説明

塗布液の塗布方法及び半導体装置の製造方法

【課題】基板上に塗布液を塗布する工程を含む塗布液の塗布方法について、塗布液の消費量を減らし且つ塗布液の膜厚分布を均一にすること。
【解決手段】基板上に溶剤を供給する工程と、前記基板を第1の回転速度で回転させつつ、前記基板上に塗布液の供給を開始する工程と、前記基板の回転を30000rpm/秒より大きい減速度で停止する工程と、前記基板の停止後に、前記基板を第2の回転速度で回転させる工程とを有し、これにより塗布液の滴下量を減らして塗布液の膜厚の平坦性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布液の塗布方法及び半導体装置の製造方法に関し、特に、半導体基板、フォトマスク、液晶表示(LCD)基板等の基板上にレジスト、SOG(spin on glass)、ポリイミド等の塗布液を塗布するための塗布液の塗布方法、及び基板上に塗布液を塗布する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体基板に半導体装置を形成するプロセスにおいては、基板上に形成される絶縁膜、半導体膜、金属膜等の膜をパターニングする複数の工程を有している。そのような膜のパターニングは、膜の上にマスクとしてレジストのパターンを形成した後に、レジストに覆われない領域の膜をエッチングすることにより行われている。
【0003】
レジストパターンは、膜が形成された基板上にレジストを塗布した後に、ベーク、露光、現像等の工程を経て形成される。レジストの塗布は、レジスト液を基板に供給し、基板の回転の遠心力とレジストの濡れ性によって液状のレジストを基板全面に広げる方法によって行われる。
【0004】
回転する基板に供給されるレジストを基板全体に広げる場合に、回転速度を2段又は3段に分けて変化させることが下記の特許文献1〜3に記載されている。
【0005】
特許文献1では、四角形基板にレジストを塗布する際に、四角形基板のスピンの速度を2段階に分け、第1段として回転数R1を時間T1で保持し、第2段として回転数R2を時間T2で保持する。それらR1、R2、T1の条件は、R1≦2000rpm、R2≦1000rpm、R1>R2、R1×T1≦10000rpm・secとし、さらに、四角形基板の上のスピンナの上面開口部が四角形基板に外接する円よりも小さくなるようにしている。
【0006】
第1段の回転数R1を2000rpm以下としているのは、基板上に滴下されたレジスト液の乾燥を防止するためでる。また、第2段の回転数R2を1000rpm以下としているのは、四角形基板のフリンジ部と中心部のレジスト膜の膜厚較差を小さくするためである。なお、T1は、第1段の回転の加速と減速に必要な時間を含んでいる。
【0007】
また、上記の条件は、第1段の回転と第2段の回転を連続させても中断させてもいずれでも同一条件が適用される。
【0008】
これに対し、レジストが滴下された半導体ウェハの第1の回転速度を3500rpm又は4500rpmに設定することが特許文献2、3に記載されている。そして、そのような第1の回転速度を採用するレジスト塗布方法が記載されている特許文献2,3では、半導体ウェハの回転速度を連続して3段で変えることが記載されている。
【0009】
特許文献2には、4500rpmの第1の回転速度で回転する半導体基板にレジスト液を供給し、その供給を停止した直後に半導体基板の回転速度を第2の回転速度に下げ、さらに第2の回転速度を所定時間維持した後に、その回転速度を第1の回転速度と第2の回転速度の間の範囲の第3の回転速度に上げることが記載されている。これにより、基板表面に波紋跡等が残存することなく、一様にレジスト液を塗布することができる、と記載されている。
【0010】
また、そのようなレジスト液の塗布方法において、第1の回転速度で半導体基板を回転させる前にシンナ等の液剤を半導体基板の表面に供給することが、特許文献3に記載されている。これにより、レジスト液の滴下量を少なくし、しかもレジストの厚さを均一に調整することができる、と記載されている。
【0011】
ところで、特許文献3には、レジストを半導体ウェハに滴下する前に半導体ウェハ上にシンナを供給し、その後に半導体ウェハを2000rpmで1秒間回転し、その後に、半導体ウェハの回転を3500rpmに上げた状態でレジスト液を半導体ウェハに供給し、その後に回転を2000rpm或いは100rpmに減速することが記載されている。そして、レジスト液の供給量を1.5ccとした場合と0.5ccとした場合を図11と図12において比較している。
【0012】
特許文献3の図11、図12を参照し、レジスト液の供給量を1.5ccとしてレジスト供給後の半導体ウェハの回転速度を2000rpmまで減速する場合と、レジストの供給量を0.5ccとしてレジスト供給後の回転速度を100rpmまで減速する場合を比べる。この場合、前者の条件の方がレジスト膜厚の均一性が良好になっている。
【特許文献1】特開昭63−313160号公報
【特許文献2】特開平10−275761号公報
【特許文献3】特開平11−260717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献3によれば、半導体ウェハ上に塗布されるレジストの厚さを均一にするためには、3500rpmで回転している半導体ウェハへのレジスト液の供給量を1.5ccと多くし、レジスト液供給後の半導体ウェハの回転速度を100rpmのように遅くさせずに2000rpm程度と比較的高い値に減速させることが良いことがわかる。
【0014】
また、レジスト液の滴下量を0.5ccと少なくした場合に、レジスト液供給後の半導体ウェハの回転速度を100rpmまで低減すると、2000rpmに減速する場合に比べて、平坦性はある程度は改善されている。しかし、それでもレジスト供給量を1.5ccとした場合よりも平坦性はかなり劣っている。
【0015】
レジスト塗布による膜厚分布のバラツキが小さくなっても、レジスト液は、半導体ウェハ上に残される量よりも遠心力により外部に飛散される量の方が多い。例えば特許文献3の図11では1.5cc供給されたレジスト液が8インチウェハ上に7340〜7360オングストロームの厚さに残る例が記載されている。基板から飛散したレジスト液は、レジスト膜の塗布に再び使用されることはない。
【0016】
基板の回転により塗布液を基板に塗布する方法については、レジストの他、SOG、ポリイミド等の塗布液が基板上に均一な厚さになるように改善が要求される。
【0017】
本発明者らは、レジスト等の塗布液の消費量を減らして、基板上に均一な厚さで塗布液を塗布することができる塗布液の塗布方法と、そのような塗布工程を含む半導体装置の製造方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
具体的には、改善された方法として、溶剤を基板上に供給し、さらに、基板を第1の回転速度で回転させた状態で基板に塗布液を供給し、さらに塗布液の供給を停止し、基板の回転を30000rpm/secより大きなマイナスの加速度で停止する工程を有する。
【発明の効果】
【0019】
上記方法によれば、塗布された塗布液の平坦性が従来方法よりも良くなり、しかも塗布液の消費量を低減することができる。特に、レジスト塗布の例として、レジストの平坦性が向上すると、露光精度も高くなりひいてはレジストのパターン精度も向上する。
本発明に係る他のシステム、方法、特徴、利点は、以下に記載する特徴、詳細の試験により当業者により明らかにされることを含む。また、以下の記載に含まれ、さらに本発明の範囲にあって、クレームにより保護されるべき全てのシステム、方法、特徴、利点も意図している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の記載において、説明上、特定の用語は、ここに開示される様々な発明的な概念の徹底的な理解を提供するために詳しく説明される。しかし、これらの特定の詳細は様々な発明概念を実施するのに当業者にとって必要ないかもしれない。
