説明

多層ホース

【課題】 最内層ホースを樹脂製の螺旋状とした多層ホースの可撓性を維持しつつ、その捩れ抑制を図る。
【解決手段】 多層ホース10における最内層の螺旋状ホース12PPS等の樹脂にて成型され、その成型に際して、時計旋回の螺旋状とされる。螺旋状ホース12外周の樹脂製の中間層14と最外層16との間には補強層20が介在し、この補強層20は、螺旋状ホース12における螺旋と同方向(時計旋回)で樹脂繊維補強糸HSをスパイラル状に巻回形成した時計旋回補強層21と、螺旋状ホース12の螺旋と逆方向(反時計旋回)で樹脂繊維補強糸HSをスパイラル状に巻回形成した反時計旋回補強層22とを備える。そして、両補強層では、樹脂繊維補強糸HSの編み角が共に54°以下とされ、その上で、反時計旋回補強層22は、時計旋回補強層21に対して、その編み角が約1〜5°の範囲で小さくされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体流路を形成するよう樹脂にて成型された螺旋ホースを最内層とする多層ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の多層ホースは、最内層ホースを螺旋状或いは蛇腹状とすることで可撓性を発現させ、種々の流体流路として多用されている。その一方、カーエアコン等の冷媒流路、或いは燃料電池の燃料ガス(水素ガス)の流路等とするためには、高い耐久性が必要とされるので、補強処置が施されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−252955号公報
【特許文献2】特開2004−60818号公報
【0004】
特許文献1、2の多層ホースでは、以下に説明するように一長一短がある。特許文献1では、最内層ホースが螺旋状であるので生産性に富むものの、補強層を金属細線である都合上、可撓性が犠牲にされ、配管取り回しの際の作業がしづらくなることが予想される。特許文献2では、最内層ホースに蛇腹部とその両端の平坦部を有するので生産性にやや欠けるものの、最内層ホースを樹脂製とすれば可撓性は維持できる。
【0005】
なお、上記の特許文献を始めとするこの種の多層ホースでは、その最内層ホースを樹脂製ホースとするに際しては、通過する流体に対しての非透過性を発揮する樹脂を用いることが一般的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献を組み合わせれば、最内層ホースを螺旋状に樹脂成形したホースとしつつ補強層を樹脂繊維等の補強糸とした多層ホース(螺旋多層ホース)や、最内層ホースを蛇腹状に樹脂成形したホースとしつつ補強層を樹脂繊維等の補強糸とした多層ホース(蛇腹多層ホース)を推考できる。しかしこれら多層ホースにあっても、以下に説明するような改良の余地が残されている。
【0007】
上記の蛇腹多層ホースでは、最内層ホースが蛇腹部の両端に金具との接続のための平坦部を有する都合上、生産性に欠けるという問題点は未解決のままである。一方、最内層ホースを樹脂製とした上記の螺旋多層ホースでは、生産性に優れるが、最内層ホースが螺旋状であるがために、流体流通時に内圧を受けた場合、多層ホースはその内圧により伸張し、螺旋と同方向の向きに捩れようとする。よって、この捩れが繰り返されると、ホース耐久性を短くしたり、多層ホース両端の締結部に、ホース捩れに基づく応力が集中しシール性を低下させる危惧がある。ところが、樹脂繊維からなる補強糸をただ単に編み込んだだけでは、こうした螺旋状の最内層ホースを有する捩れに対しての対処が十分とは言えず、改良が望まれる。
【0008】
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、最内層ホースを樹脂製の螺旋状とした多層ホースの可撓性を維持しつつ、その捩れ抑制の信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の多層ホースは、流体流路を形成するよう樹脂にて螺旋状に成型された最内層ホースの外周に、樹脂製の中間層と最外層を形成し、この中間層と最外層との間に、樹脂繊維補強糸にてスパイラル状に巻回形成された補強層とを備える。こうした構成を取った上で、この補強層を、最内層ホースにおける螺旋と同方向の巻き方で樹脂繊維補強糸をスパイラル状に巻回形成した第1補強層と、螺旋と逆方向の巻き方で樹脂繊維補強糸をスパイラル状に巻回形成した第2補強層を重ねたものとすると共に、第1補強層と第2補強層をホース中心軸に対する樹脂繊維補強糸の編み角を54°以下として巻回形成し、第2補強層を、その編み角が第1補強層の編み角より小さくして巻回形成した巻回特性と、樹脂繊維補強糸の編み込み数を第1補強層の樹脂繊維補強糸編み込み数より多くして巻回形成した巻回特性の少なくとも一方の特性を備えることとした。
