説明

外用剤組成物

【解決手段】 ポリフェノール類と、下記一般式(1)で表わされるアミドアミン化合物と、炭素数2〜4の低級アルコールとを含有することを特徴とする外用剤組成物。
【化1】


(式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜25のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキレン基、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【効果】 本発明によれば、経時における組成物の着色を抑制すると共に、皮膚や毛髪に良好な使用感を付与する外用剤組成物、特に毛髪に対してコンディショニング効果に優れた外用剤組成物を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚や毛髪等に対して収斂作用、抗酸化作用、タンパク結合作用等を有するポリフェノール類を含有する外用剤組成物において、経時における組成物の着色を抑制すると共に、皮膚や毛髪に良好な使用感を付与する外用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、皮膚や毛髪に対して使用される外用剤組成物には、収斂作用やタンパク結合作用、抗酸化作用を得る目的でポリフェノール類やそれを含有する植物抽出物が汎用されている。しかしながら、ポリフェノール類やそれを含有する植物抽出物は組成物中で変色や沈殿を生じ、組成物の品質確保に関して大きな課題があった。
【0003】
これまで、かかる課題を解決する方法として、ポルフィリン金属錯体と有機還元剤を併用する方法(特許文献1:特開昭63−145213号公報、特許文献2:特開昭64−9946号公報)や、システインや亜硫酸塩を用いた方法(特許文献3:特開昭63−174910号公報、引用文献4:特開平6−227940号公報)、アルコール性水酸基を二つ以上持つ化合物を用いた方法(特許文献5:特開平6−239716号公報)、糖アルコールを用いる方法(特許文献6:特開2000−297022号公報)、グアニジン誘導体を用いる方法(特許文献7:特開平9−71527号公報)が提案されている。
【0004】
しかしながら、ポルフィリン金属錯体を用いる方法では、該化合物に特有の発色や着色が起こるため好ましくない。システインや亜硫酸塩を用いる方法では、経時で該化合物に特有の臭気が発生し、外用剤組成物としては好ましくない。アルコール性水酸基を二つ以上持つ化合物を用いる方法や糖アルコールを用いる方法では、充分な変色防止効果を得るためには該物質を多量に配合しなくてはならず、べたつきを伴い外用時の使用感には問題がある。また、グアニジン誘導体を用いる方法も、外用時の好適な使用感を得るには充分でないことから、改善が望まれていた。また、没食子酸を安定化するため誘導体とする方法(特許文献8:特開2000−319116号公報)が提案されているが、精製度が高ければ所望する効果が得られるものの、高い精製度を得るためにはコストがかかることから工業的には現実的でなく、工業的に入手可能なものでは没食子酸や中間物質等を少量含むことから、その安定化効果はさらに改善が望まれていた。
【0005】
一方、外用剤組成物、特に毛髪用外用剤において良好な使用感を付与する目的で塩化ステアリルトリメチルアンモニウムや塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等の四級アンモニウム化合物とポリフェノール類を併用する方法(特許文献9:特開平8−291027号公報)が提案されているが、組成物の着色を防止する効果は見出されておらず、改善が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】特開昭63−145213号公報
【特許文献2】特開昭64−9946号公報
【特許文献3】特開昭63−174910号公報
【特許文献4】特開平6−227940号公報
【特許文献5】特開平6−239716号公報
【特許文献6】特開2000−297022号公報
【特許文献7】特開平9−71527号公報
【特許文献8】特開2000−319116号公報
【特許文献9】特開平8−291027号公報
【特許文献10】特開2003−81781号公報
【特許文献11】特開2003−89620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ポリフェノール類を含有する組成物における経時の着色を抑制すると共に、皮膚や毛髪に良好な使用感を付与する外用剤組成物、特に毛髪に対してコンディショニング効果に優れた外用剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ポリフェノール類と、特定のアミドアミン化合物と、炭素数2〜4の低級アルコールとを併用することにより、組成物の変色を抑え、皮膚や毛髪に良好な使用感を付与する外用剤組成物を得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
従って、本発明は、ポリフェノール類と、下記一般式(1)で表わされるアミドアミン化合物と、炭素数2〜4の低級アルコールとを含有することを特徴とする外用剤組成物を提供する。
【0010】
【化1】

(式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜25のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキレン基、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【0011】
