説明

増幅核酸の検出装置及び検出方法

【課題】小型且つ安価な増幅核酸の検出装置、及び該装置を用いる増幅核酸の簡便かつ高精度な検出方法を提供する。
【解決手段】核酸溶液を保持する平面状の試料保持部が表面に設けられ、前記核酸溶液及び前記核酸溶液を被覆する被覆液を保持する基板と、前記基板の温度を調節する温調手段と、前記核酸溶液中の光シグナルを検出するシグナル検出手段と、前記基板上の核酸溶液中及び被覆液中の気泡の有無を検出する気泡検出手段と、を備える増幅核酸の検出装置;基板表面に設けられた平面状の試料保持部に核酸溶液を保持し、該核酸溶液を被覆液で被覆して、前記核酸溶液中及び被覆液中の気泡の有無を検出し、気泡を検出しなかった場合に、前記試料保持部において核酸増幅反応を行い、得られた増幅産物を検出する増幅核酸の検出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅核酸の検出装置及び該装置を用いる増幅核酸の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリメラーゼ連鎖反応(以下、PCRと略記する)は、核酸分子中の特定領域を容器内で100万倍にも増幅する反応である。そして、増幅された核酸の一般的な検出方法としては、PCR終了後の反応溶液をアガロースゲル電気泳動に供して各核酸断片を分離してから染色し、分離された核酸断片の大きさ(分子量)により、目的とする増幅核酸を判別する方法や、前記反応溶液をドットハイブリダイゼーション法に供して、目的とする増幅核酸を検出する方法が汎用されている。
しかしながら、PCRを利用した従来の増幅核酸の検出方法においては、PCR終了後の核酸増幅反応混合物を、一旦反応容器から取り出して処理する必要があるため、検出結果を得るのに時間を要し煩雑な作業を伴うという問題点がある。また、増幅核酸が環境中に飛散して、検出に供する他の検体に混入することがあり、この場合、混入した増幅核酸がPCRの鋳型となってしまい、他の検体の検査が正確に行えなくなるという問題点があった。また、PCR法の欠点として、検体中の増幅対象である標的核酸の初期濃度が分かりにくいという問題点もある。
【0003】
そこで、PCR反応を行いながら増幅核酸の量を定量する方法が提案されている。
例えば、核酸増幅反応混合物を収容する小びんを備えた温度サイクルブロックを有する装置を使用して、PCRをモニターしながら、増幅核酸の量を定量する方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。これらの方法においては、二本鎖核酸が存在する時に、その量に比例した強度の蛍光を発する蛍光染料を核酸増幅反応混合物に含有させておき、蛍光シグナルを検出することで、核酸濃度を算出する。蛍光シグナルの検出は、ビームスプリッタから、蛍光染料を励起する励起ビームを前記小びんに照射して、蛍光染料から蛍光を発光させる。蛍光染料からの発光ビームは、ビームスプリッタによってCCD検出器に導かれて検出される。
また、加熱/冷却ブロック中に備えられたPCRチューブに光ファイバリードが接続された装置を使用して、PCRをモニターしながら、増幅核酸の量を定量する方法が提案されている(特許文献4参照)。この方法においては、前記光ファイバリードを使用して、蛍光染料を励起する励起光をPCRチューブに照射し、生じた蛍光を同じ光ファイバリードを使用して分光蛍光検出装置に導き、検出する
【特許文献1】特表2003−524754号公報
【特許文献2】特表2005−526252号公報
【特許文献3】特開2005−274579号公報
【特許文献4】特開平10−201464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1〜4で提案されている検出方法では、PCRを行い、且つ増幅核酸を検出する際に使用する反応容器として、マイクロタイタープレート、バイアル又はサンプルチューブを採用している。この場合通常、核酸増幅反応混合物は、前記反応容器内の試料充填部下方に存在する。
そして、特許文献1〜3で提案されている検出方法では、増幅核酸を検出する際には、励起光を核酸増幅反応混合物に正確に照射して焦点を結ばせることが必要となる。この場合、前記反応容器が複数存在し、精度を損ねることなくこれらすべての反応容器中の増幅核酸を検出するためには、これらすべての核酸増幅反応混合物に焦点を結ばせることが必要となり、そのためには、前記反応容器上方にレンズを設け、さらにこのレンズ上方に、複雑で高価なテレセントリックな光学系を設けることが必要となる。
また、特許文献4で提案されている検出方法では、励起光及び蛍光を導くための光ファイバが必要となる。