【0010】
この本発明の多層ホースでは、最内層ホースを始めとする各層を樹脂製としたこと、補強層を樹脂繊維補強糸をスパイラル状に巻回形成したものとすることとで、その可撓性を維持する。その上で、流体流通時に内圧を受けて多層ホースが伸張して螺旋と同方向の向きに捩れようとすると、この捩れを次のようにして抑制する。
【0011】
樹脂繊維補強糸をスパイラル状に巻回形成した補強層にあっては、樹脂繊維補強糸の編み角の性質上、この編み角が静止角(=約54°)より小さいと、流体流通時に内圧を受けて多層ホースが伸張しようとする際、樹脂繊維補強糸は、その編み角が静止角に近づくような力を多層ホースに及ぼす。樹脂繊維補強糸の編み角が静止角より小さい確度からこの静止角に近づくと云うことは、補強層、引いては多層ホースが伸びないようになるので、上記の力は多層ホースの伸張を抑制するよう働く。
【0012】
螺旋状の最内層ホースを有する多層ホースではホース伸張時に螺旋と同一方向に捩れるが、この捩れを抑制するには、螺旋と逆方向の力を大きくホースに及ぼすことが効果的である。よって、編み角が第1補強層の編み角より小さくその編み方向が螺旋と逆方向の第2補強層、或いは、樹脂繊維補強糸の編み込み数が第1補強層の樹脂繊維補強糸編み込み数より多くしその編み方向が螺旋と逆方向の第2補強層によれば、多層ホースが螺旋と同一方向に捩れようとしても、上記の第2補強層により螺旋と逆方向の力を多層ホースに及ぼすことができる。この結果、本発明によれば、可撓性を維持しつつホースの捩れ抑制の実効性を高めることができ、これにより、耐久性・シール性も維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明に係る燃料遮断弁の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。図1は実施例の多層ホース10を層ごとに切り欠いてその構成を示す概略斜視図、図2は多層ホース10を最内層の螺旋状ホース12については半断面で他の外層については断面視して表す説明図である。
【0014】
図示するように、実施例の多層ホース10は、最内層の螺旋状ホース12にて流体流路を形成し、この螺旋状ホース12の外周に、樹脂製の中間層14と最外層16を形成し、この中間層14と最外層16との間に、樹脂繊維補強糸にてスパイラル状に巻回形成された補強層20を備える。
【0015】
螺旋状ホース12は、図示するように時計旋回の螺旋状をなし、内部には、右ネジが螺合するような時計旋回の螺旋状の凹溝を形成する。そして、この螺旋状ホース12は、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PET(Polyethylene Terephthalate)、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)等の樹脂にて成型される。用いる樹脂は、流体に対する非透過性、耐性等を考慮して、多層ホース10の用途に応じて決定される。中間層14は、この螺旋状ホース12の外周に形成され、螺旋状ホース12の外周凹溝を埋めて外周を平坦としている。最外層16は、補強層20を介在させた状態で、中間層14を覆っている。中間層14と最外層16については可撓性、見栄え、成型性、接着性、弾性等を考慮してその用いる樹脂が定まり、本実施例では、中間層14をTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)、最外層16をTPE(熱可塑性エラストマ)とした。
【0016】
