説明

基板収納容器

【課題】天板の撓みに伴う容器本体の変形を抑制し、シール性の悪化やパーティクルの発生を防ぐことのできる基板収納容器を提供することを目的としている。
【解決手段】半導体ウェーハを収納する容器本体1と、容器本体1に取り付けられて工場の天井搬送機構に保持される搬送用のトップフランジ19とを備え、容器本体1を、底板に半導体ウェーハの収納空間をおいて対向する天板16と、底板と天板16の後部間を上下に連結する背面壁24と、底板と天板16の両側部間を上下に連結する一対の側壁26とから形成して正面部28を開口させる。そして、容器本体1の天板16と各側壁26との撓みにくい稜線近傍部に、トップフランジ19の取付部である複数の螺子ボス3B等を位置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等の基板を支持する基板収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハを収納する従来の基板収納容器は、図示しないが、例えばφ300mmの薄い半導体ウェーハを複数枚整列収納するフロントオープンボックスの容器本体と、この容器本体の開口した正面部をガスケットを介して開閉する着脱自在の蓋体とを備えて構成されている。
容器本体は、樹脂を含む成形材料を使用して射出成形され、天板の中央部には、工場の天井搬送機構に把持されるトップフランジが嵌合機構を介して嵌合されている(特許文献1、2、3、4、5、6参照)。
【特許文献1】WO99/39994
【特許文献2】特開2000‐306988号公報
【特許文献3】特開2004‐214269号公報
【特許文献4】特開2006‐128461号公報
【特許文献5】特開2002‐68364号公報
【特許文献6】特開2003‐174080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来における基板収納容器は、以上のように構成され、容器本体の天板中央部にトップフランジが単に嵌合されているので、トップフランジが工場の天井搬送機構に把持して持ち上げられ、搬送されると、重量で天板が弓なりに撓んで容器本体を変形させることになる。この結果、容器本体や蓋体のシール性が悪化したり、半導体ウェーハの保持力が低下して半導体ウェーハが回転し、容器本体あるいは蓋体と半導体ウェーハとが擦れて容器本体内でパーティクルが発生するという問題が生じる。
【0004】
係る問題は、半導体ウェーハがφ300mmタイプの場合はもとより、大口径で重いφ450mmタイプの場合には、半導体ウェーハを最大収納枚数収納した基板収納容器の総重量が20kg前後にもなるので、重大かつ深刻である。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたもので、天板の撓みに伴う容器本体の変形を抑制し、シール性の悪化やパーティクルの発生を防ぐことのできる基板収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては上記課題を解決するため、基板を収納する容器本体と、この容器本体に取り付けられて搬送機構に保持される搬送用のトップフランジとを備えたものであって、
容器本体は、底板に基板の収納空間をおいて対向する天板と、底板と天板の後部間を連結する背面壁と、底板と天板の両側部間を連結する複数の側壁とを含み、天板と側壁との稜線近傍部にトップフランジの取付部を位置させるようにしたことを特徴としている。
【0007】
なお、天板とトップフランジとの間に、搬送機構用の保持空間を形成することができる。
また、トップフランジに搬送機構用の保持孔を設け、トップフランジの表面には格子リブを形成することができる。
また、天板に対向するトップフランジの裏面に、容器本体の前後方向に伸びる平坦面を形成することができる。
【0008】
また、天板の側部に、側壁の略上面上に位置する複数の螺子ボスを設け、トップフランジに、天板の複数の螺子ボスに対向する螺子孔と位置決めボスとをそれぞれ設け、天板の複数の螺子ボスに、トップフランジの螺子孔と位置決めボスとを貫通した締結具をそれぞれ螺子嵌めすることもできる。
また、天板の螺子ボスに、容器本体の中心部方向に傾斜して伸びる補強リブを形成することも可能である。
【0009】
また、容器本体の正面部周縁に外方向に張り出すリムフランジを形成し、このリムフランジの外周面の少なくとも一部に前後一対の枠リブを間隔をおいて形成し、この一対の枠リブ間を連結リブにより連結することも可能である。
さらに、一対の枠リブ間の少なくとも一部に、連結リブと一体化される強度保持リブを形成すると良い。
【0010】
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくともφ200、φ300、φ450mmの半導体ウェーハ、ガラス基板、マスクガラス等が含まれる。また、容器本体は、透明、不透明、半透明、フロントオープンボックスタイプ、トップオープンボックスタイプ、ボトムオープンボックスタイプを特に問うものではない。
【0011】
容器本体の天板に対するトップフランジの取り付けは、螺子嵌めが主ではあるが、これに限定されるものではなく、例えば係合孔に係合爪を係止させる係合機構を使用する方法、容器本体とトップフランジのいずれか一方にスライドレールを、他方には噛合係止部をそれぞれ設け、スライドレールの端部と噛合係止部とを噛合させる方法、接着剤を使用する方法、溶着、あるいはこれらを併用する方法等でも良い。
【0012】
トップフランジは、特に限定されるものではないが、例えば平面視平板形、矩形、六角形、八角形等の多角形、円形、断面略板形、略U字形、略Ω字形、略π字形等とすることができる。また、トップフランジは、板形の固定部と、この固定部から立ち上がる壁部とを備え、壁部の天部にフランジを設けた構成でも良い。このトップフランジは、その保持孔やフランジの外壁等を用いて搬送機構に保持させることができる。トップフランジの保持孔は、単数で良いが、必要に応じて複数設けることができる。
