説明

堆積膜の選択的除去のための多孔質リフトオフ層

【解決手段】多孔質リフトオフ層は、半導体などの表面からの皮膜の除去を促進する。皮膜をパターン形成された多孔質層上に適用する。当該層は典型的には膜厚よりも大きい開口を含む。次いで、皮膜が求められていない領域から多孔質材料および皮膜を除去する。多孔質層は、乾燥させると孔隙が形成されるスラリーとして、または熱もしくは溶媒の適用により分離するフィールド内の不安定粒子として付与することができる。孔隙を通って進入するエッチング液によって皮膜を除去することができ、その孔隙では、皮膜が固体部分間のスペースを橋かけしていないため、エッチング液が皮膜の両表面を攻撃する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、堆積膜の選択的除去のための多孔質リフトオフ層、に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連文献(RELATED DOCUMENTS)]
エマニュエル・エム・サチス(又はサックス)(Emanuel M. Sachs)およびアンドリュー・エム・ゲイバー(又はガボール)(Andrew M. Gabor)の名のもとに2009年5月8日に出願された、「堆積膜の選択的除去のための多孔質リフトオフ層(Porous Lift−OFF layer for selective removal of deposited films)」という名称の米国仮出願第61/215,671号に基づく優先権をここに主張し、これを参照により完全に本願明細書において援用する。
【0003】
幾つかの処理スキームおよびアーキテクチャーが、エマニュエル・エム・サチスおよびジェームス・エフ・ブレット(James F. Bredt)ならびにマサチューセッツ工科大学の名のもとに2008年2月15日に米国を指定して出願され、かつ、2つの米国仮出願第60/901,511号(2007年2月15日出願)および第61/011,933号(2007年1月23日出願)に基づく優先権を主張する、「テクスチャー加工表面を伴う太陽電池(Solar cell with textured surfaces)」という名称の特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US2008/002058に開示されている。PCT出願および2つの米国仮出願の全てを参照により完全に本願明細書において援用する。本願明細書中では、これらの出願に開示された技術を集約して自己整合セル(Self Aligned Cell)(SAC)技術と呼ぶ。
【0004】
アンドリュー・エム・ゲイバー、リチャード・エル・ワラス(Richard L. Wallace)および1366テクノロジーズ・インク(1366 Technologies Inc.)の名のもとに2009年4月17日に出願された、「太陽電池において拡散層をパターン形成する方法およびかかる方法により作製される太陽電池(Method to pattern diffusion layers in solar cells and solar cells made by such methods)」という名称の共譲渡PCT出願PCT/US2009/02422は、以下で検討する幾つかの構造を開示しており、PCT/US2009/02422の全開示を参照により本願明細書において援用する。
【0005】
液体含有材料を表面に付与するための幾つかの処理スキームが、エマニュエル・エム・サチス、リチャード・エル・ラワス、ジェームス・エフ・ブレット、ベンジャミン・エフ・ポリート(Benjamin F. Polito)、アリ・エルセン(Ali Ersen)および1366テクノロジーズ・インクの名のもとに2010年1月6日に米国を指定して出願され、かつ、「毛管分配チューブを使用する液体含有材料のパターン形成表面への分配(Dispensing liquid containing material to patterned surfaces using a capillary dispensing tube)」という名称の米国仮出願第61/204,382号(2009年1月6日出願)に基づく優先権を主張する、「分配チューブを使用する液体含有材料のパターン形成表面への分配(Dispensing liquid containing material to patterned surfaces using a dispensing tube)」という名称のPCT出願PCT/US2010/020245において検討されている。これらPCT出願および米国仮出願を参照により本願明細書中に援用する。
【0006】
[序論(INTRODUCTION)]
太陽電池の作製において、開口を有する誘電体膜を有することが望ましい例が幾つかある。例えば、結晶性シリコンのウェーハ上に太陽電池を作製する際、窒化ケイ素などの誘電体を、反射防止コーティングおよび保護(passivating)表面として当該電池の上面(太陽に面する側)上に使用する。次いで、金属被覆(metallization)を電池上に堆積させる。金属被覆はシリコン自体と接触しなければならない。したがって、金属をシリコンと接触させるために、皮膜に開口を設ける必要がある。一般的な手順は銀ペーストを使用することであり、この銀ペーストは、誘電体と反応して当該誘電体に穴をエッチングする化学フリットを有し、この穴を介して金属を接触させることができる。しかしながら、金属被覆へのアプローチにはこのような反応性成分を有することができないものもあるため、金属被覆の(形成)前に誘電体に孔を開ける必要がある。
【0007】
また、結晶性シリコン光電池(photovoltaics)の領域における別の例は、太陽と反対を向いた電池の裏面に関するものである。高性能バックコンタクトは、誘電体膜を堆積させ、次いで金属層を堆積させた構造をベースとする場合が多い。同様に、金属は誘電体膜を介してシリコンに接触する必要があるが、全領域のごく一部だけでよい。例えば、使用する技術の1つは、レーザー・ファイヤード・コンタクト(LFC)技術として知られている。酸化膜をウェーハの裏面上に成長させ、アルミニウムを蒸着させ、次いで、レーザーを使用して何百もの点を迅速かつ局所的に加熱することによってアルミニウムを液化し、酸化物を介して反応させ、以下のシリコンに接触させる。典型的には、例えば、個々のコンタクトはおよそ50ミクロンの大きさであり、およそ500ミクロン離間している。高性能裏面構造を作成する代替方法は、誘電体膜を堆積させ、次いでレーザーアブレーションを用いて皮膜に孔を開けることである。金属層を堆積させ、レーザーで開けた孔を介して接触させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】(なし)
【発明の概要】
【0009】
[概要(SUMMARY)]
本願明細書中に開示される半導体ウェーハ加工方法に関して、反射防止膜コーティングなどの幾つかの他の塗布された材料の除去を促進すべく、新規の多孔質リフトオフ層が使用される。コーティングが求められていない領域には多孔質層を付与するが、この多孔質層は、粒子と、塗布された皮膜層の厚さよりも大きいのが好ましい(が、必ずしもそうでなくてもよい)孔隙(porosities)とから構成される。多孔質層およびコーティングが求められている半導体の他の部分にわたってコーティング膜を塗布した後、多孔質材料を除去すると、結果として、コーティングが求められていない領域から上に重ねた皮膜が除去される。多孔質層は、後に乾燥させると孔隙が形成されるスラリーとして、または、ある材料のフィールド内に不安定粒子(熱分解または液体可溶性粒子など)を有する層として付与することができ、これらの粒子は、熱または溶媒を適用すると当該フィールドから分離する。コーティング膜層は、粒子間の空間を橋かけしていないコーティングに起因して生じた孔を介してコーティング膜内に進入するエッチング液を付与することによってエッチングにより除去することができる。エッチング液は、多孔質層全体にわたって流動し、コーティング膜の両面からコーティングを攻撃する。粒子は例えば膜厚の4〜10倍の直径を有し得るので、粒子よりも僅かに小さい孔が生じる。粒子は、シリカ、アルミナおよび他のセラミック類であってもよい。このような多孔質層は、金属被覆を付与すべき窪みに使用して、反射防止コーティングから窪みを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1a】図1aは、本願明細書に開示された方法によって処理される半導体表面(空の溝を持つ)の概略正面図を示す。
