説明

外用剤組成物

【課題】没食子酸誘導体を含み、対象物の感触改善効果、感触改善持続効果を有する組成物で、高温保存での変色、及び没食子酸誘導体の分解を防止する外用剤組成物の提供。
【解決手段】(A)式(1)で表される没食子酸誘導体と、(B)無機酸、アミノ酸、ヒドロキシル基が3個以下の有機酸、又はこれらの塩とを含有する外用剤組成物。


[R1は水素原子、アルカリ金属など、又はアルキル基もしくはアルケニル基を示し、R2、R3及びR4は独立に、水素原子、又は特定の構造式で表される一価の基である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、没食子酸誘導体を含有する外用剤組成物に関し、詳しくは繊維・毛髪等の感触を良くし、高温保存下における組成物の変色が防止され、没食子酸誘導体の分解が防止される外用剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、痛みがほとんどなく効果が長期に持続する薬剤の投与方法として、薬剤を含む貼付剤、プラスター剤、クリーム製剤、又はジェル製剤等を、皮膚に貼付又は塗布する方法が用いられている。しかしながら、貼付剤やプラスター剤は皮膚表面の動きに対する伸縮が十分でなく、容易にはがれてしまうという問題がある。また、クリーム製剤やジェル製剤は水や石鹸等によって洗浄すると容易に洗い流されてしまうことから、十分な持続性を有しているとはいえないのが現状である。
【0003】
また、毛髪は細胞が角化することによって作られる組織であり、パーマ処理や染毛処理等の化学処理や日光等によって損傷することがわかっているが、それ自身では損傷を修復することができないことから、各種ヘアケア剤が使用されている。しかしながら、従来のヘアケア剤は塗布時には良好な感触が得られるものの、シャンプー等の洗浄によって容易に除去され、十分な補修効果の持続性を有しているとはいえないのが現状である。
【0004】
そこで、洗浄しても効果が持続するための方法として、タンパク質、特にケラチンタンパク質と高い吸着性を有し、洗浄によっても容易には除去されず、それ自身の効果が長期に持続する、又は有用物質と相互作用することにより有用物質の効果を長期に持続することができる化合物が求められていた。
【0005】
このようなケラチンタンパク質に結合し、効果が持続する方法としては、抗体を含有する毛髪化粧料(特許文献1:特開平5−163123号公報、特許文献2:特開平5−155740号公報、特許文献3:特開平5−155741号公報、特許文献4:特開平5−279231号公報参照)、光活性化可能ジアジリン化合物を用いる方法(特許文献5:特開2003−335638号公報)、錯化剤を含有する化粧組成物(特許文献6:特開2004−115518号公報参照)、ビオチン化合物と特定の解離定数を有する錯化剤を含有する化粧組成物(特許文献7:特開2004−2398号公報、特許文献8:特開2005−23016号公報参照)等が提案されている。しかしながら、抗体を用いる方法では、抗体の製造が難しく実用化は困難である。また、光活性化可能ジアジリン化合物や錯化剤を用いる方法ではケラチンと共有結合を形成することから、その共有結合によりケラチンタンパク質自身の損傷等の不可逆的変化を伴うという課題があった。以上のことから、共有結合とは異なる結合によりタンパク質の不可逆的変性を伴わず、タンパク質に対して高い吸着性を有する化合物が望まれていた。なお、本発明に関連する先行技術文献としては下記が挙げられる。
【0006】
【特許文献1】特開平5−163123号公報
【特許文献2】特開平5−155740号公報
【特許文献3】特開平5−155741号公報
【特許文献4】特開平5−279231号公報
【特許文献5】特開2003−335638号公報
【特許文献6】特開2004−115518号公報
【特許文献7】特開2004−2398号公報
【特許文献8】特開2005−23016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、没食子酸誘導体を含有し、対象物の感触改善効果、さらには感触改善持続効果を有する組成物であって、この組成物の高温保存での変色、及び没食子酸誘導体の分解を防止する外用剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の没食子酸誘導体が繊維・毛髪等の感触を良くし、かつタンパク質、特に皮膚や毛髪の主たる構成タンパク質であるケラチンタンパク質に対して、高い吸着性を有し、この没食子酸誘導体を含有する外用剤組成物は、没食子酸誘導体の作用により、没食子酸誘導体そのものや、併用する薬剤もしくはコンディショニング剤等の有用成分の毛髪吸着性を高め、これらの効果を長期維持できることを知見した。
しかしながら、この没食子酸誘導体を配合した組成物は、経時において変色し、没食子酸誘導体が分解しやすいことが判明し、このことは特に高温で変色・分解する傾向が強かった。本発明者はさらに鋭意検討した結果、没食子酸誘導体を配合した組成物に、無機酸、アミノ酸、又はヒドロキシル基を1〜3個有する有機酸を加えることにより、高温での変色・分解を防止できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
従って、下記発明を提供する。
[1].(A)下記一般式(1)で表される没食子酸誘導体と、(B)無機酸、アミノ酸、ヒドロキシル基が3個以下の有機酸、又はこれらの塩とを含有する外用剤組成物。
【化1】

