説明

基板接続構造及びフレキシブルプリント基板の取付構造

【課題】製造コストの低減を図るとともに、相手側の回路基板との接合強度を確実に向上させることができる基板接続構造、及び、この基板接続構造に用いられるフレキシブルプリント基板の取付構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る基板接続構造1は、導通可能な接続部101を有する回路基板100と、接続部101に取り付けられる取付部201を有するFPC200とを備え、回路基板100にFPC200を接続する構造である。FPC200は、絶縁性を有する基板210と、基板210上に積層され、接続部101と接続される導体パターン221が形成されるベースフィルム220とを備える。ベースフィルム220の取付部201に対応する位置には、基板210の逆側に向かって突出して基板210との間で空間を形成するとともに、突出方向に対して変位可能な突出部222が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板にフレキシブルプリント基板を接続する基板接続構造、及び、この基板接続構造に用いられるフレキシブルプリント基板の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等に搭載される電子回路基板(以下、回路基板)に接続する配線として、フレキシブルプリント基板(以下、FPC)が広く利用されている。このFPCを回路基板に取り付ける方法として、コネクタ式取付方法と、ネジ取付方法とが挙げられる。
【0003】
コネクタ式取付方法として、回路基板に取り付けられたコネクタ内に、バネ構造を有する端子が設けられ、端子のバネ構造によりFPCの先端部をコネクタ内で付勢する技術が知られている。この技術では、端子のバネ構造の付勢力でFPCを回路基板に取り付けることができ、ハンダ付け等を施す工程が必要ない。
【0004】
一方、ネジ取付方法として、回路基板の反対側へ折り曲げられる折曲部が形成された導体パターンを有するFPCと回路基板とをネジにより固定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、回路基板の銅箔体と折曲部との間にハンダを溶解することによって、回路基板とFPCとの接続強度を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−94231号公報(第2〜第4頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のコネクタ式取付方法では、端子のバネ構造の付勢力のみでFPCが回路基板に取り付けられているため、回路基板とFPCとの接続強度が高いとは言えず、未だ改善の余地があった。
【0007】
一方、従来のネジ取付方法では、コネクタ式取付方法と比較して回路基板とFPCとの接続強度が高いものの、ハンダを施す工程が必要である。このため、製造が煩雑であり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、製造コストの低減を図るとともに、相手側の回路基板との接合強度を確実に向上させることができる基板接続構造、及び、この基板接続構造に用いられるフレキシブルプリント基板の取付構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、導通可能な接続部(接続部101)を有する回路基板(回路基板100)と、前記接続部に取り付けられる取付部(取付部201)を有するフレキシブルプリント基板(FPC200)とを備え、前記回路基板に前記フレキシブルプリント基板を接続する基板接続構造(基板接続構造1)であって、前記フレキシブルプリント基板は、絶縁性を有する基板(基板210)と、前記基板上に積層され、前記接続部と接続される導体パターン(導体パターン221)が形成されるベースフィルム(ベースフィルム220)とを備え、前記ベースフィルムの前記取付部に対応する位置には、前記基板の逆側に向かって突出して前記基板との間で空間(空間S)を形成するとともに、突出方向に対して変位可能な突出部(突出部222)が設けられることを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、突出部は、基板の逆側に向かって突出して基板との間で空間を形成するとともに、突出方向に対して変位可能である。これにより、フレキシブルプリント基板の取付部が回路基板の接続部に取り付けられた際に、突出部が回路基板の接続部に向かって付勢するため、フレキシブルプリント基板と回路基板との接合強度を確実に向上させることができる。
【0011】
例えば、本発明の基板接続構造がコネクタ式取付方法に用いられる場合、コネクタ内に設けられるバネ構造を有する端子のバネ構造の付勢力に対向して、突出部がコネクタにおけるハウジングの内面に向けて端子を付勢するため、フレキシブルプリント基板と回路基板との接合強度を確実に向上させることができる。
【0012】
一方、本発明の基板接続構造がネジ取付方法に用いられる場合、フレキシブルプリント基板と回路基板とをネジにより固定された状態で、突出部が回路基板に向けて銅箔体を付勢する。このため、ハンダ付け等を施すことなく、フレキシブルプリント基板と回路基板との接合強度を向上させることができる。
【0013】
