説明

増幅装置

【課題】増幅素子とスイッチとの間の配線を短くし、スイッチのオン/オフ時のリンギング及び逆起電圧等の発生を抑える。
【解決手段】増幅装置は、FETを備える増幅器10と、バイアス電流供給線と増幅器10との間に設置されるスイッチ11と、バイアス電流の供給経路とは異なる経路において増幅器10とアースとの間に設置されるスイッチ12と、スイッチ11,12を制御する制御部13とを備える。制御部13は、増幅器10に対する増幅能の駆動指令に応じて、スイッチ12を開放させると共にスイッチ11をオン制御し、増幅器10に対する増幅能の停止指令に応じてスイッチ11をオフ制御すると共にスイッチ12を短絡させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば放送波を送信する無線装置において、放送波を増幅する増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、限られた周波数帯を有効に利用するため、マイクロセル方式が用いられている。マイクロセル方式の一つであるTDD(Time Division Duplex:時分割複信)通信方式では、一つの周波数で送信と受信とを時間毎に切り替えて通信を行う。
【0003】
TDD通信方式における無線装置では、通信信号を増幅する増幅装置のオン/オフを高速に動作させる必要がある。増幅装置は、バイポーラトランジスタやFET(Field Effect Transistor)により構成されるプッシュプル回路等による増幅素子を備えている。増幅装置では、キャパシタンス成分を有する増幅素子にバイアス電流を供給することによりオンとなり、バイアス電流の供給を停止することによりオフとなる。このとき、増幅装置を高速にオン/オフさせるためには、増幅素子の浮遊容量を迅速に充放電する必要がある。このため、バイアス電流の供給をオン/オフするスイッチと、増幅素子を短絡させるスイッチとが必要となる。
【0004】
従来の増幅装置では、バイアス電流を供給するスイッチと増幅素子を短絡させるスイッチとがバイアス電流の供給系に設置されていた。しかしながら、この構造では、増幅装置の電源電圧又は電源電流が大きな場合にはスイッチにおける個々の部品サイズが大きくなるため、増幅素子とスイッチとの間の配線がどうしても長くなってしまう。増幅素子とスイッチとの間の配線が長くなると、その配線のインダクタンス成分によって、スイッチのオン/オフ時にリンギング又は逆起電圧等が発生し、増幅素子を破損させてしまうおそれがある。
【0005】
なお、位相補償容量を持たない電圧フォロワー構成の帰還型充電(放電)手段と、ソースフォロワ放電(充電)手段を組み合わせて構成することにより、高速安定動作を達成し、低消費電力を図る手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−258821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のように、従来の増幅装置では、増幅素子とスイッチとの間の配線が長く、スイッチのオン/オフ時にリンギング又は逆起電圧等が発生し、増幅素子を破損させてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、増幅素子とスイッチとの間の配線を短くし、スイッチのオン/オフ時のリンギング及び逆起電圧等の発生を抑えることが可能な増幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る増幅装置は、一方の被制御端がバイアス供給源に接続され、他方の被制御端が接地される増幅素子を備え、信号入力端子が当該増幅素子の制御入力端に接続され、信号出力端子が前記一方の被制御端に接続される1又は複数の増幅器と、前記バイアス供給源に接続するバイアス供給線から前記1又は複数の増幅器へのバイアス供給をオン/オフする第1のスイッチ手段と、前記バイアスの供給経路とは異なる経路で前記一方の被制御端を短絡/開放させる第2のスイッチ手段と、前記1又は複数の増幅器に対する駆動指令に応じて前記第2のスイッチ手段を開放させると共に前記第1のスイッチ手段をオン制御し、前記1又は複数の増幅器に対する停止指令に応じて前記第1のスイッチ手段をオフ制御すると共に前記第2のスイッチ手段を短絡させる制御部とを備える。
【0009】
