基板搬送方法及び基板搬送装置
【課題】ガラス基板をステージに載置するときの空気抵抗を低減させ、目標位置へ正確にガラス基板をセットすることを課題とする。
【解決手段】ガラス基板Pの一辺と平行な部位をガラス基板Pの最下部となるように下に凸に湾曲させ、走査ステージ49に向かって下降させる。ガラス基板Pの最下部をまず走査ステージ49の第1の吸引部14に吸着させ、次いでガラス基板Pの最下部に隣接する部位を走査ステージ上の第2の吸引部15に吸着させる。
【解決手段】ガラス基板Pの一辺と平行な部位をガラス基板Pの最下部となるように下に凸に湾曲させ、走査ステージ49に向かって下降させる。ガラス基板Pの最下部をまず走査ステージ49の第1の吸引部14に吸着させ、次いでガラス基板Pの最下部に隣接する部位を走査ステージ上の第2の吸引部15に吸着させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板等の大型の基板を保持して搬送する基板搬送装置、及び基板を搬送する基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、中央部が垂れ下がった、お椀状にガラス基板を湾曲させた状態で、ステージに載置させる基板搬送方法が知られている。
【特許文献1】特開2002-246450
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ガラス基板がすり鉢上に湾曲するため、ガラス基板の破損を招く恐れがあった。
【0004】
一方、ガラス基板を水平状態でステージに向かって降下させると、ガラス基板がステージに近づくにつれ、ガラス基板とステージ間の空気圧が高まる。このときに、ガラス基板とステージ間の空気がうまく逃げず、ガラス基板の降下速度が鈍ってしまい、生産性が低下するという問題があった。さらに、ガラス基板とステージ間の空気をうまく逃げさせることが出来ないと、ガラス基板が目標位置からずれてステージに載置されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、基板をステージに載置するときの空気抵抗を低減させ、目標位置へ正確にガラス基板をセットすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の基板搬送方法は、ロボットアームによりステージ上方へ搬送された基板の一辺と平行な部位が、前記基板の最下部となるように基板を基板保持手段へ下に凸な状態で湾曲保持させる保持ステップと、ロボットアームをステージ上方より退避させると同時に、前記基板保持手段が前記保持ステップで得られた基板形状を保持しつつ基板を下降させる下降ステップと、前記基板の最下部を前記ステージに接触させる第1の載置ステップと、前記接触した最下部以外の基板の部位を、最下部に隣接する部位より順次前記ステージへ接触させ、前記基板をステージに載置する第2の載置ステップを有することを特徴とする。
【0007】
第1の発明の基板搬送方法によれば、基板を降下させるときに発生する、ステージと基板の間の空気圧を下げることができるため、ステージに着地したとこの基板の位置ずれを防止することができる。
【0008】
第2の発明の基板搬送方法は、前記第1の載置ステップにおいて、前記基板の最下部が前記ステージに設けられた第1の吸引部により吸着される、第1の吸着ステップが行われることを特徴とする。
【0009】
第2の発明の基板搬送方法によれば、基板の最下部をステージに吸着することにより、基板載置時の位置ずれを防止することができる。
【0010】
第3の発明の基板搬送方法は、前記第2の載置ステップにおいて、前記ステージに設けられた前記第1の吸引部に隣接する第2の吸引部により吸着される、第2の吸着ステップが行われることを特徴とする。
【0011】
第3の発明の基板搬送方法によれば、第1の吸引部に隣接する第2の吸引部により、基板の湾曲状態に合わせて基板を吸着するため、迅速に基板をステージに吸着載置することができる。
【0012】
第4の発明の基板搬送方法は、前記第3の発明の前記第2の載置ステップにおいて、前記第2の吸引部内に設けられた、少なくとも2つの吸引口を、前記第一の吸引部に近い吸引口より順次吸引を開始することを特徴とする。
【0013】
第4の発明の基板搬送方法によれば、第2の吸引部内に設けられた、少なくとも2つの吸引口を、第1の吸引部に近い吸引口より順次吸引を開始することにより、迅速に基板をステージに吸着載置することができる。
【0014】
第5の発明の基板搬送方法は、第1の発明乃至第4の発明の保持ステップにおいて、基板の互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が、基板の最下部となるように前記基板を前記基板保持手段に保持させることを特徴とする。
【0015】
第5の発明の基板搬送方法によれば、基板を互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が、基板の最下部となるように基板を基板保持手段に湾曲保持させることにより、基板とステージの間の空気をうまく逃げさせることができるため、基板が目標位置からずれてステージに載置されてしまうのを防ぐことができ、かつ、基板を迅速にステージに載置することができる。
【0016】
第6の発明の基板搬送装置は、基板をステージ上方へ吸着搬送するロボットアームと、前記基板を、前記基板の一辺と平行な部位が前記基板の最下部となるように下に凸な状態で湾曲保持する、先端部において基板を吸着可能な吸着リフトピン及び、先端部において基板を支持可能な支持リフトピンからなる基板保持手段と、前記基板保持手段を備え、前記基板を載置するステージと、を有することを特徴とする。
【0017】
第6の発明の基板搬送装置によれば、基板を下降させるときに発生する、ステージと基板の間の空気圧を下げることができるため、ステージに着地したとこの基板の位置ずれを防止することができる。
【0018】
第7の発明の基板搬送装置は、前記基板を載置するステージは、前記基板保持手段によって保持される前記基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を備えることを特徴とする。
【0019】
第7の発明の基板搬送装置によれば、第6の発明において基板を載置するステージが、基板保持手段によって保持される基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を備えることにより、基板載置時の位置ずれを防止することができる。
【0020】
第8の発明の基板搬送装置は、第7の発明において基板を載置するステージが、前記基板保持手段によって保持される前記基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を有し、前記第1の吸引部を有する部分に隣接する部位に、少なくとも1つの第2の吸引部を有することを特徴とする。
【0021】
第8の発明の基板搬送装置によれば、第1の吸引部にて基板を吸着後に第2の吸引部で吸引するため、基板の目標位置からのずれを防止することができ、また、第2の吸引部を備えることにより、基板載置を迅速に行うことができる。
【0022】
第9の発明の基板搬送装置は、第5乃至第8の発明において、前記支持リフトピンを前記吸着リフトピンの高さより高く保持し、下降させる制御部を有することを特徴とする。
【0023】
第9の発明の基板搬送装置によれば、基板を互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が、基板の最下部となるように基板を湾曲保持することが可能となる。
【0024】