このように、突出部をベースフィルムの取付部に対応する位置に設けるのみで、フレキシブルプリント基板と回路基板との接合強度を向上させることができるため、ハンダ付け等を施す工程が必要なく、製造コストの低減を図ることができる。
【0014】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記突出部と前記基板との空間には、大気圧よりも高い空気が密閉されることを要旨とする。
【0015】
かかる特徴によれば、突出部と基板との空間に大気圧よりも高い空気が密閉される。これにより、突出部が回路基板の接続部に向かって付勢しやすくなるため、フレキシブルプリント基板と回路基板との接合強度をより確実に向上させることができる。
【0016】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、前記突出部は、フレキシブルプリント基板の長手方向の断面において、略台形状に形成されることを要旨とする。
【0017】
かかる特徴によれば、突出部は、フレキシブルプリント基板の長手方向の断面において、略台形状に形成される。これにより、突出部が回路基板の接続部に向かって付勢しやすくなるとともに、突出した面(突出面)と回路基板の接続部との接触面積を確保しやすくなるため、フレキシブルプリント基板と回路基板との接合強度をより確実に向上させることができる。
【0018】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記接続部は、前記導体パターンと電気的に接続する端子(端子111)と、前記端子を覆うハウジング(ハウジング112)とを備えるコネクタ(コネクタ110)によって構成され、前記突出部は、前記回路基板に前記フレキシブルプリント基板が接続された状態で、前記ハウジング内面に向けて前記端子を付勢することを要旨とする。
【0019】
かかる特徴によれば、コネクタ内に設けられる端子の付勢力に対向して、突出部がハウジング内面に向けて端子を付勢するため、フレキシブルプリント基板と回路基板との接合強度を確実に向上させることができる。
【0020】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記接続部は、前記導体パターンと電気的に接続する銅箔体(銅箔体120)によって構成され、前記突出部は、前記回路基板に前記フレキシブルプリント基板が接続された状態で、前記回路基板に向けて前記銅箔体を付勢することを要旨とする。
【0021】
かかる特徴によれば、フレキシブルプリント基板と回路基板とをネジ等により固定された状態で、突出部が回路基板に向けて銅箔体を付勢する。このため、ハンダ付け等を施すことなく、フレキシブルプリント基板と回路基板との接合強度を向上させることができる。
【0022】
本発明の第6の特徴は、相手側の回路基板の接続部に取り付けられる取付部を有するフレキシブルプリント基板の取付構造であって、絶縁性を有する基板と、前記基板上に積層され、前記接続部と接続される導体パターンが形成されるベースフィルムとを備え、前記ベースフィルムの前記取付部に対応する位置には、前記基板の逆側に向かって突出して前記基板との間で空間を形成するとともに、突出方向に対して変位可能な突出部が設けられることを要旨とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の特徴によれば、製造コストの低減を図るとともに、相手側の回路基板との接合強度を確実に向上させることができる基板接続構造、及び、この基板接続構造に用いられるフレキシブルプリント基板の取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、第1実施形態に係る基板接続構造1を説明するための斜視図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る基板接続構造1を説明するための断面図(嵌合前)である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る基板接続構造1を説明するための断面図(嵌合後)である。
【図4】図4は、変更例1に係るFPC200Aを示す断面図である。
【図5】図5は、変更例2に係るFPC200Bを示す断面図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係る基板接続構造1を説明するための斜視図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る基板接続構造1を説明するための断面図(嵌合後)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明に係る基板接続構造の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)第1実施形態、(2)第2実施形態、(3)その他の実施形態について説明する。
【0026】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0027】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0028】
(1)第1実施形態
以下において、(1−1)基板接続構造1の説明、(1−2)FPCの製造方法の説明、(1−3)作用・効果、(1−4)変更例の順に説明する。