【0013】
トップフランジと取付部、トップフランジと締結具との接触部間には、振動を吸収する防振部材(例えば、ポリウレタン、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、フッ素ゴム、熱可塑性エラストマー等)を必要数介在させることができる。この場合には、搬送時の振動を吸収して防振することができるので、基板の損傷防止の他、基板収納容器を高速で搬送することができる。さらに、締結具には、少なくともビス、ボルト、これらに機能的に類似する螺子部材が含まれる。
【0014】
本発明によれば、容器本体の天板の撓み易い中央部にトップフランジが取り付けられるのではなく、天板と側壁との稜線近傍部にトップフランジの取付部が位置するので、基板収納容器の重量で天板が撓み、容器本体の変形を招くことが少ない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、天板と側壁との稜線近傍部にトップフランジの取付部を位置させるので、天板の撓みに伴う容器本体の変形を抑制し、シール性の悪化やパーティクルの発生を防ぐことができるという効果がある。
【0016】
また、天板とトップフランジとの間に、搬送機構用の保持空間を形成すれば、保持空間に搬送機構のフォーク等を挿入し、搬送機構により基板収納容器を持ち上げて搬送することができる。
また、トップフランジに搬送機構用の保持孔を設ければ、トップフランジの保持孔に搬送機構の保持爪を干渉保持させ、搬送機構により基板収納容器を持ち上げて搬送することができる。また、トップフランジの表面に格子リブを形成すれば、トップフランジの素材強度を強化したり、トップフランジを薄くして軽量化を実現することができ、しかも、トップフランジの反り等を防ぐことができる。
【0017】
また、天板に対向するトップフランジの裏面の側部に、平坦面を容器本体の前後方向に向けて形成すれば、容器本体を洗浄等する際、容器本体やトップフランジの裏面に液体が残留するのを抑制し、容器本体やトップフランジを短時間で乾燥させることが可能になる。
【0018】
また、天板の側部に、側壁の略上面上に位置する複数の螺子ボスを設け、トップフランジに、天板の複数の螺子ボスに対向する螺子孔と位置決めボスとをそれぞれ設け、天板の複数の螺子ボスに、トップフランジの螺子孔と位置決めボスとを貫通した締結具をそれぞれ螺子嵌めすれば、簡易な構成で天板にトップフランジを高精度に位置決め固定することが可能になる。
【0019】
また、天板の螺子ボスに、容器本体の中心部方向に傾斜して伸びる補強リブを形成すれば、天板の強度強化、軽量化、反り防止を実現することが可能になる。また、容器本体を洗浄等する際、天板や補強リブに液体が溜まるのを防ぎ、容器本体の短時間の乾燥が期待できる。
【0020】
また、容器本体の正面部周縁に外方向に張り出すリムフランジを形成し、このリムフランジの外周面の少なくとも一部に前後一対の枠リブを間隔をおいて形成し、この一対の枠リブ間を連結リブにより連結すれば、容器本体の正面部の強度や耐久性を向上させ、かつ安定させることが可能になる。
さらに、一対の枠リブ間の少なくとも一部に、連結リブと一体化される強度保持リブを形成すれば、容器本体の正面部の剛性をさらに向上させ、容器本体の正面部の変形防止が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明に係る基板収納容器の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、図1ないし図27に示すように、半導体ウェーハWを複数枚収納するフロントオープンボックスの容器本体1と、この容器本体1の開口した正面部28を開閉する蓋体60とを備え、容器本体1の天板16に、工場の天井搬送機構に把持される搬送用のトップフランジ19を装着し、容器本体1の内部両側には、半導体ウェーハWを水平に支持可能な別体の支持体40をそれぞれ装着するようにしている。
【0022】
半導体ウェーハWは、図4、図17、図18等に示すように、例えば925μmの厚さを有するφ450mmの薄く重いシリコンウェーハからなり、周縁部に図示しない位置合わせや識別用のノッチが平面半円形に切り欠かれており、容器本体1に25枚が整列して収納される。
【0023】
容器本体1と蓋体60とは、所定の樹脂を含有する成形材料によりそれぞれ射出成形される。この成形材料中の所定の樹脂としては、例えば力学的性質や耐熱性等に優れるポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、あるいは環状オレフィン樹脂等があげられる。これらの樹脂には、カーボン、カーボン繊維、金属繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、帯電防止剤、又は難燃剤等が必要に応じて選択的に添加される。
【0024】
容器本体1は、図1、図5、図7、図12、図13等に示すように、半導体ウェーハWよりも大きい底板2と、この底板2に半導体ウェーハWの収納空間をおいて上方から対向する天板16と、これら底板2と天板16の後部間を上下に連結する背面壁24と、底板2と天板16の左右両側部間を上下に連結する左右一対の側壁26とを備えた不透明のフロントオープンボックスタイプに形成され、開口した横長の正面部28を水平横方向に向けた状態で半導体加工装置や気体置換装置上に位置決めして搭載されたり、洗浄槽の洗浄液により洗浄される。
【0025】
底板2と天板16とは、図4、図6、図7、図12、図13等に示すように、基本的には容器本体1の正面部28側が広く長く、背面壁24側が狭く短い平面略台形にそれぞれ形成され、正面部28側から背面壁24方向に向かうにしたがい徐々に接近するよう傾斜する。
