多様画像表示機能のために分割サブ画素を有するディスプレイ
ディスプレイは、それぞれが複数のサブ領域に分割される複数のサブ画素を備えている。複数のサブ画素は、それぞれ、単独のゲートラインと、単独の信号ラインとを備えており、特定のサブ画素内の各サブ領域は、対応する蓄積キャパシタラインを備えている。光学部品は、上記サブ画素の対応するサブ領域に応じた別個の角度依存明度作用を引き起こすように、上記複数のサブ画素と協調的に組み合わされている。制御電子回路は、上記サブ画素に含まれる上記ゲートラインおよび上記信号ラインを介して、各サブ画素に含まれる各サブ領域に、信号データ電圧の形式で画像データレベルを供給し、対応する蓄積キャパシタラインを介して、上記サブ画素に含まれる各サブ領域に供給された上記信号データ電圧を独立して調整し、ディスプレイは、少なくとも2つの異なる画像機能に基づいて動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイと、ディスプレイに含まれるサブ画素に関する。このようなディスプレイは、例えば、携帯電話、携帯型メディアプレイヤ、ゲーム機器、ノートパソコン、テレビ、デスクトップモニタなどの、指向性ディスプレイに使用することができる。このようなディスプレイ機器は、例えば、従来の表示、プライバシー用の表示、自動立体3D表示の中の少なくとも2つの異なる画像表示モードの性能がある。
【背景技術】
【0002】
多数のユーザが、従来のディスプレイ機器上の同じ画像を、同時に見ることができる。該従来のディスプレイ機器の特性は、観察者が表示(以降「公共モード」)に対して異なる角度から同じ画像を見ることができることである。これは、多くのユーザが表示から同じ情報(例えば、空港や駅での出発時刻情報の表示など)を要求するような適用例において効果的である。しかしながら、個別のユーザまたは多数のユーザが、同じ表示から角度に依存した情報を見ることができることが好ましい適用例が多くある。例1「プライバシー」では、単独のディスプレイのユーザは、公共の場において機密の資料を見ることを望み、それゆえ、該機密の画像を主方向においてのみ(すなわちユーザの目にのみ)表示し、機密でない画像を第3者から見ることができる主方向外で表示することが好ましいと考える。例2「3D機能」では、ディスプレイから3D画像(知覚的奥行きを持つ画像)を見るために、単独のユーザは、異なる画像(「立体的ペア」)が各々の目に向くように要求する。
【0003】
J.MatherらによるGB2405542(2005年3月発行)において、指向性ディスプレイを生成するためにパララックス部材とディスプレイとを使用することが記載されている。GB2405542の実施形態は、2つの個別の画像が2つの異なる主要な方向から視認可能である、デュアルビューディスプレイの実現に焦点を合わせている。車内用途への適用例に重点が置かれており、したがって、1つの画像がディスプレイの垂直方向の左側において視認可能である一方、第2の画像がディスプレイの垂直方向の右側において視認可能である。GB2405542はさらに、切り替え可能なプライバシー表示も実現され、これにより公共広視野モードおよびプライベート狭視野モードが可能となることも言及している。しかしながら、GB2405542はどのようにプライバシー表示を実現するかを明示的に説明しておらず、どのように上述のプライバシー表示における公共広視野モードとプライベート狭視野モードを電気的に切り替えるかも説明していない。
【0004】
2006年9月27日において、シャープ株式会社は、既存の液晶ディスプレイ(LCD)機器とパララックス部材とを組み合わせることにより、3つの個別の画像を同時に表示する「3方向視LCD」(以降「3視野ディスプレイ」)を発表した。該ディスプレイは、ディスプレイ機器と、基材上に形成されたパララックス部材とを含み、3つのビューを観賞範囲内で視認可能であるように表示する。このLCDは以下の画像機能、すなわち公共広視野モードと3視野モードとを持つ。3視野モードにおいて、3つの独立した画像が異なる方向から視認可能であるように表示され、1つの画像が観察者の主方向において十分に視認可能であり、そして一方、他の画像が観察者から見てディスプレイの主方向外の方向における左側で十分に視認可能であり、そして一方、残る画像が観察者から見てディスプレイの主方向外の方向における右側で十分に視認可能である。3視野モードはプライバシーモードとしても働き、主方向のユーザはコンテンツを視認することができ、主方向外からは視認することができない。同じ画像を左、中央、そして右の視野に向けることで、通常の公共モードが3視野ディスプレイにおいて実現する。該公共モードの主な不利な点は、パララックス部材が取り付けられていない理想的な画像パネルと比較して、画像がたった33%の解像度と約33%の明度しかないことである。この比較的低い公共モードの性能が、このディスプレイモードの適用例を比較的狭い市場に制限している。
【0005】
E.WaltonらによるGB2426352(2006年11月発行)において、公共広視野モード、プライベート狭視野モード、そして自動立体3Dモードをもたらすことができるディスプレイが記載されている。A.JacobsらによるUS7359105(2008年4月発行)には、公共広視野モード、プライベート狭視野モード、デュアルビューモード、そして自動立体3Dモードをもたらすことができるディスプレイが記載されている。GB2405542およびUS7359105の両方の主な不利な点は、追加の画像機能を持つディスプレイを実現するために、追加の液晶切り替えセルを必要とすることである。該追加の液晶切り替えセルは、相対的なディスプレイモジュール全体の厚さと重さを約40%増大させる。該追加される重さと厚さは非常に好ましくなく、特に、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯ディスプレイ製品にとって好ましくない。追加の液晶セルを使用するディスプレイパネルにおいて視角特性を変更する手段は、R.WinlowらによるGB2413394(2005年10月発行)、D.KeanらによるGB2427033(2006年12月発行)、N.SmithらによるGB2439961(2008年1月発行)、T.TakatoらによるJP3607272(2005年1月発行)、T.TakatoらによるJP3607286(2005年1月発行)、K.KnightによるUS5825436(1998年10月発行)そしてG.WoodgateらによるWO04070451(2004年8月発行)においても記載されている。
【0006】
切り替え不可能なプライバシー用の表示を生成するためのレンズとパララックス部材に使用される、関連する先行技術は、N.FurumiyaによるJP2002299039(2002年10月発行)、K.FurukawaらによるJP2006236655(2006年9月発行)、R.MorleyらによるUS6809470(2002年7月発行)、R.MorleyらによるUS7091652(2006年8月発行)、A.ItoらによるUS6935914(2005年9月発行)、J.SturmらによるWO0133598(2001年5月)、そしてS.MoellerらによるWO03007663(2003年1月発行)を含む。公共広視野モードとプライベート狭視野モードとを切り替える性能を持たないディスプレイは、前記2つのモードを切り替え可能であるディスプレイに対して本質的に不利な点を持つ。
【0007】
立体表示は、各々の目に対して、画像の異なる見え方を、現実で起こるように与えることで、画像に対して奥行きの錯覚を与える。次に脳は、これらの見え方を融合させ、脳内の画像の3次元表現を形成する。例えば、これは1つの見え方を1つの偏光によって表示し、他の見え方を異なる偏光によって表示することでなされる。観察者は次に、各接眼レンズが適切な偏光のみを通過させる眼鏡をかけることで、立体的な奥行きを見ることができる。
【0008】
自動立体表示は、立体的な奥行きを与えるために、ユーザが眼鏡をかける必要がない表示である。該表示はこれを、各々の目に異なる画像を投影することで成す。これらの表示は、パララックス部材技術(パララックスバリヤやレンチキュラーレンズなど)を使用することにより達成することができる。
【0009】
これらのタイプのディスプレイは、下記文献において周知である。例えば、3Dのためのパララックスバリヤにおける構成と操作について、L.HillとA.Jacobsによる論文「3D液晶ディスプレイおよびそれらの適用例」(IEEE会報、94巻、3号、2006年3月発行、ページ575〜590)およびH.NamらによるUS7505203B2(2009年3月発行)において詳細に記載されている。
【0010】
要約すると、図1はパララックスバリヤの操作と構成についての基本的な考え方を示す。図1は、自動立体パララックスバリヤ構成における断面図を示す。左目および右目に対しての画像は、先行の構成に関しては、交互の画素の列の上で交差する。パララックスバリヤ内のスリットによって、観察者は左目の位置からは左の画像画素のみを、右目の位置からは右の画像画素のみを見ることができる。観察者は、ディスプレイを主方向から観測する(すなわちディスプレイの面に対して垂直の方向から観察する)ことで立体的な景色を見ることができるが、なお、図1に破線で示すように、立体的な景色を主方向外から(ディスプレイの面に対して斜めの角度から観察する)も見ることができる。主方向からの景色は第1景色ウィンドウと呼び、主方向外からの景色は第2景色ウィンドウと呼ぶ。
【0011】
同じ3D効果が、レンチキュラーレンズを使用することにより達成できる。各レンズは、パララックスバリヤ上のスリットに実質的に相当する。図2と図11は、レンチキュラーレンズを使用する従来の3Dシステムを示す。該レンズは観察者に対して、画素の像を写す。図に示されるように、左の画素からの光は、観測者の左目に向けられており、逆の場合も同じである。これを達成するために、焦点距離は概して、レンズ画素の分離距離とほぼ等しくなるように設置されている(これにより、レンズの焦点距離はおおよそ該画素の面までの距離と等しくなる)。この構成は非常によく機能し、長年の間、良い立体表示を生成するために使用されてきた。
【0012】
パララックスバリヤやレンチキュラー配列を使用する自動立体表示の主な不利な点は、下にあるディスプレイの各画素から照射される光は常に1つの目か他の目に向けられており、両方の目が同時に全てのディスプレイの画素を観察する方法がないことである。これは、もし該ディスプレイが2D画像モードで使用される場合(すなわち標準の2D表示のように、両眼に対して同じ画像が表示される場合)、観察される画像の解像度が半分になることを意味する。この欠点を避けるために、2D〜3D切り替え可能なディスプレイは、J.HarroldらによるUS5969850(1999年10月発行)、G.WoodgateらによるUS20060098296A1(2006年5月発行)、およびW.IjzermanらによるWO2007099488A1(2007年9月発行)において記載されているように作り出されてきた。これらのディスプレイは、電気的に3Dモードと2Dモードを切り替え可能であり、それゆえベースパネルの有する完全な明度と解像度を提供する一方、2D〜3D切り替え機能を提供するために、追加の動的光学部品をディスプレイに追加する必要がある。これによりディスプレイモジュール全体に対して、コストと厚さが加わる。コストと厚さとは、携帯ディスプレイ用途において決定的に重要な要素になり得る。
【0013】
オフセットをデータ信号電圧に対して適用し、画素の輝度を完全なオフから完全な透過までの全範囲で作り出すために必要とされる信号電圧の範囲を最小限にすることと、全てのフレームにおける各画素領域内の液晶層にかかる電圧の極性を交互に変えるための効率的な電力手段を提供することとの両方のために、容量結合を動的マトリックスディスプレイ内の画素電極に対して使用する方法も周知である。TFTのゲートがオンである期間中、画素電極と蓄積キャパシタをデータ信号の電圧まで充電するために、TFT要素を介して、信号データ電圧がソースデータ線から画素電極へと供給され、次にTFTのゲートがスイッチオフされた後、画素電極の電圧に、画素電極との容量結合を介して、画素電極から絶縁された蓄積キャパシタの一端に印加されている第2電圧の画素電極との容量結合を介して、オフセットがかけられるような容量結合駆動が、S.NagataらによるEP00336570A1(1989年10月発行)と、E.TakedaらによるUS5296847(1994年3月発行)と、Tsunashimaおよびその他の者による「上級容量結合駆動を使用した新しいガンマ補正手段(Novel Gamma Correction Method Using an Advanceapacitive Coupling Driving)」(2007年SID摘要、1014p〜1017p)において記載されている。例えば、指示された信号電圧を、0Vから最小の範囲内の値で、画素に書き込み、次に、液晶層を望んだ構成へと切り替えることが可能なように、信号電圧を正しい範囲に変更するべく、画素の列全体に対する蓄積キャパシタラインに対して割り当てられた電圧オフセットを使用する手段が説明されている。
【0014】
「分割サブ画素」配列を利用するLCDディスプレイが製造されており、各個別にアドレスできるディスプレイ要素(例えば、ディスプレイ内の複合RGBホワイト画素の3つのカラーサブ画素の内の1つ)が、2つ以上のサブ領域に分割されており、該サブ領域はお互いに異なる明度を作り出すように設計される一方、該サブ領域が合わせて観察された時は全体としてまとまった明るさを作り出し、該明るさはアドレスされた信号に応じてサブ画素に求められた明るさに対応する。これらの分割サブ画素ディスプレイタイプの目的は、主方向外の輝度レンジを超えて、主方向の輝度の関数として計測される、画素からの主方向外輝度の非線形性を低減することである。多くのLCDディスプレイは、主方向における輝度レスポンスに対して、固有に、非線形の主方向外輝度レスポンスを有している。これは、主方向外から観察された際に、色シフトなどの要因のために、表示された画像の画質の劣化を起こす。各サブ画素を異なる主方向輝度を有する複数の領域から成るようにすることで、各サブ画素サブ領域における非線形の主方向外輝度が平均化され、全体として、主方向外の画像精度を向上させることができる。
【0015】
分割サブ画素における異なるサブ領域が、互いにオフセットの関係にある電圧を持つように、単独のデータ電圧を分割サブ画素に割り当てるいくつかの手段があり、例えば、異なる領域間の容量結合(F.ShimoshikiryoによるUS7079214(2006年7月発行)において記載)や、チャージシェアリング(電荷分割)(S.S.Kimおよびその他の者による「新型駆動スキームと改良型超PVA技術を使用している超分解能LCD(Ultra Definition LCD Using New Driving Scheme and Advanced Super PVA Technology)」(2008年SID摘要、196p〜199p))などである。なお、これらの手段では、単独のデータ電圧が各サブ画素に割り当てられており、分割サブ画素における各サブ領域上に生じる電圧が互いにオフセットである間は、該生じる電圧は互いに固定された関係性を持ち、全て同じ単独のデータ電圧に依存しており、「分割サブ画素」というフレーズに言及される。多数のサブ画素サブ領域を持った改良視野角タイプのディスプレイは、完全に独立してアドレス可能であり、それゆえ、少なくとも追加のゲートまたはサブ画素ごとのソースラインの追加により(S.S.Kimおよびその他の者による「McFiと共に120Hz駆動を使用している動作ぶれ削減のための新型TFT−LCD技術(Novel TFT-LCD Technology for Motion Blur Reduction Using 120Hz Driving with McFi)」(2007年SID摘要、1003p〜1006p)などにおいて記載)、互いに関連したいかなる電圧でも持つことができる。このタイプのディスプレイは、性能の半分の解像度の画像を写しており、本質的には倍の解像度のディスプレイである。同等の2Dディスプレイと比較すると、そのようなディスプレイはそれゆえ、2倍の数のデータドライバか、2倍の速さで動作可能なデータドライバのいずれかを必要とする。これらのディスプレイはさらに、倍の数のゲートドライバも必要とする。該ドライバは、ディスプレイのガラス上のTFT内で実現されてもよく、別個のICとして実現されてもよい。これら各々の変更は、同等の2Dに対してディスプレイのサイズ、電力消費、およびコストを増大させる。
【0016】
単独のデータ電圧を分割サブ画素に割り当てることで、互いにオフセットである電圧を持つ分割サブ画素における異なるサブ領域を生じさせる手段であり、分割サブ画素における異なるサブ領域の間の電圧オフセットが、受動光学部品と連携して、ディスプレイが公共とプライベートや、2Dと3Dなどの異なる観賞モードに切り替え可能なように制御される該手段はB.Broughtonらによる特許文献WO2009/104816(2009年8月発行)によって与えられている。この手段は、OLEDディスプレイが主眼に置かれており、画素電極が配置された能動マトリックス基板と相対する基板上のディスプレイ対向電極が、複数の共通電圧が各画素に印加可能なように、独立して制御可能な複数の領域を持つことを明記している。
【0017】
ユーザがディスプレイに対して横方向に動くことができ、常に3D画像を見ることができるようなヘッドトラッキング3Dシステムを実現するために、光学部品と組み合わせた標準的な画素、ユーザを向いているカメラモジュール、顔認識画像処理ソフト、および関連制御メカニズムを利用することが、G.WoodgateらによるUS5808792(1998年9月発行)において先立って開示されている。
このシステムの不利な点は、2Dモードと3Dモードで感知される解像度が、ディスプレイパネルの本来の解像度の4分の1であるということである(ディスプレイパネルの本来の解像度は光学部品によって調整される)。
【0018】
複数の画像機能モード(例えば、公共広視野2Dモード、プライベート狭視野2Dモード、3Dモード、プライベート狭視野3Dモード)の性能を持つディスプレイ機器を達成するために、光学部品と組み合わせた標準的な画素を使用することが、N.SmithらによるWO2009/104818(2009年8月発行)において先立って開示されている。WO2009/104818で説明されているシステムの不利な点は、ディスプレイシステムにおける主方向の解像度の損失であり、すなわち、複数の画像機能を持つディスプレイにおいて感知される解像度が、ディスプレイパネルの本来の解像度よりも低いということである。
【発明の概要】
【0019】
一般的に、標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)、および先述のサブ画素のための別個の景色ウィンドウのセットを作るための受動パララックス部材から成るいかなるマルチビューディスプレイは、分割サブ画素および同様のタイプの受動パララックス部材から成るマルチビューディスプレイに比べて知覚度の低い2D解像度を持つ。
【0020】
受動パララックス部材と連携して標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)を使用することにより、50%の知覚的解像度を持つ2D画像の表示性能、および50%の知覚的解像度を持つ3D画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。同様のタイプの受動パララックス部材と連携して分割サブ画素を使用することにより、100%の知覚的解像度を持つ2D画像の表示性能、および50%の知覚的解像度を持つ3D画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。先述の分割サブ画素ディスプレイと合わせた時分割多重化技術を使用することにより、3Dモードの知覚的解像度を100%に改良することができる。それゆえ、基本LCDパネルに対して、2Dモードにおける100%の知覚的解像度と3Dモードにおける100%の知覚的解像度を持つ先行の2D〜3D切り替え可能なディスプレイのように、高価でかさばる追加の光学能動素子(すなわち機械的、電気的、または他の方法で切り替え可能なもの)を追加すること必要はない。
【0021】
受動パララックス部材を使用することで2D画像と3D画像とを表示する性能を持つ標準的なサブ画素を持つディスプレイは、先述のパララックス部材が実質2Xミクロンのピッチを持つことを必要とする。同様のタイプの受動パララックス部材を使用することで2D画像と3D画像とを表示する性能を持つ同様のディスプレイは、先述のパララックス部材が実質Xミクロンのピッチを持つことを必要とする。パララックス部材のピッチの50%の削減は、より小さいピッチのパララックス部材は2D画像モードと3D画像モードの両方において画像アーティファクトの差し込みをより少なくするという理由により利点となる。
【0022】
受動パララックス部材と連携して標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)を使用することにより、50%の知覚的解像度を持つ公共広視野2D画像の表示性能、および25%の知覚的解像度を持つプライベート狭視野2D画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。受動パララックス部材と連携した分割サブ画素を使用することにより、100%の知覚的解像度を持つ公共広視野2D画像の表示性能、および100%の知覚的解像度を持つプライベート狭視野2D画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。
【0023】
受動パララックス部材と連携して標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)を使用することにより、25%の知覚的解像度を持つヘッドトラッキング四方向3Dモードの性能、および25%の知覚的解像度を持つ2Dモードの性能を持つディスプレイをもたらすことができる。受動パララックス部材と連携して分割サブ画素を使用することにより、50%の知覚的解像度を持つヘッドトラッキング四方向3Dモードの性能、および25%の知覚的解像度を持つ2Dモードの性能を持つディスプレイをもたらすことができる。先述の分割サブ画素ディスプレイと合わせた時分割多重化技術を使用することにより3Dモードの知覚的解像度を50%に改良することができる。
【0024】
受動パララックス部材と連携して標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)を使用することにより、各画像に対して50%の知覚的解像度を持つデュアルビュー画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。同様のタイプの受動パララックス部材と連携して分割サブ画素と時分割多重化技術を使用することにより、各画像に対して100%の知覚的解像度を持つデュアルビュー画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。
【0025】
ディスプレイの観賞モードを電気的に切り替える手段は、ディスプレイの基本パネル(すなわち、各サブ画素における異なるサブ領域の間の制御可能な電圧オフセットを持つ上記分割サブ画素配列)に含まれており、それゆえ、標準的な2DLCDにおけるディスプレイの追加コストは、追加の受動光学配列のコストおよび能動マトリックス画素電子機器用の製造装置の調整のための1回限りのコストのみである。これは、WO2009/104816で説明されているように、異なる分割されたサブ画素サブ領域の間で、制御可能な電圧オフセットを適用する性能を提供するために、ディスプレイ対向基盤を複雑化する要求に対して好適である。
【0026】
分割サブ画素を持つマルチビューディスプレイは、ディスプレイが持つ本来の解像度に応じて駆動することが可能であり、追加の、またはより高速なドライバを必要とはしない。各分割サブ画素を個々に駆動させるための複雑化は最小限であり、概してディスプレイの各行に対して、1つの追加電圧参照接続と、2つの追加スイッチのみを必要とする。この追加は、ドライバのサイズと電力消費に対して与える影響が最小限となる。
【0027】
たとえ各サブ画素における各サブ領域間の電圧オフセットが制御可能でなければならないとしても、このオフセットはディスプレイ全体に渡って設置されてもよく、それゆえ、現行の分割サブ画素タイプのディスプレイにおいて、追加の画素電極は必要とされない。唯一必要とされる調整は、ディスプレイの全画素上の電圧オフセットが、ディスプレイのための最適広視野特性を作り出すために常時固定されることよりも、100%の解像度の2Dモードと第2画像機能モードとの切り替えを可能とするように、全体的な電圧オフセットを可変とすることである。
【0028】