【図1aA】図1aAは、図1の半導体表面の線A−Aに沿った概略断面図を示す。
【図1b】図1bは、図1aの半導体表面の概略正面図を示しており、溝には多孔質材料が充填されている。
【図1bA】図1bAは、図1bの半導体表面の線A−Aに沿った概略断面図を示す。
【図1c】図1cは、図1bの半導体表面の概略正面図を示しており、溝には多孔質材料が充填され、表面全体にわたってコーティング膜が堆積されている。
【図1cA】図1cAは、図1cの半導体表面の線A−Aに沿った概略断面図を示す。
【図1d】図1dは、図1cの半導体表面の概略正面図を示しており、多孔質材料およびコーティング膜は溝から除去されているが、当該表面の溝でない部分にはコーティングが残っている。
【図1dA】図1dAは、図1dの半導体表面の線A−Aに沿った概略断面図を示す。
【図1e】図1eは、図1dの半導体表面の概略正面図を示しており、溝内には金属被覆が設けられている。
【図1eA】図1eAは、図1eの半導体表面の線A−Aに沿った概略断面図を示す。
【図2】図2は、非球形粒子から構成される多孔質層の断面図を概略的に示す。
【図3a】図3aは、平坦な表面上の球形粒子からなる多孔質層の断面図を概略的に示す。
【図3b】図3bは、平坦な表面上の非球形粒子からなる多孔質層の断面図を概略的に示す。
【図4】図4は、離間して点状に配置された粒子を担持する領域を有する裏面コンタクトを概略的に示す(斜視図)。
【図4a】図4a−4eは、図4に示されるもののような、一連の移送プロセス段階にて、粒子を含有するスラリーを供給源から表面へ移送するための装置を概略的に示す。
【図4b】図4a−4eは、図4に示されるもののような、一連の移送プロセス段階にて、粒子を含有するスラリーを供給源から表面へ移送するための装置を概略的に示す。
【図4c】図4a−4eは、図4に示されるもののような、一連の移送プロセス段階にて、粒子を含有するスラリーを供給源から表面へ移送するための装置を概略的に示す。
【図4d】図4a−4eは、図4に示されるもののような、一連の移送プロセス段階にて、粒子を含有するスラリーを供給源から表面へ移送するための装置を概略的に示す。
【図4e】図4a−4eは、図4に示されるもののような、一連の移送プロセス段階にて、粒子を含有するスラリーを供給源から表面へ移送するための装置を概略的に示す。
【図5a】図5a−5gは、コーティングが求められていない領域から皮膜コーティングを除去すするために、粒子からなる多孔質層を使用して選択的拡散部(ドーピング度がより高い一部の領域)をウェーハに設けるプロセスの段階を断面図にて概略的に示している。
【図5b】図5a−5gは、コーティングが求められていない領域から皮膜コーティングを除去すするために、粒子からなる多孔質層を使用して選択的拡散部(ドーピング度がより高い一部の領域)をウェーハに設けるプロセスの段階を断面図にて概略的に示している。
【図5c】図5a−5gは、コーティングが求められていない領域から皮膜コーティングを除去すするために、粒子からなる多孔質層を使用して選択的拡散部(ドーピング度がより高い一部の領域)をウェーハに設けるプロセスの段階を断面図にて概略的に示している。
【図5d】図5a−5gは、コーティングが求められていない領域から皮膜コーティングを除去すするために、粒子からなる多孔質層を使用して選択的拡散部(ドーピング度がより高い一部の領域)をウェーハに設けるプロセスの段階を断面図にて概略的に示している。
【図5e】図5a−5gは、コーティングが求められていない領域から皮膜コーティングを除去すするために、粒子からなる多孔質層を使用して選択的拡散部(ドーピング度がより高い一部の領域)をウェーハに設けるプロセスの段階を断面図にて概略的に示している。
【図5f】図5a−5gは、コーティングが求められていない領域から皮膜コーティングを除去すするために、粒子からなる多孔質層を使用して選択的拡散部(ドーピング度がより高い一部の領域)をウェーハに設けるプロセスの段階を断面図にて概略的に示している。
【図5g】図5a−5gは、コーティングが求められていない領域から皮膜コーティングを除去すするために、粒子からなる多孔質層を使用して選択的拡散部(ドーピング度がより高い一部の領域)をウェーハに設けるプロセスの段階を断面図にて概略的に示している。
【図6】図6は、如何にして液体が多孔質層内を横方向に流動し得るかを例示する、図1bに示すのと同じ状況を示す。
【図7a】図7aは、シリコンウェーハの上部に適用された不安定材料と粒子とを含有する層を概略的に示しており、例証のために不安定材料層の大きさが誇張されている。
【図7b】図7bは、不安定材料を除去した後の図7aの層に孔が残っているところを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[詳細な説明]
本願明細書に開示されたイノベーションにより、誘電体膜を堆積させる前に、多孔質リフトオフ材料をシリコン表面に堆積させる。次いで、リフトオフ材料の上部を含むあらゆる場所に皮膜を堆積させる。超音波洗浄および/または光化学エッチングなどの加工工程の後、リフトオフ材料を剥離し、それと共に上に重ねた誘電体膜も除去され、これによりシリコンに開口が残る。
【0012】
典型的には、このような誘電体膜は高品質であり、欠陥が非常に少なく、かつピンホール密度が非常に低い。したがって、このような誘電体膜をアンダーカットしてそこに金属被覆などのためのより大きな開口を形成することは困難を呈する。1つの課題は、皮膜自体の完全性が、アンダーカットを達成するための化学物質の侵入に対するバリアとなることである。
【0013】
本願明細書に開示されたイノベーションの一態様は、高度に多孔質のリフトオフ層(本願明細書中では、簡潔に「PLOL」と呼ぶ)を堆積させることであり、この層は誘電体堆積と関連する温度および化学的環境を許容し得る。リフトオフ層の孔隙は少なくとも3つの機能を付与する。1つは、孔隙がその上に堆積される皮膜に開口および他の欠損を形成することにより、エッチング化学物質がこれらの欠損を介して進入し、リフトオフ層を攻撃することができる。また、孔隙により、多孔質リフトオフ層自体の内部でエッチング化学物質が横方向に移動可能になり、それにより、皮膜にごく僅かな開口または欠損しか存在しないとしても、その全表面にわたって皮膜の分解およびリフトオフが生じる。横方向とは、多孔質材料および皮膜が付与される表面に対して実質的に平行であることを意味する。第3に、適切に構成された多孔質層は、外部コーティング環境からその下のウェーハ表面まで実質的に視線を有さず、それにより、表面上にコーティング膜が堆積するのを直接的に阻止する。
【0014】
ここで、図1a〜1eを参照すると、本願明細書に開示されたイノベーションの一つの実施形態において、PLOLは、液体ベヒクル中のセラミック微粒子のスラリーとして開始される。半導体本体102は、加工することが望まれている表面104を備えている。スラリー(図示せず)は、設計者がPLOLの存在を意図する場所、例えば溝108内などに概ね堆積される。液体ベヒクルを乾燥させた後、スラリーの固体粒子110がウェーハの表面104上に残存する。好ましくは、粒子110の複数の層112a、112b、112cなどが残る。層の数は、2〜10の間で様々であり得るが、大半の場合には3〜4層で十分である。次に、皮膜114を、粉末の乾燥層112a〜112cの上に、そして、リフトオフ層が付与されなかった領域116のウェーハ上に直接、堆積することができる。
【0015】
多くの用途では、皮膜を堆積した後に孔が閉鎖されないように、孔の大きさ(基板の平面に平行)が皮膜114の厚さよりも大きい場合に有利である。好ましくは、孔の大きさは、膜厚の少なくとも2〜5倍であるべきである。PLOLが粉末から構成される場合、粉末層の孔が典型的には粉末粒子それら自体よりも小さいため、粉末粒子110の大きさは皮膜114の厚さの少なくとも4〜10倍であるべきである。使用する粉末粒子110の大きさの上限は、主にトポグラフィーの態様に左右される。例えば、PLOLを使用してトレンチを充填する場合、トレンチを充填する際に、PLOL内に少なくとも3層の粒子層が存在するように、粉末粒子は、典型的には、トレンチの深さのおよそ1/3を越えないものであるべきである。PLOLを平坦な表面上に堆積する場合、PLOLは、シェーディングなどにより、その外側の皮膜堆積に影響を及ぼすほど高いものであってはならない。