【0026】
底板2は、有底円筒形を呈する多数の螺子ボス3が配設され、四隅部付近には円筒形のフィルタボス4がそれぞれ穿孔して配設されており、この複数のフィルタボス4に、容器本体1の内外を連通する給気用フィルタ5と排気用フィルタ6とがそれぞれOリングを介し着脱自在に嵌合される。これら給気用フィルタ5と排気用フィルタ6とは、例えば一方向弁が内蔵され、この場合には、気体置換装置に接続されて容器本体1内の空気を窒素ガスに置換し、半導体ウェーハWの表面酸化等を防止するよう機能する。
【0027】
底板2の前部両側と後部中央とには、細長い複数の高さ調整板7がそれぞれ所定のピッチで並設され、この複数の高さ調整板7に、基板収納容器、具体的には容器本体1を位置決めする位置決め具8が締結ビスや底板2の螺子ボス3を介しそれぞれ螺着される。各位置決め具8は、図6ないし図9等に示すように、複数の高さ調整板7間に接触する一対の位置決めブロック9を備え、この一対の位置決めブロック9が僅かな水切り空間10をおいて相互に対向する。
【0028】
各位置決めブロック9は、基本的には平面略正方形を呈する断面略V字形に形成されてその一対の斜面を備えた凹部を下方に指向させ、両側部には取付フランジ11がそれぞれ水平に突出形成されており、半導体加工装置や気体置換装置の位置決めピンに上方から凹部を嵌合・摺接させ、容器本体1を高精度に位置決めするよう機能する。
【0029】
位置決めブロック9の周縁部のうち、少なくとも他の位置決めブロック9に近接対向する対向縁には、成形性や洗浄時の水切り性を向上させる観点からテーパが形成される。また、位置決めブロック9の各取付フランジ11には、段差を備えた円筒形の位置決めボス12が一体形成され、この位置決めボス12を貫通した締結ビスが螺子ボス3に螺挿されることにより、位置決めブロック9が高精度に位置決めされる。
【0030】
底板2の螺子ボス3には図2、図4、図5、図10、図11等に示すように、底板2を被覆して複数の給気用フィルタ5、排気用フィルタ6、及び位置決め具8をそれぞれ露出させるボトムプレート13が締結ビスを介して水平に螺着される。このボトムプレート13は、底板2よりも一回り小さい類似の形に形成され、周縁部が起立して補強されており、左右両側部に搬送用のコンベヤレールがそれぞれ選択的に形成される。
【0031】
ボトムプレート13の底板2に対向する対向内面には、直線形の強化リブと共に円筒形の複数の螺子ボス3Aと位置決めボス12Aとが配設され、この複数の螺子ボス3Aと位置決めボス12Aとを貫通した締結ビスが底板2の螺子ボス3に螺挿されることにより、ボトムプレート13が底板2に高精度に位置決めされる。また、ボトムプレート13の四隅部付近には、給気用フィルタ5と排気用フィルタ6とを近接して露出させる円形あるいは半円形の露出孔14がそれぞれ穿孔され、ボトムプレート13の前部両側と後部中央とには、位置決め具8を近接して露出させる矩形の露出孔14Aがそれぞれ穿孔される。
【0032】
ボトムプレート13の後部には、露出孔14Aの近傍に位置する複数の識別孔15が穿孔され、この複数の識別孔15に図示しない着脱自在の情報識別パッドが選択的に挿入されることにより、基板収納容器の種類や半導体ウェーハWの枚数等が半導体加工装置等に識別される。情報識別パッドは、特に限定されるものではないが、例えば円柱形や割りピン形等に形成され、半導体加工装置等のセンサ(光センサ等)に検出される。
【0033】
天板16と側壁26の撓みにくい稜線近傍部、換言すれば、天板16の両側部には図13等に示すように、側壁26の上面上に位置する一対の螺子ボス3Bがそれぞれ前後に並べて配設され、この複数対の螺子ボス3Bに、工場の天井搬送機構に把持される搬送用のトップフランジ19が締結ビスを介し水平に螺着される。一対の螺子ボス3Bは、トップフランジ19の裏面に接触あるいは近接する補強用の連結リブ17が架設され、各螺子ボス3Bが有底円筒形に形成されてその外周面には容器本体1の中心部前方向に傾斜して伸びる補強リブ18が一体形成される。
【0034】
複数の補強リブ18は、天板16と一体化され、容器本体1の最前部に位置する左右一対の補強リブ18Aが直線的な細長い板形に形成される。この一対の補強リブ18Aの後方に位置する複数の補強リブ18Bは、洗浄時の水切り性向上の観点から平面略へ字形の細長い板に屈曲形成され、屈曲した短い先端部が容器本体1の正面部28方向に直線的に指向する。
【0035】
トップフランジ19は、図1、図4、図5、図12、図14、図15等に示すように、容器本体1の正面部28側が広く長く、背面壁24側が狭く短い平面多角形の平板に形成され、前部中央には、天井搬送機構の一対の保持爪に貫通して干渉保持される保持孔20が平面矩形に穿孔される。
【0036】
トップフランジ19の両側端部には、下方に突出して天板16の複数の螺子ボス3Bに対向する螺子孔21と位置決めボス12Bとがそれぞれ並設され、これら複数の螺子孔21と位置決めボス12Bとを貫通した締結ビスが天板16の螺子ボス3Bに螺挿されることにより、天板16にトップフランジ19が高精度に位置決めされ、かつこれら16・19の間に天井搬送機構のフォークが後方から進入するための狭小な保持空間Sが区画形成される。複数の位置決めボス12Bは、例えば前後に並んだ複数の螺子孔21の最前列あるいは最後尾に位置する。
【0037】
トップフランジ19の表面には補強用の格子リブ22が形成され、トップフランジ19の天板16に対向する平らな裏面の両側部には、洗浄時の水切り性を向上させる平坦面23がそれぞれ前後方向に伸長形成されており、各平坦面23が保持孔20と螺子孔21及び位置決めボス12Bとの間に位置する。
【0038】
