説明

塗装機

【課題】
回転霧化頭を囲むようにその背面側から噴き出される空気流により、塗装パターンを拡げたり絞ったり、その調整の自由度を広くする。
【解決手段】
機体(2)先端に配された回転霧化頭(5)を囲むようにその背面側から噴き出される空気流の噴出方向を調整して塗装パターン(P)を整える空気流噴出方向制御機構(8)を備えた塗装機(1)において、空気流噴出方向制御機構(8)を、回転霧化頭(5)の周縁部の背面に沿って機体(2)先端に形成されたシェーピングエア噴出口となる環状スリット(7)に一体的に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転霧化頭を囲むようにその背面側から噴き出される空気流の噴出方向を調整して塗装パターンを整える空気流噴出方向制御機構を備えた塗装機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転霧化式静電塗装機は、回転霧化頭を囲むようにその背面側からシェーピングエアを噴き出すことにより、塗料が被塗物表面に付着するときの塗装パターンを整えると共に、塗料粒子の飛散を防止し、塗着効率を向上させている。
シェーピングエアは必要に応じて供給圧が調整され、塗料の供給量を増大させた場合に、厚塗りの目的であれば、塗装パターンを維持する必要があるのでシェーピングエアの供給圧を相対的に高く設定し、塗膜厚さを維持したまま塗装パターンを拡げる場合には、シェーピングエアの供給圧を相対的に低く設定することとしている。
【0003】
しかしながら、シェーピングエアの供給圧を調整するだけでは、塗装パターンの調整を十分に行うことができないことから、最近では、回転霧化頭の周囲に形成される空気の流れを工夫して塗装パターンを整える塗装機が提案されている。
【特許文献1】特開2005−131590公報
【0004】
図8はこのような従来の塗装機61を示し、機体62の先端に配された回転霧化頭63の周囲に、略円筒状の主空気流Fを形成すると共に、機体62の周面にアダプタ64を外装することにより主空気流Fの外側に副空気流Fを形成し、この副空気流Fの噴出方向を可変制御することにより主空気流Fにより生ずる誘導流を相殺させて塗装パターンを整えている。
しかしながら、副空気流Fの噴出方向をコントロールしても、主空気流Fにより生ずる誘導流を相殺して塗着効率を向上することができるのみであり、塗装パターンを積極的にコントロールすることはできない。
したがって、塗装パターンのコントロールは主空気流Fの圧力制御に頼らざるを得ず、従来のシェーピングエアによる調整と本質的に変わるところがない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、回転霧化頭を囲むようにその背面側から噴き出される空気流により、塗装パターン調整の自由度を広くすることを技術的課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明は、機体先端に配された回転霧化頭を囲むようにその背面側から噴き出される空気流の噴出方向を調整して塗装パターンを整える空気流噴出方向制御機構を備えた塗装機において、前記空気流噴出方向制御機構が、回転霧化頭の周縁部の背面に沿って機体先端に形成されたシェーピングエア噴出口となる環状スリットに一体的に形成されたことを特徴としている。
【0007】
なお、本発明において、「塗料」というときは、いわゆる塗料の他、塗油剤、接着剤など広く被塗物の表面に液膜を形成する液状コーティング材を含む概念とし、「塗装」というときは、そのような液状コーティング材を噴霧して被塗物表面に液膜を形成させることを含む概念とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、空気流噴出方向制御機構が、回転霧化頭の周縁部の背面に沿って機体先端に形成されたシェーピングエア噴出口となる環状スリットに一体的に形成されているので、環状スリットから噴き出されるシェーピングエアは、環状スリットに形成された空気流噴出方向制御機構によりその噴出方向が制御され、回転霧化頭の周縁部から噴霧される塗料粒子に直接吹き付けられてその噴霧領域が拡げられたり絞られたりするので、被塗物の表面に塗着される塗装パターンをコントロールすることができるという大変優れた効果がある。
【0009】