【0016】
トレンチ内のPLOLについて、トレンチは30μ(ミクロン)の幅および10μの深さを有する。PLOLが直径1〜2μの粉末からなる場合、厚さ0.4μ以下の皮膜を使用することができる。比較的平坦な表面上のPLOLについては、PLOLが直径5〜10μの粉末からなる場合、膜厚は1μ以下であってもよい。
【0017】
多孔質リフトオフ層は、その上に堆積された皮膜の除去を促進する幾つかの条件を付与する。多孔質材料の存在により、多孔質材料が保護する表面上への皮膜の堆積が阻止される。リフトオフ層の多孔性により、堆積された皮膜は不連続になる。なぜならば、皮膜は孔によって中断されるセグメントとして堆積するからである。これにより、皮膜は粉々に剥離し得るため、より容易に除去される。エッチング液または別の除去剤が、リフトオフ層の孔隙によって形成される皮膜の開口を通じて進入し得る。次いで、皮膜またはそのセグメントを上部および底部の両方から攻撃することができる。多孔質リフトオフ層が粉末からなる場合、堆積された皮膜は粉末粒子を橋かけし得るので、それら粒子は何らか結合される。しかしながら、これらの橋かけは小さくかつ脆いので、超音波撹拌などによって破壊され得る。超音波エネルギーが粒子に結合し、粒子を互いに対して移動させることによって皮膜をネック部で破壊し得る場合、粉末粒子自体の質量がこのような破壊を補助し得る。ネック部は、皮膜の堆積中に視線から外れており、これらのネック部には何らの材料さえも堆積しない場合もある。
【0018】
先に要約した機構によって、多孔質リフトオフ層は、それ自体には全く孔隙を有さない皮膜のリフトオフを可能にする。つまり、リフトオフの成功は、堆積膜の孔隙に左右されるのではなく、むしろ多孔質リフトオフ層上に皮膜を堆積させることによって形成される大きな開口をうまく利用するものである。
【0019】
よって、本願明細書に開示された技術は、本来孔隙を有さない皮膜に対して特に有用である。本願明細書に開示された技術はまた、孔隙を有するフィルムに対しても有用である。なぜならば、それらは、PLOLが堆積された場所に開口を形成するのが更に容易であるためである。堆積された皮膜が孔を有するか有さないかは、堆積技術および堆積パラメーターの両方に左右される。一般に、熱化学気相堆積(蒸着)によって堆積された皮膜には孔がない傾向がある。プラズマ化学気相堆積(PECVD)によって堆積された皮膜は、堆積パラメーターに応じて、孔を有さないことも、孔を有することもあり得る。蒸着(evaporation)によって堆積された皮膜は、孔を有する傾向がより高い。
【0020】
孔の大きさは、全ての用途について、膜厚よりも大きい必要はない。例えば、先ほど検討したような孔隙を有する皮膜によれば、膜厚よりも小さい孔の大きさを生じる粒子を使用することにより、有用なリフトオフ機能が得られる。このような場合、孔は、皮膜の分解を開始し得るあるエッチング化学物質を許容する。加えて、皮膜は、たとえ微粒子であってもそれら粒子の存在に起因して脆いことがある。更に、粒子に加えられる機械的撹拌または他のエネルギーは、エッチング化学物質を許容するための孔または他の開口を伴わずに形成されるとしても、皮膜を取り除くのに十分であり得る。したがって、本願明細書に開示された発明は、孔の大きさが膜厚よりも大きい方法に限定されない。しかしながら、それは、本願明細書に開示された発明の非常に重要な実施形態である。
【実施例】
【0021】
[例(EXAMPLE)]
図1a、1b、1c、1dおよび1eならびにそれら各々の断面図である図1aA、1bA、1cA、1dAおよび1eAは、シリコン太陽電池102の上面104上への窒化ケイ素反射防止コーティング114(図1cおよび1cA)の堆積を阻止するために適用される、本願明細書に開示される方法を示す。この場合、1〜2μ(ミクロン)直径の球形シリカ粉末粒子110のスラリー(図示せず)を、ポリエチレンイミン(PEI)を分散剤として含む水中で調製することができる。典型的なスラリー組成物は、およそ1:1の水:シリカ重量比であり、分散剤としてのPEIは0.03重量部である。シリカを分散させるための多くの他のポリマー分散剤が当該技術分野において知られており、例えば、ペンシルバニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)社製のデュラマックス3005(Duramax 3005)という商品名で販売されている高分子電解質のアンモニウム塩である。シリカはまた、スラリーのpHを調節することによって静電的に分散することができる。(シリカではない場合、スラリー中の粉末は、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素および他のセラミック材料であってもよい。)スラリーをウェーハ表面104に、例えば、シリコンウェーハ102のピット、トレンチまたは溝108内に分配する。例えば、この分配は、上記米国仮出願第61/204,382号およびPCT出願PCT/US2010/020245(参照により本願明細書中に援用する)に記載される毛管分配チューブを使用する処理方法によって可能である。ベヒクル(水など)は蒸発して、乾燥スラリーの粒子110が残り、これを複数の層112a、112b等に充填する。
【0022】
次に、図1bおよび1bAに示すような乾燥スラリーを伴ったウェーハ102を、プラズマ化学気相堆積(PECVD)または反応性スパッタリングなどによって窒化ケイ素の層114を堆積させる機械の中に置く。窒化ケイ素の堆積は低圧で行われるので、極めて視線に近い。このように、積層した多孔質粉末は、シリコン104の所望の表面領域122への皮膜114の堆積を阻止することができる。なぜならば、皮膜堆積源から表面領域122までの視線は全て1つ以上の粉末粒子110によって遮断されるからである。堆積の大半は粉末110の最上層112a上で行われ、堆積物の量は層112b、112cへと延びるほど低下し、最終的には保護領域にあるシリコンの表面122でゼロになる。
【0023】
反射防止コーティングとして堆積された皮膜114の厚さはおよそ0.08μ(ミクロン)であり、それ故、遥かに大きい(典型的にはより幅が広く、かつ、より深い)粉末層110の孔118を塞ぐことができない。孔の大きさとは、実質的に球形の孔の直径を意味し、非球形の細長い孔の場合には、表面に対して実質的に平行な孔の寸法を意味する。しかしながら、いくらかの量の皮膜が、粉末粒子110の間のネック部124に堆積することにより、それらは共に接合する。粉末粒子間のネック部の全て(最上層112aにおいてさえも)が皮膜によって接合されるわけではないことに留意されたい。その理由は、これらネック部の中には視線堆積から保護されているものもあるからである。
【0024】
皮膜およびその下のPLOLは下記の様々な方法によって除去可能である。
【0025】
ウェーハ102を、堆積された皮膜114をエッチングする液体に浸漬することができる。例えば、皮膜114およびPLOLの粒子110を剥離するには、約10秒間、5%HFの水溶液に浸漬し、ごく軽く撹拌を行うだけで十分である。この時、PLOL110によって被覆されていない基材の部分116上に堆積されたコヒーレント皮膜126は、ごく僅か(せいぜい膜厚の5%程度)にエッチングされる。PLOL110上の皮膜114は迅速に剥離する。なぜならば、その皮膜114を剥離させるには2〜3の粉末粒子110間のネック部124のみを弱化するだけでよく、かつ、エッチング液は皮膜でコーティングされたPLOLに開いている孔118を貫通するため、全方向および皮膜コーティングの両表面から攻撃することができるからである。
【0026】
幾つかの実施形態に対する代替の除去方法として、超音波作用のみによって、つまり、化学的なエッチング液は存在せず、しかし典型的には水、アルコールなどの非反応性液体の存在下で洗浄することにより皮膜114を除去することができる。粒子へ伝達される振動がそれら粒子を共に保持しているネック部を破壊する。
【0027】
第3の代替策として、化学エッチングおよび超音波作用を同時に組み合わせて使用することにより、PLOLの粒子によって被覆された領域の皮膜を除去することができる。
【0028】
第4の代替策として、液体の吹き付けによって付与される力は、PLOL粒子とその上を覆う皮膜の両方を緩めて除去するのに十分であり得る。