このように、従来の検出装置は特殊な構造を必要とし、装置が大型且つ高価になるという問題点があった。また、このような検出装置を使用する検出方法は、操作が煩雑であるという問題点があった。このように、目的とする増幅核酸を、精度を損ねることなく、簡便かつ低コストに検出することは困難であるのが実情であった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、小型且つ安価な増幅核酸の検出装置、及び該装置を用いる増幅核酸の簡便かつ高精度な検出方法を提供すること課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、増幅核酸の検出装置であって、核酸溶液を保持する平面状の試料保持部が表面に設けられ、前記核酸溶液及び前記核酸溶液を被覆する被覆液を保持する基板と、前記基板の温度を調節する温調手段と、前記核酸溶液中の光シグナルを検出するシグナル検出手段と、前記基板上の核酸溶液中及び被覆液中の気泡の有無を検出する気泡検出手段と、を備えることを特徴とする増幅核酸の検出装置である。
請求項2に記載の発明は、前記基板表面に、試料保持部である第一親水性領域と、該第一親水性領域周縁部を包囲する第一撥水性領域とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の増幅核酸の検出装置である。
請求項3に記載の発明は、前記基板において、さらに前記第一撥水性領域の外側周縁部を包囲する第二親水性領域と、該第二親水性領域の外側周縁部を包囲する第二撥水性領域とが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の増幅核酸の検出装置である。
請求項4に記載の発明は、さらに前記基板の画像を撮影する撮像手段を備え、前記気泡検出手段は撮像データから気泡の有無を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の増幅核酸の検出装置である。
請求項5に記載の発明は、前記撮像手段及びシグナル検出手段が一体化されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の増幅核酸の検出装置である。
請求項6に記載の発明は、前記気泡検出手段の検出結果に基づいて、気泡を検出しなかった場合に核酸増幅反応を行い、気泡を検出した場合に核酸増幅反応を行わないように核酸増幅反応の制御を行う反応制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の増幅核酸の検出装置である。
【0007】
請求項7に記載の発明は、基板表面に設けられた平面状の試料保持部に核酸溶液を保持し、該核酸溶液を被覆液で被覆して、前記核酸溶液中及び被覆液中の気泡の有無を検出し、気泡を検出しなかった場合に、前記試料保持部において核酸増幅反応を行い、得られた増幅産物を検出することを特徴とする増幅核酸の検出方法である。
請求項8に記載の発明は、前記被覆液が、前記核酸溶液よりも比重が小さく且つ沸点が100℃以上の非水溶性の液体であることを特徴とする請求項7に記載の増幅核酸の検出方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板平面上で保持された増幅核酸を高精度に検出できる。そして、基板平面上で保持された増幅核酸を検出するので、装置にテレセントリックな光学系や光ファイバが不要となる。そして、例えば、顕微鏡の光学系を使用でき、複数の核酸増幅反応混合物が発する光シグナルを同時に検出できる。このように、特殊な構造を必要としないので、検出装置を小型化できると共に安価に作製できる。さらに、検出方法を簡略化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明について詳しく説明する。
<検出装置>
本発明に係る増幅核酸の検出装置は、核酸溶液を保持する平面状の試料保持部が表面に設けられ、前記核酸溶液及び前記核酸溶液を被覆する被覆液を保持する基板と、前記基板の温度を調節する温調手段と、前記核酸溶液中の光シグナルを検出するシグナル検出手段と、前記基板上の核酸溶液中及び被覆液中の気泡の有無を検出する気泡検出手段と、を備えることを特徴とするものである。
ここで増幅核酸とは、PCR法等、公知の手法を適用して増幅された核酸のことであり、核酸としては、DNA、RNA、その他のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド等いずれでも良い。
【0010】
前記溶液中の核酸は、例えば、増幅反応で得られた増幅核酸、増幅反応時に鋳型となる核酸、増幅核酸の原料となる核酸、プライマー等である。すなわち、核酸溶液としては、酵素などの増幅反応に必要な各成分を含有する増幅反応開始前の反応液や、増幅反応中の反応液が例示できる。これら反応液は、通常水溶液である。
【0011】
前記光シグナルとは、光学的に検出可能なシグナルであり、前記溶液中の核酸や、該核酸以外に別途含まれている標識物質などが発するものである。そして、光シグナルは通常、溶液中の核酸や標識物質などが、励起光の照射等により励起された結果発するものである。
