説明

基板処理装置

【課題】水平状態で基板表面に処理液の液層を形成した後、基板を傾斜姿勢に変換する装置において、基板表面内を処理液で均一に処理できるようにする。
【解決手段】現像液供給ノズル22により表面に現像液が供給された基板Sが、搬送ローラ21,31によって傾斜機構まで搬送されてくると、傾斜機構による傾斜姿勢への変換が開始された基板Sの上端部に対して、現像液補充ノズル43から現像液を供給する。姿勢変換後の基板が搬送ローラ41によって次工程の洗浄室5に搬送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、特に、基板表面に処理液を供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基板処理装置では、露光処理後の基板表面に現像液を供給して現像処理を行うため、基板表面への現像液等の処理液の供給が行われている。例えば、特許文献1に示されるように、基板を所定の方向に搬送しつつ水平状態とされた基板の表面上に現像液の液層を形成し、この後に処理進行手段で現像液による処理を進行させ、当該基板を傾斜させた状態とした後、当該傾斜状態の基板を洗浄する基板処理装置が提案されている。
【特許文献1】特開平11−87210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記基板処理装置によれば、現像液の供給後に基板を傾斜姿勢として現像液を流し落とし、落下した処理液を回収して再利用することにより、次工程の処理部への現像液の持出量を削減して現像液の消費量を低減させることができると共に、傾斜姿勢で基板洗浄を効率良く行うことができるという効果が得られる。しかし、上述のように基板を水平状態から傾斜姿勢として基板表面上に形成された現像液の液層を流し落とすと、基板表面内で均一に現像処理が行えないという問題が発生する。詳述すると、現像液の供給は基板を搬送しながら行われ、基板表面における現像液の液層は、基板の搬送方向の前方から後方側に順次形成されていくため、基板表面上の現像反応は、基板の前方側が後方側よりも先に開始する。このように現像反応が進行している基板を傾斜姿勢とすると、基板表面上の現像液が流し落とされて少なくなり、基板表面の全域においてほぼ同時に現像反応が緩慢になるか停止する。このように、上記のように現像液の液層形成時には、現像反応の開始タイミングが基板の前方側と後方側とで異なるのにも拘わらず、現像反応が緩慢になる又は停止するタイミングが基板表面の全域でほぼ同時であると、基板表面の前方側の現像反応が後方側の現像反応よりも進行してしまい、基板表面内で均一に現像処理が行えないという問題が発生する。
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、水平状態で基板表面に処理液の液層を形成した後、基板を傾斜姿勢に変換する装置において、基板表面内を処理液で均一に処理できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の発明は、基板の表面に処理液を供給して処理する基板処理装置であって、
基板を水平姿勢で搬送する第1搬送手段と、
前記第1搬送手段により水平姿勢で搬送される基板の表面に、搬送方向の前方側から順次第1処理液を供給して、基板の表面に処理液の液層を形成する液層形成手段と、
前記液層形成手段によって前記第1処理液の液層が形成された基板の姿勢を、水平姿勢から、前記搬送方向と直交する方向において傾斜する傾斜姿勢に変換する姿勢変換手段と、
少なくとも前記姿勢変換手段によって傾斜姿勢に変換されたときの基板に対して、前記搬送方向における少なくとも後方側の基板上端部に前記第1処理液を追加供給する追加供給手段と、
前記追加供給手段により前記第1処理液が追加供給された基板を、前記姿勢変換手段により傾斜姿勢とされた状態で搬送する第2搬送手段と、
前記第2搬送手段により傾斜姿勢で搬送される基板の表面に、前記搬送方向の前方側から、前記第1処理液とは異なる第2処理液を順次供給する第2処理液供給手段と
を備えたものである。
【0006】
この構成では、液層形成手段により表面に液層が形成された基板が、第1搬送手段によって姿勢変換手段まで搬送されてくると、追加供給手段が、姿勢変換手段によって少なくとも傾斜姿勢に変換されたときの基板に対して、搬送方向の少なくとも後方側における基板上端部に第1処理液を追加供給する。そして、第1処理液が追加供給された後、第2搬送手段により傾斜姿勢で搬送される基板の表面に、第2処理液供給手段が上記搬送方向の前方側から、第1処理液とは異なる第2処理液を順次供給する。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記追加供給手段は、少なくとも前記姿勢変換手段により傾斜姿勢に変換されたときの基板に対して、前記搬送方向における基板全長にわたる基板上端部に前記第1処理液を追加供給するものである。
【0008】
この構成では、少なくとも傾斜姿勢に変換されたときの基板に対して、搬送方向における基板全長にわたって追加供給手段が第1処理液を追加供給するので、基板搬送方向の後方側にのみ第1処理液を追加供給する場合よりも、基板搬送方向における基板表面各部について処理の進行程度の差をなくすことが可能になる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の基板処理装置であって、前記追加供給手段は、基板搬送方向の基板後方側に対する第1処理液の供給量を多くするものである。
