説明

壁面保護材

【課題】 大工工事によらずとも居住者が自ら交換できるようにする。
【解決手段】本発明に係る壁面保護材10は、巾木を兼ねる防護板固定部材3と、該防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板4と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される化粧部材5とから構成してある。防護板4は、その下縁を防護板固定部材3の上縁に嵌合できるように構成してあるとともに、その上縁を固定具としてのビス12を用いて壁面1に着脱自在となるように構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に住宅内での車椅子の使用による壁仕上げの損傷を防ぐ壁面保護材に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅内の廊下や居室の壁は、例えば石膏ボードを下地材とし、その上にクロス貼りを行うといった内装仕上げが施されている。
【0003】
一方、最近では、高齢化社会の下、住宅内で車椅子を使用することが多くなってきており、車椅子のフットレストが壁面に当たって壁の内装仕上げや場合によっては内装下地材まで損傷する事態が生じてきた。
【0004】
そのため、住宅の廊下や居室の壁に腰壁やキックプレートを予め取り付けておき、壁の損傷を未然に防止していた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−294972
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、車椅子のフットレストが腰壁やキックプレートに直接あたるため、当然ながら壁を保護するための腰壁やキックプレート自体が経年的に損傷し、美観や本来的な機能喪失のために定期的な交換が必要となる。
【0007】
しかしながら、従来の腰壁やキックプレートは、見切り材とともに化粧釘や隠し釘で壁に留め付けてあるため、大工工事を余儀なくされ、居住者が自ら交換することが困難であるという問題を生じていた。
【0008】
また、例えば見切り材を取り外す際、該見切り材は傷んでいないにもかかわらず、化粧釘や隠し釘による留付けのために無理な力が作用して割れてしまい、再利用できなくなるといった問題も生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、大工工事によらずとも居住者が自ら交換が可能な壁面保護材を提供することを目的とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る壁面保護材は請求項1に記載したように、壁面と床面との取合い箇所にて該壁面に取り付けられる防護板固定部材と、該防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される化粧部材とからなる壁面保護材であって、前記防護板をその上縁がビス、ボルト等の固定具を用いて前記壁面に着脱自在となるように構成するとともに、前記化粧部材が前記防護板の上縁に嵌合された状態において前記固定具が該化粧部材で覆われるように前記化粧部材を構成したものである。
【0011】
また、本発明に係る壁面保護材は請求項2に記載したように、壁面と床面との取合い箇所にて該壁面に取り付けられる第一の防護板固定部材と、該第一の防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される第二の防護板固定部材と、該第二の防護板固定部材に着脱自在に嵌合される化粧部材とからなる壁面保護材であって、前記第二の防護板固定部材をビス、ボルト等の固定具を用いて前記壁面に着脱自在となるように構成するとともに、前記化粧部材が前記第二の防護板固定部材に嵌合された状態において前記固定具が該化粧部材で覆われるように前記化粧部材を構成したものである。
【0012】
また、本発明に係る壁面保護材は請求項3に記載したように、壁面と床面との取合い箇所にて該壁面に取り付けられる防護板固定部材と、該防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板と、該防護板の上縁に着脱自在に取り付けられる化粧部材とからなる壁面保護材であって、前記防護板をその上縁がビス、ボルト等の固定具及び該固定具が挿通される座金部材を用いて前記壁面に着脱自在となるように構成するとともに前記座金部材をその上端が前記防護板の上縁から突出するように該防護板に取り付けて突出端部とし、前記化粧部材が前記座金部材の突出端部に係止できるようにかつ前記化粧部材が係止された状態において前記固定具及び前記座金部材が該化粧部材で覆われるように前記化粧部材を構成したものである。
【0013】
また、本発明に係る壁面保護材は請求項4に記載したように、壁面と床面との取合い箇所にて該壁面に取り付けられる第一の防護板固定部材と、該第一の防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される第二の防護板固定部材と、該第二の防護板固定部材に着脱自在に取り付けられる化粧部材とからなる壁面保護材であって、前記第二の防護板固定部材をビス、ボルト等の固定具及び該固定具が挿通される座金部材を用いて前記壁面に着脱自在となるように構成するとともに、前記座金部材をその上端が前記第二の防護板固定部材の上縁から突出するように該第二の防護板固定部材に取り付けて突出端部とし、前記化粧部材が前記座金部材の突出端部に係止できるようにかつ前記化粧部材が係止された状態において前記固定具及び前記座金部材が該化粧部材で覆われるように前記化粧部材を構成したものである。