第10の発明の基板搬送装置は、第6乃至第9の発明において、前記吸着リフトピンの先端部はゴム材からなることを特徴とする。
【0025】
第10の発明の基板搬送装置によれば、吸着リフトピンの先端部がゴム材からなることにより、基板の破損を防止することができる。
【0026】
第11の発明の基板搬送装置は、第6乃至第10の発明において、前記支持リフトピンの先端部は樹脂材からなることを特徴とする。
【0027】
第11の発明の基板搬送装置によれば、支持リフトピンの先端部が樹脂材であるため、摩擦が少なく基板を破損を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上記構成としたので、基板をステージに載置するときの空気抵抗を低減させ、目標位置へ正確に基板をセットするこができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
走査ステージの機構について説明する。
(走査ステージの機構)
まず、図1を用いて本発明を実施するための走査ステージ49の上面の吸着部構造について説明する。
【0030】
走査ステージ49の上面はリブ11によって、大きく3つの吸着部位に区切られている。中央が第1の吸引部14であり、その両側の2つの吸着部位が第2の吸引部15である。リブ11は、ガラス基板を吸着するための空気室を作る空気隔壁の役割を果たす。
【0031】
また、走査ステージ49の上面には、リブ11と同一の高さを有する金属製の支持ピン10が多数配置されて、載置面を構成している。ガラス基板が走査ステージ49に載置された後は、この支持ピン10の先端部がガラス基板を支持する。また、走査ステージ49には第1の吸引部14に吸引口20、第2の吸引部15に吸引口22がそれぞれ形成され、吸引口20,22から空気が吸引されると、支持ピン10の間を空気が流れ、リブ11で囲まれた第1の吸引部14と第2の吸引部15には全域に渡り均等に吸引力が発生する。
【0032】
また、走査ステージ49には貫通孔が形成され、支持リフトピン13、吸着リフトピン12が昇降可能に挿入されている。この支持リフトピン13と吸着リフトピン12は、走査ステージ49の下部に形成された収納室24へ配置されたシリンダーによって昇降し、走査ステージ49の上面から退避、又は上面から突き出る構成である。シリンダーの動作は、後述するロボットアームを制御する制御部によって制御され、支持リフトピン13を吸着リフトピン12より高く突き出して、ガラス基板を受け取るようになっている。
【0033】
なお、収納室24は密閉された空間とされ、図示しない吸引ホースで空間内の空気が引かれて、吸引口20,22から空気を吸引させる。
【0034】
さらに、吸着リフトピン12の上端にはゴム製の吸盤26が取付けられており、吸着リフトピン12の下端部に装着された吸引ホースから、ガラス基板が吸着可能な負圧が付与される。
【0035】
また、支持リフトピン12の先端には球体13Aが設けられており、ガラス基板が湾曲して滑ったときに傷つかないようになっている。
【0036】
本実施例においては、リフトピン昇降用の貫通孔とは別に吸引用の吸引口20,22を走査ステージ49に設けているが、リフトピン昇降用の貫通孔を吸引口としてもよい。
【0037】
なお、走査ステージ49の下部にはガイド部32が取付けられており、このガイド部32が定盤30の上に設けられたガイドレール28に係合して、走査ステージ49が矢印A方向へ往復走査可能となっている。
【0038】
また、後述するが、本発明の実施に当たっては、図2に示すように、ガラス基板Pを一方向へ湾曲させて(樋状として)走査ステージ49へ降下させてもよいし、図3に示すように、半樋状にガラス基板Pを湾曲させて降下させてもよい。
【0039】
そして、樋状に湾曲させたガラス基板Pを降下させる場合は、ガラス基板Pの中央部が第1の吸引部14に着地するように、また、半樋状に湾曲させたガラス基板Pを降下させる場合は、ガラス基板Pの湾曲した端部が第1の吸引部14に着地するように下降させればよい。
(露光装置)
図4に基づき、本発明の基板搬送装置を備えた露光装置34の概要について説明する。
【0040】
露光装置34は、露光ヘッド36、アライメントカメラ38を備えている。この露光ヘッド36、アライメントカメラ38は定盤30の中央部に設けらた門型フレーム40に取付けられている。そして、門型フレーム40の下を通過する走査ステージ49に載置されたガラス基板Pの位置情報をアライメントカメラ38で取得して、露光ヘッド36が、画像情報に基づいてレザーを変調して、ガイドレール28に沿って走査されるガラス基板Pに配線パターン等を直接描画する構成である。
【0041】
露光装置34の周囲には、基板ストッカ41、ロボットアーム42が配置されている。
【0042】
基板ストッカ41は他の工程から搬送されてきたガラス基板Pや、露光装置34にて露光されたガラス基板Pを一時的に載置するのに使用される。そして、後述するロボットアーム42のフォーク44,46がガラス基板Pの下へ挿入できるように、載置面からピン58が立っており、このピン58の上にガラス基板Pが載せられるようになっている。
【0043】
ロボットアーム42は、基板ストッカ41と走査ステージ49の間でガラス基板Pの搬送を行う。ロボットアーム42は、三叉のフォーク44,46を上下に備えている。フォーク44,46は、ベースフレーム48に設けられた一対のシリンダーにより独立して水平方向に伸縮することができる。
【0044】
また、ベースフレーム48は上下に伸縮するシリンダー50に支持されている。このシリンダー50は、基台52に設けられた旋回装置によって旋回し、フォーク44,46を基板ストッカ41と走査ステージ49の間で移動させる。
【0045】
さらに、フォーク44,46の上面には、ガラス基板Pを吸着するためのゴム製の吸着盤54、56が設けらている。この吸着盤54,56は、エアホースがそれぞれ接続されており、独立して吸着力を発生・解除することができる。
【0046】
次いで、基板ストッカ41、ロボットアーム42、露光装置34を用いたガラス基板Pの露光手順を説明する。
【0047】
先ず、図4に示されているように、ロボットアーム42の上部のフォーク44を伸ばし、吸着盤54,56で露光前のガラス基板Pの下面を吸着して、基板ストッカ41からガラス基板を搬出する。
【0048】
続いて、基板ストッカ41よりガラス基板Pを取り出したロボットアーム42は、フォーク44を縮め、旋回装置によって右方向へ旋回して走査ステージ49と向き合い、図5に示すようにフォーク44を伸ばして、走査ステージ49の上方にガラス基板Pを位置させる。この作業と同時に、基板ストッカ41へは、他の工程より新たな露光前のガラス基板P1が搬入され、ピン58の上に載せられる。
【0049】
次に図6に示すように、走査ステージ49の上方へロボットアーム42により搬送されたガラス基板Pは、樋状に湾曲した状態で走査ステージ49の第1の吸引部14、第2の吸引部15へ吸着される。この吸引部への基板吸着手順は後に詳述する。
【0050】
走査ステージ49に吸着されたガラス基板Pは、走査ステージ49により矢印方向へ搬送され、ガラス基板P上に描かれているアライメントマークをアライメントカメラ38が読み取る。この読み取られたアライメントマークの位置により、露光装置34の画像処理部は露光ヘッド36へガラス基板P上へ描画するための描画データを作成する。ここで、走査ステージ49上でガラス基板Pのアライメントマークを読みとられている間、ロボットアーム42は先ほどの基板ストッカ41へ搬入されたガラス基板P1の搬出を行う。
【0051】
一方、アライメントマークが読み取られたガラス基板Pには、図6に示す矢印方向へ走査ステージ49が走査することで、露光ヘッド36により所定の描画パターンが描かれる。