背面壁24は、図5や図6等に示すように、中央部に透明の覗き窓25が二色成形法等により縦長に形成され、この覗き窓25により、容器本体1の内部が外部から視覚的に観察・把握される。
【0039】
各側壁26は、図1、図5、図6、図13等に示すように、底板2と天板16の形に応じ、前部側が略直線的な板形に形成され、後部側が底板2と天板16の内方向に傾斜したり、湾曲して形成されており、この後部が背面壁24の側部に一体的に連結される。各側壁26の表面には、補強や変形防止の他、指等を干渉させることのできる略台形のグリップ部27が前後方向に伸長して凹み形成される。
【0040】
容器本体1の正面部28は、図1ないし図6、図12、図13、図16等に示すように、周縁に外方向に張り出すリムフランジ29が三角形の小さな保持リブを介して膨出形成され、このリムフランジ29内に着脱自在の蓋体60が蓋体開閉装置により嵌合される。このリムフランジ29は、その内周面に正面枠形の取付溝30が切り欠かれ、この取付溝30に、蓋体60に圧接するリップタイプのガスケット31が密嵌されており、内周面の上下両側部には、ガスケット31の後方に位置する係止穴33がそれぞれ穿孔される。
【0041】
ガスケット31は、例えば耐熱性や耐候性等に優れるフッ素ゴム、シリコーンゴム、各種の熱可塑性エラストマー(例えば、オレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等)等を成形材料として弾性変形可能な枠形に成形され、蓋体60に対向する対向面には、容器本体1の正面部28方向に伸びる先細りの突片32がエンドレスに一体形成される。この突片32は、容器本体1の正面部28方向に向かうに従い徐々に容器本体1の内方向に傾斜し、蓋体60の周壁外周面に屈曲しながら圧接して気密性を確保する。
【0042】
リムフランジ29の外周面のうち、少なくとも上部と左右両側部とには、略枠形を呈する前後一対の枠リブ34が間隔をおいて配列形成され、この一対の枠リブ34の間には、強度を確保する複数のXリブ35が並べて連結架設される。一対の枠リブ34間の上部と左右両側部とのうち、少なくとも両側部には、複数のXリブ35を前後に二分する板形の強度保持リブ36がそれぞれ選択的に一体形成され、この強度保持リブ36がリムフランジ29の剛性をさらに向上させる。また、リムフランジ29の外周面下部には、ボトムプレート13の前方に整合して位置する搬送用のコンベヤレール37が設けられる。
【0043】
各支持体40は、所定の樹脂、例えば滑り性に優れるポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、あるいはCOP等を含有する成形材料により射出成形される。所定の樹脂には、カーボン繊維、金属繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、導電性の付与された樹脂等が必要に応じて選択的に添加される。
【0044】
各支持体40は、図4、図17ないし図22等に示すように、容器本体1の側壁26内面に対向する枠体41と、この枠体41から上下に並んだ状態で突出し、半導体ウェーハWを支持する複数の支持片51とを備え、各支持片51を、枠体41から水平横方向に突出して半導体ウェーハWの少なくとも周縁部の側部前方を水平に支持する前部支持片52と、枠体41から水平横方向に突出して半導体ウェーハWの少なくとも周縁部の側部後方を水平に支持する後部支持片57とから形成しており、容器本体1の両側壁26内面にそれぞれ着脱自在に装着される。
【0045】
枠体41は、間隔をおいて相対向する上下一対の横桟42と、この一対の横桟42の前後両端部間に縦に架設される一対の縦桟43・43Aとを備えた横長に形成される。一対の横桟42は、その中央部間に、枠体41内を前後に区画する棒形の区画連結片44が縦に架設され、後部間には、区画連結片44の後方に位置する板形の補強連結片45が縦に架設される。この一対の横桟42の後部は、複数の後部支持片57同様、半導体ウェーハWの周縁部の側部後方に沿うよう容器本体1の内方向に向け徐々に屈曲される。
【0046】
各横桟42の最前部には、側壁26内面の嵌合部に着脱自在に嵌合する取付ピン46が上下方向に突出形成され、各横桟42の前部には、取付ピン46の後方に低く位置する板形の位置決め取付片47が上下方向に突出形成されており、この位置決め取付片47が側壁26内面の嵌合部に着脱自在に位置決め嵌合される。また、横桟42の後部長手方向には、容器本体1内に接触する複数の高さ調整ピン48が間隔をおき配列形成され、この複数の高さ調整ピン48が枠体41や複数の支持片51の上下方向の高さを適切に調整する。
【0047】
前部の縦桟43の中央部には、側壁26内面の取付爪に対する取付溝49が切り欠かれ、後部の縦桟43Aの端部には、上下方向に伸びる断面略円形の取付膨張片50が一体形成されており、この取付膨張片50が容器本体1内に着脱自在に固定される。取付溝49は、矩形に切り欠かれ、容器本体1からの支持体40の飛び出しを防止する。
【0048】
前部支持片52は、枠体41の前部、換言すれば、前部の縦桟43から半導体ウェーハWの周縁部前方向に直線的かつ水平に長く伸びる平板形の突出部53と、この突出部53の先端から半導体ウェーハWの周縁部に沿うよう湾曲しながら後方に伸びる平板形の屈曲部54とを備え、枠体41との間に屈曲した平面略三角形の空洞部55が区画形成されており、屈曲部54の後端が区画連結片44に連結される。屈曲部54の表面前方には、半導体ウェーハWの裏面あるいは裏面側のエッジに接触して水平に支持する板形の支持リブ56が形成される。
【0049】
後部支持片57は、半導体ウェーハWの周縁部の側部後方に沿うよう平面略半円弧形の平板に形成され、後部の縦桟43Aと区画連結片44との間に水平に架設されるとともに、補強連結片45に水平に連結支持されており、屈曲部54の後端後方に隙間をおいて隣接する。この後部支持片57の表面後方には、補強連結片45の近傍に位置する板形の支持リブ56が形成され、この支持リブ56が前部支持片52の支持リブ56同様、半導体ウェーハWの裏面あるいは裏面側のエッジに接触して水平に支持する。