【0029】
第5の代替策として、表面全体を移動するブラシの物理的作用は、PLOL粒子とその上を覆う皮膜の両方を緩め、かつ液体の助けを借りてそれらを除去するのに十分であり得る。
【0030】
また、乾燥エッチング方法を使用して、PLOL粒子を除去することも可能である。
【0031】
皮膜の除去に続いて、図1eおよび1eAに概略的に示されるように、無電解ニッケル堆積または有機金属堆積などの技術を用いてセルに金属被覆を行って、溝108内に金属導体130を設けてもよい。
【0032】
蒸着、スパッタリングおよびPECVDなどの幾つかの堆積方法は視線と性質上近いものであるが、熱化学気相堆積(TCVD)などの他の方法はそうではなく、コーティングの成功のために外部コーティング環境から表面までの視線を必要としない。しかしながら、十分な粉末粒子の層がある場合、このような非視線プロセスでさえPLOLによってマスクされることが求められる領域上に材料を堆積することはできない。その理由は、反応物質は、それらがマスクされた表面に達し得る前に枯渇するからである。
【0033】
図6を参照すると概略的に示されているように、処理すべき表面に対して実質的に垂直である上部から底部まで(例えば、溝108の外側から、層112aを通り、層112bおよび112cまで)だけでなく、これらの層のいずれかの内部において横方向に(当該表面に対して実質的に平行に)材料が流動するのを許容する孔を多孔質材料が有することが好ましいことに留意することは重要である。図6は、外側から、表面孔118を通り、次いで別の孔を通って粒子の裏側まで延びる(点線の経路Pで示されるような)開放孔隙の経路を示す。このような孔隙により、腐食剤は多孔質粒子の容量全体にわたって流動することができ、それにより、孔118に隣接しない場所において堆積した皮膜層114を攻撃することができる。このような横寸法における孔隙もまた、先に論じたのと同じように作用して、例えば反射防止材料などの堆積された皮膜層116が横寸法におけるエッチング液の流動を遮断してしまうのを防ぐ。なぜならば、孔隙は堆積された層の厚さよりも大きいからである。
【0034】
非視線技術に関して、表面に対して実質的に平行な寸法における孔の大きさが、堆積されている膜の厚さよりも大きいことも重要である。これによって皮膜における開口があらゆる方向に残存して、表面までの除去用化学物質の流動を許容し、それにより、求められていない場所の皮膜を全て除去することが可能になる。表面に対して実質的に垂直な寸法での孔の大きさがこの程度大きくなければならないとは考えられていない。なぜならば、皮膜形成材料は、その寸法に沿って固体材料を横断する際に当該材料に付着して枯渇するためである。
【0035】
PLOLの除去が超音波もしくは機械的振動などの機械的手段によって完全にまたは概ね行われ、かつ、除去用化学物質がさほど重要でない方法に関して、皮膜が、機械的作用により粒子が除去されてしまうことを防ぐのに十分な強度を有する連続層を形成しないことが重要である。
【0036】
実施例は球形粒子の使用について言及しているが、他の形状も可能であり、異なる堆積法用PLOL材料としての利点を保持し得る。例えば、図2に概略的に示されているように、よりプレートレット様(platelet-like、小板状)の形状をなす粒子210は、より深い層を堆積材料の外部供給源からより効果的に遮蔽することによって、視線堆積法において形成されるネック部の数を更に低減し得る。具体的には検討されていないが、参照番号2xyで識別されている他の要素は、図1a〜1eおよび1aA〜1eAに示される参照番号1xyの要素と類似している。等軸形状粒子も有用であることが判明している。
【0037】
金属粉末も一部の用途に使用することができ、例えば、鉄、ニッケル、銀、銅、コバルト、モリブデンおよびタングステン、並びにこれら金属の合金の粉末が挙げられる。金属粉末は、粉末を攻撃するが、堆積された皮膜を攻撃しないエッチング液を見出し得るという利点を有する。例えば、窒化ケイ素皮膜を、銅またはニッケル粉末からなる多孔質リフトオフ層上に堆積する場合、塩化第二鉄を使用して、多孔質リフトオフ層の上部にある領域の外側から皮膜を攻撃することなく粉末をエッチングすることができる。下にある粉末が除去されると、その上に堆積された皮膜の大半は粉々に剥離する。残りの部分は、超音波撹拌によるか、または流体もしくはガスジェットの助けを借りて除去することができる。
【0038】
セラミックおよび金属粉末は、皮膜の堆積中に中高温および高温に耐え得るという利点を有する。この温度許容度は、特にこのパターン形成方法の価値を高める。例えば、シリコンウェーハ太陽電池において使用される窒化ケイ素皮膜は、通常、350〜500℃の温度で堆積する。低温で皮膜を堆積する場合、PMMA、ポリスチレンおよびアセチルの粉末などのポリマー粉末を使用することができる。溶媒中に溶解することによってポリマー粉末を除去してもよい。あるいは、試料を加熱して、ポリマーを燃失させることによってそれらを除去してもよい。次いで、残りの皮膜を、金属粉末について先に述べたように除去することができる。
【0039】
PLOL材料は、当該技術分野において知られているものなどの様々な方法によって塗布(適用)してもよく、例えば、スクリーン印刷、パッド印刷、インクジェット印刷、ステンシル印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷および噴霧(ニューメキシコ州アルバカーキにあるオプトメック社(Optomec Corp.)によって細線噴霧堆積(fine line atomized deposition)のために使用されるいわゆるエアロゾルジェット法)が挙げられる。
【0040】
PLOLは、焼失すると多孔質になる材料を塗布(適用)することによって作成することができる。例えば、不安定ポリマー(燃焼すると孔隙が残る)の粒子を含むスピンオンガラスを塗布することができる。高容量のポリマー粉末画分を使用する場合、スピンオンガラスのベヒクルが蒸発してポリマーが焼失した後、レイシー構造が生じる。図7aおよび7bは、このような構造を概略的に示している。図7bに概略的に示されているように、本体702は、固体材料710と孔704との相互貫入網状組織を有する。このような構造は、非常に迅速にエッチングされる。このような構造は、図7aに概略的に示されるような初期構造を備えることができる。シリカ710および不安定材料706を含有する本体701は、シリコンウェーハ700の上部に適用される。不安定材料706が焼失すると、図7bに示されるように、不安定材料706の代わりに、孔704が残る。孔704は、図面の平面に対して垂直な通路によって相互接続している。次いで、皮膜を本体702上に堆積させるが、これは以下に記載されて図3aに示される多孔質リフトオフ層の粒子310aと同様に機能する。不安定材料は、粒子の形態であるか、または、塗布層を冷却している間の相分離によって生じる可能性もある。当該技術分野で知られているような互いに繋がった孔隙を有する層を堆積させる他の方法も使用してもよい。
【0041】
先の検討では、ピット、溝またはトレンチなどの表面の窪み108内にPLOLを堆積させる例を使用した。図3aおよび3bに示されるように、PLOLの粒子(球形粒子310aまたは非球形粒子310b)を平坦な表面308上に堆積させてもよい。孔318aまたは318bが残存し、エッチング液がその孔を通って粒子の上部層の上に設けられた任意のコーティングを除去することができる。
【0042】
本願明細書に開示された方法は、図4を参照すると示されるように、太陽電池402の裏面405構造ならびに上面の太陽の方に向いたコンタクト404(直接的には図示されていない)に適用してもよい。例えば、PLOL層は、六角形または正方形配列などの規則的な格子上に小さな点状にて堆積させてもよい。点は、上述のように、堆積された粒子から構成される。点は、窪みの中または平坦な表面上にあってもよい。点の直径はおよそ50〜70μ(ミクロン)であり、例えば500〜800μ(ミクロン)の間隔を有する。次いで、誘電体膜を堆積させ、その後、PLOLが存在するスポットにおいて選択的に除去する。このようなパターン形成方法は、レーザーアブレーションまたは化学エッチングなどの他の方法よりも、下層シリコンに対する損傷を低減し得る。次いで、蒸着、スパッタリングによって、またはアルミニウムペーストをスクリーン印刷することによってアルミニウム層を堆積させることができる。皮膜に開いた穴を介して金属をシリコンに接触させる。アルミニウムペーストを用いて、当該技術分野において知られているような適切な焼成を行った場合、p+構造が接触スポットに形成され、これは更にセルの裏面での損失を最小限に抑えるのに役立つ。
