説明

売上データ処理装置及び売上データ処理システム並びにプログラム

【課題】顧客に対して会員登録の手続きを要求しなくても、売上データの登録時に優良顧客を特定して、優良顧客に対する処理を実行できるようにする。
【解決手段】ECRを構成するカメラユニット部2は、客側カメラ25により撮影された画像データと顔認識用データファイルの内容とを比較して顧客を特定するほか、顧客データベースを参照してその特定顧客の購入実績、来店実績に基づいて優良顧客であるか否かを判別し、その優良顧客であれば、所定の処理を実行する。例えば、優良顧客に対する所定の処理として、接客方法を知らせる通知データを操作者用表示部16に表示したり、印刷部17からクーポンを発行させたり、広告媒体(広告付きレシート)を発行させたりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置及び売上データ処理システム並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、店舗においては、ECR(Electronic Cash Register)、POS(Point of sale)端末などの売上データ処理装置により登録処理された売上データを分析したり、その顧客(購入者)の属性(買物頻度、リピート率、性別、年齢層など)を分析したりするようにしている。例えば、顧客の買物頻度やリピート率、性別や年齢層などを分析する場合には、予め発行した会員カードから読み取ったカードデータに基づいてその顧客(会員ID)を特定して、購入履歴として記録して分析するようにしているが、会員カードを媒体とした顧客分析では、会員カードの発行やコスト、更には会員加入率に課題が残るほか、非会員にあっては顧客分析を行うことはできない。
そこで、従来では、顧客の顔を撮影するカメラを備え、このカメラによる撮影画像から顔の特徴を抽出して、その抽出結果と顧客データベースの内容(顔の特徴点データ)とを照合することにより顧客を特定し、それに対応付けられている顧客データ(氏名、住所、電話番号など)をデータベースから読み出して表示するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−325433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術にあっても、予め会員登録した顧客を対象としたものであり、会員以外の誰でも顔を認識して顧客を特定するようにしたものではなかった。
【0005】
本発明の課題は、顧客に対して会員登録の手続きを要求しなくても、売上データの登録時に優良顧客を特定して、優良顧客に対する処理を実行できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいて、その顧客を特定する顧客特定手段と、
少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する顧客データ記憶手段と、
前記顧客特定手段により特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により優良顧客であることが判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する処理手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置である。
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置と、売上データを管理する管理装置を備えた売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいてその顧客を特定する顧客特定手段と、
顧少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する顧客データ記憶手段と、
前記顧客特定手段により特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する判別手段と、
を備え、
更に前記売上データ処理装置は、前記判別手段により優良顧客であると判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する処理手段と、を備える、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理システムである。
【0008】
更に、上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する機能と、
前記撮影された顧客の画像データに基づいて、その顧客を特定する機能と、
少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する機能と、
前記特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する機能と、
前記優良顧客であることが判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、顧客に対して会員登録の手続きを要求しなくても、売上データの登録時に優良顧客を特定して、優良顧客に対する処理を実行することができ、顧客サービスの向上や販売促進を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ECRの基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】ECR(ECR本体ユニット部1)をその前方斜め(顧客側)から見た状態の外観斜視図。
【図3】客側カメラ25によって撮影した登録待ち行列の顧客画像を例示した図。
【図4】カメラユニット部2側に記憶管理されているファイルやデータベースを示した図。
【図5】顧客データベースY3を説明するための図。
【図6】モードスイッチMSが「登録(REG)」モードに切り換えられている場合に実行される登録処理を説明するためのフローチャート。
【図7】顧客特定登録処理(図6のステップA10)を詳述するためのフローチャート。
【図8】レシート発行処理(図6のステップA14)を詳述するためのフローチャート。
【図9】売上データ処理装置として適用したECR100と、このECR100に通信接続されていて売上データを管理する管理装置(サーバ装置)200を備えた売上データ処理システムを示したブロック図。
【図10】ECR100側で実行される登録処理を示したフローチャート。
【図11】サーバ装置200側の動作を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
先ず、図1〜図8を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、売上データ処理装置として適用したECR(Electronic Cash Register)の基本的な構成要素を示したブロック図である。
