説明

増幅装置

【課題】 入力信号が低トラフィック状態のとき、スリープモードを適用して消費電力を低下させ、かつ、出力レベルを低下させない増幅装置を提供する。
【解決手段】 本発明の増幅装置100は、RF入力信号が低トラフィック状態になると、制御器50は、トラフィック状態の低い程度に従った数の増幅器31〜3nをスリープモードに設定するので、電力の消費を低下させることができる。他方、RF出力信号の出力レベルが低下するので、制御器は、増幅器のゲイン調整部31G〜3nGを制御し、稼動している増幅器のゲインを上昇させ、RF出力信号の低下を防止する。また、この場合、各増幅器の出力端と合成器の合成が行われる個所との間がλ/4の奇数倍の接続ラインで結合されているので、出力停止した増幅器の影響は無く、合成損失は発生しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話の無線基地局などで使用される増幅装置に関し、特に、RF入力信号のトラフィック状態を検出する入力検波器と、並列駆動できるように配置された複数の増幅器と、RF入力信号を各増幅器に分配する分配器と、各増幅器の出力を合成し、RF出力信号として出力する合成器と、RF入力信号がより低トラフィック状態になるに従って、スリープモードに設定する増幅器の数を増加させる増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は、この種の増幅装置の従来例を示すブロック図である。図3の増幅装置200は、携帯電話の無線基地局の共通増幅装置などとして用いられるものであって、入力検波器110と、分配器120と、増幅器131,132,〜,13nと、合成器140と、制御器150とから構成されている。変復調装置(不図示)からの出力は、RF入力信号として入力検波器110に引き渡され、さらに、入力検波器110から分配器120に引き渡される。分配器120は、引き渡された信号を各増幅器131〜13nに分配する。分配器120によって分配された信号は、並列駆動可能に接続された各増幅器131〜13nによって増幅され、その出力は合成器140によって合成され出力される。
【0003】
上述のような構成の増幅装置200においては、入力検波器110に与えられるRF入力信号が高トラフィック状態である場合に、各増幅器131〜13nが最適に動作するように設定されている。したがって、もしも、入力検波器110へのRF入力信号が低トラフィック状態である場合には、各増幅器131〜13nの動作は、最適な動作点からはずれてしまう。そうすると、各増幅器131〜13nの動作は、効率が悪くなり、無駄な電力が消費されることとなる。このような増幅装置においては、低トラフィック状態で作動していることが多く、このような状態における低消費電力化は重要な課題である。そこで、RF入力信号が低トラフィック状態になった場合には、その状態に応じて制御器150が増幅器131〜13nのうちの幾つかをスリープモード状態にすることが考えられた。この場合の動作としては、図4に示されるように、増幅装置が起動(S21)された場合に、増幅器は一旦スリープモードになり(S22)、稼動条件が整うと(S23)、稼動状態に移り(S24)、スリープ条件が再び整うと(S25)、ステップS22に戻り、スリープモードになる。
【0004】
上述の課題の解決および動作の実現を得る方法として、図5に示されるようにRFリレー261,262を用いることが提案されている(関連した発明が下記の特許文献1に記載されている)。図5の増幅装置201の例では、説明を簡潔にするために増幅系統は2系統分だけ配置されているものとした。したがって、図5の増幅装置201は、入力検波器210と、分配器220と、増幅器231,232と、合成器240と、制御器250と、RFリレー261,262とから構成されている。このような構成において、入力検波器210は、RF入力信号の入力レベル(トラフィック状態)を常時監視し、通常の高トラフィック状態の時には、増幅器231,232の両方が増幅動作を行う。
【0005】
上述の場合のようにRF入力信号の入力レベルが高トラフィック状態の時においては、両方のRFリレー261,262が制御器250によってオン状態にされているので、増幅器231,232の出力は両方とも合成器240に引き渡され、合成されてRF出力信号として出力される。しかし、RF入力信号の入力レベルが低くなった状態(低トラフィック状態)の時においては、制御器250によって、増幅系統は1系統だけに切り換えられる。この切り替えによって、増幅装置201の消費電力は減少して効率は上昇するが、合成器240における合成損により、増幅装置201の出力レベルは半分になってしまう。