【0052】
図7のガラス基板Pの表面は露光済みであることを示すために斜線図で示している。ガラス基板Pが露光ヘッド36により露光されている間、ロボットアーム42は基板ストッカ41から搬出してきたガラス基板P1を保持し、走査ステージ49の前で待機している。ガラス基板Pの露光が終了すると、支持リフトピン13が走査ステージ49の上面から突き出て、ガラス基板Pを走査ステージ49の上面から浮かす。ここで、待機していたロボットアーム42のフォーク46がガラス基板Pの下面へ伸び、ガラス基板Pを吸着する。
【0053】
次に、フォーク46は、図8に示すように、縮んで、露光済みのガラス基板Pを走査ステージ49より搬出する。
【0054】
次いで、フォーク44は走査ステージ49の上方へ伸びて、未だ露光されていない基板P1を走査ステージ49上の吸着部位へ吸着載置させ、図9に示すように、縮んで走査ステージ49から離れる。載置されたガラス基板P1は走査ステージ49によって矢印の方向へ送られ露光ヘッド36で描画される。
【0055】
次に、図10に示すように露光済みのガラス基板Pはロボットアーム42により基板ストッカ41へ戻され、他の工程へと搬出されてゆく。次いで、図11に示すように、露光済みのガラス基板Pが搬出された基板ストッカ41には、未露光のガラス基板P2が搬入される。以上の作業を繰り返しながら、基板ストッカ41と露光装置34の間でガラス基板が行き来してゆく。
【0056】
なお、ロボットアーム42には2枚のガラス基板を保持できるように、上下に2つフォークを備えているため、ロボットアーム42の回転を最小限にすることができ、生産性の向上を図ることが出来る。
【0057】
また、フォークの吸着盤の吸着力は同一でも良いし、中央部のフォークの吸着盤の吸引力を外側の2本のフォークの吸着盤の吸引力よりも大きくしてもよい。
【0058】
(ガラス基板吸着の順序)
次にガラス基板のステージへの吸着手順について説明する。なお、煩雑にならないように、図面では、フォークに設けられた吸着盤しか図示していない。
(第1の保持ステップ)
まず、図12に示すように、ロボットアーム42の吸着盤54,56が基板ストッカ41へ搬入されたガラス基板Pを吸着し、ガラス基板Pを走査ステージ49の上方へ搬送する。この時、三叉のフォークのうち、外側の2本はステージ上の吸着リフトピン12と支持リフトピン13の間の位置に存在し、中央のフォークは吸着リフトピン12と吸着リフトピン12の間に位置するようにロボットアームを制御する。
【0059】
本実施例においてはロボットアームのフォークは3本であるが、これ以外の本数、例えば4本であっても良い。4本の場合においても、吸着盤の吸着力は同一でも良いし、中央2本のフォークの吸着盤の吸着力が強く、それに比べて外側2本のフォークの吸着晩の吸着力を弱くしてもよい。
【0060】
ロボットアーム42はステージ上方の所定位置までガラス基板Pを吸着したフォークを移動させた後、シリンダー50を縮めてガラス基板Pを走査ステージ49に向かって降下させる。
【0061】
このとき、支持リフトピン13は吸着リフトピン12の位置よりも高い位置で待機している。従って、シリンダー50を縮めて、図13に図示しているようにフォークの吸着盤54,56を降下させて行くと、まずガラス基板Pの外縁部分が支持リフトピン13に接触する。
【0062】
次に、図14に示すように、支持リフトピン13とガラス基板Pが接触した後もフォークは降下を継続する。なお、支持リフトピン13がガラス基板Pと接触した後は、三叉のフォークのうち、中央のフォークの吸着盤56のみがガラス基板Pを吸着している状態となる。
【0063】
したがって、外側の吸着盤54はガラス基板Pの吸着を解除しているわけであるが、これはガラス基板Pと支持リフトピン13が接触する直前に、吸着を解除しても良いし、ガラス基板Pと支持リフトピン13が接触した後に、フォークが降下するのに伴って自然に吸着が外れるような吸着力で、ガラス基板Pを保持している態様であっても良い。
【0064】
吸着盤54,56の吸着力が同一の場合は、ガラス基板Pと支持リフトピン13が接触する直前に、吸着盤54の吸着を解除すれば良いし、外側の吸着盤54の吸着力を中央の吸着盤56の吸着力よりも弱く設定し、フォークの降下に伴い外側の吸着盤54の吸着が強制的に解除されるようにしても良い。
【0065】
なお、吸着盤56がガラス基板Pを吸着しつつ降下し、支持リフトピン13が静止している時点では、ガラス基板Pは吸着盤56で吸着された部位を最下部として樋状に湾曲した状態となっている。この時、支持リフトピン13の先端は樹脂製の摩擦係数の小さい球体13Aから構成されているため、ガラス基板Pが湾曲した際に、ガラス基板を傷つけるのを防止することができる。
【0066】
そして、フォークがが引き続き降下すると、ガラス基板Pと吸着リフトピン12の吸盤26が接触する。ガラス基板Pと吸盤26が接触した後に、吸盤26はガラス基板Pを吸引する。吸着リフトピン12の吸盤26がガラス基板Pを吸着した後、吸着盤56の吸着を解除して、フォークをガラス基板Pの下面から抜き出し走査ステージ49上方より退避させる。この時点において、吸着リフトピン12及び支持リフトピン13がガラス基板Pを、ガラス基板Pの互いに対向する2辺の中点を結んだ直線がガラス基板Pの最下部となるように、いわゆる樋状に保持することとなり、保持ステップが終了する。
(降下ステップ)
支持リフトピン13及び吸着リフトピン12は、ガラス基板Pの互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が基板の最下部となるようなガラス基板Pの湾曲形状を保持した状態で降下する。この形状を保持し降下することによって、走査ステージ49とガラス基板Pの間の空気を良好に逃がし空気抵抗を下げることが出来る。またガラス基板の湾曲を、お椀型に湾曲させるのに比し最小限に歪みを抑えガラス基板の破損を防ぐことが可能となる。
(走査ステージへの載置)
第1の載置ステップ
支持リフトピン13及び吸着リフトピンに12に保持された状態でガラス基板Pを降下させ、ガラス基板Pの最下部を走査ステージ49から突起した支持ピン10と接触させる。この時に、図15に示すように、走査ステージ中央部に設けられたガラス基板Pの最下部に対応した部位に存在する、第1の吸引部14がガラス基板Pの中央部を吸着する。
【0067】
この第1の吸引部14の吸引区画と他の区画の境界線上には、支持ピン10と同一の高さを有するリブ11が存在している。このリブ11は、ガラス基板Pを吸着する際には空気隔壁の役割を果たしている。第1の吸引部14の吸引口20(図1参照)からは空気が吸引されており、リブ11で囲まれた第1の吸引部14には全域に渡り均等に吸引力が発生している。
【0068】
また、ガラス基板Pの最下部をまず走査ステージに吸着させることによって、ガラス基板Pの位置ずれが、その後のガラス基板Pの載置行為によっては起こらなくなるため、ガラス基板Pの載置位置決め精度を向上させることが出来る。ガラス基板Pが第1の吸引部14に吸着された後に、吸着リフトピン12の吸着を解除し走査ステージ49の収納室24内へ退避させる。
【0069】
第2の載置ステップ
その後、支持リフトピン13をさらに降下させる。支持リフトピン13が降下すると、ガラス基板Pの支持リフトピン13で保持されている部位が走査ステージ上の支持ピン10と接触する。支持ピン10とガラス基板Pが接触した後に、走査ステージに設けられた2つの第2の吸引部15がガラス基板Pを吸着する。第2の吸引部15は、前述した第1の吸着部位14と同様に、支持ピン10と同一の高さのリブ11によって他の区画と区切られており、リブ11がガラス基板Pの吸着時における空気隔壁の役割を果たしている。図16に示すように、ガラス基板Pの全面が走査ステージ49に吸着されると、吸着ステップは完了する。
