説明

塗布装置、塗布方法及び有機機能性素子の製造方法

【課題】溶剤の揮発による画素形状の変形を抑えることができる塗布装置、その塗布装置を用いた塗布方法及びその塗布装置を用いた有機機能性素子の製造方法を提供する。
【解決手段】塗布装置は、透光性基板18を設置する可動ステージ19と、透光性基板18上にインク11を吐出するノズルヘッド13と、可動ステージ19とノズルヘッド13とを透光性基板18の面方向に相対的に移動可能とする移動機構とを含み、さらに吐出されたインク11に含まれる溶剤の蒸気を排気する排気部23を有し、排気部23はノズルヘッド13に隣接配置されていることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージ上の基材にノズルを用いてインクを塗布して塗膜を形成する塗布装置、その塗布装置を用いた塗布方法及びその塗布装置を用いた有機機能性素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electro−Luminescence)は自発光なため、液晶ディスプレイのようなバックライトが不要となるほか、高コントラスト、広視野角、高速応答、低消費電力などの特長を持ち、次世代パネルとして期待され実用化が進んでいる。
従来より、有機EL素子基板の作製にはメタルマスクを用いた真空蒸着法が使用されているが、有機ELパネルの大型化に関しては、例えば加圧や熱でのメタルマスク変形による色ムラが発生するといった課題や大型の真空蒸着設備が必要となるといった課題、または材料利用効率が悪いといった課題がある。
【0003】
上記課題を解決するため、例えばインクジェット法による有機EL素子基板の作製が研究されている。インクジェット法は、用いるヘッドの解像度に応じて微少なインクを所望の位置に吐出することが可能であることから、微細なパターンの形成や、所望の膜厚を備えた薄膜の形成が容易であるという特長を有する。この特長を利用し、インクジェット法は微細な塗り分けが必要な有機EL素子やカラーフィルタの製造などに利用されている。
【0004】
これらのインクジェット法を有機EL素子の製造に応用した場合には、必要な量のEL材料を所定の溶媒に分散または溶解させてインク化することにより、色毎に塗り分けをすることができるので蒸着法に比べてEL材料の利用効率を向上させることができるという利点がある。
しかしながら、インクジェット法では、インクジェットノズル口が大気に触れているため、ノズル表面が乾きやすく、ノズル詰まりを起こす場合がある。このノズル詰まりを回避するため、インク溶剤は比較的高沸点のものに使用が限定されてしまうが、高沸点の溶剤はパネルに残留しやすく有機ELの発光特性に影響がある場合が多い。
【0005】
そこで、近年、これらの課題を解決するため、微細な吐出口を有するノズルから連続して液柱状のインクを吐出させる塗布装置及びその塗布装置を用いた塗布方法が提案されており、例えば特許文献1、2に記載されたものがある。この塗布装置は、色毎に塗り分けを行うことができるために材料効率が高く、またノズル詰まりに強いという利点がある。さらに、インク溶剤として低沸点溶剤も使用できるため、有機ELの発光特性にも影響が少ないという利点がある。
このような装置を用いて塗布する場合、基材を設置するステージと、基材上にインクを吐出するノズルとを相対的に移動させながら連続的に塗布することで基材の画素形成領域に画素となる塗膜を形成することができる。
【0006】
ところが、ノズルから吐出されたインクは基板上の画素形成領域において前記インクに含まれる溶剤が蒸発することにより乾燥固化し塗膜となるが、ノズルからのインクの吐出をステージとノズルを相対的に移動させながら連続的に塗布しているため、塗布中徐々に溶剤濃度が上がることで一度乾燥固化し塗膜が、周囲の吐出中の塗液または塗布直後で乾燥固化中の塗液から揮発する溶剤の影響を受け、再度溶解することがある。そのため、画素形状がいびつになる、または濃度ムラが発生するなどの課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−75640号
【特許文献2】特開2006−289960号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ノズルを用いて液柱状の塗液を塗布することにより基板上に連続的に塗膜を形成する塗布装置(いわゆるノズル塗布装置)において、塗布中または塗布直後の溶剤の揮発による画素形状の変形を低減することができる塗布装置、その塗布装置を用いた塗布方法及びその塗布装置を用いた有機機能性素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、基材を設置するステージと、前記基材上にインクを吐出するノズルと、前記ステージと前記ノズルとを前記基材の面方向に相対的に移動可能とする移動機構とを含む塗布装置であって、吐出された前記インクに含まれる溶剤の蒸気を排気する排気部を有し、前記排気部は、前記ノズルに隣接配置されていることを特徴とする塗布装置である。