【0043】
図4aは、スラリーに多孔質材料を付与するための装置を概略的に示す。固定具450は、複数の移送要素452を担持しており、それはこの場合にはテーパー形状の先端454を有するほぼ円筒形の物体であるが、円錐台であってもよい。本体456は、ある容量のスラリー材料458を保持し、このスラリー材料は、検討したように、固体粒子を含有する液体ベヒクルである。スラリーは、本体456上部の薄い層458である。(本体456は、凹形の容器、多孔質パッド(例えば、インクパッド、または表面張力および粘度によりスラリーが保持されている平坦な表面など)であり得る。スラリーは、456上にドクターブレード加工、スパン加工、噴霧、またはそれ以外の方法でコーティングするか、または適切な手段によって本体456に付与することができる。スラリーの層458の厚さは、1〜15μ(ミクロン)の範囲であり得るが、典型的には2〜5μであり得る。図4bに示されるように、固定具をスラリーに近づけて、移送要素の先端454をスラリー458と接触させる。先端は、図4cに示されるように、固定具をスラリーから離した後にスラリーが付着する材料から作製されるので、スラリー材料の液滴または少量のスラリー材料が移送要素上に保持される。十分な移送を付与するのに十分なスラリーを保持するように、また、移送中に滴り落ちたり、別の方法でこぼれたりしないように、スラリーの粘度、スラリーの相対接触角および移送要素の先端の材料の選択には注意を払わなければならない。スラリーはまた、移送要素452の先端454よりもウェーハ404の方をよく濡らすべきである。移送要素452の好適な材料はシリコーンゴムである。なぜなら、このシリコーンゴムは固定具450および移送要素452の全体をワンショットで成形することを可能にするからである。
【0044】
図4dに示すように、固定具450および移送要素452を、(図4に示すような)太陽電池402の裏面405上に接触させることにより、保持されたスラリー液滴460が太陽電池402の裏面405に接触する。次いで、図4eに示すように固定具450および移送要素452を引き上げると、液滴460が表面405上に残り、上述のようにスラリーの点411が形成される。次いで、スラリーを乾燥させると、点の位置に多孔質材料が残り、これを上述のように加工する。スラリーおよび裏面405の材料も、十分な量のスラリーが移送要素452から表面405に移動するような粘度および相対接触角などで設計しなければならない。
【0045】
点411の形状は、移送要素452の先端454の形状にある程度左右され得る。例えば、円形断面形状の先端は円形の点を残す。一方の辺が他方よりもかなり長い長方形断面形状の先端は、同様の形状をなす点を残す。また、移送要素の先端形状と点の形状との適合は、材料の粘度および一方ではスラリー材料と移送要素452との、他方ではスラリー材料と裏面405との相対接触角に左右される。その上に保持される材料の容量にも左右されるが、この容量はスラリー層458の厚さに左右され得る。
【0046】
PLOL材料のマスキング特性を使用して乾燥エッチング工程をマスクすることもできる。一例は、先に述べたPCT出願PCT/US2009/02422に記載されるような選択的エミッター構造を形成するための拡散エミッターの部分的なエッチバックである。別の例は、櫛形(interdigitated)バックコンタクト構造上に点状または線状コンタクト領域を形成するための拡散領域の完全なエッチバックである。
【0047】
この選択的エミッター出願は特に有用である。なぜならば、単回塗布したPLOL層は2つの機能を発揮し得るからである。1つは、高ドープ領域をより高いドーピング度でPLOL層の下に残存させつつも、他の領域のドーピング度をエッチングにより消失させることにより(etched away)、ドーピングをより軽くし、かつ、青反応をより良好にすることである。また、第2の機能はPLOL層の上にあるSiN皮膜における孔隙の形成を可能にすることである。同領域はより高度にドープされ、かつ皮膜を含まないことが望ましい。多孔質材料は、ドーピングレベルを低下させ、かつ多孔質材料を被覆する任意の皮膜の除去を促進する薬剤からこの領域を保護する。つい先ほど述べた選択的エミッター出願および上述のSAC特許出願番号PCT/US2008/002058(自己整合セル構造)にも開示される構造にそれを適用する際に実施可能な加工スキームが、図5a〜5gに概略的に示されている。
【0048】
溝508および光捕捉ピット領域516などのテクスチャーを、ウェーハ502の表面504に付与する。最終的に、溝508の底部522にて金属被覆がウェーハ502に接触する。図5bに示すように、ウェーハ全体は、いずれの場所でも約20〜約40オーム/sq(ohms/sq)で高度にドープされており、結果として、高ドープ層534およびドーパントガラス層536が、溝および溝でない領域を含むいずれの場所にも形成される。図5cに示すように、PLOL粒子510を金属被覆溝508内に付与する。PLOLを乾燥させ、それが液体ベヒクルによって付与された場合には、粒子間に孔518が残る。次いで、ウェーハを真空系内に置き、PLOLでマスクされていない領域(例えば、光捕捉領域516など)のドーパントPガラス536をCF/Hでエッチングすることによって、ドーピング度があまり高くならないように、図5dに示すように534r下の高ドープシリコンを露出させる。溝508内では、高ドープ層534の厚さは低減されていないが、吸収体領域516では、その厚さ534rが低減されていることに留意されたい。次いで、SiをSFでエッチングして、図5dに示すようにPLOL粒子510で被覆された領域の外側にある領域516において、シートのロー(rho)を約60〜約150オーム/sqに増大させる。
【0049】
その後、図5eに示すように、SiN(例えば、完成した光起電力デバイスにおける反射防止剤として機能し得る)を、溝内のPLOL層上などのいたるところに堆積させることにより、粒子510上に皮膜514が形成され、かつ、光吸収領域516に皮膜526が形成される。ここでは、光反射を最小限に抑えるのが望ましい。次いで、本体をインラインまたはバッチエッチ系内に置き、ここで、超音波または噴霧HFエッチに供してPLOL材料510を除去し、また、溝508のドーパントPガラス536を除去することにより、図5fに示す状態が生じ得る。(この工程中にかなりのSiN514がエッチングで除去される場合、異なる例に関して先に述べた5%と同様に、厚さを増加してそれを堆積させることによってSiNの厚さ514を補償することができる)。次いで、ウェーハを濯ぎ、乾燥させ、最終的には、高ドープ層534が下にある状態で、溝508内に金属被覆530が設けられる。
【0050】
PLOLプロセスの上記実施形態はシリコンウェーハをベースとする太陽電池において誘電体層および拡散層をパターン形成することを包含するが、本願明細書に開示された発明はより一般的であり、シリコン薄膜太陽電池上での誘電体および拡散層のパターン形成および非シリコン薄膜太陽電池上での誘電体および拡散層のパターン形成を包含する。更に、誘電体以外の材料のパターン形成も可能である。太陽電池産業における用途には、金属導体層、透明導体層、半導体コンタクト層、半導体表面安定化層、半導体ヘテロ接合層および半導体ホモ接合層のパターン形成が含まれる。
【0051】
金属層をパターン形成するためのPLOLの適用についての一例は、バックコンタクト型シリコンウェーハ太陽電池上に櫛形のバック金属被覆を形成することにある。このような構造を形成する1つの方法は、エッチマスキング材料と、パターン形成された金属をめっきする(plating up)前に行う蒸着またはスパッタ金属シード層スタックのエッチバックとの併用(complicated use)を包含する。このシード層のパターン形成は、金属が求められていない表面上にPLOLを堆積させ、次いでシード層スタック(例えば、400nmのAl/TiW/Cu(アルミニウム/チタン−タングステン/銅))を堆積させ、次いで超音波浴浸漬などによりPLOLおよびその上を覆う金属を除去することによってより簡単に行うことができる。
【0052】