図1、図2は、本発明の実施形態に係る塗布液の塗布方法に使用される塗布ユニットの一例を示す側断面図及び平面図である。なお、本実施形態では、塗布される塗布液としてレジストを例にして説明する。もっとも、本発明はレジスト塗布方法に限定されるものではないし、例示した塗布ユニットによる実施に限定されるものでもない。
【0021】
図1、図2において、塗布ユニット1の底板2中央に設けられた開口部3内には、モータ5が縦方向に移動可能に取り付けられている。
【0022】
モータ5の上端側は筒状のモータ支持具6に覆われている。モータ支持具6は、モータ5の回転軸4の一端が貫通される閉塞端と、モータ5側面の中央に位置する開口端を有している。
【0023】
モータ支持具6の外周にはフランジ6fが設けられ、フランジ6fには、底板2に取り付けられた昇降器7が接続されている。昇降器7は、フランジ6f、モータ支持具6及びモータ5を一体的に上昇又は下降するように制御部11により駆動制御される。また、底板2には、フランジ6fの横方向への移動を規制する昇降ガイド8が取り付けられている。
【0024】
モータ5の回転軸4のうちモータ支持具6を貫通する一端には、スピンチャック9の回転軸9aが固定されている。そして、スピンチャック9は、モータ5の回転を制御する制御部11によりその回転速度が制御される。
制御部11は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット(CPU)、数値演算ユニット(ALU)、数値演算コプロセッサ、浮動小数点コプロセッサ、グラフィックスコプロセッサ、ハードウェアコントローラ、コントローラとして使用されるプログラマブル論理素子、或いはその他の制御ロジック素子である。制御部11では、本記載の記述や回路設計の当業者に知られたプロセッシングユニットのいずれかを含めることができる。
【0025】
スピンチャック9上には、基板搬送アーム12により搬入、搬出される基板10、例えば半導体基板が着脱可能に支持される。基板搬送アーム12は、塗布ユニット1内で横方向に進退するようにアーム駆動部13により駆動される。アーム駆動部13による基板搬送アーム12の移動位置は、制御部11により制御される。
【0026】
また、スピンチャック9の周囲には環状容器15が配置され、その内側には、スピンチャック9上の基板10の外周を囲む環状開口部15aが形成されている。環状容器15の底部には廃液口15bが設けられている。
【0027】
さらに、環状容器15の外側の領域にある底板2には、昇降部16により高さが調整されるアーム支持柱17が取り付けられ、その上端には図2に示すようにスピンチャック9の接線方向に伸びるレール18が取り付けられている。レール18には、レール18上を移動するアーム移動部19が取り付けられ、また、アーム移動部19にはレール18に直交する方向に移動制御されるスキャンアーム20が取り付けられている。アーム移動部19のレール18上の移動位置とアーム移動部19により移動されるスキャンアーム20の移動位置は、それぞれ制御部11により制御される。
【0028】
スキャンアーム20の先端には、スピンチャック9の上方でレジストノズル21、溶剤ノズル22を保持するノズル保持体23が取り付けられている。
【0029】
レジストノズル21の上端にはレジスト供給管24が接続され、さらに、溶剤ノズル22の上端には溶剤供給管25が接続されている。レジスト供給管24には、レジストノズル21にレジスト液を供給するレジスト供給部26が接続され、また、溶剤供給管25には、溶剤ノズル22に溶剤を供給する溶剤供給部27が接続されている。
【0030】
レジスト供給部26からのレジスト供給量、即ちレジストノズル21からのレジストの滴下量、供給量又は吐出量と、溶剤供給部27からの溶剤供給量、即ち溶剤ノズル22からの溶剤の滴下量、供給量又は吐出量は、それぞれ制御部11により制御される。
【0031】
上述した塗布ユニット1において、制御部11の制御信号によりアーム駆動部13が駆動されることによって、基板搬送アーム12上の基板10はスピンチャック9の上に搬送される。さらに、制御部11の信号により、昇降器7は、モータ5を上方に移動することにより、スピンチャック9の上端を環状容器15より高い位置に上昇させる。これにより、スピンチャック9は、基板10を載置し、吸着する。さらに、アーム駆動部13は、基板搬送アーム12をスピンチャック9から後退させ、さらに、昇降器7は、環状容器15の開口部15aに囲まれる位置に基板10が移動するまで、モータ支持具6を介してモータ5を下降させる。
【0032】
アーム駆動部13による基板搬送アーム12の後退と、昇降器7の下降はそれぞれ制御部11の制御信号により制御される。
【0033】
次に、本実施形態に係る基板の回転速度、溶剤供給及びレジスト供給の制御について例を挙げて説明する。
【0034】
(第1実施例)
第1実施例では、溶剤を基板10に供給し、さらにレジストを基板10に塗布するため、図3に示すようなタイミングチャートに従って以下のような制御が行われる。なお、基板10としてベアシリコン基板を使用する。
【0035】
まず、制御部11により、モータ5及びスピンチャック9を停止させる。この状態で、溶剤供給管25に流す溶剤供給量を溶剤供給部27により制御して、その溶剤、例えばシンナを溶剤ノズル22から基板10の中央部に吐出させる。
【0036】
この後に、制御部11により、モータ5を回転させて基板10を第1の回転速度R11で回転させる。同時に、レジスト供給管24に流れる液状のレジストの供給量をレジスト供給部26により制御して、レジストノズル21から出た液状のレジストを基板10の中央部に時間T11で滴下する。
複数の本実施形態のいずれかのオプションとして、基板への塗布液の供給開始後であって基板回転停止前に第1の回転速度R11を変化させてもよい。他のオプションとして、シンナ供給後であって基板10を第1の回転速度R11で回転させる前に、第1の回転速度R11より低速で基板10を回転させてもよい。
基板10をゼロから第1の回転速度R11に上昇する代わりに、ゼロからある回転速度(不図示)へと速度を上昇させ、その回転の間に溶剤を供給し、さらにその回転速度から第1の回転速度R11に速度を上昇させ、第1の回転速度R11の間にレジストを供給する1つのオプションもある。さらに、基板10が第1の回転速度R11で回転する前に基板10にレジストを供給する本実施形態の他のオプションがある。
【0037】
次に、時間T11の終わりにレジストノズル21からのレジスト液の滴下を終える。同時に、第1実施例では、モータ5の回転速度を制御して、30000rpm/secより大きなレートで基板10を減速して停止させる。本明細書を通じて「回転速度」の語はゼロではない回転速度である。
【0038】
そして、基板10の停止から例えば0.5〜3.0秒の時間T0を経過した後に、さらに第1の回転速度R11と同じ方向に基板10を第2の回転速度R12まで上昇させて第2の回転速度R12を所定時間T12保持する。この第1実施例において、第2の回転速度R12が第1の回転速度R11よりも遅くなるように、モータ5を制御する。
【0039】
レジストの粘度によっては第2の回転速度が第1の回転速度よりも大きい場合がある。
【0040】
第1の回転速度R11から基板10を停止させるための加速度を30000rpmより大きい値、例えば40000rpm/sec、50000rpm/secとする場合において、回転速度、加速度、経過時間、シンナ供給タイミング及びレジスト供給タイミングのステップの一例を表1に示す。
【表1】

【0041】