[式中、R1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、置換もしくは非置換のアンモニウム、又は炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、又は下記構造式(2)もしくは下記構造式(3)
【化2】

(式中、nは1〜10の整数を示す。)
【化3】

(式中、R5は水素原子又はメチル基を示し、pは1〜100の整数を示す。)
で表される一価の基であり、R2、R3及びR4のうち、少なくとも一つが上記構造式(2)又は(3)で表される一価の基である。]
[2].(A)成分の没食子酸誘導体が一般式(1)で表される没食子酸誘導体であって、R2、R3及びR4のうち、少なくとも一つが構造式(2)で表される一価の基である没食子酸誘導体である[1]記載の外用剤組成物。
[3].(B)成分がヒドロキシカルボン酸である[1]又は[2]記載の外用剤組成物。
[4].(B)成分がクエン酸である[3]記載の外用剤組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、没食子酸誘導体を含有し、対象物の感触改善効果、さらには感触改善持続効果を有する外用剤組成物であって、この組成物の高温保存での変色、及び没食子酸誘導体の分解を防止する外用剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の(A)没食子酸誘導体は下記一般式(1)で表されるものであり、繊維・毛髪等の感触を良くし、かつタンパク質、特にケラチンタンパク質と高い吸着性を有する。この効果は特に損傷した髪に対して顕著である。
【0012】
【化4】

[式中、R1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、置換もしくは非置換のアンモニウム、又は炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、又は下記構造式(2)もしくは下記構造式(3)
【化5】