たとえ電圧オフセットが全体に渡って設定されなければならないとしても、容量結合駆動方式を使用する現行の分割サブ画素タイプのディスプレイは、概して画素のサブ領域の各行に対して単独の蓄積キャパシタラインを持ち、すなわち、各行の画素に対する2つの蓄積キャパシタラインを、各画素に対する2つのサブ領域を持つディスプレイに対して持つ。LCDディスプレイは概して、信号電圧を同時に受ける行内の全ての画素に対して行ごとにアドレスされ、全ての行がフレーム時間内にアドレスされることから、本発明に係るタイプのディスプレイが、各行上の各画素における異なるサブ領域間の電圧オフセットを制御することが可能となる。それゆえ上記ディスプレイは、フル解像度2D画像を表示する性能を持ち、上記ディスプレイの異なる領域において同時に第2画像機能モードを持つ。
【0029】
本発明に係る一様態によれば、ディスプレイは、それぞれが複数のサブ領域に分割される複数のサブ画素と、光学部品と、制御電子回路とを備えており、上記複数のサブ画素は、それぞれ、単独のゲートラインと、単独の信号ラインとを備えており、特定のサブ画素内の各サブ領域は、対応する蓄積キャパシタラインを備えており、上記光学部品は、上記サブ画素の対応するサブ領域に応じた別個の角度依存明度作用を引き起こすように、上記複数のサブ画素と協調的に組み合わされており、上記制御電子回路は、上記サブ画素に含まれる上記ゲートラインおよび上記信号ラインを介して、各サブ画素に含まれる各サブ領域に、信号データ電圧の形式で画像データレベルを供給し、上記制御電子回路は、対応する蓄積キャパシタラインを介して、上記サブ画素に含まれる各サブ領域に供給された上記信号データ電圧を独立して調整し、少なくとも2つの異なる画像機能に基づいて動作する。
【0030】
本発明に係る他の様態によれば、上記少なくとも2つの異なる画像機能は、公共広視野2Dモード、プライベート狭視野2Dモード、公共広視野3Dモード、プライベート狭視野3Dモード、およびデュアルビューモードからなる群より選択される。
【0031】
本発明に係る他の様態によれば、上記制御電子回路は、対応する蓄積キャパシタラインを介して、特定のサブ画素の各サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、同じ大きさに調整する。
【0032】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、上記制御電子回路は、上記サブ画素の各サブ領域が0でない画像データレベルに対して0でない明度を有するように、特定のサブ画素の各サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、異なる大きさに調整する。
【0033】
本発明に係る他の様態によれば、上記制御電子回路は、上記少なくとも1つのサブ領域が全ての画像データレベルに対して実質的に明度を有しないように、特定のサブ画素の少なくとも1つのサブ領域に供給される上記信号データ電圧を調整する。
【0034】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、上記制御電子回路は、時分割多重化方式で上記複数のサブ画素を駆動するように構成されており、第1の時間フレームの間、特定のサブ画素の第1セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルにかかわらず、実質的に明度を有さず、上記第1の時間フレームの間、上記特定のサブ画素の第2セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルに実質的に関連した明度を有し、上記第1の時間フレームに続く第2の時間フレームの間、上記サブ画素の上記第1セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルに実質的に関連した明度を有し、上記第1の時間フレームに続く上記第2の時間フレームの間、上記サブ画素の上記第2セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルにかかわらず、実質的に明度を有さない。
【0035】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、実質的に上記サブ画素と同じピッチを持つパララックス部品であり、該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の角度依存明度作用を引き起こし、上記制御電子回路は、2Dおよび3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されている。
【0036】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、上記サブ画素と実質的に同じピッチを持つパララックス部品であり、該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の主方向角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の主方向外角度依存明度作用を引き起こし、上記制御電子回路は、公共広視野2Dおよびプライベート狭視野3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、独立して調整するように構成されている。
【0037】
本発明に係る他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、実質的に上記サブ画素の2倍のピッチを持つパララックス部品であり、上記パララックス部品は、上記複数のサブ画素のうちの隣接する第1サブ画素および第2サブ画素のペアに関して、上記第1サブ画素の上記第1サブ領域と協調して第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記第1サブ画素の上記第2サブ領域と協調して第2の角度依存明度作用を引き起こし、上記第2サブ画素の上記第1サブ領域と協調して第3の角度依存明度作用を引き起こし、上記第2サブ画素の上記第2サブ領域と協調して第4の角度依存明度作用を引き起こし、さらに、頭の動きを追跡するように構成され、動作可能なように上記制御電子回路と結合されたカメラを備え、上記制御電子回路は、2Dおよびヘッドトラッキング3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、独立して調整するように構成されている。
【0038】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、実質的に上記サブ画素の2倍のピッチを持つパララックス部品であり、該パララックス部品は、第1サブ画素および第2サブ画素の上記第1サブ領域と協調して、主方向上の2D画像および3D画像の表示に用いるための角度依存明度作用を引き起こし、上記第1サブ画素および上記第2サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、主方向外の2D画像の表示に用いるための角度依存明度作用を引き起こし、上記制御電子回路は、2Dと、プライベート狭視野2Dと、3D表示モードとを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されている。
【0039】
本発明に係る他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、実質的に上記サブ画素と同じピッチを持つパララックス部品であり、該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の角度依存明度作用を引き起こし、上記制御電子回路は、時分割多重化方式によるデュアルビューを実現するために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されている。
【0040】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、上記光学部品は、透過領域、非透過領域、レンズアレイ、またはこれらの組み合わせから成るパララックスバリヤである。
【0041】
本発明に係るさらなる様態にかかり、指定されたサブ画素内のサブ領域は実質的に同じサイズを持つことができる。指定されたサブ画素内のサブ領域は異なるサイズを持つこともできる。
【0042】
本発明に係るさらなる様態によれば、パララックス部材は透明および不透明な領域から成るパララックスバリヤであってもよい。パララックス部材はレンズアレイから成ってもよい。パララックス部材はパララックスバリヤとレンズアレイから成ってもよい。パララックス部材は1次元において周期的であってもよい。パララックス部材は2次元において周期的であってもよい。レンズ部品は光を面(円柱レンズ)または点(球状レンズ)へと集光してもよい。
【0043】
本発明に係るさらなる様態によれば、液晶ディスプレイ機器は、透過型機器、反射型機器、および半透過型機器のいずれか1つであってもよい。
【0044】
本発明に係るさらなる様態によれば、パララックス部材の構造におけるピッチは、ディスプレイの中心軸の周辺に位置するユーザが、画像パネルディスプレイの範囲に渡って画像を等しく見ることができるように選ぶことができる。
【0045】
上述および関連する目的を達成するために、本発明は、以下で十分に記載され、クレームによって部分的に指し示される特徴を含む。以下の記述および添付された図面は、本発明において示される実施形態の詳細を述べる。しかしながら、これらの実施形態は、本発明の原理が用いられる多様な方式のうちのいくつかを示す。本発明の他の目的、利点、および斬新な特徴は、添付図面を参照して、以下の発明の詳細な記載を考察することで、さらに容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
添付した図面において、同じ参照番号は同じ部品または特徴を指し示す。
【図1】図1aは、パララックスバリヤを持つ従来の自動立体3Dディスプレイの正面図である。図1bは、図1aで示されたパララックスバリヤを持つ従来の自動立体3Dディスプレイの断面側面図である。
【図2】図2aは、レンズアレイを持つ従来の自動立体3Dディスプレイの正面図である。図2bは、図2aで示されたレンズアレイを持つ従来の自動立体3Dディスプレイの断面側面図である。
【図3】図3aは、本発明に係る典型的な実施形態における容量結合駆動分割サブ画素型マルチビューディスプレイの回路図である。図3bは、本発明に係る他の典型的な実施形態における容量結合駆動分割サブ画素型マルチビューディスプレイの回路図である。
【図4】図4aは、本発明に係る典型的な実施形態における容量結合分割サブ画素の回路配置である。図4bは、図4aで示された容量結合分割サブ画素の等価回路である。図4cは、本発明に係る典型的な実施形態における典型的な駆動スキームを示すタイムチャートである。
【図5】図5aは、典型的なLCディスプレイにおける電圧/輝度応答特性を示す図である。図5bは容量結合駆動方式がどのようにLCディスプレイにおける電圧/輝度応答特性を利用するかを示す図である。
【図6】図6aは、LCディスプレイにおける電圧/輝度応答特性に沿ったプラス方向における全範囲の変換に電圧VCSを使用していることを示す図である。図6bは、LCディスプレイにおける電圧/輝度応答特性に沿ったマイナス方向における全範囲の変換に電圧VCSを使用していることを示す図である。
【図7】標準的なサブ画素を示す図である。
【図8】本発明に係る典型的な配列における分割サブ画素を示す図である。
【図9】本発明に係る他の典型的な配列における分割サブ画素を示す図である。
【図10】本発明に係る他の典型的な配列における分割サブ画素を示す図である。
【図11】従来のディスプレイにおいて自動立体3D画像を生成するための2つの標準的なサブ画素とレンズを示す概念図である。
【図12】本発明に係る実施形態1における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図13】本発明に係る実施形態1における第1フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図14】本発明に係る実施形態1における第2フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図15】本発明に係る実施形態2における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図16】本発明に係る実施形態2における第1フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図17】本発明に係る実施形態2における第2フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図18】本発明に係る実施形態3における四方向ヘッドトラッキングシステムにおける2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図19】本発明に係る実施形態3における四方向ヘッドトラッキングシステムにおける第1フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図20】本発明に係る実施形態3における四方向ヘッドトラッキングシステムにおける第2フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図21】本発明に係る他の典型的な配列における非対称である分割サブ画素を示す図である。
【図22】本発明に係る実施形態4における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図23】本発明に係る実施形態4におけるプライベートモード(主方向観測)における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図24】本発明に係る実施形態4におけるプライベートモード(主方向外観測)における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図25】本発明に係る典型的な配列における他の非対称である分割サブ画素を示す図である。
【図26】本発明に係る実施形態5におけるプライベートモード(主方向観測)における自動立体3D画像および2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図27】本発明に係る実施形態5における非プライベートモード(主方向外観測)における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明を、図面を参照して説明し、図中において、同じ参照番号が同じ部品に使用されている。
【0048】
図3aは本願に係る典型的な実施形態における容量結合駆動分割サブ画素型マルチビューディスプレイ100の回路図を示す。ディスプレイ100は、制御電子回路102と液晶(LC)ディスプレイパネル104とを含む。制御電子回路102は、従来、デジタル画像データを受信し、液晶(LC)パネル104に含まれる各画素に対して、アナログ信号電圧を出力するように設計されている。加えて、制御電子回路102は、LCパネル104内の全ての画素の対向電極に対するタイミングパルスと共通電圧を提供する。
【0049】
より詳細には、制御電子回路102は、特にLCパネル104の電気光学特性にや対応するよう設定されており、入力画像データによって決まる信号電圧を出力し、表示された画像の知覚品質(すなわち、ディスプレイの面の垂直方向(主方向)から観察している主要観察者に対する解像度、コントラスト、明度、反応時間など)が最適化する。指定された画素に対する入力画像データ値とディスプレイから生じる観察輝度との間の関係性(ガンマ曲線)は、ディスプレイドライバにおける信号電圧マッピングに対するデータ値と、LCパネル104における輝度反応に対する信号電圧とを組み合わせた効果によって決定される。
【0050】
制御電子回路102は、ゲートラインVgを介してゲート制御電圧をLCパネル104に対して提供するゲートドライバ106と、ソース信号ラインVsigを介して信号データ電圧(画像データレベル)を画素に対して出力するソースドライバ108とを含む。制御電子回路102はさらに、ここで説明されている本発明に係り、蓄積キャパシタラインVcs上の電圧を調整することで画素を駆動させるための蓄積キャパシタラインドライバ110を含む。
【0051】
制御用特定用途集積回路(ASIC)112は、ここで説明されているように、表示される画像データ信号を受信し、対応するデータ電圧およびタイミング信号をゲートドライバ106、ソースドライバ108、および蓄積キャパシタラインドライバ110に対して提供する。ディスプレイ100はさらに、必要な直流電圧を提供するためのDC/DCコンバータ114と、バックライトランプ118に電力を提供するインバータ116とを含む。
【0052】
より詳細に後述されるように、ディスプレイ100はさらに、パララックス部材やレンズアレイのような光学部品6(図3aには図示せず)を含む。LCパネル104内の各画素は、サブ画素(例えば、図3aに示されているサブ画素1〜4)から成る。たとえ他の分割サブ画素の構成が同様に該サブ画素に対して適用可能であると理解されているとしても、それぞれが複数のサブ領域(例えばサブ領域1と2)を持つ分割サブ画素を形成するように該サブ画素は分割される。上記光学部品は、別個の角度依存明度機能(角度依存明度作用)を、サブ画素内の対応するサブ領域に関連して生成するために、複数のサブ画素と協調的に結合している。
【0053】
先行技術において説明されているタイプの容量結合駆動分割サブ画素ディスプレイにおいて、VCSライン上の電圧の調整は、固定された差異を持つ各サブ画素における第1および第2のサブ領域におけるVCSラインに信号を印加することに限定されており、これにより、広視野角度特性を最適化するための、分割されたサブ画素サブ領域それぞれにおける電圧の固定オフセットを作り出す。
【0054】
本発明に係る実施形態1において、図3aに示される制御電子回路102は、上記VCSドライバ110が上記異なる分割されたサブ画素サブ領域に対して多様な信号を選択的に提供することができるように上記制御電子回路が調整されているという点で先行技術と異なっており、これにより、指定された分割サブ画素における上記2つのサブ領域間の上記電圧差を完全に制御することができる。本発明に係る前述の光学部品実施形態と組み合わせた時、指定されたサブ画素における各サブ領域上の上記電圧を(したがって上記輝度を)独立して制御または調整する能力により、上記ディスプレイ100は、公共広視野2Dモードと、少なくとも第2の観賞モード(例えば自動立体3D)とを切り替えることが可能となる。
【0055】
本発明に係る他の典型的な実施形態におけるディスプレイ100’が、図3bに示されている。図3bにおける実施形態が持つ上記蓄積キャパシタVCSラインの数が半分であるという点で、図30における実施形態は図3aにおける実施形態と実質的な部分で異なる。本質的に、上記蓄積キャパシタラインドライバ110’は、1つのVCSラインを2つの隣接したサブ画素間で共有する。VCSラインの数の低減は、蓄積キャパシタラインドライバ110’の簡略化および各画素の開口率の改善に関して利点となる。
【0056】
図4aおよび4bは、図29および30における実施形態で実証される、本発明に係る典型的な分割サブ画素配列をより詳細に示す。図4aは、上記LCパネル104に含まれる、指定されたサブ画素120を示す。各サブ画素120は、それぞれ第1および第2のサブ画素サブ領域1および2へと分割される。各サブ領域における上記電極122は、それぞれのTFT(例えば、TFT1とTFT2)を介して共通ゲートラインVgと接続されており、そして、それぞれの蓄積キャパシタ(例えば、Cs1とCs2)を介して対応する蓄積キャパシタラインVCS(例えば、VCS1とVCS2)と接続されている。図4bは、各サブ領域1、2を、該サブ領域の電気的に等価な要素、すなわちキャパシタンスClC1およびClC2によって、それぞれ示す。上記画素電極122と、Vcomによって表される上記共通電極との間の液晶体は、キャパシタンスClCとみなすことができることは、周知である。本明細書で記載されるVSPは分割画素におけるTFT側の電圧であり、VCOMは分割画素における非TFT側の電圧である。標準的なLCD動作を仮定すると、VCOMは全ての分割サブ画素における全てのサブ領域に対して同一である。VLCは、VSPとVCOM間の電位差である。
【0057】
本発明に係る典型的な光学上の実施形態は、上記LCパネル104を介して提供される画素化された画像表示とパララックス部材型光学部品との組み合わせに関するものであり、該組み合わせによって一連の角度依存観賞区域を生成し、それぞれの区域が各自の、上記ディスプレイのサブ画素に対する角度依存明度機能を示す(すなわちマルチビューディスプレイである)。画像データは上記LCパネル104に含まれるサブ画素に対して、適切なアドレス指定を使用した上記ゲートドライバ106およびソースドライバ108によって提供されており、そして、サブ画素サブ領域蓄積キャパシタ(例えば、Cs1とCs2)に対する適切な電圧は、公共広視野2Dモードと、少なくとももう1つ他の画像機能モードとを持つディスプレイを実現するように、上記蓄積キャパシタラインドライバ110を介して提供されている。上記他の画像機能モードは、プライベート狭視野モード、自動立体3Dモード、プライベート自動立体3Dモード(3D画像のプライベート観賞)、およびデュアルビューモードなどを含むが、これらに限定されない。上記公共広視野モードにおいて、表示された画像は全方向から視認可能である。上記プライベート狭視野モードにおいて、画像はディスプレイと垂直な軸の周辺において十分に視認可能である。上記自動立体3Dモード(以降3Dモード)において、画像は奥行きを持って知覚されるように表示されており、従って3次元画像も実現している。上記デュアルビューモードにおいて、第1の画像が上記ディスプレイにおいて十分に左側に表示される一方、該第1の画像と独立した第2の画像は、記ディスプレイにおいて十分に右側に表示されている。
【0058】
好適な実施形態では、上記分割サブ画素型LCDディスプレイ制御電子回路102、102’は、EP00336570A1に記載された方式と一部で類似している容量結合方式によって、上記サブ画素サブ領域1、2を駆動させる。上記ディスプレイ100、100’の特徴は、各フレーム期間内のアドレス指定期間中、そして次のアドレス指定期間中、但し、なお同じフレーム期間の中で、上記ディスプレイ100、100’の各分割サブ画素120における全てのサブ領域(例えば、サブ領域1および2)に対して、単一の信号データ電圧を提供する性能を持ち、上記異なる分割サブ画素サブ領域における上記蓄積キャパシタラインVCSに対して個別に制御可能な電圧を印加することで、上記分割サブ画素120における上記異なるサブ領域1、2上の電圧に対して個別に制御可能なオフセットを印加する性能を持つことである。
【0059】
上記ディスプレイ100、100’の各サブ画素120に対してアドレス指定電圧を印加する順序は、図4a、4b、および4cに表記された電圧に関して、以下のようにできる。サブ画素の各行は、上記フレーム時間中に順次的にアクティブ化される。行は、その行の全てのサブ画素の薄膜トランジスタTFT1およびTFT2を導通状態に切り替える、その行のゲートラインVgに対してのゲート電圧信号を適用することよってアクティブ化される。アクティブな行内の各サブ画素に対する上記信号データ電圧が、上記制御電子回路102、102’によって作り出され、上記ソースドライバ108から各サブ画素へと、対応するデータ信号ソースラインVsigを介して送信される。蓄積キャパシタCS1とCS2、および各サブ画素における液晶セルキャパシタCLC1とCLC2は、ソース信号ラインVsigを介して提供された該キャパシタの信号データ電圧へと充電される。一度この充電が行われると、上記ゲートラインVg上のアクティブ化信号は上記ゲートドライバ106によって取り除かれ、上記TFT(例えば、TFT1とTFT2)をオフにし、各サブ画素サブ領域1、2の上の電荷を十分に絶縁する。上記サブ画素電極122とは反対側に位置する、上記蓄積キャパシタCS1とCS2の電圧VCS1とVCS2はそれぞれ変更され、各サブ画素サブ領域1、2の上の電圧と容量結合し、そして、各サブ画素領域1、2において上記液晶層に渡って印加される意図した電位差(VLC)、すなわちVSP1とVCOM間の電位差およびVSP2とVCOM間の電位差を生じさせるために必要とされる量へと、上記フレーム時間の残りにおいて、電圧のオフセットを行う。その結果、上記分割サブ領域1、2における輝度が実質同じになるように、上記VSP1とVSP2の電圧が同じになってもよく、この動作モードは概して第1の公共広視野モードと結び付けられる。あるいは、上記分割サブ画素領域1、2の輝度(および結果として生じる明度)が、全ての0でない信号電圧に対して異なる輝度であるが0ではない輝度となるように、上記VSP1とVSP2の電圧が異なっていてもよく、この動作モードは概して、第1の公共広視野モードに対して異なる角度依存観賞特性を持つ第2の公共広視野モードと結び付けられる。あるいは、上記指定された分割サブ画素領域(例えば領域1)の輝度が、全ての0でない信号電圧に対して0でない一方、先述の分割サブ画素のほかの領域(例えば領域2)の輝度が、全ての信号電圧に対して0であるように、上記VSP1とVSP2の電圧が異なっていてもよく、この動作モードは概して、自動立体3Dモードやプライバシーモードなどの他の画像機能モードと結び付けられる。