図3は補強層20における樹脂繊維補強糸の編み方の様子を示す説明図である。この図3に示すように、補強層20は、螺旋状ホース12における螺旋と同方向(時計旋回)の巻き方で樹脂繊維補強糸HSをスパイラル状に巻回形成した時計旋回補強層21と、螺旋状ホース12の螺旋と逆方向(反時計旋回)の巻き方で樹脂繊維補強糸HSをスパイラル状に巻回形成した反時計旋回補強層22とを重ねて形成されている。各補強層の樹脂繊維補強糸HSは、樹脂製の繊維であることが可撓性維持のために望ましく、本実施例ではPET繊維糸、或いはアラミド繊維糸とした。なお、図示の都合上、各補強層は樹脂繊維補強糸HSを隙を持たせたものとされているが、各補強層では樹脂繊維補強糸HSはほぼ並んで編まれている。
【0017】
図3に示すように、補強層20において、時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22は、ホースセンタに対する編み角θ1、θ2が共に54°以下の編み角となるよう巻回形成されている。しかも、樹脂繊維補強糸HSの巻回方向が螺旋状ホース12の螺旋と逆方向(反時計旋回)の反時計旋回補強層22は、樹脂繊維補強糸HSの巻回方向が螺旋状ホース12の螺旋と同方向(時計旋回)の時計旋回補強層21に対して、その編み角θ2がθ1より小さくなるようにされている。本実施例では、反時計旋回補強層22の編み角θ2と時計旋回補強層21の編み角θ1との差を、約1〜5°とした。
【0018】
上記構成を有する本実施例の多層ホース10では、螺旋状ホース12を始めとする各層を樹脂製とすると共に、補強層20を樹脂製の樹脂繊維補強糸HSをスパイラル状に巻回形成することとで、ホースとしての可撓性を維持するようにした。その上で、補強層20を既述した時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22を有するものとしたので、次のような利点がある。
【0019】
本実施例の多層ホース10にあっても、流体流通時に内圧を受けると、その内圧により伸張し、螺旋状ホース12における螺旋と同方向の向きに捩れようとする。しかしながら、編み角を上記のように規定したことで、多層ホース10ではこの捩れを次のようにして抑制できる。
【0020】
補強層20における時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22では、それぞれの樹脂繊維補強糸HSの編み角が静止角(=約54°)より小さいことから、両補強層は、編み角の性質上、多層ホース10が伸張しようとする際、編み角が静止角に近づくような力を多層ホースに及ぼす。これにより、多層ホース10では、流体流通時に受ける内圧による伸張が抑制される。
【0021】
ところで、多層ホース10では、螺旋状ホース12を有する都合上、ホース伸張時に螺旋状ホース12の螺旋と同一方向に捩れようとする。本実施例では、螺旋の方向と逆向きに樹脂繊維補強糸HSを巻回した反時計旋回補強層22のほうが、螺旋と同方向に樹脂繊維補強糸HSを巻回した時計旋回補強層21より、編み角を小さくしたので、その分だけ、反時計旋回補強層22がホースの伸張を戻すよう大きく力を及ぼす。この反時計旋回補強層22が及ぼす力は、樹脂繊維補強糸HSの巻回方向、即ち螺旋状ホース12の螺旋と逆方向であることから、反時計旋回補強層22は、螺旋と逆方向の力を大きく多層ホース10、詳しくは螺旋状ホース12に及ぼすことができる。このため、本実施例の多層ホース10によれば、可撓性を維持しつつホースの捩れ抑制の実効性を高めることができると共に、ホース耐久性を高めることができる。
【0022】
また、本実施例では、時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22における樹脂繊維補強糸HSの編み角の差を約1〜5°の範囲とした。つまり、編み角の差が約1°以上あれば、反時計旋回補強層22が螺旋状ホース12に及ぼす力を時計旋回補強層21に比して確実に大きくできる。編み角の差が約5°以下であれば、時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22が及ぼす力に過大な差を付けないようにできる。
【0023】
上記した構成の多層ホース10を、その一端側で他の機器に接続する際は、次のようになる。図4は多層ホース10とその接続対象となるフランジニップルを示す説明図である。図示するように、フランジニップルとしては、径が拡張した環状の抜止30を有するフランジニップル31と、螺旋状ホース12がその内壁に形成した螺旋状の凹溝に螺合するよう雄ネジ部32を有するフランジニップル33とを適用できる。
【0024】