【0070】
本実施例においては、図2に示すようにガラス基板Pを樋状に湾曲させているため、第2の吸引部は、第1の吸引部の両側に隣接して2つ存在している。
【0071】
さらに、本実施例においては、第1の吸引部と第2の吸引部のみを図示しているが、第3、第4の吸引部やそれ以上の吸引部を構成してもよい。その場合は、第1の吸引部において、ガラス基板の最下部が吸着された後に、第1の吸引部に対応するガラス基板部位以外のガラス基板の部位が、第1の吸引部に隣接する部位より第1の吸引部から離れた吸着部位の方向へ向かって、順次支持ピンへ接触してゆく。第2の吸引部以降の吸着部位は、支持リフトピンを降下させることにより当該吸着部位の支持ピンにガラス基板が接触すると吸引を開始する。
【0072】
第2の吸引部に複数の吸引口がある場合は、全ての吸引口から同時に吸引してガラス基板を吸着してもよいし、ガラス基板の支持ピンへの接触に合わせて、第1の吸引部に近い吸引口から順次吸引を開始してもよい。これにより、迅速にガラス基板を走査ステージに吸着載置できる。
【0073】
第2の保持ステップ
図17〜図19を用いて、保持ステップの第2の態様の説明を行う。
【0074】
図17に示すように、フォークの吸着盤54,56がガラス基板Pを吸着し、走査ステージ49の上へ搬送させた時点において、支持リフトピン13及び吸着リフトピン12は、略同一の高さで走査ステージ49の上に突出し、待機している。
【0075】
この場合、図18に示すように、フォークが降下すると、ガラス基板Pは支持リフトピン13及び吸着リフトピン12と同時に接触することとなる。そして、ガラス基板Pと吸着リフトピン12、支持リフトピン13が接触する直前に、吸着盤54,56の吸着を解除し、ガラス基板に無理な力が作用しないようにする。続いてガラス基板Pと吸着リフトピン12が接触した直後に吸盤26にガラス基板Pを吸着させる。、その後、フォークを走査ステージ49の上方より退避させる。
【0076】
そして、吸着リフトピン12だけを降下させることにより、図19に示すように、両端部が支持リフトピン13に支持されたガラス基板Pの中央部が下降して、ガラス基板Pが樋状に湾曲する。
【0077】
これ以降のステップは、図15,16に示す第1の保持ステップと同様であるので、説明は省略する。
【0078】
なお、本実施例では、ガラス基板を例に採って説明したが、撓み性を持つ基板であれば、材質は特定されない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態に係る走査ステージの要部を示す断面斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る走査ステージに樋状に湾曲させたガラス基板を載置させている状態を示す断面斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る走査ステージに半樋状に湾曲させたガラス基板を載置させている状態を示す断面斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図15】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図16】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図17】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図18】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図19】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【符号の説明】
【0080】
11 リブ
12 吸着リフトピン
13 支持リフトピン
14 第1の吸引部
15 第2の吸引部
26 吸盤
42 ロボットアーム
49 走査ステージ
54 吸着盤
56 吸着盤
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板等の大型の基板を保持して搬送する基板搬送装置、及び基板を搬送する基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、中央部が垂れ下がった、お椀状にガラス基板を湾曲させた状態で、ステージに載置させる基板搬送方法が知られている。
【特許文献1】特開2002-246450
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ガラス基板がすり鉢上に湾曲するため、ガラス基板の破損を招く恐れがあった。
【0004】
一方、ガラス基板を水平状態でステージに向かって降下させると、ガラス基板がステージに近づくにつれ、ガラス基板とステージ間の空気圧が高まる。このときに、ガラス基板とステージ間の空気がうまく逃げず、ガラス基板の降下速度が鈍ってしまい、生産性が低下するという問題があった。さらに、ガラス基板とステージ間の空気をうまく逃げさせることが出来ないと、ガラス基板が目標位置からずれてステージに載置されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、基板をステージに載置するときの空気抵抗を低減させ、目標位置へ正確にガラス基板をセットすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の基板搬送方法は、ロボットアームによりステージ上方へ搬送された基板の一辺と平行な部位が、前記基板の最下部となるように基板を基板保持手段へ下に凸な状態で湾曲保持させる保持ステップと、ロボットアームをステージ上方より退避させると同時に、前記基板保持手段が前記保持ステップで得られた基板形状を保持しつつ基板を下降させる下降ステップと、前記基板の最下部を前記ステージに接触させる第1の載置ステップと、前記接触した最下部以外の基板の部位を、最下部に隣接する部位より順次前記ステージへ接触させ、前記基板をステージに載置する第2の載置ステップを有することを特徴とする。
【0007】
第1の発明の基板搬送方法によれば、基板を降下させるときに発生する、ステージと基板の間の空気圧を下げることができるため、ステージに着地したとこの基板の位置ずれを防止することができる。
【0008】
第2の発明の基板搬送方法は、前記第1の載置ステップにおいて、前記基板の最下部が前記ステージに設けられた第1の吸引部により吸着される、第1の吸着ステップが行われることを特徴とする。
【0009】
第2の発明の基板搬送方法によれば、基板の最下部をステージに吸着することにより、基板載置時の位置ずれを防止することができる。
【0010】
第3の発明の基板搬送方法は、前記第2の載置ステップにおいて、前記ステージに設けられた前記第1の吸引部に隣接する第2の吸引部により吸着される、第2の吸着ステップが行われることを特徴とする。
【0011】
第3の発明の基板搬送方法によれば、第1の吸引部に隣接する第2の吸引部により、基板の湾曲状態に合わせて基板を吸着するため、迅速に基板をステージに吸着載置することができる。
【0012】
第4の発明の基板搬送方法は、前記第3の発明の前記第2の載置ステップにおいて、前記第2の吸引部内に設けられた、少なくとも2つの吸引口を、前記第一の吸引部に近い吸引口より順次吸引を開始することを特徴とする。
【0013】
第4の発明の基板搬送方法によれば、第2の吸引部内に設けられた、少なくとも2つの吸引口を、第1の吸引部に近い吸引口より順次吸引を開始することにより、迅速に基板をステージに吸着載置することができる。