【0029】
(1−1)基板接続構造1の説明
まず、第1実施形態に係る基板接続構造1について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る基板接続構造1を説明するための斜視図である。図2は、第1実施形態に係る基板接続構造1を説明するための断面図(嵌合前)である。図3は、第1実施形態に係る基板接続構造1を説明するための断面図(嵌合後)である。
【0030】
図1に示すように、基板接続構造1は、導通可能な接続部101を有する回路基板100と、該接続部101に取り付けられる取付部201を有するフレキシブルプリント基板(以下、FPC200)とを備え、回路基板100にFPC200を接続する構造である。
【0031】
回路基板100は、板状をなしている。第1実施形態では、回路基板100の接続部101は、図2及び図3に示すように、コネクタ110であるものとする。このコネクタ110は、FPC200の取付部201(後述する導体パターン221)と電気的に接続するバネ構造を有する端子111と、回路基板100に取り付けられ且つ該端子111を覆うハウジング112とを備えている。このハウジング112の開口部112Aに、FPC200の取付部201が挿入されることによって、FPC200が回路基板100に取り付けられる。
【0032】
FPC200は、基板210と、該基板210上に積層されるベースフィルム220とを備えている。基板210は、板状をなしており、絶縁性を有している。この基板210は、ベースフィルム220よりも硬い部材によって形成され、ベースフィルム220を補強する。一方、ベースフィルム220は、板状をなしており、PET(ポリエチレンテレフタラート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)などの樹脂によって形成されている。このベースフィルム220には、回路基板100の接続部101に接続される導箔からなる導体パターン221が形成されている。つまり、導体パターン221の取付部201に対応する部分は、接続部101における端子111と接続する。
【0033】
このようなベースフィルム220の取付部201に対応する位置には、基板210の逆側に向かって突出して基板210との間で空間Sを形成する突出部222が設けられる。この突出部222は、突出方向(すなわち、上下方向)に対して変位可能である。第1実施形態では、突出部222は、回路基板100にFPC200が接続された状態で、ハウジング112内面に向けて端子111を付勢している。また、突出部222と基板210との空間Sには、大気圧よりも高い空気が密閉されている。
【0034】
このような突出部222は、図2及び図3に示すように、FPC200の長手方向(すなわち、FPC200の挿入方向)の断面において、略台形状に形成されている。具体的には、突出部222は、突出面223と、該突出面223から基板210に向けて傾斜する一対の傾斜面224とによって構成される。
【0035】
(1−2)FPCの製造方法の説明
次に、上述した基板接続構造1に用いられるFPCの製造方法について、図2を参照しながら説明する。このFPCの製造方法は、カバーフィルム形成工程と、突出部形成工程と、フィルム積層工程とを含む。
【0036】
まず、図2に示すように、カバーフィルム形成工程では、ベースフィルム220に、導体パターン221を形成する。
【0037】
次に、突出部形成工程では、ベースフィルム220の取付部201に対応する位置に、基板210の逆側に向かって突出する突出部222を形成する。このとき、突出部222(突出面223)上に位置する導体パターン221についても、突出部222の形状に沿って突出することとなる。
【0038】
次に、フィルム積層工程では、突出部222と基板210との空間Sが形成された状態で、基板210にベースフィルム220を積層する。このとき、空間Sには、大気圧よりも高い気体を密閉する。
【0039】
そして、このように形成されたFPC200の取付部201は、回路基板100(ハウジング112の開口部112A)に挿入されることによって、FPC200が回路基板100に取り付けられることになる。
【0040】
(1−3)作用・効果
以上説明した第1実施形態では、突出部222は、基板210の逆側に向かって突出して基板210との間で空間Sを形成するとともに、突出方向に対して変位可能である。これにより、FPC200の取付部201が回路基板100の接続部101に取り付けられた際に、突出部222が回路基板100の接続部101に向かって付勢するため、FPC200と回路基板100との接合強度を確実に向上させることができる。
【0041】
第1実施形態のように、本発明の基板接続構造1がコネクタ式取付方法に用いられる場合、コネクタ110内に設けられるバネ構造を有する端子111の付勢力に対向して、突出部222がハウジング112の内面に向けて端子111を付勢するため、FPC200と回路基板100との接合強度を確実に向上させることができる。
【0042】
このように、突出部222をベースフィルム220の取付部201に対応する位置に設けるのみで、FPC200と回路基板100との接合強度を向上させることができるため、ハンダ付け等を施す工程が必要なく、製造コストの低減を図ることができる。
【0043】