このECR(売上データ処理装置)は、ECR本体ユニット部1とカメラユニット部2とに分離された構成で、ECR本体ユニット部1とカメラユニット部2とは、ケーブル3を介して着脱自在に接続されている。ECR本体ユニット部1は、ECRとしての基本的な機能(標準機能)として、入力された一取引分の売上データを登録処理すると共に、一取引分の登録終了時に顧客から渡された金種に応じた種類の締め処理を行う売上データ登録機能などを備えている。また、本実施形態においては、更にECR本体ユニット部1には各種のキーやドロアオープン/クローズなどに応じてイベントコードを発生させて、そのイベントコードをジャーナルレコードとしてカメラユニット部2に対して転送する機能を有している。
【0012】
カメラユニット部2は、登録待ち(精算待ち)をしている顧客を撮影したり、担当者(オペレータ)及びその操作状況を撮影したりするカメラ機能のほか、このカメラ機能により撮影された顧客画像に基づいて、その顧客の属性(例えば、性別や年齢層)を特定する顧客属性特定機能などを有し、各種の機能をモジュール化した構成となっている。このカメラユニット部2は、ケーブル3を介してECR本体ユニット部1に着脱自在に接続されており、故障などにより何時でも自由に交換可能となっている。なお、ECR本体ユニット部1とカメラユニット部2とは、必要に応じて協動して各種の処理を行うようにしている。
【0013】
ECR本体ユニット部1は、CPU11を中核とするもので、各種プログラムにしたがってこのECR本体ユニット部1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部12は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体やその駆動系を有し、後述する図6〜図8に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどを記憶したり、データベース、文字フォントデータなどを記憶したりする。なお、上述の記憶媒体は固定的に設けた内蔵型の記憶媒体に限らず、着脱可能な可搬型の外部記憶媒体であってもよく、また、プログラム/データは、他の機器から有線伝送路あるいは無線伝送路を介して記憶媒体にインストールしたり、プログラム/データを記憶管理するサーバなどをアクセスして使用したりするようにしてもよい。メモリ13は、計時データ、フラグデータなど、このECR本体ユニット部1が動作するために必要な各種のデータを一時的に記憶するワーク領域である。
【0014】
また、CPU11には、その入出力周辺デバイスである操作部14、スキャナ15、操作者用表示部16、印刷部17、ドロア駆動部18、COMポート19がバスラインを介して接続されており、入出力プログラムにしたがってCPU11はそれらの動作を制御する。操作部14は、押しボタン式の各種キーが配列されているキーボードを有し、このキーボード上には図示省略したが、テンキー、登録キー、小計キー、現金/預かり金キーなどの締めキーなどが配設されていると共に、モードスイッチMSが配設されている。
【0015】
モードスイッチMSは、その切り換え位置に応じて「登録(REG)」、「RF(戻し)」、「Z(精算)」などの各種の動作モード(プログラム種)を切り換えるロータリー式のスイッチである。CPU11は、「登録(REG)」モードに切り換えられている状態において、入力された売上データを表示させたり、レシート印刷させたり、更には、売上合計を更新したりする登録処理を実行し、一取引の登録終了時に締めキーが押下されると、ドロアを開放させたり、レシートを発行させたりする。
【0016】
イメージスキャナ15は、例えば、CCDやCMOSなどの画像センサ(イメージセンサ)を有し、商品の登録時のスキャニング動作時にその商品に添付されているバーコードや二次元コードを撮影することにより読み取るもので、CPU11は、イメージスキャナ15により撮影された画像データを解析することによってバーコードなどのコードデータをデコードして商品を特定するようにしている。操作者用表示部16は、担当者(オペレータ)用として、金額や商品に関するデータ、メッセージなどを表示するもので、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどにより構成されている。印刷部17は、例えば、熱転写やインクジェットなどのノンインパクトプリンタあるいはドットインパクトプリンタであり、印刷物(例えば、クーポン付きのレシート)の印刷を行う。ドロア駆動部18は、キー操作に応じてドロア18Aの開閉を制御する。COMポート19は、カメラユニット部2との接続用のシリアルポートである。
【0017】
カメラユニット部2は、CPU21を中核とするもので、各種プログラムにしたがってこのカメラユニット部2の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部22は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体やその駆動系を有し、本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどを記憶する。メモリ23は、このカメラユニット部2が動作するために必要な各種のデータを一時的に記憶するワーク領域である。
【0018】
また、CPU21には、その入出力周辺デバイスである客用表示部24、客側カメラ25、操作側カメラ26、カードインターフェイス部27、COMポート29がバスラインを介して接続されており、入出力プログラムにしたがってCPU21はそれらの動作を制御する。客用表示部24は、登録待ち(精算待ち)の顧客用としてその画面を顧客側に対面させたもので、例えば、7セグメントLED(発光ダイオード)などにより構成され、商品単価、個数、小計金額、預かり金額などを数値表示する。
【0019】
客側カメラ25は、客用表示部24に接近配設されたもので、登録待ちしている顧客の顔を中心として撮影し、また、操作側カメラ26は、操作部14の全体及び操作中のオペレータの顔を撮影可能なもので、担当者(オペレータ)及びその操作状況を撮影する監視カメラである。なお、客側カメラ25、操作側カメラ26の詳細は、図示省略したが、レンズ部、撮像素子、A/D(アナログ/デジタル)変換部などを有し、動画像を撮影可能な構成で、レンズ部からの被写体像が撮像素子(CCD又はCMOS)に結像されることにより被写体を高精細に撮影可能な構成となっている。
【0020】