【0014】
第5の発明の基板搬送方法は、第1の発明乃至第4の発明の保持ステップにおいて、基板の互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が、基板の最下部となるように前記基板を前記基板保持手段に保持させることを特徴とする。
【0015】
第5の発明の基板搬送方法によれば、基板を互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が、基板の最下部となるように基板を基板保持手段に湾曲保持させることにより、基板とステージの間の空気をうまく逃げさせることができるため、基板が目標位置からずれてステージに載置されてしまうのを防ぐことができ、かつ、基板を迅速にステージに載置することができる。
【0016】
第6の発明の基板搬送装置は、基板をステージ上方へ吸着搬送するロボットアームと、前記基板を、前記基板の一辺と平行な部位が前記基板の最下部となるように下に凸な状態で湾曲保持する、先端部において基板を吸着可能な吸着リフトピン及び、先端部において基板を支持可能な支持リフトピンからなる基板保持手段と、前記基板保持手段を備え、前記基板を載置するステージと、を有することを特徴とする。
【0017】
第6の発明の基板搬送装置によれば、基板を下降させるときに発生する、ステージと基板の間の空気圧を下げることができるため、ステージに着地したとこの基板の位置ずれを防止することができる。
【0018】
第7の発明の基板搬送装置は、前記基板を載置するステージは、前記基板保持手段によって保持される前記基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を備えることを特徴とする。
【0019】
第7の発明の基板搬送装置によれば、第6の発明において基板を載置するステージが、基板保持手段によって保持される基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を備えることにより、基板載置時の位置ずれを防止することができる。
【0020】
第8の発明の基板搬送装置は、第7の発明において基板を載置するステージが、前記基板保持手段によって保持される前記基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を有し、前記第1の吸引部を有する部分に隣接する部位に、少なくとも1つの第2の吸引部を有することを特徴とする。
【0021】
第8の発明の基板搬送装置によれば、第1の吸引部にて基板を吸着後に第2の吸引部で吸引するため、基板の目標位置からのずれを防止することができ、また、第2の吸引部を備えることにより、基板載置を迅速に行うことができる。
【0022】
第9の発明の基板搬送装置は、第5乃至第8の発明において、前記支持リフトピンを前記吸着リフトピンの高さより高く保持し、下降させる制御部を有することを特徴とする。
【0023】
第9の発明の基板搬送装置によれば、基板を互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が、基板の最下部となるように基板を湾曲保持することが可能となる。
【0024】
第10の発明の基板搬送装置は、第6乃至第9の発明において、前記吸着リフトピンの先端部はゴム材からなることを特徴とする。
【0025】
第10の発明の基板搬送装置によれば、吸着リフトピンの先端部がゴム材からなることにより、基板の破損を防止することができる。
【0026】
第11の発明の基板搬送装置は、第6乃至第10の発明において、前記支持リフトピンの先端部は樹脂材からなることを特徴とする。
【0027】
第11の発明の基板搬送装置によれば、支持リフトピンの先端部が樹脂材であるため、摩擦が少なく基板を破損を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上記構成としたので、基板をステージに載置するときの空気抵抗を低減させ、目標位置へ正確に基板をセットするこができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
走査ステージの機構について説明する。
(走査ステージの機構)
まず、図1を用いて本発明を実施するための走査ステージ49の上面の吸着部構造について説明する。
【0030】
走査ステージ49の上面はリブ11によって、大きく3つの吸着部位に区切られている。中央が第1の吸引部14であり、その両側の2つの吸着部位が第2の吸引部15である。リブ11は、ガラス基板を吸着するための空気室を作る空気隔壁の役割を果たす。
【0031】
また、走査ステージ49の上面には、リブ11と同一の高さを有する金属製の支持ピン10が多数配置されて、載置面を構成している。ガラス基板が走査ステージ49に載置された後は、この支持ピン10の先端部がガラス基板を支持する。また、走査ステージ49には第1の吸引部14に吸引口20、第2の吸引部15に吸引口22がそれぞれ形成され、吸引口20,22から空気が吸引されると、支持ピン10の間を空気が流れ、リブ11で囲まれた第1の吸引部14と第2の吸引部15には全域に渡り均等に吸引力が発生する。
【0032】
また、走査ステージ49には貫通孔が形成され、支持リフトピン13、吸着リフトピン12が昇降可能に挿入されている。この支持リフトピン13と吸着リフトピン12は、走査ステージ49の下部に形成された収納室24へ配置されたシリンダーによって昇降し、走査ステージ49の上面から退避、又は上面から突き出る構成である。シリンダーの動作は、後述するロボットアームを制御する制御部によって制御され、支持リフトピン13を吸着リフトピン12より高く突き出して、ガラス基板を受け取るようになっている。
【0033】
なお、収納室24は密閉された空間とされ、図示しない吸引ホースで空間内の空気が引かれて、吸引口20,22から空気を吸引させる。
【0034】
さらに、吸着リフトピン12の上端にはゴム製の吸盤26が取付けられており、吸着リフトピン12の下端部に装着された吸引ホースから、ガラス基板が吸着可能な負圧が付与される。
【0035】
また、支持リフトピン12の先端には球体13Aが設けられており、ガラス基板が湾曲して滑ったときに傷つかないようになっている。
【0036】
本実施例においては、リフトピン昇降用の貫通孔とは別に吸引用の吸引口20,22を走査ステージ49に設けているが、リフトピン昇降用の貫通孔を吸引口としてもよい。
【0037】
なお、走査ステージ49の下部にはガイド部32が取付けられており、このガイド部32が定盤30の上に設けられたガイドレール28に係合して、走査ステージ49が矢印A方向へ往復走査可能となっている。
【0038】
また、後述するが、本発明の実施に当たっては、図2に示すように、ガラス基板Pを一方向へ湾曲させて(樋状として)走査ステージ49へ降下させてもよいし、図3に示すように、半樋状にガラス基板Pを湾曲させて降下させてもよい。
【0039】
そして、樋状に湾曲させたガラス基板Pを降下させる場合は、ガラス基板Pの中央部が第1の吸引部14に着地するように、また、半樋状に湾曲させたガラス基板Pを降下させる場合は、ガラス基板Pの湾曲した端部が第1の吸引部14に着地するように下降させればよい。
(露光装置)
図4に基づき、本発明の基板搬送装置を備えた露光装置34の概要について説明する。
【0040】
露光装置34は、露光ヘッド36、アライメントカメラ38を備えている。この露光ヘッド36、アライメントカメラ38は定盤30の中央部に設けらた門型フレーム40に取付けられている。そして、門型フレーム40の下を通過する走査ステージ49に載置されたガラス基板Pの位置情報をアライメントカメラ38で取得して、露光ヘッド36が、画像情報に基づいてレザーを変調して、ガイドレール28に沿って走査されるガラス基板Pに配線パターン等を直接描画する構成である。