【0006】
上述のような出力レベルの低下を抑える方法としてRFリレー261,262の部分を分配器220や合成器240の内部に組み込み制御することが提案されている。この提案の方法では、RF入力信号の入力レベルが低下したことを制御器250が検出すると、分配器220および合成器240の内部のスイッチを一方の増幅器側に切り換え、他方の増幅器側をスリープモードに設定することにより、分配器220および合成器240の損失を除けば消費電力を低減することができる。さらに、一方の増幅器の動作異常のためにアラーム(ALM)が発生したような場合に、制御部は、RFリレー261,262のオン・オフの設定により、ALMを発生している側の増幅系統を動作停止にさせ、他方の増幅系統で増幅を続けることにより、ALM発生時の出力停止を防止することもできる。
【0007】
また、上述のようにRF入力信号が低トラフィック状態であって、増幅装置においてスリープモードが働いている場合でも少なくとも1台の増幅器は図4で示されるように増幅動作を行っている。したがって、RF入力信号が最も低いトラフィック状態でも、最初に稼動状態になる増幅器はトラフィック状態に関係なくいつも稼動し続けることになる。このような場合、その他の増幅器は稼動していないか、稼動していない時間が多くなる確率が高くなる。このことにより、RF入力信号が最も低いトラフィック状態でも、最初に稼動状態になる増幅器は、他の増幅器に比較して故障率が高くなり、稼動開始後に長期間を経ずして増幅装置に対する保守を開始しなければならないことになる。
【特許文献1】特開2004−128542号公報(第3−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述のようにスリープモードを適用するためにRFリレーを用いる方法では、その出力を合成すべき増幅系統の数が多くなると、分配器や合成器のサイズが大きくなり、また、構造が複雑になってしまうという問題や、増幅器をスリープモードにするとその分、RF出力信号が低下するという問題がある。さらに、累計稼動時間が長くなることが特定の増幅器に片寄ってしまい、稼動開始後に長期間を経ずして増幅装置に対する保守を開始しなければならないという問題もある。
【0009】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数の増幅器を並列に接続して増幅装置を構成するが、RF入力信号が低トラフィック状態のとき、あるいは、ALMが発生したとき等に、スリープモードを適用して無駄な消費電力を発生させないようにするとともに、RF出力信号の出力レベルをできるだけ低下させることなく、スリープモードにした増幅器による合成損失を発生させず、高効率に稼動させることができ、かつ、スリープモードの適用が特定の増幅器に片寄らないようにすることができる増幅装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、本発明に係る増幅装置は、RF入力信号のトラフィック状態を検出する入力検波器と、並列駆動できるように配置された複数の増幅器と、RF入力信号を各増幅器に分配する分配器と、各増幅器の出力を合成し、RF出力信号として出力する合成器と、RF入力信号がより低トラフィック状態になるに従って、スリープモードに設定して稼動を停止させる増幅器の数を増加させる増幅装置において、前記増幅器のゲインをそれぞれ調節できるように配置されたゲイン調整部と、前記増幅器の出力端と合成器の合成が行われる個所との間をそれぞれ結合する複数の接続ラインであって、増幅帯域の中心周波数の波長をλとし、正整数をmとしたときに、それぞれの長さLがL=(λ/4)・(2m−1)で表される複数の接続ラインと、稼動を停止させる増幅器の数が増加する毎に低下するRF出力信号の出力レベルを補うようにゲイン調整部のゲインを上昇させる制御器とを有する。
【0011】
