説明

多彩な適合性と増強されたコンディショニングを有する低刺激性粘性クレンジング組成物

経済的で、使用時特性に優れ、強化されたコンディショニング効果を提供する低刺激性シャンプー組成物が記載されている。該組成物は、低い眼刺激能を有し、子供による使用に特に適している。該組成物は、特定の比率で少なくとも3個のエチレンオキシド基を有するアルキルエトキシ硫酸塩と、ベタイン界面活性剤と、及びヒドロキシスルタイン界面活性剤とから構成された界面活性剤系と;並びに不揮発性非水溶性シリコーンとを含む。該組成物の低刺激性又はヘアコンディショニング性能を損なわない非必須成分の選択を可能とするインビトロ試験が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、経済的であり、優れた使用時特性を有し、コンディショニング効果が増大した低刺激性シャンプー組成物に関する。本組成物は、眼刺激性が低く、子供が使用するのに特に適している。
【0002】
低刺激性シャンプー又は眼を痛める成分が含まれていないシャンプーは、本分野において周知である。多くは極めて優れた非刺激性及び眼を痛める成分が含まれていないという利点を有しているので、幼児及び極めて若い子供の毛髪をシャンプーするのに非常に適している。しかしながら、眼を痛める成分が含まれていない伝統的な組成物は、あまり泡立ちがよくなく、効果的なヘアコンディショニング及びスタイリング効果を提供しない。
【0003】
年齢の高い子供及びティーンエージャー向けに設計されているにもかかわらず、成人用シャンプーによってもたらされる多量の泡立ちとコンディショニング/もつれ除去効果を与える、穏やかで、眼を痛める成分を含んでいないシャンプーの人気が年齢の高い子供及びティーンエージャーの間で高まっている。これは、長髪及びドライアーによる乾燥の使用が広がっている近年のファッショントレンドに照らすと特に重要となっている。
【0004】
眼を痛める成分を含んでいない従来のシャンプーに見られる第二の問題は、使用時の経済性に関連する。子供及びティーンエージャーは、大人に比べて、より頻繁に髪をシャンプーで洗う傾向がある。さらに、これらの組成物は、あまり泡立ちがよくなく、多くの場合薄いので、妥当な水準の泡立ちを達成するために、過剰に使用される傾向がある。従って、眼を痛める成分を含んでいない従来のシャンプーは、効果的且つ(特に親にとって)経済的であると考えられないため、それらの使用は幼児及び極めて小さな子供に限定される傾向がある。
【0005】
本発明の一つの目的は、優れた使用時特性、特に豊かな多量の泡を有する、低刺激性で、眼を痛める成分を含んでいないシャンプー組成物である。
【0006】
別の目的は、ドライアーで乾燥させた後でさえ、ヘアコンディショニング及びもつれ除去効果を提供する、低刺激性で、眼を痛める成分を含んでいないシャンプー組成物である。
【0007】
さらなる目的は、有効なヘアコンディショニング/もつれ除去効果と優れた使用時特性を兼ね備えているが、子供及びティーンエージャーによる使用にとって経済的であるように濃く且つ効率的である、低刺激性で、眼を痛める成分を含んでいない組成物である。
【0008】
これら及び他の目的は、本発明の記述から明らかとなるであろう。
【0009】
以下の特許及び文献が考察されている。
【0010】
米国特許第6,489,286号は、界面活性剤、2つの陽イオン性コンディショニングポリマー及び揮発性シリコーンを含む組成物を記載する。
【0011】
米国特許第6,495,498号は、水溶性シリコーン、陽イオン性コンディショニング剤及び界面活性剤を含む組成物を記載する。
【0012】
米国Re.34,584号は、界面活性剤と、不溶性不揮発性シリコーンと、懸濁剤と水とを含む組成物を記載している。懸濁剤は、長鎖アシル誘導体又は長鎖アミンオキシドである。
【0013】
上記に引用されている参考文献は何れも、本明細書に開示されている臨界比率での成分の具体的な組み合わせを教示していない。
【発明の開示】
【0014】
本発明は、特定の比率の特定の陰イオン及び両性界面活性剤と、特定のコンディショニング剤と、必要に応じて使用される、適合性陽イオン性ポリマーと、及び極めて効率的な濃縮剤/懸濁剤とを組み合わせることによって、経済的であり、且つ優れた泡立ち、コンディショニング特性を有する、眼を痛める成分を含まない低刺激性シャンプー組成物を提供する。
【0015】
より具体的には、前記低刺激性水性シャンプー組成物は、表記されている量及び比で以下の成分:
i)アルキル基が平均12ないし16個の炭素原子と少なくとも3のエトキシル化度を有するアルキルエトキシ硫酸塩と
ii)約2%から約7%までのベタイン界面活性剤と、
iii)約2%から7%までのヒドロキシスルタイン界面活性剤と、
iv)約0.1%から約5%までの不揮発性、非水溶性シリコーンと、
v)少なくとも約70重量%の水と、
を含み、
前記ヒドロキシスルタイン界面活性剤に対するベタイン界面活性剤の重量比が約0.5から約1.5までの範囲にあり、ベタイン界面活性剤とヒドロキシスルタイン界面活性剤の重量の合計に対するアルキルエトキシ硫酸塩の重量比が約0.5から約1.5までの範囲にある。
【0016】
本明細書に使用されている%又は重量%とは、論述されている組成物又は成分の総重量に比べた、成分の重量パーセントを表す。
【0017】
本発明は、低刺激性で、眼を痛める成分を含まず且つ効率的な界面活性剤系と、不揮発性非水溶性シリココーンとを含み、望ましいと考えられる陽イオン性ポリマー及び効率的な濃縮系を必要に応じて含む、シャンプー及びコンディショニング組成物に関する。これらの成分は、以下で詳細に論述されている。
【0018】
界面活性剤系
界面活性剤系は、3つの不可欠な界面活性剤の組み合わせから構成される。1つは陰イオン性界面活性剤であり、2つは両性界面活性剤である。陰イオン性界面活性剤は、一般式
R−(O−CH−CH−)−O−SO
(Rは、直鎖又は分岐アルキル鎖を有するアルキル基である。)を有するアルキルエトキシ硫酸塩である。アルキル基は、8ないし20個の炭素原子、好ましくは10ないし18個の炭素原子及び最も好ましくは12ないし15個の炭素原子を含有することが可能である。「X」は、界面活性剤分子あたりの平均エチレンオキシド含量を表し、原則的に、約1及び約10の範囲とすることができる。しかしながら、十分な低刺激性(すなわち、低い眼刺激性)を達成するために、このエチレンオキシド含量は、発泡性能を損なわずに、十分な低刺激性を有する組成物を与えるので、Xは、好ましくは少なくとも3とすべきであり、最も好ましくは約3と約3.5の間とすべきである。
【0019】
「M」は、陽イオン、好ましくは一価の陽イオン、最も好ましくは、ナトリウム、アンモニウム又はアルカノールアンモニウムイオンを表す。
【0020】
アルキルエトキシ硫酸塩は、組成物の総重量に対して、約4%から約15%まで、好ましくは5%から約10%まで、最も好ましくは6%から8%までの範囲の量で組成物中に存在することができる。さらに高レベルのエトキシ硫酸塩は、エトキシル化の度合いが増加するにつれて、眼の刺激性を損なうことなく、所定のベタイン/ヒドロキシスルタイン比で収容することができる。
【0021】
界面活性剤系の第二の必須成分は、ベタイン成分及びヒドロキシスルタイン成分などの両性界面活性剤の混合物である。
【0022】
ベタイン成分は、以下の構造:
【0023】
【化1】

【0024】
(R’’は、アルキル又はアルキルアミドアルキル基の何れかである。)
によって定義される。何れのケースでも、アルキル基は、8ないし18個の炭素原子、好ましくは10ないし16個の炭素原子、最も好ましくは10ないし14個の炭素原子を有する分岐又は直鎖アルキル基とすることができる。使用可能なベタインには、オレイルベタイン、カプリルアミドプロピルベタイン、ラウルアミドプロピルベタイン、イソステアリルアミドプロピルベタイン、ココイミドアゾリニウムベタインが含まれる。
【0025】
特に好ましいベタインは、ラウリル又はココベタイン、及びラウリル又はココアミドプロピルベタインである。
【0026】
界面活性剤系の第三の必須成分は、三級アミンのエピクロロヒドリン及び重亜硫酸塩との反応から一般に形成されるヒドロキシスルタイン(ヒドロキシプロピルスルホン酸塩基を有するスルホベタインに対するCFTA名)である。それらの一般構造は、以下のとおりである。
【0027】
【化2】