【0041】
露光装置34の周囲には、基板ストッカ41、ロボットアーム42が配置されている。
【0042】
基板ストッカ41は他の工程から搬送されてきたガラス基板Pや、露光装置34にて露光されたガラス基板Pを一時的に載置するのに使用される。そして、後述するロボットアーム42のフォーク44,46がガラス基板Pの下へ挿入できるように、載置面からピン58が立っており、このピン58の上にガラス基板Pが載せられるようになっている。
【0043】
ロボットアーム42は、基板ストッカ41と走査ステージ49の間でガラス基板Pの搬送を行う。ロボットアーム42は、三叉のフォーク44,46を上下に備えている。フォーク44,46は、ベースフレーム48に設けられた一対のシリンダーにより独立して水平方向に伸縮することができる。
【0044】
また、ベースフレーム48は上下に伸縮するシリンダー50に支持されている。このシリンダー50は、基台52に設けられた旋回装置によって旋回し、フォーク44,46を基板ストッカ41と走査ステージ49の間で移動させる。
【0045】
さらに、フォーク44,46の上面には、ガラス基板Pを吸着するためのゴム製の吸着盤54、56が設けらている。この吸着盤54,56は、エアホースがそれぞれ接続されており、独立して吸着力を発生・解除することができる。
【0046】
次いで、基板ストッカ41、ロボットアーム42、露光装置34を用いたガラス基板Pの露光手順を説明する。
【0047】
先ず、図4に示されているように、ロボットアーム42の上部のフォーク44を伸ばし、吸着盤54,56で露光前のガラス基板Pの下面を吸着して、基板ストッカ41からガラス基板を搬出する。
【0048】
続いて、基板ストッカ41よりガラス基板Pを取り出したロボットアーム42は、フォーク44を縮め、旋回装置によって右方向へ旋回して走査ステージ49と向き合い、図5に示すようにフォーク44を伸ばして、走査ステージ49の上方にガラス基板Pを位置させる。この作業と同時に、基板ストッカ41へは、他の工程より新たな露光前のガラス基板P1が搬入され、ピン58の上に載せられる。
【0049】
次に図6に示すように、走査ステージ49の上方へロボットアーム42により搬送されたガラス基板Pは、樋状に湾曲した状態で走査ステージ49の第1の吸引部14、第2の吸引部15へ吸着される。この吸引部への基板吸着手順は後に詳述する。
【0050】
走査ステージ49に吸着されたガラス基板Pは、走査ステージ49により矢印方向へ搬送され、ガラス基板P上に描かれているアライメントマークをアライメントカメラ38が読み取る。この読み取られたアライメントマークの位置により、露光装置34の画像処理部は露光ヘッド36へガラス基板P上へ描画するための描画データを作成する。ここで、走査ステージ49上でガラス基板Pのアライメントマークを読みとられている間、ロボットアーム42は先ほどの基板ストッカ41へ搬入されたガラス基板P1の搬出を行う。
【0051】
一方、アライメントマークが読み取られたガラス基板Pには、図6に示す矢印方向へ走査ステージ49が走査することで、露光ヘッド36により所定の描画パターンが描かれる。
【0052】
図7のガラス基板Pの表面は露光済みであることを示すために斜線図で示している。ガラス基板Pが露光ヘッド36により露光されている間、ロボットアーム42は基板ストッカ41から搬出してきたガラス基板P1を保持し、走査ステージ49の前で待機している。ガラス基板Pの露光が終了すると、支持リフトピン13が走査ステージ49の上面から突き出て、ガラス基板Pを走査ステージ49の上面から浮かす。ここで、待機していたロボットアーム42のフォーク46がガラス基板Pの下面へ伸び、ガラス基板Pを吸着する。
【0053】
次に、フォーク46は、図8に示すように、縮んで、露光済みのガラス基板Pを走査ステージ49より搬出する。
【0054】
次いで、フォーク44は走査ステージ49の上方へ伸びて、未だ露光されていない基板P1を走査ステージ49上の吸着部位へ吸着載置させ、図9に示すように、縮んで走査ステージ49から離れる。載置されたガラス基板P1は走査ステージ49によって矢印の方向へ送られ露光ヘッド36で描画される。
【0055】
次に、図10に示すように露光済みのガラス基板Pはロボットアーム42により基板ストッカ41へ戻され、他の工程へと搬出されてゆく。次いで、図11に示すように、露光済みのガラス基板Pが搬出された基板ストッカ41には、未露光のガラス基板P2が搬入される。以上の作業を繰り返しながら、基板ストッカ41と露光装置34の間でガラス基板が行き来してゆく。
【0056】
なお、ロボットアーム42には2枚のガラス基板を保持できるように、上下に2つフォークを備えているため、ロボットアーム42の回転を最小限にすることができ、生産性の向上を図ることが出来る。
【0057】
また、フォークの吸着盤の吸着力は同一でも良いし、中央部のフォークの吸着盤の吸引力を外側の2本のフォークの吸着盤の吸引力よりも大きくしてもよい。
【0058】
(ガラス基板吸着の順序)
次にガラス基板のステージへの吸着手順について説明する。なお、煩雑にならないように、図面では、フォークに設けられた吸着盤しか図示していない。
(第1の保持ステップ)
まず、図12に示すように、ロボットアーム42の吸着盤54,56が基板ストッカ41へ搬入されたガラス基板Pを吸着し、ガラス基板Pを走査ステージ49の上方へ搬送する。この時、三叉のフォークのうち、外側の2本はステージ上の吸着リフトピン12と支持リフトピン13の間の位置に存在し、中央のフォークは吸着リフトピン12と吸着リフトピン12の間に位置するようにロボットアームを制御する。
【0059】
本実施例においてはロボットアームのフォークは3本であるが、これ以外の本数、例えば4本であっても良い。4本の場合においても、吸着盤の吸着力は同一でも良いし、中央2本のフォークの吸着盤の吸着力が強く、それに比べて外側2本のフォークの吸着晩の吸着力を弱くしてもよい。
【0060】
ロボットアーム42はステージ上方の所定位置までガラス基板Pを吸着したフォークを移動させた後、シリンダー50を縮めてガラス基板Pを走査ステージ49に向かって降下させる。
【0061】
このとき、支持リフトピン13は吸着リフトピン12の位置よりも高い位置で待機している。従って、シリンダー50を縮めて、図13に図示しているようにフォークの吸着盤54,56を降下させて行くと、まずガラス基板Pの外縁部分が支持リフトピン13に接触する。
【0062】
次に、図14に示すように、支持リフトピン13とガラス基板Pが接触した後もフォークは降下を継続する。なお、支持リフトピン13がガラス基板Pと接触した後は、三叉のフォークのうち、中央のフォークの吸着盤56のみがガラス基板Pを吸着している状態となる。
【0063】
したがって、外側の吸着盤54はガラス基板Pの吸着を解除しているわけであるが、これはガラス基板Pと支持リフトピン13が接触する直前に、吸着を解除しても良いし、ガラス基板Pと支持リフトピン13が接触した後に、フォークが降下するのに伴って自然に吸着が外れるような吸着力で、ガラス基板Pを保持している態様であっても良い。
【0064】
吸着盤54,56の吸着力が同一の場合は、ガラス基板Pと支持リフトピン13が接触する直前に、吸着盤54の吸着を解除すれば良いし、外側の吸着盤54の吸着力を中央の吸着盤56の吸着力よりも弱く設定し、フォークの降下に伴い外側の吸着盤54の吸着が強制的に解除されるようにしても良い。
【0065】