表1において、ステップ1では基板10の回転がない状態で、基板10にシンナが1.5秒供給される。ステップ2では、基板10は1秒間回転しない。ステップ3では、基板10は10000rpm/秒の加速度で回転され、停止状態から1000rpmに回転させるのに0.1秒かかる。ステップ4では、基板10が10000rpm/秒で加速されて回転速度が1000rpmから2500rpm(R11)に増加し、2500rpmの回転速度が保持され、その間、レジストは基板10に供給される。ステップ5では、基板10は30000rpm/秒より高いレート(例えば、40000rpm/秒又は50000rpm/秒)で減速され、これにより基板が1秒間停止する。
【0042】
便宜上、表で加速を示す正の数は正の加速度レート(即ち、基板の回転速度を増加させるため)であり、一方、負の数は減速度レート(即ち、基板の回転速度を減少させるため)である。表のステップ5の加速度が「−(30000より大きい)」ときのその負の符号は減速度を意味し、「−(30000より大きい)」は、30000rpm/秒より大きな減速度、例えば40000rpm/秒という意味である。最後のステップ6では基板10は10000rpm/秒で加速されて1900rpm(R12)に達し、100rpmの回転速度が保持される。
【0043】
なお、第1実施例において、表1の工程6の後には、基板10の裏面等での不要なレジストを除去するためのバックリンス等が行われる。このバックリンスは、本明細書において後述する他の表においても同様になされる。
【0044】
本実施例で使用されるレジストは、JSR株式会社製の粘度約40mPa・s(ミリパスカル・秒)のi線レジストである。i線レジストは、直径200mmの基板10に滴下される。i線レジストは、直径200mmの基板10上でのターゲット膜厚を3600nmとする場合に、レジスト膜厚を許容範囲に収めるために一般的に3.0mlが滴下される。
【0045】
シンナの滴下、i線レジストの滴下及び基板10の回転速度を表1に従って制御し、その後に基板10上のレジスト膜厚分布を調査した。
膜厚分布は、基板10の中心を通る直線に沿って4mm間隔で中心点を含めて49点測定したデータに基づいている。この測定点は、後述する第2、第3実施例でも同様である。
【0046】
第1実施例で、レジスト滴下終了後に基板10の回転を停止させる減速度を一例として40000rpm/secとする。そして、3.0mlを100%として、レジストの滴下量を90%(2.7ml)、80%(2.4ml)、70%(2.1ml)、50%(1.5ml)に変えた。その後に、異なるレジスト滴下量(100%、90%、80%、70%、50%)のそれぞれについてレジスト膜厚を調べたところ、図4に示す分布が得られた。
【0047】
図4によれば、レジスト滴下量を90%〜70%とした場合に、基板10の中心及びその周囲でのレジスト膜厚がターゲット膜厚より約10nm以下で厚くなっていることが示されている。これにより、その方法は、i線レジストの滴下量を70%に減らしても、i線レジスト膜をターゲット膜厚に最適な厚さに近づけて成膜できる。
【0048】
一方、第1の回転後に基板10を30000rpm/secの減速度で停止させると、図5に示すようなレジスト膜厚分布が得られた。
【0049】
第1の回転速度と第2の回転速度の間に基板10を停止させるタイミングチャートを採用しても、基板10の中心及びその近傍において、減速度レートの違い(40000rpm/秒と30000rpm/秒)によって、図4、図5に示すように、レジスト膜厚に違いが生じる。
【0050】
図4に示すように測定された膜厚は、図5に示すように測定された膜厚よりもターゲット膜厚に近い。これにより、基板10を停止するための減速度レートを30000rpm/secより大きくする方が好ましい。
【0051】
図6のタイミングチャートは、本発明に係る本実施例と比較されるリファレンス条件である。
【0052】
図6において、まず、基板10の回転を停止させ、この状態で溶剤供給部27により溶剤供給管25に流される溶剤供給量を制御して、溶剤、例えばシンナを溶剤ノズル22から基板10の中央部に吐出させる。
【0053】
この後に、時間T21の初めに、制御部11によりモータ5を回転させて基板10を第1の回転速度R21で回転させる。同時に、レジスト供給管24に流れるレジスト液の供給量をレジスト供給部26により制御して、レジストノズル21からレジストを基板10の中央部に吐出させる。
【0054】
次に、時間T21の終わりに、レジストノズル21からのレジストの滴下を終える。同時に制御部11によりモータ5の回転速度を制御して、所定の減速度で基板10を第2の回転速度R22の100rpmまで減速し、その速度を所定時間保持する。
【0055】
その後、時間T22の終わりに、例えば10000rpm/secの加速度で基板10の回転を第3の回転速度R23まで上昇させて第3の回転速度R23を所定時間保持する。なお、図6における第3の回転速度R23は、図3における第2の回転速度R12に対応する。
【0056】
表2は、リファレンス条件における回転速度と加速度と経過時間とシンナ供給タイミングとレジスト供給タイミングのステップを示している。
【表2】

【0057】
表2に示したリファレンス条件のタイミングチャートにおいて加速度が変えられる。特に、ステップ5では、3つのテストケースとして加速度を25000rpm/sec、30000rpm/sec、40000rpm/secに設定し、基板10の回転速度を第1の回転速度R21から第2の回転速度R22、即ち100rpmに減速させる。
表2において25000〜40000に入る加速度として25000、30000、40000をテストレートとしている。
【0058】
さらに、レジスト供給量を異ならせることにより試験を行い、特に3.0mlを100%としてレジスト滴下量を90%(2.7ml)、80%(2.4ml)、70%(2.1ml)、50%(1.5ml)として実験を行った。その結果に基づいてレジスト膜厚を調べたところ、図7、図8に示すような分布が得られた。
【0059】
基板10の中心及びその周辺領域の膜厚について図7、図8を図4と比べると、表2のリファレンス条件で形成された図7、図8に示すレジスト膜厚は、本実施例の方法により形成された図4に示すレジスト膜厚に比べて、ターゲット膜厚から大きく外れている。これにより、第1の回転後に基板10を停止させる方(例えば図4)が、基板10を停止させない場合(例えば図7)よりもターゲット膜厚に近づけることができることがわかる。
【0060】
以上のような表1、表2に示すステップに従うとともに、レジスト滴下量と、レジスト滴下終了後の基板加速度をそれぞれ異ならせて、レジスト膜厚分布をさらに調査した。そして、それらの膜厚分布の標準偏差σと、膜厚の最大値と最小値の較差(還元すれば、膜厚較差)rangeを求めたところ、図9(a)、(b)に示すような結果が得られた。
【0061】
図9(a)は、図3及び表1に従って基板10の回転を停止させるための減速度α1とレジスト滴下量の関係において、標準偏差σと膜厚較差rangeを示している。この場合、基板回転停止の減速度α1は、25000rpm/sec、30000rpm/sec、40000rpm/sec、50000rpm/secである。
【0062】
一方、図9(b)は、図6及び表2に従って基板10を第2の回転速度R22に減速させる加速度α2とレジスト滴下量の関係において、標準偏差σと膜厚較差rangeを示している。この場合、レジスト供給終了後の基板10は、25000rpm/sec、30000rpm/sec、40000rpm/sec、50000rpm/secの減速度α2で、第1の回転速度R21から第2の回転速度R22の100rpmに減速される。
【0063】
次に、図9(a)と図9(b)を比較する。表1のステップは、