【0060】
図4cは、時間フレーム1において、上記VCS2の電圧がほぼ0である一方、VCS1は0でない電圧を持つことを示す。その結果、分割サブ画素領域1の上の上記電圧VSP1は、前述の分割サブ画素における領域2の上の上記電圧VSP2より大きくなる。今度は、分割サブ画素領域1における輝度が、分割サブ画素領域2における輝度よりも強くなる。時間フレーム1において、上記分割サブ画素領域2における輝度は0となることができる。上記ディスプレイ機器は、ユーザによって決定された、時間フレーム1に続くいくつかのフレームにおいて、上記VCS2の電圧が実質0であり、それゆえ上記分割サブ画素領域2における輝度が0となることができるように動作することが可能である。すなわち、上記フレーム1の駆動スキームは、ユーザから制御命令を受け取るまで有効である。あるいは、時分割多重化駆動スキームを実現することができる。該時分割多重化駆動スキームにおいて、上記VCS1の電圧が実質0である一方、0でない電圧がVCS2に印加されることにより、時間フレーム2において分割サブ画素領域2が分割サブ画素領域1よりも大きな輝度を持つように、時間フレーム2が時間フレーム1に続いて使用される。該時分割多重化駆動スキームにおいて、制御命令がユーザによって出されるまで、フレーム1などに続くフレーム2に、フレーム1は続く。該時分割多重化スキームは、表示された画像における知覚される解像度を増大させる点において利点がある。
【0061】
図4cは単に例示を目的とした概念図であることは理解されるであろう。要求された効果を生じさせるために、アドレス指定電圧において必要とされるタイミングと大きさに関する詳細な説明がEP00336570A1に記載されており、その根本的な違いとして、本発明において多重VCSラインはサブ画素ごとに存在し、それぞれが該サブ画素における異なる分割サブ画素サブ領域1、2と結合しており、これらの異なるVCSライン上のオフセット電圧は、上記蓄積キャパシタドライバ110、110’を介して個別に制御可能である。
【0062】
慣例的に、上記容量結合駆動方式は、液晶層が完全にオフ(実質的に輝度を有さない)から完全にオン(実質的に最大輝度を有する)へ駆動させるために、上記信号電圧が及ばなければならない電圧範囲を最小限にするために使用されており、順次的なフレーム期間中に電力消費を削減するように、各画素に渡って印加されている電圧の極性を反転させるためにも、上記容量結合駆動方式は使用される。図5aおよび5bにおいて、この方式を達成する方法が示されている。図5aは、典型的な液晶セルにおける電圧透過率曲線を示し、x軸VLCが上記液晶層に渡る電位差(すなわち図4bで表されるVSPとVCOM間の電位差)であり、y軸が上記セルを通過する光の透過率である。VLCが増大しても、印加電場へのLCディレクタの結合が上記液晶体の弾性定数に打ち勝ち、ディレクタに歪みが生じる点閾値電圧VTに、VLCが達するまでは、透過が起こらないことは明らかである。VLCがさらに増大するに従って、上記液晶が印加電場に完全に従うように歪み、さらなる透過率の増加が得られなくなる点VMAXに達するまで、印可電場によるLCディレクタの新しい方向付けがさらに増大し、透過率が増大する。上記液晶セルを完全な黒色から完全な透過状態まで駆動するために必要とされる駆動電圧の総合範囲は、ΔV=VMAX−VTである。図5bは、上記容量結合駆動方式がどのように、−ΔV/2から+ΔV/2のみの範囲内における全ての画素に対して上記データ信号電圧を書き込むことにおいて利点となるかを示し、一度この削減された大きさの信号電圧が上記画素に書き込まれると、上記画素における上記蓄積キャパシタラインに対して印加された上記電圧VCSは変更され、VSP上の電圧をVOFF=VT+ΔV/2だけオフセットし、上記画素を通過する光が必要な透過率となるようにする範囲へと上記信号電圧を変更する。順次的なフレームにおいて、各画素に対する上記データ信号および上記VOFFの極性は、上記液晶層に渡る電圧の直流的なバランスを長期間に渡って取るために、逆転させることができる。これにより、大きなキャパシタンスを持ち、それゆえより多くの電力を消費する全てのフレームにおいて上記LC対向電極板上の電圧VCOMの極性を逆転させる必要性を減らすことができる。上記液晶層が完全に切り替わるが0V(ゼロボルト)に中心があるような範囲と、ほぼ等しい幅の範囲に上記デ−タ電圧を書き込み、次に上記電圧VCSを使って、上記液晶切り替え範囲電圧を網羅する点に対して全範囲をプラス方向かマイナス方向のいずれかに変換する手段が、図6aおよび6bに示されている。
【0063】
本発明に係る、上記ディスプレイ100、110’の駆動スキームにおいて、各サブ画素120における上記異なるサブ領域1、2に対して異なるVOFFが印加されてもよい。上記2Dモードにおいて、上記蓄積キャパシタラインドライ110、110’を介して上記異なるサブ領域に印加されたVOFFを実質的に等しくすることにより、上記各サブ画素120のサブ領域1、2が効果的に同じ明度を透過するか、または、VOFFにおいて相対的に小さな差異を与えることにより、上記サブ画素における広視野角特性を向上させることができる。上記サブ画素における広視野特性を最適化するために、上記異なるサブ領域から必要とされる透過率の差異は、US7079214においてより詳細に記載されている。
【0064】
本発明に係る、上記ディスプレイ100、100’における指向性ディスプレイモード(すなわち上記プライベートモード、3Dモード、プライベート3Dモード)において、上記サブ画素サブ領域の一つ(例えば、サブ領域1)は、上記2Dモードにおける場合と同じVOFFを受け取る一方、他のサブ領域(例えば、サブ領域2)は、0であるVOFFを受け取る。この方法により、たとえ上記ソース信号ラインVsigを介して、全ての上記サブ領域1、2に対して同じデータ電圧が書き込まれたとしても、上記液晶セルの閾値電圧が上記電圧駆動範囲の半分よりも大きかったならば(VT≧ΔV/2)、0であるVOFFが印加されたサブ領域は、実質的に透過性を生じさせない。この方法により、各々に対して独立してアドレス可能な画素から成る上記サブ領域の一部は、選択的にスイッチオフできる(例えば、輝度ゼロ)。
【0065】
異なるサブ領域から異なる視野角範囲へ光を向ける受動パララックス部材と組み合わせた時、上記フレーム時間におけるデータ書き込み期間の間に上記サブ領域1、2が同じ信号電圧でアドレスされているにも関わらず、上記ディスプレイ100、100‘の各サブ画素120における上記サブ領域1,2の一部を、選択的にスイッチオフする能力により、と、、上記ディスプレイ100、100’は異なる表示モードの間で切り替え可能となる。上記ディスプレイ100、100’はそれゆえに、単純に各サブ画素サブ領域における上記異なる蓄積キャパシタラインVCSに対して印可される電圧の差異を変えることによって、1つ以上の指向性ディスプレイモードにおける100%の解像度を持った2D画像を表示する性能を有する。
【0066】
図7に関して、液晶ディスプレイにおける従来のサブ画素3は、光変調領域3aと、該光変調領域3aを制御する電子機器領域3bから成る。上記光変調領域3aはさらに、上記LCDを通過する光の量を調整する領域と、上記LCDから反射された光の量を調整する領域とに再分割されてもよい。ある場合において、上記LCDから反射された光を調整する領域は、上記電子機器領域3bの上部に配置されている。
【0067】
図8、9、および10は、本発明に係るディスプレイ100、100’において使用されるサブ画素120の異なる典型的な実施形態を示す。各実施形態において、上記サブ画素120は、2つのサブ領域1および2から成るが、上記サブ画素120は、本発明の請求項の範囲から外れることなくサブ領域をいくつでも含むことができることは理解されるであろう。上記領域1および2はさらに、2つの光変調サブ領域1aおよび2a、そして該光変調サブ領域1aおよび2aをそれぞれ制御する2つの電子機器サブ領域1bおよび2bへと分割される。上記光変調サブ領域1aおよび2aはさらに、上記LCパネル104を通過する光の量を調整する部分サブ領域(不図示)と、上記LCパネル104から反射される光の量を調整する部分サブ領域とに分割される。ある場合において、上記LCパネル104から反射される光を調整する上記部分サブ領域は、上記電子機器領域1b、2bの上部に配置されている。図8から10は全て、上記光変調サブ領域1aと2aおよび上記電子制御サブ領域1bと2bの配置によって互いを区別する分割サブ画素システムを説明する。
【0068】
上記ディスプレイ100、100’は、図8、9、および10で示される分割サブ画素120によって全体的に構成されてもよい。あるいは、上記ディスプレイ100、100’は、分割サブ画素、サブ画素、および/または標準的な画素の複合で構成されてもよい。上記ディスプレイがモノクロディスプレイである場合、そのディスプレイは分割画素によって成されてもよい。一般的に、ディスプレイは2つ以上の異なるタイプの標準的および図7から10に示されるような分割サブ画素配列によって成されてもよい。
【0069】
図11は、標準的なサブ画素3の実質2倍のピッチを持つ光学部品6が、光変調領域3Laおよび光変調領域3Raのための2つの角度依存景色ウィンドウを形成するために使用されている、従来の配列を示す。上記ディスプレイユーザは、画素領域3Laから左目5Lに対して情報を受け取り、画素領域3Raから右目5Rに対して情報を受け取る。上記光学部品6は、例えば、レンズアレイ、パララックスバリヤレイ、またはレンズとパララックスバリヤ部品の組み合わせであってもよい。上記光学部品が受動的(切り替え不可能)である場合、2D画像および3D画像の解像度は、本来のディスプレイの解像度の50%となる(すなわち、光学部品6が付属していないディスプレイの解像度の50%)。
【0070】
図12は、本発明に係り、上記サブ画素120と連携した光学部品6の配列を示す。図12に示されるように、分割サブ画素120と実質的に同じピッチを持つ光学部品6を使用して、光変調領域1Laと1La’のための第1の角度依存景色ウィンドウ、および光変調領域2Raと2Ra’のための該第1の角度依存景色ウィンドウとは異なる第2の角度依存景色ウィンドウを生成している。図12における上記分割サブ画素配列は、図8における分割サブ画素配列に基づく。しかしながら、図9および図10に示されるような他の分割サブ画素配列は、全て図12で使用するために交換可能である。
【0071】
図12を参照すると、上記ディスプレイユーザは、サブ画素サブ領域1Laと1La’から左目5Lに対して情報を受け取り、画素サブ領域2Raと2Ra’から右目5Rに対して情報を受け取っている。上記光学部品6は、例えば、レンズアレイ、パララックスバリヤレイ、またはレンズとパララックスバリヤ部品の組み合わせであってもよい。
【0072】
図12を参照すると、2D画像の表示のために、各サブ領域1、2が実質的に同じ明度を持つように、分割サブ画素120のサブ領域1、2(例えば、1Laと2Ra)の両方に駆動電圧が印加されてもよい。
【0073】
あるいは、図12を参照して、2D画像の表示のために、最も暗いサブ領域(例えば、1La)の輝度が、最も明るいサブ領域(例えば2Ra)の輝度の50%以上となるように、分割サブ画素120のサブ領域1、2(例えば、1Laと2Ra)の両方に駆動電圧が印加することができる。先述の、および先行技術において、2D画像の主方向外カラー再生を向上させるために、この駆動方法を使用することができる。図12は、ユーザが同じ分割サブ画素120から両眼に対して情報を受け取り、その結果として上記2Dモードの解像度は本来のLCDパネルの解像度の100%であることを明瞭に実証する。
【0074】
分割サブ画素スキームを使用している3D画像の表示のために、各画素の50%(すなわちサブ領域の50%)が実質的に輝度を有さない一方、上記画素サブ領域の残りの50%が自動立体3D画像と結び付けられたそれぞれの目のデータと関連した輝度を持つように、駆動電圧が印加されてもよい。図13は、3Dモードで駆動された時の図12の実施形態を示す。より詳細には、サブ領域1Laが自動立体3D画像における左目のデータに関連した輝度を持つ一方、サブ領域2Raは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。サブ領域2Ra’が自動立体3D画像における右目のデータに関連した輝度を持つ一方、サブ領域1La’は実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。簡潔に図4aと4bを参照し直すと、同じサブ画素における2つのサブ領域に対する輝度に関するこの重要な差異は、上記蓄積キャパシタラインドライバ100、110’によるVCS1とVCS2に対する適切な電圧の印加によって達成される。図13によれば、上記3D画像の解像度は50%である。再度、図12および13における上記分割サブ画素配列は、図8で示される配列に由来する。しかしながら、図9および図10に示されるようなほかの分割サブ画素配列は、図12および13における実施形態で使用するために交換可能である。
【0075】
図14は、図13のモードと比較した代替自動立体3Dモードを示す。図14において、サブ領域2Raが自動立体3D画像における右目のデータに関連した輝度を持つ一方、サブ領域1Laは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。サブ領域2La’が自動立体3D画像における左目のデータに関連した輝度を持つ一方、サブ領域2Ra’は実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。再度、図4a、4bおよび4cを簡潔に参照し直すと、同じサブ画素120における2つのサブ領域に対する輝度に関するこの重要な差異は、上記蓄積キャパシタラインドライバ100、110’によるVCS1とVCS2に対する適切な電圧の印加によって達成される。図14によれば、上記3D画像の解像度は再度50%である。
【0076】
図4c、図13および図14は、3Dモードが2つの別個の方法により達成可能であることを実証する。その結果として、3D画像表示のための時分割多重化スキームは、第1の表示フレームに対応する図13の内容を使用し、第1の表示フレームに続く第2の表示フレームに対応する図14の内容を使用することで実現可能となる。図13と図14で使用されるスキーム間の表示フレームを切り替えることで、100%の解像度の3D画像が実現できる。
【0077】
図12から14における実施形態を参照すると、自動立体3D画像を表示する性能を持つディスプレイは、ディスプレイ機器の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材6により達成可能である。上記パララックス部材6は、同じサブ画素の上記光変調領域1Laと2Raに対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素4の寸法は、幅1La=30μm、幅1b=20μm、幅2b=20μm、幅2Ra=30μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズは、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=450μm、レンズの幅=100μm、レンズの半径は230μmである。上述の値および値の比は、自動立体3D画像を表示する性能を持つシステムの典型例である。
【0078】
図15は、分割サブ画素120と実質同じピッチを持つ光学部品6が、光変調領域1La’と1La’’のための第1の角度依存景色ウィンドウ、および該第1の角度依存視点ウィンドウとは異なる、光変調領域2Raと2Ra’のための第2の角度依存景色ウィンドウを生成するために使用される実施形態を示す。図15における上記分割サブ画素配列は、図8の構成に基づいている。しかしながら、図9および10で示されたような他の分割サブ画素配列は全て、図15で使用するために全て交換可能であることが、再度理解されることであろう。ディスプレイユーザは、サブ画素サブ領域2Raと2Ra’から左目5Lに対する情報を受け取り、サブ画素サブ領域1La’と1La’’から右目5Rに対する情報を受け取る。上記光学部品6は、例えば、レンズアレイ、パララックスバリヤレイ、またはレンズとパララックスバリヤ部品の組み合わせであってもよい。図15における動作は、上記光学部品6と上記分割サブ画素120の配列が、上記光学部品6のピッチの半分と実質的に同じ量だけお互いにオフセットしていることを除いて、図12の動作と基本的には同じである。
【0079】
図15を参照すると、2Dモードにおけるディスプレイに対して、各サブ領域(例えば、1La’と2Ra’)が実質的に同じ明度を持つように、分割サブ画素120(例えば、1La’と2Ra’)のサブ領域1、2の両方に駆動電圧を印加することができる。あるいは、図15を参照して、2Dモードにおけるディスプレイに対して、最も暗いサブ領域(例えば、1La’)における輝度が、最も明るいサブ領域(例えば、2Ra’)における輝度の50%以上となるように、サブ領域1、2の両方に駆動電圧を印加することができる。先述のように、2D画像の主方向外カラー解像度を向上させるために、この駆動方法を使用することができる。図15は、ユーザが同じ分割サブ画素120から両眼に対して情報を受け取り、その結果として上記2Dモードの解像度は本来のLCパネル104の解像度の100%であることを明瞭に実証する。
【0080】
図16および17は、3Dモードにおける図15の実施形態の動作を示す。分割サブ画素スキームを使用している3D画像の表示のために、各画素の50%(すなわち上記サブ領域の50%)が実質的に輝度を有さない一方、上記画素サブ領域の残りの50%が自動立体3D画像と結び付けられたそれぞれの目のデータと関連した輝度を持つように(すなわち、左目画像データを持つサブ領域は左目に向けられており、逆の場合も同じである)、駆動電圧が印加されてもよい。再度、簡潔に図4a、4bおよび4cを参照し直すと、同じサブ画素120のサブ領域1、2に対する輝度に関するこの重要な差異は、上記蓄積キャパシタラインドライバ100、110’によるVCS1とVCS2に対する適切な電圧の印加によって達成される。図15によれば、上記3D画像の解像度は50%である。図16および図17における動作は、上記光学部品6と上記分割サブ画素120の配列が、上記光学部品6のピッチの半分と実質的に同じ量だけお互いにオフセットしていることを除いて、図13および図14の動作と基本的には同じである。
【0081】
図4c、図16および図17は、上記3Dモードが2つの別個の方法により達成可能であることを実証する。その結果として、3D画像表示のための時分割多重化スキームは、第1の表示フレームに対応する図16の内容を使用し、第1の表示フレームに続く第2の表示フレームに対応する図17の内容を使用することで実現可能となる。図16と図17で使用されるスキーム間の表示フレームを切り替えることで、100%の解像度の3D画像が実現できる。
【0082】
図15、図16および図17を参照すると、自動立体3D画像を表示する性能を持つディスプレイは、ディスプレイ機器の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材6により達成可能である。上記パララックス部材は、隣接するサブ画素の上記光変調領域1Laと2Raに対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素4の寸法は、幅1La=30μm、幅1b=20μm、幅2b=20μm、幅2Ra=30μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズは、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=450μm、レンズの幅=100μm、レンズの半径230μmである。上述の値および値の比は、自動立体3D画像を表示する性能を持つシステムの典型例である。
【0083】
ユーザがディスプレイに対して横方向に動くことができ、常に3D画像を見ることができるようなヘッドトラッキング3Dシステムを実現するために、光学部品と組み合わせた標準的な画素3、ユーザを向いているカメラモジュール、顔認識画像処理ソフト、および関連制御メカニズムを利用することが、US5808792において先立って開示されている。US5808792に開示された技術と組み合わせて分割サブ画素120を使用することにより(図29と図30においてカメラと顔認識ソフトウェア130として一まとめにして描写)、2倍の解像度を持つヘッドトラッキング3Dシステムが可能となる。US5808792に開示された技術に基づく四方向3Dヘッドトラッキングシステムの光学的な詳細が、図18、図19および図20を参照して説明されている。US5808792に開示された技術と組み合わせて分割サブ画素120を使用することにより、2Dモードの2倍の解像度を持つヘッドトラッキング3Dシステムが可能となる。
【0084】
図18を参照すると、上記光学部品6は光学部品8によって置き換えられている。光学部品8のピッチは、分割サブ画素120のピッチの実質2倍であり、第1角度依存景色ウィンドウ9a、第2角度依存景色ウィンドウ9b、第3角度依存景色ウィンドウ9cおよび第4角度依存景色ウィンドウ9dを生成するために使用されている。該視点ウィンドウ9a、9b、9cおよび9dは、互いに角度的にはっきりと区別される。先の実施形態に関して上述されたサブ領域1a、2aと同様に、光変調サブ領域7a、7b、7cおよび7dは、隣接するサブ画素120に渡って存在している。該光変調サブ領域7a、7b、7cおよび7dは、それぞれ前記ウィンドウ9a、9b、9cおよび9d内で見られる。指定された横方向位置のいずれにおいても、ユーザは実質2つの景色ウィンドウからの光のみを見る。図18を参照すると、第1の横方向位置において、ユーザは一つの景色ウィンドウ(例えば、9a)からの光を一つの目で見て、異なる景色ウィンドウ(例えば、9c)からの光を残りの目で見ている。第1の横方向位置におけるユーザについて、ユーザは景色ウィンドウ9bおよび9dからの光を見ることはない。前記第1の横方向位置とは十分異なる第2の横方向位置へとユーザが移動した場合、ユーザは景色ウィンドウ9bからの光を一つの目で見て、景色ウィンドウ9dからの光を残りの目で見る一方、今度は景色ウィンドウ9aおよび9cが視界からよく見えなくなる。上記光学部品8は、例えば、レンズアレイ、パララックスバリヤレイ、またはレンズとパララックスバリヤ部品の組み合わせであってもよい。
【0085】
図18を参照すると、2D画像の表示のために、各サブ領域7aおよび7bが実質的に同じ明度を持つように、上記制御電子回路102によって指定された分割サブ画素120のサブ領域(例えば、7aと7b)の両方に駆動電圧が印加されてもよい。あるいは、図18を参照して、2D画像の表示のために上記制御電子回路102は、2D画像の主方向外カラー再生を向上させるために先述された方法で、上記サブ領域7aおよび7bに対して駆動電圧を印加することができる。いずれの場合においても、ディスプレイユーザはサブ画素(例えば、120a)のサブ領域(例えば、7a)に結び付けられた1つの景色ウィンドウを1つの目で見て、異なるサブ画素(例えば、120b)における異なるサブ領域(例えば、7c)に結び付けられた異なる景色ウィンドウを残りの目で見る。その結果、上記ディスプレイLCパネル104の本来の解像度の半分の解像度を持つ2D画像をユーザは認識する。図18における上記分割サブ画素120が標準的なサブ画素3に置き換えられた場合、必要とされる光学部品8のピッチが上記サブ画素3のピッチに対して実質4倍はなければならないことから、ディスプレイパネルの元々の解像度の4分の1の解像度を持つ2D画像をユーザは認識することは、注目に値する。その結果、分割サブ画素120を使用することにより、標準的なサブ画素3を使用した場合と比較して、四方向ヘッドトラッキングシステムにおける2D画像の解像度が効果的に2倍となる。図18における上記分割サブ画素120の詳細な配列は、図8に示された配列に基づいている。しかしながら、図9および10で示される上記分割サブ画素配列のような他の分割画素配列は全て、図18から20の実施形態で使用するために全て交換可能であることが、理解されることであろう。
【0086】
図19および20を参照すると、3D画像の表示のために、各サブ画素120の50%(すなわち、サブ領域の50%)が実質的に輝度を有さない一方、上記サブ画素120サブ領域の残りの50%が、自動立体3D画像と結び付けられたそれぞれの目のデータと関連した輝度を持つように、上記制御電子回路によって上記駆動電圧が印加されてもよい。再度、同じサブ画素120における2つのサブ領域に対する輝度に関するこの重要な差異は、上記蓄積キャパシタラインドライバ100、110’によるVCS1とVCS2に対する適切な電圧の印加によって達成される。
【0087】