カードインターフェイス部27は、記録媒体としてのSDカード28が挿入接続されるもので、このSDカード28には、後述する各種のファイルが格納されている。なお、カメラユニット部2には、カードインターフェイス部27に挿入接続されたSDカード28の盗難などを防ぐために錠前(図省略)が配設されており、例えば、責任者が所持する専用鍵を使用して、錠前を開いてSDカード28を取り出すようにしている。また、SDカード28に限らず、その他の外部記録媒体であってもよい。COMポート29は、ECR本体ユニット部1との接続用のシリアルポートである。
【0021】
図2は、上述のように構成されたECR(ECR本体ユニット部1)をその前方斜め(顧客側)から見た状態の外観斜視図である。
ECR本体ユニット部1の上面部には、操作者用表示部16が配設されていると共に、操作部104を構成するキーボード及びモードスイッチMSが配設されている。また、ECR本体ユニット部1の上面部には、印刷部107から送出されるレシート(例えば、クーポン付きレシート)を取り出すためのレシート発行口(図示省略)が配設されている。
【0022】
カメラユニット部2は、客用表示部24の筐体2Aと、その筐体2Aを支持するポール状の支持部材(支持ポール)2Bとを有している。支持ポール20Bは、客用表示部24の筐体2Aを支持するもので、その下端部はECR本体ユニット部1の背面側の垂直に固定されている。また、支持ポール2Bの上端部は客用表示部24の筐体2Aが装着され、その長さを調整可能な構造となっていると共に、客用表示部24の筐体2Aは、支持ポール2Bに対して回転可能となっている。つまり、筐体2Aの高さとその向きを調整可能となっており、それに応じて客用表示部24、客側カメラ25の高さとその向きも調整可能となっている。
【0023】
客側カメラ25は、図2に示すように筐体20Aの前面において客用表示部24の一端部(図中、左側端部)に接近配設され、その撮影方向は、登録待ちしている顧客方向で、その画角は、登録待ち行列の顧客を撮影可能な範囲となっている。図3は、客側カメラ25によって撮影した登録待ち行列の顧客画像を例示したもので、先頭の顧客の後ろに次の顧客が並んでいる状態を示している。カメラユニット部2は、客側カメラ25により登録待ち行列の顧客を撮影した顧客画像を解析することにより、顧客属性(性別、年齢層)を特定したり、その顧客の過去の売上実績(例えば、売上合計金額)、来店実績(例えば、来店回数)を考慮して優良顧客であるか否かを特定したりする。
【0024】
図4は、カメラユニット部2側に備えられたファイルやデータベースを示した図である。カメラユニット部2側には、客側動画ファイルY1、顔認識用データファイルY2、顧客データベースY3などが記憶管理されている。客側動画ファイルY1は、客側カメラ25により撮影された動画ファイルであり、各動画ファイルに対応してそのファイルなど共に録画日時(タイムスタンプ)が逐次記憶されている。CPU21は、この客側動画ファイルY1は、顧客特定用として1フレーム分の画像データ(静止画像)を抽出生成するようにしている。
【0025】
顔認識用データファイルY2は、客側動画ファイルY1から顧客特定用として抽出生成した画像データに基づいて顧客を特定する際に照合される顔認識用の画像ファイルで、顧客毎にその「顔認識用データ(顔の特徴点データ)」のほか、「顧客認識出力ID」の項目を記憶管理する構成となっている。「顧客認識出力ID」は、客側カメラ25により撮影された画像に基づいてその顔を認識する処理を実行した結果、認識された顧客を識別するための識別データである。顧客データベースY3は、顧客毎にその顧客に関するデータを記憶管理するファイルである。
【0026】
図5は、顧客データベースY3を説明するための図である。
顧客データベースY3は、「顧客認識出力ID」、「性別」、「年齢層」、「登録日」、「売上実績」、「来店実績」…の各項目を有する顧客レコードを記憶する構成となっている。「顧客認識出力ID」は、顔認識用データファイルY3とリンクさせるための顧客識別データである。「性別」、「年齢層」は、顧客を撮影した画像データを解析することにより推測されたデータであり、髪型、化粧の有無、服装、皺の状態などを総合的に判断して性別及び年齢層を特定するようにしている。なお、性別及び年齢層を特定は、カメラなどの技術において一般的に用いられている技術であり、本実施形態ではその周知技術を利用するようにしているため、その具体的な説明については省略するものとする。
【0027】
「登録日」は、当該顧客レコードを登録した日付を示し、上述の「顧客認識出力ID」の一部にはこの「登録日」を含めるようにしている。例えば、「登録日」が“2010年1月15日”とすると、「顧客認識出力ID」は、“20100115001”となる。なお、末尾の3桁“001”は、一連番号を示している。「売上実績」は、その顧客が購入した現時点までの購入合計金額、つまり、売上合計額(累計値)を示している。「来店実績」は、その顧客が来店した現時点までの来店回数(累計値)を示している。ここで、カメラユニット部2側においては、「売上実績」が基準値(例えば、50,000円)以上の場合あるいは「来店実績」が基準値(例えば、20回)以上の場合に、優良顧客であると特定するようにしている。なお、「売上実績」は、売上合計金額に限らず、売上合計個数などであってもよく、また、「来店実績」は、来店回数に限らず、来店頻度などであってもよい。
【0028】
次に、第1実施形態におけるECR1の動作概念を図6〜図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
なお、図6は、ECRの全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図6のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0029】
図6は、モードスイッチMSが「登録(REG)」モードに切り替えられている場合に実行される登録処理を説明するためのフローチャートである。なお、ECR本体ユニット部1は、必要に応じてカメラユニット部2と協動して各種の処理を行うようにしている。
先ず、ECR本体ユニット部1のCPU11は、売上データを登録する登録操作が行われたかを調べたり(ステップA1)、小計キーが操作されたかを調べたり(ステップA8)、締めキーが操作されたかを調べたり(ステップA11)、その他のキーが操作されたかを調べたりする(ステップA16)。
【0030】
いま、売上データを登録する登録操作が行われたときには、つまり、商品からバーコードなどを読み取るためにスキャナ15によるスキャニング動作が行われたか、金額データの値数入力後に商品キーなどが操作されたときには(ステップA1でYES)、次のステップA2に移り、ECR本体ユニット部1は、カメラユニット部2側をアクセスして、客側カメラ25の撮影動作は停止中であるかを調べる。ここで、客側カメラ25が停止中であれば(ステップA2でYES)、一取引の最初の登録操作かを調べる(ステップA3)。いま、一取引の最初の登録操作が行われたときには(ステップA3でYES)、「動画ファイル名」を生成してカメラユニット部2側に転送することにより当該「動画ファイル名」を設定させた後(ステップA4)、客側カメラ25を起動させてその撮影画像を逐次記録する録画動作を開始させる(ステップA5)。そして、商品登録処理に移る(ステップA6)。