停止又は減速させる減速度α1、α2を50000rpm/sec、40000rpm/secとする場合には、レジスト滴下後に基板10を停止させる表1のステップの方が、停止させずに減速させる表2のステップに比べて、レジスト膜厚分布の標準偏差σ、膜厚較差rangeともに大幅に小さくなっている。
【0064】
一方、図9(b)に示すように、基板10を停止させずに減速度30000rpm/secで100rpmに減速させる場合に、標準偏差σ、膜厚較差rangeは比較的小さく、良い結果を示す。
【0065】
しかし、図9(b)の場合でも、基板10を減速度30000rpm/secで100rpmに減速しても、標準偏差σと膜厚較差rangeの双方が同時に小さくなることはない(同図において2.7/15.1と3.1/10.7を参照)。これに対して、基板10を40000rpm/sec又は50000rpm/秒で停止させる場合には、標準偏差σと膜厚較差rangeの双方が同時に小さくなる。加えて、リファレンス条件を使用して、基板10の回転を30000rpm/secの減速度で100rpmに減速する場合には、上記のようにターゲット膜厚に近づける能力が本実施例よりも劣っている。
【0066】
このように、レジストが供給された基板10を30000rpm/secより大きな減速度α1で停止することにより、少ないレジスト滴下量、例えば70%で、レジスト膜厚分布の平坦性が良好になり、かつターゲット膜厚を得る能力に優れているのは次のような理由によるものと考えられる。
【0067】
即ち、レジストノズル21から基板10の中心に滴下されたレジスト液は、シンナによる潤滑性向上の効果とレジスト液自身の流動性及び慣性によって、回転中の基板10の周方向に広がるとともに、基板10の回転による遠心力により中心から外方に移動して外部に飛散する。
【0068】
一方、レジスト液は、基板10への滴下から時間が経過するにつれて、レジストの粘性により基板10との間の摩擦力が生じ、周方向への広がりが低下することになる。
【0069】
これに対して、レジストノズル21からのレジストの滴下を停止した直後に、基板10の回転を停止させると、基板10上のレジストは、第1の回転運動の慣性により周方向に移動することになる。
【0070】
しかし、そのレジストの広がりは、第1の回転後の回転速度を100rpm程度まで低下させるだけでは十分ではない。これに対し、30000rpm/secより大きな減速度で基板10を停止させると、極めて大きな周方向の慣性エネルギーをレジストに与えることができる。
【0071】
そのように大きな慣性エネルギーによれば、基板10上を流れるレジストの量が増え、レジスト膜表面の凹凸差を低減して平坦性を高めることになる。結果として、基板10の外部に飛散するレジスト量がさらに増えるが、ターゲット膜厚値に近い膜厚に調整可能になったと考える。
【0072】
従って、基板10の回転の急激な停止によって基板10上のレジストの平坦性が向上し、さらにレジスト膜厚が最適化されることになり、その後の基板10の第2の回転速度R12によりレジスト膜厚が最終的に調整される。
【0073】
以上のことから、i線レジスト滴下量を減らし、且つi線レジスト膜の平坦性を良くし、i線レジスト膜の膜厚精度を高くするためには、30000rpm/secより大きな減速度α1により基板10の回転を速く停止することを塗布条件に含めることが必要になる。
【0074】
なお、図4、図5、図7〜図9に示したレジスト液の滴下量は、レジストノズル21からのレジスト液の吐出時間を変えずに、時間当たりのレジスト液の吐出量を変えることにより調整される。そのようなレジストの滴下量の調整については、以下の実施例でも同様である。
【0075】
(第2実施例)
第2実施例として用いるレジストは、東京応化工業株式会社製の粘度約15mPa・sのKrFレジストであり、KrFレジストを直径200nmの基板10に滴下する。KrFレジストは、直径200mmの基板10上に供給される。ターゲット膜厚を730nmとする場合に、レジスト膜厚を許容範囲に収めるためにKrFレジストは一般的に1.0mlが滴下される。
【0076】
そして、シンナの供給とKrFレジストの滴下と基板10の回転速度を図3に示すタイミングチャートに従って制御することにより、KrFレジストを基板10上に塗布する。ついで、その膜厚分布を測定する。なお、基板10はベアシリコン基板である。
【0077】
図3のタイミングチャートに従って基板10の回転を停止するための加速度α1を30000rpm/secより大きい値にする場合において、回転速度、加速度、経過時間、シンナ供給タイミング及びレジスト供給タイミングチャートの一例を表3に示す。
【表3】

【0078】
シンナの滴下、KrFレジストの滴下、基板10の回転速度を表3に従って制御してレジスト膜厚分布を調査した。
【0079】
ここで、レジスト滴下終了後の基板10の回転を停止させるための減速度を例えば40000rpm/secとする。また、1.0mlを100%として、レジストの滴下量を90%(0.9ml)、80%(0.8ml)、70%(0.7ml)、50%(0.5ml)と異ならせた場合のそれぞれについてレジスト膜厚を調べた。このときの膜厚分布結果は図10に示す通りである。
【0080】
図10に示すように、レジスト滴下量を90%〜70%とした場合に、基板10の中心及びその周囲でのレジスト膜厚分布の最大値が約732nmとなって、基板中心でターゲット膜厚より約2nm厚くなった。
【0081】
一方、第1の回転速度の後に基板10を減速度30000rpm/secで停止させると、図11に示すようなKrFレジスト膜厚分布が得られた。その膜厚は、基板10の中心でターゲット膜厚より3.5nm厚くなった。
【0082】
図10に示す膜厚は、図11に示す膜厚よりもターゲット膜厚に近くなっている。また、図11と図10を比べると、膜厚分布も図10に示す膜厚の方がターゲット膜厚に近いことがわかる。
【0083】
これにより、第1の回転の後に基板10を停止させるタイミングチャートを採用しても、基板10の停止のための減速度を30000rpm/secよりも大きくする方が、ターゲット膜厚により近づけることがわかる。
【0084】
以上のような本実施例に対するリファレンスとして、図6に示したタイミングチャートを採用した。そのリファレンス条件における回転速度と加速度と経過時間とシンナ供給タイミングとKrFレジスト供給タイミングのステップを表4に示す。
【表4】

【0085】
以上のような表3、表4に示すステップに従うとともに、レジスト滴下量と、レジスト滴下終了後の基板加速度をそれぞれ異ならせて、レジスト膜厚分布の平坦性を調査した。そして、平坦性の尺度としてそれらの膜厚分布の標準偏差σと、膜厚較差rangeを求めた。これにより、図12(a)、(b)に示すような結果が得られた。
【0086】
図12(a)は、表3のステップにより塗布されたレジスト膜の平坦性を示している。基板10を停止させるための減速度α1とレジスト滴下量の関係において、標準偏差σと膜厚較差rangeが示されている。基板停止の減速度α1は、30000rpm/sec、40000rpm/sec、50000rpm/secに設定されている。レジストの滴下量は、1.0mlを100%として、90%、80%、70%、50%と異ならせている。
【0087】
一方、図12(b)は、リファレンスの表4に示すステップにより形成されたレジストの膜厚平坦性を示している。基板10を第2の回転速度R22に減速させる減速度α2とレジスト滴下量の関係において、標準偏差σと膜厚較差rangeが示されている。
【0088】
ここで、基板10の回転速度はレジスト供給時の第1の回転速度R21である4200rpmから第2の回転速度R22である100rpmに減速され、第2の回転速度R22を100rpmとするための減速度を50000rpm/secとしている。また、レジストの滴下量は1.0ml(100%)である。