これにより、第1のスイッチ手段と第2のスイッチ手段とがそれぞれ異なる経路に設置されため、第1及び第2のスイッチ手段と増幅器との間の配線を短くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、増幅素子とスイッチとの間の配線を短くし、スイッチのオン/オフ時のリンギング又は逆起電圧等の発生を抑えることが可能な増幅装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る増幅装置の構成を示す模式図である。図1における増幅装置は、FETを備える増幅器10と、バイアス電流供給線と増幅器10との間に設置されるスイッチ11と、バイアス電流の供給経路とは異なる経路において増幅器10とアースとの間に設置されるスイッチ12と、スイッチ11,12を制御する制御部13とを有する。
【0013】
上記増幅器10において、ゲートはバイアス電圧供給線と接続され、ドレインはバイアス電流供給線と接続され、ソースは接地されている。そして、増幅器10は、バイアス電圧供給線から供給される所定の電圧のバイアス電圧をゲートから受け取り、バイアス電流供給線からのバイアス電流をドレインから受け取る。
【0014】
また、増幅器10において、ゲートは信号入力端子と接続され、ドレインは信号出力端子と接続されている。これにより、信号入力端子に入力された無線信号は、増幅器10で増幅され、信号出力端子から出力される。
【0015】
上記スイッチ11は、バイアス電流供給線から増幅器10へのバイアス電流の供給をオン/オフする。上記スイッチ12は、ドレインを短絡/開放させる。
【0016】
上記制御部13は、増幅器10に対する増幅能の駆動指令に応じて、スイッチ12を開放させると共にスイッチ11をオン制御する。また、増幅器10に対する増幅能の停止指令に応じてスイッチ11をオフ制御すると共にスイッチ12を短絡させる。
【0017】
以上のように、上記第1の実施形態では、スイッチ11をバイアス電流供給経路に設置し、スイッチ12をバイアス電流供給経路とは異なる経路に設置するようにしている。これにより、増幅器10とスイッチ11間及び増幅器10とスイッチ12間の配線長を短くすることができる。
【0018】
したがって、上記第1の実施形態に係る増幅装置は、スイッチ11,12のオン/オフ時のリンギング又は逆起電圧等の発生を抑えることができる。
【0019】
また、上記第1の実施形態に係る増幅装置は、以下のように構成することも可能である。図2から図10は、本発明の第1の実施形態に係る増幅装置の構成例を示す。
【0020】
図2において、増幅器10−1,10−2は、並列に接続される。スイッチ11は、バイアス電流供給線と増幅器10−1,10−2との間に設置され、増幅器10−1,10−2の両方へのバイアス電流の供給を同時にオン/オフする。スイッチ12−1,12−2は、バイアス電流供給経路とは異なる経路において増幅器10−1,10−2とアースとの間に設置される。スイッチ12−1は、増幅器10−1のドレインを選択的に短絡させ、スイッチ12−2は、増幅器10−2のドレインを短絡/開放させる。
【0021】
制御部13は、増幅器10−1,10−2に対する増幅能の駆動指令に応じて、スイッチ12−1,12−2を開放させると共にスイッチ11をオン制御する。また、増幅器10−1,10−2に対する増幅能の停止指令に応じてスイッチ11をオフ制御すると共にスイッチ12−1,12−2を短絡させる。
【0022】
以上のように、スイッチ11とスイッチ12−1,12−2とを別々の経路に設置することにより、1つのスイッチ11を増幅器10−1,10−2間で共有することができ、かつ、各部品を最短で配線する部品配置を容易にする。
【0023】
図3において、増幅器10−1,10−2は、並列に接続される。スイッチ11−1,11−2は、バイアス電流供給線と増幅器10−1,10−2との間に設置される。スイッチ11−1は、増幅器10−1へのバイアス電流の供給をオン/オフし、スイッチ11−2は、増幅器10−2へのバイアス電流の供給をオン/オフする。スイッチ12は、バイアス電流供給経路とは異なる経路において増幅器10−1,10−2とアースとの間に設置され、増幅器10−1,10−2の両方のドレインを同時に短絡/開放させる。
【0024】
制御部13は、増幅器10−1,10−2に対する増幅能の駆動指令に応じて、スイッチ12を開放させると共にスイッチ11−1,11−2をオン制御する。また、増幅器10−1,10−2に対する増幅能の停止指令に応じてスイッチ11−1,11−2をオフ制御すると共にスイッチ12を短絡させる。
【0025】
以上のように、スイッチ11−1,11−2とスイッチ12を別々の経路に設置することにより、1つのスイッチ12を増幅器10−1,10−2間で共有することができ、かつ、各部品を最短で配線する部品配置を容易にする。
【0026】
図4では、スイッチ11−ドレイン間及びスイッチ12−ドレイン間の配線を抵抗値の低い配線にするようにしている。
【0027】