上記態様によれば、吐出されたインクに含まれる溶剤の蒸気を、ノズルに隣接配置された排気部から排気することができるので、一度乾燥固化し塗膜が再度溶解するのを低減することができる。このため、画素形状がいびつになる、または濃度ムラが発生することを低減することができる。
【0010】
また、本発明の別の態様は、基材を設置するステージと、前記基材上にインクを吐出するノズルと、前記ステージと前記ノズルとを前記基材の面方向に相対的に移動可能とする移動機構とを含む塗布装置であって、吐出された前記インクに含まれる溶剤の蒸気を排気する排気部を有し、前記排気部はフード形状をしており、前記フード形状の中に前記ノズルを配置し、前記排気部により前記ノズルの周囲を覆うようにしたことを特徴とする塗布装置である。
上記態様によれば、吐出されたインクに含まれる溶剤の蒸気を、ノズル周囲にあるフード形状の排気部から排気することができるので、一度乾燥固化し塗膜が再度溶解するのを低減することができる。このため、画素形状がいびつになる、または濃度ムラが発生することを低減することができる。
【0011】
また、本発明の別の態様は、前記排気部は、第1の排気部と第2の排気部とを備え、前記第1の排気部と前記第2の排気部とは、前記ノズルを挟んで対向配置されていることとしても良い。
上記態様によれば、吐出されたインクに含まれる溶剤の蒸気を、第1の排気部または第2の排気部の少なくとも何れか一方の排気部を用いて排気することができるので、一度乾燥固化し塗膜が再度溶解するのをより低減することができる。
【0012】
また、本発明の別の態様は、前記第1の排気部は、前記ステージに対する前記ノズルの相対的な進行方向前方に配置され、前記第2の排気部は、前記ステージに対する前記ノズルの相対的な進行方向後方に配置されていることとしても良い。
上記態様によれば、第1の排気部はノズルの相対的な進行方向前方に配置され、第2の排気部はノズルの相対的な進行方向後方に配置されているので、吐出されたインクに含まれる溶剤の蒸気を効率良く排気することができる。
【0013】
また、本発明の別の態様は、前記排気部は排気口を有し、前記排気口の平面視における長手方向は前記ステージに対する前記ノズルの相対的な進行方向に沿っていることとしても良い。
上記態様によれば、排気口の平面視における長手方向はノズルの相対的な進行方向に沿っているので、排気口の平面視における長手方向はノズルの相対的な進行方向に沿っていない場合と比較して、吐出されたインクに含まれる溶剤の蒸気を効率良く排気することができる。
【0014】
また、本発明の別の態様は、基材を設置するステージと、前記基材上にインクを吐出するノズルと、前記ステージと前記ノズルとを前記基材の面方向に相対的に移動可能とする移動機構とを含む塗布装置を用いて、前記基材上に前記インクを塗布する塗布方法であって、前記ノズルから前記インクを吐出させることで前記インクを塗布する工程と、塗布された前記インクに含まれる溶剤の蒸気を、前記ノズルに隣接配置された排気部を用いて排気する工程と、を含むことを特徴とする塗布方法である。
上記態様によれば、吐出されたインクに含まれる溶剤の蒸気を、ノズルに隣接配置された排気部から排気することができるので、一度乾燥固化し塗膜が再度溶解するのを低減することができる。このため、画素形状がいびつになる、または濃度ムラが発生することを低減することができる。
【0015】
また、本発明の別の態様は、複数の有機機能層を有する有機機能性素子の製造方法であって、上記記載の塗布装置を用いて、前記有機機能層を形成する工程を含むことを特徴とする有機機能性素子の製造方法である。
上記態様によれば、上記した塗布装置を用いているので、一度乾燥固化し有機機能層が再度溶解するのを低減することができる。このため、有機機能層の画素形状がいびつになる、または濃度ムラが発生することを低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、塗布中または塗布直後の溶剤の揮発による画素形状の変形を低減することができる塗布装置、その塗布装置を用いた塗布方法及びその塗布装置を用いた有機機能性素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態に係る塗布装置の全体を示す概略図である。
【図2】第1の実施形態に係るノズルヘッド及び排気部の断面図である。
【図3】隣接画素に塗布する前の画素形状の様子を示した図である。
【図4】揮発した溶剤により画素形状が変形する様子を示した図である。
【図5】揮発した溶剤を排気することで画素形状が変形しないことを示す図である。
【図6】第2の実施形態に係るノズルヘッド及び排気部の断面図である。
【図7】有機EL素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態に係る塗布装置の構成及びその動作について、図1〜図5を参照しつつ説明する。
