説明

壁面緑化装置

【課題】植栽部に貯留される水の量を調節可能な壁面緑化装置を提供する。
【解決手段】支持体2が植栽部10を回動可能に支持しており、床部11と後壁部12とで画成された貯留部16内に貯留される水の許容量は、支持体2に対する植栽部10の回動位置に応じて変化する。そして、貯留部16の許容量を超えると、貯留部16の前端部の位置に設けられた排水孔13から水が排出される。従って、壁面緑化装置1においては、植栽部10を回動させることにより、植栽部10に植栽する植物の種類(水を多く必要とする抽水植物や、多くの水を必要としないセダム類等)や成長段階に応じて、植栽部10の貯留部16に貯留される水の量を調節することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を植える培地を支持する壁面緑化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、例えば、特許文献1,2に記載されたものがある。特許文献1には、建物の外壁面に、植物を植える植栽部を複数段設けた壁面緑化装置が開示され、植栽部の底部付近に設けられた通水孔により、上段の植栽部内から下段の植栽部に通水することが記載されている。また、特許文献2には、植物を植える植栽部を複数段設け、各植栽部の両端を支持体によって回動可能に支持する緑化装置が開示され、植栽部の底部に設けられた排水孔により上段の植栽部内から下段の植栽部に通水することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−215516号公報
【特許文献2】特開2009−291098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、植物は、その成長段階により必要な水の量が異なるため、必要に応じ植栽部内の培地に含まれる水の量を調節する必要がある。しかしながら、特許文献1の装置では、常に一定量の水が貯留される構成であり、貯留する水の量を調節することはできない。また、特許文献2の装置では、植栽部の底部に排水孔が設けられており、植栽部内に水を貯留することは想定されていない。
【0005】
そこで本発明は、植栽部に貯留される水の量を調節可能な壁面緑化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る壁面緑化装置は、水平方向に延在し、培地が載置される植栽部が支持体によって支持される壁面緑化装置であって、植栽部は、培地を下方から支持する床部と、床部とで水を貯める貯留部が画成されるように床部の後端部から立ち上がった後壁部と、床部における貯留部の前端部の位置に設けられた排水孔とを有し、支持体は、植栽部の延在方向に平行な軸を回動軸として、植栽部を回動可能に支持することを特徴とする。
【0007】
この壁面緑化装置においては、支持体が植栽部を回動可能に支持しており、床部と後壁部とで画成された貯留部内に貯留される水の許容量は、支持体に対する植栽部の回動位置に応じて変化する。そして、貯留部の許容量を超えると、貯留部の前端部の位置に設けられた排水孔から水が排出される。従って、本発明に係る壁面緑化装置においては、植栽部を回動させることにより、植栽部に植栽する植物の種類や成長段階に応じて、植栽部の貯留部に貯留される水の量を調節することができる。
【0008】
また、支持体による植栽部の回動範囲が、床部が水平である状態から、後壁部の上端が後方に下がるように回動させて、床部の前記排水孔と後壁部の上端とが同じ高さになる状態までの回動範囲の少なくとも一部を含むことが好適である。
この構成によれば、植栽部の回動範囲を貯留部内に水を貯留可能な適切な回動範囲とすることができる。
【0009】
また、複数段の植栽部を有し、複数段の植栽部が、互いに独立して回動可能に支持体に支持されることが好適である。
この構成によれば、植栽部を各段毎に互いに独立して回動させることにより、貯留部に貯留される水の量を植栽部の各段毎に調節することができる。
【0010】
また、複数段の植栽部が上下方向に位置合わせされており、上段に配置された植栽部の排水孔からの排水が、下段に配置された植栽部で受けられることが好適である。
この構成によれば、上段に配置された植栽部の排水孔からの排水が下段の植栽部に供給され、壁面緑化装置に供給する水を効率よく利用することができる。
【0011】
また、植栽部は、排水孔から下方に垂れるとともに排水孔から下方に排出される水を案内する垂下部を更に有することが好適である。
この構成によれば、排水孔から垂下部を伝って排水されるため、垂下部によって排水位置の調節が可能となり、所望の位置に排水することができる。