(式中、nは1〜10の整数を示す。)
【化6】

(式中、R5は水素原子又はメチル基を示し、pは1〜100の整数を示す。)
で表される一価の基であり、R2、R3及びR4のうち、少なくとも一つが上記構造式(2)又は(3)で表される一価の基である。]
【0013】
1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、置換もしくは非置換のアンモニウム、又は炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基である。アルカリ金属又はアルカリ土類金属は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン等の陽イオン性を示す金属原子であり、炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。置換のアンモニウムとしては、一級アミン、二級アミン、三級アミン等のアルキルアンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のヒドロキシアルキルアンモニウム等が挙げられる。なお、R1がアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、置換又は非置換のアンモニウムの場合、−COOR1は塩を形成する。
【0014】
2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、又は上記構造式(2)もしくは(3)で表される一価の基であり、R2、R3及びR4のうち、少なくとも一つは上記構造式(2)又は(3)で表される一価の基である。上記構造式(2)で表される一価の基としては、グリセリル基、ジグリセリル基、トリグリセリル基、及びデカグリセリル基等を挙げることができる。また、上記構造式(3)で表される一価の基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン基等を挙げることができる。この中でも、R2、R3及びR4のうち、少なくとも一つが構造式(2)で表される一価の基である没食子酸グリセリン誘導体が好ましい。
【0015】
上記一般式(1)で表される没食子酸誘導体としては、上記一般式(1)中、下記で示される没食子酸誘導体等が挙げられる。
1)R1、R2及びR4が水素原子、R3が上記構造式(2)中、n=1で表される基である4−グリセリル没食子酸
2)R1、R2及びR4が水素原子、R3が上記構造式(2)中、n=2で表される基である4−(ジグリセリル)没食子酸
3)R1、R2及びR4が水素原子、R3が上記構造式(2)中、n=10で表される基である4−(デカグリセリル)没食子酸
4)R1がナトリウム原子であり、R2及びR4が水素原子、R3が上記構造式(2)中、n=1で表される基である4−グリセリル没食子酸ナトリウム
5)R1がメチル基であり、R2及びR4が水素原子、R3が上記構造式(2)中、n=1で表される基である4−グリセリル没食子酸メチルエステル
6)R1及びR4が水素原子、R2及びR3が上記構造式(2)中、n=1で表される基である3,4−ジグリセリル没食子酸
7)R1及びR3が水素原子、R2及びR4が上記構造式(2)中、n=1で表される基である3,5−ジグリセリル没食子酸
8)R1が水素原子、R2、R3及びR4が上記構造式(2)中、n=1である3,4,5−トリグリセリル没食子酸
9)R1、R2、R4が水素原子、R3が上記構造式(3)中、R5が水素原子、p=1で表される基である4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸、
10)R1がナトリウム原子であり、R2及びR4が水素原子、R3が上記構造式(3)中、R5が水素原子、p=1で表される基である4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸ナトリウム、
11)R1、R4が水素原子、R2、R3が上記構造式(3)中、R5が水素原子、p=1で表される基である3,4−ジ(1−ヒドロキシエチル)没食子酸、
12)R1、R3が水素原子、R2、R4が上記構造式(3)中、R5が水素原子、p=1で表される基である3,5−ジ(1−ヒドロキシエチル)没食子酸、
13)R1が水素原子、R2、R3、R4が上記構造式(3)中、R5が水素原子、p=1で表される基である3,4,5−トリ(1−ヒドロキシエチル)没食子酸、
14)R1、R2、R4が水素原子、R3が上記構造式(3)中、R5が水素原子、p=20で表される基である4−ポリオキシエチレン(20)没食子酸、
等が挙げられる。
【0016】
中でも、効果、製造容易性、安定性等から、4−グリセリル没食子酸、4−グリセリル没食子酸ナトリウム、3,4−ジグリセリル没食子酸、3,5−ジグリセリル没食子酸、3,4,5−トリグリセリル没食子酸、4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸、4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸ナトリウム、3,4−ジ(1−ヒドロキシエチル)没食子酸、3,5−ジ(1−ヒドロキシエチル)没食子酸、3,4,5−トリ(1−ヒドロキシエチル)没食子酸が好適であり、また、外用剤組成物等への配合容易性等から、4−グリセリル没食子酸、3,4−ジグリセリル没食子酸、3,4,5−トリグリセリル没食子酸がさらに好適である。
【0017】
上記一般式(1)で表される没食子酸誘導体は、例えば下記合成法により製造することができる。詳細には後述する製造例で記載する。
上記構造式(2)で表される一価の基を含む一般式(1)で表される没食子酸誘導体は、対応するオレフィン化合物をジヒドロキシル化することにより得ることができる。ジヒドロキシル化の方法としては、オレフィンを酸化オスミウムにより直接ジヒドロキシル化する方法、有機酸の過酸化物を用いてエポキシ体を中間体として経由し、これを開環させる方法等が挙げられる。例えば、没食子酸メチル−4−O−アリルエーテルを過蟻酸や過酢酸等の有機酸と反応させると、オレフィンが酸化された後、有機酸と反応し、エステルやジヒドロキシル化合物の混合物を生成する。これらの化合物を、単離精製を行うか、行うことなく加水分解反応に供すると、目的とする化合物を得ることができる。なお、中間体となるオレフィン化合物は没食子酸エステルを塩基存在下、アリルブロマイドと反応させることにより得ることができる。また、没食子酸エステルの加水分解の方法としては、塩基水で処理する方法、酸性水で処理する方法等があるが、いずれも適用することができる。
【0018】
上記構造式(3)で表される一価の基を含む一般式(1)で表される没食子酸誘導体は、対応するEO(エチレンオキサイド)、PO(プロピレンオキサイド)、又は両者を没食子酸に付加して得ることができる。例えば、下記製造例で挙げる方法が挙げられる。
【0019】
本発明の外用剤組成物は、上記一般式(1)で表される没食子酸誘導体の1種単独又は2種以上を含有する。この没食子酸誘導体は繊維・毛髪等の感触を良くし、かつタンパク質、特に皮膚や毛髪の主たる構成タンパク質であるケラチンタンパク質に対して、高い吸着性を有することから、この没食子酸誘導体を含有する外用剤組成物は、没食子酸誘導体そのものや、併用する有効成分の効果を持続させることができる。この効果は特に損傷した毛髪で顕著である。
【0020】
一般式(1)で表される没食子酸誘導体の配合量は特に限定されないが、外用剤組成物全量に対し、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。配合量が0.001質量%未満だと、目的の効果が得られにくい場合がある。
【0021】
本発明で用いられる(B)成分は、無機酸、アミノ酸、ヒドロキシル基が3個以下の有機酸、又はこれらの塩であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。無機酸としては、塩酸、リン酸等が挙げられ、アミノ酸としてはシステイン、ロイシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リシン、ヒスチジン等が挙げられる。ヒドロキシル基が3個以下の有機酸としては、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸、マレイン酸、コハク酸、チオグリコール酸等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩やアンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。この中でも、ヒドロキシカルボン酸及びその塩が好適に用いられ、クエン酸、グリコール酸、これらの塩が特に好適に用いられる。
【0022】
(B)成分の配合量は、特に限定されるものではないが、外用剤組成物全量に対し、0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜3質量%の範囲で選ばれる。0.001質量%未満では充分な変色・分解防止効果が得られにくい場合があり、また、10質量%を超えると外用剤組成物の安定性に影響を与えるおそれがある。
【0023】
本発明の外用剤組成物は、例えば、液状、クリーム状、フォーム状、スプレー状、ジェル状、粉末状、固形状等の多くの製品形態で広く利用でき、毛髪化粧料等の毛髪用外用剤、皮膚外用剤等に好適に使用することができる。毛髪化粧料としては、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、洗い流すタイプのトリートメント、洗い流さないタイプのトリートメント、フォーム剤等の整髪剤等が挙げられる。
【0024】
なお、本発明の外用剤組成物を特に毛髪化粧料として用いる場合は、上記一般式(1)で表される没食子酸誘導体と、第4級アンモニウム塩とを併用することにより、損傷毛髪に対して感触の改善及びコンディショニング効果の持続性がより優れた毛髪化粧料を得ることができる。第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(4)で表される第4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0025】
【化7】