これにより、バイアス配線のインピーダンスを小さくすることが可能となり、配線による電圧降下、リンギング及び逆起電圧を抑えることができる。さらに、増幅器がDPD(Digital Predistoter)機能を有する場合、そのメモリ効果を抑えることができる。
【0028】
図5は、ノイズ除去等の目的により、図1におけるスイッチ11,12の近傍のバイアス配線にノイズ除去用コンデンサが設置される例を示す。一般に、ノイズ除去用のコンデンサを設置すると、そのキャパシタンス成分により、スイッチをオンにした際のスイッチ速度が遅くなる。そこで、図5では、バイアス電流供給経路を2系統備え、各バイアス電流供給経路にスイッチ11−1,11−2を設置するようにする。
【0029】
これにより、スイッチ11−1,11−2全体におけるオン抵抗が減少するため、スイッチ速度が向上する。
【0030】
なお、ここではバイアス電流供給経路が2系統である例について説明しているが、2系統に限定されるわけではない。また、ドレインを短絡させる経路が単系統である例について説明しているが、2系統以上であってもよい。
【0031】
図6では、図1におけるスイッチ11,12をそれぞれMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)14,15に置き換えている。
【0032】
これにより、MOS−FET14,15の端子間容量のため、バイアス電流供給経路にノイズ除去用のコンデンサを設置しなくても、ノイズ除去やDPDを備えた増幅器のメモリ効果を抑えることが可能となる。
【0033】
図7及び図8では、増幅器10はB級又はC級であり、スイッチ11,12近傍のバイアス配線にはノイズ除去用コンデンサが設置されている。
【0034】
図7において、B級及びC級の増幅器は、増幅器への入力信号が有る状態より無い状態の方がドレインにおけるバイアス電流が小さいことが知られている。そこで、制御部13は、増幅装置における増幅能の駆動指令が与えられたとき、増幅器10への無線信号の入力が停止されたのちにスイッチ12を開放させると共にスイッチ11をオン制御する。例えば、制御部13は、駆動指令が与えられると、増幅装置の前段に位置するバッファに、無線信号の停止を要求する旨を通知し、この通知に対する応答信号を受け取った場合、スイッチ12及びスイッチ11の切替制御をするようにしてもよい。
【0035】
これにより、スイッチ11の近傍に設置されたコンデンサをより早く充電することが可能となり、増幅器10を高速にオンすることができる。
【0036】
図8において、B級及びC級の増幅器は、増幅器への入力信号が無い状態より有る状態の方がドレインにおけるバイアス電流が大きいことが知られている。そこで、制御部13は、増幅装置における増幅能の停止指令が与えられたとき、増幅器10への無線信号の入力が開始されたのちにスイッチ11をオフ制御すると共にスイッチ12を短絡させる。例えば、制御部13は、停止指令が与えられると、増幅装置の前段に位置するバッファに、無線信号の入力を要求する旨を通知し、この通知に対する応答信号を受け取った場合、スイッチ12及びスイッチ11の切替制御をするようにしてもよい。
【0037】
これにより、スイッチ11の近傍に設置されたコンデンサを早く放電することが可能となり、増幅器10を高速にオフすることができる。
【0038】
図9では、増幅装置は、FETのゲート電圧を操作するゲート電圧操作部16をさらに備える。制御部13は、増幅装置における増幅能の停止指令を受け取ると、ゲート電圧を低下させるようゲート電圧操作部16に指示を出す。
【0039】
これにより、ゲート電圧を低下させると、図9に示すゲート電圧とドレイン電流との関係に基づいて、ドレイン電流が増大し、コンデンサの電荷を早く放電することが可能となる。つまり、増幅器10を高速にオフすることができる。
【0040】
図10では、増幅装置は、スイッチ11に入力される電流をモニタするモニタ部17と、電源制御部18とをさらに備える。電源制御部18は、モニタ部17でモニタされた電流が貫通電流であるか否かを判断し、貫通電流である場合、バイアス電流の電源19をオフ制御する。
【0041】
これにより、スイッチ11のオン制御とスイッチ12の短絡とが同時に行われてしまった場合でも、バイアス電流の電源をオフすることができるため、増幅装置のフェイルセーフ機能が実現できる。
【0042】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る増幅装置の構造の模式図を示す。図11における増幅装置は、FETを備える増幅器10と、バイアス電圧供給線と増幅器10との間に設置されるスイッチ11と、バイアス電圧の供給経路とは異なる経路において増幅器10とアースとの間に設置されるスイッチ12と、スイッチ11,12を制御する制御部13とを有する。