【0031】
一方、客側カメラ25が動作中の場合(ステップA2でNO)、客側カメラ25が停止中であっても一取引の最初の登録操作ではない場合には(ステップA3でNO)、上述の動画ファイル名の設定処理(ステップA4)及び客側カメラ25の起動・録画処理(ステップA5)をスキップして、商品登録処理に移る(ステップA6)。この商品登録処理では、入力された商品名及び単位を操作者用表示部16及び客用表示部24に表示させたり、図示省略した商品別合計ファイル、部門別合計ファイルの内容(売上データ)に今回の売上データを加算して更新したりする処理を行う。この場合、ECR本体ユニット部1から表示データをカメラユニット部2側に転送することにより客用表示部24に商品名及び単位を表示させるようにしている。
【0032】
このような商品登録処理が行われると、一取引分の小計金額を更新した後(ステップA7)、操作待ちのステップA1に戻る。以下、登録操作が行われる毎に、上述の動作を繰り返す。また、小計キーが操作されたときには(ステップA8でYES)、小計金額を操作者用表示部16及び客用表示部24に表示させる(ステップA9)。そして、カメラユニット部2に対して顧客特定登録処理の開始を指示した後(ステップA10)、操作待ちのステップA1に移る。
【0033】
図7は、カメラユニット部2による顧客特定登録処理(図6のステップA10)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、カメラユニット部2のCPU21は、現在の動画撮影中の中から1フレーム分の画像を抽出し(ステップB1)、この抽出画像(静止画像)を解析することにより顔の特徴点データを抽出する(ステップB2)。そして、この特徴点データに基づいて顔認識用データファイルY2を検索する(ステップB3)。その結果、今回抽出した顔の特徴点データが、顔認識用データファイルY2に既に登録されている人物の顔の特徴点データに該当しているか(特徴的に一致しているか)、つまり、登録されている人物(顧客)に該当しているかを調べ(ステップB4)、登録されている人物に該当していれば(ステップB4でYES)、顧客を特定することができたものとして判断して、顔認識用データファイルY2から該当する「顔認識出力ID」を取得した後(ステップB5)、図7のフローから抜ける。
【0034】
また、登録されている人物に該当していなければ(ステップB4でNO)、上述の抽出画像(静止画像)を解析することによりその顧客の性別及び年齢層を推測する(ステップB6)。そして、「顔認識出力ID」、「登録日」を新たに生成すると共に(ステップB7)、この「顔認識出力ID」、「登録日」、「性別」、「年齢層」を含む新規レコードを生成し(ステップB8)、顧客データベースY3に新規顧客として登録(追加登録)する(ステップB9)。また、顔の特徴点データを「顔認識出力ID」と共に顔認識用データファイルY2に新規顧客として登録(追加登録)する(ステップB10)。そして、新規顧客として追加登録したことをオペレータに知らせる通知データ(メッセージ)を操作者用表示部16に表示させる通知処理を行った後(ステップB11)、図7のフローから抜ける。
【0035】
一方、図6の登録処理において、その他のキー、例えば、訂正キーなどが操作されたときには(図6のステップA16でYES)、操作に応じた処理として、訂正処理などを実行した後(ステップA17)、上述した操作待ちのステップA1に戻る。また、一取引分の登録終了時において現金/預かり金キーなどの締めキーが操作されたときには(ステップA11でYES)、顧客から渡された金種に応じた種類の締め処理(取引別合計を更新する処理)を行ったり、現金取引の場合にはドロアを開放させたりする(ステップA12)。そして、上述した顧客特定登録処理(ステップA10)で特定した顧客の「顔認識出力ID」に基づいて、顧客データベースY3を検索し、対応する「売上実績」に今回の取引分の売上金額を更新すると共に、その顧客の「来店実績」に“1”を加算してその値を更新する(ステップA13)。そして、レシート発行処理を実行した後(ステップA14)、客側カメラ25の動作を停止させる(ステップA15)。これによって一取引分の登録処理の終了となる。
【0036】
図8は、レシート発行処理(図6のステップA14)を詳述するためのフローチャートである。
ECR本体ユニット部1のCPU11は、上述した顧客特定登録処理(図6のステップA10)で特定した顧客の「顔認識出力ID」に基づいて、顧客データベースY3を検索し、対応する「売上実績」、「来店実績」を読み出し取得した後(ステップC1)、その「売上実績」が基準値(例えば、50,000円)以上であるか、あるいは「来店実績」が基準値(例えば、20回)以上であるかを調べる(ステップC2)。いま、少なくとも「来店実績」、「来店実績」のいずれか一方が対応する基準値以上であれば(ステップC2でYES)、その顧客を優良顧客として特定する(ステップC3)。
【0037】
そして、優良顧客として接客すべきことを示す接客案内メッセージを操作者用表示部16に表示させた後(ステップC4)、上述のようにして特定した顧客の性別及び年齢層を取得し(ステップC5)、この性別及び年齢層に対応して予め用意されている広告データ(例えば、性別及び年齢層に応じた推奨品の広告データ)を取得する(ステップC6)。ここで、印刷部107を駆動させた後、今回の一取引分の売上データ、預かり金、つり銭をレシート印刷させると共に、性別、年齢層別の広告データをレシートに印刷させる(ステップC7)。そしてレシートの末尾にクーポンを印刷させた後(ステップC8)、クーポン付きレシートを発行させる(ステップC9)。一方、今回取引した顧客が優良顧客でなければ(ステップC2でNO)、今回の一取引分の売上データ、預かり金、つり銭をレシート印刷させた後(ステップC10)、レシートを発行させる(ステップC9)。
【0038】
以上のように、第1実施形態においてECRを構成するカメラユニット部2は、客側カメラ25により撮影された画像データと顔認識用データファイルY2の内容とを比較して顧客を特定するほか、顧客データベースY3を参照して、その特定顧客の購入実績、来店実績に基づいて優良顧客であるか否かを判別し、その優良顧客であれば、所定の処理を実行するようにしたので、顧客に対して会員登録の手続きを要求しなくても、売上データの登録時に優良顧客を特定してサービスを提供することができ、顧客サービスの向上や販売促進を図ることが可能となる。なお、優良顧客に対する所定の処理として、顧客に特典を付与するサービスであれば、顧客の特定が厳密ではなくても顧客に不利益を与えることはない。
【0039】