【0050】
蓋体60は、図1、図3、図4、図13、図16、図23ないし図27等に示すように、容器本体1の開口したリムフランジ29内に嵌合する横長の筐体61と、この筐体61の開口した表面(正面)を被覆する表面プレート76と、これら筐体61と表面プレート76との間に介在される施錠機構80とを備えて構成される。
【0051】
筐体61は、基本的には枠形の周壁を備えた浅底の断面略皿形に形成され、中央部62が裏面側から表面側に向け正面略箱形に突出形成されており、この中央部62と周壁の左右両側部との間に複数の螺子ボスと共に施錠機構80用の設置空間がそれぞれ区画形成される。この筐体61の周壁外周面の丸まった四隅部付近には、蓋体60の着脱を容易化する複数本のドアガイド63がそれぞれ配設され、周壁の上下両側部には、施錠機構80用の貫通孔64がそれぞれ穿孔されており、各貫通孔64がリムフランジ29の係止穴33に対向する。
【0052】
筐体61の中央部62の隆起した表面には、上下方向に指向する複数本の強化リブ65が所定のピッチをおいて並設され、中央部62の凹んだ裏面には、左右水平方向に指向する保護棚板66が上下方向に所定のピッチで並設されており、各保護棚板66が収納された複数枚の半導体ウェーハWの周縁部前方を非接触で仕切るよう機能する。保護棚板66の表裏面には、位置ずれした半導体ウェーハWの周縁部前方に干渉可能な三角形の小さな干渉リブ67が複数配列形成される。
【0053】
筐体61の裏面両側部には、筐体61に剛性を付与して反りを防止する格子リブ68がそれぞれ縦長に一体形成され、各格子リブ68と複数の保護棚板66との間には、半導体ウェーハWを弾発的に保持するフロントリテーナ69がそれぞれ着脱自在に装着される。
【0054】
各フロントリテーナ69は、格子リブ68と保護棚板66との間に押さえ爪を介し着脱自在に装着され、かつ施錠機構80の後方に位置して蓋体60の変形を防止する縦長の枠体70(図26等参照)を備え、この枠体70の保護棚板66に近接する縦桟部には、保護棚板66方向に傾斜しながら伸びる可撓性の弾性片71が上下に並べて一体形成されており、各弾性片71の先端部には、半導体ウェーハWの周縁部前方をV溝により保持する小さな保持ブロック72が一体形成される。
【0055】
筐体61の裏面周縁部には枠形の嵌合溝73が形成され、この嵌合溝73には、リムフランジ29のガスケット31との間に貫通孔64を挟むリップタイプのガスケット74が密嵌されており(図16参照)、このガスケット74がリムフランジ29内に圧接する。このガスケット74は、例えば耐熱性や耐候性等に優れるフッ素ゴム、シリコーンゴム、各種の熱可塑性エラストマー(例えば、オレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等)等を成形材料として弾性変形可能な枠形に成形され、ガスケット31の後方に位置する。
【0056】
ガスケット74の外周面には、容器本体1の正面部28から背面壁24方向に指向する断面略へ字形の屈曲突片75がエンドレスに一体形成され、この屈曲突片75が容器本体1の内方向から外方向に伸びてリムフランジ29の内周面に屈曲しながら圧接し、気密性を確保するよう機能する。
【0057】
表面プレート76は、筐体61の開口した表面に対応するよう横長の平板に形成され、左右両側部には、施錠機構80用の操作口77と共に複数の取付孔がそれぞれ穿孔されており、この複数の取付孔を貫通した締結ビスが筐体61の螺子ボスに螺挿されることにより、筐体61の表面に位置決め固定される。この表面プレート76の周縁部には、筐体61の周壁外周面に係合する複数の係合リブ78が所定のピッチをおいて配列形成される。
【0058】
施錠機構80は、表面プレート76の操作口77を貫通した蓋体開閉装置の操作ピンに回転操作される左右一対の回転プレート81と、各回転プレート81の回転に伴い上下方向にスライドする複数のスライドプレート84と、各スライドプレート84のスライドに伴い筐体61から突出してリムフランジ29の係止穴33に係止する複数の係止爪87とを備えて構成され、フロントリテーナ69の前方に位置する。
【0059】
各回転プレート81は、基本的には断面略凸字形の円板に形成され、周縁部付近に一対の係合溝孔82が間隔をおいてそれぞれ略半円弧形に切り欠かれており、筐体61表面の左右両側部にそれぞれ軸支されてフロントリテーナ69の前方近傍に位置する。この回転プレート81の表面側に突出した中心部には、表面プレート76の操作口77に対向する正面略小判形の操作穴83が穿孔され、この操作穴83に蓋体開閉装置の操作ピンが着脱自在に挿入される。
【0060】
各スライドプレート84は、筐体61の上下方向に指向する縦長の板に形成され、筐体61表面の左右両側部に複数のガイドピン85を介しそれぞれ支持されてフロントリテーナ69の前方近傍に位置しており、末端部が回転プレート81の表面周縁部付近に対向する。このスライドプレート84の末端部には嵌入ピンが突出形成され、この嵌入ピンには、回転プレート81の係合溝孔82に遊嵌するローラ86が回転可能に嵌合される。
【0061】
各係止爪87は、筐体61の貫通孔64付近に揺動可能に軸支されるとともに、スライドプレート84の先端部に揺動可能に軸支され、スライドプレート84のスライドにより貫通孔64から突出あるいは退没する。この係止爪87には円筒形のローラ88が回転可能に軸支され、このローラ88が貫通孔64から突出してリムフランジ29の係止穴33内に摺接・係止する。
【0062】