(R’’は、アルキル又はアルキルアミドアルキル基の何れかである。)
【0028】
何れのケースでも、アルキル基は、8ないし18個の炭素原子、好ましくは10ないし16個の炭素原子、最も好ましくは10ないし14個の炭素原子を有する分岐又は直鎖アルキル基とすることができる。市販のスルタインには、ラウリルヒドロキシスルタイン、獣脂アミドプロピルヒドロキシスルタイン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン及びアルキルエーテルヒドロキシプロピルスルタインが含まれる。特に好ましいヒドロキシスルタインは、ココ及びラウリルプロピルヒドロキシスルタイン及びココアミドプロピルヒドロキシスルタインである。
【0029】
ヒドロキシスルタインに対するベタインの重量比及び総両性(ベタイン+ヒドロキシスルタイン)に対するエトキシ硫酸塩の相対的割合は、広い製剤適合性及び高度の非刺激性を達成するために極めて重要である。ヒドロキシスルタインに対するベタインの重量比は、約0.5から約1.5まで、好ましくは約0.6から約1.0まで、最も好ましくは約0.7から約0.85までの範囲とすべきである。総両性に対するエトキシ硫酸塩の重量比は、約0.5から約1.5まで、好ましくは約0.8から約1.2まで、最も好ましくは約0.9から約1.1までの範囲とすべきである。
【0030】
組成物の低刺激性、特に、その眼刺激能、及びヘアコンディショニング性能を損なわない限り、ある種の非必須界面活性剤を前記組成物中に低レベルで取り込ませることが可能である。これは、方法の部に記載されているインビトロ検査(フルオレセイン漏出アッセイ並びに湿潤及び乾燥梳毛力アッセイ参照)を介して評価することが可能である。低レベル、典型的には3%未満、好ましくは2%未満で使用することが可能である、許容可能な非必須界面活性剤の例は、エトキシル化されたアルキルスルホコハク酸塩、7個より多いエチレンオキシド基を有するアルコールエトキシレート、アルキアムホジアセテート(alkyamphodiacetate)、アルキルアムホジプロピオネート、アルキルイミノジプロピオネート、アルキルサルコシネート(alkyl sacrosinate)、アルキルエトキシカルボキシラート、脂肪酸のエトキシル化されたソルビタンモノエステル、ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体である。
【0031】
しかしながら、ある種の界面活性剤は最小限に抑えるべきである。これらには、アルキル硫酸塩及びアルキル又はアルキルアリールスルホン酸塩、エトキシル化されたアルキルフェノール、脂肪酸のエタノールアミドが含まれる。必要であれば、これらの界面活性剤は、総組成物の2重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、最も好ましくは1重量%未満のレベルで使用すべきである。
【0032】
不揮発性非水溶性シリコーン
本発明のシャンプー組成物は、ヘアコンディショニング効果を与えるのに有効な濃度で、シリコーンヘアコンディショニング剤をさらに含む。このような濃度は、シャンプー組成物の重量に対して、約0.01から約5%まで、好ましくは約0.1%から約5%まで、最も好ましくは約0.2%から約3%までの範囲である。
【0033】
本発明のシリコーンヘアコンディショニング剤は、水及びシャンプー組成物中に不溶性であり、不揮発性である。典型的には、本発明のシリコーンヘアコンディショニング剤は、分散された不溶性粒子の分離した不連続相(液滴とも呼ばれる。)の形態とするために、シャンプー組成物中に混合され得る。これらの液滴は、典型的には、本明細書で以下に記載されている、必要に応じて使用される懸濁剤とともに懸濁される。シリコーンヘアコンディショニング剤相は、(特に、高い屈折率(例えば、約1.46超)のシリコーンコンディショニング剤(例えば、高度にフェニル化されたシリコーン)が使用される場合に)シリコーン流体沈着効率を改善し、又は毛髪の光沢度を増強するために、シリコーン流体などのシリコーン流体ヘアコンディショニング剤を含み、シリコーン樹脂などの他の成分も含むことができる。
【0034】
シャンプー組成物において使用するためのシリコーンヘアコンディショニング剤は、25℃で測定された場合に、好ましくは、約20から約2,000,000センチストークスまで、より好ましくは約1,000から約1,800,000センチストークスまで、さらに好ましくは約50,000から約1,500,000センチストークスまで、最も好ましくは約100,000から約500,000センチストークスまでの粘度を有する。
【0035】
シリコーン流体には、25℃で、1,000,000センチストークス未満、好ましくは約5ないし1,000,000センチストークス、より好ましくは約10ないし約100,000センチストークスの粘度を有する流動可能シリコーン材料であるシリコーン油が含まれる。適切なシリコーン油には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサン共重合体及びこれらの組み合わせが含まれる。ヘアコンディショニング特性を有する他の不溶性不揮発性シリコーン流体も使用することが可能である。
【0036】
粘度は、「Dow Corning Corporate Test Method CTM004 July 20 1970」にさらに記載されている、ガラスキャピラリー粘度計を用いて測定することが可能である。シャンプー組成物中の乳化されたシリコーンの平均シリコーン粒子サイズは、適切には、20ミクロン未満、好ましくは10ミクロン未満である。理想的には0.15から2ミクロンまで、最適には0.2から1ミクロンまでの範囲である。
【0037】
シリコーン油には、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ及びエーテル置換された、ヒドロキシル置換された、及びハロゲン置換された脂肪族基及びアリール基が含まれる置換基を含有するポリアルキル又はポリアリールシロキサンが含まれる。置換基は、陽イオン性アミン及び四級アンモニウム基も含むことができる。
【0038】
シロキサン鎖上で置換された脂肪族基またはアリール基は、生じたシリコーンが室温で流体のままであり、疎水性であり、毛髪に適用した場合に刺激性でなく、有毒でなく、且つその他有害でなく、シャンプー組成物の他の成分と適合性があり、正常な使用及び保存条件下で化学的に安定であり、本明細書のシャンプー組成物中で不溶性であり、並びに毛髪上に沈着し、及び毛髪を整えることが可能である限り、任意の構造を有し得る。
【0039】
好ましいアルキル及びアルケニル置換基は、C−Cアルキル及びアルケニル、より好ましくはC−C、最も好ましくはC−Cである。他のアルキル、アルケニル又はアルキニル含有基(アルコキシ、アルカリル及びアルカミノなど)の脂肪族部分は、直鎖又は分岐鎖とすることが可能であり、好ましくは1から5個までの炭素原子、より好ましくは1から4個までの炭素原子、さらに好ましくは1から3個までの炭素原子、最も好ましくは1から2個までの炭素原子を有することができる。上述のように、置換基は、一級、二級もしくは三級アミン又は四級アンモニウムであり得るアミノ官能基(例えば、アミノ基)も含有することが可能である。これらには、脂肪族部分の鎖長が好ましくは上述のとおりである一、二及び三アルキルアミノ及びアルコキシアミノ基が含まれる。
【0040】
シロキサン鎖上の適切な置換基には、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが含まれる。好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンである。ポリジメチルシロキサンは、特に好ましい。他の適切な基には、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びアリールオキシが含まれる。シリコーンの端部にある3つのR基も、同一又は異別の基を表し得る。
【0041】
使用され得る不揮発性ポリアルキルシロキサン流体には、例えば、ポリジメチルシロキサンが含まれる。これらのシロキサンは、例えば、General Electric CompanyのViscasil R及びSF96シリーズから、及びDow CorningのDow Corning 200シリーズから入手できる。
【0042】
使用され得るポリアルキルアリールシロキサン流体には、例えば、ポリメチルフェニルシロキサンも含まれる。これらのシロキサンは、例えば、General Electric CompanyからSF 1075メチルフェニル流体として、又はDow Corningから556 Cosmetic Grade Fluidとして入手することができる。
【0043】
使用され得るポリエーテルシロキサン共重合体には、例えば、ポリプロピレンオキシドで修飾されたポリジメチルシロキサン(例えば、Dow Corning DC−1248)が含まれるが、エチレンオキシド又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物も使用され得る。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの濃度は、水中及びこの組成物中におけるこの溶解度を抑制するのに十分に低くなければならない。
【0044】
適切なアルキルアミノ置換されたシリコーンには、CTFA表記「アモジメチコン」によって知られるものが含まれる。特に好ましい陽イオン性ポリマーは、「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られている。
【0045】