本願明細書に開示された発明を使用して、誘電体(窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素およびこれら3種の合金;リン含有酸化ケイ素、ホウ素含有酸化ケイ素および酸化アルミニウムなどを含むがこれらに限定されない)を含むがこれらに限定されない様々な皮膜をパターン形成することができる。
【0053】
また、本願明細書に開示された発明を使用して、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化インジウムスズなどを含むがこれらに限定されない様々な透明導体膜をパターン形成することができる。
【0054】
本願明細書に開示された発明を使用して、銀、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、チタン・タングステン合金、モリブデン、クロム、スズ、スズおよび銀および銅の合金;銅、インジウム、ガリウム、セレニウムおよびこれら4つの合金/混合物などを含むがこれらに限定されない様々な金属皮膜をパターン形成することができる。
【0055】
本願明細書に開示された発明を使用して、シリコン、ドープシリコン、ガリウムヒ素;アモルファスシリコン、無定形ゲルマニウム、無定形炭素およびこれら3つのドープ物ならびにこれら3つの合金およびドープ合金;二セレン化銅インジウム、銅インジウム、二セレン化銅インジウムガリウム、硫化カドミウム、硫化亜鉛およびテルル化カドミウムなどの半導体膜をパターン形成することができる。
【0056】
また、本願明細書に開示された発明を使用して、前記半導体の幾つかの薄膜またはウェーハ基板上の皮膜をパターン形成することができる。
【0057】
大気圧化学蒸着、低圧化学蒸着、プラズマ化学蒸着、原子層堆積、スパッタリング、昇華および蒸発(evaporation)ならびに上述の他の方法を含めた様々な方法によって堆積された皮膜と共に、本願明細書に開示された発明を使用することができる。
【0058】
特定の実施形態を図示して説明してきたが、当業者であれば、その更に広範な態様において本開示を逸脱することなく様々な変更および修正を行ってもよいことを理解するであろう。上記説明に含まれて添付図面に示された全ての事項は、例示であって制限を意味しないものと意図されている。
【0059】
[概要](英文P21[0075]より)
半導体ウェーハ加工の場合、多孔質リフトオフ層を使用して、反射防止膜コーティングのような幾つかの他の塗布材料の除去を促進する。粒子および塗布されている皮膜層よりも大きい孔隙から構成される多孔質層を、コーティングが求められていない領域に設ける。皮膜を多孔質層および半導体の他の所望部分上に塗布(適用)した後、多孔質材料を除去することにより、結果として、それらの領域を対象としないオーバーレイ皮膜が除去される。多孔質層は、後に乾燥させると孔隙が生じるスラリーとして、または、ある材料のフィールド内に不安定粒子(熱分解または液体可溶性粒子など)を有する層として付与することができ、これらの粒子は、熱または溶媒の適用によりフィールドから解離する。粒子間の空間を橋かけしていない皮膜に起因して生じた孔隙を介して皮膜層に進入するエッチング液を付与することによって、皮膜層をエッチングにより除去することができる。エッチング液は多孔質層全体にわたって流動し、その両表面から皮膜を攻撃する。粒子の直径は、例えば、膜厚の4〜10倍であってもよい。粒子はシリカ、アルミナおよび他のセラミック類であってもよい。金属被覆が設けられるべき窪みにおいてこのような多孔質層を使用して、反射防止コーティングから窪みを保護することができる。
【0060】
本発明の重要な態様は、表面の一部の領域に対してのみ皮膜を付与するための方法である。本方法は、表面を付与する工程と、皮膜が求められていない当該表面の場所に多孔質材料を付与する工程と、多孔質材料を付与した場所および皮膜が求められている別の場所の両方を含む当該表面上に皮膜を付与する工程であって、膜厚が多孔質材料の孔の大きさよりも小さい、工程と、当該表面から多孔質材料を除去し、かつ、除去される多孔質材料上に堆積されたいずれかの皮膜を除去する工程と、を含む。多孔質材料を付与した表面領域は実質的に皮膜を含まず、かつ、他の領域は皮膜を備えている。
【0061】
関連実施形態について、除去工程は、エッチングなどの化学的工程、振動などの機械的工程、または機械的工程と化学的工程との組み合わせを含んでいてもよい。
【0062】
重要なクラスの実施形態によれば、皮膜を付与する工程は、多孔質材料を付与した場所に、孔を有する皮膜つまり不完全な皮膜を付与することを含む。
【0063】
多くの実施形態によれば、多孔質材料を付与する工程は、外部コーティング環境から多孔質材料を付与した場所にある表面の任意部分まで実質的に視線が存在しない程度に十分な多孔質材料層を付与することを含む。
【0064】
一般に、多孔質材料を除去する工程は、多孔質材料を付与した場所の皮膜を破裂させることを含む。
【0065】
本方法発明の様々な実施形態は、様々な形状の粒子を利用する。これら粒子は、実質的に球形であるか、実質的に等軸であるか、またはプレートレット様(小板状)であるか、またはこれらの組み合わせであってもよい。個々の粒子ではなく、多孔質材料が、孔の網状組織と相互貫入した実質的に相互連結型の固体網状組織を含む。
【0066】
1つの有用な実施形態に関し、多孔質材料を付与する工程は、粒子を含有するスラリーを付与し、次いで当該スラリーの液体を当該スラリーから分離させる(depart from)ことを含む。
【0067】
別の有用な実施形態に関し、多孔質材料を付与する工程は、乾燥粒子を付与することを含む。
【0068】
当該表面は、平坦な表面、または窪んだ領域と隆起した領域とを備えたテクスチャー加工表面を含んでいてもよく、この場合、多孔質材料は典型的には窪んだ領域に堆積される。
【0069】
更に別の実施形態によれば、多孔質材料を付与する工程は、材料のフィールド内に不安定粒子を付与することを含み、かつ、不安定粒子を除去してフィールド材料に孔隙を形成することを含む。好適な不安定粒子はポリマーであってもよい。
【0070】
多孔質材料を形成する粒子は、鉄、ニッケル、銀、銅、コバルト、モリブデンおよびタングステンならびにこれら金属の合金などを含むがこれらに限定されない金属であるか、またはシリカ、アルミナ、窒化ケイ素および炭化ケイ素などを含むがこれらに限定されないセラミックであってもよい。
【0071】
他の実施形態では、皮膜を堆積させるために様々な方法を使用してもよく、例えば、大気圧化学蒸着、低圧化学蒸着、プラズマ化学蒸着、原子層堆積(ALD)、昇華、スパッタリングおよび蒸発を含むがこれらに限定されない。
【0072】
重要な実施形態は、堆積膜が、光起電力用途において反射防止目的で使用されるような窒化ケイ素皮膜であるものである。
【0073】
本発明の方法実施形態の更に別の重要な態様は、多孔質材料が、表面と実質的に平行な横寸法において、膜厚よりも大きい孔隙を有することである。
【0074】
更に別の実施形態に関し、多孔質材料を付与する工程は、スクリーン印刷、パッド印刷、インクジェット印刷、ステンシル印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷および噴霧からなる群から選択される方法を含む。
【0075】
関連実施形態によれば、多孔質材料を付与する工程は、可撓性チューブを通じて多孔質材料を含有する液体を堆積させることを含む。
【0076】
液体ベヒクル中に粒子を付与する実施形態に関し、多孔質材料を付与する工程は、移送要素をスラリーに接触させ、スラリーが一時的に移送要素に付着し、次いで、スラリーを表面に接触させることにより、スラリーが移送要素から表面に移動することを含んでいてもよい。
【0077】
本発明の別の態様は、半導体ウェーハ上に比較的高いドーピングのパターン形成層を形成する方法である。本方法は、ウェーハの一方の表面上にドープ層を付与する工程と、当該表面のある場所に多孔質材料を付与する工程と、多孔質材料で被覆されていないドープ層の領域を被覆するいずれかのドーパント酸化膜をドライエッチングする工程と、多孔質材料で被覆されていないドープ層の一部をドライエッチングして、その厚さを低減する工程と、多孔質材料を付与した場所および別の場所の両方を含む当該表面上に誘電体膜を付与する工程であって、膜厚が多孔質材料の孔の大きさよりも小さい、工程と、当該表面から多孔質材料を除去し、かつ、除去される多孔質材料上に堆積されたいずれかの皮膜を除去する工程と、多孔質材料でマスクした領域に残存し得るいずれかの残存ドーパント酸化物を除去する工程とを含む。したがって、結果として、他よりもより高度にドープされた領域が生じ、また、これらの領域は皮膜で被覆されていない。