(式中、R6、R7、R8及びR9のうち1〜2個は炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基を示し、残りは炭素数3以下のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
【0026】
上記一般式(4)で表される第4級アンモニウム塩としては、具体的には、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0027】
第4級アンモニウム塩の配合量は特に限定されないが、外用剤組成物全量に対し、通常0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。この範囲で特に良好な損傷毛髪に対する感触の改善及びコンディショニング効果が得られる。
【0028】
本発明の外用剤組成物には、上記必須の没食子酸誘導体及び任意成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、外用剤組成物に通常用いられる成分を適当量配合することができる。外用剤組成物に通常用いられる成分としては、例えば、上記以外のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性高分子化合物、アニオン性高分子化合物、ノニオン性高分子化合物、両性高分子化合物等のポリマー、シリコーン類、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、高級アルコール、炭化水素、動植物油、エステル油、着色剤、香料、溶剤(エタノール、水等)、脂肪酸等が使用できる。これらの添加成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0029】
本発明の外用剤組成物の製造方法は特に限定されず、各剤型の常法に基づいて調製することができる。例えば、上記(A)成分、(B)成分及び水(残部)を混合して得ることができる。
【0030】
本発明の外用剤組成物は、特に損傷した髪に対して顕著な効果を示すため、毛髪、特にパーマ又は染毛等で損傷した損傷毛髪用として好適である。
【0031】
本発明の外用剤組成物のpH(25℃)は3〜7が好ましい。pHは化粧品原料基準の一般試験法に定められた方法を用い、毛髪化粧料中に直接pHメーターの電極を差し込み、安定した後のpH値を読むことで測定することができる。
【0032】
本発明の外用剤組成物は、容器に充填されて使用等に供されることとなる。容器としては、例えば、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器等が挙げられる。ラミネートフィルムは、通常2層以上の多層を有し、その材質はポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミ蒸着プラスチック等によって構成される。強度、柔軟性、耐候性等を考慮し、一般的には2〜5層のものを用いることができる。ボトルの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等及びガラス等を単層ないし2層以上組み合わせて用いることができる。さらに、エアゾール容器に充填することもできる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、各成分の量は純分換算した数値(AI)を示す。
【0034】
[製造例1:4−グリセリル没食子酸の合成]
没食子酸メチル36.8g、アセトン300mL、DMF(ジメチルホルムアミド)60mLの混合液に、炭酸カリウム33.2gを加え、撹拌、加熱して、20分間リフラックスした後に、アリルブロマイド24.2gを滴下し、さらに5時間リフラックスした。減圧条件下で溶媒を留去した後に、酢酸エチル200mLと水200mLを加えて分液した後、得られた有機層を飽和食塩水100mLで洗浄した後、濃縮した。得られた残渣にヘキサン300mLを加えて撹拌し、沈殿物として粗結晶を得た。ヘキサン溶液をデカンテーションした後、粗結晶を酢酸エチル及びヘキサンを用いて結晶化し、これを濾取、乾燥して、4−O−アリル没食子酸メチル9.4gを得た。
ギ酸6mLと30%過酸化水素水6mLの混合溶液中に、内温が30−35℃になるように温度調整を行いながら、上記の方法で得られた4−O−アリル没食子酸メチル2gを数回に分割して1時間かけて加え、引き続き内温が35−40℃になるように温度調整を行いながら2時間反応させた。水20mLとトルエン30mLを反応系に加えて分液し、トルエン層を除去した後、水層に酢酸エチル30mLを加えて分液抽出した。さらに水層に酢酸エチル30mLを加えて再抽出を行い、先の酢酸エチル層と合わせた。この有機層を順次、水20mL、重曹水20mL、重亜硫酸ナトリウム水溶液20mLで洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液でpH調整を行いながら、水層が中性になるまでこの有機層を洗浄した。ヨウ化カリ澱粉紙にて過酸化物が残存していないことを確認した後、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した(シリカゲル60g、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/4(容量比))。得られた4−グリセリル没食子酸メチルエステル及びそのギ酸エステルを合わせて0.35gを得た。これを水1mL、水酸化ナトリウム0.2gの水溶液中に加えて、室温にて3時間反応させた。14mol/L塩酸を加えて、反応溶液をpH1とし、析出した結晶を濾取した後、水2mLで振り洗後、乾燥し、4−グリセリル没食子酸の粉末0.20gを得た。