<塗布装置の構成>
以下、本実施形態に係る塗布装置の構成について説明する。
図1は本実施形態に係る塗布装置の全体の構成を示す図である。図2は、図1に示したA−Bにおける断面図であり、本実施形態に係るノズルヘッド13と排気部23と透光性基板18との相対的な位置関係を示している。ノズルヘッド13が本発明にいうノズルに相当し、ノズルヘッド13には後述するように、本発明にいうノズル27が下向きに開口されている。また、透光性基板18が本発明にいう基材に相当する。ここで、A−B方向は、ノズルヘッド13と透光性基板18との相対的な移動方向(つまり、塗布方向)を示している。
【0019】
図1に示すように、塗布装置は、インク11が充填されたインク供給タンク10と、インク供給チューブ12を介して同タンク10と連結されたノズルヘッド13と、インク供給タンク10のインク11を押し出すために同タンク10内を加圧する加圧機14と、インク供給チューブ12に備えられた流量制御弁15及び流量計16とを備えている。また、図中17は上面が水平面をなすテーブルであり、その上にテーブル17上でXY方向に移動可能な可動ステージ19を備え、その上に透光性基板18がセットされている。ノズルヘッド13に隣接して排気部23が設けられ、その排気部23にはダクト21が接続されている。
【0020】
排気部23はノズルヘッド13を挟んで対向配置されているが、ノズルヘッド13と排気部23の詳細については後述する。
ノズルヘッド13のノズル27及び各排気部23の開口部(図2を参照)は下向きになっていて、これに対向して透光性基板18が配置されている。
可動ステージ19には、図示しない移動機構が配置されており、この移動機構によって、透光性基板18は本実施形態では移動しないようになっているノズルヘッド13に対して移動することが可能となる。なお、図1に示したX方向(またはX′方向)とY方向(またはY′方向)とは平面視で直交しており、それぞれ可動ステージ19の移動方向を示している。
【0021】
以下、ノズルヘッド13と排気部23の詳細について、図2を参照して説明する。図2に示すように、ノズルヘッド13は、ケース26とノズル27とを含んでいる。ケース26の外観は例えば円筒状であり、その内部には空洞がある。そして、この空洞内にノズル27が配置されている。なお、ケース26は金属で作成されるのが一般的であり、例えばSUS等で作成されるが、インク耐性があればどのようなものを用いても構わない。
【0022】
ノズル27が配置され空洞内にはインク供給チューブ12を通してインク11が充填されている。ここで、ノズル27は直径5ミクロンから20ミクロン程度の微小な穴によって形成されており、塗工する際にはそのノズル27から透光性基板18へと液柱が吐出される。なお、ノズル27が開口されている部材の材料はポリイミド等のフィルムが一般的だが、精度良く穴をあけることができればどのようなものでも構わない。
【0023】
排気部23の外観は例えば直方体状である。そして、この排気部23は排気口20を含んでいる。この排気口20としては、例えばフード形状のものを用いることができる。排気口20の開口部の形状は平面視を概ね長方形である。この長方形の長手方向がノズルヘッド13の相対的な移動方向(つまり、図2におけるY−Y′方向)に沿うようにして、排気部23は配置されている。そして、2つの排気部23のうち、一方の排気部23はノズルヘッド13の相対的な進行方向(つまり、図2におけるY方向)に対してノズルヘッド13の前方側に配置されており、他方の排気部23は当該進行方向に対してノズルヘッド13の後方側に配置されている。
【0024】
排気部23の開口部とノズル27とは、それぞれ透光性基板18の塗工面から一定の距離だけ離れており、その距離は概ね同じである。
なお、排気部23の排気機構としては、画素に塗布されたインク11の溶剤分が蒸発した蒸気を局所排気できればどのような機構でも良い。また、排気部23の材質は、使用する溶剤に対して溶剤耐性があれば良い。
【0025】
<塗布装置の動作>
以下、本実施形態に係る塗布装置の動作について説明する。
まず、図1に示すように、インク供給タンク10に充填されているインク11を、インク供給チューブ12の内部を通してノズルヘッド13へと供給する。ノズルヘッド13へインク11を供給する際、インク供給タンク10内を加圧機14で加圧することで、インク11をインク供給タンク10から押し出すようにして、ノズルヘッド13へと供給することができる。インク供給タンク10とノズルヘッド13との間には、インク11の吐出量を制御するための流量制御弁15と、ノズルヘッド13に供給するインク11の流量を測定するための流量計16とが配置されているので、流量計16からの情報(つまり、インク流量)を基に流量制御弁15を調節することができる。こうして、インク流量を調整することができるので、安定した所望のインク流量を得ることができる。
【0026】