なお、吸着盤56がガラス基板Pを吸着しつつ降下し、支持リフトピン13が静止している時点では、ガラス基板Pは吸着盤56で吸着された部位を最下部として樋状に湾曲した状態となっている。この時、支持リフトピン13の先端は樹脂製の摩擦係数の小さい球体13Aから構成されているため、ガラス基板Pが湾曲した際に、ガラス基板を傷つけるのを防止することができる。
【0066】
そして、フォークがが引き続き降下すると、ガラス基板Pと吸着リフトピン12の吸盤26が接触する。ガラス基板Pと吸盤26が接触した後に、吸盤26はガラス基板Pを吸引する。吸着リフトピン12の吸盤26がガラス基板Pを吸着した後、吸着盤56の吸着を解除して、フォークをガラス基板Pの下面から抜き出し走査ステージ49上方より退避させる。この時点において、吸着リフトピン12及び支持リフトピン13がガラス基板Pを、ガラス基板Pの互いに対向する2辺の中点を結んだ直線がガラス基板Pの最下部となるように、いわゆる樋状に保持することとなり、保持ステップが終了する。
(降下ステップ)
支持リフトピン13及び吸着リフトピン12は、ガラス基板Pの互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が基板の最下部となるようなガラス基板Pの湾曲形状を保持した状態で降下する。この形状を保持し降下することによって、走査ステージ49とガラス基板Pの間の空気を良好に逃がし空気抵抗を下げることが出来る。またガラス基板の湾曲を、お椀型に湾曲させるのに比し最小限に歪みを抑えガラス基板の破損を防ぐことが可能となる。
(走査ステージへの載置)
第1の載置ステップ
支持リフトピン13及び吸着リフトピンに12に保持された状態でガラス基板Pを降下させ、ガラス基板Pの最下部を走査ステージ49から突起した支持ピン10と接触させる。この時に、図15に示すように、走査ステージ中央部に設けられたガラス基板Pの最下部に対応した部位に存在する、第1の吸引部14がガラス基板Pの中央部を吸着する。
【0067】
この第1の吸引部14の吸引区画と他の区画の境界線上には、支持ピン10と同一の高さを有するリブ11が存在している。このリブ11は、ガラス基板Pを吸着する際には空気隔壁の役割を果たしている。第1の吸引部14の吸引口20(図1参照)からは空気が吸引されており、リブ11で囲まれた第1の吸引部14には全域に渡り均等に吸引力が発生している。
【0068】
また、ガラス基板Pの最下部をまず走査ステージに吸着させることによって、ガラス基板Pの位置ずれが、その後のガラス基板Pの載置行為によっては起こらなくなるため、ガラス基板Pの載置位置決め精度を向上させることが出来る。ガラス基板Pが第1の吸引部14に吸着された後に、吸着リフトピン12の吸着を解除し走査ステージ49の収納室24内へ退避させる。
【0069】
第2の載置ステップ
その後、支持リフトピン13をさらに降下させる。支持リフトピン13が降下すると、ガラス基板Pの支持リフトピン13で保持されている部位が走査ステージ上の支持ピン10と接触する。支持ピン10とガラス基板Pが接触した後に、走査ステージに設けられた2つの第2の吸引部15がガラス基板Pを吸着する。第2の吸引部15は、前述した第1の吸着部位14と同様に、支持ピン10と同一の高さのリブ11によって他の区画と区切られており、リブ11がガラス基板Pの吸着時における空気隔壁の役割を果たしている。図16に示すように、ガラス基板Pの全面が走査ステージ49に吸着されると、吸着ステップは完了する。
【0070】
本実施例においては、図2に示すようにガラス基板Pを樋状に湾曲させているため、第2の吸引部は、第1の吸引部の両側に隣接して2つ存在している。
【0071】
さらに、本実施例においては、第1の吸引部と第2の吸引部のみを図示しているが、第3、第4の吸引部やそれ以上の吸引部を構成してもよい。その場合は、第1の吸引部において、ガラス基板の最下部が吸着された後に、第1の吸引部に対応するガラス基板部位以外のガラス基板の部位が、第1の吸引部に隣接する部位より第1の吸引部から離れた吸着部位の方向へ向かって、順次支持ピンへ接触してゆく。第2の吸引部以降の吸着部位は、支持リフトピンを降下させることにより当該吸着部位の支持ピンにガラス基板が接触すると吸引を開始する。
【0072】
第2の吸引部に複数の吸引口がある場合は、全ての吸引口から同時に吸引してガラス基板を吸着してもよいし、ガラス基板の支持ピンへの接触に合わせて、第1の吸引部に近い吸引口から順次吸引を開始してもよい。これにより、迅速にガラス基板を走査ステージに吸着載置できる。
【0073】
第2の保持ステップ
図17〜図19を用いて、保持ステップの第2の態様の説明を行う。
【0074】
図17に示すように、フォークの吸着盤54,56がガラス基板Pを吸着し、走査ステージ49の上へ搬送させた時点において、支持リフトピン13及び吸着リフトピン12は、略同一の高さで走査ステージ49の上に突出し、待機している。
【0075】
この場合、図18に示すように、フォークが降下すると、ガラス基板Pは支持リフトピン13及び吸着リフトピン12と同時に接触することとなる。そして、ガラス基板Pと吸着リフトピン12、支持リフトピン13が接触する直前に、吸着盤54,56の吸着を解除し、ガラス基板に無理な力が作用しないようにする。続いてガラス基板Pと吸着リフトピン12が接触した直後に吸盤26にガラス基板Pを吸着させる。、その後、フォークを走査ステージ49の上方より退避させる。
【0076】
そして、吸着リフトピン12だけを降下させることにより、図19に示すように、両端部が支持リフトピン13に支持されたガラス基板Pの中央部が下降して、ガラス基板Pが樋状に湾曲する。
【0077】
これ以降のステップは、図15,16に示す第1の保持ステップと同様であるので、説明は省略する。
【0078】
なお、本実施例では、ガラス基板を例に採って説明したが、撓み性を持つ基板であれば、材質は特定されない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態に係る走査ステージの要部を示す断面斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る走査ステージに樋状に湾曲させたガラス基板を載置させている状態を示す断面斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る走査ステージに半樋状に湾曲させたガラス基板を載置させている状態を示す断面斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る基板搬送装置でガラス基板を露光装置へ搬送している状態を示した説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図15】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図16】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図17】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図18】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【図19】本発明の実施形態に係る走査ステージにガラス基板を保持させている状態を示した説明図である。
【符号の説明】
【0080】
11 リブ
12 吸着リフトピン
13 支持リフトピン
14 第1の吸引部
15 第2の吸引部
26 吸盤
42 ロボットアーム
49 走査ステージ
54 吸着盤
56 吸着盤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームによりステージ上方へ搬送された基板の一辺と平行な部位が、前記基板の最下部となるように基板を基板保持手段へ下に凸な状態で湾曲保持させる保持ステップと、