【0012】
前記標識物質としては、好ましいものとして蛍光物質が例示できる。
そして、該蛍光物質としては、公知の如何なるものも使用でき特に限定されない。具体的には、フルオレセイン、ローダミン(ローダミングリーン、TAMRA等)、アクリフラビン、アレクサ(アレクサ647等)、サイバーグリーン(SYBR Green)等が例示できる。
例えば、サイバーグリーンI(SYBR GREEN I)は、二重らせん構造を形成している核酸と特異的にインターカレートし、その結果、青色光(波長488nm)を吸収し、緑色光(波長522nm)の蛍光を発することが知られている。したがって、サイバーグリーンIを含む反応液を増幅反応に供して核酸を増幅すると、増幅された核酸の二重らせんにサイバーグリーンIがインターカレートするので、励起光を照射すると蛍光を発し、この時の蛍光強度は、増幅された核酸の量に比例する。
【0013】
標識物質は一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率等は、目的に応じて適宜選択し得る。
また、増幅産物に導入する標識物質の量も、目的に応じて適宜選択し得る。
【0014】
図1は、本発明に係る増幅核酸の検出装置を例示する概略構成図である。
ここに例示する検出装置は、主に核酸の増幅に関わる構成として、基板2、温調手段4を備え、主に増幅核酸の検出に関わる構成として、シグナル検出手段13、気泡検出手段を備える。後記するように、ここでは、気泡検出手段はシグナル検出手段13に一体化されている。また、その他に、主に光シグナルの発生や伝達に関わる構成として、照明用光学系5、光源6、励起フィルタ7、ミラー8、対物レンズ9、吸収フィルタ10等を備える。これらは、例えば、通常の蛍光検出装置において使用されるもので良い。
【0015】
基板2の材質は特に限定されないが、透光性の材質が好ましい。透光性の材質とは、光の透過率が高く且つ自家蛍光の少ない材質を指し、具体的にはガラス類や透明な樹脂類が例示できる。なかでも好ましいものとしては、水板ガラス、白板ガラス、ハーフホワイトガラス等のガラス類が例示できる。
基板2は、表面及び裏面が平滑なものが好ましい。ここで、基板の表面とは、後記する試料保持部が設けられている側の基板2の面を指し、基板の裏面とは、前記表面とは反対側の基板2の面を指す。
基板2の大きさは特に限定されず、例えば表面及び裏面の大きさは、目的に応じて適宜選択し得る。また、基板2の厚みも目的に応じて適宜選択し得るが、強度も考慮して取り扱いのし易さという観点からは、0.9〜1.1mmであることが好ましい。
【0016】
基板の表面には、核酸溶液を保持するための試料保持部が設けられている。試料保持部は、検出対象の増幅核酸を得るために、核酸増幅反応を行う部位でもある。
試料保持部は平面状であり、スポットした溶液を保持できれば如何なる形態でも良く、基板表面の特定領域をそのまま試料保持部としても良いが、試料を安定して保持できる形態とすることが好ましい。試料を安定して保持するためには、試料保持部の少なくとも一部の領域を親水性としたものが例示できる。このような基板の一例として、溶液を保持した状態のものを図2に例示する。図2(a)は、基板2の斜視図、(b)は(a)のII−II線における基板2の断面図である。
【0017】
図2(b)に示すように、基板の表面21には、第一親水性領域211と、該第一親水性領域211の周縁部を包囲する第一撥水性領域212とが設けられている。核酸溶液20は、試料保持部である第一親水性領域211上で安定して保持される。そして、第一撥水性領域212を設けることで、溶液20の移動が抑制されるので、溶液20がより安定して保持される。第一親水性領域211は、平面状であればその外形は特に限定されず、目的に応じて選択すれば良いが、図2に示すように略円形状が好ましい。第一撥水性領域212も平面状であることが好ましい。そしてその外形は特に限定されず、目的に応じて選択すれば良いが、リング状であることが好ましい。このようにすることで、核酸溶液20がより安定して保持される。
【0018】
基板の表面21においては、図2に示すように、第一撥水性領域212の外側周縁部を包囲する第二親水性領域213と、該第二親水性領域213の外側周縁部を包囲する第二撥水性領域214とが設けられていることが好ましい。このようにすることで、保持された核酸溶液20の蒸発を防ぐために、被覆液25で核酸溶液20を被覆した際に、被覆液25も安定して保持できる。第二親水性領域213及び第二撥水性領域214は平面状であることが好ましい。そして、第二親水性領域213の外形は特に限定されないが、リング状であることが好ましい。このようにすることで、被覆液25がより安定して保持される。また、第二撥水性領域214の外形はリング状でも良いし、その他の形状でも良く、特に限定されない。そして、第一親水性領域211、第一撥水性領域212及び第二親水性領域213は、同心状に設けられていることが好ましい。