次に、ノズルヘッド13の吐出口から供給されたインク11を吐出させるとともに、可動ステージ19をY方向またはY′方向(或いは、X方向またはX′方向)に移動させることで、連続的に可動ステージ19上に配置された透光性基板18に塗膜を形成する。例えば、X方向に平行なストライプ状の画素形成領域を有する透光性基板18を可動ステージ19上に配置し、可動ステージ19とノズルヘッド13とをX方向に相対的に移動させる。この際、可動ステージ19とノズルヘッド13との位置情報などにより可動ステージ19とノズルヘッド13との移動を同期させて、ストライプ状のR(Red)又はG(Green)又はB(Blue)の画素形成領域に連続的にインク11を塗布し、画素となる塗膜を形成する。そして、1つのストライプ状のR又はG又はBの画素形成領域に塗膜を形成した後、Y方向に可動ステージ19とノズルヘッド13を相対的に移動させ、次の画素形成領域に塗膜を形成する。
【0027】
そして、図2に示すように、塗布されたインク11から蒸発した溶剤22を、排気部23を用いて排気する。排気部23を用いることで、塗工で増加する溶剤雰囲気を抑制することができ、画素形状に影響を与えることがないものとすることができる。以下、この効果を図3から図5を用いて説明する。
【0028】
図3に示すように、乾燥固化した塗膜29は画素形状が曲線もしくは直線となっている。その後、図4に示すように、周囲の吐出中の塗液30または塗布直後で乾燥固化中の塗液から揮発する溶剤22の影響を受け、塗膜29が溶解することがある。そのため、画素形状がいびつ32になり、濃度ムラが発生する場合がある。本実施形態に係る塗布装置では、図1及び図2に示すように、局所排気できる排気口20から揮発した溶剤22を吸い込み、ダクト21によって搬送させ空気清浄装置等を介して排気ファンにより排気することができるので、塗液30から揮発した溶剤22の影響を受けることがない。よって、図5のように各画素が均一な濃度ムラのない画素を形成することができる。
本実施形態に係る塗布装置は、特に流動性の高い非架橋性インクや分子量1000以下の材料からなるインク11を用いた場合により効果を発揮することができる。
【0029】
また、排気口20は、図1または図2に示すように、透光性基板18側を向いて設置されているので、隣接画素へ溶剤蒸気を効率良く排気できる。このようにすることで塗布形成された塗膜近傍において、塗布中または塗布直後のインク中の蒸発した溶剤22を排気除去することができるため、塗工による溶剤蒸気の増加を抑えることができる。
また、1つのノズルに対し2個の排気部23が対向するように隣接配置されているので、往復動作をした場合でも塗布直後の溶剤を排気除去することができる。
【0030】
また、開口部の長手方向の長さは50mm以下のものであれば、排気フード内の排気量が均一であり好適である。開口部の長手方向の長さが50mmより大きいと排気フード内の排気分布にばらつきが発生することもあり、塗布ヘッドとなるノズルヘッド13部分の重量が重くなることもあるため好ましくない。
また、通常、非架橋性インクは、塗布直後に乾燥固化して塗膜を形成することができるが、沸点の高い溶剤を使用する際にはノズルヘッド13及び排気部23が通過した部分の画素形成領域において、完全にインクが乾燥固化されていない領域が発生する。このため、周囲の塗膜の再溶解が起きる危険性があるため、使用溶剤および塗布量により排気フードの大きさおよび排気量を調整する必要がある。
【0031】
ノズルヘッド13から吐出されるインクは、インク乾燥によるノズル詰まりや飛行曲がりを考慮すると連続して吐出し続ける方が好ましい。そのため、吐出したくない部分等をマスキングしたりダミーパターンを設けたりすることがあるが、パネルとして問題なければどのような方法をとっても構わない。
以上のように、本実施形態に係る塗布装置であれば、塗布中または塗布直後の溶剤の揮発による画素形状の変形を抑えることができる。
【0032】
なお、本実施形態ではストライプ状の画素形成領域を有する透光性基板18を用いて説明したがこれに限定されず、格子状の画素形成領域を有する透光性基板18を用いる場合においても同様に塗布することができる。
また、隣り合う画素形成領域の間に設けられた隔壁上には塗布しないように断続的に吐出することもできる。
また、画素を形成する際、ノズルヘッド13と可動ステージ19のどちらが稼動しても良い。
【0033】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る塗布装置について、以下説明する。第2の実施形態に係る塗布装置と、上述した第1の実施形態に係る塗布装置とは概ねその構成は同じであるが、排気部24の形状が異なっている。このため、この排気部24の形状についてのみ、図6を参照しつつ説明し、その他については説明を省略する。
【0034】