【0014】
請求項1に係る壁面保護材においては、防護板をその上縁がビス、ボルト等の固定具を用いて壁面に着脱自在となるように構成するとともに、化粧部材を防護板の上縁に着脱自在に嵌合されるように構成してある。
【0015】
そのため、防護板を交換するにあたっては、化粧部材をいったん防護板から取り外し、次いで、固定具をドライバー等で緩めるという作業だけで足りることとなり、防護板の交換作業をきわめて容易に行うことができる。
【0016】
防護板は、その下縁を巾木を兼ねる防護板固定部材に差し込むようにして嵌合してあるとともに、その両側縁を隣接する別の防護板にそれぞれ嵌合してあるため、交換にあたっては、交換すべき既設の防護板を上方に引き抜くとともに、新しい防護板を逆の手順で上方から落とし込み、その下縁を防護板固定部材に差し込んで嵌着した後、防護板の上縁を固定具を用いて壁面に取り付け、しかる後、化粧部材を防護板の上縁に嵌め込めばよい。
【0017】
このように、防護板の交換作業に必要な工具は、ビスやボルトといった固定具を緩めたりねじ込んだりするドライバー等の工具だけで足りるとともに、かかる工具も居住者が日常的に取り扱っていることが多いため、作業は簡易なものとなり、かくして、専門業者による大工工事でなくとも、居住者自らの作業によって防護板の交換が可能となる。
【0018】
なお、化粧部材が防護板の上縁に嵌合された状態において、固定具が該化粧部材で覆われるように化粧部材を構成してあるため、通常時は、ビスやボルトといった固定具が化粧部材で隠れて見えない。それゆえ、住宅内の美観を損ねるおそれはない。
【0019】
防護板は、壁の損傷を防止するために壁面に取り付けるものであり、例えば腰壁材やキックプレートを用いることができる。
【0020】
請求項2に係る壁面保護材においては、第二の防護板固定部材を防護板の上縁に着脱自在に嵌合できるように構成するとともに、該第二の防護板固定部材をビス、ボルト等の固定具を用いて壁面に着脱自在となるように構成し、化粧部材を第二の防護板固定部材に着脱自在に嵌合されるように構成してある。
【0021】
そのため、防護板を交換するにあたっては、化粧部材をいったん第二の防護板固定部材から取り外し、引き続き、固定具をドライバー等で緩めて第二の防護板固定部材を取り外すという作業だけで足りることとなり、防護板の交換作業をきわめて容易に行うことができる。
【0022】
防護板は、その下縁を巾木を兼ねる第一の防護板固定部材に差し込むようにして嵌合してあるとともに、その両側縁を隣接する別の防護板にそれぞれ嵌合してあるため、交換にあたっては、交換すべき既設の防護板を上方に引き抜くとともに、新しい防護板を逆の手順で上方から落とし込み、その下縁を第一の防護板固定部材に差し込んで嵌着した後、第二の防護板固定部材を防護板の上縁に嵌め込み、次いで、第二の防護板固定部材を固定具を用いて壁面に取り付け、しかる後、化粧部材を第二の防護板固定部材に嵌め込めばよい。
【0023】
このように、防護板の交換作業に必要な工具は、ビスやボルトといった固定具を緩めたりねじ込んだりするドライバー等の工具だけで足りるとともに、かかる工具も居住者が日常的に取り扱っていることが多いため、作業は簡易なものとなり、かくして、専門業者による大工工事でなくとも、居住者自らの作業によって防護板の交換が可能となる。
【0024】
なお、化粧部材が第二の防護板固定部材に嵌合された状態において、固定具が該化粧部材で覆われるように化粧部材を構成してあるため、通常時は、ビスやボルトといった固定具が化粧部材で隠れて見えない。それゆえ、住宅内の美観を損ねるおそれはない。
【0025】
防護板は、壁の損傷を防止するために壁面に取り付けるものであり、例えば腰壁材やキックプレートを用いることができる。
【0026】
請求項3に係る壁面保護材においては、防護板をその上縁がビス、ボルト等の固定具及び該固定具が挿通される座金部材を用いて壁面に着脱自在となるように構成するとともに、座金部材をその上端が防護板の上縁から突出するように該防護板に取り付けて突出端部とし、かかる座金部材の突出端部に化粧部材が係止できるように該化粧部材を構成してある。
【0027】
そのため、防護板を交換するにあたっては、座金部材の突出端部に係止されている化粧部材をいったん取り外し、次いで、固定具をドライバー等で緩めるという作業だけで足りることとなり、防護板の交換作業をきわめて容易に行うことができる。
【0028】
防護板は、その下縁を巾木を兼ねる防護板固定部材に差し込むようにして嵌合してあるとともに、その両側縁を隣接する別の防護板にそれぞれ嵌合してあるため、交換にあたっては、交換すべき既設の防護板を上方に引き抜くとともに、新しい防護板を逆の手順で上方から落とし込み、その下縁を防護板固定部材に差し込んで嵌着した後、防護板の上縁を固定具及び座金部材を用いて壁面に取り付け、しかる後、化粧部材に形成された係止凹部を座金部材の突出端部に係止することで該化粧部材を防護板の上縁に取り付ければよい。
【0029】
このように、防護板の交換作業に必要な工具は、ビスやボルトといった固定具を緩めたりねじ込んだりするドライバー等の工具だけで足りるとともに、かかる工具も居住者が日常的に取り扱っていることが多いため、作業は簡易なものとなり、かくして、専門業者による大工工事でなくとも、居住者自らの作業によって防護板の交換が可能となる。
【0030】
なお、化粧部材が係止された状態において固定具及び座金部材が化粧部材で覆われるように化粧部材を構成してあるため、通常時は、ビスやボルトといった固定具及び座金部材が化粧部材で隠れて見えない。それゆえ、住宅内の美観を損ねるおそれはない。
【0031】