【0089】
次に、図12(a)と図12(b)を比較する。
【0090】
図12(a)によれば、レジスト供給後に基板10を停止するための減速度α1が40000rpm/sec、50000rpm/secであれば、レジスト滴下量をリファレンスの90%まで減量しても、偏差値σとレジスト膜厚較差rangeの双方について図12(b)に示すリファレンス条件よりも小さくなっている。
【0091】
以上のことから、KrFレジストの滴下量を減らし、かつ基板10上に塗布されるKrFレジストの平坦性を良くし、KrFレジスト膜の膜厚精度を高くするためには、第1実施例と同様な理由により、シンナが供給された基板10上へのレジスト滴下後に、30000rpm/secより大きな減速度α1で基板10を停止することをレジスト塗布条件に含めることが必要である。
【0092】
(第3実施例)
第3実施例として用いるレジストは、東京応化工業株式会社製の粘度約2mPa・sのArFレジストであり、ArFレジストを直径200mmの基板10に滴下する。ArFレジストは、直径200mmの基板10上でのターゲット膜厚を250nmとする場合に、レジスト膜厚を許容範囲に収めるために一般的に1.0mlが滴下される。
【0093】
そして、第1実施例と同様に、シンナ供給とArFレジストの滴下と基板10の回転速度を図3に示すタイミングチャートに従って制御してレジスト膜を形成する。その後、その膜厚分布を測定する。なお、基板10はベアシリコン基板である。
【0094】
図3のタイミングチャートに従ってレジスト膜を形成する際に、基板10の回転を停止するための減速度α1を30000rpm/secより大きい値にする場合において、回転速度、加速度、経過時間、シンナ供給及びArFレジスト供給のステップの一例を表5に示す。
【表5】

【0095】
シンナの滴下、ArFレジストの滴下、基板10の回転速度を表5に従って制御した。その後にレジスト膜厚分布を測定した。
【0096】
ここで、レジスト滴下終了後の基板10の回転を停止させるための減速度を例えば40000rpm/secとする。そして、1.0mlを100%として、レジストの滴下量を90%(0.9ml)、80%(0.8ml)、70%(0.7ml)、50%(0.5ml)と異ならせた場合のそれぞれについてレジスト膜厚を調べたところ、図13に示すような分布が得られた。
【0097】
図13に示すように、ArFレジスト滴下量を90%〜70%とした場合に、基板10の中心でのレジスト膜厚がターゲット膜厚250nmになった。また、レジスト滴下量を80%、70%とした場合に、基板10の中心の周辺でもレジスト膜厚がターゲット膜厚になった。
【0098】
一方、第1の回転後に基板10を、30000rpm/secのレートで回転速度をゼロに減速して停止させると、図14に示すようなレジスト膜厚分布が得られ、基板中心でターゲット膜厚とほぼ同等になったが、基板中心の周辺ではターゲット膜厚より約0.5nm〜1.0nm程度厚くなっている。
【0099】
また、図13と図14を比べると、図13に示す膜厚は図14に示す膜厚よりもターゲット膜厚に近くになっている。
【0100】
これにより、基板10を停止させるタイミングチャートを採用する場合に、基板10を停止するための減速度を30000rpm/secよりも大きくする方が、ターゲット膜厚により近づけることがわかる。
【0101】
本実施例に対するリファレンスとして、図6に示したタイミングチャートを採用した。そのリファレンス条件における回転速度と加速度と経過時間とシンナ供給とArFレジスト供給のステップの一例を表6に示す。
【表6】

【0102】
表6に示したステップにおいて、基板10の回転を第1の回転速度R21から第2の回転速度R22である100rpmまで減速させる際に、減速度を例えば30000rpm/sec、40000rpm/secとする。また、レジスト滴下量について、1.0mlを100%として、90%(0.9ml)、80%(0.8ml)、70%(0.7ml)、50%(0.5ml)と異ならせて基板10に塗布されたレジストの膜厚分布を調べたところ、図15、図16に示すような結果が得られた。
【0103】
リファレンス条件を使用することにより、基板10の中心及びその近傍領域のレジスト膜厚について図15、図16の膜厚分布はターゲット膜厚から1.0〜2.0nm程度厚くなっている。これにより、第1実施形態と同様に、第1の回転速度の後に基板10を停止させてレジストを形成する方が、基板10を停止させないでレジストを形成した場合よりも、レジストの膜厚をターゲット膜厚に近づけることがわかる。
【0104】
さらに、表5、表6に示すステップに従うとともに、レジスト滴下量と、レジスト滴下終了後の基板10の減速度をそれぞれ異ならせて、レジスト膜厚分布の平坦性を調査した。そして、平坦性の尺度として厚分布の標準偏差σと膜厚較差rangeを求めた。これにより図17(a)、(b)に示すような結果が得られた。
【0105】
図17(a)は、表5のステップにより塗布されたレジスト膜厚分布の平坦性を示す。また、基板10を停止させるための加速度α1とレジスト滴下量の関係において、標準偏差σと膜厚較差rangeが示されている。基板停止の減速度は、30000rpm/sec、40000rpm/sec、50000rpm/secと異ならせている。レジストの滴下量は、100%、90%、80%、70%、50%と異ならせている。
【0106】
一方、図17(b)は、リファレンスの表6に示すステップにより塗布されたレジスト膜厚分布の平坦性を示している。この図では、基板10を第2の回転速度R22に減速させる加速度α2の違いレジスト滴下量の違いの関係において標準偏差σと膜厚較差rangeが示されている。
【0107】
ここで、基板10の回転速度はレジスト供給時の第1の回転速度R21である3000rpmから第2の回転速度R22である100rpmに減速される。第2の回転速度R22を100rpmとするための減速度を50000rpm/secとしている。また、レジストの滴下量を1.0mlとしている。
【0108】
次に、図17(a)と図17(b)を比較する。
図17(a)のために使用されるレジスト供給後に基板10を停止するステップによれば、基板10の回転を停止するための減速度α1が50000rpm/secの場合に、レジスト滴下量をリファレンスの90%まで減らしても、偏差値σとレジスト膜厚較差rangeの双方について図17(b)に示すリファレンス条件よりも小さくなっている。
【0109】
また、図17(a)が得られたステップにおいて、減速度α1が40000rpm/secの場合には、レジスト滴下量を70%に減らしても、偏差値σとレジスト膜厚較差rangeの双方について図17(b)に示すリファレンス条件よりも小さくなる。
【0110】
以上のことから、ArFレジスト滴下量を減らし、かつ基板10上に塗布されるArFレジストの平坦性を良くし、ArFレジストの膜厚精度を高くするためには、第1実施例と同様な理由により、30000rpm/secより大きな減速度α1で基板10の回転を停止することが必要である。
【0111】
次に、上記の第1、第2及び第3実施例の塗布方法において、レジスト滴下後の基板の停止時間とレジスト膜厚分布の関係を説明する。
【0112】
第1実施例におけるi線レジストの塗布方法のステップにおいて、図18に示す実験結果によれば、レジスト膜厚分布はレジスト滴下後の基板10の停止時間(例えば1.5秒、3.0秒、5.0秒、10秒)に依存して変化する。
【0113】
また、第2実施例に用いたKrFレジストと第3実施例に用いたArFレジストのそれぞれの塗布方法においても、図19、図20に示す実験結果によれば、i線レジストと同様に、基板10の停止時間に依存してレジスト膜厚分布が変化する。
【0114】