図19を参照すると、分割サブ画素120aのサブ領域7aが自動立体3D画像における左目のデータに関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素120aのサブ領域7bは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。図19を参照すると、分割サブ画素120bのサブ領域7cが自動立体3D画像における右目のデータに関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素120bのサブ領域7dは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。図19を参照すると、分割サブ画素120cのサブ領域7aが実質的に輝度を有さず(すなわち、黒色にスイッチされている)、そして、分割サブ画素120dのサブ領域7cも実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。分割サブ画素120cのサブ領域7bの輝度および分割サブ画素120dのサブ領域7dの輝度は、自動立体3D画像と結び付けられた左目または右目のいずれかのデータに関連する。分割サブ画素120cのサブ領域7bが、左目のデータを表示するか右目のデータを表示するかを判断する方法として、ユーザの横方向運動の向き(左または右)を確定するために、US5808792に記載されているように、カメラと顔認識ソフトウェア130を使用する方法が利用されている。図19および図20によれば、3D画像の解像度は25%となる。
【0088】
図20を参照すると、分割サブ画素120cのサブ領域7aが自動立体3D画像における左目のデータに関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素120dのサブ領域7cは自動立体3D画像における右目のデータに関連した輝度を持つ。分割サブ画素120aのサブ領域7bの輝度および分割サブ画素120bのサブ領域7dは、自動立体3D画像と結び付けられた左目または右目のいずれかのデータに関連する。分割サブ画素120bのサブ領域7cが、左目のデータを表示するか右目のデータを表示するかを判断する方法として、ユーザの横方向運動の向き(左または右)を確定するために、US5808792に記載されているように、カメラと顔認識ソフトウェア130を使用する方法が利用されている。
【0089】
図4c、図19および図20は、3Dモードが2つの別個の方法により達成可能であることを実証する。その結果として、3D画像表示のための時分割多重化スキームは、第1の表示フレームに対応する図19の内容を使用し、第1の表示フレームに続く第2の表示フレームに対応する図20の内容を使用することで実現可能となる。図16と図17で使用されるスキーム間の表示フレームを切り替えることで、四方向ヘッドトラッキング3Dシステムのための、50%の解像度を持つ3D画像が実現できる。
【0090】
図18、19および20における実施形態を参照すると、自動立体3D画像を表示する性能を持つディスプレイ100、110’は、LCパネル104の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材8により達成可能である。2つのサブ画素120に渡る上記パララックス部材は、2つのサブ画素120に対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素120の寸法は、幅7a=7b=30μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズアレイ8は、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=800μm、レンズの幅=200μm、レンズの半径300μmである。上述の値および値の比は、自動立体3D画像を表示する性能を持つシステムの典型例である。
【0091】
図12から14および図15から17における実施形態は、上記光学部品6が、上記サブ画素120の実質半分のピッチと等しい幅だけ、上記LCパネルに対して横方向にずらすことができ、切り替え可能な2D/3D表示システムをなお達成することが可能であることを示す。同様に、図18から20における実施形態で示された光学部品8も、サブ画素の半分のピッチの倍数だけ、ディスプレイに対して横方向にずらすことができ、切り替え可能な2D/3D表示システムをなお達成することが可能である。図18から20に示された実施形態に基づく2D/3D表示システムは、図8から10で例証されたサブ画素配列のいずれの1つ、または組み合わせによって形成されてもよいことは理解されるであろう。
【0092】
図21を参照すると、非対称である分割サブ画素120は、2つのサブ領域11と12から成る。該領域11と12はさらに、光変調のための2つのサブ領域11aと12a、および、該光変調サブ領域11aと12aを制御する2つの電子機器のサブ領域11bと12bに、それぞれ分割される。該光変調サブ領域11aと12aはさらに、上記LCパネル104を通過する光の量を調整する部分サブ領域と、上記LCパネル104から反射された光の量を調整する部分サブ領域とに分割されてもよい。ある場合において、上記LCパネル104から反射された光を調整するサブ領域は、上記電子機器領域11b、12bの上部に配置されている。
【0093】
図22を参照すると、上記非対称な分割サブ画素120と実質同じピッチを持つ光学部品6が、光変調領域11aのための第1の主方向外角度依存景色ウィンドウ、および、領域11aと対称的である第2の主方向外角度依存景色ウィンドウを、光変調領域11a’と垂直なディスプレイに対して生成するために使用されている。該主方向外景色ウィンドウは、ディスプレイの垂直方向から10度以上の角度からしか見えない。光変調領域12aのための第3の主方向角度依存景色ウィンドウも示されている。該主方向景色ウィンドウは、ディスプレイの垂直方向から50度以下の角度からしか見えない。
【0094】
図22を参照すると、公共広視野2D画像表示のために、各サブ領域(例えば、11aと12a)が実質的に同じ明度密度を持つように、非対称的な分割サブ画素120のサブ領域の両方(例えば、11aと12a)に対して、上記制御電子回路102によって駆動電圧が印加されてもよい。それにより、同じ画像が全ての主方向および主方向外から見られる。
【0095】
分割サブ画素スキームを使用したプライベート狭視野2D画像表示のために、各サブ画素120の50%(すなわち、サブ領域の50%)が実質的に輝度を有さない一方、上記サブ画素120サブ領域の残りの50%が画像データと関連した輝度を持つように、上記制御電子回路102によって駆動電圧が印加されてもよい。図23を参照すると、プライベート狭視野2D画像表示のために、プライペート画像と結び付けられた画像データが主方向で見られるようにサブ領域12a、12a’などに印可される駆動電圧(VCS2)が上記蓄積キャパシタドライバ110、110’によって印加される一方、サブ領域11a、11a’などが実質的に輝度を有さないようにサブ領域11a、11a’などに印加される駆動電圧(VCS1)が上記蓄積キャパシタドライバ110、110’によって印加されている。図24を参照すると、非プライベート軸外2D画像表示のために、サブ領域12a、12a’などが実質的に輝度を有さないようにサブ領域12a、12a’などに駆動電圧(VCS2)が印加される一方、非プライベート画像と結び付けられた画像データが主方向外で見られるようにサブ領域11a、11a’などに駆動電圧(VCS1)が印加されている。
【0096】
プライバシーモードの実装例1は、順次的に示される、2つの異なるフレームの時分割多重化を必要とする。プライベート狭視野主方向2D画像が、図23に示されるように、時間フレーム1に表示されており、非プライベート主方向外2D画像が、図24に示されるように、(時間フレーム1に続く)時間フレーム2に表示されている場合、ユーザがプライベート2D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は非プライベート2D画像を見ることによりプライバシー表示が実現する。
【0097】
プライバシーモードの実装例2は、時分割多重化を必要としない。プライベート狭視野主方向2D画像が、図23に示されるように、全てのフレームで表示される場合、ユーザがプライベート2D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は実質輝度を持たないディスプレイを見ることによりプライバシー表示が実現する。
【0098】
プライバシーモードの実装例1(時分割多重化)は、非プライベート主方向外画像がさらに主方向画像を隠すことから、プライバシーモードの実装例2(非時分割多重化)よりも強いプライバシー強度を持つという点で利点がある。しかしながら、プライバシーモードの実装例2(非時分割多重化)は、実装例2における主方向画像が2倍多く時間フレームに表示されることから、プライベート主方向2D画像がプライバシーモードの実装例1(時分割多重化)よりも2倍明るいという点で利点がある。
【0099】
図21から24における実施形態を参照すると、公共広視野画像モードおよびプライベート狭視野画像モードの性能を持つディスプレイは、上記LCパネル104の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材6を使用する。パララックス部材6は、上記光変調領域12aに対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素の寸法は、11a=45μm、11b=25μm、12b=15μm、12b=15μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズは、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=75μm、レンズの幅=100μm、レンズの半径60μmである。上述の値および値の比は、公共広視野画像モードおよびプライベート狭視野画像モードの性能を持つシステムの典型例である。
【0100】
図25から27を参照すると、以下の画像表示モード、すなわち、公共広視野2D画像モード、プライベート狭視野2D画像モード、自動立体3Dモード、およびプライベート自動立体3Dモード(3D画像のプライベート観賞)を持つ、分割サブ画素を利用する表示システムを実現することができる。公共広視野2D画像モードにおいて、広範囲の入射角に渡って画像が識別可能である。プライベート狭視野2D画像モードにおいて、限定範囲の主方向角度におけるユーザにとってプライベート画像が識別可能であるが、十分にディスプレイの主方向外である角度からディスプレイを観賞している第三者にとってライベート狭視野2D画像は識別不可能である。
【0101】
図25および図26を参照すると、分割サブ画素120は、輝度調整のための2つのサブ領域14aと15a、および、サブ領域14aと15aためのそれぞれの制御電子回路14bと15bから成る。公共広視野2D画像の観賞のために、図12、15、18および22で先に示されたような従来のやり方で、画像がパネルに単純にアドレスされている。
【0102】
図26を参照すると、プライベート狭視野2D画像を観賞するために、サブ領域15a、15a’などは、上記プライベート2D画像に関連した輝度を持つ。
【0103】
プライバシーモードの実装例1は、順次的に表示される、2つの異なるフレームの時分割多重化を必要とする。プライベート狭視野主方向2D画像が、図26で説明されるように、時間フレーム1で表示されており、非プライベート主方向外2D画像が、図27で説明されるように、(時間フレーム1に続く)時間フレーム2に表示されている場合、ユーザがプライベート2D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は非プライベート2D画像を見ることによりプライバシー表示が実現する。
【0104】
プライバシーモードの実装例2は、時分割多重化を必要としない。プライベート狭視野主方向2D画像が、図26で説明されるように、全てのフレームで表示される場合、ユーザがプライベート2D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は実質輝度を持たないディスプレイを見ることによりプライバシー表示が実現する。
【0105】
プライバシーモードの実装例1(時分割多重化)は、非プライベート主方向外画像がさらに主方向画像を隠すことから、プライバシーモードの実装例2(非時分割多重化)よりも強いプライバシー強度を持つという点で利点がある。しかしながら、プライバシーモードの実装例2(非時分割多重化)は、実装例2における主方向画像が2倍多く時間フレームに表示されることから、プライベート主方向2D画像がプライバシーモードの実装例1(時分割多重化)よりも2倍明るいという点で利点がある。
【0106】
3D画像の観賞のために図26を参照すると、分割サブ画素120のサブ領域15aが自動立体3D画像における左目のデータと関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素13のサブ領域14aは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。
【0107】
図26を参照すると、(隣接するサブ画素120に対して180度回転された)分割サブ画素120’のサブ領域15a’は自動立体3D画像における右目のデータと関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素120’のサブ領域14a’は実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。
【0108】
3Dモードの実装例1は、順次的に表示される、2つの異なるフレームの時分割多重化を必要とする。プライベート狭視野主方向3D画像が、図26で説明されるように、時間フレーム1で表示されており、非プライベート主方向外2D画像が、図27で説明されるように、(時間フレーム1に続く)時間フレーム2に表示されている場合、ユーザがプライベート3D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は非プライベート2D画像を見ることによりプライバシー3D表示が実現する。
【0109】
3Dモードの実装例2は、時分割多重化を必要としない。プライベート狭視野主方向3D画像が、図26で説明されるように、全てのフレームで表示される場合、ユーザがプライベート3D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は実質輝度を持たないディスプレイを見ることによりプライバシー3D表示が実現する。
【0110】
3Dモードの実装例1(時分割多重化)は、非プライベート主方向外画像がさらに軸上画像を隠すことから、3Dモードの実装例2(非時分割多重化)よりも強いプライバシー強度を持つという点で利点がある。しかしながら、3Dモードの実装例2(非時分割多重化)は、実装例2における主方向画像が2倍多く時間フレームに表示されることから、主方向3D画像が3Dモードの実装例1(時分割多重化)よりも2倍明るいという点で利点がある。
【0111】
図25から27における実施形態を参照すると、以下の画像表示モード、すなわち、公共広視野2D画像モード、プライベート狭視野2D画像モード、自動立体3Dモード、およびプライベート狭視野3Dモード(3D画像のプライベート観賞)を持つ、分割サブ画素を利用する表示システムを、ディスプレイ機器の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材8を使用することで、実現することができる。上記パララックス部材8は、2つの隣接するサブ画素に対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素の寸法は、11a=30μm、11b=20μm、12a=15μm、12b=35μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズは、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=100μm、レンズの幅=200μm、レンズの半径120μmである。上述の値および値の比は、公共広視野2D画像モード、プライベート狭視野2D画像モード、自動立体3Dモード、プライベート自動立体3Dモード(3D画像のプライベート観賞)の性能を持つシステムの典型例である。
【0112】
いくつかの好適な実施形態に関して本発明が示され説明されたが、本明細書および添付図面の解釈と理解に基づいて、同等の代替品および修正品が当該技術分分野の他の技術者により発想される可能性がある。特に、上述の要素(コンポーネント、アセンブリ、機器、構成など)によって実行される様々な機能に関して、それらの要素を説明するために使用されるターム(「手段」への参照を含む)は、他で指摘されない限り、たとえ本発明における本明細書の典型的な実施例での機能を果たす開示された構造と構造的に等価でないとしても、説明された要素における指定された機能を果たす(すなわち機能的に等価である)いずれの要素についても対応する意味を持つ。加えて、いかなる既知もしくは特定の適用例に対しても好ましくかつ有利であるように、本発明の特定の特徴は、いくつかの実施形態の1つのみかそれ以上に関して上述で説明されている一方、そのような特徴は他の実施形態の1つかそれ以上の他の特徴と結び付けられている。
【産業上の利用可能性】
【0113】
少なくとも2つの異なる画像表示機能の性能を持つディスプレイ機器である。該2つの異なる画像表示機能は、例えば、従来の表示、プライバシー表示、自動立体3D表示がある。このようなディスプレイは、例えば、携帯電話、携帯型メディアプレイヤ、ゲーム機器、ノートパソコン、テレビ、デスクトップモニタなど、指向性ディスプレイに使用することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイと、ディスプレイに含まれるサブ画素に関する。このようなディスプレイは、例えば、携帯電話、携帯型メディアプレイヤ、ゲーム機器、ノートパソコン、テレビ、デスクトップモニタなどの、指向性ディスプレイに使用することができる。このようなディスプレイ機器は、例えば、従来の表示、プライバシー用の表示、自動立体3D表示の中の少なくとも2つの異なる画像表示モードの性能がある。
【背景技術】
【0002】
多数のユーザが、従来のディスプレイ機器上の同じ画像を、同時に見ることができる。該従来のディスプレイ機器の特性は、観察者が表示(以降「公共モード」)に対して異なる角度から同じ画像を見ることができることである。これは、多くのユーザが表示から同じ情報(例えば、空港や駅での出発時刻情報の表示など)を要求するような適用例において効果的である。しかしながら、個別のユーザまたは多数のユーザが、同じ表示から角度に依存した情報を見ることができることが好ましい適用例が多くある。例1「プライバシー」では、単独のディスプレイのユーザは、公共の場において機密の資料を見ることを望み、それゆえ、該機密の画像を主方向においてのみ(すなわちユーザの目にのみ)表示し、機密でない画像を第3者から見ることができる主方向外で表示することが好ましいと考える。例2「3D機能」では、ディスプレイから3D画像(知覚的奥行きを持つ画像)を見るために、単独のユーザは、異なる画像(「立体的ペア」)が各々の目に向くように要求する。
【0003】
J.MatherらによるGB2405542(2005年3月発行)において、指向性ディスプレイを生成するためにパララックス部材とディスプレイとを使用することが記載されている。GB2405542の実施形態は、2つの個別の画像が2つの異なる主要な方向から視認可能である、デュアルビューディスプレイの実現に焦点を合わせている。車内用途への適用例に重点が置かれており、したがって、1つの画像がディスプレイの垂直方向の左側において視認可能である一方、第2の画像がディスプレイの垂直方向の右側において視認可能である。GB2405542はさらに、切り替え可能なプライバシー表示も実現され、これにより公共広視野モードおよびプライベート狭視野モードが可能となることも言及している。しかしながら、GB2405542はどのようにプライバシー表示を実現するかを明示的に説明しておらず、どのように上述のプライバシー表示における公共広視野モードとプライベート狭視野モードを電気的に切り替えるかも説明していない。
【0004】
2006年9月27日において、シャープ株式会社は、既存の液晶ディスプレイ(LCD)機器とパララックス部材とを組み合わせることにより、3つの個別の画像を同時に表示する「3方向視LCD」(以降「3視野ディスプレイ」)を発表した。該ディスプレイは、ディスプレイ機器と、基材上に形成されたパララックス部材とを含み、3つのビューを観賞範囲内で視認可能であるように表示する。このLCDは以下の画像機能、すなわち公共広視野モードと3視野モードとを持つ。3視野モードにおいて、3つの独立した画像が異なる方向から視認可能であるように表示され、1つの画像が観察者の主方向において十分に視認可能であり、そして一方、他の画像が観察者から見てディスプレイの主方向外の方向における左側で十分に視認可能であり、そして一方、残る画像が観察者から見てディスプレイの主方向外の方向における右側で十分に視認可能である。3視野モードはプライバシーモードとしても働き、主方向のユーザはコンテンツを視認することができ、主方向外からは視認することができない。同じ画像を左、中央、そして右の視野に向けることで、通常の公共モードが3視野ディスプレイにおいて実現する。該公共モードの主な不利な点は、パララックス部材が取り付けられていない理想的な画像パネルと比較して、画像がたった33%の解像度と約33%の明度しかないことである。この比較的低い公共モードの性能が、このディスプレイモードの適用例を比較的狭い市場に制限している。
【0005】
E.WaltonらによるGB2426352(2006年11月発行)において、公共広視野モード、プライベート狭視野モード、そして自動立体3Dモードをもたらすことができるディスプレイが記載されている。A.JacobsらによるUS7359105(2008年4月発行)には、公共広視野モード、プライベート狭視野モード、デュアルビューモード、そして自動立体3Dモードをもたらすことができるディスプレイが記載されている。GB2405542およびUS7359105の両方の主な不利な点は、追加の画像機能を持つディスプレイを実現するために、追加の液晶切り替えセルを必要とすることである。該追加の液晶切り替えセルは、相対的なディスプレイモジュール全体の厚さと重さを約40%増大させる。該追加される重さと厚さは非常に好ましくなく、特に、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯ディスプレイ製品にとって好ましくない。追加の液晶セルを使用するディスプレイパネルにおいて視角特性を変更する手段は、R.WinlowらによるGB2413394(2005年10月発行)、D.KeanらによるGB2427033(2006年12月発行)、N.SmithらによるGB2439961(2008年1月発行)、T.TakatoらによるJP3607272(2005年1月発行)、T.TakatoらによるJP3607286(2005年1月発行)、K.KnightによるUS5825436(1998年10月発行)そしてG.WoodgateらによるWO04070451(2004年8月発行)においても記載されている。
【0006】
切り替え不可能なプライバシー用の表示を生成するためのレンズとパララックス部材に使用される、関連する先行技術は、N.FurumiyaによるJP2002299039(2002年10月発行)、K.FurukawaらによるJP2006236655(2006年9月発行)、R.MorleyらによるUS6809470(2002年7月発行)、R.MorleyらによるUS7091652(2006年8月発行)、A.ItoらによるUS6935914(2005年9月発行)、J.SturmらによるWO0133598(2001年5月)、そしてS.MoellerらによるWO03007663(2003年1月発行)を含む。公共広視野モードとプライベート狭視野モードとを切り替える性能を持たないディスプレイは、前記2つのモードを切り替え可能であるディスプレイに対して本質的に不利な点を持つ。
【0007】
立体表示は、各々の目に対して、画像の異なる見え方を、現実で起こるように与えることで、画像に対して奥行きの錯覚を与える。次に脳は、これらの見え方を融合させ、脳内の画像の3次元表現を形成する。例えば、これは1つの見え方を1つの偏光によって表示し、他の見え方を異なる偏光によって表示することでなされる。観察者は次に、各接眼レンズが適切な偏光のみを通過させる眼鏡をかけることで、立体的な奥行きを見ることができる。
【0008】
自動立体表示は、立体的な奥行きを与えるために、ユーザが眼鏡をかける必要がない表示である。該表示はこれを、各々の目に異なる画像を投影することで成す。これらの表示は、パララックス部材技術(パララックスバリヤやレンチキュラーレンズなど)を使用することにより達成することができる。