【0019】
被覆液25としては、核酸溶液20の主溶媒である水の蒸発を抑制し、核酸増幅時における核酸溶液20の加温にも耐えるようにするという目的から、核酸溶液20よりも比重が小さく且つ沸点が100℃以上である非水溶性の液体が好ましい。このような物性を有するものであれば如何なるものも使用し得るが、好ましい市販品として、各種ミネラルオイルが例示できる。核酸溶液20を直接被覆することで、マイクロタイタープレートやサンプルチューブを使用した場合のように、核酸溶液20近傍に多量の空気層が存在することがなく、例えばPCRの熱サイクル中に核酸溶液20が蒸発することがなく、核酸溶液20の濃度変化が抑制されるので、安定して核酸増幅を行うことができる。
そして、基板の表面21に、第二親水性領域213及び第二撥水性領域214を設けることで、上記のような物性を有する被覆液25の移動が抑制される。
【0020】
親水性領域及び撥水性領域の寸法は、目的に応じて適宜選択し得る。例えば、0.2〜3μL程度の極微量の核酸溶液20を保持する場合には、第一親水性領域211の直径D1は0.5mm〜6mmとすることが好ましく、第一撥水性領域212の幅L1及び第二親水性領域213の幅L2は0.2mm〜3mmとすることが好ましい。第二撥水性領域214の寸法は、基板2の大きさや試料保持部の数を考慮して、任意に選択し得る。例えば、図2に示すように、第二親水性領域213の外側全面を第二撥水性領域214としても良い。
【0021】
親水性領域及び撥水性領域を有する基板2は、公知の方法で作製できる。具体的には、基板表面に親水処理及び撥水処理を施す方法、親水性基板表面に撥水処理を施す方法が例示できる。
親水処理としては、水酸基、アミノ基又はカルボキシ基等の親水性の官能基を基板表面に導入するものが例示できる。撥水処理としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基等の低極性の官能基や、一つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基又はアルコキシ基等の疎水性の官能基を基板表面に導入するものが例示できる。
このような、親水性領域及び撥水性領域を有する基板2としては市販品を使用しても良く、例えば、極微量の核酸溶液20を保持する目的においては、Advalytix社製のAmpliGrid(登録商標)が好適である。
【0022】
基板2は、核酸溶液20中への異物の混入を防止するため、図1に示すように、カバー3で被覆することが好ましい。
カバー3の材質は、基板2への励起光の照射、及び光シグナルの検出を妨げないように、透光性を有する材質であることが好ましい。具体的には、基板2と同様の透光性を有する材質が例示できる。
【0023】
温調手段4は、試料保持部に保持された核酸溶液20中でPCR等の核酸増幅を行う時に、図1に示すように、基板2を装着してその温度を調節するものである。基板2は通常、基板裏面22が温調手段4の熱伝導部に接触するように装着される。
温調手段4は、加温及び冷却が可能な公知のものから適宜選択して使用できるが、温度調節を迅速かつ高精度に行える観点から、市販品を使用してもよく、例えば、PCR用のサーマルサイクラーが好適である。
基板2は、温調手段4の熱伝導部に直接接触させて装着してもよいし、熱伝導性の材質からなる介在物を介して間接的に接触させて装着してもよい。
なお、ここでは、基板2を温調手段4に装着した例について示しているが、例えば、別途設けた支持体で基板2を支持しながら、温調手段の熱伝導部を直接又は間接的に基板2に接触させてもよい。
【0024】
温調手段4の熱伝導部の材質は、耐熱性で且つ熱伝導性の高いものが好ましく、アルミニウム、鉄、銅などの金属、ステンレスなどの合金、熱伝導性の各種樹脂類が例示できる。なかでも安定性、熱伝導性に優れることから、金属又は合金が好ましく、アルミニウムが特に好ましい。
【0025】
温調手段4は、図1に示すように、コンピュータ15に電気的に接続されていることが好ましい。このようにすることで、核酸増幅時における温度、時間、サイクル数などを自動で制御できる。また、核酸溶液中の気泡の有無の検出結果に基づいて、核酸増幅反応の進行又は停止を自動で制御できる。これにより、膨大な数のサンプルも迅速に処理できる。
【0026】
温調手段4の配置位置は、試料中の光シグナルの検出を妨げない限り特に限定されない。
温調手段4は、公知の加温冷却装置等と同様に作製できる。
【0027】
光源6は、核酸溶液中への照射による励起で、光シグナルを生じさせるものであり、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプが使用できる。
また、照明用光学系5は公知のものでよく特に限定されない。
【0028】