第1の実施形態に係る塗布装置では、ノズルヘッド13の両側に対向するように2つの排気部23が隣接配置されているが、この場合、塗布装置が大掛かりになってしまう場合がある。そのため、図6に示すようにノズルヘッド13をフード形状をした排気部24で覆うように配置しても良い。このとき、ノズルヘッド13は排気口面の中央にあっても良い。こうすれば平面視において、ノズルヘッド13の周囲に排気部24が位置付けられる。これによりノズルヘッド13と可動ステージ19が往復動作を行ってもより効果的に均一に溶剤22を排気することができる。
【0035】
<有機EL素子の作成>
以下、有機EL素子に含まれる正孔注入層と正孔輸送層と有機発光層のパターン形成体を総称して機能層と呼び、この機能層を上記実施形態に係る塗布装置を用いて形成する場合について、図7を参照しつつ説明する。
【0036】
(基板の準備)
有機EL素子1は基板上に形成される。基板としては透光性基板18が好適に用いられる。透光性基板18としては、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いると、巻取りにより高分子EL素子の製造が可能となり、安価にディスプレイパネルを提供できる。
プラスチック製のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、これらのフィルムには、水蒸気バリア性、酸素バリア性を示す酸化ケイ素といった金属酸化物、窒化ケイ素といった酸化窒化物やポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物からなるバリア層を必要に応じて設けることが好ましい。
【0037】
(画素電極の作製)
透光性基板18の上には陽極としてパターニングされた画素電極2が設けられる。画素電極2の材料としては、ITO(インジウム錫複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料等が使用できる。
なお、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性があることなどからITOを用いることが好ましい。ITOはスパッタ法により透光性基板上に形成されて、フォトリソグラフィ法によりパターニングされライン状の画素電極2となる。
【0038】
(隔壁の作製)
ライン状の画素電極2を形成後、隣接する画素電極2の間に感光性材料を用いて、フォトリソグラフィ法により隔壁3を形成する。
基板及び検査用基板上には、マトリクスまたはストライプ状の隔壁3が設けられ、この隔壁3に囲まれた領域は塗布用のインクによる膜が形成させる吐出領域となる。
【0039】
隔壁3を形成する感光性材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらであってもよいが、絶縁性を備えている必要がある。隔壁3が十分な絶縁性がない場合には隔壁3を通じて隣り合う画素電極2に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といったものが挙げられるがこれに限定するものではない。また、有機EL素子1の表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。また、隔壁材料に含フッ素化合物や含ケイ素化合物等の撥インク剤を適量添加することで、適度な撥インク性を持たせることができる。
【0040】
本実施形態における隔壁3は、厚みが0.5〜5.0μmにあることが望ましい。隔壁3を隣接する画素電極2間に設けることによって、各画素電極2上に印刷された正孔輸送インクの広がりを抑え、また透明導電膜端部からのショート発生を防ぐことができる。隔壁3が低すぎるとショートの防止効果が得られないことがあり注意が必要である。
【0041】
(正孔注入層インクの調整)
正孔注入層4を形成するためのインク調整について説明する。形成される正孔注入層4の体積低効率は発光効率の点から1×10Ω・cm以下のものが好ましい。正孔注入材料は、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類や無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N‘−ジフェニル−N,N‘−ビス(3−メチルフェニル)−1,1‘−ビフェニル−4,4‘−ジアミン、N,N‘−ジ(1‐ナフチル)−N,N‘−ジフェニル−1,1‘−ビフェニル−4,4‘−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアニリン等の高分子正孔注入材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他の既知の正孔注入材料の中から選ぶことができる。
【0042】
正孔注入材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルコキシアルコール等の極性溶媒などが上げられる。
【0043】
(正孔輸送層インクの作製)