【0009】
これらのタイプのディスプレイは、下記文献において周知である。例えば、3Dのためのパララックスバリヤにおける構成と操作について、L.HillとA.Jacobsによる論文「3D液晶ディスプレイおよびそれらの適用例」(IEEE会報、94巻、3号、2006年3月発行、ページ575〜590)およびH.NamらによるUS7505203B2(2009年3月発行)において詳細に記載されている。
【0010】
要約すると、図1はパララックスバリヤの操作と構成についての基本的な考え方を示す。図1は、自動立体パララックスバリヤ構成における断面図を示す。左目および右目に対しての画像は、先行の構成に関しては、交互の画素の列の上で交差する。パララックスバリヤ内のスリットによって、観察者は左目の位置からは左の画像画素のみを、右目の位置からは右の画像画素のみを見ることができる。観察者は、ディスプレイを主方向から観測する(すなわちディスプレイの面に対して垂直の方向から観察する)ことで立体的な景色を見ることができるが、なお、図1に破線で示すように、立体的な景色を主方向外から(ディスプレイの面に対して斜めの角度から観察する)も見ることができる。主方向からの景色は第1景色ウィンドウと呼び、主方向外からの景色は第2景色ウィンドウと呼ぶ。
【0011】
同じ3D効果が、レンチキュラーレンズを使用することにより達成できる。各レンズは、パララックスバリヤ上のスリットに実質的に相当する。図2と図11は、レンチキュラーレンズを使用する従来の3Dシステムを示す。該レンズは観察者に対して、画素の像を写す。図に示されるように、左の画素からの光は、観測者の左目に向けられており、逆の場合も同じである。これを達成するために、焦点距離は概して、レンズ画素の分離距離とほぼ等しくなるように設置されている(これにより、レンズの焦点距離はおおよそ該画素の面までの距離と等しくなる)。この構成は非常によく機能し、長年の間、良い立体表示を生成するために使用されてきた。
【0012】
パララックスバリヤやレンチキュラー配列を使用する自動立体表示の主な不利な点は、下にあるディスプレイの各画素から照射される光は常に1つの目か他の目に向けられており、両方の目が同時に全てのディスプレイの画素を観察する方法がないことである。これは、もし該ディスプレイが2D画像モードで使用される場合(すなわち標準の2D表示のように、両眼に対して同じ画像が表示される場合)、観察される画像の解像度が半分になることを意味する。この欠点を避けるために、2D〜3D切り替え可能なディスプレイは、J.HarroldらによるUS5969850(1999年10月発行)、G.WoodgateらによるUS20060098296A1(2006年5月発行)、およびW.IjzermanらによるWO2007099488A1(2007年9月発行)において記載されているように作り出されてきた。これらのディスプレイは、電気的に3Dモードと2Dモードを切り替え可能であり、それゆえベースパネルの有する完全な明度と解像度を提供する一方、2D〜3D切り替え機能を提供するために、追加の動的光学部品をディスプレイに追加する必要がある。これによりディスプレイモジュール全体に対して、コストと厚さが加わる。コストと厚さとは、携帯ディスプレイ用途において決定的に重要な要素になり得る。
【0013】
オフセットをデータ信号電圧に対して適用し、画素の輝度を完全なオフから完全な透過までの全範囲で作り出すために必要とされる信号電圧の範囲を最小限にすることと、全てのフレームにおける各画素領域内の液晶層にかかる電圧の極性を交互に変えるための効率的な電力手段を提供することとの両方のために、容量結合を動的マトリックスディスプレイ内の画素電極に対して使用する方法も周知である。TFTのゲートがオンである期間中、画素電極と蓄積キャパシタをデータ信号の電圧まで充電するために、TFT要素を介して、信号データ電圧がソースデータ線から画素電極へと供給され、次にTFTのゲートがスイッチオフされた後、画素電極の電圧に、画素電極との容量結合を介して、画素電極から絶縁された蓄積キャパシタの一端に印加されている第2電圧の画素電極との容量結合を介して、オフセットがかけられるような容量結合駆動が、S.NagataらによるEP00336570A1(1989年10月発行)と、E.TakedaらによるUS5296847(1994年3月発行)と、Tsunashimaおよびその他の者による「上級容量結合駆動を使用した新しいガンマ補正手段(Novel Gamma Correction Method Using an Advanceapacitive Coupling Driving)」(2007年SID摘要、1014p〜1017p)において記載されている。例えば、指示された信号電圧を、0Vから最小の範囲内の値で、画素に書き込み、次に、液晶層を望んだ構成へと切り替えることが可能なように、信号電圧を正しい範囲に変更するべく、画素の列全体に対する蓄積キャパシタラインに対して割り当てられた電圧オフセットを使用する手段が説明されている。
【0014】
「分割サブ画素」配列を利用するLCDディスプレイが製造されており、各個別にアドレスできるディスプレイ要素(例えば、ディスプレイ内の複合RGBホワイト画素の3つのカラーサブ画素の内の1つ)が、2つ以上のサブ領域に分割されており、該サブ領域はお互いに異なる明度を作り出すように設計される一方、該サブ領域が合わせて観察された時は全体としてまとまった明るさを作り出し、該明るさはアドレスされた信号に応じてサブ画素に求められた明るさに対応する。これらの分割サブ画素ディスプレイタイプの目的は、主方向外の輝度レンジを超えて、主方向の輝度の関数として計測される、画素からの主方向外輝度の非線形性を低減することである。多くのLCDディスプレイは、主方向における輝度レスポンスに対して、固有に、非線形の主方向外輝度レスポンスを有している。これは、主方向外から観察された際に、色シフトなどの要因のために、表示された画像の画質の劣化を起こす。各サブ画素を異なる主方向輝度を有する複数の領域から成るようにすることで、各サブ画素サブ領域における非線形の主方向外輝度が平均化され、全体として、主方向外の画像精度を向上させることができる。
【0015】
分割サブ画素における異なるサブ領域が、互いにオフセットの関係にある電圧を持つように、単独のデータ電圧を分割サブ画素に割り当てるいくつかの手段があり、例えば、異なる領域間の容量結合(F.ShimoshikiryoによるUS7079214(2006年7月発行)において記載)や、チャージシェアリング(電荷分割)(S.S.Kimおよびその他の者による「新型駆動スキームと改良型超PVA技術を使用している超分解能LCD(Ultra Definition LCD Using New Driving Scheme and Advanced Super PVA Technology)」(2008年SID摘要、196p〜199p))などである。なお、これらの手段では、単独のデータ電圧が各サブ画素に割り当てられており、分割サブ画素における各サブ領域上に生じる電圧が互いにオフセットである間は、該生じる電圧は互いに固定された関係性を持ち、全て同じ単独のデータ電圧に依存しており、「分割サブ画素」というフレーズに言及される。多数のサブ画素サブ領域を持った改良視野角タイプのディスプレイは、完全に独立してアドレス可能であり、それゆえ、少なくとも追加のゲートまたはサブ画素ごとのソースラインの追加により(S.S.Kimおよびその他の者による「McFiと共に120Hz駆動を使用している動作ぶれ削減のための新型TFT−LCD技術(Novel TFT-LCD Technology for Motion Blur Reduction Using 120Hz Driving with McFi)」(2007年SID摘要、1003p〜1006p)などにおいて記載)、互いに関連したいかなる電圧でも持つことができる。このタイプのディスプレイは、性能の半分の解像度の画像を写しており、本質的には倍の解像度のディスプレイである。同等の2Dディスプレイと比較すると、そのようなディスプレイはそれゆえ、2倍の数のデータドライバか、2倍の速さで動作可能なデータドライバのいずれかを必要とする。これらのディスプレイはさらに、倍の数のゲートドライバも必要とする。該ドライバは、ディスプレイのガラス上のTFT内で実現されてもよく、別個のICとして実現されてもよい。これら各々の変更は、同等の2Dに対してディスプレイのサイズ、電力消費、およびコストを増大させる。
【0016】
単独のデータ電圧を分割サブ画素に割り当てることで、互いにオフセットである電圧を持つ分割サブ画素における異なるサブ領域を生じさせる手段であり、分割サブ画素における異なるサブ領域の間の電圧オフセットが、受動光学部品と連携して、ディスプレイが公共とプライベートや、2Dと3Dなどの異なる観賞モードに切り替え可能なように制御される該手段はB.Broughtonらによる特許文献WO2009/104816(2009年8月発行)によって与えられている。この手段は、OLEDディスプレイが主眼に置かれており、画素電極が配置された能動マトリックス基板と相対する基板上のディスプレイ対向電極が、複数の共通電圧が各画素に印加可能なように、独立して制御可能な複数の領域を持つことを明記している。
【0017】
ユーザがディスプレイに対して横方向に動くことができ、常に3D画像を見ることができるようなヘッドトラッキング3Dシステムを実現するために、光学部品と組み合わせた標準的な画素、ユーザを向いているカメラモジュール、顔認識画像処理ソフト、および関連制御メカニズムを利用することが、G.WoodgateらによるUS5808792(1998年9月発行)において先立って開示されている。
このシステムの不利な点は、2Dモードと3Dモードで感知される解像度が、ディスプレイパネルの本来の解像度の4分の1であるということである(ディスプレイパネルの本来の解像度は光学部品によって調整される)。
【0018】
複数の画像機能モード(例えば、公共広視野2Dモード、プライベート狭視野2Dモード、3Dモード、プライベート狭視野3Dモード)の性能を持つディスプレイ機器を達成するために、光学部品と組み合わせた標準的な画素を使用することが、N.SmithらによるWO2009/104818(2009年8月発行)において先立って開示されている。WO2009/104818で説明されているシステムの不利な点は、ディスプレイシステムにおける主方向の解像度の損失であり、すなわち、複数の画像機能を持つディスプレイにおいて感知される解像度が、ディスプレイパネルの本来の解像度よりも低いということである。
【発明の概要】
【0019】
一般的に、標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)、および先述のサブ画素のための別個の景色ウィンドウのセットを作るための受動パララックス部材から成るいかなるマルチビューディスプレイは、分割サブ画素および同様のタイプの受動パララックス部材から成るマルチビューディスプレイに比べて知覚度の低い2D解像度を持つ。
【0020】
受動パララックス部材と連携して標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)を使用することにより、50%の知覚的解像度を持つ2D画像の表示性能、および50%の知覚的解像度を持つ3D画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。同様のタイプの受動パララックス部材と連携して分割サブ画素を使用することにより、100%の知覚的解像度を持つ2D画像の表示性能、および50%の知覚的解像度を持つ3D画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。先述の分割サブ画素ディスプレイと合わせた時分割多重化技術を使用することにより、3Dモードの知覚的解像度を100%に改良することができる。それゆえ、基本LCDパネルに対して、2Dモードにおける100%の知覚的解像度と3Dモードにおける100%の知覚的解像度を持つ先行の2D〜3D切り替え可能なディスプレイのように、高価でかさばる追加の光学能動素子(すなわち機械的、電気的、または他の方法で切り替え可能なもの)を追加すること必要はない。
【0021】
受動パララックス部材を使用することで2D画像と3D画像とを表示する性能を持つ標準的なサブ画素を持つディスプレイは、先述のパララックス部材が実質2Xミクロンのピッチを持つことを必要とする。同様のタイプの受動パララックス部材を使用することで2D画像と3D画像とを表示する性能を持つ同様のディスプレイは、先述のパララックス部材が実質Xミクロンのピッチを持つことを必要とする。パララックス部材のピッチの50%の削減は、より小さいピッチのパララックス部材は2D画像モードと3D画像モードの両方において画像アーティファクトの差し込みをより少なくするという理由により利点となる。
【0022】
受動パララックス部材と連携して標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)を使用することにより、50%の知覚的解像度を持つ公共広視野2D画像の表示性能、および25%の知覚的解像度を持つプライベート狭視野2D画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。受動パララックス部材と連携した分割サブ画素を使用することにより、100%の知覚的解像度を持つ公共広視野2D画像の表示性能、および100%の知覚的解像度を持つプライベート狭視野2D画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。
【0023】
受動パララックス部材と連携して標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)を使用することにより、25%の知覚的解像度を持つヘッドトラッキング四方向3Dモードの性能、および25%の知覚的解像度を持つ2Dモードの性能を持つディスプレイをもたらすことができる。受動パララックス部材と連携して分割サブ画素を使用することにより、50%の知覚的解像度を持つヘッドトラッキング四方向3Dモードの性能、および25%の知覚的解像度を持つ2Dモードの性能を持つディスプレイをもたらすことができる。先述の分割サブ画素ディスプレイと合わせた時分割多重化技術を使用することにより3Dモードの知覚的解像度を50%に改良することができる。
【0024】
受動パララックス部材と連携して標準的なサブ画素(分割されていないサブ画素)を使用することにより、各画像に対して50%の知覚的解像度を持つデュアルビュー画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。同様のタイプの受動パララックス部材と連携して分割サブ画素と時分割多重化技術を使用することにより、各画像に対して100%の知覚的解像度を持つデュアルビュー画像の表示性能を持つディスプレイをもたらすことができる。
【0025】
ディスプレイの観賞モードを電気的に切り替える手段は、ディスプレイの基本パネル(すなわち、各サブ画素における異なるサブ領域の間の制御可能な電圧オフセットを持つ上記分割サブ画素配列)に含まれており、それゆえ、標準的な2DLCDにおけるディスプレイの追加コストは、追加の受動光学配列のコストおよび能動マトリックス画素電子機器用の製造装置の調整のための1回限りのコストのみである。これは、WO2009/104816で説明されているように、異なる分割されたサブ画素サブ領域の間で、制御可能な電圧オフセットを適用する性能を提供するために、ディスプレイ対向基盤を複雑化する要求に対して好適である。
【0026】
分割サブ画素を持つマルチビューディスプレイは、ディスプレイが持つ本来の解像度に応じて駆動することが可能であり、追加の、またはより高速なドライバを必要とはしない。各分割サブ画素を個々に駆動させるための複雑化は最小限であり、概してディスプレイの各行に対して、1つの追加電圧参照接続と、2つの追加スイッチのみを必要とする。この追加は、ドライバのサイズと電力消費に対して与える影響が最小限となる。
【0027】
たとえ各サブ画素における各サブ領域間の電圧オフセットが制御可能でなければならないとしても、このオフセットはディスプレイ全体に渡って設置されてもよく、それゆえ、現行の分割サブ画素タイプのディスプレイにおいて、追加の画素電極は必要とされない。唯一必要とされる調整は、ディスプレイの全画素上の電圧オフセットが、ディスプレイのための最適広視野特性を作り出すために常時固定されることよりも、100%の解像度の2Dモードと第2画像機能モードとの切り替えを可能とするように、全体的な電圧オフセットを可変とすることである。
【0028】
たとえ電圧オフセットが全体に渡って設定されなければならないとしても、容量結合駆動方式を使用する現行の分割サブ画素タイプのディスプレイは、概して画素のサブ領域の各行に対して単独の蓄積キャパシタラインを持ち、すなわち、各行の画素に対する2つの蓄積キャパシタラインを、各画素に対する2つのサブ領域を持つディスプレイに対して持つ。LCDディスプレイは概して、信号電圧を同時に受ける行内の全ての画素に対して行ごとにアドレスされ、全ての行がフレーム時間内にアドレスされることから、本発明に係るタイプのディスプレイが、各行上の各画素における異なるサブ領域間の電圧オフセットを制御することが可能となる。それゆえ上記ディスプレイは、フル解像度2D画像を表示する性能を持ち、上記ディスプレイの異なる領域において同時に第2画像機能モードを持つ。
【0029】
本発明に係る一様態によれば、ディスプレイは、それぞれが複数のサブ領域に分割される複数のサブ画素と、光学部品と、制御電子回路とを備えており、上記複数のサブ画素は、それぞれ、単独のゲートラインと、単独の信号ラインとを備えており、特定のサブ画素内の各サブ領域は、対応する蓄積キャパシタラインを備えており、上記光学部品は、上記サブ画素の対応するサブ領域に応じた別個の角度依存明度作用を引き起こすように、上記複数のサブ画素と協調的に組み合わされており、上記制御電子回路は、上記サブ画素に含まれる上記ゲートラインおよび上記信号ラインを介して、各サブ画素に含まれる各サブ領域に、信号データ電圧の形式で画像データレベルを供給し、上記制御電子回路は、対応する蓄積キャパシタラインを介して、上記サブ画素に含まれる各サブ領域に供給された上記信号データ電圧を独立して調整し、少なくとも2つの異なる画像機能に基づいて動作する。
【0030】
本発明に係る他の様態によれば、上記少なくとも2つの異なる画像機能は、公共広視野2Dモード、プライベート狭視野2Dモード、公共広視野3Dモード、プライベート狭視野3Dモード、およびデュアルビューモードからなる群より選択される。
【0031】
本発明に係る他の様態によれば、上記制御電子回路は、対応する蓄積キャパシタラインを介して、特定のサブ画素の各サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、同じ大きさに調整する。
【0032】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、上記制御電子回路は、上記サブ画素の各サブ領域が0でない画像データレベルに対して0でない明度を有するように、特定のサブ画素の各サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、異なる大きさに調整する。
【0033】
本発明に係る他の様態によれば、上記制御電子回路は、上記少なくとも1つのサブ領域が全ての画像データレベルに対して実質的に明度を有しないように、特定のサブ画素の少なくとも1つのサブ領域に供給される上記信号データ電圧を調整する。
【0034】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、上記制御電子回路は、時分割多重化方式で上記複数のサブ画素を駆動するように構成されており、第1の時間フレームの間、特定のサブ画素の第1セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルにかかわらず、実質的に明度を有さず、上記第1の時間フレームの間、上記特定のサブ画素の第2セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルに実質的に関連した明度を有し、上記第1の時間フレームに続く第2の時間フレームの間、上記サブ画素の上記第1セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルに実質的に関連した明度を有し、上記第1の時間フレームに続く上記第2の時間フレームの間、上記サブ画素の上記第2セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルにかかわらず、実質的に明度を有さない。
【0035】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、実質的に上記サブ画素と同じピッチを持つパララックス部品であり、該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の角度依存明度作用を引き起こし、上記制御電子回路は、2Dおよび3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されている。
【0036】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、上記サブ画素と実質的に同じピッチを持つパララックス部品であり、該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の主方向角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の主方向外角度依存明度作用を引き起こし、上記制御電子回路は、公共広視野2Dおよびプライベート狭視野3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、独立して調整するように構成されている。
【0037】
本発明に係る他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、実質的に上記サブ画素の2倍のピッチを持つパララックス部品であり、上記パララックス部品は、上記複数のサブ画素のうちの隣接する第1サブ画素および第2サブ画素のペアに関して、上記第1サブ画素の上記第1サブ領域と協調して第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記第1サブ画素の上記第2サブ領域と協調して第2の角度依存明度作用を引き起こし、上記第2サブ画素の上記第1サブ領域と協調して第3の角度依存明度作用を引き起こし、上記第2サブ画素の上記第2サブ領域と協調して第4の角度依存明度作用を引き起こし、さらに、頭の動きを追跡するように構成され、動作可能なように上記制御電子回路と結合されたカメラを備え、上記制御電子回路は、2Dおよびヘッドトラッキング3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、独立して調整するように構成されている。
【0038】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、実質的に上記サブ画素の2倍のピッチを持つパララックス部品であり、該パララックス部品は、第1サブ画素および第2サブ画素の上記第1サブ領域と協調して、主方向上の2D画像および3D画像の表示に用いるための角度依存明度作用を引き起こし、上記第1サブ画素および上記第2サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、主方向外の2D画像の表示に用いるための角度依存明度作用を引き起こし、上記制御電子回路は、2Dと、プライベート狭視野2Dと、3D表示モードとを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されている。
【0039】
本発明に係る他の様態によれば、各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、上記光学部品は、実質的に上記サブ画素と同じピッチを持つパララックス部品であり、該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の角度依存明度作用を引き起こし、上記制御電子回路は、時分割多重化方式によるデュアルビューを実現するために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されている。
【0040】
本発明に係るさらなる他の様態によれば、上記光学部品は、透過領域、非透過領域、レンズアレイ、またはこれらの組み合わせから成るパララックスバリヤである。
【0041】
本発明に係るさらなる様態にかかり、指定されたサブ画素内のサブ領域は実質的に同じサイズを持つことができる。指定されたサブ画素内のサブ領域は異なるサイズを持つこともできる。
【0042】