本粉末の1H−NMR(DMSO−d6)の結果;3.46(2H,m),3.77(1H,m),3.85(1H,m),4.06(1H,m),4.0−5.5(2H,br),6.93(2H,s),9.39(2H,br)
【0035】
[製造例2:4−グリセリル没食子酸ナトリウムの合成]
製造例1の方法で得られた4−グリセリル没食子酸の粉末0.59gを水50mLに溶解し、100mmol/L水酸化ナトリウム水溶液20mLを加え、十分に撹拌混合した後、凍結乾燥により水を除去し、4−グリセリル没食子酸ナトリウムの粉末0.35gを得た。
【0036】
[製造例3:4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸の合成]
没食子酸メチル184.0gと水酸化ナトリウム4.0gとをメタノール1000mL中に添加し、エチレンオキサイド50gを圧力が0.2MPaを超えない条件で添加しながら、温度を80−100℃になるように温度調節を行いながら2時間反応させた。反応はオートクレーブを用い加圧下で行った。冷却後、減圧条件下で溶媒を留去した後に、酢酸エチル500mLと水500mLを加えて分液した後、得られた有機層を飽和食塩水200mLで洗浄した後、濃縮した。得られた残渣の20gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(シリカゲル1000g、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/4(容量比))、4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸メチルエステル11.4gを得た。これを水50mL、水酸化ナトリウム10.0gの水溶液中に加えて、室温にて3時間反応させた。14mol/L塩酸を加えて、反応溶液をpH1とし、析出した結晶を濾取した後、水50mLで振り洗い後、乾燥し、4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸の粉末10.5gを得た。
本粉末の1H−NMR(DMSO−d6)の結果;3.90(2H,t),4.18(2H,t),6.96(2H,s)
【0037】
[実施例1〜7、比較例1〜7]
表1,2に示す組成の毛髪用外用剤組成物(毛髪化粧料)を調製し、下記方法で感触改善効果、感触改善効果の持続性、保存安定性(組成物40℃での変色・没食子酸誘導体の分解)を評価した。結果を表中に併記する。
【0038】
〈感触改善効果評価〉
長さ30cm、質量10gのアジア人毛束(未損傷毛束)を、下記組成1のモデルブリーチ溶液(人毛束の10倍量(100mL))中に室温で30分間浸漬した。その後、人毛束を水道水で十分に洗浄して乾燥し、損傷毛束を得た。この損傷毛束に毛髪用外用剤組成物1.5gを塗布し、クシを用いて損傷毛束全体になじませ、そのまま自然乾燥して処理毛束を得た。
(組成1)モデルブリーチ溶液組成 質量(%)
過酸化水素 6
アンモニア 3
塩化ナトリウム 5
水酸化ナトリウム 適量(pH10.8に調整)
精製水 残部
合 計 100
【0039】
評価者10名が、毛髪用外用剤組成物による処理毛束と、毛髪用外用剤組成物による処理をしていない未処理毛束(損傷毛束)を触り、両者について「きしみのなさ」を比較評価した。表中には以下の基準に従って4段階で示した。
◎:処理毛束の方が良いとした評価者の人数が9名以上
○:処理毛束の方が良いとした評価者の人数が6〜8名
△:処理毛束の方が良いとした評価者の人数が3〜5名
×:処理毛束の方が良いとした評価者の人数が2名以下
【0040】
〈感触改善効果の持続性評価〉
感触改善効果を評価するのに用いた毛髪用外用剤組成物による処理毛束及び未処理毛束に、下記組成2のモデルシャンプー溶液1gを塗布し、直ちに指でもみ洗いをして泡立て、1分後に水道水で1分間すすいだ後、自然乾燥した。この操作を5回繰り返した後の毛束を用いて再度上記と同様の基準で感触改善効果を判定した。
(組成2)モデルシャンプー溶液 質量(%)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 5
テトラデセンスルホン酸ナトリウム 9
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 4.5
ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル 1.5
ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油 4
安息香酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.5
精製水 残部
計 100.0
【0041】
<組成物の変色>
表1,2に示す組成の毛髪用外用剤組成物30mLを50mLのバイアルビンに保存し、40℃・1ヵ月後の変色の程度を下記基準により評価した。
◎:保存試験後も変色は認められず。
○:若干変色(ごく薄い黄色)したが、商品価値上問題なし。
△:黄色に変色、商品価値上問題あり。
×:濃い黄色に変色。
【0042】
<分解>
表1,2に示す組成の毛髪用外用剤組成物30mLを50mLのバイアルビンに保存し、40℃1ヵ月後の組成物をHPLCで測定し、没食子酸誘導体に対応するピーク面積の変化の程度を下記基準により評価した。
◎:初期の値の95%以上
○:初期の値の85〜94%
△:初期の値の70〜84%
×:初期の値の69%以下
HPLC条件:
日立製作所製D−7000HPLCシステムを使用し、以下の条件で測定した。
カラム;イナートシルODS−2(φ4.6×250mm)(GLサイエンス社製)
カラム温度;40℃
移動相;アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸水溶液=7/93