優良顧客に対する所定の処理として、接客方法を知らせる通知データを表示するようにしたので、優良顧客に対する挨拶の仕方などを疎かにすることを防ぐことが可能となる。
【0040】
優良顧客に対する所定の処理として、クーポンを発行するようにしたので、優良顧客にあっては利益を享受することができると共に、自分が優良顧客扱いされていることを知ることができる。
【0041】
優良顧客に対する所定の処理として、広告データの印刷した広告媒体(広告付きレシート)を発行するようにしたので、購買意欲の高い顧客などをターゲットとした適切な広告が可能となる。
【0042】
顧客を撮影した画像データを解析してその性別、年齢層を推測して、この性別、年齢層に応じた印刷内容の広告媒体を発行するようにしたので、顧客の属性に合った効果的な広告が可能となる。
【0043】
顧客を特定することができなかった場合に、新規顧客として、その画像データを顔認識用データファイルY2及び顧客データベースY3に登録すると共に、新規顧客を登録したオペレータに案内表示するようにしたので、オペレータにあっては新規顧客に対する接客が可能となるほか、特別な登録作業を強要されることもなく、オペレータの負担を軽減させることができる。
【0044】
客側カメラ25は、登録待ち顧客が視認する客用表示部24に搭載されていると共に登録待ち顧客の顔を対面撮影することが可能な向きに設置されているので、顧客の顔を正面から撮影することができ顔認識を適切に行うことが可能となる。
【0045】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図9〜図11を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、ECR単体に適用した場合を示したが、この第2実施形態においては、このECRと管理装置(サーバ装置)とを通信接続した売上データ処理システムに適用した場合である。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0046】
図9は、売上データ処理システムを示したブロック図である。
売上データ処理システムは、店舗内に設置されている複数台のECR100が管理装置(サーバ装置)200にLAN(構内専用回線)300を介して接続されたLANシステムで、系列店舗Aの売上データ処理システムは、インターネット400を介して他の系列店舗Bの売上データ処理システムなどに接続されて通信可能となっている。なお、ECR100の構成は、図1で示した構成と基本的に同様であるが、第2実施形態においては、更に、管理装置(サーバ装置)200との間でデータの送受信を行うLAN通信部101を有している。
【0047】
また、管理装置(サーバ装置)200は、パーソナルコンピュータ(PC)であり、その構成は、図示省略したが、CPU、記憶部、表示部、操作部のほか、ECR100との間でデータの送受信を行うLAN通信部201を有している。また、上述した第1実施形態では、カメラユニット部2側が顔認識用データファイルY2、顧客データベースY3を記憶管理するようにしたが、この第2実施形態においては、サーバ装置200側が顔認識用データファイルY2、顧客データベースY3を記憶管理し、サーバ装置200側で顔認識処理を行うようにしている。
【0048】
図10は、ECR100側での登録処理を示したフローチャートで、登録操作に応じて実行開始される。
ECR100は、一取引分の登録処理が終了すると(図10のステップD1)、この一取引分の売上データと、上述のように小計キーの操作タイミングで抽出した顧客の画像データとをサーバ装置200に対して送信する(ステップD2)。そして、サーバ装置20からデータを受信したか、すなわち、新規顧客を登録した旨のデータを受信したか(ステップD3)、優良顧客に関するデータを受信したかを調べ(ステップD5)、いずれのデータも受信しなければ(ステップD5でNO)、一取引分の売上データをレシート印刷し(ステップD10)、レシートを発行した後(ステップD9)、図10のフローから抜ける。
【0049】
図11は、サーバ装置200側の動作を示したフローチャートである。
サーバ装置200は、受信待ち状態においてECR100からデータを受信すると、つまり、一取引分の売上データとその取引の顧客の画像データを受信すると(図11のステップE1でYES)、受信した顧客の画像データを解析することによって顔の特徴点を抽出する(ステップE2)。そして、この特徴点データに基づいて顔認識用データファイルY2を検索し(ステップE3)、この顔認識用データファイルY2に登録されている人物(顧客)に該当するかを調べ(ステップE4)、登録されている人物に該当していれば(ステップE4でYES)、顧客を特定することができたものとして判断して、顔認識用データファイルY2から該当する「顔認識出力ID」を取得した後(ステップE5)、次のステップE12に移る。
【0050】
また、登録されている顧客に該当していなければ(ステップE4でNO)、画像解析によりその顧客の性別及び年齢層を推定する(ステップE6)。そして、「顔認識出力ID」、「登録日」を新たに生成すると共に(ステップE7)、この「顔認識出力ID」、「登録日」、「性別」、「年齢層」を含む新規レコードを生成し(ステップE8)、顧客データベースY3に新規顧客として登録(追加登録)する(ステップE9)。また、顔の特徴点データを「顔認識出力ID」と共に顔認識用データファイルY2に新規顧客として登録(追加登録)する(ステップE10)。そして、新規顧客として追加登録したことを知らせる通知データ(メッセージ)をECR100に送信した後(ステップE11)、次のステップE12に移る。
【0051】
このステップE12では、顧客データベースY3を検索し、対応する「売上実績」に今回の取引分の売上金額を更新すると共に、その顧客の「来店実績」に“1”を加算してその値を更新する処理を行う。そして、この「売上実績」がその基準値未満で、かつ「来店実績」がその基準値未満であれば(ステップE13でNO)、最初のステップE1に戻るが、「売上実績」、「来店実績」のうち、少なくともそのいずれか一方がその基準値以上であれば(ステップE13でYES)、その顧客を優良顧客として特定する(ステップE14)。そして、優良顧客として接客すべきことを示す接客案内メッセージを取得した後(ステップE15)、画像解析により顧客の性別及び年齢層を推測し(ステップE16)、この性別及び年齢層に対応して予め用意されている広告データ(例えば、性別及び年齢層に応じた推奨品の広告データ)を取得する(ステップE17)。このようにして取得した接客案内メッセージ、広告データと共に、クーポンデータをECR100に送信した後(ステップE18)、最初のステップE1に戻る。
【0052】