【0043】
上記増幅器10において、ゲートはバイアス電圧供給線と接続され、ドレインはバイアス電流供給線と接続され、ソースは接地されている。そして、増幅器10は、バイアス電圧供給線から供給される所定の電圧のバイアス電圧をゲートから受け取り、バイアス電流供給線からのバイアス電流をドレインから受け取る。
【0044】
また、増幅器10において、ゲートは信号入力端子と接続され、ドレインは信号出力端子と接続されている。これにより、信号入力端子に入力された無線信号は、FETで増幅され、信号出力端子から出力される。
【0045】
上記スイッチ11は、バイアス電圧供給線から増幅器10へのバイアス電圧の供給をオン/オフする。上記スイッチ12は、ゲートを短絡/開放させる。
【0046】
上記制御部13は、増幅器10に対する増幅能の駆動指令に応じて、スイッチ12を開放させると共にスイッチ11をオン制御する。また、増幅器10に対する増幅能の停止指令に応じてスイッチ11をオフ制御すると共にスイッチ12を短絡させる。
【0047】
以上のように、上記第2の実施形態では、スイッチ11をバイアス電圧供給経路に設置し、スイッチ12をバイアス電圧供給経路とは異なる経路に設置するようにしている。これにより、増幅器10とスイッチ11間及び増幅器10とスイッチ12間の配線長を短くすることができる。
【0048】
したがって、上記第1の実施形態に係る増幅装置は、スイッチ11,12のオン/オフ時のリンギング又は逆起電圧等の発生を抑えることができる。
【0049】
また、上記第2の実施形態に係る増幅装置は、以下のように構成することも可能である。図12から図15は、本発明の第2の実施形態に係る増幅装置の構成例を示す。
【0050】
図12において、増幅器10−1,10−2は、並列に接続される。スイッチ11は、バイアス電圧供給線と増幅器10−1,10−2との間に設置され、増幅器10−1,10−2の両方へのバイアス電圧の供給を同時にオン/オフする。スイッチ12−1,12−2は、バイアス電圧供給経路とは異なる経路において増幅器10−1,10−2とアースとの間に設置される。スイッチ12−1は、増幅器10−1のゲートを選択的に短絡させ、スイッチ12−2は、増幅器10−2のゲートを短絡/開放させる。
【0051】
制御部13は、増幅器10−1,10−2に対する増幅能の駆動指令に応じて、スイッチ12−1,12−2を開放させると共にスイッチ11をオン制御する。また、増幅器10−1,10−2に対する増幅能の停止指令に応じてスイッチ11をオフ制御すると共にスイッチ12−1,12−2を短絡させる。
【0052】
以上のように、スイッチ11とスイッチ12−1,12−2とを別々の経路に設置することにより、1つのスイッチ11を増幅器10−1,10−2間で共有することができ、かつ、各部品を最短で配線する部品配置を容易にする。
【0053】
図13において、増幅器10−1,10−2は、並列に接続される。スイッチ11−1,11−2は、バイアス電圧供給線と増幅器10−1,10−2との間に設置される。スイッチ11−1は、増幅器10−1へのバイアス電圧の供給をオン/オフし、スイッチ11−2は、増幅器10−2へのバイアス電圧の供給をオン/オフする。スイッチ12は、バイアス電圧供給経路とは異なる経路において増幅器10−1,10−2とアースとの間に設置され、増幅器10−1,10−2の両方のゲートを同時に短絡/開放させる。
【0054】
制御部13は、増幅器10−1,10−2に対する増幅能の駆動指令に応じて、スイッチ12を開放させると共にスイッチ11−1,11−2をオン制御する。また、増幅器10−1,10−2に対する増幅能の停止指令に応じてスイッチ11−1,11−2をオフ制御すると共にスイッチ12を短絡させる。
【0055】
以上のように、スイッチ11−1,11−2とスイッチ12を別々の経路に設置することにより、1つのスイッチ12を増幅器10−1,10−2間で共有することができ、かつ、各部品を最短で配線する部品配置を容易にする。
【0056】
図14は、ノイズ除去等の目的により、図11におけるスイッチ11,12の近傍のバイアス配線にノイズ除去用コンデンサが設置される例を示す。一般に、ノイズ除去用のコンデンサを設置すると、そのキャパシタンス成分により、スイッチをオンにした際のスイッチ速度が遅くなる。そこで、図14では、バイアス電圧供給経路を2系統備え、各バイアス電圧供給経路にスイッチ11−1,11−2を設置するようにする。
【0057】
これにより、スイッチ11−1,11−2全体におけるオン抵抗が減少するため、スイッチ速度が向上する。
【0058】