本発明に係るさらなる様態によれば、パララックス部材は透明および不透明な領域から成るパララックスバリヤであってもよい。パララックス部材はレンズアレイから成ってもよい。パララックス部材はパララックスバリヤとレンズアレイから成ってもよい。パララックス部材は1次元において周期的であってもよい。パララックス部材は2次元において周期的であってもよい。レンズ部品は光を面(円柱レンズ)または点(球状レンズ)へと集光してもよい。
【0043】
本発明に係るさらなる様態によれば、液晶ディスプレイ機器は、透過型機器、反射型機器、および半透過型機器のいずれか1つであってもよい。
【0044】
本発明に係るさらなる様態によれば、パララックス部材の構造におけるピッチは、ディスプレイの中心軸の周辺に位置するユーザが、画像パネルディスプレイの範囲に渡って画像を等しく見ることができるように選ぶことができる。
【0045】
上述および関連する目的を達成するために、本発明は、以下で十分に記載され、クレームによって部分的に指し示される特徴を含む。以下の記述および添付された図面は、本発明において示される実施形態の詳細を述べる。しかしながら、これらの実施形態は、本発明の原理が用いられる多様な方式のうちのいくつかを示す。本発明の他の目的、利点、および斬新な特徴は、添付図面を参照して、以下の発明の詳細な記載を考察することで、さらに容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
添付した図面において、同じ参照番号は同じ部品または特徴を指し示す。
【図1】図1aは、パララックスバリヤを持つ従来の自動立体3Dディスプレイの正面図である。図1bは、図1aで示されたパララックスバリヤを持つ従来の自動立体3Dディスプレイの断面側面図である。
【図2】図2aは、レンズアレイを持つ従来の自動立体3Dディスプレイの正面図である。図2bは、図2aで示されたレンズアレイを持つ従来の自動立体3Dディスプレイの断面側面図である。
【図3】図3aは、本発明に係る典型的な実施形態における容量結合駆動分割サブ画素型マルチビューディスプレイの回路図である。図3bは、本発明に係る他の典型的な実施形態における容量結合駆動分割サブ画素型マルチビューディスプレイの回路図である。
【図4】図4aは、本発明に係る典型的な実施形態における容量結合分割サブ画素の回路配置である。図4bは、図4aで示された容量結合分割サブ画素の等価回路である。図4cは、本発明に係る典型的な実施形態における典型的な駆動スキームを示すタイムチャートである。
【図5】図5aは、典型的なLCディスプレイにおける電圧/輝度応答特性を示す図である。図5bは容量結合駆動方式がどのようにLCディスプレイにおける電圧/輝度応答特性を利用するかを示す図である。
【図6】図6aは、LCディスプレイにおける電圧/輝度応答特性に沿ったプラス方向における全範囲の変換に電圧VCSを使用していることを示す図である。図6bは、LCディスプレイにおける電圧/輝度応答特性に沿ったマイナス方向における全範囲の変換に電圧VCSを使用していることを示す図である。
【図7】標準的なサブ画素を示す図である。
【図8】本発明に係る典型的な配列における分割サブ画素を示す図である。
【図9】本発明に係る他の典型的な配列における分割サブ画素を示す図である。
【図10】本発明に係る他の典型的な配列における分割サブ画素を示す図である。
【図11】従来のディスプレイにおいて自動立体3D画像を生成するための2つの標準的なサブ画素とレンズを示す概念図である。
【図12】本発明に係る実施形態1における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図13】本発明に係る実施形態1における第1フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図14】本発明に係る実施形態1における第2フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図15】本発明に係る実施形態2における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図16】本発明に係る実施形態2における第1フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図17】本発明に係る実施形態2における第2フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図18】本発明に係る実施形態3における四方向ヘッドトラッキングシステムにおける2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図19】本発明に係る実施形態3における四方向ヘッドトラッキングシステムにおける第1フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図20】本発明に係る実施形態3における四方向ヘッドトラッキングシステムにおける第2フレーム自動立体3D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図21】本発明に係る他の典型的な配列における非対称である分割サブ画素を示す図である。
【図22】本発明に係る実施形態4における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図23】本発明に係る実施形態4におけるプライベートモード(主方向観測)における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図24】本発明に係る実施形態4におけるプライベートモード(主方向外観測)における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図25】本発明に係る典型的な配列における他の非対称である分割サブ画素を示す図である。
【図26】本発明に係る実施形態5におけるプライベートモード(主方向観測)における自動立体3D画像および2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【図27】本発明に係る実施形態5における非プライベートモード(主方向外観測)における2D画像を生成するための分割サブ画素とレンズを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明を、図面を参照して説明し、図中において、同じ参照番号が同じ部品に使用されている。
【0048】
図3aは本願に係る典型的な実施形態における容量結合駆動分割サブ画素型マルチビューディスプレイ100の回路図を示す。ディスプレイ100は、制御電子回路102と液晶(LC)ディスプレイパネル104とを含む。制御電子回路102は、従来、デジタル画像データを受信し、液晶(LC)パネル104に含まれる各画素に対して、アナログ信号電圧を出力するように設計されている。加えて、制御電子回路102は、LCパネル104内の全ての画素の対向電極に対するタイミングパルスと共通電圧を提供する。
【0049】
より詳細には、制御電子回路102は、特にLCパネル104の電気光学特性にや対応するよう設定されており、入力画像データによって決まる信号電圧を出力し、表示された画像の知覚品質(すなわち、ディスプレイの面の垂直方向(主方向)から観察している主要観察者に対する解像度、コントラスト、明度、反応時間など)が最適化する。指定された画素に対する入力画像データ値とディスプレイから生じる観察輝度との間の関係性(ガンマ曲線)は、ディスプレイドライバにおける信号電圧マッピングに対するデータ値と、LCパネル104における輝度反応に対する信号電圧とを組み合わせた効果によって決定される。
【0050】
制御電子回路102は、ゲートラインVgを介してゲート制御電圧をLCパネル104に対して提供するゲートドライバ106と、ソース信号ラインVsigを介して信号データ電圧(画像データレベル)を画素に対して出力するソースドライバ108とを含む。制御電子回路102はさらに、ここで説明されている本発明に係り、蓄積キャパシタラインVcs上の電圧を調整することで画素を駆動させるための蓄積キャパシタラインドライバ110を含む。
【0051】
制御用特定用途集積回路(ASIC)112は、ここで説明されているように、表示される画像データ信号を受信し、対応するデータ電圧およびタイミング信号をゲートドライバ106、ソースドライバ108、および蓄積キャパシタラインドライバ110に対して提供する。ディスプレイ100はさらに、必要な直流電圧を提供するためのDC/DCコンバータ114と、バックライトランプ118に電力を提供するインバータ116とを含む。
【0052】
より詳細に後述されるように、ディスプレイ100はさらに、パララックス部材やレンズアレイのような光学部品6(図3aには図示せず)を含む。LCパネル104内の各画素は、サブ画素(例えば、図3aに示されているサブ画素1〜4)から成る。たとえ他の分割サブ画素の構成が同様に該サブ画素に対して適用可能であると理解されているとしても、それぞれが複数のサブ領域(例えばサブ領域1と2)を持つ分割サブ画素を形成するように該サブ画素は分割される。上記光学部品は、別個の角度依存明度機能(角度依存明度作用)を、サブ画素内の対応するサブ領域に関連して生成するために、複数のサブ画素と協調的に結合している。
【0053】
先行技術において説明されているタイプの容量結合駆動分割サブ画素ディスプレイにおいて、VCSライン上の電圧の調整は、固定された差異を持つ各サブ画素における第1および第2のサブ領域におけるVCSラインに信号を印加することに限定されており、これにより、広視野角度特性を最適化するための、分割されたサブ画素サブ領域それぞれにおける電圧の固定オフセットを作り出す。
【0054】
本発明に係る実施形態1において、図3aに示される制御電子回路102は、上記VCSドライバ110が上記異なる分割されたサブ画素サブ領域に対して多様な信号を選択的に提供することができるように上記制御電子回路が調整されているという点で先行技術と異なっており、これにより、指定された分割サブ画素における上記2つのサブ領域間の上記電圧差を完全に制御することができる。本発明に係る前述の光学部品実施形態と組み合わせた時、指定されたサブ画素における各サブ領域上の上記電圧を(したがって上記輝度を)独立して制御または調整する能力により、上記ディスプレイ100は、公共広視野2Dモードと、少なくとも第2の観賞モード(例えば自動立体3D)とを切り替えることが可能となる。
【0055】
本発明に係る他の典型的な実施形態におけるディスプレイ100’が、図3bに示されている。図3bにおける実施形態が持つ上記蓄積キャパシタVCSラインの数が半分であるという点で、図30における実施形態は図3aにおける実施形態と実質的な部分で異なる。本質的に、上記蓄積キャパシタラインドライバ110’は、1つのVCSラインを2つの隣接したサブ画素間で共有する。VCSラインの数の低減は、蓄積キャパシタラインドライバ110’の簡略化および各画素の開口率の改善に関して利点となる。
【0056】
図4aおよび4bは、図29および30における実施形態で実証される、本発明に係る典型的な分割サブ画素配列をより詳細に示す。図4aは、上記LCパネル104に含まれる、指定されたサブ画素120を示す。各サブ画素120は、それぞれ第1および第2のサブ画素サブ領域1および2へと分割される。各サブ領域における上記電極122は、それぞれのTFT(例えば、TFT1とTFT2)を介して共通ゲートラインVgと接続されており、そして、それぞれの蓄積キャパシタ(例えば、Cs1とCs2)を介して対応する蓄積キャパシタラインVCS(例えば、VCS1とVCS2)と接続されている。図4bは、各サブ領域1、2を、該サブ領域の電気的に等価な要素、すなわちキャパシタンスClC1およびClC2によって、それぞれ示す。上記画素電極122と、Vcomによって表される上記共通電極との間の液晶体は、キャパシタンスClCとみなすことができることは、周知である。本明細書で記載されるVSPは分割画素におけるTFT側の電圧であり、VCOMは分割画素における非TFT側の電圧である。標準的なLCD動作を仮定すると、VCOMは全ての分割サブ画素における全てのサブ領域に対して同一である。VLCは、VSPとVCOM間の電位差である。
【0057】
本発明に係る典型的な光学上の実施形態は、上記LCパネル104を介して提供される画素化された画像表示とパララックス部材型光学部品との組み合わせに関するものであり、該組み合わせによって一連の角度依存観賞区域を生成し、それぞれの区域が各自の、上記ディスプレイのサブ画素に対する角度依存明度機能を示す(すなわちマルチビューディスプレイである)。画像データは上記LCパネル104に含まれるサブ画素に対して、適切なアドレス指定を使用した上記ゲートドライバ106およびソースドライバ108によって提供されており、そして、サブ画素サブ領域蓄積キャパシタ(例えば、Cs1とCs2)に対する適切な電圧は、公共広視野2Dモードと、少なくとももう1つ他の画像機能モードとを持つディスプレイを実現するように、上記蓄積キャパシタラインドライバ110を介して提供されている。上記他の画像機能モードは、プライベート狭視野モード、自動立体3Dモード、プライベート自動立体3Dモード(3D画像のプライベート観賞)、およびデュアルビューモードなどを含むが、これらに限定されない。上記公共広視野モードにおいて、表示された画像は全方向から視認可能である。上記プライベート狭視野モードにおいて、画像はディスプレイと垂直な軸の周辺において十分に視認可能である。上記自動立体3Dモード(以降3Dモード)において、画像は奥行きを持って知覚されるように表示されており、従って3次元画像も実現している。上記デュアルビューモードにおいて、第1の画像が上記ディスプレイにおいて十分に左側に表示される一方、該第1の画像と独立した第2の画像は、記ディスプレイにおいて十分に右側に表示されている。
【0058】
好適な実施形態では、上記分割サブ画素型LCDディスプレイ制御電子回路102、102’は、EP00336570A1に記載された方式と一部で類似している容量結合方式によって、上記サブ画素サブ領域1、2を駆動させる。上記ディスプレイ100、100’の特徴は、各フレーム期間内のアドレス指定期間中、そして次のアドレス指定期間中、但し、なお同じフレーム期間の中で、上記ディスプレイ100、100’の各分割サブ画素120における全てのサブ領域(例えば、サブ領域1および2)に対して、単一の信号データ電圧を提供する性能を持ち、上記異なる分割サブ画素サブ領域における上記蓄積キャパシタラインVCSに対して個別に制御可能な電圧を印加することで、上記分割サブ画素120における上記異なるサブ領域1、2上の電圧に対して個別に制御可能なオフセットを印加する性能を持つことである。
【0059】
上記ディスプレイ100、100’の各サブ画素120に対してアドレス指定電圧を印加する順序は、図4a、4b、および4cに表記された電圧に関して、以下のようにできる。サブ画素の各行は、上記フレーム時間中に順次的にアクティブ化される。行は、その行の全てのサブ画素の薄膜トランジスタTFT1およびTFT2を導通状態に切り替える、その行のゲートラインVgに対してのゲート電圧信号を適用することよってアクティブ化される。アクティブな行内の各サブ画素に対する上記信号データ電圧が、上記制御電子回路102、102’によって作り出され、上記ソースドライバ108から各サブ画素へと、対応するデータ信号ソースラインVsigを介して送信される。蓄積キャパシタCS1とCS2、および各サブ画素における液晶セルキャパシタCLC1とCLC2は、ソース信号ラインVsigを介して提供された該キャパシタの信号データ電圧へと充電される。一度この充電が行われると、上記ゲートラインVg上のアクティブ化信号は上記ゲートドライバ106によって取り除かれ、上記TFT(例えば、TFT1とTFT2)をオフにし、各サブ画素サブ領域1、2の上の電荷を十分に絶縁する。上記サブ画素電極122とは反対側に位置する、上記蓄積キャパシタCS1とCS2の電圧VCS1とVCS2はそれぞれ変更され、各サブ画素サブ領域1、2の上の電圧と容量結合し、そして、各サブ画素領域1、2において上記液晶層に渡って印加される意図した電位差(VLC)、すなわちVSP1とVCOM間の電位差およびVSP2とVCOM間の電位差を生じさせるために必要とされる量へと、上記フレーム時間の残りにおいて、電圧のオフセットを行う。その結果、上記分割サブ領域1、2における輝度が実質同じになるように、上記VSP1とVSP2の電圧が同じになってもよく、この動作モードは概して第1の公共広視野モードと結び付けられる。あるいは、上記分割サブ画素領域1、2の輝度(および結果として生じる明度)が、全ての0でない信号電圧に対して異なる輝度であるが0ではない輝度となるように、上記VSP1とVSP2の電圧が異なっていてもよく、この動作モードは概して、第1の公共広視野モードに対して異なる角度依存観賞特性を持つ第2の公共広視野モードと結び付けられる。あるいは、上記指定された分割サブ画素領域(例えば領域1)の輝度が、全ての0でない信号電圧に対して0でない一方、先述の分割サブ画素のほかの領域(例えば領域2)の輝度が、全ての信号電圧に対して0であるように、上記VSP1とVSP2の電圧が異なっていてもよく、この動作モードは概して、自動立体3Dモードやプライバシーモードなどの他の画像機能モードと結び付けられる。
【0060】
図4cは、時間フレーム1において、上記VCS2の電圧がほぼ0である一方、VCS1は0でない電圧を持つことを示す。その結果、分割サブ画素領域1の上の上記電圧VSP1は、前述の分割サブ画素における領域2の上の上記電圧VSP2より大きくなる。今度は、分割サブ画素領域1における輝度が、分割サブ画素領域2における輝度よりも強くなる。時間フレーム1において、上記分割サブ画素領域2における輝度は0となることができる。上記ディスプレイ機器は、ユーザによって決定された、時間フレーム1に続くいくつかのフレームにおいて、上記VCS2の電圧が実質0であり、それゆえ上記分割サブ画素領域2における輝度が0となることができるように動作することが可能である。すなわち、上記フレーム1の駆動スキームは、ユーザから制御命令を受け取るまで有効である。あるいは、時分割多重化駆動スキームを実現することができる。該時分割多重化駆動スキームにおいて、上記VCS1の電圧が実質0である一方、0でない電圧がVCS2に印加されることにより、時間フレーム2において分割サブ画素領域2が分割サブ画素領域1よりも大きな輝度を持つように、時間フレーム2が時間フレーム1に続いて使用される。該時分割多重化駆動スキームにおいて、制御命令がユーザによって出されるまで、フレーム1などに続くフレーム2に、フレーム1は続く。該時分割多重化スキームは、表示された画像における知覚される解像度を増大させる点において利点がある。
【0061】
図4cは単に例示を目的とした概念図であることは理解されるであろう。要求された効果を生じさせるために、アドレス指定電圧において必要とされるタイミングと大きさに関する詳細な説明がEP00336570A1に記載されており、その根本的な違いとして、本発明において多重VCSラインはサブ画素ごとに存在し、それぞれが該サブ画素における異なる分割サブ画素サブ領域1、2と結合しており、これらの異なるVCSライン上のオフセット電圧は、上記蓄積キャパシタドライバ110、110’を介して個別に制御可能である。
【0062】
慣例的に、上記容量結合駆動方式は、液晶層が完全にオフ(実質的に輝度を有さない)から完全にオン(実質的に最大輝度を有する)へ駆動させるために、上記信号電圧が及ばなければならない電圧範囲を最小限にするために使用されており、順次的なフレーム期間中に電力消費を削減するように、各画素に渡って印加されている電圧の極性を反転させるためにも、上記容量結合駆動方式は使用される。図5aおよび5bにおいて、この方式を達成する方法が示されている。図5aは、典型的な液晶セルにおける電圧透過率曲線を示し、x軸VLCが上記液晶層に渡る電位差(すなわち図4bで表されるVSPとVCOM間の電位差)であり、y軸が上記セルを通過する光の透過率である。VLCが増大しても、印加電場へのLCディレクタの結合が上記液晶体の弾性定数に打ち勝ち、ディレクタに歪みが生じる点閾値電圧VTに、VLCが達するまでは、透過が起こらないことは明らかである。VLCがさらに増大するに従って、上記液晶が印加電場に完全に従うように歪み、さらなる透過率の増加が得られなくなる点VMAXに達するまで、印可電場によるLCディレクタの新しい方向付けがさらに増大し、透過率が増大する。上記液晶セルを完全な黒色から完全な透過状態まで駆動するために必要とされる駆動電圧の総合範囲は、ΔV=VMAX−VTである。図5bは、上記容量結合駆動方式がどのように、−ΔV/2から+ΔV/2のみの範囲内における全ての画素に対して上記データ信号電圧を書き込むことにおいて利点となるかを示し、一度この削減された大きさの信号電圧が上記画素に書き込まれると、上記画素における上記蓄積キャパシタラインに対して印加された上記電圧VCSは変更され、VSP上の電圧をVOFF=VT+ΔV/2だけオフセットし、上記画素を通過する光が必要な透過率となるようにする範囲へと上記信号電圧を変更する。順次的なフレームにおいて、各画素に対する上記データ信号および上記VOFFの極性は、上記液晶層に渡る電圧の直流的なバランスを長期間に渡って取るために、逆転させることができる。これにより、大きなキャパシタンスを持ち、それゆえより多くの電力を消費する全てのフレームにおいて上記LC対向電極板上の電圧VCOMの極性を逆転させる必要性を減らすことができる。上記液晶層が完全に切り替わるが0V(ゼロボルト)に中心があるような範囲と、ほぼ等しい幅の範囲に上記デ−タ電圧を書き込み、次に上記電圧VCSを使って、上記液晶切り替え範囲電圧を網羅する点に対して全範囲をプラス方向かマイナス方向のいずれかに変換する手段が、図6aおよび6bに示されている。
【0063】
本発明に係る、上記ディスプレイ100、110’の駆動スキームにおいて、各サブ画素120における上記異なるサブ領域1、2に対して異なるVOFFが印加されてもよい。上記2Dモードにおいて、上記蓄積キャパシタラインドライ110、110’を介して上記異なるサブ領域に印加されたVOFFを実質的に等しくすることにより、上記各サブ画素120のサブ領域1、2が効果的に同じ明度を透過するか、または、VOFFにおいて相対的に小さな差異を与えることにより、上記サブ画素における広視野角特性を向上させることができる。上記サブ画素における広視野特性を最適化するために、上記異なるサブ領域から必要とされる透過率の差異は、US7079214においてより詳細に記載されている。
【0064】
本発明に係る、上記ディスプレイ100、100’における指向性ディスプレイモード(すなわち上記プライベートモード、3Dモード、プライベート3Dモード)において、上記サブ画素サブ領域の一つ(例えば、サブ領域1)は、上記2Dモードにおける場合と同じVOFFを受け取る一方、他のサブ領域(例えば、サブ領域2)は、0であるVOFFを受け取る。この方法により、たとえ上記ソース信号ラインVsigを介して、全ての上記サブ領域1、2に対して同じデータ電圧が書き込まれたとしても、上記液晶セルの閾値電圧が上記電圧駆動範囲の半分よりも大きかったならば(VT≧ΔV/2)、0であるVOFFが印加されたサブ領域は、実質的に透過性を生じさせない。この方法により、各々に対して独立してアドレス可能な画素から成る上記サブ領域の一部は、選択的にスイッチオフできる(例えば、輝度ゼロ)。
【0065】
異なるサブ領域から異なる視野角範囲へ光を向ける受動パララックス部材と組み合わせた時、上記フレーム時間におけるデータ書き込み期間の間に上記サブ領域1、2が同じ信号電圧でアドレスされているにも関わらず、上記ディスプレイ100、100‘の各サブ画素120における上記サブ領域1,2の一部を、選択的にスイッチオフする能力により、と、、上記ディスプレイ100、100’は異なる表示モードの間で切り替え可能となる。上記ディスプレイ100、100’はそれゆえに、単純に各サブ画素サブ領域における上記異なる蓄積キャパシタラインVCSに対して印可される電圧の差異を変えることによって、1つ以上の指向性ディスプレイモードにおける100%の解像度を持った2D画像を表示する性能を有する。
【0066】
図7に関して、液晶ディスプレイにおける従来のサブ画素3は、光変調領域3aと、該光変調領域3aを制御する電子機器領域3bから成る。上記光変調領域3aはさらに、上記LCDを通過する光の量を調整する領域と、上記LCDから反射された光の量を調整する領域とに再分割されてもよい。ある場合において、上記LCDから反射された光を調整する領域は、上記電子機器領域3bの上部に配置されている。
【0067】
