この場合、蒸発速度の調節は電気抵抗加熱システムを介してなされる。全体の電気抵抗は、坩堝の電気抵抗および坩堝内の物質の電気抵抗から生じる。
【0007】
特許文献3に、蒸発坩堝と流入関係にある溝内に線状物質が挿入された蒸発装置が更に知られている。線状物質の溶融中に、異なる蒸発圧力および不純物ならびにガス状成分が、基板に届く飛散の発生に導く。これを避けるために、溝の上に冷却スクリーンまたはカバーが設けられる。こうすることにより、蒸発坩堝からの物質の上昇によってだけ基板が確実にコーティングされることである。
【0008】
さらに他の蒸発ボードが知られており、それには第1の区域および第2の区域の間に壁状のスクリーンが設けられている。この壁は、金属の溶融中に発生した飛散がコーティングされる基板に到達することを防ぐように意図されている。(特許文献4、特許文献5参照)
最後に、溶融区域、蒸発区域、ならびに、これら両区域の間の連結部を具備するもう1つの蒸発装置が知られている。(特許文献6、特許文献7参照)
【特許文献1】DE 40 27 034 C1
【特許文献2】DE 44 04 550 C2
【特許文献3】DE 34 28 651 A1
【特許文献4】US 3,467,058
【特許文献5】EP 0 430 210 B1
【特許文献6】US 3,020,177 A
【特許文献7】EP 1 327 699 A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の根本的課題は、物質とりわけ金属でもって基板をコーティングするための蒸発装置を提供することであり、特に、壁や他のスクリーンの設置を必要とすることなく、飛散が少しも基板に到達しない蒸発装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1に記載の特徴的態様により解決される。
【0011】
それ故、本発明は、各区域が異なる温度に加熱される少なくとも3つの区域に分けられた坩堝を備える蒸発装置に関する。第1の区域は溶融区域であり、第2の区域は加熱区域であり、第3の区域は蒸発区域である。この蒸発装置は、好ましくは金属の蒸発のために適している。金属が蒸発せしめられる時、金属の線状物質は溶融区域内に好適に案内される。しかし、異なる物質からなる1つ若しくは幾つかの金属線が溶融区域内に導かれることによって、金属合金もまた蒸発せしめられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によって達成される利点は、たとえば有機発光ダイオード(OLED)や合成フィルムの有機基板上に質的に高水準の陰極層を形成するために、飛散のない、しかも、優れた均一性の蒸発速度が達成される。これは、飛散のない陰極層が良好な均一性でもって、かつ、低い放射負荷のもとに極薄フィルム上に形成されなければならない、たとえば、コンデンサの製造において重要なことである。また、加熱された坩堝上の線状物質のターゲットポイントは蒸発速度にとって重要でないので、線状物質の正確な案内に関する要求を行う必要がない。溶融区域内においては蒸発区域より低い温度を得るので、線状物質の案内もまた低い熱負荷と低い蒸発沈殿のもとになし得る。溶融区域および蒸発区域に分けることを通して、汚れや酸化物層を蒸発区域から大きく離すことができる。蒸発される液状物質がゆっくり動くので、坩堝の寿命が増大する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照しながら本発明を更に詳細に説明する。
【0014】
図1は、3つの区域を具備する坩堝6を有する蒸発装置の斜視図を示している。第1の区域2、所謂、溶融区域には、溶融された状態の蒸発せしめられる物質が導入されている。この物質が金属である場合には、線状物質3が溶融区域2の中に導入される。
【0015】
線状物質3は、たとえば特許文献4においては、巻き枠上にあり、連続的に溶融区域2の中に導入される。合金が基板上に付着せしめられる場合には、この合金からなる線状物質3か、または、各々がその合金を形成する数種の所望金属からなり、同時に溶かすことによってその合金が生成される複数の線状物質が使われる。
【0016】
線状物質3を溶融区域2に導入するこの仕方は重要である。何故なら、線状物質を正確に案内するための幾つかの高度な要求を行う必要がないからである。
【0017】
この蒸発装置でもって、銀、銅、またはアルミにウムのような金属、若しくは、これらの金属の合金が好適に蒸発せしめられる。
【0018】
坩堝6の溶融区域2は、最も低い沸点を有する金属の沸騰温度に決して達しない温度ではあるけれども溶融区域2よりも高い温度が得られる、所謂、加熱区域4へと続く。この加熱区域4内では、非常に高い純度の金属が得られるように、低沸不純物が取り除かれる。
【0019】
