説明

塗工装置及び塗工方法

【課題】チクソトロピー性の高い塗液であっても、塗工開始後から所望の目付け量で安定して塗工可能な塗工装置及びその塗工方法を提供すること。
【解決手段】塗工装置は、塗工開始前に塗工ヘッド(2)から塗液タンク(3)に還流する塗液経路を設け、所望の目付け量が得られる塗工時の塗工ヘッド(2)の内圧以上の圧力で還流可能なポンプ(3)を有する。このような構成により、塗工直前まで塗工ヘッド(2)内の圧力を塗工時と同じもしくはそれ以上に保ち、流動させておくことが可能となる。その結果、塗工開始時の塗液粘度を低減し、かつ流動性を確保することで、塗工開始からの目付け量の変動を抑制することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイコーターを使用して塗液を塗工する塗工装置およびその塗工方法に関する。さらに詳しくは、固形分が高く、高粘度かつチクソトロピー性が高い塗液を塗工開始直後から安定した目付け量で設ける塗工装置およびその塗工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイコーターを使用して厚膜を塗工する方法は従来より知られているが、例えば電池の電極板を作成する際に、集電体上に厚膜を安定的に塗工することは、比較的難しい技術とされている。特に、固形分が高く、粒子が高濃度で充填されている塗液は、高いチクソトロピー性を有しているため、塗工してから目付け量が安定化するまでに非常に長い時間を要する。したがって、塗工開始直後は目付け量が低く、時間の経過とともに目付け量が上がっていき、あるところで安定するという経過をたどる場合が多い。
【0003】
なお、ここで、「目付け量」とは、塗液の単位面積あたりの重量もしくは質量である。よって、「目付け量」は、「膜厚」とほぼ一対一に対応するため、「目付け量」を「膜厚」と読み替えても差し支えない。
ここで、従来、この目付け量が安定するまでに時間がかかるという問題を解決するための手段がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、ダイコーターの内圧を検知して被塗工材の送り速度を制御する方法が開示されている。すなわち、ダイコーターの内圧が高いときは塗液の吐出量が多いため被塗工材の送り速度を上げ、ダイコーターの内圧が低いときは逆に被塗工材の送り速度を下げる。
【0004】
しかし、この塗工方法は、ダイコーターの内圧を検出し、モーターにフィードバックするという複雑なシステムが必要である。また、このフィードバックまでのタイムラグが相当に高速でなければ、塗工のタイミングがうまく合わず、却って厚みムラを増幅してしまい、安定した塗工ができない。また、塗工速度を上げることも困難である。
別の方法として、特許文献2には、非塗工時に使用するポンプとタンクとをつなぐ循環系経路、塗工時に使用するポンプからダイヘッドに塗液が流れる塗工系経路、循環系経路と塗工系経路とを切り替えるバルブ、及びダイヘッド両端の開閉弁を有する塗工装置が提案されている。このような構成により、塗液を循環系で循環させて安定化させた後、バルブで流路を切り換えて塗工を開始する。これにより、塗工開始時の目付け量が安定化し、塗工終了時にはダイヘッド両端の開閉弁を開けて急激にダイコーターの内圧を下げることで、塗工終端部の膜厚も安定化することが記載されている。
【0005】
しかし、これをチクソトロピー性の高い塗液で行うと、切り替えバルブから先の塗工系経路内およびダイヘッド内では塗液が停留するため、塗液の粘度が非常に高い状態から塗工が始まってしまう。すなわち、すぐには流動しない塗液が多いために、塗工開始時に必要な目付け量に達しないという不具合が生じる。また、塗工終了時にダイヘッド両端の開閉弁を開いて塗液を逃がすため、無駄な塗液が生じる。
【0006】
さらに別の方法として、特許文献3には、特許文献2の塗工装置における循環系をなくし、塗工終了時には、ダイヘッド両端の開閉弁閉状態から開状態にして塗液をタンクに戻すことで塗液の無駄をなくす方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−190862号公報