他のシリコーン流体は、不溶性のシリコーンゴムである。これらのゴムは、25℃で1,000,000センチストークス以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料である。シリコーンゴムは、米国特許第4,152,416号;Noll and Walter, Chemistry and Technology of Silicones, New York: Academic Press 1968;General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets SE 30、SE 33、SE 54及びSE 76に記載されている(参照により、全て本明細書に組み込まれる。)。シリコーンゴムは、典型的には、約200,000、一般的には約200,000ないし約1,000,000を超える分子量を有し、その具体例には、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)共重合体、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)共重合体及びこれらの混合物が含まれる。
【0046】
不揮発性不溶性シリコーン流体コンディショニング剤の別のカテゴリーは、少なくとも約1.46、好ましくは少なくとも約1.48、より好ましくは少なくとも約1.52、最も好ましくは少なくとも約1.55の屈折率を有する高屈折率のシリコーンである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般的には、約1.70未満、典型的には約1.60未満であろう。本明細書において、ポリシロキサン「流体」には、油及びゴムが含まれる。高屈折率ポリシロキサン流体は、屈折率を増加させるために所望のレベルまでアリール含有置換基の十分量を含有し、これは上述されている。
【0047】
アリール含有置換基は、脂環式及び複素環式五員及び六員アリール環並びに縮合された五員又は六員環を含有する置換基を含有する。アリール環自体は、置換し、又は置換しないことが可能である。置換基には、脂肪族置換基が含まれ、アルコキシ置換基、アシル置換基、ケトン、ハロゲン(例えば、Cl及びBr)アミン、なども含むことが可能である。典型的なアリール含有基には、フェニル、並びにC−Cアルキル又はアルケニル置換基を有するフェニル、例えば、アリルフェニル、メチルフェニル及びエチルフェニル、スチレニルなどのビニルフェニル及びフェニルアルキン(例えば、フェニルC−Cアルキン)などのフェニル誘導体などの、置換されたアレン及び置換されていないアレンが含まれる。複素環式アリール基には、フラン、イミダゾール、ピロール、ピリジンなどから誘導される置換基が含まれる。縮合されたアリール環置換基には、例えば、ナフタレン、クマリン及びプリンが含まれる。
【0048】
一般に、高屈折率のポリシロキサン流体は、少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約25%、さらに好ましくは少なくとも約35%、最も好ましくは少なくとも約50%の一定程度のアリール含有置換基を有し得る。本発明を必ずしも限定することを意図するものではないが、典型的には、アリール置換の程度は、約90%未満、より一般的には約85%未満、好ましくは約55%から約80%までであり得る。
【0049】
ポリシロキサン流体も、それらのアリール置換の結果として、相対的に高い表面張力を特徴とする。一般的に、このポリシロキサン流体は、少なくとも約24ダイン/cm、典型的には約27ダイン/cmの表面張力を有し得る。この目的のために、表面張力は、「Dow Corning Corporate Test Method CTM 0461, Nov. 23,1971」に従って、de Nouy環状張力計によって測定される。表面張力の変化は、上記検査方法又はASTM Method D 1331に従って測定することが可能である。
【0050】
好ましい高屈折率のポリシロキサン流体は、フェニル又はフェニル誘導体置換基(好ましくはフェニル)の、アルキル置換基、好ましくはC−Cアルキル(最も好ましくはメチル)、ヒドロキシC−Cアルキルアミノとの組み合わせを有する。高屈折率のポリシロキサンは、Dow Corning Corporation (Midland, Mich., U.S.A.)、Huls America(Piscataway, N. J., U.S.A.)及びGeneral Electric Silicones (Waterford, N.Y., U.S.A.)から入手することができる。
【0051】
シリコーン樹脂又は界面活性剤などの展着剤とともに、展着を増強するのに十分な量によって表面張力を減少し、それにより、組成物で処理された毛髪の光沢を(乾燥後に)増強するために、高屈折率のシリコーンを溶液中で使用することが好ましい。一般に、高屈折率ポリシロキサン流体の表面張力を、少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約15%、さらに好ましくは少なくとも約20%、最も好ましくは少なくとも約25%減少するための展着剤の十分量である。ポリシロキサン流体/展着剤混合物の表面張力の減少は、毛髪の光沢増強を改善することが可能である。
【0052】
シャンプー組成物中で使用するための適切な幾つかのシリコーン流体の例を開示する参考文献には、米国特許第2,826,551号、米国特許第3,964,500号、米国特許第4,364,837号、英国特許第849,433号、及び「Silicon Compounds. Petrarch Systems, Inc. (1984)」が含まれ、これらの文献は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
シリコーン樹脂は、シリコーンコンディショニング剤の中に含めることが可能である。これらの樹脂は、高度に架橋されたポリマー性シロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、単官能基若しくは二官能基又は両方のシランとともに、三官能基及び四官能基のシランを取り込むことを通じて導入される。本分野においてよく理解されているように、シリコーン樹脂をもたらすために必要とされる架橋の程度は、シリコーン樹脂中に取り込まれた特異的なシラン単位に従って変動し得る。一般的に、シリコーン材料が乾燥して強固な又は硬いフィルムとなるような、十分なレベルの三官能基及び四官能基シロキサン単量体単位(従って、十分なレベルの架橋)を有するシリコーン材料が、シリコーン樹脂であると考えられる。ケイ素原子に対する酸素原子の比は、あるシリコーン材料中の架橋のレベルの指標である。ケイ素原子当たり少なくとも約1.1酸素原子を有するシリコーン材料が、一般に、本明細書におけるシリコーン樹脂であり得る。好ましくは、酸素:ケイ素原子の比は、少なくとも約1.2:1.0である。シリコーン樹脂の製造に使用されるシランには、モノメチル−、ジメチル−、トリメチル−、モノフェニル、ジフェニル−、メチルフェニル−、モノビニル−及びメチルビニル−クロロシラン及びテラクロロシランが含まれ、メチル置換されたシランが最も一般的に使用されている。好ましい樹脂は、GE SS4230及びSS4267として、General Electricによって提供されている。市販のシリコーン樹脂は、一般的に、低粘度の揮発性又は不揮発性シリコーン流体中に溶解された形態で供給されるであろう。本発明で使用するためのシリコーン樹脂は、当業者にとって自明であるように、このような溶解された形態で、本発明の組成物中に供給し、取り込ませるべきである。
【0054】
シリコーン流体、ゴム及び樹脂並びにシリコーンの製造について論述している部を含む、シリコーンに関する背景資料は、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Volume 15, Second Edition, pp 204−308, John Wiley & Sons, Inc., 1989」(参照により本明細書に組み込まれる。)に見出すことができる。
【0055】
シリコーン材料及び特にシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に周知の簡易命名システムに従って、便利に同定することが可能である。このシステムの下では、シリコーンは、シリコーンを構成する様々なシロキサン単量体単位の存在に従って記載される。要約すれば、記号Mは、単官能基単位(CHSiOを表し;Dは、二官能基単位(CHSiOを表し;Tは、三官能基単位(CH)SiO1.5を表し;Qは、四又はテトラ官能基単位SiOを表す。単位記号のプライム符号、例えば、M’、D’、T’及びQ’は、メチル以外の置換基を表し、各出現に対して特定的に定義されなければならない。典型的な別の置換基には、ビニル、フェニル、アミン、ヒドロキシルなどの基が含まれる。シリコーン中に存在する各種類の単位の総数(又はその平均)を表す記号に対する上付き文字に関して、又は分子量と組み合わせて具体的に記されている比のような、様々な単位のモル比は、MDTQシステム下でのシリコーン材料の記述を完結する。
【0056】
シリコーン樹脂中のD、D’、M及び/又はM’に対するT、Q、T’及び/又はQ’の相対モル量が高いほど、架橋のレベルが高いことを示す。しかしながら、前述のように、架橋の総合的なレベルは、ケイ素に対する酸素の比によって表すことも可能である。
本発明で使用するための好ましいシリコーン樹脂は、MQ、MT、MTQ、MDT及びMDTD樹脂である。このように、好ましいシリコーン置換基はメチルである。特に好ましいのは、M:Q比が約0.5:1.0から約1.5:1.0までであり、樹脂の平均分子量が約1000から約10,000までであるMQ樹脂である。
【0057】
使用される場合、シリコーン樹脂成分に対する、1.46未満の屈折率を有する不揮発性シリコーン流体の重量比は、好ましくは約4:1から約400:1までであり、特に、シリコーン流体成分が、上述のような、ポリジメチル−シロキサン流体又はポリジメチルシロキサン流体とポリジメチルシロキサンゴムの混合物である場合には、好ましくは、この比率は約9:1から約200:1まで、より好ましくは約19:1から約100:1までである。シリコーン樹脂が、本発明の組成物中でシリコーン流体(すなわち、コンディショニング活性成分)と同じ相の一部を形成する限り、流体と樹脂の合計は、組成物中のシリコーンコンディショニング剤のレベルを決定する際に含まれるべきである。