【0010】
この構成では、第1処理液による処理が遅れて開始される基板搬送方向の基板後方側への第1処理液の供給量を多くすることで、基板全域においてより均一な処理を行うことができるようにしている。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の基板処理装置であって、前記追加供給手段は、前記姿勢変換手段によって姿勢変換される基板と一体的に回動すると共に前記第1処理液を吐出するノズルを有し、
前記姿勢変換手段によって傾斜姿勢とされる前の水平姿勢にある基板の前記上端部とされる基板の端部に対して前記ノズルから前記第1処理液を吐出して第1処理液の追加供給を開始し、前記姿勢変換手段により傾斜姿勢に変換される途中においても前記ノズルから前記第1処理液を吐出して前記第1処理液の追加供給を継続するものである。
【0012】
この構成では、姿勢変換手段によって姿勢変換される基板と一体的に回動するノズルが、基板が水平姿勢にある状態から基板の上端部に第1処理液の追加供給を開始し、傾斜姿勢への変換中も第1処理液の追加供給を継続する。基板の傾斜姿勢への変換動作が開始された後に第1処理液の追加供給を開始すると、当該追加供給が行われるよりも先に、基板の上端部に存在していた第1処理液が基板表面を下方に流れ落ちて行き、当該上端部に第1処理液が存在しない期間が発生してしまって当該上端部が乾燥するが、上記構成では、基板が水平姿勢にある時点から第1処理液の追加供給を開始して、当該基板上端部の乾燥を防止する。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の基板処理装置であって、前記ノズルより基板の中央側であり、かつ、前記上端部とされる基板の端部から所定距離内において基板表面に対して隙間を設けて配置された規制部材を有するものである。
【0014】
基板が水平姿勢にある状態で第1処理液の追加供給を開始すると、当該新たに供給された第1処理液が、既に基板表面上で処理を進行させている液層に浸入し、この浸入部分が処理むらとなる可能性があるが、上記構成では、規制部材により、上記新たに供給された第1処理液の供給部分を水平姿勢にある基板の端部に止めて、既に存在している液層への浸入を抑制し、基板表面における処理むらの発生を防止する。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の基板処理装置であって、前記規制部材は、前記追加供給手段のノズルから吐出された前記第1処理液を受けて、当該第1処理液を前記基板の上端部に向けて供給するものである。
【0016】
この構成では、基板に対する追加供給手段からの第1処理液の供給が、規制部材に当たった後に行われるので、基板表面に対する第1処理液の供給を均一に行うことができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記追加供給手段の処理液吐出口が、前記基板の搬送方向に延びるスリット形状とされているものである。
【0018】
この構成では、追加供給手段の処理液吐出口を基板搬送方向に延びるスリット形状として、処理液吐出口から供給される第1処理液が、基板表面に対して均一に拡がって供給されるようにしている。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記第2搬送手段の基板搬送により前記姿勢変換手段に基板が存在しなくなった位置に対する前記追加供給手段の処理液吐出口からの第1処理液の供給が順次停止するものである。
【0020】
この構成によれば、姿勢変換手段に基板が存在しなくなった位置に対する第1処理液の供給が順次停止するので、無駄な第1処理液の供給をなくし、第1処理液の供給量を低減できる。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記姿勢変換手段には、姿勢が変換される基板の前記上端部の下方に、前記追加供給手段から供給された第1処理液を受ける処理液受け機構が設けられているものである。
【0022】
この構成によれば、姿勢変換手段に、追加供給手段から供給された第1処理液を受ける処理液受け機構が設けられているので、基板表面から落下した第1処理液を効率よく回収できると共に、液はねを生じ難くしている。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記姿勢変換手段に対して前記第2搬送手段による基板搬送方向下流側となる位置に、前記第2搬送手段によって搬送される基板の表面上に存在する第1処理液を一定量に制限する液切り手段が設けられているものである。
【0024】
この構成では、傾斜姿勢にある基板表面に追加供給手段が第1処理液を供給し続けても、姿勢変換手段の基板搬送方向下流側に設けられている液切り手段により、基板表面上の第1処理液を一定量に制限し、基板による第1処理液の次工程の処理部への持ち出しを上記一定量までに止める。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に記載の発明によれば、基板搬送方向の前方から後方側に順次進行する第1処理液の液層による処理反応が始まっている状態の基板を傾斜姿勢として、基板表面上の第1処理液を流し落としても、少なくとも基板搬送方向において後方側となる基板上端部には第1処理液が追加供給されるので、基板表面における第1処理液の分布を均一に近付けることが可能になる。一方、基板搬送方向における前方側は、第2処理液供給手段による第2処理液の供給で第1処理液による処理の進行が緩慢になるか又は停止する。これらにより、基板表面の各部において均一に第1処理液による処理を行うことが可能になり、基板表面における処理むらを無くすことが可能になる。