【特許文献2】特開2003−190861号公報
【特許文献3】特開2003−190863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3に記載の塗工装置においても、ダイヘッド内の内圧を検出して被塗工材の送り速度を制御する方法を採用しており、塗工開始時に生じる目付け量不足の問題は依然として存在する。また、塗工開始時の目付け量安定化の問題に対しては、特許文献1の被塗工材の速度を制御する方式を採用しているため、依然として複雑なフィードバックシステムを必要としている。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、複雑なフィードバックシステムを必要とせず、粒子が充填されたチクソトロピー性の高い塗液を用いても、塗工開始直後から安定した目付け量を得ることが可能な塗工装置および塗工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、塗工用ダイヘッドと、前記塗工用ダイヘッドに塗液を供給する塗液供給装置と、前記塗液供給装置から供給される前記塗液の還流を制御する塗液還流制御装置と、を有し、前記塗液供給装置は、塗工開始前に、前記塗液の還流時に少なくとも前記塗工用ダイヘッドの容積以上の前記塗液を還流し、かつ前記塗工用ダイヘッドへの前記塗液の供給圧力が、塗工時における前記塗工用ダイヘッドからの前記塗液の吐出圧を超えるように前記塗液を供給することを特徴とする塗工装置である。
【0011】
また、本発明の他の態様は、前記塗工用ダイヘッドは、前記塗液の塗工時における幅方向の一方の端に設けられた塗液投入口より前記塗液供給装置からの塗液の供給を受け、他方の端に設けられた塗液還流口より前記塗液還流制御装置に前記塗液を還流することを特徴とする塗工装置である。
また、本発明の他の態様は、前記塗液供給装置の供給出口、前記塗工用ダイヘッド、および前記塗液還流制御装置の少なくとも一つに備えられて内圧を計測する圧力計をさらに備える塗工装置である。
【0012】
また、本発明の他の態様は、上記の塗工装置を用いた塗工方法であって、塗工開始前において、前記塗液供給装置における前記塗工用ダイヘッドへの塗液の供給圧力を、あらかじめ定められた所定の前記塗液の吐出量を満たす吐出圧より高く保ちながら塗液を還流し、塗工開始時において、前記塗液の還流量を制限もしくは停止して前記塗工用ダイヘッドから前記塗液を吐出することを特徴とする塗工方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様に係る塗工装置および塗工方法によれば、複雑なフィードバックシステムを必要とせず、粒子が充填されたチクソトロピー性の高い塗液を用いる場合であっても、塗工開始直後から安定した目付け量の塗膜を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗工装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る塗工装置の別の構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る塗工装置の具体的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本実施形態に係る塗工装置の構成例を示す図である。塗工装置1は、塗工用ダイヘッド(以下、「塗工ヘッド」という)2、塗液供給装置3、及び塗液還流制御装置4から構成されている。塗液供給装置3は塗工ヘッド2へ塗液を供給する。また、塗工ヘッド2は塗液を吐出して塗工を行うものである。また、塗液還流制御装置4は、塗工を行わない時に、塗液を塗液供給装置3に還流するものである。
【0016】