防護板は、壁の損傷を防止するために壁面に取り付けるものであり、例えば腰壁材やキックプレートを用いることができる。
【0032】
請求項4に係る壁面保護材においては、第二の防護板固定部材を防護板の上縁に着脱自在に嵌合できるように構成するとともに、該第二の防護板固定部材をビス、ボルト等の固定具及び該固定具が挿通される座金部材を用いて壁面に着脱自在となるように構成し、座金部材をその上端が第二の防護板固定部材の上縁から突出するように該第二の防護板固定部材に取り付けて突出端部とし、かかる座金部材の突出端部に化粧部材を係止できるように構成してある。
【0033】
そのため、防護板を交換するにあたっては、化粧部材をいったん第二の防護板固定部材から取り外し、引き続き、固定具をドライバー等で緩めて第二の防護板固定部材を取り外すという作業だけで足りることとなり、防護板の交換作業をきわめて容易に行うことができる。
【0034】
防護板は、その下縁を巾木を兼ねる第一の防護板固定部材に差し込むようにして嵌合してあるとともに、その両側縁を隣接する別の防護板にそれぞれ嵌合してあるため、交換にあたっては、交換すべき既設の防護板を上方に引き抜くとともに、新しい防護板を逆の手順で上方から落とし込み、その下縁を第一の防護板固定部材に差し込んで嵌着した後、第二の防護板固定部材を防護板の上縁に嵌め込み、次いで、第二の防護板固定部材を固定具及び座金部材を用いて壁面に取り付け、しかる後、化粧部材に形成された係止凹部を座金部材の突出端部に係止することで該化粧部材を第二の防護板固定部材に取り付ければよい。
【0035】
このように、防護板の交換作業に必要な工具は、ビスやボルトといった固定具を緩めたりねじ込んだりするドライバー等の工具だけで足りるとともに、かかる工具も居住者が日常的に取り扱っていることが多いため、作業は簡易なものとなり、かくして、専門業者による大工工事でなくとも、居住者自らの作業によって防護板の交換が可能となる。
【0036】
なお、化粧部材が座金部材に係止された状態において、固定具及び座金部材が該化粧部材で覆われるように化粧部材を構成してあるため、通常時は、ビスやボルトといった固定具及び座金部材が化粧部材で隠れて見えない。それゆえ、住宅内の美観を損ねるおそれはない。
【0037】
防護板は、壁の損傷を防止するために壁面に取り付けるものであり、例えば腰壁材やキックプレートを用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明に係る壁面保護材の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0039】
(第1実施形態)
【0040】
図1は、本実施形態に係る壁面保護材10を示した全体斜視図及び水平断面図、図2は鉛直断面図及び詳細図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る壁面保護材10は、巾木を兼ねる防護板固定部材3と、該防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板4と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される化粧部材5とから構成してある。
【0041】
防護板固定部材3は、石膏ボードを内装下地材とした壁8の壁面1と床面2との取合い箇所にて該壁面に取り付けてある。
【0042】
防護板4は、木質系腰壁材やキックプレートで構成することができる。
【0043】
ここで、防護板4は図2でよくわかるように、その下縁を防護板固定部材3の上縁に嵌合できるように構成してあるとともに、その上縁を固定具としてのビス12を用いて壁面1に着脱自在となるように構成してある。
【0044】
すなわち、巾木を兼ねる防護板固定部材3の上縁には嵌合溝が形成してあり、かかる嵌合溝に防護板4の下縁に形成された突条が嵌合されるようになっているとともに、防護板4にはその上縁に沿って化粧部材5の背面21が当接される肩部24を形成してあり、該肩部の正面からビス12がねじ込まれるようになっている。
【0045】
ビス12は、防護板4に形成された肩部24の正面からねじ込まれ、壁8を貫通した上、間柱6に取り付けられた下地材7に螺着されるようになっているが、防護板4の肩部24及び壁8に予めビス孔を設けておくことにより、ビス12のねじ込み及び取外しを繰り返すことによる防護板4の肩部24及び壁8の損傷を未然に防止することができる。
【0046】
化粧部材5は、長尺状の板材であって概ねJ字状断面をなし、上方に形成された凹部22に防護板4の肩部24に形成された突条25を嵌め込むことができるようになっているとともに、かかる嵌合状態において肩部24の正面に背面21が当接され、ビス12を覆うことができるようになっている。
【0047】
なお、化粧部材5に形成された凹部22に防護板4の肩部24に形成された突条25を嵌合したとき、化粧部材5の爪23が突条25の壁側背面と壁面1との間にちょうど嵌め込まれるよう、突条25を適宜形成しておく。
【0048】
本実施形態に係る壁面保護材10を組み立てるには、まず図3(a)に示すように、隠し釘等を用いて防護板固定部材3を壁面1と床面2との取合い箇所に取り付け、次いで、防護板4の下縁に形成された突条を防護板固定部材3の上縁に形成された凹部に嵌め込むことによって防護板4を防護板固定部材3に嵌着する。
【0049】
次に同図(b)に示すように、防護板4の上縁に沿って形成された肩部24をビス12で壁面1に留め付ける。
【0050】
次に同図(c)及び(d)に示すように、肩部24の突条25を化粧部材5に形成された凹部22に嵌め込むようにして、化粧部材5を防護板4の上縁に嵌合させる。
【0051】