【0026】
また、基板を傾斜させて表面上の第1処理液を流し落とすことにより、第1処理液から第2処理液への置換を迅速に行うことができ、また、次工程への第1処理液の持ち出し量を低減して、第1処理液を効率よく回収することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、少なくとも傾斜姿勢に変換されたときの基板に対して、搬送方向における基板全長にわたって追加供給手段が第1処理液を追加供給するので、基板表面の全面にわたり処理の進行が継続されて、基板搬送方向の後方側にのみ第1処理液を追加供給する場合よりも、基板搬送方向における基板表面各部における処理の進行程度の差をなくすことが可能になる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、第1処理液による処理が遅れて開始される基板搬送方向の基板後方側への第1処理液の供給量を多くすることで、基板全域においてより均一な処理を行うことができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、基板が水平姿勢にある時点から第1処理液の追加供給を開始するので、基板を傾斜姿勢に変換することにより基板上端部に存在していた第1処理液が基板表面を下方に流れ落ちても、当該基板上端部に第1処理液が存在しない期間を発生させることなく、基板上端部の乾燥を防止することができる。
【0030】
請求項5に記載の発明によれば、規制部材により、水平姿勢にある基板に追加供給手段から新たに供給された第1処理液を基板の端部に止めて、既に基板表面上に存在している液層への浸入を抑制するので、基板表面における処理むらの発生を防止することができる。
【0031】
請求項6に記載の発明によれば、基板に対する追加供給手段からの第1処理液の供給が、規制部材に当たった後に行われるので、基板表面に対して第1処理液の供給を均一に行うことができる。
【0032】
請求項7に記載の発明によれば、追加供給手段の処理液吐出口を基板搬送方向に延びるスリット形状としたので、処理液吐出口から供給される第1処理液が、基板表面に対して均一に拡がって供給される。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、姿勢変換手段に基板が存在しなくなった位置に対する第1処理液の供給が順次停止されるので、無駄な第1処理液の供給がなくなり、第1処理液の供給量を低減させることができる。
【0034】
請求項9に記載の発明によれば、追加供給手段から供給された第1処理液を効率よく回収できると共に、液はねを生じ難くすることができる。
【0035】
請求項10に記載の発明によれば、追加供給手段が、傾斜姿勢にある基板表面に第1処理液を供給し続けても、液切り手段により基板表面上の第1処理液が一定量に制限されるので、一定量以上の第1処理液が次工程の処理部に持ち出されることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態に係る基板処理装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の全体構成を模式的に示す側面図、図2は液切りブレード45による液切りの様子を示す図である。この基板処理装置1は、例えば矩形のLCD用ガラス基板(以下、単に基板と称す)Sの表面に処理液である現像液を供給して現像処理した後、洗浄液を供給して洗浄処理するものである。
【0037】
基板処理装置1は、水平姿勢で搬送される基板Sの表面に現像液を供給して現像液の表面張力により基板S表面に現像液の液層を形成する液層形成室2と、現像液の液層が形成された基板Sを保持して液層の現像液による処理を進行させる処理進行室3と、現像液の液層による処理終了後の基板Sの姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢に変換する姿勢変換室4と、傾斜姿勢の基板Sの表面に洗浄液を供給して洗浄する洗浄室5と、洗浄後の基板Sを乾燥させる乾燥室6と、乾燥後の基板を水平姿勢に戻す姿勢変換室7とを備える。
【0038】
液層形成室2には、基板Sを水平姿勢で搬送する搬送ローラ(第1搬送手段)21と、この搬送ローラ21により水平姿勢で搬送される基板Sの表面に現像液を供給してその上面に現像液の液層を形成する現像液供給ノズル(液層形成手段)22とが設けられる。現像液供給ノズル22には、ポンプ12により、現像液タンク11に貯留された現像液が供給される。現像液供給ノズル22は、基板Sの搬送方向に直交する方向に延び、当該方向における基板Sの全幅に亘って現像液を供給するようになっている。
【0039】