【0058】
シリコーン成分は、正常なエマルジョンサイズの範囲にある液滴からなることが可能であり、又は約0.1ミクロン未満の液滴からなるマイクロエマルジョンを含むことが可能である。マイクロエマルジョン化されたシリコーンは、透明なシャンプー組成物で使用するのに特に適している。さらなるシリコーン成分は、所定の平均シリコーン粒子サイズの不溶性シリコーンの乳化された粒子と、所定の平均シリコーン粒子サイズの不溶性シリコーンのマイクロエマルジョン化された粒子との混合物からなることが可能である。
【0059】
シリコーンはシャンプー組成物の水性マトリックス中に不溶性であるので、それぞれ、乳化された形態及び/又はマイクロエマルジョン化された形態で存在し、シリコーンは分散された粒子として存在する。粒子サイズは、Malvern Instrumentsから得られる2600D Particle Sizerを用いて、レーザー光散乱技術によって測定し得る。この技術を用いた平均粒子サイズの指標は、“D5011値である。
【0060】
ポリジオルガノシロキサン及びアミノ官能基シリコーンに加えて、ポリジオルガノシロキサンはヒドロキシル末端基を有することができ、これはジメチコノールというCTFA表記を有する。
【0061】
混合物の場合には、不溶性シリコーンの乳化された粒子は、不溶性シリコーンのマイクロエマルジョン化された粒子と同じ種類のシリコーンとすることができ、又は異なるものとすることができる。本発明において使用するのに適切なシリコーンエマルジョン及びマイクロエマルジョンは、予め乳化された形態で市販されている。このような予め形成されたエマルジョンは、ついで、単に混合することによってシャンプー組成物中に取り込ませることができ、これは加工の容易さにとって特に有利である。予め形成されたエマルジョンは、Dow Corning、General Electric、Union Carbide、Wacker Chemie、ShinEtsu、Toshiba、Toyo Beauty Co及びToray Silicone Co.などのシリコーン油の供給業者から入手することが可能である。
【0062】
水性エマルジョンは、このような予め形成されたエマルジョンにとって好ましい形態である。このようなエマルジョンでは、シリコーンエマルジョンを安定化するために、エマルジョンは、少なくとも一つの乳化剤をさらに含むのが通常である。適切な乳化剤は本分野において周知であり、陰イオン性及び非イオン性界面活性剤が含まれる。シリコーン粒子に対する乳化剤として使用される陰イオン界面活性剤の例は、アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩ナトリウム、アルキル硫酸塩、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸塩、例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムnEO(nは、1から20までである。)、アルキルフェノールエーテル硫酸塩、例えば、オクチルフェノールエーテル硫酸塩nEO(nは、1から20までである。)、及びスルホコハク酸塩、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウムである。
【0063】
シリコーン粒子に対する乳化剤として使用される非イオン性界面活性剤の例は、アルキルフェノールエトキシレート、例えば、ノニルフェノールエトキシレートnEO(nは、1から50までである。)、アルコールエトキシレート、例えば、ラウリルアルコールnEO(nは1から50までである。)、エステルエトキシレート、例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の数は、1から30までである。)である。
【0064】
適切な予め形成されたエマルジョンの例には、エマルジョンDC2−1766、DC2−1784及びDC2−1310が含まれ、全てDow Corningから入手することができる。これらは、全てジメチコノールのエマルジョンである。DC2−1766及びDC2−1784は、それぞれ、エマルジョン中で2ミクロン未満の平均シリコーン粒子サイズを有する。DC2−1310は、エマルジョン中で約8ミクロンの平均シリコーン粒子サイズを有する。架橋されたシリコーンゴムは、予め乳化された形態で利用することも可能である。好ましい例は、Dow CorningからDC X2−1787として入手可能な材料であり、これは、エマルジョン中で約0.5ミクロンの平均シリコーン粒子サイズを有する架橋されたジメチコノールゴムのエマルジョンである。シャンプー組成物中のマイクロエマルジョン化されたシリコーンの平均シリコーン粒子サイズは、適切には、0.075ミクロン未満である。理想的には、0.01から0.075ミクロンまで、最適には0.02から0.05ミクロンまでの範囲である。
【0065】
適切な予め形成されたマイクロエマルジョンの例には、マイクロエマルジョンDC2−1865及びDC2−1870が含まれ、Dow Corningから入手することができる。これらは、ジメチコノールのマイクロエマルジョンである。DC2−1865及びDC2−1870は、それぞれ、マイクロエマルジョン中で0.075ミクロン未満の平均シリコーン粒子サイズを有する。架橋されたシリコーンゴムも、予めマイクロエマルジョン化された形態で利用することが可能であり、これは、処方の簡易にとって有利である。好ましい例は、Dow CorningからDC X2−1391として入手可能な材料であり、これは、マイクロエマルジョン中で約0.045ミクロンの平均シリコーン粒子サイズを有する架橋されたジメチコノールゴムのマイクロエマルジョンである。
【0066】
WO 9953889号では、界面活性剤をベースとしたシャンプー組成物中のシリコーンのコンディショニング性能は、シャンプー組成部中で、乳化されたシリコーン及びマイクロエマルジョン化されたシリコーンの組み合わせを使用することによって著しく強化できることが報告されている。シリコーンのマイクロエマルジョン化された粒子に対するシリコーンの乳化された粒子の重量比は、適切には、4:1から1:4までの範囲である。好ましくは、シリコーンのマイクロエマルジョン化された粒子に対するシリコーンの乳化された粒子の比は、3:1から1:3、より好ましくは2:1から1:1までの範囲である。
【0067】
必要に応じて使用される成分
陽イオン性ポリマー:陽イオン性ポリマーは、不揮発性、非水溶性シリコーンの強化された沈着を与えるため、及びコンディショニング効果そのものを与えるために必要に応じて使用される。陽イオン性コンディショニングポリマーは、四級アンモニウムなどの陽イオン含窒素部分又は陽イオン性プロトン化アミノ部分を含有する。陽イオン性プロトン化アミンは、特定の種及びシャンプー組成物の選択されたpHに応じて、一級、二級又は三級アミン(好ましくは、二級又は三級)とすることができる。陽イオンコンディショニングポリマーの平均分子量は、約1000万ないし約5,000、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000であるが、好ましくは約2,000,000万以下、好ましくは約150万以下である。ポリマーは、シャンプー組成物の所期の用途のpHにおいて(このpHは、一般的に、約pH3から約pH9まで、好ましくは約pH5ないし約pH8を変動し得る。)、約0.2meq/グラムから約7meq/グラム、好ましくは少なくとも約0.4meq/グラム、より好ましくは少なくとも約0.6meq/グラムの範囲の陽イオン電化密度も有するが、好ましくは約5meq/グラム、より好ましくは約2meq/グラム未満の陽イオン電化密度を有する。
【0068】
ポリマーが水、シャンプー組成物又はシャンプー組成物のコアセルベート相の中で溶解性を保つ限り、並びに対イオンがシャンプー組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性を有する限り、又はその他、製品の性能、安定性若しくは美しさを過度に損なわない限り、任意の陰イオン性対イオンを陽イオン性コンディショニングポリマーとともに使用することができる。
【0069】
このような対イオンの非限定的な例には、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、硫酸塩及びメチル硫酸塩が含まれる。
【0070】
陽イオンポリマーの陽イオン性含窒素部分は、一般に、その単量体単位の全部の、又はより典型的には一部の上の置換基として存在する。このように、シャンプー組成物中で使用するための陽イオン性ポリマーには、本明細書でスペーサー単量体と称される非陽イオン単量体と必要に応じて組み合わされる、四級アンモニウム又は陽イオンアミンで置換された単量体単位の単独重合体、共重合体、三元重合体などが含まれる。このようなポリマーの非限定的な例は、「CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary, 3rd edition, edited by Estrin, Crosley, and Haynes, (The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc. , Washington, D. C.(1982)」(この記述は、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されている。
【0071】
シャンプー組成物中での使用に特に適した陽イオン性ポリマーには、陽イオンセルロース誘導体及び陽イオンデンプン誘導体などの多糖ポリマーが含まれる。適切な陽イオン多糖ポリマーには、式
【0072】
【化3】