本実施形態に係る塗工装置の特徴は、塗工を開始する直前までは塗工ヘッド2の吐出口は何らかの手段で閉じられており、かつ塗工ヘッド2の内圧が所望の塗工量を得られる塗工ヘッド2の内圧と同じか、もしくはこれより高い内圧を保って、塗液還流制御装置4を通して塗液が還流されるように塗液供給装置3が設定されることである。これにより、塗工ヘッド2内部の塗液は常に流動するとともに塗工時と同じか、もしくは高い圧力に保たれるため、時がチクソトロピー性の高い塗液であっても、塗液の粘度が低下し、塗液の流動特性は塗工時とほぼ同様に保たれる。
【0017】
したがって、塗工開始時に塗工ヘッド2の吐出口が開いた瞬間から所望の吐出量で塗液を吐出することが可能となる。なお、塗工ヘッド2の吐出口を閉じる手段としては、塗工ヘッド2内にシャッターを設ける方法、吐出口をテープ等でふさぐ方法、緩衝保持材等を介して吐出口をバックロールに押し当てる方法等が挙げられ、これに限らずいずれの方法も有効である。
【0018】
図2は、本実施形態に係る塗工装置の別の構成例を示す図である。図2に示されるように、圧力計6〜8を設置し、設定場所の圧力を常時測定できるようにしてもよい。圧力計の設置場所は、図2のように塗液供給装置3の供給出口(流出口)、塗工ヘッド2内部、塗液還流制御装置4の入口又は内部の何れか、もしくは全てが可能である。
また、本実施形態の塗工装置1に使用される塗工ヘッド2は、塗工時以外は常時、塗液還流制御装置4経由で塗液を還流するという目的から、その形状としては、中央から給液するいわゆるTダイの形状より、横幅方向から給液する形状として、例えば、横幅方向の一方の端に設けられた塗液投入口から給液して、横幅方向の他方の端に設けられた塗液還流口(流出口)から還流する形状であると、設計しやすく、より好ましい。ただし、これに限るものではない。
【0019】
図3は、本実施形態に係る塗工装置の具体的な構成例を示す図である。塗工装置1は、塗工ヘッド11、ポンプ12、流路バルブ13、タンク還流用バルブ14、ダイ還流用バルブ15、塗液タンク16、及びダイヘッド内圧計17から構成される。なお、図3は構成の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
なお、図3の構成において、塗工ヘッド11は図1の塗工用ダイヘッド2に該当する。ポンプ12および塗液タンク16は図1の塗液供給装置3に該当する。流路バルブ13、タンク還流用バルブ14、およびダイ還流用バルブ15は図1の塗液還流制御装置4に該当する。
【0020】
以下、図3を用いて、塗工装置1にて塗工を行う際の塗工方法を説明する。
(1)まず、塗液タンク16に塗液を投入した後、流路バルブ13とダイ還流用バルブ15とを閉じ、タンク還流用バルブ14を開ける。この状態でポンプ12を始動し、塗液を送液する。これにより、塗液タンク16から、ポンプ12、タンク還流用バルブ14までの管内が塗液で満たされる。次に、塗工ヘッド11の吐出口をふさぎ、さらに流路バルブ13を開いてタンク還流用バルブ14を閉じ、ダイ還流用バルブ15を開く。このままポンプ12による送液を続けて塗工ヘッド11内を塗液で十分に満たし、かつダイ還流用バルブ15を通じて塗液が十分にタンク16に還流されるようにする。
【0021】
(2)次に、流路バルブ13とダイ還流用バルブ15を閉じ、タンク還流用バルブ15を開く。ここで、塗工ヘッド11の吐出口を開け、ポンプ12の吐出量を変化させて塗工を行うとともに、ダイヘッド内圧計17の圧力値を読取る。また、このときの目付け量を測定する。いくつかの吐出条件で塗工を行った結果、所望の目付け量の塗膜が得られたら、このときのダイヘッド内圧計17の値を記録する。ここで、この値を仮に“P”とする。圧力値Pが得られたら、流路バルブ13を閉じ、タンク還流用バルブ15を開けて塗工ヘッド11を通さずに塗液を塗液タンク16に還流させる。なお、ここでは圧力計を塗工ヘッド11に取り付けているが(ダイヘッド内圧計17)、これに準ずる場所、例えば塗工ヘッド11の入口付近でもよい。
【0022】