ここで、請求項2のように、環状スリットに供給される空気圧を空気圧制御手段により増減させれば、空気圧の高いときはシェーピングエアの風速が早くなるので、シェーピングエアが塗装パターンに与える影響が高くなり、その結果、他の条件が等しければ塗装パターンが小さくなり、空気圧を低くすると塗装パターンが大きくなる。
そして、請求項3のように、空気流噴出方向制御機構として、回転霧化頭の回転軸方向に相対移動可能なインナーリング及びアウターリングが所定のクリアランスで配されると共に、その間に、前記環状スリットとその環状スリットに連通する環状チャンバを形成し、前記インナーリングの環状スリット開口部にシェーピングエアを外側に向けて噴き出させる外向案内面を形成すると共に、前記アウターリングの環状スリット開口部にシェーピングエアを内側に向けて噴き出させる内向案内面を形成すれば、インナーリングとアウターリングを揃えたときに噴き出されるシェーピングエアの中立方向に対して、インナーリング側を突出させることによりシェーピングエアをその案内面に沿って外向きに噴き出させることができ、アウターリング側を突出させることによりシェーピングエアをその案内面に沿って内向きに噴き出させることができる。
【0010】
また、請求項4及び請求項5のように、環状チャンバ内にその周方向に対して異なる角度から空気を噴射する複数組の空気ノズルを形成しておき、前記各組の空気ノズルに選択的又は同時に空気を供給すれば、環状チャンバ内を旋廻する空気流の流速や向きを変えることができ、これによりシェーピングエアの噴出方向を回転霧化頭の回転方向に対して可変制御できる。
ここで、請求項6のように、回転霧化頭の回転方向の傾斜した正方向旋廻流形成用の空気ノズルと、反回転方向に傾斜した逆方向旋廻流形成用の空気ノズルを開口形成しておき、各空気ノズルに選択的又は同時に空気を供給すれば、シェーピングエアの噴出方向を回転霧化頭の回転方向に対して可変制御することができる。
即ち、正方向旋廻流形成用の空気ノズルから空気を供給すれば環状チャンバ内に正方向の旋廻流が形成されて、環状スリットから正方向に回転する螺旋流がシェーピングエアとして噴き出されるので、塗料粒子の流れに沿ったシェーピングエアを形成することができる。
また、逆方向旋廻流形成用の空気ノズルから空気を供給すれば環状チャンバ内に逆方向の旋廻流が形成されて、環状スリットから回転霧化頭の回転方向に対して逆方向に回転する螺旋流がシェーピングエアとして噴き出されるので、塗料粒子の流れを乱すシェーピングエアを形成することができる。
さらに、双方から供給すれば、旋廻流が相殺されて環状チャンバ内が陽圧になるので、捩れのないシェーピングエアを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本例では、回転霧化頭を囲むようにその背面側から噴き出される空気流により、塗装パターンを拡げたり絞ったりするという目的を達成するために、シェーピングエアの噴出方向を可変制御することとした。
【0012】
図1は本発明に係る塗装機の内部構造を示す断面図、図2及び図3はその動きを示す説明図、図4は要部を示す説明図、図5は噴出方向と塗装パターンの関係を示す説明図、 図6は旋廻流と噴出方向の関係を示す説明図、図7は他の例を示す説明図である。
【0013】
図1に示す塗装機1は、機体2に内蔵されたエアモータ3の管状回転軸4の先端に回転霧化頭5が取り付けられ、管状回転軸4内に相通されたフィードチューブ6を介して回転霧化頭5に供給された塗料を遠心力によりその周縁部に形成された霧化エッジ5aから噴霧するようになっている。
【0014】
機体2の先端には、回転霧化頭5から被塗物Wに至る塗料粒子の噴霧領域Sに対しその背面側から噴き出されるシェーピングエア(空気流)の噴出口となる環状スリット7が、回転霧化頭5の周縁部の背面に沿って形成され、この環状スリット7に、シェーピングエアFとなる空気流の噴出方向を調整することにより、塗料が被塗物表面に付着するときの塗装パターンPを整える空気流噴出方向制御機構8が一体に形成されている。
【0015】
空気流噴出方向制御機構8は、回転霧化頭5の回転軸方向に相対移動可能なインナーリング9A及びアウターリング9Bが所定のクリアランスで配されると共に、その間に、環状スリット7と、その環状スリット7に連通する環状チャンバ10が形成されている。
そして、インナーリング9Aの環状スリット開口部には、アウターリング9Bよりインナーリング9Aが突出されたときにシェーピングエアFを外側に向けて噴き出させる外向案内面11Aが形成されている。