ロボットアームをステージ上方より退避させると同時に、前記基板保持手段が前記保持ステップで得られた基板形状を保持しつつ基板を下降させる下降ステップと、
前記基板の最下部を前記ステージに接触させる第1の載置ステップと、
前記接触した最下部以外の基板の部位を、最下部に隣接する部位より順次前記ステージへ接触させ、前記基板をステージに載置する第2の載置ステップを有することを特徴とする基板搬送方法。
【請求項2】
前記第1の載置ステップにおいて、前記基板の最下部が前記ステージに設けられた第1の吸引部により吸着される、第1の吸着ステップが行われることを特徴とする、請求項1に記載の基板搬送方法。
【請求項3】
前記第2の載置ステップにおいて、前記ステージに設けられた前記第1の吸引部に隣接する第2の吸引部により吸着される、第2の吸着ステップが行われることを特徴とする、請求項2に記載の基板搬送方法。
【請求項4】
前記第2の載置ステップは、
前記第2の吸引部内に設けられた、少なくとも2つの吸引口を、前記第一の吸引部に近い吸引口より順次吸引を開始することを特徴とする、請求項3に記載の基板搬送方法。
【請求項5】
前記保持ステップにおいて、基板の互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が、基板の最下部となるように前記基板を前記基板保持手段に保持させることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の基板搬送方法。
【請求項6】
基板をステージ上方へ吸着搬送するロボットアームと、
前記基板を、前記基板の一辺と平行な部位が前記基板の最下部となるように下に凸な状態で湾曲保持する、先端部において基板を吸着可能な吸着リフトピン及び、先端部において基板を支持可能な支持リフトピンからなる基板保持手段と、
前記基板保持手段を備え、前記基板を載置するステージと、
を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項7】
前記基板を載置するステージは、前記基板保持手段によって保持される前記基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を備えることを特徴とする請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項8】
前記基板を載置するステージは、前記基板保持手段によって保持される前記基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を有し、
前記第1の吸引部を有する部分に隣接する部位に、少なくとも1つの第2の吸引部を有することを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記支持リフトピンを前記吸着リフトピンの高さより高く保持し、下降させる制御部を有することを特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載の基板搬送装置。
【請求項10】
前記吸着リフトピンの先端部はゴム材からなることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の基板搬送装置。
【請求項11】
前記支持リフトピンの先端部は樹脂材からなることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の基板搬送装置。
【請求項1】
ロボットアームによりステージ上方へ搬送された基板の一辺と平行な部位が、前記基板の最下部となるように基板を基板保持手段へ下に凸な状態で湾曲保持させる保持ステップと、
ロボットアームをステージ上方より退避させると同時に、前記基板保持手段が前記保持ステップで得られた基板形状を保持しつつ基板を下降させる下降ステップと、
前記基板の最下部を前記ステージに接触させる第1の載置ステップと、
前記接触した最下部以外の基板の部位を、最下部に隣接する部位より順次前記ステージへ接触させ、前記基板をステージに載置する第2の載置ステップを有することを特徴とする基板搬送方法。
【請求項2】
前記第1の載置ステップにおいて、前記基板の最下部が前記ステージに設けられた第1の吸引部により吸着される、第1の吸着ステップが行われることを特徴とする、請求項1に記載の基板搬送方法。
【請求項3】
前記第2の載置ステップにおいて、前記ステージに設けられた前記第1の吸引部に隣接する第2の吸引部により吸着される、第2の吸着ステップが行われることを特徴とする、請求項2に記載の基板搬送方法。
【請求項4】
前記第2の載置ステップは、
前記第2の吸引部内に設けられた、少なくとも2つの吸引口を、前記第一の吸引部に近い吸引口より順次吸引を開始することを特徴とする、請求項3に記載の基板搬送方法。
【請求項5】
前記保持ステップにおいて、基板の互いに対向する2辺の中点を結んだ直線が、基板の最下部となるように前記基板を前記基板保持手段に保持させることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の基板搬送方法。
【請求項6】
基板をステージ上方へ吸着搬送するロボットアームと、
前記基板を、前記基板の一辺と平行な部位が前記基板の最下部となるように下に凸な状態で湾曲保持する、先端部において基板を吸着可能な吸着リフトピン及び、先端部において基板を支持可能な支持リフトピンからなる基板保持手段と、
前記基板保持手段を備え、前記基板を載置するステージと、
を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項7】
前記基板を載置するステージは、前記基板保持手段によって保持される前記基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を備えることを特徴とする請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項8】
前記基板を載置するステージは、前記基板保持手段によって保持される前記基板の最下部に対応する部分に、第1の吸引部を有し、
前記第1の吸引部を有する部分に隣接する部位に、少なくとも1つの第2の吸引部を有することを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記支持リフトピンを前記吸着リフトピンの高さより高く保持し、下降させる制御部を有することを特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載の基板搬送装置。
【請求項10】
前記吸着リフトピンの先端部はゴム材からなることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の基板搬送装置。
【請求項11】
前記支持リフトピンの先端部は樹脂材からなることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の基板搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−87890(P2008−87890A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269372(P2006−269372)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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