正孔輸送層5を形成するためのインク調整について説明する。正孔輸送性物質としては、例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(以下、PVKともいう。)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、カルバゾールビフェニル(以下、CBPとも言う。)、N,N‘−ジフェニル−N,N‘−ビス(1−ナフチル)―1,1‘−ビフェニル−4,4‘−ジアミン(以下、NPDとも言う。)、N,N‘−ジフェニル−N,N‘−ビス(3−メチルフェニル)−1,1‘−ビフェニル−4,4‘−ジアミン(以下TPDともいう。)、4,4‘−ビス(10−フェノチアジニル)ビフェニルや、2,4,6−トリフェニル−1,3,5−トリアゾール、ポリフルオレン誘導体、トリフェニルアミンとフルオレンの共重合体などを挙げることができる。
正孔輸送層5を形成する機能性インクの溶媒としては、シメン、テトラリン、クメン、デカリン、ジュレン、シクロヘキシルベンゼン、ジヘキシルベンゼン、テトラメチルベンゼン、及びジブチルベンゼン等が挙げられる。
【0044】
(有機発光層インクの作製)
有機発光層6を形成するためのインク調整について説明する。有機発光層6は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層6を形成する有機発光材料は、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N‘−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N‘―ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
有機発光層6を形成する機能性インクの溶媒としては、シメン、テトラリン、クメン、デカリン、ジュレン、シクロヘキシルベンゼン、ジヘキシルベンゼン、テトラメチルベンゼン、及びジブチルベンゼン等が挙げられる。
【0045】
(正孔注入層の形成)
上記により焼成した隔壁3を形成した透光性基板18に対して、上述した塗布装置を用いて正孔注入材料を含んだ機能性インクを吐出し、正孔注入層4を形成する。
(正孔輸送層の形成)
正孔注入層4の形成後、上述した塗布装置を用いて正孔輸送性物質を含む機能性インクを吐出して正孔輸送層5を形成する。正孔輸送層5は、正孔注入層4から注入された正孔を有機発光層6へ流すための層であり、正孔輸送性物質で構成される。
(有機発光層の形成)
正孔輸送層5の形成後、上述した塗布装置を用いて有機発光材料を含む機能性インクを吐出して、有機発光層6を形成する。
【0046】
(陰極層の形成)
有機発光層6の形成後、陰極層7を画素電極2のラインパターンと直交するラインパターンで形成する。陰極層7の材料としては、有機発光層6の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層7の形成方法としてはマスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
【0047】
(封止工程の説明)
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ8と接着剤9を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを得ることができる。封止方式としては有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護できればどのような方法をとっても良い。また、透光性基板18が可撓性を有する場合は封止剤と可撓性フィルムを用いて封止を行っても良い。
【0048】
なお、有機EL素子1では、陽極である画素電極2と陰極層7との間に、画素電極2側から正孔注入層4と正孔輸送層5と有機発光層6を積層した構成について説明したが、本実施形態に係る有機EL素子はこれに限定されるものではない。例えば、画素電極2と陰極層7との間に正孔輸送層5、有機発光層6以外に正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層といった層を必要に応じ選択した積層構造をとることができる。また、これらの層を形成する際には発光層と同様の形成方法が使用できる。
【0049】
また、本実施形態では、正孔注入層4、正孔輸送層5、有機発光層6を塗布装置を用いて作製したが、すべての層で塗布装置を用いる必要はない。
また、本実施形態では、塗布装置を用いて有機EL素子1を製造しているが、上記塗布装置は対象を有機ELに限定するものではなく、この他の表示ディスプレイの表示画面を構成する光学部品として好適に利用できる。この場合には、多数の前記領域は表示画面を構成する画素に相当する。有機EL以外の光学部品として、カラーフィルタ、回路基板、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を製造することができる。