また、ポリフェノール類と炭素数2〜4の低級アルコールとを含有する外用剤組成物に、着色防止剤として上記一般式(1)で表わされるアミドアミン化合物を配合することを特徴とするポリフェノール類含有外用剤組成物における着色抑制方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ポリフェノール類を含有する組成物における経時の着色を抑制すると共に、皮膚や毛髪に良好な使用感を付与する外用剤組成物、特に毛髪に対してコンディショニング効果に優れた外用剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明につき、さらに詳しく説明する。
本発明のポリフェノール類としては、例えばガロタンニン酸、ケブリン酸、ハマメリタンニン、アセルタンニン、没食子酸、バロン酸、ケブール酸、ヘキサヒドロキシジフェン酸、エラグ酸、カフェー酸、p−クマル酸、フェルラ酸、ロスマリン酸、シナピン酸、クロロゲン酸等、これらの塩、これらの誘導体及び該誘導体の塩等を挙げることができる。
【0014】
誘導体としては、例えば、没食子酸の誘導体である没食子酸プロピル、没食子酸メチルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−4−グルコシド、没食子酸プロピルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルコシド、没食子酸−3−マルトシド、没食子酸オクチル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルクロニド、没食子酸ガラクツロニド、没食子酸メチルエステル−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド、没食子酸−3,5−ジグルコシド等が挙げられる。
【0015】
また、本発明で用いられる上記ポリフェノール類は、市販される合成品の他にも、天然物からの抽出物等が用いられる。例えば、阿仙薬、明日葉、ウラジロガシ、山査子、弟切草、カワラヨモギ、仙鶴草、クヌギ、栗、クロウメモドキ、丁字、丁香、ゲンノショウコ、紅茶、緑茶、越橘、コーヒー豆、山茶花、シナノキ、ツバキ、十薬、五倍子、ハマメリス、牡丹皮、矢車、虎耳草、リンゴ、モモ等のタンニン生薬やタンニンを多く含む植物からの抽出物あるいはそれらより精製したタンニン酸等を挙げることができる。
【0016】
抽出は、水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングルコール等の極性溶媒の1種又は2種以上の混液を用いて常法により行うことができる。さらに精製を行う場合は、貧溶媒からの再結晶、カラム分画、限外ろ過等の方法を利用することができる。
【0017】
ポリフェノール類の作用として、収斂作用、抗酸化作用、淡白結合作用が一般に知られているが、毛髪や皮膚に使用した時に使用感を改善する作用を有する。この点からは、没食子酸及び/又はその誘導体が好ましい。具体的には、没食子酸プロピル、没食子酸メチルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−4−グルコシド、没食子酸プロピルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルコシド、没食子酸−3−マルトシド、没食子酸オクチル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルクロニド、没食子酸ガラクツロニド、没食子酸メチルエステル−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド、没食子酸−3,5−ジグルコシドが好ましい。さらに、原料供給性、製造容易性等の点から、没食子酸メチルエステル−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド、没食子酸−3,5−ジグルコシド等の没食子酸二配糖体等がより好ましい。本発明のポリフェノール類は、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
【0018】
ポリフェノール類の配合量は、外用剤組成物全量に対して0.0001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.001〜2質量%の範囲である。0.0001質量%未満では収斂作用、抗酸化作用、タンパク結合作用等の充分な効果が得られない場合があり、5質量%を超えると、べたつきやごわつきが生じる場合がある。
【0019】
本発明で用いられるアミドアミン化合物は一般式(1)で表わされるものであり、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
【0020】
【化2】

(式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜25、好ましくは15〜21のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキレン基、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【0021】