他方、ECR100側において、サーバ装置200から新規顧客を登録した旨のデータを受信したときには(図10のステップD3)、操作者用表示部16に新規顧客を登録した旨のメッセージを案内表示させる(ステップD4)。また、優良顧客に関するデータを受信したときには(ステップD5でYES)、受信した接客案内メッセージを操作者用表示部16に表示させると共に(ステップD4)、顧客の性別及び年齢層に応じた広告データを今回の一取引分の売上データ、預かり金、つり銭と共にレシート印刷させる(ステップD7)。そしてレシートの末尾にクーポンを印刷させた後(ステップD8)、クーポン付きレシートを発行させる(ステップC9)。
【0053】
以上のように、第2実施形態においてECR100は、売上データの登録待ちしている顧客を客側カメラ25により撮影した場合にその画像データをサーバ装置200に送信し、サーバ装置200は、画像データと顔認識用データファイルY2の内容とを比較して顧客を特定するほか、顧客データベースY3を参照してその特定顧客の購入実績、来店実績に基づいて優良顧客であるか否かを判別し、その優良顧客であれば、その優良顧客に関するデータをECR100に送信し、ECR100は、優良顧客に対して所定の処理を実行するようにしたので、第1実施形態と基本的には同様に、顧客に対して会員登録の手続きを要求しなくても、売上データの登録時に優良顧客を特定してサービスを提供することができ、顧客サービスの向上や販売促進を図ることが可能となる。なお、優良顧客に対する所定の処理として、顧客に特典を付与するサービスであれば、顧客の特定が厳密ではなくても顧客に不利益を与えることはない。
【0054】
その他、この第2実施形態においても基本的には第1実施形態と同様の効果を有する。すなわち、サーバ装置200は、優良顧客に対する所定の処理として、ECR100側にオペレータに接客方法を知らせる通知データを送信して表示させるようにしたので、優良顧客に対する挨拶の仕方などを疎かにすることを防ぐことが可能となる。また、優良顧客に対する所定の処理として、ECR100側にクーポンの発行を指示するようにしたので、優良顧客にあっては利益を享受することができると共に、自分が優良顧客扱いされていることを知ることができる。更に、優良顧客に対する所定の処理として、ECR100側に広告データの印刷した広告媒体(広告付きレシート)を発行すべきことを指示するようにしたので、購買意欲の高い顧客などをターゲットとした適切な広告が可能となる。
【0055】
また、サーバ装置200は、顧客を撮影した画像データを解析してその性別、年齢層を推測して、ECR100側で性別、年齢層に応じた印刷内容の広告媒を発行させるようにしたので、顧客の属性に合った効果的な広告が可能となる。更に、顧客を特定することができなかった場合に、新規顧客として、その画像データを顔認識用データファイルY2及び顧客データベースY3に登録すると共に、新規顧客を登録したことを示す通知データをECR100側に送信してオペレータに案内表示させるようにしたので、オペレータにあては新規顧客に対する接客が可能となるほか、特別な登録作業を行うことなく、新規顧客の登録が可能となる。
【0056】
なお、上述した第2実施形態においてサーバ装置200は、優良顧客に関するデータとして接客案内メッセージ、広告データ、クーポンデータを送信するようにしたが、サーバ装置200は、優良顧客である旨を指示するデータのみを送信するようにしてもよい。この場合、ECR100側では、その指示に応じて接客案内メッセージ、広告データ、クーポンデータを生成するようにしてもよい。
【0057】
また、上述した第2実施形態においては、ECR100とサーバ装置200とをLAN(構内専用回線)300を介して接続したLANシステムに適用するようにしたが、カードインターフェイス部27に挿入接続されているSDカード28内に顧客撮影画像を記憶させておき、このSDカード28をPC(管理装置)に挿入接続するようにしてもよい。すなわち、SDカード28などの可搬型外部記憶媒体を介してPC(管理装置)側に顧客撮影画像を供給するようにしてもよい。例えば、一日の営業の終了時にPC側にSDカード28を介して顧客の撮影画像を一括して供給するようにすればよい。この場合、PC側では各撮影画像に基づいて顧客を特定すると共に、優良顧客であるか否かを特定し、優良顧客であれば、その優良顧客に関するデータを、SDカード28を介してECR100に供給し、ECR100側では優良顧客が来店する次回の取引時に所定の処理を実行するようにしてもよい。
【0058】
また、上述した各実施形態においては、購入実績、来店実績のいずれかが基準値以上を条件に優良顧客として特定するようにしたが、購入実績、来店実績の両方が基準値以上であることを条件に優良顧客として特定するようにしてもよい。
【0059】
また、上述した実施形態においては、印刷物としては、レシートを例にしたが、これに限らず、クーポン、領収書などであってもよい。
【0060】
また、上述した各実施形態においては、顧客を動画撮影しておき、その動画ファイルから1フレーム分の画像(静止画像)を抽出するようにしたが、顧客の撮影画像は動画に限らず、静止画像を撮影するようにしてもよい。また、上述した各実施形態においては、ECR(売上データ処理装置)をECR本体ユニット部1とカメラユニット部2とに分離した構成としたが、それらを統合した構成であってもよい。また、上述した実施形態においては、売上データ処理装置としてECRに適用した場合を示したが、構内専用回線に接続したPOS端末に適用するようにしてもよい。
【0061】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0062】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいて、その顧客を特定する顧客特定手段と、
少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する顧客データ記憶手段と、
前記顧客特定手段により特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により優良顧客であることが判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する処理手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の売上データ処理装置において、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、接客方法を知らせる通知データを表示させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の売上データ処理装置において、
データ印刷を行う印刷手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記印刷手段に対してクーポン印刷を指示してクーポンを発行させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の売上データ処理装置において、