励起フィルタ7は、光源6からの照射光60のうち、励起に必要な特定範囲の波長の光のみを透過させて励起光61とするものであり、励起対象、例えば標識物質の種類に応じて選択すれば良い。そして、反射光や迷光から生じるゴースト像の発生を防止するために、励起に必要な波長範囲以外の光を精度良く減衰させるものが好ましく、例えば、蛍光物質としてサイバーグリーンを使用する場合には、488nm近傍を中心とする波長帯域の光を透過させるものが好ましい。
【0029】
ミラー8は、励起光61を反射又は透過させてこれを標識物質に導く。
対物レンズ9は、励起光61により励起されて生じた光シグナルを拡大して通過させる。
吸収フィルタ10は、光シグナルの特定範囲の波長の光のみを透過させ、検出光とするものであり、光シグナルに応じて選択すれば良い。そして、反射光や迷光から生じるゴースト像の発生を防止するために、目的とする波長範囲以外の光を精度良く減衰させるものが好ましく、例えば、蛍光物質としてサイバーグリーンを使用する場合には、522nm近傍を中心とする波長帯域の光を透過させるものが好ましい。
【0030】
シグナル検出手段13は、光シグナルの強度を検出できるものであれば良く、公知の光検出器等を使用できる。ここでは、核酸溶液中の光シグナルのうち、吸収フィルタ10を透過した検出光を検出するようになっている。なかでも、基板2を撮影できる撮像手段と一体化されたものが好ましく、基板2の撮像データから光シグナルの強度を算出できるものがより好ましく、CCDカメラを備えたものが例示できる。
【0031】
また、シグナル検出手段13は、コンピュータ15に電気的に接続されていることが好ましい。このようにすることで、光シグナルの検出結果に基づいて、増幅核酸の量を自動で算出できる。また、シグナル検出手段13が撮像手段と一体化されていれば、光シグナル検出時の撮像回数、撮像タイミング、露光時間等を自動で制御できる。これにより、膨大な数のサンプルも迅速に処理でき、所望の情報を効率的且つ高精度に入手できる。
【0032】
気泡検出手段は、核酸溶液又は被覆液の画像を光学的に解析できるものが好ましく、基板2の撮像データから気泡の有無を検出できるものが好ましい。この場合、吸収フィルタ10を介さずに撮像データを取得するのが好ましい。したがって、吸収フィルタ10は、検出装置において移動可能とされていることが好ましく、例えば、検出装置に設けられた回転軸に固定され、該回転軸の回転に伴ってフィルタ面と略平行な面内において移動可能とされた、ターレット式のものが好ましい。
図1に示すように、撮像手段がシグナル検出手段13と一体化されている場合には、コンピュータ15によって、撮像データの自動解析が可能なので、気泡の有無を自動で効率的に判別できる。
【0033】
ここでは、シグナル検出手段、撮像手段及び気泡検出手段を一体に設けた例を示しており、このような構成とすることで検出装置を小型化かつ合理化しているが、これら各手段を個別に設けても良い。この場合にも、シグナル検出手段、撮像手段及び気泡検出手段は、コンピュータ15に電気的に接続することが好ましい。
【0034】
本発明においては、図1に示すように、暗箱14を設けることが好ましい。このようにすることで、正確に特定範囲の波長の励起光を照射でき、光シグナルの検出を高精度に行なうことができる。また、暗箱14を使用する代わりに、光シグナルの検出を暗室内で行っても良いし、暗幕を使用して光シグナルの検出を行っても良い。
【0035】
本発明においては、励起フィルタ7に代わり、励起光を透過させるダイクロイックミラーを使用しても良いし、吸収フィルタ10に代わり、検出光を透過させるダイクロイックミラーを使用しても良い。
【0036】
上記のように、コンピュータ15により、検出装置の制御及び情報処理を行うことができる。
気泡の検出に際しては、基板2の撮像条件及び撮像データ解析条件を予め設定しておくことで、撮像データの取得及び解析、並びに気泡の有無の判別を自動で行うことができる。
核酸の増幅に際しては、増幅反応の進行条件を予め設定しておくことで、増幅反応の進行及び停止を自動で行うことができる。また、増幅反応時の温度、時間、サイクル数等の増幅条件を予め設定しておくことで、増幅反応を自動で行うことができる。
光シグナルの検出に際しては、シグナルデータ解析条件を予め設定しおくことで、増幅核酸の量を自動で算出できる。この時、光シグナルの検出を基板2の撮像により行う場合には、シグナル検出手段13の撮像回数、撮像タイミング、露光時間等の検出条件を予め設定しておくことで、シグナルデータの取得を自動で行うことができる。
【0037】
なお、本発明の検出装置においては、本発明の効果を損なわない範囲において、上記構成の一部を削除又は変更しても良いことは、言うまでも無い。
【0038】