上記構成において、容器本体1の一対の支持体40に半導体ウェーハWを支持させる場合には、容器本体1の一対の支持体40間に半導体ウェーハWを専用のロボットにより水平に挿入し、その後、半導体ウェーハWを下降させ、各支持体40の前部支持片52と後部支持片57との支持リブ56上に半導体ウェーハWの裏面を二点支持させれば、容器本体1の一対の支持体40に半導体ウェーハWを水平に支持させることができる。
【0063】
この際、各支持片51の前部支持片52と後部支持片57とが、半導体ウェーハWの周縁部側方の最大径近傍のみならず、半導体ウェーハWの裏面両側を従来よりも広範囲に亘り側方から支持する。
【0064】
容器本体1の一対の支持体40に半導体ウェーハWを支持させたら、容器本体1の開口したリムフランジ29内に蓋体60を蓋体開閉装置が嵌合して施錠機構80を施錠操作する。具体的には、各回転プレート81が蓋体開閉装置の操作ピンにより例えば施錠方向である時計方向に回転操作されると、各スライドプレート84が蓋体60の上下外方向に直線的にスライドし、各係止爪87が筐体61の貫通孔64から突出してリムフランジ29の係止穴33内にローラ88を介して係止し、容器本体1のリムフランジ29内に嵌合した蓋体60が強固に施錠される。
【0065】
なお、各回転プレート81が操作ピンにより例えば解錠方向である反時計方向に回転操作されると、突き出た各スライドプレート84が蓋体60の上下内方向に直線的にスライド復帰し、各係止爪87のローラ88がリムフランジ29の係止穴33内から筐体61の貫通孔64内に退没復帰し、容器本体1のリムフランジ29内から蓋体60が取り外し可能となる。
【0066】
容器本体1のリムフランジ29内に嵌合した蓋体60を施錠したら、トップフランジ19の保持孔20を天井搬送機構の一対の保持爪が上方から貫通して左右に展開し、トップフランジ19の保持孔20を天井搬送機構の一対の保持爪が干渉保持した後、基板収納容器が天井搬送機構に把持して持ち上げられ、搬送される。
【0067】
この際、容器本体1の天板16の撓み易い中央部にトップフランジ19が嵌合されているのではなく、天板16と各側壁26との撓みにくい交差部に複数の螺子ボス3B、位置決めボス12B、螺子孔21、及び締結ビスが位置するので、重量で天板16が弓なりに撓んで容器本体1を変形させることがない。
【0068】
また、トップフランジ19の保持孔20ではなく、天板16とトップフランジ19間の保持空間Sが使用される場合には、保持空間Sに天井搬送機構のフォークが後方から進入して挿通された後、基板収納容器が天井搬送機構に把持して持ち上げられ、搬送される。この際にも、天板16と各側壁26との撓みにくい交差部に複数の螺子ボス3B、位置決めボス12B、螺子孔21、及び締結ビスが位置するので、重量で天板16が弓なりに撓んで容器本体1を変形させることがない。
【0069】
使用済みの空の容器本体1は定期的に洗浄槽に浸漬され、洗浄槽の洗浄液により洗浄されて取り出されるが、この際、各螺子ボス3Bから容器本体1の中心部前方向に複数の補強リブ18が傾斜しながら伸びているので、この複数の補強リブ18に案内されつつ洗浄液がスムーズに流れ、排水されることとなる。したがって、天板16上に洗浄液が溜まり、汚染源になることがない。
【0070】
また同様に、トップフランジ19の天板16に対向する裏面が複雑な構成の凹凸ではなく、構成の簡素な平坦面23なので、この平滑な平坦面23に案内されつつ洗浄液が容器本体1の前後方向にスムーズに流れ、容器本体1から排水されることとなる。したがって、トップフランジ19の裏面や狭い保持空間Sに水滴が溜まり、容器本体1の汚染を招くことがない。
【0071】
上記構成によれば、重量で天板16が弓なりに撓んで容器本体1の変形・破損を招くのを防ぐことができるので、容器本体1や蓋体60のシール性が悪化するのを防止することができる。また、半導体ウェーハWの保持力が低下して半導体ウェーハWが回転し、容器本体1あるいは蓋体60と半導体ウェーハWとが擦れて容器本体1内でパーティクルが発生したり、半導体ウェーハWの汚染を招くのを有効に防止することができる。
【0072】
また、容器本体1の内方向に枠体41の支持片51を長く突出させて半導体ウェーハWを支持する支持領域を従来よりも幅広く拡大させるので、半導体ウェーハWの撓み量の増大を抑制することができる。したがって、基板収納容器の搬送時に大口径の半導体ウェーハWが振動したり、隣接する大口径の半導体ウェーハW同士が接触したり、共振して破損するおそれをきわめて有効に排除することができる。
【0073】
また、従来よりも大型の支持体40を容器本体1とは別に成形するので、滑り性の良い成形材料を用いて支持体40を容易に成形することができる他、寸法精度を著しく向上させることができ、専用のロボットによる出し入れの際、半導体ウェーハWを迅速、かつ安全に出し入れすることが可能になる。また、長い支持片51を、単一の平板とするのではなく、前部支持片52と後部支持片57とに分割するので、成形に伴う支持片51の変形を防止することが可能となる。
【0074】
さらに、枠体41と前部支持片52の間に成形材料を充填するのではなく、空洞部55を形成するので、例え枠体41から突出する前部支持片52の根元部が厚く、前部支持片52の突出部53と屈曲部54とが長く伸長されても、成形時における前部支持片52表面のひけや変形を抑制防止し、寸法精度を向上させることが可能となる。
【0075】
次に、図28、図29は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、天板16と各側壁26との交差部に、複数の螺子ボス3Bの代わりに複数の螺子穴90を穿孔するとともに、天板16の中央部に大きな平面矩形の凹穴91を穿孔して複数の補強リブ18を省略し、トップフランジ19の裏面から天板16の凹穴91に嵌合する凸部を突出させるようにしている。
【0076】