図18、図19及び図20のいずれのレジスト塗布においても、停止時間が長くなるほどウェハ外周部の膜厚が厚くなって反り上がりが大きくなった。これらのレジスト膜厚分布に見られるように、レジスト滴下後の基板10の停止時間を3.0秒より短くすると、レジスト膜はターゲット膜厚の許容値±1%内の厚さに形成される。
【0115】
一方、基板10の停止時間が0.5秒より短い場合には、いずれのレジスト塗布においても平坦性が悪くなった。これは次の理由によるものと考えられる。
【0116】
レジスト滴下後の基板10の停止時間が0.5秒よりも短くなると、レジストの周方向への広がりが不十分になり、この結果、レジスト膜表面の膜厚は不均一になって悪くなる。一方、停止時間が3秒よりも長くなると、レジストの広がりが基板10上で完全に停止し、基板10の第2の回転速度の開始時に基板10上をレジストが移動しにくくなる。
【0117】
従って、基板10の第1の回転速度が終了した後に、基板10の停止時間T0を0.5秒より長く且つ3秒より短くする条件をレジスト塗布方法に含ませることが好ましい。
【0118】
ところで、基板10にレジストを供給する場合に、レジストノズル21からの時間当たりのレジスト吐出量とレジスト吐出時間の調整により、レジスト供給量が設定される。例えば、基板10に0.8mlの量でレジストを供給する場合に、レジストノズル21からレジストを0.8ml/secで1秒間吐出させるか、0.4ml/secで2秒間吐出させるか、或いはその他の条件が設定される。
【0119】
レジストノズル21からの時間当たりのレジスト吐出量を少なくする場合には、図3に示すように始めから例えば3000rpmという高速で基板10を回転させよりも、図21に示すように回転速度を変化させるタイミングチャートを採用することが好ましい。
【0120】
即ち、図21に示すように、基板10の第1の回転速度R11を3ステップ処理してもよい。例えば、第1に、溶剤を基板10に供給した後に基板10を非常に遅い回転速度で回転させ、第2に、レジスト供給時の回転初期の時間T111で基板10の回転を低速の範囲において例えば1000rpmまで高くし、第3に、時間T112の終了では高速、例えば3000rpmで回転させる。これにより、基板10の外周部へのレジスト供給が安定してレジスト膜厚の均一化が図れる。
【0121】
図21において、基板10へのレジスト供給開始のタイミングは、制御部11からレジスト供給部26への出力信号のタイミングである。従って、基板10へのレジスト供給は、時間T111の開始時からわずかに遅れることもある。
なお、図21では、シンナ供給後に1000rpmより低い速度で基板10を回転させているが、その回転を無くしてレジスト供給開始後の基板10の回転を2ステップとしてもよい。
【0122】
次に、図3に示したタイミングチャートに従ってレジストを塗布する工程を有する半導体装置の製造工程を図22〜図25に基づいて説明する。
【0123】
まず、図22(a)に示すように、上記した基板10に該当するシリコン基板51の表面にシリコン窒化膜(Si34膜)52を形成した後に、シリコン窒化膜52上に溶剤であるシンナをシンナノズル22から供給し、ついでレジストノズル21から粘度2.2mPa・sのArFレジスト53をシリコン窒化膜52上に塗布する。このレジストの塗布は、例えば上記の表5に示した条件により行われる。
【0124】
この場合のレジストノズル21によるレジスト滴下量は、上記したように1.0mlより少なくしても均一な膜厚分布が得られる。
【0125】
この後に、図22(b)に示すように、シリコン基板51上のArFレジスト53を波長193nmの光源を用いて露光し、さらに現像して、シャロートレンチ領域に開口部54を形成する。続いて、図22(c)に示すように、開口部54から露出したシリコン窒化膜52とシリコン基板51を反応性イオンエッチング法によりエッチングして溝55を形成する。
【0126】
ついで、図22(d)に示すように、ArFレジスト53を除去した後に、図22(e)に示すように、シリコン基板51の溝55内にシリコン酸化膜を埋め込んで、これをシャロートレンチアイソレーション56とする。なお、シリコン基板51の上面上に形成されたシリコン窒化膜は、その上のシリコン酸化膜を除去した後に例えばリン酸により除去される。
【0127】
次に、図23(a)に示すように、シリコン基板51にn型又はp型のいずれかの不純物をイオン注入してn型又はp型のウェル57を形成する。さらに、シリコン基板51の表面を熱酸化してゲート絶縁膜58を形成する。
【0128】
続いて、図23(b)に示すように、ゲート絶縁膜58上にポリシリコン膜59を形成する。そして、表5に示す方法により、ポリシリコン膜59上に溶剤を供給し、続いてArFレジスト60を塗布する。さらに、ArFレジスト60を露光、現像して図23(c)に示すように、ゲートパターンを形成する。
【0129】
ついで、パターニングされたArFレジスト60をマスクに使用してポリシリコン膜59をエッチングし、その後にArFレジスト60を除去する。これにより、図23(d)に示すように、ゲート絶縁膜58を介してウェル57上に、ポリシリコン膜59から構成されるゲート電極59gが形成される。
【0130】
この後に、図24(a)に示すように、シリコン基板51のうちゲート電極59gの両側にソース/ドレインとなるn型又はp型の不純物拡散領域61a,61bを形成する。不純物拡散領域61a,61bを形成する場合には、複数回の不純物イオン注入工程があり、その間にゲート電極59gの側面に絶縁性サイドウォール65を形成する。絶縁性サイドウォール65は、二酸化シリコン等の絶縁膜をシリコン基板51上に形成した後に、これをエッチバックして形成される。
【0131】
次に、図24(b)に示すように、ゲート電極59gとシリコン基板51の上に化学気相成長(CVD)法により一層目の層間絶縁膜62となるシリコン酸化膜を形成する。続いて、不純物拡散領域61a、61bに接続される導電性プラグ63を一層目の層間絶縁膜62内に形成する。
【0132】
次に、一層目の層間絶縁膜62上にタングステンの導電膜64を形成した後に、その上に溶剤を滴下し、続いてKrFレジスト65を塗布する。KrFレジスト65は、例えば表3に示した条件で塗布される。
【0133】
さらに、図24(c)に示すように、波長248nmの光源を使用してKrFレジスト65を露光し、現像して配線用パターンを形成する。さらに、図24(d)に示すように、KrFレジスト65のパターンをマスクにして導電膜64をエッチングし、残された導電膜64を一層目の配線64aとする。この後に、配線64a及び層間絶縁膜62上に二酸化シリコン膜を形成し、これをエッチバックして一層目の配線64aの周囲に絶縁性サイドウォール66として残す。
【0134】
続いて、図25(a)に示すように、一層目の配線64aの上に二層目以上の層間絶縁膜67、導電性プラグ(不図示)、配線(不図示)等が形成され、n層目の層間絶縁膜68の上にアルミニウム合金等の最上層の導電膜69を形成し、さらに最上層の導電膜69上に溶剤を塗布し、さらにi線レジスト70を導電膜69上に塗布する。i線レジスト70の塗布は、例えば表1に示した条件で行われる。
【0135】
その後に、図25(b)に示すように、波長365nmの露光光源(不図示)を使用してi線レジスト70を露光し、その後に現像して配線用パターンを形成する。
【0136】
さらに、図25(c)に示すように、パターニングされたi線レジスト70をマスクに使用して最上層の導電膜69をエッチングして最上層の配線69aを形成する。
このように、複数の層においてそれぞれ最適な露光波長で感光されるレジスト53,60,65,70を使用して半導体装置が形成される。
【0137】
本実施形態によれば、複数のレジスト53,60,65,68の塗布量を従来よりも減らすことが可能になってレジストの消費量を抑制することができる。
【0138】