データ印刷を行う印刷手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記印刷手段に対して広告データの印刷を指示して広告媒体を発行させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の売上データ処理装置において、
前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいて、少なくもその顧客の性別、年齢層のいずれかを推測する推測手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記推測手段により推測された性別、年齢層に応じた印刷内容の広告媒体を発行させる、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の売上データ処理装置において、
前記顧客特定手段により顧客を特定することができなかった場合に、前記撮影された顧客を新規顧客として、その画像データを前記顧客データ記憶手段に登録する登録手段と、
前記新規顧客である旨を前記売上データ処理装置に対して通知する通知手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の売上データ処理装置であって、
前記撮像手段は、登録待ち顧客が視認する客用表示部に搭載されていると共に登録待ち顧客の顔を対面撮影することが可能な向きに設置されている、
ことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置と、売上データを管理する管理装置を備えた売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいてその顧客を特定する顧客特定手段と、
顧少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する顧客データ記憶手段と、
前記顧客特定手段により特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する判別手段と、
を備え、
更に前記売上データ処理装置は、前記判別手段により優良顧客であると判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する処理手段と、を備える、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理システムである。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の売上データ処理システムであって、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、接客方法の通知データを表示させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理システムである。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項8あるいは請求項9に記載の売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、データ印刷を行う印刷手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記印刷手段に対してクーポン印刷を指示してクーポンを発行させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理システムである。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項8〜請求項10のいずれかに記載の売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、データ印刷を行う印刷手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記印刷手段に対して広告データの印刷を指示して広告媒体を発行させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理システムである。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の売上データ処理システムであって、
前記管理装置は、前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいて、少なくもその顧客の性別、年齢層のいずれかを推測する推測手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記推測手段により推測された性別、年齢層に応じた印刷内容の広告媒体を発行させる、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理システムである。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項8〜請求項12のいずれかに記載の売上データ処理システムであって、
前記管理装置は、
前記顧客特定手段により顧客を特定することができなかった場合に、前記撮影された顧客を新規顧客として、その画像データを前記顧客データ記憶手段に登録する登録手段と、
前記新規顧客である旨を前記売上データ処理装置に対して通知する通知手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理システムである。
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する機能と、
前記撮影された顧客の画像データに基づいて、その顧客を特定する機能と、
少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する機能と、
前記特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する機能と、
前記優良顧客であることが判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0063】
1 ECR本体ユニット部
2 カメラユニット部
11、21 CPU
12、22 記憶部
14 操作部
15 スキャナ
19、29 COMポート
24 客用表示部
25 客側カメラ
100 ECR
200 サーバ装置
Y1 客側動画ファイル
Y2 顔認識用データファイル
Y3 顧客データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいて、その顧客を特定する顧客特定手段と、