(Aは、デンプン又はセルロースアンヒドログルコース残留基などのアンヒドログルコース残留基であり;Rは、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり、R1、R2及びR3は、独立に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル又はアルコキシアリール基であり、各基は最大約18個の炭素原子を含有し、及び各陽イオン部分に対する炭素原子の総数(すなわち、R1、R2及びR3中の炭素原子の合計)は、好ましくは約20以下であり;Xは、本明細書に前述されているような陰イオン性対イオンである。)に合致する陽イオン多糖ポリマーが含まれる。
【0073】
特に好ましい陽イオン性コンディショニングポリマーは、当業界(CTFA)でPolyquaternium 10と称される、トリメチルアンモニウム置換されたエポキシドと反応されたヒドロキシエチルセルロースの塩として、Polymer JR及びLRシリーズのポリマーにおいてAmerchol Corp.(Edison, N.J.,)から入手できるポリマーのような陽イオンセルロースポリマーである。陽イオンセルロースの別の種類には、当業界(CIFA)でPolyquaternium 24と称される、ラウリルジメチルアンモニウム置換されたオポキシドと反応されたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が含まれる。これらの材料は、Polymer LM−200の商標名でAmerchol Corp.(Edison, N.J.,)から入手できる。組成物中の陽イオン性セルロースのレベルは、約0.01から約2%まで、好ましくは約0.1から約0.6%まで、最も好ましくは約0.15から約0.45%までの範囲とすることができる。
【0074】
陽イオン性セルロースポリマーは好ましいが、安定性を妨害しなければ、必要に応じて使用される添加物として、好ましい別の種類の陽イオン性ポリマーを低いレベルで取り込ませることができる。このような必要に応じて使用される陽イオン性ポリマーの例には、修飾された天然ポリマー又は合成ポリマーが何れも含まれる。これらの必要に応じて使用されるポリマーのレベルは、好ましくは、製剤中に存在する陽イオン性セルロースの重量に対して約10%ないし約25%の範囲で取り込まれるべきである。
【0075】
必要に応じて使用される適切な被修飾天然ポリマーには、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどの陽イオン性グアーガム誘導体が含まれ、その具体例には、Celanese Corporationから市販されているJaguarシリーズが含まれる。他の適切な陽イオン性ポリマーには、四級含窒素セルロースエーテルが含まれ、その幾つかの例は米国特許第3,962,418号(この記述は、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されている。他の適切な陽イオン性ポリマーには、エーテル化されたセルロース、グアー及びデンプンの共重合体が含まれ、その幾つかの例は米国特許第3,958,581号(この記述は、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されている。
【0076】
必要に応じて使用される適切な合成陽イオン性ポリマーの非限定例には、プロトン化された陽イオン性アミン又は四級アンモニウム官能性を有するビニル単量体の、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アリル、ビニルカプロラクトン又はビニルピロリドンなどの水溶性スペーサー単量体との共重合体が含まれる。アルキル及びジアルキル置換された単量体は、好ましくは、CからCまでのアルキル基、より好ましくはCからCまでのアルキル基を有する。他の適切なスペーサー単量体には、ビニルエステル、ビニルアルコール(酢酸ポリビニルの加水分解によって作製される。)、無水マレイン酸、プロピレングリコール及びエチレングリコールが含まれる。
【0077】
他の適切な必要に応じて使用される合成ポリマーには、プロトン化されたアミノ及び四級アンモニウム単量体が含まれ、本明細書のシャンプー組成物の陽イオン性ポリマー中に含める場合、アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、メタクリル酸ジアルキルアミノアルキル、アクリル酸モノアライル(alayl)アミノアルキル、メタクリル酸モノアルキルアミノアルキル、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリロイアリル(acryloyalyl)アンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、並びにピリジニウム、イミダゾリルム及び四級化されたピロリドンなどの環状陽イオン含窒素環を有するビニル四級アンモニウム単量体(例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩)が含まれる。これらの単量体のアルキル部分は、好ましくは、C、C又はCアルキルなどの低級アルキルである。
【0078】
本発明において使用するための、他の適切な必要に応じて使用される合成ポリマーには、アミン置換されたビニル単量体が含まれ、アルキル基が好ましくはC−Cヒドロカルビル、より好ましくはC−Cアルキルである、アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、メタクリル酸ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド及びジアルキルアミノアルキルメタクリルアミドが含まれる。
【0079】
シャンプー組成物において使用するための他の適切な必要に応じて使用される合成ポリマーには、LUVIQUATの商標名(例えば、LUVIQUAT FC 370)で、BASF Wyandotte Corp.(Parsipany, N.J.,U.S.A.)から市販されているものなどの1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)の共重合体(トイレ化粧品・香料工業協会「CTFA」によって、当業界ではPolyquaternium−16と称されている。);GAFQUATの商標名(例えば、GAFQUAT 755N)でISP Corporation (Wayne, N. J., U.S.A.)から市販されているものなどの、1−ビニル−2−ピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルとの共重合体(CTFAによって、当業界ではCTFAによってPolyquaternium−11と称されている。);例えば、それぞれ、当業界(CTFA)ではPolyquaternium 6及びPolyquaternium 7と称されている、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド単独重合体及びアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとの共重合体などの、陽イオンジアリル四級アンモニウム含有ポリマー;並びに、米国特許第4,009,256号(この記述は、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されているように、3から5個までの炭素原子を有する不飽和カルボン酸の単独重合体及び共重合体のアミノアルキルエステルの無機酸塩が含まれる。
【0080】
濃縮剤及び懸濁剤:
本発明の組成物は、不溶性材料を安定化するために、好ましくは、濃縮/懸濁剤をさらに含む。様々な材料を使用することが可能である。これらには、膨潤性及び会合性ポリマー、ネットワークを形成する細かく砕かれた結晶又は非晶質無機及び有機材料、電解質並びにこれらの組み合わせが含まれる。
【0081】
有機ポリマーには、米国特許第2,798,053号(この記述は、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されているように、ポリアリルスクロースで架橋されたアクリル酸の共重合体などのカルボキシビニルポリマーが含まれる。これらのポリマーの例には、B. F. Goodrich Companyから入手できるCarbopol 934、940、941及び956、並びにARYSOL又はACULYNの商標名でRohm and Haasによって売られているアルカリ膨張可能アクリルラテックスポリマーが含まれる。
【0082】
他の適切な懸濁剤には、シャンプー組成物の重量に対して、約0.3%から約3%まで、好ましくは約0.4%から約1.2%までの範囲を変動する濃度のキサンタンガムが含まれる。シリコーン含有シャンプー組成物中の懸濁剤としてのキサンタンガムの使用は、例えば、米国特許第4,788,006号(この記述は、参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されている。長鎖アシル誘導体とキサンタンガムの組み合わせも、シャンプー組成物中の懸濁剤として使用され得る。このような組み合わせは、米国特許第4,704,272号(この記載は、参照によって本明細書に組み込まれる。)に記載されている。
【0083】
セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロピルセルロース(hydropylcellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース)のような水溶性ポリマー又はコロイドとして水溶性のポリマー、グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルグアーガム、デンプン及びデンプン誘導体、並びに他の濃縮剤、粘度修飾剤、ゲル化剤など、組成物にゲルのような粘度を付与することができるものなど、他の適切なポリマー性懸濁剤がシャンプー組成物中で使用され得る。これらの材料の混合物も使用することが可能である。
【0084】
必要に応じて使用される結晶性有機懸濁剤には、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド又はこれらの組み合わせが含まれ、その濃度は、シャンプー組成物の重量に対して、約0.1%から約5.0%まで、好ましくは約0.5%から約3.0%までの範囲にわたる。シャンプー組成物中で使用される場合、これらの懸濁剤は結晶形態で存在する。これらの懸濁剤は、米国特許第4,741,855号(この記述は、参照によって本明細書に組み込まれる。)に記載されている。これらの懸濁剤には、好ましくは約16から約22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルが含まれる。例には、ステアリン酸エチレングリコール(モノステアリン酸エステルおよびジステアリン酸エステルの両方であるが、特に、約7%未満のモノステアリン酸エステルを含有するジステアリン酸エステル)が含まれる。他の適切な懸濁剤には、好ましくは約16から約22個までの炭素原子、より好ましくは約16から18個までの炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドが含まれ、その好ましい例には、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド及びステアリン酸モノエタノールアミドステアレートが含まれる。他の長鎖アシル誘導体には、長鎖脂肪酸(例えば、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸セチルなど);長鎖アルカノールアミドのグリセリルエステル(例えば、二ステアリン酸グリセリル)及び長鎖エステル(例えば、ジステアリン酸ステアラミドジエタノールアミド、ステアリン酸ステアラミドモノエタノールアミド)が含まれる。上記の好ましい材料に加えて、長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド及び長鎖カルボン酸のアルカノールアミドを懸濁剤として使用することができる。例えば、C−C22鎖を有する長鎖ヒドロカルビルを有する懸濁剤が使用され得ると想定される。
【0085】
懸濁剤として使用するための適切な長鎖アミンオキシドの例には、アルキル(C16−C22)ジメチルアミンオキシド、例えば、ステアリルジメチルアミンオキシドが含まれる。
【0086】
別の有用な結晶性懸濁剤は、THIXCIN Rの商標名で売られているトリヒドロキシステアリンである。
【0087】
ネットワークを形成する無機材料には、粘土及びシリカが含まれるが、これらに限定されない。粘土の例には、ベントナイト及びヘクトライト並びにこれらの混合物からなる群から選択されるスメクタイト粘土が含まれる。合成ヘクトライト(ラポナイト)粘土は、しばしば、粘度の濃縮を引き起こすことができる電解質塩(ハロゲン化物などのアルカリ及びアルカリ土類塩、アンモニウム塩並びに硫酸塩)とともに使用される。ベントナイトは、コロイド状のアルミニウム粘土硫酸塩である。シリカの例には、非晶質のシリカが含まれ、並びにヒュームドシリカ及び沈降シリカ及びこれらの混合物が含まれる。
【0088】
会合性ポリマーは、単独で又は界面活性剤ミセルの関与とともに不安定な架橋を形成することができる疎水性基を取り込むポリマーである。会合性ポリマーの例は、PEMULENの商標名でNoveonによって売られている、疎水性に修飾され、架橋されたポリアクリル酸塩である。他の例は、疎水性に修飾されたセルロースエーテル及び疎水性に修飾されたポリウレタンである。
【0089】