ところで、上記の実施形態では、基板表面にレジストを塗布方法することについて説明したが、上記の塗布方法は、フォトマスク基板、LCD基板、その他の基板上にレジストを塗布する場合にも適用してもよい。また、上記の塗布方法は、基板上にレジストを塗布する場合に限るものではなく、SOG(spin on glass)、ポリイミド樹脂等を基板上に塗布する場合にも適用してもよい。
【0139】
本発明は、上述の実施形態に詳細が記載されている。しかし、本発明の精神と範囲から逸脱しない様々な態様と変更があることは明らかである。例えば、ここに記載されているプロセスの詳細な順序や組み合わせは実例にすぎず、また、本発明は、異なる又は追加のプロセス、又は異なる組み合わせ若しくは順序で使用されてもよい。さらに、例えば、ある実施形態における各特徴は、他の実施形態における他の特徴と混合、適合させることもできる。特徴は、追加的に明白に、要求に応じて加えられたり或いは取り去られたりされるかもしれない。従って、本発明は、添付の特許請求項及びそれらの対応特許の観点を除いて限定されない。
【0140】
以下に、本発明の特徴を付記する。
(付記1)基板上に溶剤を供給する工程と、前記基板を第1の回転速度で回転させつつ、前記基板上に塗布液の供給を開始する工程と、前記基板の回転を30000rpm/秒より大きい減速度で停止する工程と、前記基板の停止後に、前記基板を第2の回転速度で回転する工程とを有することを特徴とする塗布液の塗布方法。
(付記2)前記基板への前記塗布液の供給を停止した後、前記基板の回転を停止することを特徴とする付記1に記載の塗布液の塗布方法。
(付記3)前記塗布液の供給を開始した後であって前記基板の回転を停止する前に、前記第1の回転速度を変化する工程を有することを特徴とする付記1又は付記2に記載の塗布液の塗布方法。
(付記4)前記第1の回転速度は初期速度と終期速度を有し、前記終期速度は、前記初期速度より速いことを特徴とする付記3に記載の塗布液の塗布方法。
(付記5)前記減速度は、少なくとも40000rpm/秒であることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれかに記載の塗布液の塗布方法。
(付記6)前記基板に前記溶剤を供給した後であって、前記基板を前記第1の回転速度で回転する前に、前記基板を第3の回転速度で回転する工程をさらに有することを特徴とする付記1乃至付記5のいずれかに記載の塗布液の塗布方法。
(付記7)前記第3の回転速度は前記第1の回転速度より遅いことを特徴とする付記6に記載の塗布液の塗布方法。
(付記8)前記第2の回転速度は、前記第1の回転速度の最大速度よりも遅いことを特徴とする付記1乃至付記7のいずれかに記載の塗布液の塗布方法。
(付記9)前記基板を停止する工程では、前記基板は0.5秒より長く、3.0秒より短く停止することを特徴とする付記1乃至付記8のいずれかに記載の塗布液の塗布方法。
(付記10)前記塗布液を前記基板の中央部に供給することを特徴とする付記1乃至付記9のいずれかに記載の塗布液の塗布方法。
(付記11)前記溶剤を前記基板の中央部に供給することを特徴とする付記1乃至付記10のいずれかに記載の塗布液の塗布方法。
(付記12)前記塗布液の粘度が25cP又はそれ以下の場合に、前記塗布液は1mlよりも少ない量で供給されることを特徴とする付記1乃至付記11に記載の塗布液の塗布方法。
(付記13)前記基板が前記第1の回転速度に達する前に、前記基板上に塗布液を吐出する工程を有することを特徴とする付記1乃至付記11のいずれかに記載の塗布液の塗布方法。
(付記14)基板の表面に溶剤を供給する工程と、第1の回転数で回転する前記基板への塗布液の供給を開始する工程と、前記第1の回転速度より速い前記第2の回転速度で前記基板を回転する工程と、前記第2の回転速度で回転している前記基板の上に塗布液を吐出する工程と、前記第2の回転速度より速い第3の回転速度で前記基板を回転する工程とを有することを特徴とする塗布液の塗布方法。
(付記15)半導体基板上に溶剤を供給する工程と、前記半導体基板を第1の回転速度で回転させつつ、前記半導体基板上に塗布液を供給する工程と、前記半導体基板を30000rpm/secより大きい減速度で停止する工程と、前記半導体基板の停止後に前記半導体基板に第2の回転を与える工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記16)前記半導体基板への前記塗布液の供給を停止した後、前記半導体基板の回転を停止することを特徴とする付記15に記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)前記半導体基板への前記塗布液の供給を開始した後であって前記半導体基板の回転を停止する前に、前記第1の回転速度を変化する工程を有することを特徴とする付記15又は付記16に記載の半導体装置の製造方法。
(付記18)前記第1の回転速度は初期速度と終期速度を有し、前記終期速度は、前記初期速度より速いことを特徴とする付記17に記載の半導体装置の製造方法。
(付記19)前記減速度は、少なくとも40000rpm/秒であることを特徴とする付記15乃至付記18のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記20)前記半導体基板に前記溶剤を供給した後であって、前記半導体基板を前記第1の回転速度で回転する前に、前記半導体基板を第3の回転速度で回転する工程をさらに有することを特徴とする付記15乃至付記19のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記21)前記第3の回転速度は前記第1の回転速度より遅いことを特徴とする付記20に記載の塗布液の塗布方法。
(付記22)前記第2の回転は、前記第1の回転よりも遅いことを特徴とする付記15乃至付記21に記載の半導体装置の製造方法。
(付記23)前記半導体基板を停止する工程では、前記半導体基板は0.5秒より長く、3.0秒より短く停止されることを特徴とする付記15乃至付記22のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記24)前記塗布液を前記半導体基板の中央部に供給することを特徴とする付記15乃至付記23のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記25)前記溶剤を前記半導体基板の中央部に供給することを特徴とする付記15乃至付記24のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記26)前記塗布液の粘度が25cP又はそれ以下の場合に、前記塗布液は1mlよりも少ない量で供給されることを特徴とする付記15乃至付記25のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記27)前記半導体基板が前記第1の回転速度に達する前に、前記半導体基板上に塗布液を吐出する工程を有することを特徴とする付記15乃至付記26のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記28)半導体基板の表面に溶剤を供給する工程と、第1の回転数で回転する前記半導体基板への塗布液の供給を開始する工程と、前記第1の回転速度より速い前記第2の回転速度で前記半導体基板を回転する工程と、前記第2の回転速度で回転している前記半導体基板の上に塗布液を吐出する工程と、前記第2の回転速度より速い第3の回転速度で前記半導体基板を回転する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】図1は、本発明の実施形態における塗布液の供給方法に使用される塗布ユニットの一例を示す側面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態における塗布液の供給方法に使用される塗布ユニットの一例を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る塗布液の塗布方法における基板の回転速度と回転時間の一例を示すタイムチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る第1例のレジスト液塗布方法の条件により形成されたレジストの膜厚分布を示すグラフである。