処理進行室3には、液層形成室2から現像液の液層が上面に形成された状態で搬送ローラ21により搬送されてくる基板Sを受け入れ、かかる状態で保持する搬送ローラ(第1搬送手段)31が設けられる。搬送ローラ31は、1本の回転軸の複数箇所に、基板の下面に接触する支持円盤が設けられて構成される。なお、特許請求の範囲の第1搬送手段は、傾斜機構48の基板搬送方向上流側に配設され、現像液供給ノズル22による現像液供給を受ける基板Sを搬送する搬送ローラを指す。
【0040】
姿勢変換室4には、処理進行室3から現像液の液層が形成された状態で搬送ローラ31により搬送されてくる基板Sを受け入れて保持する搬送ローラ(第2搬送手段)41が設けられる。搬送ローラ41は、搬送ローラ31と同様の構成である。また、姿勢変換室4には、基板Sを水平姿勢で保持する状態と、基板搬送方向に直交する方向において傾斜する傾斜姿勢で保持する状態とに、搬送ローラ41の姿勢を切り替えることができる傾斜機構(後述)が設けられている。
【0041】
かかる傾斜機構により、姿勢変換室4では、搬送ローラ41を水平姿勢にして、処理進行室3から搬送ローラ31により水平姿勢で搬送されてくる基板Sを受け入れた後、搬送ローラ41を、その回転軸方向における一端部を上方に移動させて傾け、基板Sを基板搬送方向に直交する方向において傾斜した状態で搬送されるようになっている。
【0042】
さらに、傾斜機構には、上記傾斜姿勢となる基板Sの上端部側となる位置に現像液補充ノズル(追加供給手段)43が設けられている。この現像液補充ノズル43は、傾斜機構による傾斜姿勢への変換が開始された基板S表面の上端部(傾斜をなす基板S表面の上側にあたる端部)に現像液を供給する。現像液補充ノズル43の構成の詳細は後述する。
【0043】
また、姿勢変換室4における傾斜機構の基板搬送方向下流側には、姿勢が変換された後の基板S表面上に存在する現像液を一定量に制限する液切りブレード(液切り手段)45が設けられている。液切りブレード45は、基板搬送方向に直交する方向に延びる長尺状の平板形状とされ、基板S表面がなす傾斜面に合わせた角度で配設されている。液切りブレード45は、図2に示すように、基板Sの表面から一定の間隔dを空けて配設されている。液切りブレード45の下方を、表面上に現像液で形成された液層を載せた基板Sが通過すると、液切りブレード45の下端部により基板Sの表面上の液層が間隔dまでの高さに削られ、液切りブレード45の基板搬送方向下流側に持ち出される基板S表面上の現像液量は一定量となる。この液切りブレード45と基板S表面との間隔dを調節すれば、基板Sの搬送に伴って液切りブレード45の基板搬送方向下流側、すなわち、次工程の処理部となる洗浄室5に持ち出される現像液量を所望の量に調節することが可能である。
【0044】
なお、液層形成室2、処理進行室3、姿勢変換室4により現像処理室が構成され、これらの室の下方には現像液を回収する受け皿T2,T3,T4が設けられ、これら受け皿T2,T3,T4によって回収された現像液は現像液タンク11へ回収されて再利用される。
【0045】
洗浄室5は、姿勢変換室4から傾斜姿勢で搬送ローラ41により搬送されてくる基板Sを受け入れて同じ傾斜姿勢で搬送する搬送ローラ51と、基板Sの傾斜角度に合わせて、基板搬送方向に直交する方向に延び、搬送ローラ51により傾斜姿勢で搬送される基板Sの上面に対して洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル52と、基板Sの下面に対して洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル53とを有する。洗浄液供給ノズル52、53は洗浄液としての超純水供給源55に接続されている。搬送ローラ51は搬送ローラ21と同様の鍔付き端縁支持ローラよりなる。上記洗浄液供給ノズル52による基板S表面に対する洗浄液の供給により、基板Sの表面に存在している現像液を当該洗浄液に置換して、現像液の液層による基板S表面の現像処理を停止させる。
【0046】
乾燥室6は、洗浄室5から傾斜姿勢で搬送ローラ51により搬送されてくる基板Sを受け入れて同じ傾斜姿勢で搬送する搬送ローラ61と、搬送ローラ61により傾斜姿勢で搬送される基板Sの上面に対してエアを吹き付けて洗浄液を吹き飛ばし乾燥させるエアナイフ62と、基板Sの下面に対してエアを吹き付けて洗浄液を吹き飛ばし乾燥させるエアナイフ63とを有する。搬送ローラ61は搬送ローラ21と同様の鍔付き端縁支持ローラよりなる。
【0047】
姿勢変換室7には、乾燥室6から搬送ローラ61により搬送されてくる基板Sを受け入れて保持する搬送ローラ71が設けられる。搬送ローラ71は搬送ローラ21と同様の鍔付き端縁支持ローラよりなる。また、姿勢変換室7には、基板Sを水平姿勢で保持する状態と、基板搬送方向に向かって右下がりの傾斜姿勢で保持する状態とに、搬送ローラ71の姿勢を切り替えることができる傾斜機構72が設けられている。傾斜機構72の構成は傾斜機構48とほぼ同様であるので詳細な図示と説明は省略する。
【0048】
なお、図1には示していないが、各室は処理液のミストが互いに浸入したりしないように区画する仕切によって仕切られている。また、各搬送ローラ21、31、41、51、61、71は図示しない駆動源により回転駆動され、それら個々の駆動の入り切りおよび駆動速度などを含めた基板処理装置1全体の動作は、図示しないマイクロコンピュータよりなる制御部によって制御される。
【0049】