【0012】
また、垂下部は、植栽部の床部と別体で形成されることが好適である。
この構成によれば、植栽部の設計の自由度を向上させることができる。また、垂下部を床部とは異なる材料によって形成することが可能となり、垂下部として好適な材料を選択することができる。
【0013】
また、植栽部は、支持体側に、床部及び後壁部に連続して形成されるとともに植栽部の延在方向と直交する側壁部を更に有し、植栽部は、側壁部において、連結手段により支持体に連結されることが好適である。
この構成によれば、植栽部は側壁部において連結手段によって支持体に連結され、植栽部は支持体に回動可能に好適に連結される。
【0014】
また、給水源からの水を植栽部に導く導管を更に備えることが好適である。
この構成によれば、導管を通じて植栽部に水が供給され、植栽部に植栽された植物に水を供給することができる。
【0015】
また、給水源からの水を最上段の植栽部に導く導管を更に備えることが好適である。
この構成によれば、最上段の植栽部に供給された水を、最下段の植栽部まで順次供給することができ、効率よく水を利用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、植栽部に貯留される水の量が調節可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る壁面緑化装置の正面図である。
【図2】図1の壁面緑化装置を側方から見た断面図である。
【図3】図2の壁面緑化装置の植栽部の拡大断面図である。
【図4】図1の壁面緑化装置における植栽部の上面図である。
【図5】図3の植栽部を回動させた状態を示す図である。
【図6】図1の壁面緑化装置の植栽部に植物を植栽した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る壁面緑化装置の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。本明細書における「水」とは、純水や水道水、農業用水に限らず、例えば、植物の育成に利用される液体肥料等が含まれるものとする。
【0019】
図1及び図2に示されるように、壁面緑化装置1は、水平方向に延在する複数段の植栽部10と、各植栽部10の両端を支持する一対の支持体2と、支持体2の下端にそれぞれ取り付けられた一対の台座3と、台座3の下面側に取り付けられたキャスター4と、一対の支持体2の間を覆うカバー20と、支持体2の上端に一対の支持体2を跨ぐように被せられたキャップ5とを有している。
【0020】
植栽部10は、本実施形態では上下方向に5段配置され、上下方向に互いに位置合わせされている。植栽部10には、その延在方向に沿って、植物が植栽された培地41(図6参照)が載置される。なお、この培地41として、例えば、ポリウレタン等の樹脂発泡体や、ロックウール等の無機繊維をフェノール樹脂等の樹脂を接着剤として成形した成形体を用いることができ、直方体状に形成されたものが好適である。また、植栽部10に載置される直方体状に成形された培地41の数は、その大きさにより1つであっても2以上の複数であっても良い。植栽された植物の交換の容易さ等から、植栽部10の延在方向に複数の培地41を並べて載置することが好適である。
【0021】
カバー20は、一対の支持体2の間で植栽部10の背面側を覆い、最下段に配置された植栽部10の位置よりも下側の領域においては、一対の支持体2の間で植栽部10の前面側に対応する位置を覆う。また、カバー20には、最下段の植栽部10の直下に、上方から落ちる水を受ける排水受部21が設けられている。
【0022】
壁面緑化装置1の外部には、壁面緑化装置1の植栽部10に水を供給する給水源30が設けられており、給水源30は、各段の植栽部10に導管L1を介して、水を供給する。本実施形態においては、上から1段目(最上段)、3段目、5段目といった様に一段おきに、植栽部10に水を供給する。詳しくは後述するが、植栽部10に供給された水のうち、許容量を超えた水については、排水孔13(図3参照)から下方に排水される。排水は、排水受部21によって受け止められ、必要に応じて排水管L2を介して給水源30に戻される。
【0023】
次に、植栽部10の詳細について説明する。図3及び図4に示されるように、植栽部10は、培地を下方から支持する床部11と、床部11とで水を貯める貯留部16が画成されるように床部11の後端部から立ち上がった後壁部12と、床部11における貯留部16の前端部の位置に設けられた排水孔13と、植栽部10の延在方向の両端に、床部11及び後壁部12に連続して形成されるとともに、植栽部10の延在方向と直交する側壁部14と、を有している。