図8、9、および10は、本発明に係るディスプレイ100、100’において使用されるサブ画素120の異なる典型的な実施形態を示す。各実施形態において、上記サブ画素120は、2つのサブ領域1および2から成るが、上記サブ画素120は、本発明の請求項の範囲から外れることなくサブ領域をいくつでも含むことができることは理解されるであろう。上記領域1および2はさらに、2つの光変調サブ領域1aおよび2a、そして該光変調サブ領域1aおよび2aをそれぞれ制御する2つの電子機器サブ領域1bおよび2bへと分割される。上記光変調サブ領域1aおよび2aはさらに、上記LCパネル104を通過する光の量を調整する部分サブ領域(不図示)と、上記LCパネル104から反射される光の量を調整する部分サブ領域とに分割される。ある場合において、上記LCパネル104から反射される光を調整する上記部分サブ領域は、上記電子機器領域1b、2bの上部に配置されている。図8から10は全て、上記光変調サブ領域1aと2aおよび上記電子制御サブ領域1bと2bの配置によって互いを区別する分割サブ画素システムを説明する。
【0068】
上記ディスプレイ100、100’は、図8、9、および10で示される分割サブ画素120によって全体的に構成されてもよい。あるいは、上記ディスプレイ100、100’は、分割サブ画素、サブ画素、および/または標準的な画素の複合で構成されてもよい。上記ディスプレイがモノクロディスプレイである場合、そのディスプレイは分割画素によって成されてもよい。一般的に、ディスプレイは2つ以上の異なるタイプの標準的および図7から10に示されるような分割サブ画素配列によって成されてもよい。
【0069】
図11は、標準的なサブ画素3の実質2倍のピッチを持つ光学部品6が、光変調領域3Laおよび光変調領域3Raのための2つの角度依存景色ウィンドウを形成するために使用されている、従来の配列を示す。上記ディスプレイユーザは、画素領域3Laから左目5Lに対して情報を受け取り、画素領域3Raから右目5Rに対して情報を受け取る。上記光学部品6は、例えば、レンズアレイ、パララックスバリヤレイ、またはレンズとパララックスバリヤ部品の組み合わせであってもよい。上記光学部品が受動的(切り替え不可能)である場合、2D画像および3D画像の解像度は、本来のディスプレイの解像度の50%となる(すなわち、光学部品6が付属していないディスプレイの解像度の50%)。
【0070】
図12は、本発明に係り、上記サブ画素120と連携した光学部品6の配列を示す。図12に示されるように、分割サブ画素120と実質的に同じピッチを持つ光学部品6を使用して、光変調領域1Laと1La’のための第1の角度依存景色ウィンドウ、および光変調領域2Raと2Ra’のための該第1の角度依存景色ウィンドウとは異なる第2の角度依存景色ウィンドウを生成している。図12における上記分割サブ画素配列は、図8における分割サブ画素配列に基づく。しかしながら、図9および図10に示されるような他の分割サブ画素配列は、全て図12で使用するために交換可能である。
【0071】
図12を参照すると、上記ディスプレイユーザは、サブ画素サブ領域1Laと1La’から左目5Lに対して情報を受け取り、画素サブ領域2Raと2Ra’から右目5Rに対して情報を受け取っている。上記光学部品6は、例えば、レンズアレイ、パララックスバリヤレイ、またはレンズとパララックスバリヤ部品の組み合わせであってもよい。
【0072】
図12を参照すると、2D画像の表示のために、各サブ領域1、2が実質的に同じ明度を持つように、分割サブ画素120のサブ領域1、2(例えば、1Laと2Ra)の両方に駆動電圧が印加されてもよい。
【0073】
あるいは、図12を参照して、2D画像の表示のために、最も暗いサブ領域(例えば、1La)の輝度が、最も明るいサブ領域(例えば2Ra)の輝度の50%以上となるように、分割サブ画素120のサブ領域1、2(例えば、1Laと2Ra)の両方に駆動電圧が印加することができる。先述の、および先行技術において、2D画像の主方向外カラー再生を向上させるために、この駆動方法を使用することができる。図12は、ユーザが同じ分割サブ画素120から両眼に対して情報を受け取り、その結果として上記2Dモードの解像度は本来のLCDパネルの解像度の100%であることを明瞭に実証する。
【0074】
分割サブ画素スキームを使用している3D画像の表示のために、各画素の50%(すなわちサブ領域の50%)が実質的に輝度を有さない一方、上記画素サブ領域の残りの50%が自動立体3D画像と結び付けられたそれぞれの目のデータと関連した輝度を持つように、駆動電圧が印加されてもよい。図13は、3Dモードで駆動された時の図12の実施形態を示す。より詳細には、サブ領域1Laが自動立体3D画像における左目のデータに関連した輝度を持つ一方、サブ領域2Raは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。サブ領域2Ra’が自動立体3D画像における右目のデータに関連した輝度を持つ一方、サブ領域1La’は実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。簡潔に図4aと4bを参照し直すと、同じサブ画素における2つのサブ領域に対する輝度に関するこの重要な差異は、上記蓄積キャパシタラインドライバ100、110’によるVCS1とVCS2に対する適切な電圧の印加によって達成される。図13によれば、上記3D画像の解像度は50%である。再度、図12および13における上記分割サブ画素配列は、図8で示される配列に由来する。しかしながら、図9および図10に示されるようなほかの分割サブ画素配列は、図12および13における実施形態で使用するために交換可能である。
【0075】
図14は、図13のモードと比較した代替自動立体3Dモードを示す。図14において、サブ領域2Raが自動立体3D画像における右目のデータに関連した輝度を持つ一方、サブ領域1Laは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。サブ領域2La’が自動立体3D画像における左目のデータに関連した輝度を持つ一方、サブ領域2Ra’は実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。再度、図4a、4bおよび4cを簡潔に参照し直すと、同じサブ画素120における2つのサブ領域に対する輝度に関するこの重要な差異は、上記蓄積キャパシタラインドライバ100、110’によるVCS1とVCS2に対する適切な電圧の印加によって達成される。図14によれば、上記3D画像の解像度は再度50%である。
【0076】
図4c、図13および図14は、3Dモードが2つの別個の方法により達成可能であることを実証する。その結果として、3D画像表示のための時分割多重化スキームは、第1の表示フレームに対応する図13の内容を使用し、第1の表示フレームに続く第2の表示フレームに対応する図14の内容を使用することで実現可能となる。図13と図14で使用されるスキーム間の表示フレームを切り替えることで、100%の解像度の3D画像が実現できる。
【0077】
図12から14における実施形態を参照すると、自動立体3D画像を表示する性能を持つディスプレイは、ディスプレイ機器の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材6により達成可能である。上記パララックス部材6は、同じサブ画素の上記光変調領域1Laと2Raに対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素4の寸法は、幅1La=30μm、幅1b=20μm、幅2b=20μm、幅2Ra=30μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズは、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=450μm、レンズの幅=100μm、レンズの半径は230μmである。上述の値および値の比は、自動立体3D画像を表示する性能を持つシステムの典型例である。
【0078】
図15は、分割サブ画素120と実質同じピッチを持つ光学部品6が、光変調領域1La’と1La’’のための第1の角度依存景色ウィンドウ、および該第1の角度依存視点ウィンドウとは異なる、光変調領域2Raと2Ra’のための第2の角度依存景色ウィンドウを生成するために使用される実施形態を示す。図15における上記分割サブ画素配列は、図8の構成に基づいている。しかしながら、図9および10で示されたような他の分割サブ画素配列は全て、図15で使用するために全て交換可能であることが、再度理解されることであろう。ディスプレイユーザは、サブ画素サブ領域2Raと2Ra’から左目5Lに対する情報を受け取り、サブ画素サブ領域1La’と1La’’から右目5Rに対する情報を受け取る。上記光学部品6は、例えば、レンズアレイ、パララックスバリヤレイ、またはレンズとパララックスバリヤ部品の組み合わせであってもよい。図15における動作は、上記光学部品6と上記分割サブ画素120の配列が、上記光学部品6のピッチの半分と実質的に同じ量だけお互いにオフセットしていることを除いて、図12の動作と基本的には同じである。
【0079】
図15を参照すると、2Dモードにおけるディスプレイに対して、各サブ領域(例えば、1La’と2Ra’)が実質的に同じ明度を持つように、分割サブ画素120(例えば、1La’と2Ra’)のサブ領域1、2の両方に駆動電圧を印加することができる。あるいは、図15を参照して、2Dモードにおけるディスプレイに対して、最も暗いサブ領域(例えば、1La’)における輝度が、最も明るいサブ領域(例えば、2Ra’)における輝度の50%以上となるように、サブ領域1、2の両方に駆動電圧を印加することができる。先述のように、2D画像の主方向外カラー解像度を向上させるために、この駆動方法を使用することができる。図15は、ユーザが同じ分割サブ画素120から両眼に対して情報を受け取り、その結果として上記2Dモードの解像度は本来のLCパネル104の解像度の100%であることを明瞭に実証する。
【0080】
図16および17は、3Dモードにおける図15の実施形態の動作を示す。分割サブ画素スキームを使用している3D画像の表示のために、各画素の50%(すなわち上記サブ領域の50%)が実質的に輝度を有さない一方、上記画素サブ領域の残りの50%が自動立体3D画像と結び付けられたそれぞれの目のデータと関連した輝度を持つように(すなわち、左目画像データを持つサブ領域は左目に向けられており、逆の場合も同じである)、駆動電圧が印加されてもよい。再度、簡潔に図4a、4bおよび4cを参照し直すと、同じサブ画素120のサブ領域1、2に対する輝度に関するこの重要な差異は、上記蓄積キャパシタラインドライバ100、110’によるVCS1とVCS2に対する適切な電圧の印加によって達成される。図15によれば、上記3D画像の解像度は50%である。図16および図17における動作は、上記光学部品6と上記分割サブ画素120の配列が、上記光学部品6のピッチの半分と実質的に同じ量だけお互いにオフセットしていることを除いて、図13および図14の動作と基本的には同じである。
【0081】
図4c、図16および図17は、上記3Dモードが2つの別個の方法により達成可能であることを実証する。その結果として、3D画像表示のための時分割多重化スキームは、第1の表示フレームに対応する図16の内容を使用し、第1の表示フレームに続く第2の表示フレームに対応する図17の内容を使用することで実現可能となる。図16と図17で使用されるスキーム間の表示フレームを切り替えることで、100%の解像度の3D画像が実現できる。
【0082】
図15、図16および図17を参照すると、自動立体3D画像を表示する性能を持つディスプレイは、ディスプレイ機器の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材6により達成可能である。上記パララックス部材は、隣接するサブ画素の上記光変調領域1Laと2Raに対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素4の寸法は、幅1La=30μm、幅1b=20μm、幅2b=20μm、幅2Ra=30μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズは、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=450μm、レンズの幅=100μm、レンズの半径230μmである。上述の値および値の比は、自動立体3D画像を表示する性能を持つシステムの典型例である。
【0083】
ユーザがディスプレイに対して横方向に動くことができ、常に3D画像を見ることができるようなヘッドトラッキング3Dシステムを実現するために、光学部品と組み合わせた標準的な画素3、ユーザを向いているカメラモジュール、顔認識画像処理ソフト、および関連制御メカニズムを利用することが、US5808792において先立って開示されている。US5808792に開示された技術と組み合わせて分割サブ画素120を使用することにより(図29と図30においてカメラと顔認識ソフトウェア130として一まとめにして描写)、2倍の解像度を持つヘッドトラッキング3Dシステムが可能となる。US5808792に開示された技術に基づく四方向3Dヘッドトラッキングシステムの光学的な詳細が、図18、図19および図20を参照して説明されている。US5808792に開示された技術と組み合わせて分割サブ画素120を使用することにより、2Dモードの2倍の解像度を持つヘッドトラッキング3Dシステムが可能となる。
【0084】
図18を参照すると、上記光学部品6は光学部品8によって置き換えられている。光学部品8のピッチは、分割サブ画素120のピッチの実質2倍であり、第1角度依存景色ウィンドウ9a、第2角度依存景色ウィンドウ9b、第3角度依存景色ウィンドウ9cおよび第4角度依存景色ウィンドウ9dを生成するために使用されている。該視点ウィンドウ9a、9b、9cおよび9dは、互いに角度的にはっきりと区別される。先の実施形態に関して上述されたサブ領域1a、2aと同様に、光変調サブ領域7a、7b、7cおよび7dは、隣接するサブ画素120に渡って存在している。該光変調サブ領域7a、7b、7cおよび7dは、それぞれ前記ウィンドウ9a、9b、9cおよび9d内で見られる。指定された横方向位置のいずれにおいても、ユーザは実質2つの景色ウィンドウからの光のみを見る。図18を参照すると、第1の横方向位置において、ユーザは一つの景色ウィンドウ(例えば、9a)からの光を一つの目で見て、異なる景色ウィンドウ(例えば、9c)からの光を残りの目で見ている。第1の横方向位置におけるユーザについて、ユーザは景色ウィンドウ9bおよび9dからの光を見ることはない。前記第1の横方向位置とは十分異なる第2の横方向位置へとユーザが移動した場合、ユーザは景色ウィンドウ9bからの光を一つの目で見て、景色ウィンドウ9dからの光を残りの目で見る一方、今度は景色ウィンドウ9aおよび9cが視界からよく見えなくなる。上記光学部品8は、例えば、レンズアレイ、パララックスバリヤレイ、またはレンズとパララックスバリヤ部品の組み合わせであってもよい。
【0085】
図18を参照すると、2D画像の表示のために、各サブ領域7aおよび7bが実質的に同じ明度を持つように、上記制御電子回路102によって指定された分割サブ画素120のサブ領域(例えば、7aと7b)の両方に駆動電圧が印加されてもよい。あるいは、図18を参照して、2D画像の表示のために上記制御電子回路102は、2D画像の主方向外カラー再生を向上させるために先述された方法で、上記サブ領域7aおよび7bに対して駆動電圧を印加することができる。いずれの場合においても、ディスプレイユーザはサブ画素(例えば、120a)のサブ領域(例えば、7a)に結び付けられた1つの景色ウィンドウを1つの目で見て、異なるサブ画素(例えば、120b)における異なるサブ領域(例えば、7c)に結び付けられた異なる景色ウィンドウを残りの目で見る。その結果、上記ディスプレイLCパネル104の本来の解像度の半分の解像度を持つ2D画像をユーザは認識する。図18における上記分割サブ画素120が標準的なサブ画素3に置き換えられた場合、必要とされる光学部品8のピッチが上記サブ画素3のピッチに対して実質4倍はなければならないことから、ディスプレイパネルの元々の解像度の4分の1の解像度を持つ2D画像をユーザは認識することは、注目に値する。その結果、分割サブ画素120を使用することにより、標準的なサブ画素3を使用した場合と比較して、四方向ヘッドトラッキングシステムにおける2D画像の解像度が効果的に2倍となる。図18における上記分割サブ画素120の詳細な配列は、図8に示された配列に基づいている。しかしながら、図9および10で示される上記分割サブ画素配列のような他の分割画素配列は全て、図18から20の実施形態で使用するために全て交換可能であることが、理解されることであろう。
【0086】
図19および20を参照すると、3D画像の表示のために、各サブ画素120の50%(すなわち、サブ領域の50%)が実質的に輝度を有さない一方、上記サブ画素120サブ領域の残りの50%が、自動立体3D画像と結び付けられたそれぞれの目のデータと関連した輝度を持つように、上記制御電子回路によって上記駆動電圧が印加されてもよい。再度、同じサブ画素120における2つのサブ領域に対する輝度に関するこの重要な差異は、上記蓄積キャパシタラインドライバ100、110’によるVCS1とVCS2に対する適切な電圧の印加によって達成される。
【0087】
図19を参照すると、分割サブ画素120aのサブ領域7aが自動立体3D画像における左目のデータに関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素120aのサブ領域7bは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。図19を参照すると、分割サブ画素120bのサブ領域7cが自動立体3D画像における右目のデータに関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素120bのサブ領域7dは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。図19を参照すると、分割サブ画素120cのサブ領域7aが実質的に輝度を有さず(すなわち、黒色にスイッチされている)、そして、分割サブ画素120dのサブ領域7cも実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。分割サブ画素120cのサブ領域7bの輝度および分割サブ画素120dのサブ領域7dの輝度は、自動立体3D画像と結び付けられた左目または右目のいずれかのデータに関連する。分割サブ画素120cのサブ領域7bが、左目のデータを表示するか右目のデータを表示するかを判断する方法として、ユーザの横方向運動の向き(左または右)を確定するために、US5808792に記載されているように、カメラと顔認識ソフトウェア130を使用する方法が利用されている。図19および図20によれば、3D画像の解像度は25%となる。
【0088】
図20を参照すると、分割サブ画素120cのサブ領域7aが自動立体3D画像における左目のデータに関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素120dのサブ領域7cは自動立体3D画像における右目のデータに関連した輝度を持つ。分割サブ画素120aのサブ領域7bの輝度および分割サブ画素120bのサブ領域7dは、自動立体3D画像と結び付けられた左目または右目のいずれかのデータに関連する。分割サブ画素120bのサブ領域7cが、左目のデータを表示するか右目のデータを表示するかを判断する方法として、ユーザの横方向運動の向き(左または右)を確定するために、US5808792に記載されているように、カメラと顔認識ソフトウェア130を使用する方法が利用されている。
【0089】
図4c、図19および図20は、3Dモードが2つの別個の方法により達成可能であることを実証する。その結果として、3D画像表示のための時分割多重化スキームは、第1の表示フレームに対応する図19の内容を使用し、第1の表示フレームに続く第2の表示フレームに対応する図20の内容を使用することで実現可能となる。図16と図17で使用されるスキーム間の表示フレームを切り替えることで、四方向ヘッドトラッキング3Dシステムのための、50%の解像度を持つ3D画像が実現できる。
【0090】
図18、19および20における実施形態を参照すると、自動立体3D画像を表示する性能を持つディスプレイ100、110’は、LCパネル104の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材8により達成可能である。2つのサブ画素120に渡る上記パララックス部材は、2つのサブ画素120に対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素120の寸法は、幅7a=7b=30μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズアレイ8は、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=800μm、レンズの幅=200μm、レンズの半径300μmである。上述の値および値の比は、自動立体3D画像を表示する性能を持つシステムの典型例である。
【0091】
図12から14および図15から17における実施形態は、上記光学部品6が、上記サブ画素120の実質半分のピッチと等しい幅だけ、上記LCパネルに対して横方向にずらすことができ、切り替え可能な2D/3D表示システムをなお達成することが可能であることを示す。同様に、図18から20における実施形態で示された光学部品8も、サブ画素の半分のピッチの倍数だけ、ディスプレイに対して横方向にずらすことができ、切り替え可能な2D/3D表示システムをなお達成することが可能である。図18から20に示された実施形態に基づく2D/3D表示システムは、図8から10で例証されたサブ画素配列のいずれの1つ、または組み合わせによって形成されてもよいことは理解されるであろう。
【0092】
図21を参照すると、非対称である分割サブ画素120は、2つのサブ領域11と12から成る。該領域11と12はさらに、光変調のための2つのサブ領域11aと12a、および、該光変調サブ領域11aと12aを制御する2つの電子機器のサブ領域11bと12bに、それぞれ分割される。該光変調サブ領域11aと12aはさらに、上記LCパネル104を通過する光の量を調整する部分サブ領域と、上記LCパネル104から反射された光の量を調整する部分サブ領域とに分割されてもよい。ある場合において、上記LCパネル104から反射された光を調整するサブ領域は、上記電子機器領域11b、12bの上部に配置されている。
【0093】
図22を参照すると、上記非対称な分割サブ画素120と実質同じピッチを持つ光学部品6が、光変調領域11aのための第1の主方向外角度依存景色ウィンドウ、および、領域11aと対称的である第2の主方向外角度依存景色ウィンドウを、光変調領域11a’と垂直なディスプレイに対して生成するために使用されている。該主方向外景色ウィンドウは、ディスプレイの垂直方向から10度以上の角度からしか見えない。光変調領域12aのための第3の主方向角度依存景色ウィンドウも示されている。該主方向景色ウィンドウは、ディスプレイの垂直方向から50度以下の角度からしか見えない。
【0094】
図22を参照すると、公共広視野2D画像表示のために、各サブ領域(例えば、11aと12a)が実質的に同じ明度密度を持つように、非対称的な分割サブ画素120のサブ領域の両方(例えば、11aと12a)に対して、上記制御電子回路102によって駆動電圧が印加されてもよい。それにより、同じ画像が全ての主方向および主方向外から見られる。
【0095】
分割サブ画素スキームを使用したプライベート狭視野2D画像表示のために、各サブ画素120の50%(すなわち、サブ領域の50%)が実質的に輝度を有さない一方、上記サブ画素120サブ領域の残りの50%が画像データと関連した輝度を持つように、上記制御電子回路102によって駆動電圧が印加されてもよい。図23を参照すると、プライベート狭視野2D画像表示のために、プライペート画像と結び付けられた画像データが主方向で見られるようにサブ領域12a、12a’などに印可される駆動電圧(VCS2)が上記蓄積キャパシタドライバ110、110’によって印加される一方、サブ領域11a、11a’などが実質的に輝度を有さないようにサブ領域11a、11a’などに印加される駆動電圧(VCS1)が上記蓄積キャパシタドライバ110、110’によって印加されている。図24を参照すると、非プライベート軸外2D画像表示のために、サブ領域12a、12a’などが実質的に輝度を有さないようにサブ領域12a、12a’などに駆動電圧(VCS2)が印加される一方、非プライベート画像と結び付けられた画像データが主方向外で見られるようにサブ領域11a、11a’などに駆動電圧(VCS1)が印加されている。
【0096】
プライバシーモードの実装例1は、順次的に示される、2つの異なるフレームの時分割多重化を必要とする。プライベート狭視野主方向2D画像が、図23に示されるように、時間フレーム1に表示されており、非プライベート主方向外2D画像が、図24に示されるように、(時間フレーム1に続く)時間フレーム2に表示されている場合、ユーザがプライベート2D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は非プライベート2D画像を見ることによりプライバシー表示が実現する。
【0097】