一方、車椅子のフットレストがぶつかることによって防護板4の美観が低下しあるいは壁8を保護するという本来の機能が低下した場合には、以下の手順で防護板4を取り替える。
【0052】
すなわち、まず、化粧部材5を引き上げるようにして防護板4から取り外す。この作業は、化粧部材5と防護板4との間にデザインを兼ねて形成された隙間11(図1参照)に例えばドライバーの先端を差し込んで軽く起こすことで簡単に行うことができる。
【0053】
次に、ビス12を緩めてこれらを抜き取り、次いで、防護板4を取り外す。
【0054】
なお、防護板4は、その下縁を防護板固定部材3に差し込むようにして嵌合してあるとともに、図1(b)でわかるようにその両側縁を隣接する別の防護板4にそれぞれ嵌合してあるので、上方に引き抜くようにして取り外せばよい。
【0055】
次に、新しい防護板4を上方から落とし込み、その下縁を防護板固定部材3に差し込んで嵌着する。
【0056】
後は、既に述べた最初の組立手順と同様であり、防護板4の上縁をビス12で壁面1に留め付け、しかる後、化粧部材5を元通り、防護板4の上縁に嵌め込めばよい。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る壁面保護材10によれば、防護板4の上縁をビス12を用いて壁面1に着脱自在に留め付けるようにするとともに、化粧部材5を防護板4の上縁に着脱自在に嵌合できるように構成したので、防護板4を交換するにあたっては、化粧部材5をいったん防護板4から取り外し、次いで、ビス12をドライバー等で緩めるという作業だけで足りることとなり、防護板4の交換作業をきわめて容易に行うことが可能となる。
【0058】
すなわち、防護板4の交換作業に必要な工具は、ビス12を緩めたりねじ込んだりするドライバーだけで足りるとともに、かかるドライバーも居住者が日常的に取り扱っていることが多いため、作業は簡易なものとなり、かくして、専門業者による大工工事でなくとも、居住者自らの作業によって防護板4の交換が可能となる。
【0059】
また、本実施形態に係る壁面保護材10によれば、化粧部材5が防護板4の上縁に嵌合された状態において、ビス12が該化粧部材で覆われるように化粧部材5を構成してあるため、通常時は、化粧部材5でビス12を隠すことが可能となり、住宅内の美観を損ねる懸念もない。
【0060】
また、本実施形態に係る壁面保護材10によれば、化粧部材5の取外しの際、該化粧部材に相当する従来の見切り材のように、無理な力が作用して割れてしまうといった事態が生じるおそれがなくなり、化粧部材5の再利用が可能となる。
【0061】
(第2実施形態)
【0062】
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図4は、本実施形態に係る壁面保護材40を示した全体斜視図及び水平断面図、図5は鉛直断面図及び詳細図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る壁面保護材40は、巾木を兼ねる第一の防護板固定部材3aと、該第一の防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板41と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される第二の防護板固定部材42と、該第二の防護板固定部材に着脱自在に嵌合される化粧部材43とから構成してある。
【0064】
第一の防護板固定部材3aは、石膏ボードを内装下地材とした壁8の壁面1と床面2との取合い箇所にて該壁面に取り付けてある。
【0065】
防護板41は、木質系腰壁材やキックプレートで構成することが可能であり、図5でよくわかるように、その下縁を第一の防護板固定部材3aの上縁に嵌合できるように構成してある。
【0066】
すなわち、巾木を兼ねる第一の防護板固定部材3aの上縁には嵌合溝が形成してあり、かかる嵌合溝に防護板41の下縁に形成された突条が嵌合されるようになっている。
【0067】
一方、第二の防護板固定部材42は、その下縁に形成された突条56を防護板41の上縁に形成された嵌合溝57に嵌め込むことができるように構成してあるとともに、固定具としてのビス12を正面54からねじ込んで壁面1に着脱自在となるように構成してある。
【0068】
ビス12は、第二の防護板固定部材42の正面54からねじ込まれ、壁8を貫通した上、間柱6に取り付けられた下地材7に螺着されるようになっているが、第二の防護板固定部材42及び壁8に予めビス孔を設けておくことにより、ビス12のねじ込み及び取外しを繰り返すことによる第二の防護板固定部材42及び壁8の損傷を未然に防止することができる。
【0069】
化粧部材43は、長尺状の板材であって概ねJ字状断面をなし、上方に形成された凹部52に第二の防護板固定部材42に形成された突条55を嵌め込むことができるようになっているとともに、かかる嵌合状態において第2の防護板固定部材42の正面54に背面51が当接され、ビス12を覆うことができるようになっている。
【0070】
なお、化粧部材43に形成された凹部52に第二の防護板固定部材42に形成された突条55を嵌合したとき、化粧部材43の爪53が突条55の壁側背面と壁面1との間にちょうど嵌め込まれるよう、突条55を適宜形成しておく。
【0071】
本実施形態に係る壁面保護材40を組み立てるには、まず図6(a)に示すように、隠し釘等を用いて第一の防護板固定部材3aを壁面1と床面2との取合い箇所に取り付け、次いで、防護板41の下縁に形成された突条を第一の防護板固定部材3aの上縁に形成された凹部に嵌め込むことによって防護板41を第一の防護板固定部材3aに嵌着する。