坩堝6の加熱区域4は、溶解物25および固有の温度依存表面張力に適応するような形状を有している。しばしば、ここに示されるような、溝状であって、溶融区域2を蒸発区域5に連結している。この加熱区域4は他の区域2および5よりも小さく、区域2および5内の溶解物25の入れ替わりを防いでいる。それと言うのも、溶融区域2で蒸発が生じることを避けるために、比較的低温の区域2を比較的高温の区域5から分離することが重要だからである。加熱区域4の大きさは物質に関係し、実際のところ、たとえば10mmの長さを持つことができる。溶解物25の温度は区域2から区域5に向かって連続して上昇する。
【0020】
溶解物25が坩堝6の加熱区域4を通過した後、蒸発区域5に到達する。そこでは物質が最終的に蒸発し、基板上に堆積される。
【0021】
坩堝6の材質の融点は、蒸発せしめられる物質の蒸発温度よりはるかに高くなければならない。坩堝6の材料として用いられる物質は高融点組成物であり、実際、坩堝6はこのタイプの幾つかの組成物からなる。黒鉛のほかに、たとえば金属のホウ化物、窒化物、または炭化物、同様に、非金属のホウ化物、窒化物、または炭化物、または、これらの物質の混合物が利用される。BNとともにTiBが坩堝6の材質として好適である。
【0022】
坩堝6は、区域2の温度が最も低く、そして区域5が最も高くなるように加熱される。その加熱は1つだけか、または、互いに別々に作用する複数のヒータを介して行なわれる。
【0023】
図1に示される実施の形態では、坩堝6を通る、詳しくは、坩堝の長手方向を通る電流を介して加熱が行われる。この目的のために、電圧源28が坩堝6の両端に配線29、30を介して接続される。坩堝6の側面に形成された凹み31乃至38のために、異なる電気抵抗がそれぞれの区域に結果的に生じる。坩堝6が非常に狭い区域では、高い電気抵抗となり、高温が生じる。式W=R×I(ただし、Wは電力、Rは抵抗、そしてIは電流である。)によるので、温度は電気抵抗に比例する。電力は温度に比例するので、その結果、坩堝6の断面幅とそこで得る温度との関係が結果的に生じる。たとえば、溶融区域2においては1200℃、加熱区域4においては1260℃から1496℃、そして蒸発区域5では1560℃であるように、特定の場所に特定の温度が達成されるように、坩堝の形状を計算することができる。しかし、固有の温度は蒸発せしめられる固有の物質に依存する。その結果、坩堝6の幾何学的配置は蒸発せしめられる物質によって異なる。
【0024】
アルミニウムの塗膜には、たとえば、溶融区域2における温度は融点よりも約300乃至500℃高くされ、蒸発区域5においては融点よりも約900℃高くされる。区域2から4における温度は、物質の蒸発が生じないような温度が選択される。融点温度よりほんの少し高ければ溶融区域2の温度として理論的には十分である。しかし、導入される金属の線状物質が冷却に導くので、溶融区域2の温度は高めに選択される。
【0025】
電気抵抗の関係は横方向の凹みを考慮してだけでなく、坩堝材質の縦方向における厚さも考慮して得られることが解る。重要なのは、電気抵抗にとって明らかにされるべき固有の合計断面である。
【0026】
優れた均一性をもつコーティングとするために、蒸発せしめられる金属の高い蒸気ローブが蒸発中にほぼ一定して保たれる。幾つかの蒸発ボートが蒸発バンクを形成するならば、それらの蒸発ボートは、基板が均一にコーティングされるように適応される。このことは、複数の蒸発ボートのお互いに対する配置を考慮するだけでなく、それによって基板が均一にコーティングされるような距離で蒸発バンク上に案内されることもまた考慮して達成され得る。
【0027】
溶融区域2から蒸発区域5を分離することによって、蒸発区域5自体の中の液状金属の動きが非常に遅く、そのため蒸発装置1の寿命が延ばされる。
【0028】
蒸発速度は、線状物質の溶解速度と坩堝6の幾何学的配置とに従って制御される。蒸発装置1の連続運転のために、溶解物25の注入レベルと、線状物質の進行と、蒸発出力の調節が用意される。
【0029】
蒸発速度は非常に均一で、かつ、基板に到達する飛散が生じないので、このような蒸発装置1は、たとえば、合成フィルムを金属でコーティングするのに好適である。そこにおける蒸発速度は蒸発区域5の表面、蒸発坩堝の温度、ならびに線状物質の供給、すなわち、単位時間における線状物質3の溶解量によって決定される。上記蒸発装置は、たとえば、コンデンサの製造に利用され得る。何故ならば、飛散のない層が非常に薄いフィルム上に形成されなければならず、その上、その層は非常に均一でなければならないからである。
【0030】
更なる適用分野は、金属糸の製造である。何故かと言えば、ここでこの蒸発装置1に課せられる必要条件はまた非常に高いからである
図2は、図1に示される蒸発装置の変形例を示す斜視図である。坩堝6の溶融区域2、加熱区域4、そして蒸発区域5の各々は自身の電気抵抗ヒータ21、22、23をそれぞれ有している。従って、これら3つの区域は異なる温度にもたらされる。個々の区域間2、4および4、5には、それぞれ絶縁層39乃至42が置かれており、電流は明らかに横方向に流れるようになっている。この場合、それぞれの直流電圧源18はすべて3つの区域自体の抵抗であり、それらはスイッチ19を介して接続されている。一定の直流電圧源18の代わりに、調節可能な直流電圧源もまた使用可能である。さらに、交流電圧源が利用され得る。