少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する顧客データ記憶手段と、
前記顧客特定手段により特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により優良顧客であることが判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する処理手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、接客方法を知らせる通知データを表示させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項3】
データ印刷を行う印刷手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記印刷手段に対してクーポン印刷を指示してクーポンを発行させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の売上データ処理装置。
【請求項4】
データ印刷を行う印刷手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記印刷手段に対して広告データの印刷を指示して広告媒体を発行させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の売上データ処理装置。
【請求項5】
前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいて、少なくもその顧客の性別、年齢層のいずれかを推測する推測手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記推測手段により推測された性別、年齢層に応じた印刷内容の広告媒体を発行させる、
ようにしたことを特徴とする請求項4に記載の売上データ処理装置。
【請求項6】
前記顧客特定手段により顧客を特定することができなかった場合に、前記撮影された顧客を新規顧客として、その画像データを前記顧客データ記憶手段に登録する登録手段と、
前記新規顧客である旨を前記売上データ処理装置に対して通知する通知手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の売上データ処理装置。
【請求項7】
前記撮像手段は、登録待ち顧客が視認する客用表示部に搭載されていると共に登録待ち顧客の顔を対面撮影することが可能な向きに設置されている、
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の売上データ処理装置。
【請求項8】
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置と、売上データを管理する管理装置を備えた売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいてその顧客を特定する顧客特定手段と、
顧少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する顧客データ記憶手段と、
前記顧客特定手段により特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する判別手段と、
を備え、
更に前記売上データ処理装置は、前記判別手段により優良顧客であると判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する処理手段と、を備える、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理システム。
【請求項9】
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、接客方法の通知データを表示させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項8に記載の売上データ処理システム。
【請求項10】
前記売上データ処理装置は、データ印刷を行う印刷手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記印刷手段に対してクーポン印刷を指示してクーポンを発行させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項8あるいは請求項9に記載の売上データ処理システム。
【請求項11】
前記売上データ処理装置は、データ印刷を行う印刷手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記印刷手段に対して広告データの印刷を指示して広告媒体を発行させる処理を実行する、
ようにしたことを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の売上データ処理システム。
【請求項12】
前記管理装置は、前記撮像手段により撮影された顧客の画像データに基づいて、少なくもその顧客の性別、年齢層のいずれかを推測する推測手段を更に備え、
前記処理手段は、前記優良顧客に対する所定の処理として、前記推測手段により推測された性別、年齢層に応じた印刷内容の広告媒体を発行させる、
ようにしたことを特徴とする請求項11に記載の売上データ処理システム。
【請求項13】
前記管理装置は、
前記顧客特定手段により顧客を特定することができなかった場合に、前記撮影された顧客を新規顧客として、その画像データを前記顧客データ記憶手段に登録する登録手段と、
前記新規顧客である旨を前記売上データ処理装置に対して通知する通知手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれかに記載の売上データ処理システム。
【請求項14】
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する機能と、
前記撮影された顧客の画像データに基づいて、その顧客を特定する機能と、
少なくともその顧客の購入実績、来店実績のいずれかを示す実績データを顧客別に記憶管理する機能と、
前記特定された顧客に対応する前記実績データに基づいて、当該顧客は優良顧客であるか否かを判別する機能と、
前記優良顧客であることが判別された場合に、その優良顧客に対して所定の処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−11934(P2013−11934A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142648(P2011−142648)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】