流速;1mL/分
検出;254nmの吸光度
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
[実施例8]
下記組成からなる整髪用エアゾールフォーム剤組成物を調製した。
組成 %
カチオン化セルロース(A) 0.2
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.2
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.7
ジメチルポリシロキサン(100mm2/s) 8.0
ジメチルポリシロキサン(1000万mm2/s) 2.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.05
4−グリセリル没食子酸 0.3
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.4
香料組成物B 0.05
クエン酸 0.4
水酸化ナトリウム 適量(pH5.5に調整)
エタノール 15.0
精製水 残部
液化石油ガス(0.49MPa) 7.0
合計 100.0
<調製法>
ジメチルポリシロキサンと液化石油ガスとを除く成分を混合し、この混合液を耐圧アルミ缶に充填した後、ジメチルポリシロキサンを充填し、エアゾールバルブでクリンチした。最後に液化石油ガスを充填し、フォーム剤とした。
【0046】
[実施例9]
下記組成からなる整髪用エアゾールフォーム剤組成物を調製した。
組成 %
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 0.6
3−メチル−1,3−ブタンジオール 5.0
植物性スクワラン 0.5
ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル 0.2
モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 0.4
3,4−ジグリセリル没食子酸 0.5
カチオン性高分子化合物(A) 0.4
ジメチルポリシロキサン(100万mm2/s) 1.0
ジメチルポリシロキサン(30mm2/s) 2.0
乳酸 0.1
水酸化ナトリウム 適量(pH5.0に調整)
パラオキシ安息香酸メチル 0.15
オキシベンゾンスルホン酸 0.1
エタノール 10.0
精製水 残部
液化石油ガス(0.29MPa) 8.5
ジメチルエーテル 1.5
合計 100.0
<調製法>
植物性スクワラン、ジメチルポリシロキサン、乳酸、液化石油ガス、ジメチルエーテルを除く成分を混合し、次いで水酸化ナトリウムでpH5.0に調整し、原液とした。この原液を透明耐圧PET容器に充填した後、植物性スクワラン、ジメチルポリシロキサンの順に充填し、エアゾールバルブでクリンプした。最後に液化石油ガス、ジメチルエーテルの順に充填し、フォーム剤とした。
【0047】
[実施例10]
下記組成からなる整髪用非エアゾールフォーム剤を調製した。
組成 %
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
ラウリルジメチルアミンオキシド 0.5
両性高分子化合物(A) 0.3
ポリオキシエチレン(25)セチルエーテル 0.3
アミノ変性シリコーンエマルション(A) 1.0
3,4,5−トリグリセリル没食子酸 0.3
没食子酸−3,5−ジグルコシド 0.2
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05
オキシベンゾンスルホン酸 0.1
乳酸 0.08
水酸化ナトリウム 適量(pH4.5に調整)
香料組成物C 0.15
エタノール 23.0
精製水 残部
合計 100.0
<調製法>
上記成分を混合溶解し、この混合溶液を非エアゾール型ポンプフォーム容器に充填し、非エアゾールフォーム剤とした。
【0048】
[実施例11]
下記組成からなる洗い流さないトリートメント用エアゾールスプレー剤を調製した。
組成 %
DL−パントテニルアルコール 0.5
ポリエーテル変性シリコーン(A) 1.0
塩化ステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム 0.4
4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸 0.1
オキシベンゾン 0.1
加水分解シルク液 0.6
ヒドロキシプロピルキトサン液 0.6
グリコール酸アンモニウム 0.25
エタノール 10.0
精製水 残部
ジメチルエーテル 30.0
合計 100.0
<調製法>ジメチルエーテルを除く成分を混合溶解し、この混合溶液を耐圧アルミ缶に充填した後、ティルト方式のエアゾールバルブでクリンチした。最後にジメチルエーテルの順に充填し、エアゾールスプレー剤とした。
【0049】
[実施例12]
下記組成からなる洗い流さないトリートメント用ジェル剤を調製した。
組成 %
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.8
アミノ変性シリコーンエマルジョン(B) 1.5
ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル 0.7
プロピレングリコール 3.0
4−グリセリル没食子酸ナトリウム 0.5
ロスマリン酸粗精製物 0.1
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.1
ピロリン酸ナトリウム 0.05
グリコール酸 0.05
香料組成物A 0.05
ジヒドロキシベンゾフェノン 0.05
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