次に、姿勢変換室4の傾斜機構について説明する。図3は基板Sを姿勢変換する前の状態にある傾斜機構を示す側面図、図4は基板Sを姿勢変換した後の状態にある傾斜機構を示す側面図である。図5は、傾斜機構48における現像液補充ノズル43の配設箇所付近を示す側面図である。
【0050】
姿勢変換室4に設けられている傾斜機構(姿勢変換手段)48は、搬送ローラ41の長さ方向一端部を回転軸として、搬送ローラ41の長さ方向における他端部を上下動させ、搬送ローラ41を基板搬送方向に直交する方向において傾斜を有するように姿勢を変更し、これにより、搬送ローラ41に載置されている基板Sの姿勢を傾斜姿勢に変更するものである。
【0051】
傾斜機構48は、搬送ローラ41の長さ方向両端部を回転自在に軸支する軸支部481a,481bと、両方の軸支部481a,481bを繋ぐ底部482とからなる基板保持ケース480を有する。この基板保持ケース480には、搬送ローラ41の長さ方向の一端部側(軸支部481b側)に回転軸483が設けられている。また、搬送ローラ41の長さ方向における他端部側となる軸支部481aには、当該他端部を上下動させるシリンダ484が設けられている。さらに、軸支部481aには、搬送ローラ41に回転駆動力を伝達する駆動モータ485が設けられている。姿勢変換室4のハウジング40には、傾斜機構48による姿勢変化動作を可能にする孔部402,403が設けられている。
【0052】
また、基板保持ケース480の底部482には、現像液補充ノズル43から基板Sに供給される現像液がハウジング40の孔部402から外部に漏れることを防止するためのカバー部486が設けられている。現像液補充ノズル43は、このカバー部486に設けられている。従って、シリンダ484による搬送ローラ41の上記他端部の上下動で基板保持ケース480が回転軸483を中心に回動すると、現像液補充ノズル43は、基板保持ケース480と共に上下動する。これにより、搬送ローラ41上に載置され、基板保持ケース480の当該回動により姿勢変換される基板Sと現像液補充ノズル43との間隔は、基板Sの姿勢変換に拘わらず常に一定である。
【0053】
さらに、カバー部486には、現像液補充ノズル43から基板S表面に供給された後に基板Sから落下する現像液や、現像液補充ノズル43から供給されたものの基板Sに供給されることなく基板Sよりも下方に落下する現像液を受け止める処理液受け機構487が設けられている。この処理液受け機構487により、現像液補充ノズル43から基板S表面の傾斜方向上端部に供給されて基板Sから落下する現像液を効率よく回収し、落下した現像液による液はねを極力生じさせないようにしている。
【0054】
なお、特に図示していないが、基板保持ケース480の底部482は、現像液補充ノズル43から供給された現像液や、基板S表面から落下した現像液をハウジング40の底面401に落下させるために空隙が設けられている。ハウジング40の底面401は、図3及び図4に示すように搬送ローラ41の長さ方向の一端部に向かうに連れて下がる傾斜面401aが形成されており、この傾斜面401aの最下位置近傍には、当該傾斜面401aによって集められた現像液を回収して現像液タンク11(図1)に戻すための回収口401bが設けられている。
【0055】
次に、現像液補充ノズル43の構成について図5を参照して説明する。現像液補充ノズル43は、搬送ローラ21,31,41による基板搬送方向における基板Sの全長に相当する長さを有する。現像液補充ノズル43は、図1に示すポンプ12から現像液タンク11に貯留されている現像液の供給を受ける現像液受給部431(図5)と、この現像液受給部431からホース432を介して現像液の供給を受けて、現像液を基板Sに吐出する現像液吐出ノズル433とを有する。現像液吐出ノズル433には、現像液を吐出する現像液吐出口433aが設けられている。現像液吐出口433aは、複数の丸穴状の吐出口が搬送方向に所定間隔で並べて設けられていてもよいし、或いは搬送方向に延びるスリット形状のものであってもよい。
【0056】
さらに、現像液吐出ノズル433には、規制板(規制部材)434が設けられている。規制板434は、現像液吐出ノズル433の現像液吐出口433aに対向する位置に配置されている。規制板434には、現像液吐出口433aから吐出された現像液が当たり、基板S表面に当該規制板434から流れ落ちた現像液が供給されるようになっている。現像液吐出口433aから吐出された現像液は、規制板434の側面434aに当たると当該側面434aで拡がって均一な面状を形成し、面状となった状態で基板S表面に到達する。これにより、基板S表面に対して現像液を均一に供給できる。また、水平姿勢にある基板S表面に現像液吐出口433aから現像液を供給した場合、当該新たに供給された現像液の分布を、基板S表面において、基板搬送方向に直交する方向における端部から規制板434の設けられている位置までとし、規制板434よりも基板Sの表面内側には、現像液が到達し難くなるように規制することができる。
【0057】
なお、現像液吐出口433aからの現像液の吐出を、規制板434に当てることなく、直接基板S表面に供給するようにしてもよい。この場合であっても、上記規制板434よりも基板Sの表面内側に、現像液が到達し難くなるように規制することが可能である。
【0058】