このような構成によれば、増幅装置は、RF入力信号が低トラフィック状態になると、トラフィック状態の低い程度に従った数の増幅器をスリープモードに設定するので、電力の消費を低下させることができるがRF出力信号も低下するので、制御器がゲイン調整部を制御し、稼動している増幅器のゲインを上昇させ、RF出力信号の低下を防止する。また、この制御器による制御は、故障などの他の原因で稼動を停止させた増幅器に関しても同様に行われるので故障などへの対応が容易である。さらに、各増幅器の出力端と合成器の合成が行われる個所との間がλ/4の奇数倍の接続ラインで結合されているので、稼動停止させた増幅器の影響は無くなり、合成損失は発生しない。
【0012】
また、本発明の増幅装置は、RF入力信号の増幅のために、並列駆動できるように配置された複数の増幅器を有し、RF入力信号がより低トラフィック状態になるに従って、スリープモードに設定する増幅器の数を増加させる増幅装置において、稼動させている増幅器の継続稼働時間が継続制限時間以上になったか否かを判断し、継続制限時間以上になった増幅器がある場合には、故障中でなく、稼動させていないスリープモードの増幅器を探し、探したスリープモードの増幅器の中で累積稼働時間の短いものの順番に、前記継続制限時間以上になった増幅器と稼動交代させ、全部の増幅器の累積稼動時間が同程度になるように制御する制御器を有する。
【0013】
このような構成によれば、制御器は、稼動させている増幅器の継続稼働時間が継続制限時間以上になると、故障中でなく、スリープモードにされている増幅器を探し、累積稼働時間の短いものの順番に、継続制限時間以上に稼動していた増幅器と稼動交代させる。したがって、時間の経過とともに、全部の増幅器の累積稼動時間が同程度になり、保守が必要となるまでに長期間の余裕をもつことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上に詳述したように本発明によれば、RF入力信号が低トラフィック状態になると、トラフィック状態の低い程度に従った数の増幅器をスリープモードに設定するので、電力の消費を低下させることができ、ゲイン調整部を制御し、稼動している増幅器のゲインを上昇させ、RF出力信号の低下を防止するとともに、各増幅器の出力端と合成器の合成が行われる個所との間がλ/4の奇数倍の接続ラインで結合されているので、出力停止した増幅器の影響は無くなり、合成損失を防止することができる。また、この発明によれば、稼動させている増幅器の継続稼働時間が継続制限時間以上になると、故障中でなく、スリープモードにされている増幅器を探し、累積稼働時間の短いものの順番に、継続制限時間以上に稼動していた増幅器と稼動交代させるので、時間の経過とともに、全部の増幅器の累積稼動時間が同程度になることにより、増幅装置の稼動開始後に保守を必要とするまでには長期間の余裕をもつことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、この発明の増幅装置の実施の形態1を示すブロック図である。図1の増幅装置100は、携帯電話の無線基地局の共通増幅器などとして用いられるものであって、入力検波器10と、分配器20と、増幅器31,32,〜,3nと、合成器40と、制御器50とから構成されている。
【0016】
変復調装置(不図示)からの出力は、RF入力信号として入力検波器10に引き渡され、さらに、入力検波器10から分配器20に引き渡される。分配器20は、引き渡された信号を各増幅器31〜3nに分配する。分配器20によって分配された信号は、並列稼動可能に接続された各増幅器31〜3nによって増幅され、それらの増幅器31〜3nの出力は合成器40によって合成され出力される。なお、増幅器31,32,〜,3nには、制御器50によって制御されるRFリレー31R,32R,〜,3nRおよびゲイン調整用の可変減衰器31G,32G,〜,3nGが組み込まれている。この場合、RFリレー31R,32R,〜,3nRは、増幅器の外部に配置してもよい。
【0017】
上述のような構成において、制御部50が監視している入力検波器10のRF入力信号が高トラフィック状態であり、ALMが発生されていない場合には、図3の増幅装置200と同様に、各増幅器131〜13nは分配器20によって分配された信号を増幅し、その出力は合成器40によって合成される。しかし、RF入力信号が低トラフィック状態になり、入力信号レベルが設定閾値以下になり、その状態が一定時間継続した場合、制御器50は、低くなったRF入力信号のトラフィック量に応じて、増幅器31〜3nのうちの幾つかの動作を停止させてスリープモードに移行させる。
【0018】