また、アウターリング9Bの環状スリット開口部には、インナーリング9Aよりアウターリング9Bが突出したときにシェーピングエアFを内側に向けて噴き出させる内向案内面11Bが形成されている。
【0016】
本例では、機体2に固定されたインナーリング9Aに対して、アウターリング9Bを移動させる位置調整機構12が形成されている。
この位置調整機構12は、インナーリング9Aの外周面に形成されたピストンフランジ13が、アウターフランジ9Bの内周面に形成された凹溝14に内装されて複動シリンダ15が形成され、前記凹溝14にはピストンフランジ13に対してアウターリング9Bを中立位置に維持するスプリング16が配されると共に、ピストンフランジ13の両面側に選択的に駆動エアを供給するエア駆動系17を備えている。
【0017】
このエア駆動系17から駆動エアが供給されないときは、インナーリング9Aに対してアウターリング9Bが中立に位置して中立方向(例えば回転軸方向と平行)にシェーピングエアFが噴出される。
そして、ピストンフランジ13の正面側に駆動エアが供給されると、アウターリング9Bが先端側に突出されるので、内向案内面11Bに沿ってシェーピングエアFが内向きに噴き出される。
また、ピストンフランジ13の背面側に駆動エアが供給されると、アウターリング9Bが後退してインナーリング9Aが先端側に突出されるので、外向案内面11Aに沿ってシェーピングエアFが外向きに噴き出される。
なお、エア駆動系17からピストンフランジ13の正面側及び背面側に供給される駆動エアの圧力をコントロールすることにより、アウターリング9Bの位置制御を行って、インナーリング9Aとの間に形成される環状スリット7の開口面積を連続的に変化させることもできる。
【0018】
環状チャンバ10には、その周方向に対して異なる角度から空気を噴射する複数組の空気ノズル21A及び21Bが開口形成され、各組の空気ノズル21A及び21Bに選択的又は同時に空気を供給することによりシェーピングエアFの噴出方向を回転霧化頭5の回転方向に対して可変制御するエア供給系22に接続されている。
【0019】
本例では、回転霧化頭5の回転方向Rに向かって環状チャンバ10内に空気を噴射する正方向旋廻流形成用空気ノズル21Aと、反回転方向に向かって環状チャンバ10内に空気を噴射する逆方向旋廻流形成用空気ノズル21Bが形成されている。
【0020】
そして、エア供給系22により正方向旋廻流形成用空気ノズル21Aから空気を供給すれば、環状チャンバ10内に正方向の旋廻流が形成されて、環状スリット7から正方向に回転する螺旋流がシェーピングエアFとして噴き出され、塗料粒子に作用する回転霧化頭5の遠心力と同じ方向にシェーピングエアFの風力が作用するので、塗料粒子はより遠くへ飛ばされ塗装パターンPが拡径されることとなる。
また、逆方向旋廻流形成用空気ノズル21Bから空気を供給すれば、環状チャンバ10内に逆方向の旋廻流が形成されて、環状スリット7から回転霧化頭5の回転方向Rに対して逆方向の螺旋流がシェーピングエアFとして噴き出され、塗料粒子に作用する回転霧化頭5の遠心力と反対方向にシェーピングエアFの風力が作用するので、遠心力が打ち消されて塗料粒子は遠くまで飛ばずに塗装パターンPが縮径されることとなる。
さらに、双方の空気ノズル21A及び21Bから空気を供給すれば、旋廻流が相殺されて環状チャンバ10内が陽圧になるので、捩れのないシェーピングエアFが噴き出される。
さらにまた、エア供給系22は、双方の空気ノズル21A及び21Bに供給される空気圧を電空レギュレータ、エア絞り弁、エアレギュレータ(いずれも図示せず)などの空気圧制御手段により増減させることにより、環状チャンバ10内の空気圧を増減させて、塗装パターンを微調整することができる。
【0021】
以上が本発明の一構成例であって、次にその作用について説明する。
エア駆動系17からエアを供給しないで塗装すると、インナーリング9Aに対してアウターリング9Bが中立に位置して、いずれの案内面11A及び11Bも露出されないので、その中立方向(例えば回転軸方向と平行)にシェーピングエアFが噴き出される(図5(a)参照)。
ここで、例えば、被塗物表面の塗り幅が狭くなって塗装パターンを絞る必要が生じた場合は、塗料の供給量を減少させると同時に、エア駆動系17からピストンフランジ13の正面側にエアを供給すれば、アウターリング9Bが先端側に突出されるので、内向案内面11Bが露出し、シェーピングエアFは内向きに噴き出される(図5(b)参照)。