また、規制板434の下端部と基板S表面との隙間の距離d1は、例えば3mm程度に設定される。さらに、基板搬送方向に直交する方向における基板Sの端部(現像液補充ノズル43側)と規制板434との距離d2は、例えば5mm程度に設定される。これにより、基板S表面で処理対象とされないことが多い上記の端部から基板S表面の内側10mm程度までの範囲に、現像液吐出口433aから吐出された新たな現像液の到達を止めることを可能としている。なお、この場合における現像液吐出口433aからの現像液吐出量は、例えば10リットル/分程度である。従って、基板Sの端部は、規制板434よりも現像液吐出口433a側に入り込むように設定される。なお、処理液受け機構487は、少なくとも、現像液吐出口433aから吐出された現像液が落下すると想定される場所に配置されていればよい。例えば、現像液補充ノズル43からの現像液供給が、基板Sが姿勢変換室4に進入する前から開始された場合や、或いは、基板Sが姿勢変換室4された後も現像液が現像液補充ノズル43から供給される場合にも、落下してくる現像液を直接受けることができるようになっている。
【0059】
続いて、上記図3及び図4を参照して、上記構成でなる傾斜機構48による姿勢変換動作と、現像液補充ノズル43からの現像液供給とについて説明する。基板Sが基板搬送方向上流側の処理進行室3の搬送ローラ31から姿勢変換室4の搬送ローラ41に受け渡され、基板Sが傾斜機構48上に移動完了すると、この時点で、搬送ローラ41による基板Sの搬送は一時停止する。そして、傾斜機構48のシリンダ484が、軸支部481a側を上方向に持ち上げ、回転軸483を回転中心として、基板保持ケース480を図3の矢印A方向に回動させる。シリンダ484による持ち上げ量、すなわち、基板保持ケース480の回動量は、操作者(ユーザ)によって予め設定された量とされる。これにより、図4に示すように、搬送ローラ41及び搬送ローラ41上に載置されている基板Sは傾斜姿勢に変換される。
【0060】
現像液補充ノズル43からの現像液供給を開始するタイミングは、特に限定されるものではなく、(1) 基板Sが姿勢変換室4に進入する前から開始されてもよいし、基板Sが姿勢変換室4に進入した後に開始されてもよい。(2)或いは、傾斜機構48による姿勢変換動作の開始と同時のタイミングや、当該姿勢変換動作の開始前後のタイミングで、現像液補充ノズル43からの現像液供給を開始してもよい。
【0061】
傾斜機構48による姿勢変換動作が開始されると、傾斜姿勢にある基板S表面で液層を形成している現像液が、基板S表面を下方に向かって流れ始める。ここで、姿勢変換室4よりも基板搬送方向上流側に配設されている現像液供給ノズル22による現像液の供給は、基板Sを搬送しながら行われているため、基板S表面では、現像液の液層は基板Sの搬送方向の前方から後方側に順次形成され、基板S表面上の現像反応は、基板の前方側が後方側よりも先に開始される。この状態で、基板Sの傾斜姿勢への変換動作だけを行って、現像液補充ノズル43からの現像液供給を行わないとすると、基板S表面全域の現像液が同時に流し落とされて、基板S表面全域で同時に現像反応が緩慢になるか停止し、基板S表面の前方側の現像反応が後方側の現像反応よりも進行した状態で、基板Sが次工程の処理部に搬送されることになる。しかし、本実施形態では、姿勢変換室4において、上記現像液補充ノズル43により、基板S表面に対して、上記のように現像液を供給するので、基板Sを傾斜姿勢に変換して表面から現像液が流れ落ちても、新たに供給された現像液により、基板S表面上の現像液の液層が均一に保たれ、基板S表面における上記現像反応の緩慢又は停止が防止される。
【0062】
このとき、基板S表面における上端部の現像液量が特に乾燥しやすく、また、傾斜姿勢とされた基板Sの上端部に現像液を供給すれば、ここから現像液が基板S表面を下方に流れて基板S表面の各域に行き渡りやすいので、現像液補充ノズル43からは、当該基板Sの上端部に向けて現像液が供給される。なお、基板保持ケース480が回動しても、現像液補充ノズル43は基板保持ケース480と共に上下動するため、基板S表面と現像液補充ノズル43との間隔は基板Sの姿勢変換に拘わらず常に一定である。そのため、基板Sの傾斜姿勢及び現像液補充ノズル43からの現像液供給タイミングに拘わらず、的確に基板Sの上端部に現像液を供給することができ、また、基板S表面に対する接液状態が安定するため、処理むらが生じにくい。
【0063】
上記傾斜機構48による姿勢変換動作が完了すると、搬送ローラ41による基板Sの搬送が再開され、基板Sが基板搬送方向下流側の洗浄室5に向けて払い出される。この搬送ローラ41による基板Sの払い出し中も、現像液補充ノズル43による基板S表面の上端への現像液供給は継続して行われる。搬送ローラ41により、基板Sが完全に傾斜機構48から払い出されると(或いは、洗浄室5に移動を完了すると)、現像液補充ノズル43による現像液供給が停止される。
【0064】
基板Sが洗浄室5に移動すると、洗浄液供給ノズル52による基板S表面に対する洗浄液供給を受け、基板S表面の現像液が洗浄液に置換される。これにより、現像液の液層による基板S表面の現像処理が、基板搬送方向における前方側から順次停止する。
【0065】