なお、ここではバイアス電圧供給経路が2系統である例について説明しているが、2系統に限定されるわけではない。また、ゲートを短絡させる経路が単系統である例について説明しているが、2系統以上であってもよい。
【0059】
図15では、図11におけるスイッチ11,12をそれぞれMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)14,15に置き換えている。
【0060】
これにより、MOS−FET14,15の端子間容量のため、バイアス電圧供給経路にノイズ除去用のコンデンサを設置しなくても、ノイズ除去やDPDを備えた増幅器のメモリ効果を抑えることが可能となる。
【0061】
これにより、スイッチ11の近傍に設置されたコンデンサを早く放電することが可能となり、増幅器10を高速にオフすることができる。
【0062】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態では、増幅器10がFETを備える例について説明しているが、増幅素子はFETに限定されることは無い。
【0063】
また、本発明は実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することが可能である。また、上記各実施形態により開示される複数の構成要素の適宜の組み合わせにより、種々の発明を実行できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る増幅装置の第1の実施形態の構成を示す模式図。
【図2】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図3】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図4】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図5】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図6】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図7】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図8】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図9】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図10】上記第1の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図11】本発明に係る増幅装置の第2の実施形態の構成を示す模式図。
【図12】上記第2の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図13】上記第2の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図14】上記第2の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【図15】上記第2の実施形態の増幅装置の構成例を示す模式図。
【符号の説明】
【0065】
10,10−1,10−2…増幅器、11,11−1,11−2,12,12−1,12−2…スイッチ、13…制御部、14,15…MOS−FET、16…ゲート電圧操作部、17…モニタ部、18…電源制御部、19…電源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の被制御端がバイアス供給源に接続され、他方の被制御端が接地される増幅素子を備え、信号入力端子が当該増幅素子の制御入力端に接続され、信号出力端子が前記一方の被制御端に接続される1又は複数の増幅器と、
前記バイアス供給源に接続するバイアス供給線から前記1又は複数の増幅器へのバイアス供給をオン/オフする第1のスイッチ手段と、
前記バイアスの供給経路とは異なる経路で前記一方の被制御端を短絡/開放させる第2のスイッチ手段と、
前記1又は複数の増幅器に対する駆動指令に応じて前記第2のスイッチ手段を開放させると共に前記第1のスイッチ手段をオン制御し、前記1又は複数の増幅器に対する停止指令に応じて前記第1のスイッチ手段をオフ制御すると共に前記第2のスイッチ手段を短絡させる制御部と
を備えることを特徴とする増幅装置。
【請求項2】
前記増幅器が複数存在し、それぞれが前記信号入力端からの入力信号を並列処理するとき、
前記第1のスイッチ手段は、前記複数の増幅器への前記バイアス供給を同時にオン/オフすることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項3】