プライバシーモードの実装例2は、時分割多重化を必要としない。プライベート狭視野主方向2D画像が、図23に示されるように、全てのフレームで表示される場合、ユーザがプライベート2D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は実質輝度を持たないディスプレイを見ることによりプライバシー表示が実現する。
【0098】
プライバシーモードの実装例1(時分割多重化)は、非プライベート主方向外画像がさらに主方向画像を隠すことから、プライバシーモードの実装例2(非時分割多重化)よりも強いプライバシー強度を持つという点で利点がある。しかしながら、プライバシーモードの実装例2(非時分割多重化)は、実装例2における主方向画像が2倍多く時間フレームに表示されることから、プライベート主方向2D画像がプライバシーモードの実装例1(時分割多重化)よりも2倍明るいという点で利点がある。
【0099】
図21から24における実施形態を参照すると、公共広視野画像モードおよびプライベート狭視野画像モードの性能を持つディスプレイは、上記LCパネル104の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材6を使用する。パララックス部材6は、上記光変調領域12aに対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素の寸法は、11a=45μm、11b=25μm、12b=15μm、12b=15μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズは、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=75μm、レンズの幅=100μm、レンズの半径60μmである。上述の値および値の比は、公共広視野画像モードおよびプライベート狭視野画像モードの性能を持つシステムの典型例である。
【0100】
図25から27を参照すると、以下の画像表示モード、すなわち、公共広視野2D画像モード、プライベート狭視野2D画像モード、自動立体3Dモード、およびプライベート自動立体3Dモード(3D画像のプライベート観賞)を持つ、分割サブ画素を利用する表示システムを実現することができる。公共広視野2D画像モードにおいて、広範囲の入射角に渡って画像が識別可能である。プライベート狭視野2D画像モードにおいて、限定範囲の主方向角度におけるユーザにとってプライベート画像が識別可能であるが、十分にディスプレイの主方向外である角度からディスプレイを観賞している第三者にとってライベート狭視野2D画像は識別不可能である。
【0101】
図25および図26を参照すると、分割サブ画素120は、輝度調整のための2つのサブ領域14aと15a、および、サブ領域14aと15aためのそれぞれの制御電子回路14bと15bから成る。公共広視野2D画像の観賞のために、図12、15、18および22で先に示されたような従来のやり方で、画像がパネルに単純にアドレスされている。
【0102】
図26を参照すると、プライベート狭視野2D画像を観賞するために、サブ領域15a、15a’などは、上記プライベート2D画像に関連した輝度を持つ。
【0103】
プライバシーモードの実装例1は、順次的に表示される、2つの異なるフレームの時分割多重化を必要とする。プライベート狭視野主方向2D画像が、図26で説明されるように、時間フレーム1で表示されており、非プライベート主方向外2D画像が、図27で説明されるように、(時間フレーム1に続く)時間フレーム2に表示されている場合、ユーザがプライベート2D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は非プライベート2D画像を見ることによりプライバシー表示が実現する。
【0104】
プライバシーモードの実装例2は、時分割多重化を必要としない。プライベート狭視野主方向2D画像が、図26で説明されるように、全てのフレームで表示される場合、ユーザがプライベート2D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は実質輝度を持たないディスプレイを見ることによりプライバシー表示が実現する。
【0105】
プライバシーモードの実装例1(時分割多重化)は、非プライベート主方向外画像がさらに主方向画像を隠すことから、プライバシーモードの実装例2(非時分割多重化)よりも強いプライバシー強度を持つという点で利点がある。しかしながら、プライバシーモードの実装例2(非時分割多重化)は、実装例2における主方向画像が2倍多く時間フレームに表示されることから、プライベート主方向2D画像がプライバシーモードの実装例1(時分割多重化)よりも2倍明るいという点で利点がある。
【0106】
3D画像の観賞のために図26を参照すると、分割サブ画素120のサブ領域15aが自動立体3D画像における左目のデータと関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素13のサブ領域14aは実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。
【0107】
図26を参照すると、(隣接するサブ画素120に対して180度回転された)分割サブ画素120’のサブ領域15a’は自動立体3D画像における右目のデータと関連した輝度を持つ一方、分割サブ画素120’のサブ領域14a’は実質的に輝度を有さない(すなわち、黒色にスイッチされている)。
【0108】
3Dモードの実装例1は、順次的に表示される、2つの異なるフレームの時分割多重化を必要とする。プライベート狭視野主方向3D画像が、図26で説明されるように、時間フレーム1で表示されており、非プライベート主方向外2D画像が、図27で説明されるように、(時間フレーム1に続く)時間フレーム2に表示されている場合、ユーザがプライベート3D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は非プライベート2D画像を見ることによりプライバシー3D表示が実現する。
【0109】
3Dモードの実装例2は、時分割多重化を必要としない。プライベート狭視野主方向3D画像が、図26で説明されるように、全てのフレームで表示される場合、ユーザがプライベート3D画像を主方向で見る一方、主方向外の第三者は実質輝度を持たないディスプレイを見ることによりプライバシー3D表示が実現する。
【0110】
3Dモードの実装例1(時分割多重化)は、非プライベート主方向外画像がさらに軸上画像を隠すことから、3Dモードの実装例2(非時分割多重化)よりも強いプライバシー強度を持つという点で利点がある。しかしながら、3Dモードの実装例2(非時分割多重化)は、実装例2における主方向画像が2倍多く時間フレームに表示されることから、主方向3D画像が3Dモードの実装例1(時分割多重化)よりも2倍明るいという点で利点がある。
【0111】
図25から27における実施形態を参照すると、以下の画像表示モード、すなわち、公共広視野2D画像モード、プライベート狭視野2D画像モード、自動立体3Dモード、およびプライベート狭視野3Dモード(3D画像のプライベート観賞)を持つ、分割サブ画素を利用する表示システムを、ディスプレイ機器の最上部の表面に接着剤で接着されたレンズアレイで全体的に構成されたパララックス部材8を使用することで、実現することができる。上記パララックス部材8は、2つの隣接するサブ画素に対して対称的に、中央に置かれている。上記サブ画素の寸法は、11a=30μm、11b=20μm、12a=15μm、12b=35μmである。サブ画素の幅の合計=100μmである。上記レンズは、以下のパラメータを持ち、画素からレンズの頂点の距離=100μm、レンズの幅=200μm、レンズの半径120μmである。上述の値および値の比は、公共広視野2D画像モード、プライベート狭視野2D画像モード、自動立体3Dモード、プライベート自動立体3Dモード(3D画像のプライベート観賞)の性能を持つシステムの典型例である。
【0112】
いくつかの好適な実施形態に関して本発明が示され説明されたが、本明細書および添付図面の解釈と理解に基づいて、同等の代替品および修正品が当該技術分分野の他の技術者により発想される可能性がある。特に、上述の要素(コンポーネント、アセンブリ、機器、構成など)によって実行される様々な機能に関して、それらの要素を説明するために使用されるターム(「手段」への参照を含む)は、他で指摘されない限り、たとえ本発明における本明細書の典型的な実施例での機能を果たす開示された構造と構造的に等価でないとしても、説明された要素における指定された機能を果たす(すなわち機能的に等価である)いずれの要素についても対応する意味を持つ。加えて、いかなる既知もしくは特定の適用例に対しても好ましくかつ有利であるように、本発明の特定の特徴は、いくつかの実施形態の1つのみかそれ以上に関して上述で説明されている一方、そのような特徴は他の実施形態の1つかそれ以上の他の特徴と結び付けられている。
【産業上の利用可能性】
【0113】
少なくとも2つの異なる画像表示機能の性能を持つディスプレイ機器である。該2つの異なる画像表示機能は、例えば、従来の表示、プライバシー表示、自動立体3D表示がある。このようなディスプレイは、例えば、携帯電話、携帯型メディアプレイヤ、ゲーム機器、ノートパソコン、テレビ、デスクトップモニタなど、指向性ディスプレイに使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数のサブ領域に分割される複数のサブ画素と、
光学部品と、
制御電子回路とを備えており、
上記複数のサブ画素は、それぞれ、単独のゲートラインと、単独の信号ラインとを備えており、
特定のサブ画素内の各サブ領域は、対応する蓄積キャパシタラインを備えており、
上記光学部品は、上記サブ画素の対応するサブ領域に応じた別個の角度依存明度作用を引き起こすように、上記複数のサブ画素と協調的に組み合わされており、
上記制御電子回路は、上記サブ画素に含まれる上記ゲートラインおよび上記信号ラインを介して、各サブ画素に含まれる各サブ領域に、信号データ電圧の形式で画像データレベルを供給し、
上記制御電子回路は、対応する蓄積キャパシタラインを介して、上記サブ画素に含まれる各サブ領域に供給された上記信号データ電圧を独立して調整し、
少なくとも2つの異なる画像機能に基づいて動作することを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
上記少なくとも2つの異なる画像機能は、公共広視野2Dモード、プライベート狭視野2Dモード、公共広視野3Dモード、プライベート狭視野3Dモード、およびデュアルビューモードからなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
上記制御電子回路は、対応する蓄積キャパシタラインを介して、特定のサブ画素の各サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、同じ大きさに調整することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
上記制御電子回路は、上記サブ画素の各サブ領域が0でない画像データレベルに対して0でない明度を有するように、特定のサブ画素の各サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、異なる大きさに調整することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
上記制御電子回路は、上記少なくとも1つのサブ領域が全ての画像データレベルに対して実質的に明度を有しないように、特定のサブ画素の少なくとも1つのサブ領域に供給される上記信号データ電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
上記制御電子回路は、時分割多重化方式で上記複数のサブ画素を駆動するように構成されており、
第1の時間フレームの間、特定のサブ画素の第1セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルにかかわらず、実質的に明度を有さず、
上記第1の時間フレームの間、上記特定のサブ画素の第2セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルに実質的に関連した明度を有し、
上記第1の時間フレームに続く第2の時間フレームの間、上記サブ画素の上記第1セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルに実質的に関連した明度を有し、
上記第1の時間フレームに続く上記第2の時間フレームの間、上記サブ画素の上記第2セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルにかかわらず、実質的に明度を有さないことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、実質的に上記サブ画素と同じピッチを持つパララックス部品であり、
該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の角度依存明度作用を引き起こし、
上記制御電子回路は、2Dおよび3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、上記サブ画素と実質的に同じピッチを持つパララックス部品であり、
該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の主方向角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の主方向外角度依存明度作用を引き起こし、
上記制御電子回路は、公共広視野2Dおよびプライベート狭視野3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、実質的に上記サブ画素の2倍のピッチを持つパララックス部品であり、
上記パララックス部品は、上記複数のサブ画素のうちの隣接する第1サブ画素および第2サブ画素のペアに関して、上記第1サブ画素の上記第1サブ領域と協調して第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記第1サブ画素の上記第2サブ領域と協調して第2の角度依存明度作用を引き起こし、上記第2サブ画素の上記第1サブ領域と協調して第3の角度依存明度作用を引き起こし、上記第2サブ画素の上記第2サブ領域と協調して第4の角度依存明度作用を引き起こし、
さらに、頭の動きを追跡するように構成され、動作可能なように上記制御電子回路と結合されたカメラを備え、
上記制御電子回路は、2Dおよびヘッドトラッキング3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項10】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、実質的に上記サブ画素の2倍のピッチを持つパララックス部品であり、
該パララックス部品は、第1サブ画素および第2サブ画素の上記第1サブ領域と協調して、主方向上の2D画像および3D画像の表示に用いるための角度依存明度作用を引き起こし、上記第1サブ画素および上記第2サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、主方向外の2D画像の表示に用いるための角度依存明度作用を引き起こし、
上記制御電子回路は、2Dと、プライベート狭視野2Dと、3D表示モードとを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項11】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、実質的に上記サブ画素と同じピッチを持つパララックス部品であり、
該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の角度依存明度作用を引き起こし、
上記制御電子回路は、時分割多重化方式によるデュアルビューを実現するために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
上記光学部品は、透過領域、非透過領域、レンズアレイ、またはこれらの組み合わせから成るパララックスバリヤであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項1】
それぞれが複数のサブ領域に分割される複数のサブ画素と、
光学部品と、
制御電子回路とを備えており、
上記複数のサブ画素は、それぞれ、単独のゲートラインと、単独の信号ラインとを備えており、
特定のサブ画素内の各サブ領域は、対応する蓄積キャパシタラインを備えており、
上記光学部品は、上記サブ画素の対応するサブ領域に応じた別個の角度依存明度作用を引き起こすように、上記複数のサブ画素と協調的に組み合わされており、
上記制御電子回路は、上記サブ画素に含まれる上記ゲートラインおよび上記信号ラインを介して、各サブ画素に含まれる各サブ領域に、信号データ電圧の形式で画像データレベルを供給し、
上記制御電子回路は、対応する蓄積キャパシタラインを介して、上記サブ画素に含まれる各サブ領域に供給された上記信号データ電圧を独立して調整し、
少なくとも2つの異なる画像機能に基づいて動作することを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
上記少なくとも2つの異なる画像機能は、公共広視野2Dモード、プライベート狭視野2Dモード、公共広視野3Dモード、プライベート狭視野3Dモード、およびデュアルビューモードからなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
上記制御電子回路は、対応する蓄積キャパシタラインを介して、特定のサブ画素の各サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、同じ大きさに調整することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
上記制御電子回路は、上記サブ画素の各サブ領域が0でない画像データレベルに対して0でない明度を有するように、特定のサブ画素の各サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、異なる大きさに調整することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
上記制御電子回路は、上記少なくとも1つのサブ領域が全ての画像データレベルに対して実質的に明度を有しないように、特定のサブ画素の少なくとも1つのサブ領域に供給される上記信号データ電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
上記制御電子回路は、時分割多重化方式で上記複数のサブ画素を駆動するように構成されており、
第1の時間フレームの間、特定のサブ画素の第1セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルにかかわらず、実質的に明度を有さず、
上記第1の時間フレームの間、上記特定のサブ画素の第2セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルに実質的に関連した明度を有し、
上記第1の時間フレームに続く第2の時間フレームの間、上記サブ画素の上記第1セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルに実質的に関連した明度を有し、
上記第1の時間フレームに続く上記第2の時間フレームの間、上記サブ画素の上記第2セットのサブ領域は、上記サブ画素に供給される上記画像データレベルにかかわらず、実質的に明度を有さないことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、実質的に上記サブ画素と同じピッチを持つパララックス部品であり、
該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の角度依存明度作用を引き起こし、
上記制御電子回路は、2Dおよび3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、上記サブ画素と実質的に同じピッチを持つパララックス部品であり、
該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の主方向角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の主方向外角度依存明度作用を引き起こし、
上記制御電子回路は、公共広視野2Dおよびプライベート狭視野3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、実質的に上記サブ画素の2倍のピッチを持つパララックス部品であり、
上記パララックス部品は、上記複数のサブ画素のうちの隣接する第1サブ画素および第2サブ画素のペアに関して、上記第1サブ画素の上記第1サブ領域と協調して第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記第1サブ画素の上記第2サブ領域と協調して第2の角度依存明度作用を引き起こし、上記第2サブ画素の上記第1サブ領域と協調して第3の角度依存明度作用を引き起こし、上記第2サブ画素の上記第2サブ領域と協調して第4の角度依存明度作用を引き起こし、
さらに、頭の動きを追跡するように構成され、動作可能なように上記制御電子回路と結合されたカメラを備え、
上記制御電子回路は、2Dおよびヘッドトラッキング3D表示モードを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を、独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項10】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、実質的に上記サブ画素の2倍のピッチを持つパララックス部品であり、
該パララックス部品は、第1サブ画素および第2サブ画素の上記第1サブ領域と協調して、主方向上の2D画像および3D画像の表示に用いるための角度依存明度作用を引き起こし、上記第1サブ画素および上記第2サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、主方向外の2D画像の表示に用いるための角度依存明度作用を引き起こし、
上記制御電子回路は、2Dと、プライベート狭視野2Dと、3D表示モードとを作り出すために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項11】
各サブ画素は、第1サブ領域と第2サブ領域とを含み、
上記光学部品は、実質的に上記サブ画素と同じピッチを持つパララックス部品であり、
該パララックス部品は、特定のサブ画素の上記第1サブ領域と協調して、第1の角度依存明度作用を引き起こし、上記サブ画素の上記第2サブ領域と協調して、上記第1の角度依存明度作用とは異なる第2の角度依存明度作用を引き起こし、
上記制御電子回路は、時分割多重化方式によるデュアルビューを実現するために、上記対応する蓄積キャパシタラインを用いて、上記第1サブ領域および上記第2サブ領域に供給される上記信号データ電圧を独立して調整するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
上記光学部品は、透過領域、非透過領域、レンズアレイ、またはこれらの組み合わせから成るパララックスバリヤであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図4c】
【図5a)】
【図5b)】
【図6a)】
【図6b)】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図4c】
【図5a)】
【図5b)】
【図6a)】
【図6b)】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2013−521515(P2013−521515A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539898(P2012−539898)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【国際出願番号】PCT/JP2011/055869
【国際公開番号】WO2011/118423
【国際公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【国際出願番号】PCT/JP2011/055869
【国際公開番号】WO2011/118423
【国際公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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