上記一般式(1)で表わされるアミドアミン化合物としては、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ヤシ脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド、パーム脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド、牛脂脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、オレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ脂肪酸ジエチルアミノエチルアミド、パーム脂肪酸ジエチルアミノエチルアミド、牛脂脂肪酸ジエチルアミノエチルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジエチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ヤシ脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、パーム脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、牛脂脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド等のアミドアミン化合物等が挙げられる。これらの中でもステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドが好適に用いられる。
【0022】
本発明のアミドアミン化合物は、酸を用いて中和し、pHを調整して用いることが好ましい。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、グルタミン酸、コハク酸、アルキル硫酸等の有機酸が挙げられる。これらの中でも臭気や効果の点から、塩酸、リン酸、乳酸、クエン酸、グリコール酸がより好ましい。また、中和して得られる外用剤組成物のpHは、使用感の点から2〜6が好ましく、3〜5がより好ましい。
【0023】
アミドアミン化合物の配合量は、外用剤組成物全量に対して0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。0.01質量%未満では充分な着色防止効果が得られない場合があり、20質量%を超えると使用感が悪くなる場合がある。
【0024】
本発明で用いられる炭素数2〜4の低級アルコールとしてはエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等を挙げることができる。これらを1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
【0025】
炭素数2〜4の低級アルコールの配合量は、外用剤組成物全量に対し0.1〜95質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜80質量%、さらに好ましくは1〜50%の範囲である。0.1質量%未満では充分な着色防止効果が得られない場合があり、95質量%を超えるとポリフェノール類の溶解性が悪くなる場合がある。
【0026】
本発明の外用剤組成物には、上記成分に加えて、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤、高分子類、シリコーン類、多価アルコール、増粘剤、香料、紫外線吸収剤、微粒子粉末、防腐剤、着色剤、エアゾール噴射剤、pH調整剤、酸化防止剤、精製水等を配合することができる。本発明の外用剤組成物に香料を配合する場合、使用される香料は、特開2003−95895号公報に記載した香料、香料組成物に準じ、その配合量は、外用剤組成物全量に対して香料組成物が0.00001〜50質量%となるように配合すると好適であり、より好ましくは0.0001〜30質量%配合される。
【0027】
本発明の外用剤組成物としては、リンス、整髪剤、ヘアコンディショニング剤等の毛髪用外用剤、スキンケア剤、スカルプケア剤等の皮膚外用剤、毛髪用及び皮膚用洗浄剤、ネイルケア剤等の爪用外用剤等が挙げられ、製剤の常法により得ることができる。この中でも、ポリフェノール類とアミドアミン化合物との併用による良好な使用感付与効果を得られる点から、リンス、整髪剤、ヘアコンディショニング剤等の毛髪用外用剤が好ましい。
【実施例】
【0028】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示す。
【0029】
[実施例1〜9、比較例1〜5]
表1,2に示すヘアローション組成物を調製し、下記評価方法で着色抑制効果と使用感を評価した。
【0030】
(1)着色抑制効果
評価試料を容量24mLの無色透明ガラス瓶にいれ、50℃で1週間保存した。この試料を評価者10名がタングステンランプ(500W)下で着色の有無を目視評価し、評価結果を下記評価基準に従い4段階で判定した。
<評価基準>
◎:着色がないとした評価者の人数が10名の場合
○:着色がないとした評価者の人数が7〜9名の場合
△:着色がないとした評価者の人数が3〜6名の場合
×:着色がないとした評価者の人数が2名以下の場合
(2)使用感
評価者10名が評価試料を髪又は肌に塗布し、べたつきやごわつきの有無を評価し、評価結果を下記評価基準に従い4段階で判定した。なお、評価者は全員ヘアカラー処理をしていた。
<評価基準>
◎:べたつきやごわつきがないとした評価者の人数が9名以上の場合
○:べたつきやごわつきがないとした評価者の人数が6〜8名の場合
△:べたつきやごわつきがないとした評価者の人数が3〜5名の場合