エタノール 25.0
精製水 残部
合計 100.0
<調製法>
ヒドロキシエチルセルロースをプロピレングリコールに分散し、これに水を加えて溶解した後、残りの成分を混合した。さらに液の粘性がでるまで攪拌を続けた。この組成物をポンプ式容器に充填し、ジェル剤とした。
【0050】
[実施例13]
下記組成からなる洗い流さないトリートメント用スプレー剤を調製した。
組成 %
ジプロピレングリコール 1.5
モノイソステアリン酸POE(20)硬化ヒマシ油 0.2
ポリオキシエチレン(20)イソステアリルエーテル 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5
ポリエーテル変性シリコーン(B) 0.5
トリメチルグリシン 0.3
4−グリセリル没食子酸 0.6
シラカバエキス 1.0*
ユーカリエキス 0.5*
紅茶エキス 0.5*
コハク酸 0.3
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
香料組成物E 0.3
エタノール 15.0
精製水 残部
合計 100.0
<調製法>
上記成分を混合溶解し、この組成物を噴射口径φ0.3mmのポンプスプレー容器に充填し、スプレー剤とした。
【0051】
[実施例14]
下記組成からなる洗い流さないトリートメント用ヘアクリーム剤を調製した。
組成 %
(A)
N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩液 1.2
塩化ベヘン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム 0.6
セチルアルコール 4.0
ステアリルアルコール 2.5
ホホバ油 1.0
ツバキ油 2.5
植物性スクワラン 1.0
モノステアリン酸ソルビタン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5
ピログルタミン酸イソステアリン酸POE(25)グリセリル 1.0
パラオキシ安息香酸プロピル 0.1
(B)
パラオキシ安息香酸メチル 0.4
4−グリセリル没食子酸ナトリウム 0.8
クエン酸 0.15
シラカバエキス 2.0*
精製水 残部
(C)
香料組成物D 0.5
合計 100.0
<調製法>
(A)を80℃に加温し良く攪拌した状態で、同じく80℃に加温した(B)の混合溶液を攪拌しながら添加した。この混合溶液を攪拌しながら45℃まで冷却し、(C)を添加し、ヘアクリーム剤とした。この乳化平均粒子径は2μmで、25℃での粘度はBL型粘度計(3号ローター,12rpm)で測定した結果、4.3Pa・sであった。
【0052】
[実施例15]
下記組成からなるヘアリンス剤を調製した。
組成 %
(A)
酢酸ミリスチン酸パルミチン酸アミドブチルグアニジン 0.1
N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩液 0.1
ポリエチレングリコール 0.2
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 0.8
ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物 1.0
リン酸 0.3
セチルアルコール 1.5
ベヘニルアルコール 0.2
オレイルアルコール 0.3
オレイン酸 0.2
イソステアリン酸 0.2
モノステアリン酸グリセリル 0.1
モノラウリン酸ソルビタン 0.1
パラオキシ安息香酸プロピル 0.3
ジメチルポリシロキサン(100万mm2/s) 1.0
ジメチルポリシロキサン(10万mm2/s) 1.0
ジメチルポリシロキサン(50mm2/s) 1.0
(B)
グリシン 0.7
トリメチルグリシン 0.2
アルギニン 0.3
3,4−ジグリセリル没食子酸 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.3
精製水 残部
(C)
エタノール 2.0
香料組成物B 0.5
合計 100.0
<調製法>
(A)を80℃に加温し良く攪拌した状態で、同じく80℃に加温した(B)の混合溶液を攪拌しながら添加した。この混合溶液を攪拌しながら50℃まで冷却し、(C)を添加し、ヘアリンス剤とした。この乳化平均粒子径は1μmで、25℃での粘度はBL型粘度計(3号ローター,12rpm)で測定した結果、3.8Pa・sであった。
【0053】
[実施例16]
下記組成からなるヘアリンス剤を調製した。
組成 %
(A)
パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル 0.05
4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン 0.05
ミリスチン酸イソステアリル 1.0
両性高分子化合物(B) 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
ステアリルアルコール 4.0
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.0
プロピレングリコール 5.0
(B)
3,4,5−トリグリセリル没食子酸 0.5
リンゴ酸 0.2
水酸化ナトリウム 適量(pH3.7に調整)
精製水 残部
(C)
エタノール 3.0
香料組成物A 0.3
合計 100.0
<調製法>
(A)を70℃に加温し良く攪拌した状態で、同じく70℃に加温した(B)の混合溶液を攪拌しながら添加した。この混合溶液を攪拌しながら50℃まで冷却し、(C)を添加し、ヘアリンス剤とした。この組成物の乳化平均粒子径は1μmで、25℃での粘度はBL型粘度計(3号ローター,12rpm)で測定した結果、4Pa・sであった。
【0054】
[実施例17]