【0024】
植栽部10は、ステンレス等の金属板によって屈曲成型されており、床部11から後壁部12が立ち上がった形状とされている。側壁部14は、屈曲成型されていてもよく、溶接等によって床部11や後壁部12と液密に接続してもよい。なお、植栽部10は、防食性があり、載置された培地41とその培地41に植栽された植物と培地41に保持された水の合計重量に耐えられる強度を持つ材料であれば良く、金属板以外にはアクリル板、ポリカーボネート板等の樹脂板やFRP板等が挙げられる。
【0025】
植栽部10の床部11、後壁部12及び側壁部14よって、水を貯留する貯留部16が画成されている。この貯留部16は、床部11及び後壁部12によって形成されるV字状の底部を有する。貯留部16の前端部の位置の床部11には、床部11を貫通する排水孔13が設けられている。即ち、排水孔13は、後壁部12から所定距離(貯留部16の奥行き長さ)だけ離間している。排水孔13の後壁部12からの離間距離を変更することにより、貯留部16が貯留可能な水の許容量を調整することができ、上段の排水孔13から排水された水が植栽部10に載置された培地41に滴下する位置を調整することもできる。
【0026】
また、排水孔13の後壁部12からの離間距離は、床部11の後壁部12が立ち上がる側の端を0、床部11の後壁部12が立ち上がる側と反対側の端を10とした場合に3〜6の位置が好ましい。上段の排水孔13から排水された水は、植栽部10に載置された培地41に滴下した後、貯留部16に貯留されるか又は排水孔13から排水される間に培地41内を移動する。この時、離間距離が3未満であると、培地41全体に水が行き渡らず培地41に植栽された植物に水が供給できなくなるおそれがある。また、離間距離が6を超えると、培地41に植栽された植物に供給される水の量が過剰になったり、培地41に植栽された植物に直接水が滴下し培地41に水が吸収されにくくなるおそれがある。更に、離間距離が3未満であると、貯留部16に貯留可能な水の許容量が少なく培地41が乾燥しやすくなり、離間距離が6を超えると貯留部16に貯留可能な水の許容量が多くなり培地41内の水の貯留部16に貯留する時間が長くなるため、植物の成長に悪影響を与えるおそれがある。貯留部16の許容量を超えた水は、排水孔13から排出される。排水孔13は、床部11において、植栽部10の延在方向に所定の間隔を空けて複数設けられている。また、図1に示すように、植栽部10の床部11に設けられる排水孔13は、上下に隣り合う段で、植栽部10の各段毎に、植栽部10の延在方向の位置がずらされている。
【0027】
床部11上には、排水孔13から下方に垂れる垂下部150が取り付けられている。この垂下部150は、床部11に載置された垂下板15の一部であり、垂下板15は、複数の櫛歯部15aと、櫛歯部15aの基端側の端部同士を連結する本体部15bとによって構成されている。櫛歯部15aは、床部11に設けられた排水孔13に対応した位置に設けられており、壁面緑化装置の側面方向から見たときにL字状を成している。また、櫛歯部15aの先端部は、排水孔13を貫通して排水孔13から植栽部10の下方に垂れ、排水孔13から下方に排出される水を案内する。櫛歯部15aのうち、排水孔13から垂下した部位が垂下部150に相当する。垂下板15は、植栽部10同様、ステンレス等の金属によって形成されている。なお、垂下板15は、アクリル板、ポリカーボネート板等の樹脂板やFRP板等でも良い。
【0028】
また、個々の植栽部10の側壁部14には、回動軸孔14aと回動固定孔14bとが設けられている。回動軸孔14aには、ボルト17a(連結手段)が挿通され、支持体2に設けられたねじ孔にボルト17aがねじ込まれることにより、植栽部10と支持体2とがボルト17aによって回動可能に連結される。植栽部10は、ボルト17aを軸として回動する。また、回動固定孔14bは、回動軸孔14aを中心とする円弧状のスリットである。回動固定孔14bには、ボルト17b(連結手段)が挿通され、支持体2に設けられたねじ孔にボルト17aがねじ込まれることにより、植栽部10と支持体2とがボルト17bによって固定可能に連結される。以上のように、植栽部10は、回動軸孔14aに通されたボルト17aを軸として回動可能であり、また、回動固定孔14bに通されたボルト17bによって、所望の回動位置で固定される。また、ボルト17bを緩めることにより、適宜、個々の植栽部10の回動位置を変更することができる。従って、植栽部10は、各段毎に互いに独立して回動可能となっている。また、植栽部10の側壁部14と支持体2とを固定する方法は、上述のボルトを用いる方法だけでなく、例えば植栽部10の側壁部14と支持体2とを共にクリップ(連結手段)で挟んで固定する方法もある。