×:べたつきやごわつきがないとした評価者の人数が2名以下の場合
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
[実施例10]
下記組成の整髪用エアゾールフォーム剤組成物を調製した。
[調製法] ジメチルポリシロキサンと液化石油ガスを除く成分を混合し、この混合液を耐圧アルミ缶に充填した後、ジメチルポリシロキサンを充填し、エアゾールバルブでクリンチした。最後に液化石油ガスを充填し、フォーム剤を得た。
組成 質量(%)
カチオン化セルロース *2 0.2 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム *3 0.2
ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル *4 0.7
パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.6
ジメチルポリシロキサン(100mm2 /s) 3.0
ジメチルポリシロキサン(1,000万mm2 /s) 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
タンニン酸 *5 0.3
ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%) 0.4
香料組成物B 0.05
L−乳酸 適量(pH4.5に調整)
エタノール 15.0
精製水 残部 液化石油ガス(0.49MPa) 7.0
計 100.0
【0034】
[実施例11]
下記組成の整髪用エアゾールフォーム剤組成物を調製した
[調製法] オリーブスクワラン、高重合メチルポリシロキサン、クエン酸ナトリウム、液化石油ガス、ジメチルエーテルを除く成分を混合し、次いでクエン酸ナトリウムでpH5.0に調整し原液とした。この原液を透明耐圧PET容器に充填した後、オリーブスクワラン、高重合メチルポリシロキサンの順に充填し、エアゾールバルブでクリンプした。最後に液化石油ガス、ジメチルエーテルの順に充填し、フォーム剤を得た。
組成 質量(%)
ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.3
3−メチル−1,3−ブタンジオール 5.0
オリーブスクワラン 0.1
ポリオキシエチレンステアリルエーテル *6 0.2
モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン *7 0.4
ハマメリス抽出液 *8 0.5
高重合メチルポリシロキサン(100万mm2 /s) 1.5
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 適量(pH5.0に調整)
パラオキシ安息香酸メチル 0.15
オキシベンゾンスルホン酸 0.1
エタノール 10.0
精製水 残部
液化石油ガス(0.29MPa) 8.5
ジメチルエーテル 1.5
計 100.0
【0035】
[実施例12]
下記組成の整髪用非エアゾールフォーム剤を調整した。
[調製法] 下記成分を混合溶解し、この混合溶液を非エアゾール型ポンプフォーム容器に充填し、非エアゾールフォーム剤を得た。
組成 質量(%)
ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド 1.0
ラウリルジメチルアミンオキシド液 *9 0.5
カチオン性高分子 *10 1.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル *11 0.3
アミノ変性シリコーンエマルジョン *12 2.5
没食子酸−3,5−ジグルコシド *1 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05
オキシベンゾンスルホン酸 0.1
DL−乳酸 適量(pH4.0に調整)
香料組成物C 0.15
エタノール 23.0
精製水 残部
計 100.0
【0036】
[実施例13]
下記組成のヘアケア用エアゾールスプレー剤を調製した。
[調製法] ジメチルエーテルを除く成分を混合溶解し、この混合溶液を耐圧アルミ缶に充填した後、ティルト方式のエアゾールバルブでクリンチした。最後にジメチルエーテルを充填し、エアゾールスプレー剤を得た。
組成 質量(%)
DL−パントテニルアルコール 0.5
ポリエーテル変性シリコーン *13 1.0
ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.4
没食子酸プロピル 0.1
オキシベンゾン 0.1
加水分解シルク液 *14 0.6
ヒドロキシプロピルキトサン液 *15 0.6
リン酸 適量(pH4.5に調整)
エタノール 10.0
ジメチルエーテル 30.0
精製水 残部
計 100.0
【0037】
[実施例14]
下記組成のヘアケア用ジェル剤を調製した。
[調製法] ヒドロキシエチルセルロースをプロピレングリコールに分散し、これに水を加えて溶解した後、残りの成分を混合した。さらに液の粘性がでるまで撹拌を続けた。この組成物をポンプ式容器に充填し、ジェル剤を得た。
組成 質量(%)
ヒドロキシエチルセルロース *16 1.0
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.4
パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.2
アミノ変性シリコーンエマルジョン *17 2.5
ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル *18 0.7
プロピレングリコール 3.0
没食子酸−3,5−ジグルコシル *1 0.5
ロスマリン酸粗精製物 *19 0.5
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.1
ピロリン酸ナトリウム 0.05
グリコール酸 適量(pH4.0に調整)
香料組成物A 0.05
ジヒドロキシベンゾフェノン 0.05
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
エタノール 25.0
精製水 残部
計 100.0
【0038】
[実施例15]
下記組成のヘアローション剤を調製した。
[調製法] 下記成分を混合溶解し、この組成物を排出口径2mmのスクイズ式容器に充填し、ヘアローション剤を得た。
組成 質量(%)
ジプロピレングリコール 1.5
モノイソステアリン酸POE硬化ヒマシ油 *20 0.2
ポリオキシエチレン(20)イソステアリルエーテル *21 0.5
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.7
ジメチルシリコーンエマルジョン *22 0.8
トリメチルグリシン *23 0.3
シラカバエキス *24 1.0
ユーカリエキス *25 0.5
紅茶エキス *26 0.5
L−グルタミン酸 適量(pH4.3に調整)
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
香料組成物E 0.3
エタノール 15.0
精製水 残部
計 100.0
【0039】
[実施例16]
下記組成のヘアリンス剤を調製した。
[調製法] (A)成分を80℃に加温し良く撹拌した状態で、同じく80℃に加温した(B)の混合溶液を撹拌しながら添加した。この混合溶液を撹拌しながら50℃まで冷却し、(C)成分を添加し、ヘアリンス剤を得た。この乳化平均粒子径は2μmで、25℃での粘度はBL型粘度計(3号ローター,12rpm)で測定した結果4.5Pa・sであった。
組成 質量(%)
(A)
酢酸ラウリン酸アミドブチルグアニジン *27 0.1
酢酸ミリスチン酸パルミチン酸アミドブチルグアニジン *28 0.1
N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−
ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩液 *29 0.1
ポリエチレングリコール *30 0.2
ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド 0.8
ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物 *31 1.0
リン酸 適量(pH3.4に調整)
セタノール 1.5
ベヘニルアルコール 0.2
オレイルアルコール 0.3
オレイン酸 0.2
イソステアリン酸 0.2
モノステアリン酸グリセリル *32 0.1
モノラウリン酸ソルビタン *33 0.1
パラオキシ安息香酸プロピル 0.3
ジメチルシリコーン(100万mm2 /s) 1.0
ジメチルシリコーン(10万mm2 /s) 1.0
ジメチルシリコーン(50mm2 /s) 1.0
(B)
グリシン 0.7
トリメチルグリシン *23 0.2
アルギニン 0.3
没食子酸−3,5−ジグルコシル *1 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.3
精製水 残部
(C)
エタノール 2.0
香料組成物B 0.5
計 100.0
【0040】
[実施例17]
下記組成のヘアリンス剤を調製した。
[調製法] (A)成分を70℃に加温し良く撹拌した状態で、同じく70℃に加温した(B)の混合溶液を撹拌しながら添加した。この混合溶液を撹拌しながら50℃まで冷却し、(C)成分を添加しヘアリンス剤を得た。この組成物のpHは3.3、乳化平均粒子径は1μmで、25℃での粘度はBL型粘度計(3号ローター,12rpm)で測定した結果5Pa・sであった。
組成 質量(%)
(A)
パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル *34 0.05
4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン *35 0.05
ミリスチン酸イソステアリル 1.0
メタクリル酸エステル共重合体の両性化物 *36 1.5
パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド 2.0
ステアリルアルコール 4.0
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 *37 1.0
グリコール酸 0.15
プロピレングリコール 5.0
(B)
ハマメリス抽出液 *8 0.5
精製水 残部
(C)
エタノール 3.0
香料組成物A 0.3
計 100.0
【0041】
[実施例18]
下記組成のスキンケア用化粧水を調製した。
[調製法] 精製水を除く(A)成分を70℃に加温し良く撹拌した状態で、同じく70℃に加温した(A)成分中の精製水を撹拌しながら添加した。この混合溶液に(B)成分の混合物を添加し撹拌しながら50℃まで冷却した。(C)成分の香料及びその他の成分からなる混合溶液を添加し組成物を得た。この組成物を耐圧アルミ缶に充填した後、エアゾールバルブでクリンチし、最後に25℃での容器内圧が0.5MPaとなるよう窒素ガスを充填し、スキンケア用化粧水を得た。