(3)次に、あらためて塗工ヘッド11の吐出口をふさぎ、流路バルブ13を開いてタンク還流用バルブ14を閉じ、ダイ還流用バルブ15を開く。この状態で、ポンプ12から送液するが、このときのダイヘッド内圧(塗工ヘッド11の内圧。以下、同様。)を値P、もしくはこれ以上の圧力を保って送液する。これにより、塗工ヘッド11内の塗液が必要な吐出圧を保ちながら常に流動する状態となり、塗工開始直後から所望の量の塗液が塗工ヘッド11から吐出されるので、目付け量が安定した塗膜を得ることができる。
ここで、上記(2)の処理の後に上記(3)の処理を行わない従来の操作は、以下の通りである。すなわち、(1)及び(2)の処理が終了した後、以下の(4)の操作を行う。
【0023】
(4)ポンプ12の吐出量を、適正なダイヘッド内圧が得られたポンプ吐出量に設定した後、流路バルブ13を開け、タンク還流用バルブ14とダイ還流用バルブ15を閉じ、塗工を開始する。この状態で塗工すれば所望の目付け量の塗膜が得られることが期待されるが、実際には塗工開始前に塗工ヘッド11内の塗液が停止しているため、再流動が始まるまでには時間がかかる。そのため、ポンプ12の吐出量を適正にしたとしても、送液管内及び塗工ヘッド11内での圧力損失が非常に大きくなり、塗工ヘッド11の吐出口からの吐出量は期待される値より小さくなる。時間が経てば、流動を停止していた塗液が次第に流動を始めるので、最終的には所望の目付け量が得られるが、本件発明の発明者の実験によれば、チクソトロピー性の大きい塗液では、目付け量が安定するまで10〜20分程度を要した。
【0024】
[実験例1]
以下、本発明の発明者が行った実験について説明する。
<塗工装置>
塗工装置の構成は、図3とほぼ類似の構成とした。違いとしては、圧力計17を塗工ヘッド11内ではなく、塗工ヘッド11の入口で測定した点である。また、塗液タンク16として20Lのタンク、ポンプ12として最大塗液吐出量2L/分のモーノポンプ(兵神装備(株)製)を使用した。圧力計は、塗工ヘッド11入口に、T字管を介して角膜式圧力計を取り付けた。塗工ヘッド11は幅300mmのダイヘッドを用い、シムは開口幅200mm、厚み150μmとした。流路バルブ13、タンク還流バルブ用14、ダイ還流用バルブ15は、それぞれボールバルブを使用した。
【0025】
<塗液>
塗液として、マンガン酸リチウム:ポリフッ化ビニリデン:導電補助剤:N−メチルピロリドンを52:7:1:40の組成比で作成したスラリーを用いた。B型粘度計10rpmによって測定された塗液粘度は約8000mPa・sであった。
<基材>
塗工基材として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。
<塗工操作>
まず、必要な目付け量が得られる圧力を求めたところ、塗工ヘッド11の塗液投入口の直前に設けた角膜式圧力計による圧力値(以下、“P1”とする)が0.25MPaにて、必要目付け量100g/m2が得られた。
【0026】
次に、流路バルブ13とタンク還流用バルブ14を切り換えて、流路バルブ13を閉じて塗工ヘッド11を通さずに塗液を還流させた。また、塗工ヘッド11の塗液吐出口にテープを目張りして塗液の吐出を防ぎ、ダイ還流用バルブ15のボールバルブを開けて、塗液の還流経路を確保した。そして、流路バルブ13とタンク還流用バルブ14を切り換えて、タンク還流用バルブ14を閉じて流路バルブ13を開けることで、塗工ヘッド11を通して塗液を還流させ、圧力計の圧力値P1が0.25MPaになるように調整して塗液を循環させた。
10分後にダイヘッド塗液吐出口の目張りテープを剥がし、ダイ還流用バルブ15のボールバルブを閉じて塗工を開始した。このまま30分間塗工を行った。
【0027】
<評価>
経過時間0分、10分、20分、30分の塗工部分の塗液目付け量を測定した。
[実験例2]
圧力計の圧力値P1を0.3MPaに設定した以外は、上記実験例1と同じ操作を行った。
[比較例1]
圧力計の圧力値P1を0.2MPaに設定した以外は、上記実験例1と同じ操作を行った。
[比較例2]