フランジニップル31にあっては、その先端を多層ホース10に差し込み、多層ホース10を拡張させた上で、図示しないカラー等の留具にて、フランジニップル31を多層ホース10に接続固定する。フランジニップル33では、雄ネジ部32を螺旋状ホース12の螺旋の方向(右方向)に回し込み、この雄ネジ部32を螺旋状ホース12の螺旋状の凹溝に螺合させる。この場合は、カラー等の留具を要しない。勿論、カラーにて固定することもできる。
【0025】
このように多層ホース10をフランジニップル31、33に固定した場合、既述したように多層ホース10ではホース伸張時の捩れが時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22を有する補強層20により抑制されるので、ニップル接続箇所におけるシール性を維持できる。
【0026】
ここで、上記した多層ホース10の製造過程について説明する。図5は多層ホース10の製造手法の一例を示す説明図である。多層ホース10の製造に際しては、図示するようにまず多層ホース10を成型する。その際には、用いる樹脂、例えばPPSを溶融状態で押出機100に供給して、溶融PPSを押出機口金から押し出す。押出機100は、こうした樹脂の押出と並行して、押出樹脂内側には空気をブローしつつ、口金の下流側で図示しない金型を時計方向に旋回させ当該金型によりラセン形状を付与し、螺旋状ホース12を成型する。
【0027】
こうして成型された螺旋状ホース12は、その外周に樹脂を押出する押出機110に至り、この押出機110にて、中間層14を螺旋状ホース12の外周に形成する。この中間層14の外周には、補強糸第1巻回機120と、補強糸第2巻回機130とにより、時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22がこの順で形成される。つまり、補強糸第1巻回機120は、複数の補強糸供給装置121をホース回りに配置して備え、これら補強糸供給装置121を、螺旋状ホース12の螺旋方向と同じ時計方向に旋回させつつ、それぞれの補強糸供給装置121から樹脂繊維補強糸HSを繰り出す。これにより、中間層14の外周には、樹脂繊維補強糸HSが螺旋状ホース12と同じ時計方向で巻回され、時計旋回補強層21が形成される。この場合、樹脂繊維補強糸HSの編み角を上記したものとするため、ホースの送り速度に合わせて補強糸供給装置121の回転速度が調整される。
【0028】
この補強糸第1巻回機120下流の補強糸第2巻回機130では、ホース回りに配置した複数の補強糸供給装置131を、螺旋状ホース12の螺旋方向と逆の反時計方向に旋回させつつ、それぞれの補強糸供給装置131から樹脂繊維補強糸HSを繰り出す。これにより、中間層14の外周に形成済みの時計旋回補強層21に重なるようにして、樹脂繊維補強糸HSが螺旋状ホース12と逆の反時計方向で巻回され、反時計旋回補強層22、引いては補強層20が形成される。この場合であっても、樹脂繊維補強糸HSの編み角を上記したものとするため、ホースの送り速度に合わせて補強糸供給装置131の回転速度が調整される。なお、補強糸第1巻回機120と補強糸第2巻回機130を前後させ、反時計旋回補強層22を先に中間層14の外周に形成するようにすることもできる。
【0029】
こうして補強層20を形成すると、補強糸第2巻回機130の下流の押出機140にて、補強層20を覆うよう最外層16を形成し、これにより多層ホース10が完成する。なお、押出機110、140では、既述したそれぞれの層形成に用いる樹脂の加熱温度・押出速度等が制御されている。
【0030】
以上説明した製造手法を取れば、可撓性を維持しつつホースの捩れ抑制の実効性に優れ、ホース耐久性やシール性も大きく損なわない多層ホース10を、容易に製造することができる。
【0031】
また、補強糸第2巻回機130における補強糸供給装置131の配置数を、補強糸第1巻回機120における補強糸供給装置121の配置数より多くするようにすることもできる。例えば、補強糸第1巻回機120における補強糸供給装置121の配置数を22とし、補強糸第2巻回機130では、これより多い24とすることもできる。こうすれば、螺旋状ホース12の旋回方向と逆方向に樹脂繊維補強糸HSを巻回した反時計旋回補強層22を、樹脂繊維補強糸HSの編み込み数が時計旋回補強層21より多くできる。そして、反時計旋回補強層22は、編み込み数が多いことにより、編み角を調整した場合と同様に、螺旋状ホース12の螺旋と逆方向の力を大きく及ぼすことができる。よって、編み込み数の調整によっても、可撓性を維持しつつホースの捩れ抑制の実効性に優れ、ホース耐久性やシール性も大きく損なわない多層ホース10を、容易に製造することができる。