【0072】
次に、同図(b)に示すように、防護板41の上縁に形成された嵌合溝57に第二の防護板固定部材42の下縁に形成された突条56を嵌め込むことで第二の防護板固定部材42を防護板41に嵌着する。
【0073】
次に同図(c)に示すように、固定具としてのビス12を第二の防護板固定部材42の正面54からねじ込んで壁面1に留め付ける。
【0074】
次に同図(c)及び(d)に示すように、第二の防護板固定部材42に形成された突条55を化粧部材43に形成された凹部52に嵌め込むようにして、化粧部材43を第二の防護板固定部材42の上縁に嵌合させる。
【0075】
一方、車椅子のフットレストがぶつかることによって防護板41の美観が低下しあるいは壁8を保護するという本来の機能が低下した場合には、以下の手順で防護板41を取り替える。
【0076】
すなわち、まず、化粧部材43を引き上げるようにして第二の防護板固定部材42から取り外す。この作業は、化粧部材43と第2の防護板固定部材42との間にデザインを兼ねて形成された隙間11(図4参照)に例えばドライバーの先端を差し込んで軽く起こすことで簡単に行うことができる。
【0077】
次に、ビス12を緩めてこれらを抜き取り、次いで、第二の防護板固定部材42を取外し、引き続いて防護板41を取り外す。
【0078】
なお、防護板41は、その下縁を第一の防護板固定部材3aに差し込むようにして嵌合してあるとともに、図4(b)でわかるようにその両側縁を隣接する別の防護板41にそれぞれ嵌合してあるので、上方に引き抜くようにして取り外せばよい。
【0079】
次に、新しい防護板41を上方から落とし込み、その下縁を第一の防護板固定部材3aに差し込んで嵌着する。
【0080】
後は、既に述べた最初の組立手順と同様であり、第二の防護板固定部材42を防護板41の上縁に嵌合した後、該第二の防護板固定部材をビス12で壁面1に留め付け、しかる後、化粧部材43を元通り、第二の防護板固定部材42の上縁に嵌め込めばよい。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る壁面保護材40によれば、第二の防護板固定部材42をビス12を用いて壁面1に着脱自在に留め付けるようにするとともに、化粧部材43を第二の防護板固定部材42に着脱自在に嵌合できるように構成したので、防護板41を交換するにあたっては、化粧部材43をいったん第二の防護板固定部材42から取り外し、次いで、ビス12をドライバー等で緩めて該第二の防護板固定部材を取り外すという作業だけで足りることとなり、防護板41の交換作業をきわめて容易に行うことが可能となる。
【0082】
すなわち、防護板41の交換作業に必要な工具は、ビス12を緩めたりねじ込んだりするドライバーだけで足りるとともに、かかるドライバーも居住者が日常的に取り扱っていることが多いため、作業は簡易なものとなり、かくして、専門業者による大工工事でなくとも、居住者自らの作業によって防護板41の交換が可能となる。
【0083】
また、本実施形態に係る壁面保護材40によれば、化粧部材43が第二の防護板固定部材42に嵌合された状態において、ビス12が該化粧部材で覆われるように化粧部材43を構成してあるため、通常時は、化粧部材43でビス12を隠すことが可能となり、住宅内の美観を損ねる懸念もない。
【0084】
また、本実施形態に係る壁面保護材40によれば、第二の防護板固定部材42を介して化粧部材43を防護板41に取り付けるようにしたので、従来から市販ないしは使用されている防護板を本実施形態の防護板41として利用することが可能となり、汎用性を高めることができる。
【0085】
また、本実施形態に係る壁面保護材40によれば、化粧部材43の取外しの際、該化粧部材に相当する従来の見切り材のように、無理な力が作用して割れてしまうといった事態が生じるおそれがなくなり、化粧部材43の再利用が可能となる。
【0086】
(第3実施形態)
【0087】
次に、第3実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0088】
図7は、本実施形態に係る壁面保護材70を示した全体斜視図及び水平断面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る壁面保護材70は、巾木を兼ねる防護板固定部材3bと、該防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板71と、該防護板の上縁に取り付けられる化粧部材75とから構成してある。
【0089】
防護板固定部材3bは、石膏ボードを内装下地材とした壁8の壁面1と床面2との取合い箇所にて該壁面に取り付けてある。
【0090】
防護板71は、木質系腰壁材やキックプレートで構成することができる。
【0091】
ここで、防護板71は、その下縁を防護板固定部材3bの上縁に嵌合できるように構成してあるとともに、その上縁を固定具としてのビス12及び該ビスが挿通される座金部材72を用いて壁面1に着脱自在となるように構成してある。
【0092】
すなわち、巾木を兼ねる防護板固定部材3bの上縁には嵌合溝が形成してあり、かかる嵌合溝に防護板71の下縁に形成された突条が嵌合されるようになっているとともに、防護板71にはその上縁に沿って肩部73及び肩部74をひな壇状に形成してあり、肩部73は、その正面に化粧部材75の背面81が当接され、肩部74は、その正面に座金部材72が当接されるとともに該座金部材のビス孔にビス12を挿通して該ビスがねじ込まれるようになっている。
【0093】