圧力計の圧力値P1を0.2MPaに設定し、塗工装置、塗液、塗工基材は上記実験例1と同様にして、塗工操作において、以下の点を変更した。
【0028】
<塗工操作>
まず、流路バルブ13とダイ還流用バルブ15を閉じ、タンク還流用バルブ14を開いて塗工ヘッド11を通さずにタンク側へ塗液が還流する経路とした後、ポンプ12を起動し、送液した。次に、流路バルブ13とタンク還流用バルブ14を切り換えて、タンク還流用バルブ14を閉じて流路バルブ13を開けることで、塗工ヘッド11側に塗液を流し、塗工を開始した。ポンプ12の回転数を変えて塗工し、目付け量を測定したところ、ポンプ回転数42rpmで必要な目付け量が得られた。この42rpmを維持し、流路を塗工ヘッド11側にして30分間塗工した。
【0029】
<評価>
実験の評価は、上記実験例1と同様に行った。
<評価結果>
以下、表1に、上記の各実験の評価結果を示す。
【0030】
【表1】

【0031】
以上の評価結果から、圧力値P1を必要な圧力(0.25MPa)以上に保った後に塗工を開始した実験1および2においては最初から必要な塗工目付け量が得られているが、それをしなかった比較例1および2は初期には目付け量が不足し、目付け量が安定するまでに、10〜20分の時間を要していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、粒子が充填されたチクソトロピー性の高いインキをダイコーターで塗工する工程で利用可能である。例えば、リチウムイオン電池の電極板塗工のような、厚膜を塗工する用途に非常に有効である。
【符号の説明】
【0033】
1…塗工装置
2…塗工用ダイヘッド(塗工ヘッド)
3…塗液供給装置
4…塗液還流制御装置
6〜8…圧力計
11…塗工ヘッド
12…ポンプ
13…流路バルブ
14…タンク還流用バルブ
15…ダイ還流用バルブ
16…塗液タンク
17…ダイヘッド内圧計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗工用ダイヘッドと、
前記塗工用ダイヘッドに塗液を供給する塗液供給装置と、
前記塗液供給装置から供給される前記塗液の還流を制御する塗液還流制御装置と、
を有し、
前記塗液供給装置は、塗工開始前に、前記塗液の還流時に少なくとも前記塗工用ダイヘッドの容積以上の前記塗液を還流し、かつ前記塗工用ダイヘッドへの前記塗液の供給圧力が、塗工時における前記塗工用ダイヘッドからの前記塗液の吐出圧を超えるように前記塗液を供給することを特徴とする塗工装置。
【請求項2】
前記塗工用ダイヘッドは、前記塗液の塗工時における幅方向の一方の端に設けられた塗液投入口より前記塗液供給装置からの塗液の供給を受け、他方の端に設けられた塗液還流口より前記塗液還流制御装置に前記塗液を還流することを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
【請求項3】
前記塗液供給装置の供給出口、前記塗工用ダイヘッド、および前記塗液還流制御装置の少なくとも一つに備えられて内圧を計測する圧力計をさらに備える請求項1または2に記載の塗工装置。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれか一項に記載の塗工装置を用いた塗工方法であって、
塗工開始前において、前記塗液供給装置における前記塗工用ダイヘッドへの塗液の供給圧力を、あらかじめ定められた所定の前記塗液の吐出量を満たす吐出圧より高く保ちながら塗液を還流し、
塗工開始時において、前記塗液の還流量を制限もしくは停止して前記塗工用ダイヘッドから前記塗液を吐出すること
を特徴とする塗工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−66834(P2013−66834A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206454(P2011−206454)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】