第1実施形態では、突出部222と基板210との空間Sに大気圧よりも高い空気が密閉される。これにより、突出部222が回路基板100の接続部101(すなわち、コネクタ110におけるハウジング112内の端子111)に向かって付勢しやすくなる(付勢力が向上する)ため、FPC200と回路基板100との接合強度をより確実に向上させることができる。
【0044】
第1実施形態では、突出部222は、FPC200の長手方向の断面において、略台形状に形成される。これにより、突出部222が回路基板100の接続部101(すなわち、コネクタ110におけるハウジング112内の端子111)に向かって付勢しやすくなるとともに、突出した突出面223と回路基板100の接続部101との接触面積を確保しやすくなるため、FPC200と回路基板100との接合強度をより確実に向上させることができる。
【0045】
(1−4)変更例
次に、上述した第1実施形態に係る基板接続構造1に用いられるFPC200の変更例について、図面を参照しながら説明する。なお、上述した第1実施形態に係るFPC200と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0046】
(1−4−1)変更例1
まず、変更例1に係るFPC200Aの構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、変更例1に係るFPC200Aを示す断面図である。
【0047】
上述した第1実施形態では、突出部222は、FPC200の長手方向の断面において、略台形状に形成されている。これに対して、変更例1では、図4に示すように、突出部222Aは、FPC200の長手方向の断面において、略半円形状に形成されている。
【0048】
以上説明した変更例1では、突出部222Aが略半円形状に形成されていることによって、相手側の回路基板100における端子111の形状に関わらず、突出部222がハウジング112の内面に向けて端子111を付勢するため、FPC200と回路基板100との接合強度を確実に向上させることができる。
【0049】
(1−4−2)変更例2
次に、変更例2に係るFPC200Bの構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、変更例2に係るFPC200Bを示す断面図である。
【0050】
上述した第1実施形態では、突出部222は、FPC200の長手方向の断面において、略台形状に形成されている。これに対して、変更例2では、図5に示すように、突出部222Bは、FPC200の長手方向の断面において、略三角形状に形成されている。
【0051】
具体的には、突出部222Bは、挿入先端側に位置する前傾斜面225と、挿入後側に位置する後傾斜面226とによって構成される。この前傾斜面225の基板210に対する傾斜角度(θ225)は、後傾斜面226の基板210に対する傾斜角度(θ226)よりも小さいことが好ましい。
【0052】
以上説明した変更例2では、突出部222Bが略三角形状に形成されていることによって、相手側の回路基板100における端子111の形状に関わらず、突出部222がハウジング112の内面に向けて端子111を付勢するため、FPC200と回路基板100との接合強度を確実に向上させることができる。
【0053】
また、傾斜角度(θ225)が傾斜角度(θ226)よりも小さいことによって、相手側の回路基板100におけるコネクタ110へFPC200を挿入し易くなるとともに、コネクタ110からFPC200を抜け難くすることができる。
【0054】
(2)第2実施形態
以下において、(2−1)回路基板100Aの構成、(2−2)作用・効果の順に説明する。なお、上述した第1実施形態に係る回路基板100と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0055】
(2−1)回路基板100Aの構成
まず、第2実施形態に係る基板接続構造1に用いられる回路基板100Aの構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態に係る基板接続構造1を説明するための斜視図である。図7は、第2実施形態に係る基板接続構造1を説明するための断面図(嵌合後)である。
【0056】
上述した第1実施形態では、回路基板100の接続部101は、コネクタ110によって構成されている。これに対して、第2実施形態では、図6に示すように、回路基板100Aの接続部101Aは、導体パターン221と同様の材料により形成される銅箔体120である。この銅箔体120は、ベースフィルム220に形成された突出部222Aに位置する導体パターン221と電気的に接続し、回路基板100A上に印刷されている。
【0057】
この回路基板100A及びFPC200Aは、回路基板100Aに形成される孔102と、FPC200Aに形成される孔202とを介して、固定手段(図面では、ネジ310及びナット320)によって固定される。このとき、回路基板100AとFPC200Aとの間には、スペーサ330が設けられることが好ましい。
【0058】
ここで、突出部222Aは、回路基板100AにFPC200Aが接続された状態(すなわち、上述した固定手段によって固定された状態)で、回路基板100Aに向けて銅箔体120を付勢している。
【0059】