ビス12は、防護板71に形成された肩部74の正面からねじ込まれ、壁8を貫通した上、間柱6に取り付けられた下地材7に螺着されるようになっているが、防護板71の肩部74及び壁8に予めビス孔を設けておくことにより、ビス12のねじ込み及び取外しを繰り返すことによる防護板71の肩部74及び壁8の損傷を未然に防止することができる。
【0094】
座金部材72は、例えば矩形状の鋼製プレートを用いて構成することが可能であり、上下二段にビス孔を設けてある。かかる座金部材72は、図7に示すように例えば防護板71の両端近傍に二カ所ずつ設ければよい。
【0095】
ここで、座金部材72は、その上端が防護板71の上縁、より具体的には肩部74の上縁から突出するように該防護板に取り付けてある。
【0096】
化粧部材75は、長尺状の板材であって概ねJ字状断面をなし、肩部74の上縁から突出している座金部材72の突出端部に係止できるようになっているとともに、かかる係止状態において肩部73の正面及び座金部材72に背面81が当接され、ビス12及び座金部材72を覆うことができるようになっている。
【0097】
本実施形態に係る壁面保護材70を組み立てるには、まず図8(a)に示すように、隠し釘等を用いて防護板固定部材3bを壁面1と床面2との取合い箇所に取り付け、次いで、防護板71の下縁に形成された突条を防護板固定部材3bの上縁に形成された凹部に嵌め込むことによって防護板71を防護板固定部材3bに嵌着する。
【0098】
次に同図(b)に示すように、防護板71の上縁に沿って形成された肩部74に座金部材72をあてがい、該座金部材に形成されたビス孔にビス12を挿通した上、該ビスで防護板71を壁面1に留め付ける。
【0099】
次に同図(c)及び(d)に示すように、化粧部材75を座金部材72の突出端部に係止する。
【0100】
一方、車椅子のフットレストがぶつかることによって防護板71の美観が低下しあるいは壁8を保護するという本来の機能が低下した場合には、以下の手順で防護板71を取り替える。
【0101】
すなわち、まず、化粧部材75を引き上げるようにして防護板71から取り外す。この作業は、化粧部材75と防護板71との間にデザインを兼ねて形成された隙間に例えばドライバーの先端を差し込んで軽く起こすことで簡単に行うことができる。
【0102】
次に、ビス12を緩めて該ビス及び座金部材72を取外し、引き続いて防護板71を取り外す。
【0103】
なお、防護板71は、その下縁を防護板固定部材3bに差し込むようにして嵌合してあるとともに、図7(b)でわかるようにその両側縁を隣接する別の防護板71にそれぞれ嵌合してあるので、上方に引き抜くようにして取り外せばよい。
【0104】
次に、新しい防護板71を上方から落とし込み、その下縁を防護板固定部材3bに差し込んで嵌着する。
【0105】
後は、既に述べた最初の組立手順と同様であり、防護板71の上縁をビス12及び座金部材72で壁面1に留め付け、しかる後、化粧部材75を元通り、座金部材72の突出端部に係止すればよい。
【0106】
以上説明したように、本実施形態に係る壁面保護材70によれば、防護板71の上縁をビス12及び座金部材72を用いて壁面1に着脱自在に留め付けるようにするとともに、化粧部材75を座金部材72の突出端部に係止して取り付けるように構成したので、防護板71を交換するにあたっては、座金部材72の突出端部から化粧部材75をいったん取り外し、次いで、ビス12をドライバー等で緩めるという作業だけで足りることとなり、防護板71の交換作業をきわめて容易に行うことが可能となる。
【0107】
すなわち、防護板71の交換作業に必要な工具は、ビス12を緩めたりねじ込んだりするドライバーだけで足りるとともに、かかるドライバーも居住者が日常的に取り扱っていることが多いため、作業は簡易なものとなり、かくして、専門業者による大工工事でなくとも、居住者自らの作業によって防護板4の交換が可能となる。
【0108】
また、本実施形態に係る壁面保護材70によれば、座金部材72を介して化粧部材75が防護板71の上縁に取り付けられた状態において、ビス12及び座金部材72が該化粧部材で覆われるように化粧部材75を構成してあるため、通常時は、化粧部材75でビス12及び座金部材72を隠すことが可能となり、住宅内の美観を損ねる懸念もない。
【0109】
また、本実施形態に係る壁面保護材70によれば、座金部材72を介して防護板71の上縁をビス留めするようにしたので、防護板71の損傷を未然に防止することが可能となる。
【0110】
また、本実施形態に係る壁面保護材70によれば、化粧部材75の取外しの際、該化粧部材に相当する従来の見切り材のように、無理な力が作用して割れてしまうといった事態が生じるおそれがなくなり、化粧部材75の再利用が可能となる。
【0111】
(第4実施形態)
【0112】
次に、第4実施形態について説明する。なお、上述の実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0113】
図9は、本実施形態に係る壁面保護材90を示した全体斜視図及び水平断面図、図10は施工手順を示した図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る壁面保護材90は、巾木を兼ねる第一の防護板固定部材3cと、該第一の防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板91と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される第二の防護板固定部材92と、該第二の防護板固定部材に取り付けられる化粧部材95とから構成してある。
【0114】
第一の防護板固定部材3cは、石膏ボードを内装下地材とした壁8の壁面1と床面2との取合い箇所にて該壁面に取り付けてある。