【0078】
本発明の多くの技術および機構態様は本願明細書中に記載されている。当業者は、特に使用において共に記載しない場合であっても、これらの技術および機構態様の多くが、他の開示された技術と共に使用可能であることを理解するであろう。本願明細書に開示された要素のいかなる組み合わせ、従属的な組み合わせ(sub−combinations)、更にその従属的な組み合わせ(sub−sub−combinations)なども、特許請求の範囲に記載されていようがいまいが、明確な発明として記載されているものと意図している。創意的であり、かつ本願明細書に開示された発明をベースとする何百もの実施可能な組み合わせを発明として具体的に記載することは不可能である。
【0079】
よって、本願明細書に開示された発明は、方法、製品および製造装置を包含する。
【0080】
本願明細書に開示された方法発明は、表面の選択的領域には皮膜を塗布しつつも、当該表面の他の領域は皮膜がないままにしておく方法を包含する。当該表面は、半導体表面または他の材料であってもよい。半導体の場合、表面は、他の領域よりも、皮膜が存在しない領域の方がより高度にドープされていてもよい。他の構成も可能である。選択的ドーピングを包含する方法およびそれを包含しない方法の場合、多孔質材料は、球形、等軸またはプレートレット様などの粒子であるか、または、孔隙の網状組織と相互貫入した相互連結型の固体材料網状組織であってもよい。他の機能を達成するための他の工程は、多孔質材料を付与し、皮膜を付与し、次いで多孔質材料およびその上を覆ういずれかの皮膜を除去する工程を組み入れたものであってもよい。多孔質層およびその上を覆う皮膜を好適に除去するいかなる工程も、化学的エッチングであれ、機械的であれ、他の乾式または液体プロセスであっても、本発明の想定内である。
【0081】
例えば、多孔質材料を付与するいずれかの好適な方法を使用してもよい。皮膜層を付与するためのいずれかの好適な方法を使用してもよい。多孔質層およびそれと共に皮膜層を除去するためのいずれかの好適な方法を使用してよい。多孔質材料を付与し、皮膜層を付与し、多孔質層および皮膜層を除去するこれらの好適な方法のいずれかを、その他の機能を達成するためのいずれかの好適な方法と共に使用してもよい。更に、このような方法のいずれかも、高ドープ領域を付与し、次いで、当該領域の一部を多孔質材料でマスクし、続いてマスクしていない領域におけるドーピング度を低減する方法と関連して使用してもよい。同様に、より高度にドープされた領域を付与するための、および、マスクしていない領域におけるドーピング度を低減するためのいずれかの好適な方法も、多孔質材料を付与し、皮膜材料を付与し、かつ、多孔質層および皮膜材料を除去するためのいずれかの方法と共に使用してもよい。
【0082】
本開示は、2つ以上の発明を記載して開示する。本発明は、本開示に基づき、本文献および任意の特許出願手続中に出願されただけでなく、開発された関連文献の請求項に記載されている。本発明者らは、従来技術によって許容される制限に対して、続いて決定されているものとして、様々な本発明の全てを特許請求することを意図している。本願明細書に記載された特徴は、本願明細書に開示される各発明に対して本質的ではない。したがって、本発明者らは、本願明細書に記載されるものの、本開示に基づいて任意の特許の任意の具体的な請求項において特許請求されない特徴が、任意のこのような請求項に組み込まれないものとすることを意図している。
【0083】
ハードウェアの一部のアセンブリまたは工程群は、本願明細書では発明として言及されている。しかしながら、これは、1つの特許出願において検討される発明の数または発明の単一性に関する法令および規則によって特に想定されているように、任意のこのようなアセンブリまたは群が必ずしも特許性に関して区別できる発明であることの承認ではない。本発明の実施形態について記載する近道であることを意図している。
【0084】
要約が本願明細書と共に提出されている。この要約は、審査官および他の調査官が、技術的な開示の主題を迅速に確認することを可能にする要約を必要とする規則に準拠して提供されていることが強調される。特許庁の規則によって約束されているように、請求項の範囲または意味を解釈または制限するために用いられるべきではないことを理解して、要約は提出される。
【0085】
前述の検討は、例示として理解すべきであり、いかなる意味でも制限するものと考えるべきではない。本発明はその好ましい実施形態を参照して特に示されて記載されているが、形態および詳細における様々な変更が、請求項によって定義されているように、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく実施され得ることが当業者によって理解されよう。
【0086】
以下の請求項において全ての手段または工程および機能要素の対応する構造、材料、行為および等価物は、特に請求される他の請求された要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料または行為を包含することを意図している。
【0087】
本発明は、特許請求の範囲において請求されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力デバイス表面の一部の領域にのみ皮膜を付与するための方法であって、
a.表面を提供する工程と、
b.皮膜が求められていない前記表面の一部の場所に多孔質材料を付与する工程と、
c.前記多孔質材料を付与した場所と皮膜が求められている別の場所の両方を含む該表面上に皮膜を付与する工程であって、その皮膜の膜厚が前記多孔質材料の孔の大きさ以下である、工程と、
d.前記表面から前記多孔質材料を除去すると共に、その除去される多孔質材料上に堆積されていた皮膜をも除去する工程と、を含み、
多孔質材料を付与した光起電力デバイス表面の領域が実質的に前記皮膜を含まず、且つその他の領域が前記皮膜を備える、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記除去工程が化学的工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記除去工程がエッチングを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記除去工程が機械的工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記除去工程が機械的工程をも含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記除去工程が振動を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記皮膜を付与する工程(c)が、前記多孔質材料を付与した場所全体に孔を有する皮膜を付与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記多孔質材料を付与する工程(b)が、外部コーティング環境から、前記多孔質材料を付与した場所にある表面の任意部分まで実質的に視線が存在しない程度に十分な多孔質材料層を付与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記多孔質材料を除去する工程が、前記多孔質材料を付与した場所の皮膜を破裂させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記多孔質材料が、実質的にプレートレット様(小板状)の粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記多孔質材料が、実質的に球形の粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記多孔質材料が、実質的に等軸な粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記多孔質材料が、孔の網状組織と相互貫入した実質的に相互連結型の固体網状組織を