本発明における濃縮及び懸濁剤の特に好ましいクラスは、疎水性に修飾された水溶性非イオン性ポリオールである。本発明において使用するための適切な、疎水性に修飾された水溶性非イオン性ポリオールは、ジオレイン酸PEG120メチルグリコシド(商標名GLUCAMATE DOE 120でAmercolから入手可能)、テトラステアリン酸PEG−150ペンタエリスリチル(商標名CROTHIXでCrodaから入手可能)、ジオレイン酸PEG−75(PEG−4000 DIOLEATEの商標名でKesscoから入手可能)及びジステアリン酸PEG−150(WITCONAL L32の商標名でWitcoから入手可能)である。
【0090】
ポリエチレングリコールの長鎖脂肪酸エステル、例えば、ジステアリン酸PEG−150は、本発明において特に好ましい濃縮剤及び懸濁剤である。PEG脂肪酸エステルは単独で使用可能であるが、ある種の電解質と組み合わせると、これらの有効性及び効率性が大幅に改善できることが見出された。界面活性剤の総濃度が低い、例えば約15重量%未満の組成物中への低レベルの包含で十分な濃縮を可能とする相乗的濃縮系を与えるので、ジステアリン酸PEG−150と組み合わせて使用するのに特に好ましい電解質はクエン酸ナトリウム及び塩化ナトリウムである。これは、優れたコンディショニング特性を付与し、且つ経済的である、眼を痛める成分を含まない低刺激性製剤を達成する上で重要である。
【0091】
上記濃縮剤及び構造化剤は、単独で又は混合して使用することが可能であり、組成物の約0.1重量%から約10重量%までの量で存在し得る。ジステアリン酸PEG−150/電解質混合物が濃縮系として使用される場合には、有機濃縮剤のレベルは、約0.1ないし約0.5重量%、好ましくは0.2重量%ないし0.4重量%のレベルまで大幅に低下させることが可能である。
【0092】
美的及び補助的成分:組成物によって提供される低刺激性とヘアコンディショニング効果を妨害しなければ、必要に応じて使用される様々な成分を製剤中に取り込ませることが可能である。これらは、香料、高級脂肪アルコール、脂肪酸、固形エステルなどの真珠色化剤及び乳白剤、TiOで被覆された雲母などの真珠層「妨害色素」、色素及び着色剤、メタノールなどの知覚剤(sensate)、抗酸化剤及びキレート剤を含む防腐剤、エマルジョン安定化剤、補助濃縮剤、並びにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0093】
さらなる毛髪及び皮膚有益剤:毛髪及び頭皮の健康を促進するために、必要に応じて使用される様々な成分を本発明の組成物中に取り込ませることが可能である。しかしながら、これらの成分は、目を傷める成分を含まない本組成物の低刺激性と合致するように選択すべきである。有益剤となり得るものには、コレステロールなどの脂質、セラミド及び擬似セラミド、合成炭化水素エステルなどのさらなる非シリコーンヘアコンディショニング剤、グリセロールなどの保湿剤、亜鉛ピリジンチオンなどの抗微生物剤、日焼け止め剤並びにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0094】
評価方法
フルオレセイン漏出インビトロアッセイ
フルオレセイン漏出アッセイと称されるインビトロモデルは、眼刺激能を評価するために使用され、シャンプーなどの製品の眼低刺激性を識別し、又は順位付けするのに理想的である。本分野において公知であるアッセイは、眼の角膜中に見出される密着結合を模倣する単層細胞培養を含む。以下に記載されている本試験では、ある組成物によって引き起こされる、細胞培養を通じたフルオレセインナトリウムの漏出が高くなるほど、眼刺激がその組成物によって引き起こされる可能性が高くなる。
【0095】
フルオレセイン漏出アッセイは、Madin−Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞からなる細胞培養系を使用する。これらの細胞が増殖するにつれて、細胞は、ヒト角膜組織の最も外側にある上皮中に見出される密着結合に類似する密着結合を形成する。周密状態になるまで、細胞培養挿入物上で細胞を増殖し、7日間、栄養培地を与える。次いで、一定の期間、検査物質を、そのまま又は様々な希釈度で適用することができる。検査物質を濯いで除去し、0.01%のフルオレセインナトリウムを30分間適用した。細胞の密着部分を通じて浸透するフルオレセインナトリウムの量を集めて、測定し、%透過率又は漏出(損傷の量)として計算する。
【0096】
さらに、この細胞を最大5日間維持し続け、細胞の回復度を測定するために、フルオレセインを毎日再度適用することも可能である。
【0097】
本発明の組成物を評価するために、及びそれらの刺激能を比較基準と比較するために、フルオレセイン漏出インビトロアッセイを使用した。このアッセイでは、シャンプーは、典型的には、水中に5%希釈して、三つ組みで検査され、MDCK単層に30秒間局所的に適用される。処置の効果は、最初の曝露及び24時間の回復期間後における、単層を通過したフルオレセインナトリウムの%透過率として評価される。結果は、細胞層を通じたフルオレセイン漏出の%透過性として表される。
【0098】
本発明の組成物は、好ましくは約10%未満、より好ましくは約8%未の、細胞層を通じたフルオレセイン漏出の%透過率を有するべきである。本レベルのフルオレセイン漏出を有する組成物は、最少ないしは軽微な眼刺激能を有すると分類される。
【0099】
Zein溶解度インビトロアッセイ
Zein溶解度は、低刺激性の単純な方向性指標を提供し、界面活性剤原料及びシャンプーの両者の低刺激性を検査するために本分野で広く使用されている。Zeinは、皮膚のケラチンタンパク質と同様に、界面活性剤に応答して膨張し、変性するタンパク質(トウモロコシに由来するアミノ酸の混合物)である。この手順は、標準化された検査条件下で、ある界面活性剤組成物によって可溶化されるZeinが多いほど、組成物の刺激性が大きくなるということを基礎として開発された。合理的な相関が実証されているが、Zein溶解度は、臨床的な研究、又はより生物学的な基礎を有するフルオレセイン漏出インビトロアッセイの代替とすることを目的としていない。従って、Zein溶解度の本質的な用途は、初期スクリーニングであり、このスクリーニングにおいて、Zein溶解度は最終的な刺激能の優れた予測因子を提供する。以下で使用及び記載されている検査条件下で、1%未満のZein溶解度は、低刺激な可能性がある組成物の優れた指標であるのに対して、1%を超えるZein溶解度は組成物が眼に刺激を与え得ることの優れた指標である。
【0100】
装置
分析用の秤、100mLのビーカー、撹拌棒、媒体撹拌プレート、10mLの注射器、20mLのシンチレーション容器、75℃に設定された標準的なオーブン。
【0101】
手順
1. 6.25gの重さのシャンプーを100mLビーカー中へ秤量し、DI水で50gまで希釈する。
2. 溶液が均一に見えるか、又は試料全体が溶解されるまで、スタープレート上で、300rpmで(撹拌プレートのダイアルを4に設定)溶液を混合する。
3. 溶液のpHを記録する
4. 注射器を用いて6mLの溶液を取り出す。
5. 0.45ミクロンのシリンジフィルターを通して、シンチレーション容器上に溶液をろ過する。
6. 容器の蓋をして、ブランクというラベルを付ける。何らかの可溶性材料について補正するためにブランクが必要とされる。
7. 残りの溶液に2gのZeinを添加し、一定の撹拌速度(300rpm)で1時間平衡化する。10分の撹拌後、全部又は大部分のZeinが溶解すれば、1gのZeinをさらに追加する。溶液中に溶解していないZeinが浮遊するまで、5ないし10分ごとに、1gずつ増加しながらさらにZeinを添加し続ける。
8. 1時間の一定した撹拌後に、溶液を5分間静置する。
9. シリンジを用いて6mLの上清溶液を取り出し、0.45ミクロンのシリンジフィルターを通して、これをシンチレーション容器上にろ過する。
10. 容器の蓋をして、試料というラベルを付ける。
11. 75℃に設定された標準のオーブンを用いて、両試料に対して不揮発性物質を行う。試料を一晩乾燥させる。
12. Zeinが溶解されたパーセントを計算する。
【0102】
計算
可溶化された%Zein=試料の%不揮発性物質−ブランクの%不揮発性物質
湿潤及び乾燥梳毛力インビトロアッセイ
Garcia及びDiasの論文(Combability measurements on human hair, J Soc. Cosmet. Chem., Vol 27 379−398(1976))に示されているように(参照により本明細書に組み込まれる。)、梳毛の容易さは、毛髪が櫛を通る際に生じる摩擦力をモニタリングすることによって装置で測定することが可能である。これらの梳毛力は、毛髪束に沿って進行した距離の関数として測定される。次いで、性能を評価するために、最大梳毛力、平均梳毛力及び/又は梳毛エネルギーなどのパラメータを使用することができる。製品の差異は、湿潤梳毛実験中の方が検出しやすい。以下に列記されている手順は、具体的には、湿潤梳毛実験に関し、乾燥梳毛のために使用された方法の修飾を、さらに後の部で概説している。
【0103】
装置
引張検査装置(好ましくは、500gの加重セルを搭載したInstron、あるいは、Diastron Mini−Tensile Tester)、標準的な2グラムの毛髪束、硬いゴムの櫛及び「Intellifaucet」。
【0104】
手順
毛髪束の調製:まず、毛髪束を徹底的に洗浄する。各製品の評価では、8つの標準的な2gの毛髪束を使用する。梳毛実験の感度は、痛んだ毛髪束を使用することによって、著しく向上させることが可能である。シャンプー組成物から得られるコンディショニング効果の評価では、漂白された毛髪束を使用することができる。
【0105】
試料の塗布:0.2mLの製品を2gの毛髪束に塗布する。製品を毛髪と1分間接触させた状態に保つ。この時間が終了したら、40℃及び2L/分の流速で標準的な水道水を用いて毛髪束を30秒間濯ぐ。
【0106】
装置の条件:毛髪内の全ての大きなもつれ/ほつれを除去するために、処置された毛髪束を予め手で梳いた。次いで、この毛髪束を装置の中に載せ、40インチ/分の速度で梳いた。毛髪束当たり7つの梳毛曲線を測定する。もつれの除去からの相当な寄与をなお含んでいるので、最初の梳毛動作は、しばしば、他の梳毛動作より著しく高い。このため、最初の梳毛曲線は破棄する。もつれ、ほつれなどの結果、異常に高い急上昇を含む他の全ての梳毛曲線も除かれる。
【0107】
計算:次いで、これらの梳毛曲線から、最大梳毛力、平均梳毛力及び/又は梳毛エネルギーなどのパラメータを抽出することが可能である。最大梳毛力とは、実験中に記録された最高の負荷であり、平均エネルギーとは、2つの所定の点の平均値であるのに対して、梳毛エネルギーとは、曲線下のエネルギーである。Instron 5500を使用する場合には、計算されたパラメータの実験条件及び取得は、予め設定された「COMBING2」方法を使用することによって、自動的に得ることができる。
【0108】
データの統計解析:データは、95%の信頼限界で、Tukey HSD検定によって解析される。
【0109】
乾燥梳毛のための手順の修飾:乾燥梳毛の場合、処置された毛髪は風乾させ、60%の相対湿度で一晩馴化する。実験中の湿度も60%に調節されることを除き、乾燥梳毛実験は、上で概説したのと同じ様式で行われる。
【0110】
シリコーン保持インビトロアッセイ
ジメチコン及び幾つかのアミノ官能性シリコーンなどのシリコーンポリマーは、有機溶媒を用いて、ヘアケア製剤で処理された毛髪束から抽出することが可能である。架橋されたシリコーン樹脂又は反応性シリコーン樹脂で処理された毛髪束は、シリコーンの抽出を可能とする前に、無水アミンによるアミノ分解などの化学的処理を必要とする場合があり得る。ヘキサンは、多くのシリコーンポリマーに対して、優れた毛髪からの抽出剤である。しかしながら、質量分析によるイオン性界面活性剤の測定など数多くの分析のための試料の調製として、毛髪束の一回だけの抽出が使用されるべき場合には、クロロホルムが溶媒として選択される。
【0111】
抽出を助けるために超音波槽を用いて、秤量した毛髪を有機溶媒で2回抽出する。抽出物を合わせ、濃縮し、ケイ素の割合が公知であるジメチコンを含有する溶液を用いて標準化された誘導結合プラズマ(ICP)分光光度計を用いてケイ素を分析する。
【0112】
装置:誘導結合プラズマ原子発光分光光度計(ICP−AES)、広口瓶、8オンス;鋏;はかり−分析用、精度±0.01g;超音波槽;メスシリンダー−50mL、ピペット−クラスA、TD、10mL。
【0113】
試薬:ヘキサン−分光光度測定等級、クロロホルム−分光光度測定等級、ジメチコン−37.9重量%のケイ素を含有するシロキサンポリマー。
【0114】
手順
毛髪束の抽出:
同じ試験シャンプー組成物で処理された2つの2gの毛髪束を、約1.5インチ長の小片に切断した。複合試料を作成するために、これらの切断試料を混合し、各1.0ないし1.25gを8オンス瓶の中に秤量する。50mLの有機溶媒を各瓶に添加し、毛髪を湿らせるために回転させる。次いで、この瓶にしっかり蓋をして、30分間、超音波槽中に置く。次いで、この溶媒を透明な瓶の中に静かに注ぎ、溶媒をフード中で蒸発させる。第二の二重抽出を実行するために、元の瓶の中にある毛髪に50mLの有機溶媒を添加し、蓋をし、再度、30分間、超音波槽中に置く。
【0115】
この第二の試料を、第一の抽出物から得た残留物を含有する瓶の中に静かに注ぎ、再度、フード中で蒸発させる。
【0116】
試料及び標準の調製:瓶の表面から全ての残留物を除去するのを補助するために音波処理を使用して、合わせた抽出物から得られる残留物を10mLのクロロホルム中に溶かす。ケイ素の濃度が試料中に予測される濃度より若干高いレベルになるように、クロロホルム中にジメチコンを溶解させることによって、較正標準溶液を調製する。
【0117】
分光光度法による測定:有機溶媒中の試料を分析するために使用されるICPトーチ中に、1.0mmの中心筒を設置し、251.6nm線をケイ素の分析のために選択する。クロロホルムブランク、次いでジメチコン標準を順次吸引することによって、装置を標準化する。次いで、試料を吸引し、ケイ素濃度に対する値を記録する。
【0118】
計算:毛髪のグラム当たりのマイクログラム(μg)シリコーンを、以下の式から算出する。
【0119】
【数1】