【0031】
3つの分離電圧源の代わりに、3つの区域2、4、5を並列に接続するただ1つの電圧源を用意することも可能である。個別の区域に異なる温度を発生させるために、これらの区域が異なる物質からなるか、または、異なる電流通過断面を持つようにしても良い。
【0032】
図3は、図2に描写された蒸発装置の上面図を示している。金属または合金が溶けている溶融区域2の中に線上物質3が上方から斜めに導入されていることが明らかである。この溶解物25は、最終的に蒸発が生じる蒸発区域5の中に加熱区域4を介して定期的に移動する。加熱区域4は流域として設けられているので、蒸発区域5に向かって狭くなっていることが明白である。この流域は溶融物質およびその温度依存表面張力によって必要とされるように形成される。
【0033】
図4は、図3における線A−Aに沿って得た断面図である。線状物質3が、加熱区域4を介して蒸発区域5と連結される溶融区域2の中に運び込まれる。溶融区域2の窪み24は蒸発区域5の窪み26より深い。加熱区域4の底は溶融区域2の底より上にあるので、少なくとも加熱区域4の高さに相当するレベルに達するために十分な金属が線状物質3から溶け出された場合、その溶融金属は蒸発区域5の中に流入することだけが可能となる。蒸発区域5の窪み26の底は加熱区域4の底より低くなっている。
【0034】
しかし、それぞれの窪みはすべて同じ深さにすることも、または、区域4と5の窪みは同じ深さにすることができる。この場合、蒸発区域5における物質の高さは蒸発のために低くなり、それに伴って溶融区域2から物質が引き出されるので、溶融区域2から蒸発区域5への物質の流れが起こる。
【0035】
図5は、図4に描写した装置の変形例を示している。図4に描写された装置と比較して、加熱区域4が蒸発区域5に向かって下り傾斜している。
【0036】
図6には、1つの蒸着装置内に複数の坩堝または蒸発ボート45乃至54が置かれている態様が示されている。蒸発ボート45乃至54の各々は、その中にそれ自体の線状物質55乃至64が、図示されていないが、特に線状物質供給機を介して供給される。コーティングされる基板は、ここでは、各蒸発ボートにコーティングローラを介して案内され終わったフィルム65である。フィルム65の移動方向は各蒸発ボートの長手方向に対応している。蒸発ボート45乃至54の各々の3区域は図6には示されていない。
【0037】
蒸発ボート45乃至54は、コーティングローラ66の下で滑動可能である蒸発バンク67上に配列されている。しかし、蒸発ボート45乃至54はまた、コーティングローラの下で滑動可能な滑走荷車上に配列可能であることも考えられる。
【0038】
図6において、蒸発ボート45乃至54は、どこも覆われておらず、開放されている。しかし、図1による坩堝6の蒸発区域5の直上部に分配チューブを配設することも可能である。この分配チューブは、たとえば、DE 102 56 038 A1から知られている。
【0039】
電気抵抗ヒーターの代わりに、蒸発ボートの複数の異なる区域にそれぞれ異なる温度を発生させるように配置された誘電ヒーターを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】3つの区域を持つ本発明の蒸発装置の斜視図である。
【図2】3つの区域の各々が個別のヒーターを有する、図1に描写した装置の変形例の斜視図である。
【図3】図2に示された蒸発装置の上面図である。
【図4】図3における線A−Aに沿って得られた断面図である。
【図5】本発明の蒸発装置のもう1つの実施形態を示す断面図である。
【図6】複数の蒸発ボートを持つ蒸発バンクを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 蒸発装置
2 溶融区域
3 線状物質
4 加熱区域
5 蒸発区域
6 坩堝
18 直流電圧源
19 スイッチ
21〜23 ヒーター
25 溶解物
28 電圧源
29 配線
30 配線
31〜38 凹み
39〜42 絶縁層
45〜54 蒸発ボート
55〜64 線状物質
65 フィルム
66 コーティングローラ
67 蒸発バンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物質で複数の基板をコーティングするための蒸発装置であって、
a)溶融区域(2)と、
b)蒸発区域(5)と、
c)前記溶融区域(2)および前記蒸発区域(5)の間の連結部と、
d)前記溶融区域(2)および前記蒸発区域(5)の各々を異なる温度に加熱する加熱装置(28、18)と
を有する少なくとも1つの坩堝(6)を具備し、
前記溶融区域(2)および前記蒸発区域(5)の間の連結部は上部を開放した窪み(24)を有する加熱区域(4)であり、その表面を介して溶融物質が前記溶融区域(2)から前記蒸発区域(5)内へ流入するようになっていて、そこにおいて加熱区域(4)の温度は前記溶融区域(2)の温度および前記蒸発区域(5)の温度の間であることを特徴とする蒸発装置。