以上のような現像液の供給を行うことにより、基板搬送方向の前方から後方側に現像液の液層による処理反応が順次進行する基板Sを傾斜姿勢とし、基板S表面上の現像液を流し落としても、基板Sの上端部に現像液が現像液補充ノズル43から追加供給されるので、基板S表面の各部における現像液分布を均一に保つことが可能になる。一方、基板搬送方向における前方側の基板S表面は、洗浄液供給ノズル52からの洗浄液の供給を受けて現像液による処理の進行が停止される。これにより、基板S表面の各部において、均一に現像液による処理効果を得ることが可能になり、基板S表面における処理むらの発生を無くすことが可能になる。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、現像液吐出ノズル433は、以下に示すようなものであってもよい。図6及び図7は現像液吐出ノズル433の他の実施形態を示す図である。上記実施形態では、現像液吐出ノズル433に規制板434が設けられている形態を示したが、図6及び図7に示すように、現像液吐出ノズル433に規制板434が設けられていないものであってもよい。図6には、規制板434を設けず、現像液を直接基板S表面に吐出する形態の現像液吐出ノズル4331を示している。この現像液吐出ノズル4331では、現像液吐出口4331aの形状はスリット状とされる。現像液吐出口4331aの形状をスリット状とすることによって、規制板434が無くても、基板S表面に現像液を均一に供給できるようにしている。
【0067】
また、図7には、各吐出口同士の間隔が狭められた複数の丸孔形状の吐出口からなる現像液吐出口4332aを有する現像液吐出ノズル4332を示している。このように、各吐出口同士の間隔を狭めた複数の丸孔形状の吐出口から現像液を吐出することにより、規制板434が無くても、基板S表面に現像液を均一に供給することも可能である。
【0068】
また、スリット形状の現像液吐出口4331aを有する現像液吐出ノズル4331であっても、図8に示すように、現像液吐出口4331a近傍に規制板434を設けてもよい。この場合、上記規制板434よりも基板Sの表面内側に、現像液が到達し難くなるように規制することが可能である。また、規制板434の下端部から基板S表面までの距離d3を調節することによって、水平姿勢にある基板S表面において、基板搬送方向に直交する方向における端部からどの程度内側まで現像液を到達させるかを調節することも可能である。
【0069】
また、上記各実施形態では、現像液補充ノズル43からの現像液供給は、傾斜機構48からの基板Sの移動が完了するまで(搬送ローラ41による基板Sの洗浄室5への払い出しが完了するまで)継続して行われる、としているが、基板Sの搬送状況に応じて、基板搬送方向における現像液吐出ノズル4331各部からの現像液の吐出を順次停止させるようにしてもよい。この場合の例を図9に示す。なお、図9には、スリット状の現像液吐出口4331aを有する現像液吐出ノズル4331を図示しているが、この現像液吐出の停止制御は、上記各実施形態のいずれの現像液吐出ノズルであっても適用可能である。
【0070】
図9に示すように、現像液吐出ノズル4331を、基板搬送方向において複数のブロックa〜eに分割し(ブロック数をこれに限定する趣旨ではない)、各ブロック毎に現像液を吐出するか否かを切換制御可能に構成する。そして、基板Sが搬送ローラ41による搬送が洗浄室5方向側に進むに連れて、基板搬送方向における基板Sの下端部が存在しなくなった各ブロックの現像液吐出ノズル4331からの現像液吐出を順次停止させる。基板S表面に到達することがない現像液の吐出は無駄であるので、当該無駄な現像液の吐出を停止させ、現像液の供給量を低減するものである。
【0071】
さらに、図10に示すように、現像液吐出ノズル4331を、基板搬送方向において複数のブロックa〜jに分割し(ブロック数をこれに限定する趣旨ではない)、各ブロック毎に現像液の吐出量を可変させる制御を行ってもよい。例えば、基板S表面への現像液の供給時に、基板S表面の、基板搬送方向上流側部分が通過する各ブロックからの現像液吐出量が少なくなり、基板搬送方向下流側部分が通過する各ブロックからの現像液吐出量が多くなるように順次各ブロックからの現像液吐出量を切換制御する。基板搬送方向上流側部分の方が現像処理の進行が早いからである。この場合、基板S表面の、基板搬送方向上流側部分から下流側部分に向かうに従って、現像液吐出量が徐々に少なくなるように各ブロックからの現像液吐出量を調整すれば、なお好適である。また、基板搬送方向上流側(基板Sの後端側)のブロックのみ(例えば、a〜dのみ)から現像液を吐出してもよい。
【0072】
また、上記各実施形態に示した傾斜機構48、現像液補充ノズル43、液切りブレード45等の構成は、本発明の単に一例であって、適宜変更が可能である。
【0073】
また、本発明は、現像処理装置において現像液を供給する場合の形態を説明しているが、本発明はこれに限定されず、他の処理液を供給する機構にも適用が可能である。例えば、エッチング処理、剥離処理、予備洗浄処理等の各種の処理を行う場合に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の全体構成を模式的に示す側面図である。
【図2】液切りブレードによる液切りの様子を示す図である。
【図3】基板を姿勢変換する前の状態にある傾斜機構を示す側面図である。
【図4】基板を姿勢変換した後の状態にある傾斜機構を示す側面図である。
【図5】傾斜機構における現像液補充ノズルの配設箇所付近を示す側面図である。
【図6】現像液吐出ノズルの他の実施形態を示す図である。
【図7】現像液吐出ノズルの他の実施形態を示す図である。
【図8】現像液吐出ノズルの他の実施形態を示す図である。