μgケイ素をジメチコンとしてケイ素ポリマーに変換する:
ジメチコンは、37.9重量パーセントのケイ素を含有する。
【0120】
【数2】

【0121】
インビトロパネル試験での湿潤梳毛の容易さの順位
本試験は、正常な使用を代表するインビトロ条件下で、所定のシャンプー組成物群によって与えられる梳毛の容易さの強制選択比較順位付けである。本試験は、強制選択順位付けシステムを使用し、試験及び対照組成物で処理された毛髪束の梳毛の容易さの、ヒトによる評価を使用する。本試験は、確定された対照組成物又は組成物なし(非処理)に対する、組成物によって与えられたもつれ除去効果の比較レベルの優れた指標を提供する。
【0122】
手順
毛髪束の調製:まず、毛髪束を徹底的に洗浄する。各製品の評価では、標準的な2gの毛髪束を使用する。梳毛実験の感度は、痛んだ毛髪束を使用することによって、著しく向上させることが可能である。シャンプー組成物から得られるコンディショニング効果の評価では、漂白された毛髪束を使用することができる。
【0123】
試料の塗布:0.2mLの製品を2gの毛髪束に塗布する。20秒にわたって20回の動作で、製品を毛髪中に刷り込む。この時間が終了したら、40℃及び2L/分の流速で標準的な水道水を用いて毛髪を30秒間濯ぐ。
【0124】
梳毛の評価:毛髪内の全ての大きなもつれ/ほつれを除去するために、処置された、なお湿った状態の毛髪束を予め櫛で梳く。評価される各製品で処理された毛髪束に、目隠しの表示をして、比較用の組を作るために棚の上に吊るした。組の中の一つの毛髪束には、処理を施さない。一群の処理を比較する複数の梳毛パネルは、パネルごとに処理の順序を無作為にして調製することができる。次いで、各パネル内で、各人が各毛髪束を梳いて、梳き易さの順序を付ける。例えば、4つの毛髪束を含有するパネルでは、被験者は、最も梳き易い毛髪束に1の値を与えるのに対して、最も梳き難い毛髪束に4の値を与える。複数の評価者が各パネル内の毛髪束を梳いて、順序を付けた後、それらの順位付けの結果を一覧表にする。
【0125】
データの統計解析:データは、90%及び95%の信頼限界で、Tukey HSD検定によって解析される。
【0126】
必要に応じて使用される成分を評価する手段としてのインビトロアッセイ
上述したフルオレセイン漏出、Zein溶解度、湿潤梳毛およびシリコーン沈着アッセイも、組成物の性能に対して必要に応じて使用される成分が及ぼし得る影響を評価する上で極めて有用であり、従って、必要に応じて使用される成分を含めるのが適切であるかどうかをスクリーニングする上で極めて有用である。
【0127】
例えば、以下の実施例に示されているように、高い低刺激性(低い眼刺激能)及び優れたコンディショニング性能を兼ね備えた極めて有効な組成物は、本明細書中に明記されている比率の界面活性剤アルキルエトキシエーテル硫酸塩(≧3EO)、ベタイン及びヒドロキシスルタイン;陽イオン性セルロースポリマーと;不揮発性非水溶性シリコーンと;ジステアリン酸PEG−150と;及び塩化ナトリウムなどの電解質と、から実質的になる。)数多くの美的及びシャンプー補助添加物及び必要に応じて使用される成分を、該組成物中に低レベルで、例えば、全体の5重量%未満で含めることが可能である。これらの成分の多くは、眼刺激性及びコンディショニング性能の重要な特性に対して無視できる影響しか及ぼさないので、包含するのに適しており、本発明の範囲に属する。しかしながら、一部の成分、例えば、数パーセント超で使用されるアルキル硫酸塩及びアルキルアリール硫酸塩、溶媒、高レベルの陰イオン性ポリマーは、組成物の眼刺激能に対して、及びコンディショニング性能に対してさえ悪影響を与えることがある。細胞層を通じたフルオレセイン漏出の%透過率が10%未満(あるいは、これより好ましくないが、Zein溶解度インビトロアッセイにおいて、Zein溶解度が1%未満)に保たれ、及び湿潤梳毛インビトロアッセイにおける最大梳毛力が約25グラム重、好ましくは22グラム重及び最も好ましくは20グラム重未満である限り、必要に応じて使用される成分は包含させるのに適している。
【0128】
実施例
以下の実施例は、本発明の例、臨界として示されているものであるが、いかなる意味においても、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0129】
本実施例は、本発明の組成物が低刺激性と優れたコンディショニング性能を兼ね備えることを説明する。
【0130】
実施例1A及び1B(その組成は、表1Aに記されている。)を以下のようにして調製した。
【0131】
実施例1A(透明な2−イン−1組成物)の調製
容器に水を充填した。約250rpmで混合することによって、Polymer JR30Mを水の中に分散させた後、コカミドプロピルベタインを分散させた。得られた透明な混合物を約60ないし63℃まで加熱し、ジステアリン酸PEG−150を添加し、溶解するまで混合した。加熱を停止し、撹拌を維持しながらココアミドプロピルヒドロキシスルタインを添加した。ラウリルエトキシ(3EO)硫酸ナトリウムを添加し、溶解するまで混合した。50℃以下で、シリコーンマイクロエマルジョン(DC2−1870HV)を添加し、溶解するまで混合した。クエン酸ナトリウム、防腐剤、香料、色素及びpHを約6.5に調整するためのクエン酸からなる残りの成分を順次添加し、透明且つ均一になるまで混合した。
【0132】
実施例1B(不透明な2−イン−1組成物)の調製
容器に約2/3の量の水を充填した。約250rpmで混合することによって、Polymer JR30Mを水の中に分散させた後、ココアミドプロピルベタインを分散させた。得られた透明な混合物を約60ないし63℃まで加熱し、ジステアリン酸PEG−150を添加し、溶解するまで混合した。加熱を停止し、撹拌を維持しながらココアミドプロピルヒドロキシスルタインを添加した。ラウリルエトキシ(3EO)硫酸ナトリウムを添加し、溶解するまで混合した。界面活性剤を混合しながら、約700rpmの激しい撹拌を使用し、別の容器中の残りの水を使用してCarbopol 980を分散させた。次いで、このCarbopolスラリーを添加し、分散されるまで混合した。50℃以下で、雲母及び二酸化チタンのシリコーンマクロエマルジョン(DC1786)とのプレミックスを調製し、添加した。防腐剤、香料、色素及びpHを約6.5に調整するための水酸化ナトリウムからなる残りの成分を順次添加し、均一になるまで混合した。
【0133】
【表1】

【0134】
a)シリコーンとして
低刺激性、シリコーン沈着及び湿潤梳毛インビトロアッセイにおける実施例1A及び実施例1Bの性能は表1Bに要約されており、比較例として、幾つかの市販のシャンプー製品とも比較されている。これらのアッセイは、評価方法の部に上記されている。
【0135】
表1B中の結果は、特許請求の範囲に記載されている割合のアルキルエトキシ硫酸塩(EO≧3)、ベタイン及びヒドロキシスルタインを不揮発性非水溶性シリコーンと組み合わせ、必須ではないが好ましい陽イオンポリマー及び濃縮系を含む本発明の組成物が、実際に、目を刺激する可能性が低く且つヘアコンディショニング特性が優れた低刺激性製剤を提供することを示している。
【0136】
【表2】

【0137】
シャンプー実施例1Aの性能は、サロン試験でも評価した。サロン1/2頭部試験は、頭頂部の毛髪が少なくとも3インチの年齢3ないし8歳の子供39人に対して実施した。製品はスタイリストが塗布及び乾燥し、湿潤段階及び乾燥段階の属性について親が評価した。これに加えて、櫛どおり/引っ張り、もつれ及び芳香について両側で差に気付いたかどうかを子供に尋ねた。
【0138】
各子供の頭部の半分をシャンプー実施例1Aで洗浄し、残り半分を市販の子供用シャンプーC4で洗浄した。
【0139】
親による評価では、実施例1Aは、湿潤状態のもつれ除去を方向性に容易にし、毛髪のボリューム感を向上させやすいことが明らかとなった。実施例1Aは、有意に穏やかと感じられ、匂いもよいと感じられた。子供は、左右に櫛どおり/ブラッシングの有意な差を認めた。
【実施例2】
【0140】
本実施例は、不揮発性非水溶性シリコーンが、本発明の組成物において、揮発性シリコーン又は不揮発性水溶性シリコーンより優れた性能を与えることを実証する。
【0141】
比較例C4及びC5、並びに表2に組成が記載されている実施例2は、実施例1Aの手順によって調製した。これらの組成物は、使用されたシリコーンの種類のみが異なる。C4は揮発性シリコーン(D5)を含み、C5は水溶性シリコーン(BIOSIL BASICS SPQ)を使用するのに対して、実施例2は本発明の非水溶性不揮発性シリコーンを含有する。
【0142】
表2の結果は、不揮発性水溶性シリコーンマイクロエマルジョンが、揮発性シリコーン又は水溶性シリコーンの何れかを使用する類似の組成物に比べて、より高いレベルのコンディショニングを湿った毛髪に与える(最大負荷がより低く、総エネルギーがより低い。)ことを示している。
【0143】
【表3】

【実施例3】
【0144】
本実施例は、本発明の陽イオン性セルロースポリマーを他の種類の陽イオン性ポリマーと比較する。
【0145】
比較例C6及びC7、並びに表3にその組成が記載されている実施例3は、Polymer JR 30Mに適宜置換して、実施例1Aで使用した手順によって調製した。表3の結果は、本発明の好ましい陽イオン性セルロースポリマーが陽イオン性グアーによって置換されると、組成物が不安定となり、凝集し、その透明度を失うことを示している。陽イオン性セルロースが合成陽イオン性ポリマーSALCAREによって置換された場合にも、組成物は透明度を失う。
【0146】
実施例3(陽イオン性セルロース)は、方法の部で上述したように、シリコーン沈着(インビトロアッセイ)及び湿潤時梳毛の容易さ(サロン試験)の両者についても、比較例C7(SALCARE−アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドを含むC60合成ポリマー)とも比較した。表3の結果から、陽イオン性セルロースは、陽イオン性合成ポリマーと比べて、本発明において透明で安定な組成物を与えるのみならず、驚くべきことに、シリコーンの沈着も増大するので、実際に、湿潤時の梳毛の容易さが感知可能なほど著しく向上することが分かる。
【0147】
【表4】