本発明の検出装置においては、基板2平面上で保持された核酸溶液20中の増幅核酸を検出できるので、従来のテレセントリックな光学系や光ファイバが不要である。そして、例えば、顕微鏡の光学系を使用でき、基板2上の複数の光シグナルも同時に検出できる。また、基板2と核酸溶液20との接触面で焦点調整を行うので、焦点位置を溶液量に影響されることなく一定にでき、核酸溶液20ごとに焦点調整を行う必要がない。したがって、装置の小型化と安価な作製が可能である。
【0039】
<検出方法>
本発明に係る増幅核酸の検出方法は、基板表面に設けられた平面状の試料保持部に核酸溶液を保持し、該核酸溶液を被覆液で被覆して、前記核酸溶液中及び被覆液中の気泡の有無を検出し、気泡を検出しなかった場合に、前記試料保持部において核酸増幅反応を行い、得られた増幅産物を検出することを特徴とするものである。そして、上記本発明の検出装置を使用するのが好適である。
本発明においては、気泡の有無の検出に供する核酸溶液は、増幅反応開始前の反応液でもよいし、増幅反応中の反応液でもよい。
すなわち、増幅反応開始前の反応液中及び被覆液中の気泡の有無を検出し、気泡が存在しないことを確認してから核酸増幅反応を行えばよい。あるいは、増幅反応開始前に気泡が存在しなかった反応液中及び被覆液中には、何らかの理由により増幅反応開始後に気泡が生じることがあるので、増幅反応中の反応液中及び被覆液中の気泡の有無を検出し、気泡が存在することを確認したら増幅反応を停止すればよい。
【0040】
核酸溶液中に気泡が存在すると、増幅反応中の温度変化に伴って気泡が破裂し、核酸溶液が飛散することがある。この場合、破裂が生じた核酸溶液においては、その組成が破裂前と異なることがある。さらに、試料保持部が平面状であると、飛散した液が、同時に増幅反応を行っている他の核酸溶液中に混入し易い。すると、増幅反応を正確に行うことができず、増幅核酸の検出精度が低下してしまう。これは被覆液についても同様であり、被覆液中の気泡が破裂することで、被覆されていた核酸溶液が飛散してしまうことがある。しかし、本発明においては、核酸溶液中及び被覆液中のいずれかに気泡が存在する場合には増幅反応を行わないので、核酸溶液の飛散や、飛散した液の混入が防止され、高精度に増幅核酸を検出できる。被覆液中の気泡の有無の検出は、核酸溶液中の場合と同様に行えば良い。
【0041】
本発明の検出方法においては、例えば図2で例示したように、好ましくは親水性領域及び撥水性領域が設けられた基板を使用して、核酸溶液を被覆液で被覆する。このようにすることで、増幅反応中の核酸溶液の蒸発が抑制され、核酸増幅を安定して行うことができる。
そして、核酸増幅反応を検出装置の試料保持部で行いながら、得られた反応液中及び被覆液中の気泡の有無をリアルタイムで検出できるし、増幅核酸をリアルタイムで検出できる。
【0042】
試料保持部に保持する核酸溶液の量は、目的に応じて設定すれば良いが、試料保持部の平面上に溶液を保持するので、極微量としても高精度に増幅核酸を検出できる。例えば、図2に示すような基板を使用する場合には、溶液の量は0.1〜5μLであることが好ましく、0.2〜3μLであることがより好ましく、0.5〜2μLであることが特に好ましい。
また被覆液の量は、核酸溶液を被覆できる範囲で選択すれば良いが、例えば、核酸溶液の量が上記範囲である場合には、1〜10μLであることが好ましく、2〜8μLであることがより好ましく、4〜6μLであることが特に好ましい。
【0043】
本発明の検出方法において、核酸増幅反応は、前記基板を使用してその試料保持部で行うこと以外は公知の方法で行うことができる。例えば、基板の温度調節を特定の温度サイクルで行うことができるので、PCR法等の核酸増幅法も容易に適用できる。
【0044】
また、増幅核酸の検出も、前記基板を使用すること以外は、公知の方法で行うことができ、例えば、増幅反応後の核酸溶液中における光シグナルを検出すれば良い。そして、例えば、標識物質、好ましくはサイバーグリーン等の蛍光物質を使用して増幅核酸を標識化することにより、光シグナルの強度が増幅産物の量に比例することを利用して、増幅核酸の量を算出できる。
【0045】
基板の温度調節を特定の温度サイクルで行う場合には、温度サイクルごとに、増幅核酸を一回又は二回以上検出することが好ましい。このように増幅核酸をリアルタイムで検出し、定量することにより、鋳型として使用した核酸の増幅反応前の量を迅速且つ高精度に定量できる。増幅核酸を定量する回数は、状況に応じて選択すれば良い。
同様に、気泡の有無の検出も、温度サイクルごとに一回又は二回以上行うことが好ましい。このようにリアルタイムで検出することにより、高精度に増幅核酸を検出できる。
【0046】
次に、図1に示す検出装置を使用した場合の本発明の検出方法について、具体的に説明する。
光源6からの照射光60は、励起フィルタ7によって、特定範囲の波長の光のみが透過して励起光61となり、照明用光学系5を通過後、ミラー8によって反射され、基板2上の核酸溶液20に照射される。