【図9】基板搬送方向における現像液補充ノズル各部からの現像液供給を順次停止させる場合の現像液吐出ノズルを示す図である。
【図10】基板搬送方向における現像液補充ノズル各部からの現像液供給量を調整制御する場合の現像液吐出ノズルを示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 基板処理装置
2 液層形成室
22 現像液供給ノズル
21,31,41 搬送ローラ
3 処理進行室
4 姿勢変換室
40 ハウジング
401 底面
401a 傾斜面
401b 回収口
402,403 孔部
43 現像液補充ノズル
431 現像液受給部
432 ホース
433 現像液吐出ノズル
4331,4332 現像液吐出ノズル
433a 現像液吐出口
4331a,4332a 現像液吐出口
434 規制板
434a 側面
45 液切りブレード
48 傾斜機構
480 基板保持ケース
481a,481b 軸支部
482 底部
483 回転軸
484 シリンダ
485 駆動モータ
486 カバー部
487 処理液受け機構
5 洗浄室
52 洗浄液供給ノズル
7 姿勢変換室
S 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に処理液を供給して処理する基板処理装置であって、
基板を水平姿勢で搬送する第1搬送手段と、
前記第1搬送手段により水平姿勢で搬送される基板の表面に、搬送方向の前方側から順次第1処理液を供給して、基板の表面に処理液の液層を形成する液層形成手段と、
前記液層形成手段によって前記第1処理液の液層が形成された基板の姿勢を、水平姿勢から、前記搬送方向と直交する方向において傾斜する傾斜姿勢に変換する姿勢変換手段と、
少なくとも前記姿勢変換手段によって傾斜姿勢に変換されたときの基板に対して、前記搬送方向における少なくとも後方側の基板上端部に前記第1処理液を追加供給する追加供給手段と、
前記追加供給手段により前記第1処理液が追加供給された基板を、前記姿勢変換手段により傾斜姿勢とされた状態で搬送する第2搬送手段と、
前記第2搬送手段により傾斜姿勢で搬送される基板の表面に、前記搬送方向の前方側から、前記第1処理液とは異なる第2処理液を順次供給する第2処理液供給手段と
を備えた基板処理装置。
【請求項2】
前記追加供給手段は、少なくとも前記姿勢変換手段により傾斜姿勢に変換されたときの基板に対して、前記搬送方向における基板全長にわたる基板上端部に前記第1処理液を追加供給する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記追加供給手段は、基板搬送方向の基板後方側に対する第1処理液の供給量を多くする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記追加供給手段は、前記姿勢変換手段によって姿勢変換される基板と一体的に回動すると共に前記第1処理液を吐出するノズルを有し、
前記姿勢変換手段によって傾斜姿勢とされる前の水平姿勢にある基板の前記上端部とされる基板の端部に対して前記ノズルから前記第1処理液を吐出して第1処理液の追加供給を開始し、前記姿勢変換手段により傾斜姿勢に変換される途中においても前記ノズルから前記第1処理液を吐出して前記第1処理液の追加供給を継続する請求項1乃至請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ノズルより基板の中央側であり、かつ、前記上端部とされる基板の端部から所定距離内において基板表面に対して隙間を設けて配置された規制部材を有する請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記規制部材は、前記追加供給手段のノズルから吐出された前記第1処理液を受けて、当該第1処理液を前記基板の上端部に向けて供給する請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記追加供給手段の処理液吐出口が、前記基板の搬送方向に延びるスリット形状とされている請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第2搬送手段の基板搬送により前記姿勢変換手段に基板が存在しなくなった位置に対する前記追加供給手段の処理液吐出口からの第1処理液の供給が順次停止する請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記姿勢変換手段には、姿勢が変換される基板の前記上端部の下方に、前記追加供給手段から供給された第1処理液を受ける処理液受け機構が設けられている請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記姿勢変換手段に対して前記第2搬送手段による基板搬送方向下流側となる位置に、前記第2搬送手段によって搬送される基板の表面上に存在する第1処理液を一定量に制限する液切り手段が設けられている請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−180299(P2007−180299A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−377670(P2005−377670)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】