各側壁26の表面には、指等を干渉させることのできる略台形のグリップ部27が上下に並べて複数凹み形成される。また、リムフランジ29の外周面のうち、少なくとも上部と両側部とには、略枠形を呈する前後一対の枠リブ34が間隔をおいて配列形成され、この一対の枠リブ34の間には、強度を確保する複数の板リブ35Aが並べて連結架設される。一対の枠リブ34間には、複数の板リブ35Aを二分する強度保持リブ36が一体形成され、この強度保持リブ36がリムフランジ29の剛性をさらに増大させる。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0077】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、天板16、トップフランジ19、グリップ部27、及びリムフランジ29の構成の多様化を図ることができるのは明らかである。
【0078】
次に、図30は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、トップフランジ19の複数の螺子孔21と締結ビス92との間に、平面リング形の防振部材93をそれぞれ密嵌して介在させるようにしている。
【0079】
各防振部材93は、例えばポリウレタン、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、フッ素ゴム、熱可塑性エラストマー等の材料を使用して断面略U字形に成形される。この防振部材93は、螺子孔21と締結ビス92との間の他、必要に応じ、天板16の螺子ボス3Bと締結ビス92との間、トップフランジ19の位置決めボス12Bと締結ビス92との間にも介在される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0080】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、防振部材93により、搬送時の振動を吸収して防振したり、半導体ウェーハWの損傷を防止したり、基板収納容器を高速で搬送することができるのは明らかである。
【0081】
なお、上記実施形態における容器本体1やトップフランジ19は、樹脂を含む成形材料により成形しても良いが、アルミニウム、SUS、チタン合金等の金属を用いて形成しても良い。また、連結リブ17に係合孔を穿孔し、トップフランジ19の裏面に、係合孔に係合する係合爪を下方に向けて突出形成しても良い。また、容器本体1は、コンテナの開口した底面を蓋体で開閉するボトムオープンボックスタイプでも良い。
【0082】
また、トップフランジ19の外壁に位置決め用の溝や突起を形成し、これらの溝や突起を使用して搬送機構と位置決めし、外側から把持させても良い。また、トップフランジ19に、重量軽減用の抜き孔を備えた固定板を設けてその中央部から側壁を垂直に起立させ、この側壁の上部にフランジを形成するようにしても良い。また、容器本体1の側壁26外面には、必要に応じ、握持操作用のハンドルを設けることもできる。
【0083】
また、ボトムプレート13、例えばその後部に、バーコードやRFIDシステムのRFタグを取り付けるための取付部を形成することもできる。また、容器本体1の内部両側に支持体40をそれぞれ装着するのではなく、コンテナの支持部材に半導体ウェーハWを所定のピッチで支持させたり、カセットに半導体ウェーハWを支持させたり、あるいは緩衝部材や治具等により半導体ウェーハWを積層支持させることもできる。
【0084】
また、リムフランジ29の外周面のうち、少なくとも上部と左右両側部とに、前後一対の枠リブ34を間隔をおき配列形成してそれらの間には強度を確保する複数のXリブ35を並べて架設し、一対の枠リブ34間に、複数のXリブ35と一体化する強度保持リブ36を形成することもできる。この際、Xリブ35の代わりに板リブ35AやVリブ等を適宜用いても良い。さらに、施錠機構80のローラ88を円筒形ではなく、多角形の筒形に形成してその平坦面を係止穴33内に係止させ、蓋体60の施錠の安定化や確実化を図ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す底面図である。
【図3】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体を模式的に示す正面図である。
【図4】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す断面側面図である。
【図5】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す後部斜視説明図である。
【図6】本発明に係る基板収納容器の実施形態における上下逆にした容器本体の底板を模式的に示す斜視説明図である。
【図7】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体と位置決め具とを模式的に示す底面説明図である。
【図8】本発明に係る基板収納容器の実施形態における位置決め具の位置決めブロックを模式的に示す斜視説明図である。
【図9】本発明に係る基板収納容器の実施形態における位置決めブロックの裏面側を模式的に示す斜視説明図である。
【図10】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるボトムプレートの内側を模式的に示す斜視説明図である。
【図11】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるボトムプレートの外側を模式的に示す斜視説明図である。
【図12】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す平面説明図である。
【図13】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体の天板を模式的に示す斜視説明図である。