励起光61の照射により生じた光シグナル200は、対物レンズ9を通過し、吸収フィルタ10によって、特定範囲の波長の光のみが透過して、検出すべき検出光201となる。そして、検出光201はシグナル検出手段13によって検出される。
【0047】
本発明の検出方法においては、上記のように増幅核酸を高精度に検出できる。しかも、平面上に核酸溶液を保持するので、極微量の増幅核酸も検出に供することができる。さらに、平面状に保持した核酸溶液は、該核酸溶液や被覆液中の気泡の破裂に起因する飛散が防止されるので、増幅核酸が極微量でも高精度に検出できる。また、基板と核酸溶液との接触面で焦点調整を行うので、焦点位置を溶液量に影響されることなく一定にでき、検出操作の簡略化が可能である。
【実施例】
【0048】
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0049】
[実施例1]
図1に示す検出装置を使用して、以下に示す方法でRNAの逆転写反応およびPCRを行い、蛍光増幅産物をリアルタイムで検出した。
(検出装置)
核酸溶液を保持する基板として、図2に示す構成のAmpliGrid・AG480F(商品名、Advalytix社製)を使用した。また、サーマルサイクラーとして、AmpliSpeed(商品名、Advalytix社製)を使用し、in vivo生体観察システムOV110(商品名、オリンパス社製)に接続した。この生体観察システムは、CCDカメラを備え、基板を撮像できるものである。また、サーマルサイクラー及び生体観察システムはコンピュータに接続し、自動で制御可能とした。
【0050】
(核酸溶液)
増幅反応を行うための試料として、表1に示す組成の、濃度が5通りのRNA溶液を調製した。なお、表1中、2× SYBR Green Reaction Mix(Invitrogen社製)は、サイバーグリーンIを含む。
【0051】
【表1】

【0052】
(気泡の有無の検出)
ピペットを用いて、前記5種類のRNA溶液を前記基板の親水性領域に1μlずつ分注した。さらに、これら溶液上部に、シーリングソリューション(Advalytix社製)を5μlずつ分注し、図2に示すように、RNA溶液をシーリングソリューションで被覆した。
次いで、この基板を前記検出装置に装着し、基板上の全てのRNA溶液及びシーリングソリューションを一度に撮像した。取得した画像を図3に示す。図3(a)は16ng/μl、(b)は1.6ng/μl、(c)は160pg/μl、(d)は16pg/μl、(e)は1.6pg/μlのRNA濃度の場合の画像である。撮像データを解析した結果、前記5種類のRNA溶液及びシーリングソリューション中には、いずれも気泡が全く検出されなかった。
【0053】
(核酸増幅反応)
この検出結果に基づいて、引き続き、以下に示す温度条件で基板を加熱及び冷却して、基板上に保持した溶液中で逆転写反応とリアルタイムPCRを行った。
・逆転写反応とPCRの温度条件
55℃/30分 → 94℃/2分 → (94℃/15秒 → 55℃/30秒 → 72℃/30秒)×50サイクル → 25℃
【0054】
(光シグナルのリアルタイム検出)
PCR中の各サイクル72℃の工程において、基板上方から励起光を基板に照射し、CCDカメラで基板上の全てのPCR反応液を一度に撮像した。この時、前記生体観察システムの観察チャンネルをGFP領域とし、生じたサイバーグリーンIの蛍光を検出することで、増幅産物を検出した。この時取得した画像を図4に例示する。図4(a)は1サイクル、(b)は20サイクル、(c)は30サイクル時における画像である。
【0055】
(検出結果)
取得した各画像より、カイネティックコンピュータを用いて、各PCR反応液の蛍光強度を算出した。
1サイクル時では、いずれの反応液も蛍光強度は等しかった。これは、PCR産物がまだ増幅されていないことを示しており、蛍光シグナルは増幅反応前のDNA自体に由来するものである。
20サイクル時では、RNA濃度が16ng/μl、1.6ng/μl、160pg/μlである反応液の蛍光強度が強まってきたことが確認でき、蛍光強度は増幅産物の濃度に比例していた。
30サイクル時には、RNA濃度が16ng/μl、1.6ng/μl、160pg/μlである反応液の蛍光強度が等しかった。一方、RNA濃度が16pg/μl、1.6pg/μlである反応液においては、蛍光強度が強まってきたことが確認でき、蛍光強度は増幅RNAの濃度に比例していた。
算出された蛍光強度をサイクル数に対してプロットしたグラフを図5に示す。図5から明らかなように、PCR産物が増幅される速度はRNAの濃度に比例していることが確認された。
【0056】
[実施例2]