このように幾つかの増幅器をスリープモードに設定して動作を停止させると、停止させた増幅器の分だけRF出力信号の出力レベルが低下してしまうので、以下に述べるようなことを行う。まず、動作を停止させた増幅器の出力部に配置されているRFリレーをオフにする。この場合、RFリレーと、合成器40の合成部との間の距離を“L”とすると、増幅すべき帯域の中心周波数fの波長λは、下記の式(1)を満たすように予め設定されているものとする。
L=(λ/4)・(2m−1)・・・・・(1)
ただし、m=1,2,・・・である。このような設定により、“L”は、λ/4の奇数倍となるので、出力停止した増幅器の影響は無くなり、合成損失は発生しない。
【0019】
制御器50は、上述のようにRFリレーをオフすることに加えて、稼動している増幅器の可変減衰器を調節する。すなわち、動作を停止させた増幅器によるRF出力信号のレベル低下に応じて可変減衰器の減衰量を低下させることにより、稼動している増幅器のゲインを増加させる。このことにより、幾つかの増幅器をスリープモードに設定して増幅動作停止にさせたにもかかわらず、増幅装置のRF出力信号の出力レベルは低下させずにおくことができる。もちろん、RF入力信号が低トラフィック状態から高トラフィック状態に戻ったことを検出した場合には、制御器50は増幅器を通常の並列稼動に戻す。
【0020】
また、制御器50は、ある増幅器がALMを発生させたために、その増幅器をスリープ状態にして動作停止にさせた場合には、その増幅器を除く他の増幅器の減衰量を調節して増幅装置のRF出力信号の出力レベルが低下しないようにゲインを調節する。このようにALMに対応できるようにすることにより、山間部などの容易に赴くことができない場所に設置された基地局の増幅装置の何れかの増幅器に故障が発生しALMが発せられたような場合でも、RF出力信号の出力レベルの低下を最小限にとどめることができる。故障状態から解放された後においては、制御器50は正常状態に戻ったことを自動的に検出して、スリープ状態を設定する前の状態に戻す。
【0021】
図1のような構成にすることにより、低トラフィック状態の時には消費電力を低減することができ、低トラフィック状態のとき、あるいは、ALM発生のときなどに、スリープ状態にした増幅器がある場合でもRF出力信号をできるだけ低下させないように設定することができる。また、これらの設定は、制御器50に対する設定を変えることにより柔軟に対応できる。
【0022】
次に、図1に示されるように増幅装置を構成したとしても、スリープモードの働きによって、稼働時間の長い増幅器と、稼働時間の短い増幅器が発生するので、できるだけ累積稼働時間に差が出ないように制御器によって制御する。制御器50の制御方法について図2を参照して説明する。この例の場合、増幅器31〜3nのそれぞれの継続稼働時間および累積稼働時間を算出できるように構成する。その場合、個々の増幅器31〜3nが継続稼働時間および累積稼働時間を計数するようにするか、または、本例のように、制御器50が増幅器31〜3nに対する制御に基づいて個々の増幅器31〜3nの継続稼働時間および累積稼働時間を算出し、記憶するようにしてもよい。
【0023】
図2に示されるように、図1の増幅装置100の動作が開始(S1)されると、増幅器31〜3nのうちの稼動している各増幅器に対して、継続して稼動した時間の累積、即ち継続稼動時間の算出を行う(S2)。継続稼動時間の算出に基づいて、稼動している各増幅器における継続稼働時間がリミット時間(継続制限時間)以上になったか否かを判断する(S3)。ステップS3の判断において、継続稼動時間がリミット時間以上になった増幅器があった場合には、交代可能な増幅器、即ち、ALM発生中のものでなくスリープ状態である増幅器があるか否かを判断する(S4)。交代可能な増幅器が無ければ、そのまま判断を繰り返すが、交代可能な増幅器があれば、交代可能な増幅器の全部に関する各々の累積稼働時間をチェックする(S5)。
【0024】
累積稼動時間のチェックの結果に基づき、累積稼動時間が一番少ない増幅器を選択し、選択した増幅器に稼動を要求する(S6)。稼動要求に基づき要求先の増幅器が正常に稼動しているか否かを判断する(S7)。要求先の増幅器が正常に稼動していることが確認できたら、ステップS3において継続稼働時間がリミット時間以上になったと判断され、交代の対象となっていた増幅器をスリープモードに移行させる(S8)。スリープモードに移行させた増幅器に関するそれまでの累積稼働時間を更新し(S9)、ステップS2に戻り、同様な動作を繰り返す。