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記多孔質材料を付与する工程(b)が、粒子を含有するスラリーを提供し、次いで該スラリーの液体分を該スラリーから分離させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記多孔質材料を付与する工程(b)が、乾燥粒子を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記表面が、実質的に平坦な表面を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記表面が窪みを有し、前記多孔質材料を付与する工程(b)が前記窪み内に前記多孔質材料を付与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記多孔質材料を付与する工程(b)が、材料のフィールド内に不安定粒子を付与することを含み、更に、該不安定粒子を除去してフィールド材料に孔隙を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記不安定なフィールドがポリマーを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記多孔質材料がセラミック粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記多孔質材料が、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素および炭化ケイ素からなる群から選択される粒子を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記多孔質材料が金属粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記多孔質材料が、鉄、ニッケル、銀、銅、コバルト、モリブデンおよびタングステン、並びにこれら金属の合金からなる群から選択される粒子を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記皮膜が、大気圧化学蒸着、低圧化学蒸着、プラズマ化学蒸着、原子層堆積、スパッタリング、昇華および蒸発により堆積される皮膜からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記皮膜が、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素およびこれら3つのものの合金;リン含有酸化ケイ素、ホウ素含有酸化ケイ素、並びに、酸化アルミニウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記皮膜が、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化インジウムスズからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記皮膜が、誘電体、金属および半導体からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記皮膜が、銀、アルミニウム、ニッケル、チタニウム、タングステン、チタニウム・タングステン合金、モリブデン、クロム、スズ、スズおよび銀および銅の合金;
並びに、銅、インジウム、ガリウム、セレニウム、およびこれら4つのものの合金又は混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
該皮膜が、シリコン、ドープシリコン、ガリウムヒ素;
アモルファスシリコン、無定形ゲルマニウム、無定形炭素、これら3つのドープ物、並びに、これら3つの合金およびドープ合金;
二セレン化銅インジウム、銅インジウム、二セレン化銅インジウムガリウム、硫化カドミウム、硫化亜鉛およびテルル化カドミウム、
からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記表面が、シリコンウェーハ、シリコン薄膜、化合物半導体、金属、ガラス、プラスチックおよび誘電体からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記多孔質材料が、前記表面と実質的に平行な横寸法において、膜厚よりも大きい孔隙を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記多孔質材料を付与する工程(b)が、スクリーン印刷、パッド印刷、インクジェット印刷、ステンシル印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷および噴霧からなる群から選択される方法を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記多孔質材料を付与する工程(b)が、可撓性チューブを通じて前記多孔質材料を含有する液体を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記多孔質材料を付与する工程(b)が、移送要素をスラリーに接触させ、前記スラリーが前記移送要素に一時的に付着し、次いで、前記スラリーを前記表面に接触させることを含み、これにより、前記スラリーが前記移送要素から前記表面に移動する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
半導体ウェーハ上に比較的高いドーピングのパターン形成層を形成する方法であって、
a.ウェーハの一方の表面上にドープ層を付与する工程と、
b.前記表面の一部の場所に多孔質材料を付与する工程と、
c.前記多孔質材料で被覆されていないドープ層の領域を被覆するドーパント酸化膜をドライエッチングする工程と、
d.前記多孔質材料で被覆されていないドープ層をドライエッチングして、その厚さを低減する工程と、
e.前記多孔質材料を付与した場所および別の場所の両方を含む前記表面上に誘電体膜を付与する工程であって、その膜の膜厚が前記多孔質材料の孔の大きさ以下である、工程と、
f.前記表面から前記多孔質材料を除去すると共に、除去される多孔質材料上に堆積されていた皮膜を除去する工程と、
g.前記多孔質材料を付与した場所に残存し得る残存ドーパント酸化物を除去する工程と、を含む、方法。

【図1a】
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【図1aA】
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【図1b】
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【図1bA】
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【図1c】
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【図1cA】
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【図1d】
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【図1dA】
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【図1e】
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【図1eA】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【公表番号】特表2012−526399(P2012−526399A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510017(P2012−510017)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/034067
【国際公開番号】WO2010/129884
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(510276685)1366 テクノロジーズ インク. (5)
【Fターム(参考)】