【実施例4】
【0148】
本実施例は、プロピレングリコールの長鎖脂肪酸エステルと電解質を組み合わせることによって、濃縮効率が大幅に向上することを示す。
【0149】
その組成が表4に記されている実施例4Aから4Hを、実施例1に記載されている方法によって調製した。表4B中の実施例組成物は、本発明において指定された種類及び比率で低い総濃度の界面活性剤を有する組成物中に低レベルで包含することによって、予期されない相乗的な濃縮が生じることを示している(実施例4F−4Hを実施例4A−4Eと比較されたい。)。これらの透明な組成物の安定性は、49℃で12週間保存することによって実証された。
【0150】
【表5】

【0151】
【表6】

【実施例5】
【0152】
本実施例は、アルコールエトキシ硫酸塩のエトキシル化レベルと、総ベタイン及びヒドロキシスルタインに対するアルコールエトキシ硫酸塩の比が低刺激性とシリコーン沈着にとって、どの程度重大であるかを示している。
【0153】
表5にその組成が記載されている実施例5並びに比較例C8及びC9は、実施例1の方法に従って調製された。C9と実施例5の比較は、総ベタイン及びヒドロキシスルタインに対するアルコールエトキシ硫酸塩の比が好ましい範囲より大きい場合には、インビトロでの低刺激性及びシリコーンの沈着レベルが急落することを示している。本実施例では、低刺激性の低下は、10%のエトキシ硫酸塩の総レベルで起こる。平均的なエトキシル化の程度が3より大きい場合には(但し、総両性物質に対する本成分の比は必要とされる範囲内にあるものとする。)、さらに高いレベルのエトキシ硫酸塩が存在し得る。方法の部に記載されている手順によって測定された場合に、Zein溶解度が約1%を超えると、組成物が十分な低刺激性を有しないことを経験は示している。同様に、実施例5の比較例C8との比較は、アルコールエトキシ硫酸塩のエトキシル化の程度が3未満である場合には、Zein溶解度は1%を超過し、組成物はもはや目標の低刺激性特性を有しないことを示している。
【0154】
【表7】

【実施例6】
【0155】
本実施例は、単独で使用された何れかの成分に比べて、ベタイン及びヒドロキシスルタイン界面活性剤を組み合わせることによって、シリコーン沈着に相乗効果が生じることを示している。
【0156】
表6にその組成が記載されている比較例C10及びC11並びに実施例6は、実施例1の手順を用いて調製された。インビトロシリコーン沈着アッセイによってシリコーン沈着を測定し、湿潤梳毛パネル試験によって湿潤梳毛の容易さを測定した。何れも、評価方法の部に上記されている。
【0157】
表6の結果は、ベタインとヒドロキシスルタイン界面活性剤が本発明において明記された比率で組み合わされた場合に、毛髪上へのシリコーンの沈着に驚くべき相乗効果が生じることを明確に示している。さらに重要なことに、この相乗効果のために、本明細書に開示されている比のベタイン及びヒドロキシスタインの相乗的混合物によって与えられる湿潤梳毛(もつれを除去する)の容易さは極めて有意に優れている(表6の最後の列を参照)。
【0158】
さらに、実施例6によって与えられるシリコーン沈着の比較例C9との比較から明らかであるように、総ベタイン+ヒドロキシスルタインに対するアルキルエーテル硫酸塩の比が、本発明において明記されている必要な組み合わせ比率の外側にあると、沈着におけるこの相乗効果は失われる。
【0159】
【表8】

【実施例7】
【0160】
本実施例は、シャンプーの低い眼刺激能力又はコンディショニング効果を損なわない、必要に応じて使用される成分の混合物を含有するシャンプー組成物を示す。
【0161】
【表9】

【実施例8】
【0162】
本実施例は、様々な比率のアルキルエトキシ硫酸塩、ベタイン及びヒドロキシスルタイン界面活性剤混合物を含有するシャンプー組成物を示す。
【0163】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)アルキル基が平均12ないし16個の炭素原子と少なくとも3のエトキシル化度を有するアルキルエトキシ硫酸塩界面活性剤と、
(ii)2%から7%までのベタイン界面活性剤と、
(ii)2%から7%までのヒドロキシスルタイン界面活性剤と、
(ii)0.1%から5%までの不揮発性非水溶性シリコーンと、
(vi)少なくとも70重量%の水と、を含み、
前記ヒドロキシスルタイン界面活性剤に対する前記ベタイン界面活性剤の重量比が0.5から1.5までの範囲にあり、ベタイン界面活性剤とヒドロキシスルタイン界面活性剤の重量の合計に対するアルキルエトキシ硫酸塩界面活性剤の重量比が0.5から1.5までの範囲にある、
優れたもつれ除去特性とコンディショニング特性を有する低刺激性水性シャンプー組成物。
【請求項2】
前記アルキルエトキシ硫酸塩界面活性剤が組成物の5重量%から10重量%までの水準で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ベタインが、ラウリルベタイン、ココベタイン、ココアミドベタイン、ココアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、カプリルアミドプロピルベタイン、ラウルアミドプロピルベタイン、イソステアリルアミドプロピルベタイン、ココイミダゾリニウムベタイン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ヒドロキシスルタインが、C−C18アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、獣脂アミドプロピルヒドロキシスルタイン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン及びC−C18アルキルエーテルアミドプロピルヒドロキシスルタイン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記不揮発性非水溶性シリコーンがマイクロエマルジョンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記不揮発性非水溶性シリコーンが、10,000CSTを超える粘度を有し、ジメチコン、ジメチコノール、架橋されたジメチコン又はジメチコノール、シリコーンゴム、有機修飾されたシリコーン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ヒドロキシスルタイン界面活性剤に対する前記ベタイン界面活性剤の重量%比が、0.75から1.25までの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ベタイン界面活性剤と前記ヒドロキシスルタイン界面活性剤の合計に対する前記アルキルエトキシエーテル硫酸塩の重量%比が、0.7から1.3までの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
陽イオン的に修飾されたセルロースをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記陽イオン的に修飾されたセルロースが、選択されたPolyquaterium−10である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
ジオレイン酸PEG120メチルグルコシド、PEG−150ペンタエリスリチル、ジオレイン酸PEG−75、ジステアリン酸PEG−150及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリエチレングリコール脂肪ジエステルをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリエチレングリコール脂肪ジエステルが、ジステアリン酸PEG150である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
塩化ナトリウム及びクエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム及びこれらの混合物からなる群から選択される電解質をさらに含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
Zein溶解度インビトロアッセイによって測定された場合に1%未満のZein溶解度を有するか、又はフルオレセイン漏出アッセイによって測定された場合に10%未満のフルオレセイン漏出の%透過度を有し;並びに湿潤及び乾燥梳毛力インビトロアッセイによって測定された場合に約25グラム重量未満の湿潤梳毛力を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
香料、真珠色化及び乳白剤、干渉色素、色素、着色剤、知覚剤、防腐剤、濃縮剤、エマルジョン安定化剤並びにこれらの混合物からなる群から選択される審美的及び補助的シャンプー組成物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
コレステロール、セラミド及び擬似セラミド、非シリコーンヘアコンディショニング剤、保湿剤、抗微生物剤、日焼け止め剤、キレート剤、植物抽出物並びにこれらの混合物からなる群から選択される皮膚及び毛髪有益剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
i)アルキル基が平均12ないし16個の炭素原子を有し、且つエトキシル化度が少なくとも3である、5%から12%までのアルキルエトキシ硫酸塩と、
ii)アルキルアミドベタイン、アルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタインからなる群から選択される2%から7%までのベタイン界面活性剤と、
iii)2%から7%までのアルキルアミドヒドロキシスルタインと、
iv)0.05%から2%までの陽イオン的に修飾されたセルロースと、
v)0.1%から5%までの不揮発性、非水溶性シリコーンと、
vi)0.02%から1.05までのポリエチレングリコール脂肪ジエステル、
vii)塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム及びこれらの混合物からなる群から選択される0.1%から1.0%までの電解質と、
vii)少なくとも70重量%の水と、を含み、
前記アルキルアミドヒドロキシスルタインに対する前記ベタイン界面活性剤の重量比が、0.5から1.5までの範囲にあり、及びベタイン界面活性剤とアルキルアミドヒドロキシスルタイン成分の重量の合計に対する前記アルキルエトキシエーテル硫酸塩の重量比が、0.5から1.5までの範囲にあり、
シャンプー組成物が、Zein溶解度インビトロアッセイで測定された場合に1%未満のZein溶解度を有するか、又はフルオレセイン漏出アッセイによって測定された場合に10%未満のフルオレセイン漏出の%透過度を有し;
並びに前記組成物が、湿潤及び乾燥梳毛力インビトロアッセイによって測定された場合に約25グラム重量未満の湿潤梳毛力を有する、
優れたもつれ除去特性とコンディショニング特性を有する低刺激性水性シャンプー組成物。
【請求項18】
請求項1に記載のシャンプー組成物で毛髪を処理する工程を含む、眼に対する刺激なしに、清潔で、もつれがなく、整えられた毛髪を達成するために子供の毛髪をシャンプーする方法。

【公表番号】特表2007−518752(P2007−518752A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549927(P2006−549927)
【出願日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014883
【国際公開番号】WO2005/070388
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】