【0025】
ステップS7において、交代を要求された増幅器が正常に稼動していない場合には、その増幅器がアラーム(ALM)を発生させているか否かを判断する(S10)。ALMを発生させているのであれば、この増幅器は交代可能ではなく、再度の交代可能な増幅器の選択が必要となるので、ステップS4に戻る。ALMを発生させていないのであれば、再度ステップS7に戻り、正常に稼動していると判断されるまで動作を繰り返す。
【0026】
このように増幅装置の制御器50が増幅器31〜3nの稼動状態およびスリープモード状態を制御することにより、各増幅器31〜3nの累積稼働時間は、ほぼ等しいものとなる。したがって、稼動時間が特に長い増幅器だけが早く故障して保守を必要とすることが無くなる。換言すれば、例えば、増幅装置を新規に設置した時より、最初に保守が必要となるまでの時間が非常に延びる。逆に、保守が必要となった時には、全部の増幅器に実行するなど、効率的に保守を行うこともできる。なお、図2で示されるような制御方法は、例として図1の増幅装置100に適用する場合を説明したが、増幅器にRFリレー31R,32R,〜,3nRおよびゲイン調整用の可変減衰器31G,32G,〜,3nGが組み込まれていない場合、例えば、図3の増幅装置200のような場合にも適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の増幅装置の実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】本発明の増幅装置の実施の形態2を示すフローチャートである。
【図3】複数の増幅器を並列駆動できるように構成された増幅装置の従来例を示すブロック図である。
【図4】図3のような従来の増幅装置において、RF入力信号が低トラフィック状態の場合に、複数の増幅器のうちの何れかを適宜にスリープモードにさせる従来の方法を説明するためのブロック図である。
【図5】従来の増幅装置の構成について説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0028】
10 入力検波器、20 分配器、31〜3n 増幅器、31G〜31nG 可変減衰器、31R〜3nR RFリレー、40 合成器、50 制御器、100 増幅装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF入力信号のトラフィック状態を検出する入力検波器と、並列駆動できるように配置された複数の増幅器と、RF入力信号を各増幅器に分配する分配器と、各増幅器の出力を合成し、RF出力信号として出力する合成器と、RF入力信号がより低トラフィック状態になるに従って、スリープモードに設定して稼動を停止させる増幅器の数を増加させる増幅装置において、
前記増幅器のゲインをそれぞれ調節できるように配置されたゲイン調整部と、
前記増幅器の出力端と合成器の合成が行われる個所との間をそれぞれ結合する複数の接続ラインであって、増幅帯域の中心周波数の波長をλとし、正整数をmとしたときに、それぞれの長さLがL=(λ/4)・(2m−1)で表される複数の接続ラインと、
稼動を停止させる増幅器の数が増加する毎に低下するRF出力信号の出力レベルを補うようにゲイン調整部のゲインを上昇させる制御器とを有する増幅装置。
【請求項2】
RF入力信号の増幅のために、並列駆動できるように配置された複数の増幅器を有し、RF入力信号がより低トラフィック状態になるに従って、スリープモードに設定する増幅器の数を増加させる増幅装置において、
稼動させている増幅器の継続稼働時間が継続制限時間以上になったか否かを判断し、継続制限時間以上になった増幅器がある場合には、故障中でなく、稼動させていないスリープモードの増幅器を探し、探したスリープモードの増幅器の中で累積稼働時間の短いものの順番に、前記継続制限時間以上になった増幅器と稼動交代させ、全部の増幅器の累積稼動時間が同程度になるように制御する制御器を有する増幅装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−222828(P2006−222828A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35512(P2005−35512)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】