なお、第2実施形態では、図6及び図7において、ベースフィルム220に形成される突出部222Aとして、変更例1で説明した略半円形状であるが、必ずしも略半円形状である必要はなく、第1実施形態で説明した略台形状であってもよく、変更例2で説明した略三角形状であっても勿論よい。
【0060】
(2−2)作用・効果
以上説明した第2実施形態のように、本発明の基板接続構造1がネジ取付方法に用いられる場合、FPC200Aと回路基板100Aとをネジ310により固定された状態で、突出部222Aが回路基板100Aに向けて銅箔体120を付勢する。このため、ハンダ付け等を施すことなく、FPC200Aと回路基板100Aとの接合強度を向上させることができる。
【0061】
特に、回路基板100AとFPC200Aとの間には、スペーサ330が設けられることが好ましい。これにより、突出部222Aが潰れてしまうことを防止しつつ、突出部222Aが回路基板100Aに向けて銅箔体120を付勢することができる。
【0062】
(3)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0063】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、突出部222と基板210との空間Sには、大気圧よりも高い空気が密閉されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、大気圧と同等の空気が密閉されていてもよい。
【0064】
また、FPC200は、基板210と、導体パターン221が形成されるベースフィルム220とを備えているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、このベースフィルム220を覆うカバーフィルムをさらに備えていてもよい。
【0065】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0066】
1…基板接続構造
100,100A…回路基板
101,101A…接続部
110…コネクタ
111…端子
112…ハウジング
120…銅箔体
200,200A,200B…FPC(フレキシブルプリント基板)
201…取付部
210…基板
220…ベースフィルム
221…導体パターン
222,222A,222B…突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導通可能な接続部を有する回路基板と、前記接続部に取り付けられる取付部を有するフレキシブルプリント基板とを備え、前記回路基板に前記フレキシブルプリント基板を接続する基板接続構造であって、
前記フレキシブルプリント基板は、
絶縁性を有する基板と、
前記基板上に積層され、前記接続部と接続される導体パターンが形成されるベースフィルムとを備え、
前記ベースフィルムの前記取付部に対応する位置には、前記基板の逆側に向かって突出して前記基板との間で空間を形成するとともに、突出方向に対して変位可能な突出部が設けられることを特徴とする基板接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載の基板接続構造であって、
前記突出部と前記基板との空間には、大気圧よりも高い空気が密閉されることを特徴とする基板接続構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の基板接続構造であって、
前記突出部は、フレキシブルプリント基板の長手方向の断面において、略台形状に形成されることを特徴とする基板接続構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の基板接続構造であって、
前記接続部は、前記導体パターンと電気的に接続する端子と、前記端子を覆うハウジングとを備えるコネクタによって構成され、
前記突出部は、前記回路基板に前記フレキシブルプリント基板が接続された状態で、前記ハウジング内面に向けて前記端子を付勢することを特徴とする基板接続構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の基板接続構造であって、
前記接続部は、前記導体パターンと電気的に接続する銅箔体によって構成され、
前記突出部は、前記回路基板に前記フレキシブルプリント基板が接続された状態で、前記回路基板に向けて前記銅箔体を付勢することを特徴とする基板接続構造。
【請求項6】
相手側の回路基板の接続部に取り付けられる取付部を有するフレキシブルプリント基板の取付構造であって、
絶縁性を有する基板と、
前記基板上に積層され、前記接続部と接続される導体パターンが形成されるベースフィルムとを備え、
前記ベースフィルムの前記取付部に対応する位置には、前記基板の逆側に向かって突出して前記基板との間で空間を形成するとともに、突出方向に対して変位可能な突出部が設けられることを特徴とするフレキシブルプリント基板の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−8773(P2013−8773A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139177(P2011−139177)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】