【0050】
[実施例]
次に、本発明の実施例について説明する。
体格3インチサイズのガラス基板の上にスパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソグラフィ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、画素電極2を形成した。画素電極2のラインパターンは、線幅70μm、スペース60μmでラインが約7.6mm角の中に約590×159形成されるパターンとした。
【0051】
次に、絶縁層を以下のように形成した。まず、画素電極2を形成したガラス基板上にポリイミド系のレジスト材料を全面スピンコートした。スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、500rpmで20秒間回転させ1回コーティングとし、絶縁層の高さを2.5μmとした。全面に塗布したフォトレジスト材料に対し、フォトリソ法により画素電極2の間にストライプパターンを有する絶縁層である隔壁3を形成した。この隔壁3は、撥インク性を有している。
【0052】
次に、正孔注入インクとしてポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアニリン等の高分子正孔注入材料の混合物をプロピレングリコールモノブチルエーテルを用いて調液し、インクの固形分濃度3.0%、粘度25mPa・sのインクを用意した。
作製した正孔注入インクをインク供給タンク10に入れた。インク供給タンク10中の正孔注入インクはインク供給タンク10を加圧することによりインク供給チューブ12を通ってノズルヘッド13へと供給された。インク供給タンク10とノズルヘッド13との間には吐出されるインク11の量を制御する流量制御弁15、ノズルヘッド13に流れるインク11の流量を測定するための流量計16とが備わっているため、流量計16の情報をもとに、流量制御弁15にフィードバックし流量を調整することで、安定した所望の正孔注入インクの流量を得た。
【0053】
前記撥インク性を付与したストライプパターン隔壁を有するガラス基板を可動ステージ19に固定した。また、可動ステージ19は、テーブル17の上をYまたはY′の方向に動くことができる。また、ノズルヘッド13はYまたはY′方向に直交する方向のXまたはX′の方向に動くことができる。ステージ17とノズルヘッド13とは相対的に移動することで連続的に可動ステージ19上のガラス基板の画素形成領域に画素となる塗膜を形成できる。
【0054】
正孔注入インクは、インク供給チューブ12からステンレスで作られた直方体状のノズルヘッド13に充填されている。ノズルヘッド13内部はマニホールドとなっており、直径10ミクロンの微小な穴の空いたポリイミドフィルムのノズル27からガラス基板に対して鉛直方向に吐出できる。
【0055】
2つの排気部23は、ノズルヘッド13を挟むようにして対向配置している。排気口としては、フード形状のものを用い溶剤を吸い込み、ダクトによって搬送させ空気清浄装置等を介して排気ファンにより排気を行うことができる。可動ステージ19とノズルヘッド13とは相対的に1メートル/秒で移動し、可動ステージ19上のガラス基板の画素形成領域に連続的に100μl/秒で正孔注入インクを吐出させた。
吐出後、正孔注入インクから揮発した溶剤を排気部23を用いて排気した。その後、200℃のホットプレートに30分置くことで正孔注入層4を形成した。その後、膜厚測定により所望の膜厚の正孔注入層4を得たことを確認した。
【0056】
次に、ポリフルオレン誘導体からなる正孔輸送材料をシクロヘキシルベンゼンを用いて調液し、インクの固形分濃度4.0%、粘度20mPa・sのインクを用意した。
正孔輸送層5を形成する際にも、上述した正孔注入層4を形成する際と同様の装置と手順で上述した正孔注入層4を形成したガラス基板に正孔輸送材料を吐出した。吐出後、窒素雰囲気化で200℃1時間焼成することにより正孔輸送層5を形成し、所望の膜厚の正孔輸送層5を得たことを確認した。
【0057】
次に、ポリ(パラフェニレンビニレン)誘導体からなる赤、緑、青の有機発光材料をシクロヘキシルベンゼンを用いて調液し、インクの固形分濃度7.0%、粘度30mPa・sの赤インク、固形分濃度5.0%、粘度25mPa・sの緑インク、固形分濃度6.0%、粘度20mPa・sの赤、緑、青インクを用意した。
有機発光層6を形成する際にも、上述した正孔注入層4を形成する際と同様の装置と手順で正孔輸送層5を形成したガラス基板に有機発光材料を吐出し、溶剤を排気した。
吐出後、窒素雰囲気化で130℃30分焼成することにより赤、緑、青の有機発光層6を形成した。その後、膜厚測定により所望の膜厚の有機発光層6を得たことを確認した。
【0058】