これにより、塗料の噴霧領域SがシェーピングエアFにより絞られ、膜厚を一定に維持したまま塗装パターンPを確実に小さくすることができる。
なお、アウターリング9Bの突出量を大きくすれば、開口面積が拡がるので同じ供給圧であればシェーピングエアFの風速を遅くすることができ、突出量を小さくすれば、開口面積が狭くなるので同じ供給圧であれば風速を早くすることができる。
【0022】
また、被塗物表面の塗り幅が広くなって塗装パターンを拡げる必要が生じた場合は、塗料の供給量を増大させると同時に、エア駆動系17からピストンフランジ13の背面側にエアを供給すれば、アウターリング9Bが後退してインナーリング9Aが相対的に突出されるので、外向案内面11Bが露出し、シェーピングエアFは外向きに噴き出される(図5(c)参照)。
これにより、回転霧化頭5から噴霧された塗料粒子を規制するシェーピングエアFの噴出角が拡がるので、シェーピングエアFにより規制される噴霧領域Sが拡がって、膜厚を一定に維持したまま塗装パターンPを拡げることができる。
なお、インナーリング9Aの突出量を大きくすれば、開口面積が拡がるので同じ供給圧であればシェーピングエアFの風速を遅くすることができ、突出量を小さくすれば、開口面積が狭くなるので同じ供給圧であれば風速を早くすることができる。
【0023】
さらに、本例では、環状チャンバ10内に形成される旋廻流の向きを可変制御できるので、上述したそれぞれの場合について、シェーピングエアFを回転方向に対して正逆方向の螺旋流として噴出させることにより、塗装パターンPの大きさを微調整することができる。
【0024】
すなわち、正方向旋廻流形成用空気ノズル21Aから空気を供給すれば、環状チャンバ10内に回転霧化頭5の回転方向に等しい正方向の旋廻流が形成されて、環状スリット7から正方向に回転する螺旋流がシェーピングエアFとして噴き出されるので、塗料粒子の流れに沿った空気流が形成される(図6(a)参照)。
その結果、塗料粒子に作用する回転霧化頭5の遠心力と同じ方向にシェーピングエアFの風力が作用するので、塗料粒子はより遠くへ飛ばされ塗装パターンPが拡径されることとなる。
【0025】
また、逆方向旋廻流形成用空気ノズル21Bから空気を供給すれば、環状チャンバ10内に逆方向の旋廻流が形成されて、環状スリット7から回転霧化頭5の回転方向に対して逆方向の螺旋流がシェーピングエアFとして噴き出されるので、塗料粒子の流れと逆方向の空気流が形成される(図6(b)参照)。
その結果、塗料粒子に作用する回転霧化頭5の遠心力と反対方向にシェーピングエアFの風力が作用するので、遠心力が打ち消されて塗料粒子は遠くまで飛ばずに塗装パターンPが縮径されることとなる。
【0026】
さらに、双方の空気ノズル21A及び21Bから空気を供給すれば、旋廻流が相殺されて環状チャンバ10内が陽圧になるので、シェーピングエアFは螺旋流とならずに噴出される(図6(c)参照)。
その結果、回転霧化頭5の遠心力と同じ方向の螺旋流を形成した場合と、反対方向の螺旋流を形成した場合の中間の大きさの塗装パターンPとなる。
【0027】
さらに、本例では、エア供給系22により夫々の空気ノズル21A及び21Bから噴き出される空気圧を調整することができる。
このとき、エア供給系22により夫々の空気ノズル21A及び21Bから噴き出される風速を調整することにより、環状チャンバ10内の旋廻流の風速さ及び向きを自由に調整することができる。
また、各空気ノズル21A及び21Bから等しい風速で空気を噴出せば、環状チャンバ10内の旋廻流を停止させた状態で環状チャンバ10の内圧のみを調整できる。
そして、いずれの場合も環状チャンバ10の内圧が高ければ、環状スリット7から噴き出されるシェーピングエアFの風速が大きくなって、シェーピングエアFが塗装パターンPに与える影響が高くなり、その結果、塗装パターンPが小さくなり、空気圧を低くすると塗装パターンPが大きくなる。
【0028】
なお、上述の説明では、シェーピングエアFの噴出方向を内外に可変制御すると共に、回転方向に可変制御する場合について説明したが、シェーピングエアFの噴出方向を内外にのみ可変制御する場合でも、回転方向にのみ可変制御する場合であってもよい。
また、環状チャンバ10に旋廻流の向きを変える正方向旋廻流形成用空気ノズル21A及び逆方向旋廻流形成用空気ノズル21Bを配した場合について説明したが、図7に示すように同じ方向で角度の異なる複数組の空気ノズル22A、22Bを形成しても良い。