組成 質量(%)
(A)
モノイソステアリン酸デカグリセリル *38 2.0
植物性スクワラン *39 3.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 *40 1.0
ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド 0.3
イソステアリン酸オクチルドデシル *41 1.0
クエン酸 0.1
dl−α−トコフェノール 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
精製水 30.0
(B)
濃グリセリン 3.0
キサンタンガム *42 0.05
(C)
L−プロリン 0.5
没食子酸−3,5−ジグルコシド *1 0.5
ヒアルロン酸ナトリウム *43 0.05
紅茶エキス *26 0.25
クエン酸ナトリウム 適量(pH5.5に調整)
香料組成物C 0.05
エタノール 5.0
精製水 残部
計 100.0

実施例10〜18の着色抑制効果は良好であり、べたつきやごわつきもなく使用感はいずれも良好であった。
【0042】
上記各例で使用した原料を以下に示す。
*1 ジグルコシル没食子酸 (三井化学(株)製)
*2 レオガードKGP (ライオン(株)製)
*3 アミソフトCS−11 ((株)味の素製)
*4 EMALEX 1810 (日本エマルジョン(株)製)
*5 レクソードP (一丸ファルコス(株)製)
*6 EMALEX 630 (日本エマルジョン(株)製)
*7 NIKKOL TP−10 (日光ケミカルズ(株)製)
*8 ファルコレックス ハマメリス B (一丸ファルコス(株)製)
*9 アロモックス DM12D−W(C) (ライオン・アクゾ(株)製)
*10 H.C.ポリマー2L (大阪有機化学工業(株)製)
*11 EMALEX125 (日本エマルジョン(株)製)
*12 SM−8704C (東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
*13 SH3773 (東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
*14 シルクゲンGソルブルS (一丸ファルコス(株)製)
*15 キトフィルマー (一丸ファルコス(株)製)
*16 HECダイセル SE900 (ダイセル化学工業(株)製)
*17 FZ−4672 (日本ユニカー(株)製)
*18 SY−DP14T (阪本薬品工業(株)製)
*19 特開2003−300811の調製例1により得られたロスマリン酸粗精製物
*20 EMALEX RWIS−120 (日本エマルジョン(株)製)
*21 EMALEX 1820 (日本エマルジョン(株)製)
*22 KM903 (信越シリコーン、信越化学工業(株)製)
*23 アミノコート (旭化成工業(株)製)
*24 シラカバ抽出液 (丸善製薬(株)製)
*25 ユーカリ抽出液 (香栄興業(株)製)
*26 紅茶リキッド (一丸ファルコス(株)製)
*27 C12A4G (レンゴー社製)
*28 C1416A4G (日本化薬(株)製)
*29 アミセーフLMA−60 ((株)味の素製)
*30 ポリオックスWSRN−60KCG (アマコール社製)
*31 サラコスDGS16 (日清オイリオ(株)製)
*32 NIKKOL MGS−B (日光ケミカルズ(株)製)
*33 NIKKOL SL−10 (日光ケミカルズ(株)製)
*34 エスカロール507 (Van Dyk社製)
*35 パルソール1789 (ジボダンルール社製)
*36 ユカフォーマーAM75−201 (三菱化学(株)製)
*37 EMALEX HC−20 (日本エマルジョン(株)製)
*38 NIKKOL Decaglyn 1−IS (日光ケミカルズ(株)製)
*39 フィトスクワラン (ソフィム社製)
*40 TSF4441 (GE東芝シリコーン(株)製)
*41 ISOD (進栄化学(株)製)
*42 モナートガムDA (大日本製薬(株)製)
*43 バイオヒアルロン酸 (一丸ファルコス(株)製)
*香料組成物A〜Eは、特開2003−95895号公報の表5〜19に記載した香料組成物A〜Eに準ずる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェノール類と、下記一般式(1)で表わされるアミドアミン化合物と、炭素数2〜4の低級アルコールとを含有することを特徴とする外用剤組成物。
【化1】

(式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数11〜25のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R2は炭素数1〜3のアルキレン基、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
【請求項2】
ポリフェノール類が、没食子酸及び/又はその誘導体であることを特徴とする請求項1記載の外用剤組成物。

【公開番号】特開2006−8610(P2006−8610A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189135(P2004−189135)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】