【0029】
植栽部10の回動範囲は、床部11が水平である状態から、後壁部12の上端が後方に下がるように回動させて、床部11の排水孔13と後壁部12の上端とが同じ高さになる状態までの回動範囲の少なくとも一部を含んでいる。この回動範囲は、例えば、床部11が水平である状態から、後壁部12の上端が後方に下がるように30度回動させた状態までの範囲とすることができる。
【0030】
このように、植栽部10を回動させることにより貯留部16に貯留される水の許容量を変えることができる。即ち、床部11が水平状態の場合には、貯留部16における水の許容量はゼロとなる。また、図3に示すように、植栽部10の状態が、床部11の後端位置が排水孔13よりわずかに低い場合、貯留部16における水の許容量は少ないものとなる。また、図5(a)に示すように、図3に示す植栽部10の回動状態から、後壁部12の上端が後方に下がるように回動させた場合、図3に示す植栽部10の状態よりも、貯留部16における水の許容量が多くなる。更に、図5(b)に示すように、図5(a)に示す植栽部10の回動状態から、後壁部12の上端が後方に下がるように回動させた場合、図5(a)に示す植栽部10の状態よりも、貯留部16における水の許容量が多くなる。
【0031】
植栽部10には導管L1から水が供給され、供給された水は貯留部16に貯留される。貯留部16に貯留される水の水位が上昇すると、排水孔13から排水される。垂下部150を設けることにより、垂下部150を伝って下方に排水されるため、床部11の裏面を伝うこと無く、所望の位置に排水させることができる。従って、図6に示すように、各植栽部10に、植物40が植えられた培地41を載置したときに、上段の植栽部10の排水孔13からの排水が、垂下部150を伝って下段の植栽部10に載置された培地41に滴下される。
【0032】
本実施形態は以上のように構成され、支持体2が植栽部10を回動可能に支持しており、床部11と後壁部12とで画成された貯留部16内に貯留される水の許容量は、支持体2に対する植栽部10の回動位置に応じて変化する。そして、貯留部16の許容量を超えると、貯留部16の前端部の位置に設けられた排水孔13から水が排出される。従って、本実施形態に係る壁面緑化装置1においては、植栽部10を回動させることにより、植栽部10に植栽する植物の種類(水を多く必要とする抽水植物や、多くの水を必要としないセダム類等)や成長段階に応じて、植栽部10の貯留部16に貯留される水の量を調節することができる。
【0033】
また、植栽部10を各段毎に互いに独立して回動させることにより、貯留部16に貯留される水の許容量を植栽部10の各段毎に調節することができる。これにより、例えば、植栽部10の各段に異なる植物を植栽した場合であっても、貯留部16内に貯留される水の量を、各段毎に最適な量とすることができる。
【0034】
また、導管L1から植栽部10に供給された水は、その一部が、植栽部10に載置された培地41によって吸水されて蓄えられる。また、植栽部10の貯留部16にも水が貯留される。貯留部16における水の許容量を超えて供給された水は、排水孔13から下段の植栽部10に排水される。下段に排水された水は、下段の植栽部10に載置された培地41の上部から吸水される。培地41による吸水可能な量を超えた水は、貯留部16によって貯留される。そして、上述の場合と同様に、貯留部16における水の許容量を超えて供給された水が、排水孔13から下段の植栽部10に排水される。このように、上段の植栽部10の排水孔13からの排水が下段の植栽部10に供給されるため、水を効率よく植栽部10に植栽された植物40に供給することができる。
【0035】
また、排水孔13から垂下部150を伝って排水されるため、垂下部150によって排水位置の調節が可能となり、所望の位置に排水することができる。
【0036】
また、垂下部150と床部11とが別体であるので、植栽部10の設計の自由度を向上させることができる。
【0037】
また、植栽部10の側壁部14に設けられた回動軸孔14a及び回動固定孔14bとボルト17a,17bを用いて、支持体2に植栽部10を回動可能に好適に連結することができる。
【0038】
また、最上段の植栽部10に水を供給することにより、最下段の植栽部10まで順次、水が供給され、効率よく水を利用することができる。
【0039】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0040】