前記増幅器が複数存在し、それぞれが前記信号入力端からの入力信号を並列処理するとき、
前記第2のスイッチ手段は、前記複数の増幅器それぞれにおける前記一方の被制御端を同時に短絡/開放させることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項4】
前記第1のスイッチ手段は、前記バイアス供給線から前記複数の増幅器それぞれへのバイアス供給を個別にオン/オフする複数のスイッチを備え、
前記第2のスイッチ手段は、前記複数の増幅器の一方の被制御端それぞれを個別に短絡/開放させる複数のスイッチを備えることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のスイッチ手段は、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor - Field Effect Transistor)をスイッチ素子として用いることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記駆動指令が与えられたとき、前記信号入力端子への信号入力が停止されたのちに前記第1及び第2のスイッチ手段を切替制御し、前記停止指令が与えられたとき、前記信号入力端への信号入力が開始されたのちに前記第1及び第2のスイッチ手段を切替制御することを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項7】
前記増幅素子の制御入力端に入力される制御信号のレベルを操作する制御信号操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記停止指令に応じて、前記制御信号操作部に前記制御信号のレベルを低下させるよう指示することを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項8】
前記第1のスイッチ手段に入力される電流を監視する電流監視部と、
前記電流が、貫通電流であるか否かを判断し、貫通電流である場合、前記バイアス供給源をオフ制御する電源制御部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項9】
制御入力端がバイアス供給源に接続され、一方の被制御端が接地される増幅素子を備え、信号入力端子が前記制御入力端に接続され、信号出力端子が前記増幅素子の他方の被制御端に接続される1又は複数の増幅器と、
前記バイアス供給源に接続するバイアス供給線から前記1又は複数の増幅器へのバイアス供給をオン/オフする第1のスイッチ手段と、
前記バイアスの供給経路とは異なる経路で前記制御入力端を短絡/開放させる第2のスイッチ手段と、
前記1又は複数の増幅器に対する駆動指令に応じて前記第2のスイッチ手段を開放させると共に前記第1のスイッチ手段をオン制御し、前記1又は複数の増幅器に対する停止指令に応じて前記第1のスイッチ手段をオフ制御すると共に前記第2のスイッチ手段を短絡させる制御部と
を備えることを特徴とする増幅装置。
【請求項10】
前記増幅器が複数存在し、それぞれが信号入力端からの入力信号を並列処理するとき、
前記第1のスイッチ手段は、前記複数の増幅器への前記バイアス供給を同時にオン/オフすることを特徴とする請求項9記載の増幅装置。
【請求項11】
前記増幅器が複数存在し、それぞれが信号入力端からの入力信号を並列処理するとき、
前記第2のスイッチ手段は、前記複数の増幅器それぞれにおける前記制御入力端を同時に短絡/開放させることを特徴とする請求項9記載の増幅装置。
【請求項12】
前記第1のスイッチ手段は、前記バイアス供給線から前記複数の増幅器それぞれへのバイアス供給を個別にオン/オフする複数のスイッチを備え、
前記第2のスイッチ手段は、前記複数の増幅器の制御入力端それぞれを個別に短絡/開放させる複数のスイッチを備えることを特徴とする請求項9記載の増幅装置。
【請求項13】
前記第1及び第2のスイッチ手段は、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor - Field Effect Transistor)をスイッチ素子として用いることを特徴とする請求項9記載の増幅装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−130621(P2009−130621A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303370(P2007−303370)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】