【図5】図5は、30000rpm/secのマイナスの加速度で基板を停止する工程を含む塗布液の塗布方法により塗布されたi線レジストの膜厚分布を示すグラフである。
【図6】図6は、リファレンスに係る塗布液の塗布方法における基板の回転速度と回転時間の一例を示すタイムチャートである。
【図7】図7は、図6に示すタイミングチャートを使用するレジスト液の塗布方法により塗布されたi線レジストの第1の膜厚分布を示すグラフである。
【図8】図8は、図6に示すタイミングチャートを使用するレジスト液の塗布方法により塗布されたi線レジストの第2の膜厚分布を示すグラフである。
【図9】図9(a)、(b)は、図3に示すタイミングチャートを使用する塗布液の塗布方法により塗布されたi線レジストの平坦性を示すチャートと、図6に示すタイミングチャートを使用する塗布液の塗布方法により塗布されたi線レジストの平坦性を示すチャートである。
【図10】図10は、本発明に係る実施形態に係る塗布液の塗布方法の第2実施例により塗布されたKrFレジストの膜厚分布を示すグラフである。
【図11】図11は、30000rpm/secのマイナスの加速度で基板を停止する工程を含む塗布液の塗布方法により塗布されたKrFレジストの膜厚分布を示すグラフである。
【図12】図12(a)、(b)は、図3に示すタイミングチャートを使用する塗布液の塗布方法により塗布されたKrFレジストの平坦性を示すチャートと、図6に示すタイミングチャートを使用する塗布液の塗布方法により塗布されたKrFレジストの平坦性を示すチャートである。
【図13】図13は、本発明に係る実施形態に係る塗布液の塗布方法の第3実施例により塗布されたArFレジストの膜厚分布を示すグラフである。
【図14】図14は、30000rpm/secのマイナスの加速度で基板を停止する工程を含む塗布液の塗布方法により塗布されたArFレジストの膜厚分布を示すグラフである。
【図15】図15は、図6に示すタイミングチャートを使用するレジスト液の塗布方法により塗布されたArFレジストの第1の膜厚分布を示すグラフである。
【図16】図16は、図6に示すタイミングチャートを使用するレジスト液の塗布方法により塗布されたArFレジストの第2の膜厚分布を示すグラフである。
【図17】図17(a)、(b)は、図3に示すタイミングチャートを使用する塗布液の塗布方法により塗布されたArFレジストの平坦性を示すチャートと、図6に示すタイミングチャートを使用する塗布液の塗布方法により塗布されたArFレジストの平坦性を示すチャートである。
【図18】図18は、本発明に係る実施形態のレジスト塗布方法の第1実施例により塗布されたi線レジストの膜厚分布の基板停止時間依存性を示すグラフである。
【図19】図19は、本発明に係る実施形態のレジスト塗布方法の第2実施例により塗布されたKrFレジストの膜厚分布の基板停止時間依存性を示すグラフである。
【図20】図20は、本発明に係る実施形態のレジスト塗布方法の第3実施例により塗布されたArFレジストの膜厚分布の基板停止時間依存性を示すグラフである。
【図21】図21は、本発明の実施形態に係る塗布液の塗布方法における別の例における基板の回転速度と回転時間の一例を示すタイムチャートである。
【図22】図22は、本発明の実施形態の方法による半導体装置の形成工程を示す断面図(その1)である。
【図23】図23は、本発明の実施形態の方法による半導体装置の形成工程を示す断面図(その2)である。
【図24】図24は、本発明の実施形態の方法による半導体装置の形成工程を示す断面図(その3)である。
【図25】図25は、本発明の実施形態の方法による半導体装置の形成工程を示す断面図(その4)である。
【符号の説明】
【0142】
1 塗布ユニット、
5 モータ、
7 昇降器、
9 スピンチャック、
10 基板、
11 制御部、
21 レジストノズル、
22 溶剤ノズル、
24 レジスト供給管、
25 溶剤供給管、
26 レジスト供給部、
27 溶剤供給部、
51 シリコン基板、
53 ArFレジスト(塗布液)、
55 溝、
59 ポリシリコン膜、
60 ArFレジスト(塗布液)、
59g ゲート電極、
64 導電膜、
65 KrFレジスト、
64a 配線、
69 導電膜
70 i線レジスト(塗布液)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に溶剤を供給する工程と、
前記基板を第1の回転速度で回転させつつ、前記基板上に塗布液の供給を開始する工程と、
前記基板の回転を30000rpm/秒より大きい減速度で停止する工程と、
前記基板の停止後に、前記基板を第2の回転速度で回転する工程と
を有することを特徴とする塗布液の塗布方法。
【請求項2】
前記基板への前記塗布液の供給を停止した後、前記基板の回転を停止することを特徴とする請求項1に記載の塗布液の塗布方法。
【請求項3】
前記塗布液の供給を開始した後であって前記基板の回転を停止する前に、前記第1の回転速度を変化する工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布液の塗布方法。
【請求項4】
前記第1の回転速度は初期速度と終期速度を有し、前記終期速度は、前記初期速度より速いことを特徴とする請求項3に記載の塗布液の塗布方法。
【請求項5】
前記基板に前記溶剤を供給した後であって、前記基板を前記第1の回転速度で回転する前に、前記基板を第3の回転速度で回転する工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の塗布液の塗布方法。
【請求項6】
前記第2の回転速度は、前記第1の回転速度の最大速度よりも遅いことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の塗布液の塗布方法。
【請求項7】
前記基板を停止する工程では、前記基板は0.5秒より長く、3.0秒より短く停止することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の塗布液の塗布方法。
【請求項8】
半導体基板上に溶剤を供給する工程と、
前記半導体基板を第1の回転速度で回転させつつ、前記半導体基板上に塗布液を供給する工程と、
前記半導体基板を30000rpm/secより大きい減速度で停止する工程と、
前記半導体基板の停止後に、前記半導体基板を第2の回転速度で回転する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記塗布液の供給を停止した後、前記半導体基板の回転を停止することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記半導体基板への前記塗布液の供給を開始した後であって前記半導体基板の回転を停止する前に、前記第1の回転速度を変化する工程を有することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−177410(P2008−177410A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10293(P2007−10293)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】