その上にCa、Alからなる陰極層7を画素電極2のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗加熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ8と接着剤9を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを作製した。これにより得られた有機EL素子基板の表示部の周辺部には各画素電極2に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極側の取り出し電極があり、これらを電源に接続することにより、得られた有機EL素子基板の点灯表示確認を行い、発光状態のチェックを行った。
【0059】
上記したように、ノズルヘッド13に対向するように排気部23を設置することで塗布形成された塗膜近傍において、塗布中または塗布直後のインク11から揮発した溶剤22を排気除去することができるため、溶剤蒸気上昇による画素形状の変形を抑えることができた。よって発光輝度ムラが無い有機EL素子基板が得ることができた。
[比較例]
本実施形態に係る塗布装置とは異なり、排気部23を設けない場合には、塗布過程で溶剤濃度が増加し、再度溶解が起こるので画素形状が変形し発光ムラが発生した。
【符号の説明】
【0060】
1 有機EL素子
2 画素電極
3 隔壁
4 正孔注入層
5 正孔輸送層
6 有機発光層
7 陰極層
8 ガラスキャップ
9 接着剤
10 インク供給タンク
11 インク
12 インク供給チューブ
13 ノズルヘッド
14 加圧機
15 流量制御弁
16 流量計
17 テーブル
18 透光性基板
19 可動ステージ
20 排気口
21 ダクト
22 インク中の蒸発した溶剤
23 排気部
24 排気部
26 ケース
27 ノズル
29 乾燥固化した塗膜
30 吐出中の塗液
31 塗液から揮発した溶剤
32 画素形状がいびつになった状態
33 排気の気流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を設置するステージと、
前記基材上にインクを吐出するノズルと、
前記ステージと前記ノズルとを前記基材の面方向に相対的に移動可能とする移動機構とを含む塗布装置であって、
吐出された前記インクに含まれる溶剤の蒸気を排気する排気部を有し、
前記排気部は、前記ノズルに隣接配置されていることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
基材を設置するステージと、
前記基材上にインクを吐出するノズルと、
前記ステージと前記ノズルとを前記基材の面方向に相対的に移動可能とする移動機構とを含む塗布装置であって、
吐出された前記インクに含まれる溶剤の蒸気を排気する排気部を有し、
前記排気部はフード形状をしており、前記フード形状の中に前記ノズルを配置し、前記排気部により前記ノズルの周囲を覆うようにしたことを特徴とする塗布装置。
【請求項3】
前記排気部は、第1の排気部と第2の排気部とを備え、
前記第1の排気部と前記第2の排気部とは、前記ノズルを挟んで対向配置されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記第1の排気部は、前記ステージに対する前記ノズルの相対的な進行方向前方に配置され、
前記第2の排気部は、前記ステージに対する前記ノズルの相対的な進行方向後方に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記排気部は排気口を有し、
前記排気口の平面視における長手方向は前記ステージに対する前記ノズルの相対的な進行方向に沿っていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の塗布装置。
【請求項6】
基材を設置するステージと、
前記基材上にインクを吐出するノズルと、
前記ステージと前記ノズルとを前記基材の面方向に相対的に移動可能とする移動機構とを含む塗布装置を用いて、前記基材上に前記インクを塗布する塗布方法であって、
前記ノズルから前記インクを吐出させることで前記インクを塗布する工程と、
塗布された前記インクに含まれる溶剤の蒸気を、前記ノズルに隣接配置された排気部を用いて排気する工程と、を含むことを特徴とする塗布方法。
【請求項7】
複数の有機機能層を有する有機機能性素子の製造方法であって、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の塗布装置を用いて、前記有機機能層を形成する工程を含むことを特徴とする有機機能性素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−37911(P2013−37911A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173383(P2011−173383)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】