実施例1と同様にRNA溶液を調製し、RNA溶液及びシーリングソリューションを撮像し、画像解析した結果、5種類のRNA溶液のうち、RNA濃度が1.6ng/μlであるものに一つの気泡が検出され、残りのRNA溶液及びシーリングソリューション中にはいずれも気泡が全く検出されなかった。この時取得した画像を図6に示す。このように気泡が検出されたので、すべてのRNA溶液について、PCRを一時中止し、気泡が検出されたRNA溶液は除去して、同じ濃度のRNA溶液を再調製して、基板に分注し、シーリングソリューションで被覆した。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、核酸の増幅反応を必要とするゲノム研究に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る増幅核酸の検出装置を例示する概略構成図である。
【図2】溶液を保持した状態の本発明における基板を例示する図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のII−II線における断面図である。
【図3】実施例1におけるPCR前のRNA溶液及びシーリングソリューションの画像であり、(a)は16ng/μl、(b)は1.6ng/μl、(c)は160pg/μl、(d)は16pg/μl、(e)は1.6pg/μlのRNA濃度の場合の画像である。
【図4】実施例1におけるPCR反応液の画像であり、(a)は1サイクル、(b)は20サイクル、(c)は30サイクル時における画像である。
【図5】実施例1における蛍光強度の算出結果を示すグラフである。
【図6】実施例2におけるRNA溶液及びシーリングソリューションの画像であり、(a)は16ng/μl、(b)は1.6ng/μl、(c)は160pg/μl、(d)は16pg/μl、(e)は1.6pg/μlのRNA濃度の場合の画像である。
【符号の説明】
【0059】
2・・・基板、20・・・核酸溶液、21・・・基板表面、200・・・光シグナル、201・・・検出光、211・・・第一親水性領域、212・・・第一撥水性領域、213・・・第二親水性領域、214・・・第二撥水性領域、25・・・被覆液、4・・・温調手段、60・・・照射光、61・・・励起光、13・・・検出手段、15・・・コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅核酸の検出装置であって、
核酸溶液を保持する平面状の試料保持部が表面に設けられ、前記核酸溶液及び前記核酸溶液を被覆する被覆液を保持する基板と、
前記基板の温度を調節する温調手段と、
前記核酸溶液中の光シグナルを検出するシグナル検出手段と、
前記基板上の核酸溶液中及び被覆液中の気泡の有無を検出する気泡検出手段と、
を備えることを特徴とする増幅核酸の検出装置。
【請求項2】
前記基板表面に、試料保持部である第一親水性領域と、該第一親水性領域周縁部を包囲する第一撥水性領域とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の増幅核酸の検出装置。
【請求項3】
前記基板において、さらに前記第一撥水性領域の外側周縁部を包囲する第二親水性領域と、該第二親水性領域の外側周縁部を包囲する第二撥水性領域とが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の増幅核酸の検出装置。
【請求項4】
さらに前記基板の画像を撮影する撮像手段を備え、前記気泡検出手段は撮像データから気泡の有無を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の増幅核酸の検出装置。
【請求項5】
前記撮像手段及びシグナル検出手段が一体化されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の増幅核酸の検出装置。
【請求項6】
前記気泡検出手段の検出結果に基づいて、気泡を検出しなかった場合に核酸増幅反応を行い、気泡を検出した場合に核酸増幅反応を行わないように核酸増幅反応の制御を行う反応制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の増幅核酸の検出装置。
【請求項7】
基板表面に設けられた平面状の試料保持部に核酸溶液を保持し、該核酸溶液を被覆液で被覆して、前記核酸溶液中及び被覆液中の気泡の有無を検出し、気泡を検出しなかった場合に、前記試料保持部において核酸増幅反応を行い、得られた増幅産物を検出することを特徴とする増幅核酸の検出方法。
【請求項8】
前記被覆液が、前記核酸溶液よりも比重が小さく且つ沸点が100℃以上の非水溶性の液体であることを特徴とする請求項7に記載の増幅核酸の検出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−175074(P2009−175074A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16179(P2008−16179)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】