【0115】
防護板91は、木質系腰壁材やキックプレートで構成することが可能であり、図10でよくわかるように、その下縁を第一の防護板固定部材3cの上縁に嵌合できるように構成してある。
【0116】
すなわち、巾木を兼ねる第一の防護板固定部材3cの上縁には嵌合溝が形成してあり、かかる嵌合溝に防護板91の下縁に形成された突条が嵌合されるようになっている。
【0117】
一方、第二の防護板固定部材92は、クランク状断面となるように基部93及び該基部に延設された肩部94とからなり、基部93の下縁に形成された突条97を防護板91の上縁に形成された嵌合溝98に嵌め込むことができるように構成してあるとともに、固定具としてのビス12及び該ビスが挿通される座金部材72を用いて壁面1に着脱自在となるように構成してある。
【0118】
ここで、第二の防護板固定部材92は、基部93の正面が化粧部材95の背面96に当接されるとともに、肩部94の正面に座金部材72が当接され該座金部材のビス孔にビス12を挿通して該ビスがねじ込まれるようになっている。
【0119】
ビス12は、第二の防護板固定部材92に形成された肩部94の正面からねじ込まれ、壁8を貫通した上、間柱6に取り付けられた下地材7に螺着されるようになっているが、第二の防護板固定部材92の肩部94及び壁8に予めビス孔を設けておくことにより、ビス12のねじ込み及び取外しを繰り返すことによる第二の防護板固定部材92の肩部94及び壁8の損傷を未然に防止することができる。
【0120】
座金部材72は、その上端が第二の防護板固定部材92の上縁、より具体的には肩部94の上縁から突出するように該第二の防護板固定部材に取り付けてある。
【0121】
化粧部材95は、長尺状の板材であって概ねJ字状断面をなし、肩部94の上縁から突出している座金部材72の突出端部に係止できるようになっているとともに、かかる係止状態において基部93の正面及び座金部材72に背面96が当接され、ビス12及び座金部材72を覆うことができるようになっている。
【0122】
本実施形態に係る壁面保護材90を組み立てるには、まず図10(a)に示すように、隠し釘等を用いて第一の防護板固定部材3cを壁面1と床面2との取合い箇所に取り付け、次いで、防護板91の下縁に形成された突条を第一の防護板固定部材3cの上縁に形成された凹部に嵌め込むことによって防護板91を第一の防護板固定部材3cに嵌着する。
【0123】
次に、同図(b)に示すように、防護板91の上縁に形成された嵌合溝98に第二の防護板固定部材92の基部93の下端に形成された突条97を嵌め込むことで第二の防護板固定部材92を防護板91に嵌着する。
【0124】
次に、第二の防護板固定部材92に形成された肩部94に座金部材72をあてがい、該座金部材に形成されたビス孔にビス12を挿通した上、該ビスで第二の防護板固定部材92を壁面1に留め付ける。
【0125】
次に同図(c)及び(d)に示すように、化粧部材95を座金部材72の突出端部に係止する。
【0126】
一方、車椅子のフットレストがぶつかることによって防護板91の美観が低下しあるいは壁8を保護するという本来の機能が低下した場合には、以下の手順で防護板91を取り替える。
【0127】
すなわち、まず、化粧部材95を引き上げるようにして第二の防護板固定部材92から取り外す。この作業は、化粧部材95と防護板91との間にデザインを兼ねて形成された隙間に例えばドライバーの先端を差し込んで軽く起こすことで簡単に行うことができる。
【0128】
次に、ビス12を緩めて該ビス及び座金部材72を取外し、第二の防護板固定部材92と防護板91とを順次取り外す。
【0129】
なお、防護板91は、その下縁を第一の防護板固定部材3cに差し込むようにして嵌合してあるとともに、図9(b)でわかるようにその両側縁を隣接する別の防護板91にそれぞれ嵌合してあるので、上方に引き抜くようにして取り外せばよい。
【0130】
次に、新しい防護板91を上方から落とし込み、その下縁を第一の防護板固定部材3cに差し込んで嵌着する。
【0131】
後は、既に述べた最初の組立手順と同様であり、第二の防護板固定部材92を防護板91の上縁に嵌合した後、第二の防護板固定部材92をビス12及び座金部材72で壁面1に留め付け、しかる後、化粧部材95を元通り、座金部材72の突出端部に係止すればよい。
【0132】
以上説明したように、本実施形態に係る壁面保護材90によれば、第二の防護板固定部材92をビス12及び座金部材72を用いて壁面1に着脱自在に留め付けるようにするとともに、化粧部材95を座金部材72の突出端部に係止して取り付けるように構成したので、防護板91を交換するにあたっては、座金部材72の突出端部から化粧部材95をいったん取り外し、次いで、ビス12をドライバー等で緩めるという作業だけで足りることとなり、防護板91の交換作業をきわめて容易に行うことが可能となる。
【0133】
すなわち、防護板91の交換作業に必要な工具は、ビス12を緩めたりねじ込んだりするドライバーだけで足りるとともに、かかるドライバーも居住者が日常的に取り扱っていることが多いため、作業は簡易なものとなり、かくして、専門業者による大工工事でなくとも、居住者自らの作業によって防護板91の交換が可能となる。
【0134】
また、本実施形態に係る壁面保護材90によれば、座金部材72を介して化粧部材95が第二の防護板固定部材92に取り付けられた状態において、ビス12及び座金部材72が該化粧部材で覆われるように化粧部材95を構成してあるため、通常時は、化粧部材95でビス12及び座金部材72を隠すことが可能となり、住宅内の美観を損ねる懸念もない。
【0135】