【図14】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるトップフランジを模式的に示す斜視説明図である。
【図15】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるトップフランジの裏面を模式的に示す斜視説明図である。
【図16】本発明に係る基板収納容器の実施形態におけるリムフランジ、ガスケット、及び蓋体の関係を模式的に示す部分断面説明図である。
【図17】本発明に係る基板収納容器の実施形態における半導体ウェーハの支持状態を模式的に示す斜視説明図である。
【図18】本発明に係る基板収納容器の実施形態における支持体と半導体ウェーハとを模式的に示す正面図である。
【図19】本発明に係る基板収納容器の実施形態における支持体を模式的に示す斜視説明図である。
【図20】図19の平面図である。
【図21】本発明に係る基板収納容器の実施形態における支持体を裏面側から模式的に示す斜視説明図である。
【図22】本発明に係る基板収納容器の実施形態における支持体を模式的に示す説明図である。
【図23】本発明に係る基板収納容器の実施形態における筐体の表面側を模式的に示す斜視説明図である。
【図24】本発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋体の裏面側を模式的に示す斜視説明図である。
【図25】本発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋体の裏面を模式的に示す説明図である。
【図26】本発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋体を模式的に示す平面図である。
【図27】本発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋体を模式的に示す側面説明図である。
【図28】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【図29】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態における容器本体を模式的に示す平面図である。
【図30】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態を模式的に示す部分断面説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1 容器本体
2 底板
3 螺子ボス
3A 螺子ボス
3B 螺子ボス(取付部)
12B 位置決めボス(取付部)
16 天板
17 連結リブ
18 補強リブ
18A 補強リブ
18B 補強リブ
19 トップフランジ
20 保持孔
21 螺子孔(取付部)
22 格子リブ
23 平坦面
24 背面壁
26 側壁
28 正面部
29 リムフランジ
34 枠リブ
35 Xリブ(連結リブ)
35A 板リブ(連結リブ)
36 強度保持リブ
40 支持体
60 蓋体
80 施錠機構
92 締結ビス(締結具)
93 防振部材
S 保持空間
W 半導体ウェーハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納する容器本体と、この容器本体に取り付けられて搬送機構に保持される搬送用のトップフランジとを備えた基板収納容器であって、
容器本体は、底板に基板の収納空間をおいて対向する天板と、底板と天板の後部間を連結する背面壁と、底板と天板の両側部間を連結する複数の側壁とを含み、天板と側壁との稜線近傍部にトップフランジの取付部を位置させるようにしたことを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
天板とトップフランジとの間に、搬送機構用の保持空間を形成するようにした請求項1記載の基板収納容器。
【請求項3】
トップフランジに搬送機構用の保持孔を設け、トップフランジの表面には格子リブを形成した請求項1又は2記載の基板収納容器。
【請求項4】
天板に対向するトップフランジの裏面に、容器本体の前後方向に伸びる平坦面を形成した請求項1、2、又は3記載の基板収納容器。
【請求項5】
天板の側部に、側壁の略上面上に位置する複数の螺子ボスを設け、トップフランジに、天板の複数の螺子ボスに対向する螺子孔と位置決めボスとをそれぞれ設け、天板の複数の螺子ボスに、トップフランジの螺子孔と位置決めボスとを貫通した締結具をそれぞれ螺子嵌めするようにした請求項1ないし4いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項6】
天板の螺子ボスに、容器本体の中心部方向に傾斜して伸びる補強リブを形成した請求項5記載の基板収納容器。
【請求項7】
容器本体の正面部周縁に外方向に張り出すリムフランジを形成し、このリムフランジの外周面の少なくとも一部に前後一対の枠リブを間隔をおいて形成し、この一対の枠リブ間を連結リブにより連結した請求項1ないし6いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項8】
一対の枠リブ間の少なくとも一部に、連結リブと一体化される強度保持リブを形成した請求項1ないし7いずれかに記載の基板収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2009−302414(P2009−302414A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157312(P2008−157312)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】