下記組成からなる洗い流すトリートメント剤を調製した。
組成 %
(A)
4−グアニジノブチルラウリルアミド 1.0
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエステル 0.5
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1.5
ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物 1.5
セチルアルコール 1.5
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリルアルコール 2.0
イソステアリン酸 0.2
グリセリン 3.0
プロピレングリコール 5.0
モノステアリン酸グリセリル 0.1
モノラウリン酸ソルビタン 0.1
ポリエチレングリコール 0.4
パラオキシ安息香酸プロピル 0.2
(B)
4−(1−ヒドロキシエチル)没食子酸 0.1
リン酸 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.4
精製水 残部
(C)
ジメチルポリシロキサン(10万mm2/s) 1.0
ジメチルポリシロキサン(30mm2/s) 1.5
香料組成物 0.5
合計 100.0
<調製法>
(A)を70℃に加温し良く攪拌した状態で、同じく70℃に加温した(B)の混合溶液を攪拌しながら添加した。この混合溶液を攪拌しながら50℃まで冷却し、(C)を添加し、トリートメント剤とした。この組成物の乳化平均粒子径は3μmで、25℃での粘度はBH型粘度計(6号ローター,4rpm)で測定した結果130Pa・sであった。
【0055】
[実施例18]
下記組成からなるシャンプー剤を調製した。
組成 %
(A)
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2.5
セチルアルコール 3.0
ステアリルアルコール 3.0
ポリオキシエチレン(11)ステアリルエーテル 0.5
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 0.1
(B)
テトラデセンスルホン酸ナトリウム 1.5
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 9.0
合成ベントナイト 0.2
ラウリルジメチルアミンオキシド 1.0
カチオン化セルロース(B) 0.1
ヒドロキシプロピルセルロース 0.05
精製水 20.0
(C)
ジメチルポリシロキサン(100万mm2/s) 3.0
(D)
プロピレングリコール 5.0
ソルビトール 0.3
加水分解小麦タンパク 0.1*
赤色106号 0.0001
安息香酸ナトリウム 0.9
4−グリセリル没食子酸 1.5
メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリン液 0.01
クエン酸 0.3
香料組成物A 0.5
精製水 残部
合計 100.0
<調製法>
(B)を80℃に加温し良く攪拌した状態で、同じく80℃に加温した(A)の混合溶液を攪拌しながら添加した。この混合溶液を攪拌しながら50℃まで冷却し、(C)を添加しさらに十分に撹拌した後、(D)を添加し、シャンプー剤とした。この組成物のpHは5.5、乳化平均粒子径は18μmで、25℃での粘度はBL型粘度計(3号ローター,12rpm)で測定した結果、2.6Pa・sであった。
【0056】
実施例8〜18の感触改善効果と感触改善効果の持続性はいずれも良好で、40℃・1ヶ月保存においても、組成物の変色や没食子酸誘導体の分解は認められなかった。
【0057】
なお、上記各例で使用した香料組成物A,B,C,D,Eは、特開2003−95895号公報の表5〜19に記載した香料組成物A〜Eに準ずる。
【0058】
以下、上記例で使用した原料を下記に示す。
【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

*:配合量は溶媒を含めた全量で示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で表される没食子酸誘導体と、(B)無機酸、アミノ酸、ヒドロキシル基が3個以下の有機酸、又はこれらの塩とを含有する外用剤組成物。
【化1】

[式中、R1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、置換もしくは非置換のアンモニウム、又は炭素数1〜22のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、又は下記構造式(2)もしくは下記構造式(3)
【化2】

(式中、nは1〜10の整数を示す。)
【化3】

(式中、R5は水素原子又はメチル基を示し、pは1〜100の整数を示す。)
で表される一価の基であり、R2、R3及びR4のうち、少なくとも一つが上記構造式(2)又は(3)で表される一価の基である。]
【請求項2】
(A)成分の没食子酸誘導体が一般式(1)で表される没食子酸誘導体であって、R2、R3及びR4のうち、少なくとも一つが構造式(2)で表される一価の基である没食子酸誘導体である請求項1記載の外用剤組成物。
【請求項3】
(B)成分がヒドロキシカルボン酸である請求項1又は2記載の外用剤組成物。
【請求項4】
(B)成分がクエン酸である請求項3記載の外用剤組成物。

【公開番号】特開2008−189606(P2008−189606A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26481(P2007−26481)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】