この場合は、旋廻流の方向を変えずに速度を変えることができ、その結果、その速度に応じて塗装パターンPの大きさを微調整することができる。
さらに、インナーリング9Aを固定しアウターリング9Bを進退可能に配した場合について説明したが、アウターリング9Bを固定しインナーリング9Aを進退可能に配する場合であっても、双方を互いに逆方向に進退させる場合であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上述べたように、本発明は、回転霧化頭から噴霧される塗料粒子が被塗物表面に付着するときの塗装パターンをシェーピングエアによりコントロールする塗装機に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る塗装機の内部構造を示す断面図。
【図2】その動きを示す説明図。
【図3】その動きを示す説明図。
【図4】要部を示す説明図。
【図5】噴出方向と塗装パターンの関係を示す説明図。
【図6】旋廻流と噴出方向の関係を示す説明図。
【図7】他の例を示す説明図。
【図8】従来の塗装機を示す説明図。
【符号の説明】
【0031】
1 塗装機
2 機体
5 回転霧化頭
W 被塗物W
S 噴霧領域
7 環状スリット
P 塗装パターン
8 空気流噴出方向制御機構
9A インナーリング
9B アウターリング
10 環状チャンバ
11A 外向案内面
11B 内向案内面
12 位置調整機構
21A 正方向旋廻流形成用空気ノズル
21B 逆方向旋廻流形成用空気ノズル



【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体先端に配された回転霧化頭を囲むようにその背面側から噴き出される空気流の噴出方向を調整して塗装パターンを整える空気流噴出方向制御機構を備えた塗装機において、
前記空気流噴出方向制御機構が、回転霧化頭の周縁部の背面に沿って機体先端に形成されたシェーピングエア噴出口となる環状スリットに一体的に形成されたことを特徴とする塗装機。
【請求項2】
前記環状スリットに供給される空気圧を制御する空気圧制御手段を備えた請求項1記載の塗装機。
【請求項3】
前記空気流噴出方向制御機構として、回転霧化頭の回転軸方向に相対移動可能なインナーリング及びアウターリングが所定のクリアランスで配されると共に、その間に、前記環状スリットとその環状スリットに連通する環状チャンバが形成され、
前記インナーリングの環状スリット開口部にはインナーリングが突出したときにシェーピングエアを外側に向けて噴き出させる外向案内面が形成されると共に、前記アウターリングの環状スリット開口部にはアウターリングが突出したときにシェーピングエアを内側に向けて噴き出させる内向案内面が形成されてなる請求項1記載の塗装機。
【請求項4】
前記環状チャンバ内にその周方向に対して異なる角度から空気を噴射する複数組の空気ノズルを備え、前記各組の空気ノズルに選択的又は同時に空気を供給することによりシェーピングエアの噴出方向を回転霧化頭の回転方向に対して可変制御するエア供給系を備えた請求項3記載の塗装機。
【請求項5】
前記空気流噴出方向制御機構として、前記環状スリットを有する環状チャンバ内にその周方向に対して異なる角度から空気を噴射する複数組の空気ノズルを備え、前記各組の空気ノズルに選択的又は同時に空気を供給することによりシェーピングエアの噴出方向を回転霧化頭の回転方向に対して可変制御するエア供給系を備えた請求項1記載の塗装機。
【請求項6】
前記空気ノズルが、回転霧化頭の回転方向に向かって環状チャンバ内に空気を噴射する正方向旋廻流形成用空気ノズルと、反回転方向に向かって環状チャンバ内に空気を噴射する逆方向旋廻流形成用空気ノズルからなる請求項4又は5記載の塗装機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−21328(P2007−21328A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205322(P2005−205322)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000110343)トリニティ工業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】