また、本実施形態に係る壁面保護材90によれば、第二の防護板固定部材92を介して化粧部材95を防護板91に取り付けるようにしたので、従来から市販ないしは使用されている防護板を本実施形態の防護板91として利用することが可能となり、汎用性を高めることができる。
【0136】
また、本実施形態に係る壁面保護材90によれば、座金部材72を介して第二の防護板固定部材92をビス留めするようにしたので、第二の防護板固定部材92の損傷を未然に防止することが可能となる。
【0137】
また、本実施形態に係る壁面保護材90によれば、化粧部材95の取外しの際、該化粧部材に相当する従来の見切り材のように、無理な力が作用して割れてしまうといった事態が生じるおそれがなくなり、化粧部材95の再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】第1実施形態に係る壁面保護材の図であり、(a)は全体斜視図、(b)はA−A断面に沿った水平断面図。
【図2】第1実施形態に係る壁面保護材の図であり、(a)は図1のB−B断面に沿った鉛直断面図、(b)は化粧部材の断面図、(c)は防護板4の詳細断面図。
【図3】第1実施形態に係る壁面保護材の組立手順を示した図。
【図4】第2実施形態に係る壁面保護材の図であり、(a)は全体斜視図、(b)はC−C断面に沿った水平断面図。
【図5】第2実施形態に係る壁面保護材の図であり、(a)は図1のD−D断面に沿った鉛直断面図、(b)は化粧部材の断面図、(c)は第二の防護板固定部材42の詳細断面図、(d)は防護板41の詳細断面図。
【図6】第2実施形態に係る壁面保護材の組立手順を示した図。
【図7】第3実施形態に係る壁面保護材の図であり、(a)は全体斜視図、(b)はE−E断面に沿った水平断面図。
【図8】第3実施形態に係る壁面保護材の組立手順を示した図。
【図9】第4実施形態に係る壁面保護材の図であり、(a)は全体斜視図、(b)はF−F断面に沿った水平断面図。
【図10】第4実施形態に係る壁面保護材の組立手順を示した図。
【符号の説明】
【0139】
3,3b 防護板固定部材
3a,3c 第一の防護板固定部材
4,40,41,71,91 防護板
5,43,75 化粧部材
10,40,70,90 壁面保護材
12 ビス(固定具)
42,92 第二の防護板固定部材
72 座金部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面と床面との取合い箇所にて該壁面に取り付けられる防護板固定部材と、該防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される化粧部材とからなる壁面保護材であって、前記防護板をその上縁がビス、ボルト等の固定具を用いて前記壁面に着脱自在となるように構成するとともに、前記化粧部材が前記防護板の上縁に嵌合された状態において前記固定具が該化粧部材で覆われるように前記化粧部材を構成したことを特徴とする壁面保護材。
【請求項2】
壁面と床面との取合い箇所にて該壁面に取り付けられる第一の防護板固定部材と、該第一の防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される第二の防護板固定部材と、該第二の防護板固定部材に着脱自在に嵌合される化粧部材とからなる壁面保護材であって、前記第二の防護板固定部材をビス、ボルト等の固定具を用いて前記壁面に着脱自在となるように構成するとともに、前記化粧部材が前記第二の防護板固定部材に嵌合された状態において前記固定具が該化粧部材で覆われるように前記化粧部材を構成したことを特徴とする壁面保護材。
【請求項3】
壁面と床面との取合い箇所にて該壁面に取り付けられる防護板固定部材と、該防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板と、該防護板の上縁に着脱自在に取り付けられる化粧部材とからなる壁面保護材であって、前記防護板をその上縁がビス、ボルト等の固定具及び該固定具が挿通される座金部材を用いて前記壁面に着脱自在となるように構成するとともに前記座金部材をその上端が前記防護板の上縁から突出するように該防護板に取り付けて突出端部とし、前記化粧部材が前記座金部材の突出端部に係止できるようにかつ前記化粧部材が係止された状態において前記固定具及び前記座金部材が該化粧部材で覆われるように前記化粧部材を構成したことを特徴とする壁面保護材。
【請求項4】
壁面と床面との取合い箇所にて該壁面に取り付けられる第一の防護板固定部材と、該第一の防護板固定部材の上縁に着脱自在に嵌合される防護板と、該防護板の上縁に着脱自在に嵌合される第二の防護板固定部材と、該第二の防護板固定部材に着脱自在に取り付けられる化粧部材とからなる壁面保護材であって、前記第二の防護板固定部材をビス、ボルト等の固定具及び該固定具が挿通される座金部材を用いて前記壁面に着脱自在となるように構成するとともに、前記座金部材をその上端が前記第二の防護板固定部材の上縁から突出するように該第二の防護板固定部材に取り付けて突出端部とし、前記化粧部材が前記座金部材の突出端部に係止できるようにかつ前記化粧部材が係止された状態において前記固定具及び前記座金部材が該化粧部材で覆われるように前記化粧部材を構成したことを特徴とする壁面保護材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−241915(P2006−241915A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−61752(P2005−61752)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【Fターム(参考)】