例えば、垂下部150を、排水孔13から垂らすものとしたが、柔軟性を有するフィルム状の垂下部を排水孔13の縁に取り付けてもよい。この場合には、植栽部10の回動角度によらず、常に垂下部が真下に垂れることとなり、排水孔13から垂下部を伝ってより好適に排水することができる。このように、床部と垂下部とを別体で形成することにより、垂下部を床部とは異なる材料によって形成することが可能となり、垂下部としてポリプロピレンやポリエチレン等のフィルムやシート、綿等の天然繊維製やポリエステル等の化学繊維製の布帛等から好適な材料を選択することができる。また、板状の垂下部を排水孔13の近傍に蝶番によって取り付けてもよい。この場合にも、垂下部を常に真下に垂らすことができる。なお、床部11と垂下部150とを一体に形成してもよい。
【0041】
また、床部11に設けられた排水孔13を所定の間隔を空けて設けられた孔としたが、植栽部10の延在方向に延びるスリットであってもよい。また、植栽部10を回動可能に支持体2に支持させる構成については、適宜の機構を用いることができる。
【0042】
また、植栽部10に水を供給する際に、最上段の植栽部10だけに水を供給してもよく、全ての段の植栽部10に水を供給してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…壁面緑化装置、2…支持体、10…植栽部、11…床部、12…後壁部、13…排水孔、14…側壁部、16…貯留部、17a,17b…ボルト(連結手段)、30…給水源、150…垂下部、L1…導管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に延在し、培地が載置される植栽部が支持体によって支持される壁面緑化装置であって、
前記植栽部は、前記培地を下方から支持する床部と、前記床部とで水を貯める貯留部が画成されるように前記床部の後端部から立ち上がった後壁部と、前記床部における前記貯留部の前端部の位置に設けられた排水孔とを有し、
前記支持体は、前記植栽部の延在方向に平行な軸を回動軸として、前記植栽部を回動可能に支持することを特徴とする壁面緑化装置。
【請求項2】
前記支持体による前記植栽部の回動範囲が、前記床部が水平である状態から、前記後壁部の上端が後方に下がるように回動させて、前記床部の前記排水孔と前記後壁部の上端とが同じ高さになる状態までの回動範囲の少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項1に記載の壁面緑化装置。
【請求項3】
複数段の前記植栽部を有し、
前記複数段の植栽部が、互いに独立して回動可能に前記支持体に支持されることを特徴とする請求項1または2に記載の壁面緑化装置。
【請求項4】
前記複数段の植栽部が上下方向に位置合わせされており、上段に配置された前記植栽部の前記排水孔からの排水が、下段に配置された前記植栽部で受けられることを特徴とする請求項3に記載の壁面緑化装置。
【請求項5】
前記植栽部は、前記排水孔から下方に垂れるとともに前記排水孔から下方に排出される水を案内する垂下部を更に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の壁面緑化装置。
【請求項6】
前記垂下部は、前記植栽部の前記床部と別体で形成されることを特徴とする請求項5に記載の壁面緑化装置。
【請求項7】
前記植栽部は、前記支持体側に、前記床部及び前記後壁部に連続して形成されるとともに前記植栽部の延在方向と直交する側壁部を更に有し、
前記植栽部は、前記側壁部において、連結手段により前記支持体に連結されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の壁面緑化装置。
【請求項8】
給水源からの水を前記植栽部に導く導管を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の壁面緑化装置。
【請求項9】
給水源からの水を最上段の前記植栽部に導く導管を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の壁面緑化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−110234(P2012−110234A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259112(P2010−259112)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【Fターム(参考)】