【請求項2】
前記坩堝(6)は導電性であり、前記加熱装置は幾何学的配置と坩堝(6)の材質とに関係する電圧源(28)によって形成され、そこにおいて前記電圧源(28)は前記坩堝(6)の両端に接続していることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項3】
前記坩堝の前記溶融区域(2)および前記加熱区域(4)ならびに前記蒸発区域(5)はそれぞれ絶縁層によって互いに分離されていて、各区域には1つの電圧源(18)が割り当てられていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項4】
前記各区域(2、4、5)は、誘導加熱手段によって異なる温度に加熱されることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項5】
前記加熱区域(4)の温度は、前記溶融区域(2)から前記蒸発区域(5)に向かう方向に連続的に上昇することを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項6】
前記各区域(2、4、5)は、これらの区域(2、4、5)で電気抵抗が変化するように、坩堝(6)の異なる幾何学的断面によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項7】
前記各区域(2、4、5)は、それぞれ異なる電気的導電性の物質からなることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項8】
前記加熱区域(4)は、溝状に作られていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項9】
前記前記溶融区域(2)および前記蒸発区域(5)は、筒状ポットの形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項10】
前記各区域(2、4、5)のそれぞれの最深部は異なる高さになっていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項11】
前記各区域(2、4、5)のそれぞれの最深部は同じ高さになっていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項12】
前記加熱区域(4)の最深部は、前記溶融区域(2)および前記蒸発区域(5)の最深部より高いことを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項13】
前記加熱区域(4)は、前記蒸発区域(5)に向かう方向に下り傾斜していることを特徴とする請求項12に記載の蒸発装置。
【請求項14】
前記溶融区域(2)および前記蒸発区域(5)は、長方形の基底を有していることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項15】
前記溶融区域(2)および前記蒸発区域(5)は、円形の基底を有していることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項16】
前記坩堝(6)は、金属のホウ化物、窒化物および/または炭化物、非金属のホウ化物、窒化物および/または炭化物、および/または黒鉛、またはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項17】
前記坩堝(6)は、TiBおよびBNを含むことを特徴とする請求項16に記載の蒸発装置。
【請求項18】
金属の蒸発に使用されることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項19】
幾つかの坩堝(45〜54)が互いに隣接して設置されていて、1つの基板がこれらの坩堝(45〜54)の縦方向に沿って移動するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項20】
前記坩堝(45〜54)の各々のために線状物質(55〜64)用の分離供給が用意され、これらの線状物質(55〜64)の各々の端部が前記坩堝(45〜54)の各々の溶融区域に案内されることを特徴とする請求項19に記載の蒸発装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−39809(P2007−39809A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193722(P2006−193722)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(502208722)アプライド マテリアルズ ゲーエムベーハー アンド コンパニー カーゲー (28)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】