【0032】
反時計旋回補強層22における樹脂繊維補強糸HSの編み込み数を時計旋回補強層21より多くするに当たっては、その差を約1〜6程度とすればよい。つまり、編み込み数が値1でも多くすれば、反時計旋回補強層22が螺旋状ホース12に及ぼす力を時計旋回補強層21に比して確実に大きくできる。また、編み込み数の差が6以下であれば、時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22が及ぼす力に過大な差を付けないようにできる。
【0033】
なお、反時計旋回補強層22における編み角を時計旋回補強層21より小さくした上で、反時計旋回補強層22の編み込み数を多くすれば、可撓性の維持・ホースの捩れ抑制の実効性がより高まる。
【0034】
本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施可能である。例えば、時計旋回補強層21と反時計旋回補強層22における樹脂繊維補強糸HSを異なる材料の繊維とすることができる。この場合、反時計旋回補強層22に用いる樹脂繊維補強糸HSを、時計旋回補強層21に用いる樹脂繊維補強糸HSに比して、より高強度な樹脂繊維をすることができる。具体的には、反時計旋回補強層22をアラミド繊維の樹脂繊維補強糸HSから形成し、時計旋回補強層21をPET繊維の樹脂繊維補強糸HSから形成する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例の多層ホース10を層ごとに切り欠いてその構成を示す概略斜視図である。
【図2】多層ホース10を最内層の螺旋状ホース12については半断面で他の外層については断面視して表す説明図である。
【図3】補強層20における樹脂繊維補強糸の編み方の様子を示す説明図である。
【図4】多層ホース10とその接続対象となるフランジニップルを示す説明図である。
【図5】多層ホース10の製造手法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
10...多層ホース
12...螺旋状ホース
14...中間層
16...最外層
20...補強層
21...時計旋回補強層
22...反時計旋回補強層
30...抜止
31...フランジニップル
32...雄ネジ部
33...フランジニップル
100...押出機
110...押出機
120...補強糸第1巻回機
121...補強糸供給装置
130...補強糸第2巻回機
131...補強糸供給装置
140...押出機
HS...樹脂繊維補強糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層ホースであって
流体流路を形成するよう樹脂にて螺旋状に成型された最内層ホースと、
該最内層ホースの外周に形成された樹脂製の中間層と、
ホースの外表面を形成する樹脂製の最外層と、
前記中間層と最外層との間に樹脂繊維補強糸にてスパイラル状に巻回形成された補強層とを備え、
該補強層は、
前記最内層ホースにおける螺旋と同方向の巻き方で前記樹脂繊維補強糸がスパイラル状に巻回形成された第1補強層と、前記最内層ホースにおける螺旋と逆方向の巻き方で前記樹脂繊維補強糸がスパイラル状に巻回形成された第2補強層とを重ねて備え、
前記第1補強層と第2補強層は、ホース中心軸に対する前記樹脂繊維補強糸の編み角を54°以下として巻回形成され、
前記第2補強層は、
前記編み角を前記第1補強層における前記編み角より小さくして巻回形成した巻回特性と、前記樹脂繊維補強糸の編み込み数を前記第1補強層における前記樹脂繊維補強糸の編み込み数より多くして巻回形成した巻回特性の少なくとも一方の特性を備える
多層ホース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−90424(P2006−90424A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276517(P2004−276517)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】